コンテンツマーケティングの5つのセオリーと運用のポイントを解説
コンテンツマーケティングを実施したいけれど、具体的な運用方法が分からないという担当者は多いのではないでしょうか。この記事では、コンテンツマーケティングを運用するときのセオリーやコンテンツマーケティングの手法ごとの運用のポイントを解説していきます。
コンテンツマーケティングを運用するときには、どのようなことに留意するべきか把握できますので、ぜひ参考にしてみてください。
コンテンツマーケティングについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。
コンテンツマーケティングの運用に共通する5つのセオリー
はじめに、すべてのコンテンツマーケティングに共通する5つのセオリーを紹介します。
コンテンツマーケティングの目的とゴールを明確にする
まずは、なぜコンテンツマーケティングを実施するのか、目的と目指すゴールを明確にしましょう。コンテンツマーケティングの目的の一例としては、下記のようなことが挙げられます。
- ・新規顧客や潜在顧客の獲得
- ・商品やサービスの売上アップ
- ・ロイヤルカスタマーの育成
- ・自社のブランディング
例えば、新規顧客や潜在顧客の獲得を目的とする場合は、自社の商品やサービスを知らないもしくは興味が薄いターゲットに向けたコンテンツの作成が必要です。目的が明確になると、コンテンツ記事や動画など目的に応じた手段が検討できます。
目的が決まったら、目指すゴールを設定しましょう。先ほどの例でいうと、コンテンツ記事経由で新規顧客を〇%増やすなど、具体的なゴールがあると効果測定がしやすくなります。
目的とゴールが不明確ではコンテンツの内容や手段が定まらず、コンテンツのメリットを最大限に生かした運用ができません。
中長期的な視点で計画を立てる
コンテンツマーケティングは、即効性のある施策ではありません。記事コンテンツや動画などをコツコツと蓄積し、少しずつ認知を得て目的達成につなげる手法です。
コンテンツマーケティングの特性を把握したうえで、中長期的な視点で計画や手順を立てましょう。具体的には半年~1年程度の計画を立てておき、スケジュールに沿ってコンテンツの作成やメンテナンスを行います。
記事コンテンツの場合は、1年後に〇記事をアップするなど一定期間での数量を決めたうえで毎月の運用方法を計画すると、滞りなくコンテンツマーケティングを進められます。
継続できる仕組みを整える
コンテンツマーケティングは、仕組み作りが結果を左右するといっても過言ではありません。どれだけ計画や目的を明確にしても、実行できる仕組みがなければ継続できないからです。
例えば、動画の場合は、定期的に撮影ができる環境やスタッフ、機材の確保が欠かせません。一時的には社内のスタッフやレンタル機材で補えても、継続した運用を考えるとあらかじめ仕組みを構築しておくことが重要なのです。
社内でコンテンツマーケティングに携わる部署を立ち上げる、コンテンツの制作を外注して社内での負担を減らすなど無理なく継続できる仕組みを整えておきましょう。
予算を確保する
コンテンツマーケティングを運用するときには、予算の確保が欠かせません。実際に、運用前に充分な予算を確保しておかなかったことが理由で、コンテンツマーケティングが失敗に終わるケースがあります。
コンテンツマーケティングは中長期的な運用が欠かせません。費用対効果を実感するまでにはどうしても時間がかかるため、初期投資が必要です。それを踏まえて中長期的な運用費用、機材購入費など事前に予算を確保しておきましょう。
コンテンツの作成を外注に依頼する場合は、外注費用も加味して算出しておくと後からコストが膨らみ運用が難しくなるリスクを避けられます。
分析と改善を繰り返す
コンテンツマーケティングは、分析と改善を活かした運用が成功の鍵を握ります。例えば、記事コンテンツの場合はただ単に記事数を増やせばいいわけではありません。
定期的に効果測定を行い記事そのものの質を改善していくことで、上位表示できたり売上アップにつながったりします。
毎月定期的に効果測定をする、コンテンツマーケティングの運用会議を定期的に設けるなど分析と改善ができる運用基盤を整えておきましょう。
コンテンツマーケティング全体の運用セオリーがわかったところで、次の章からはコンテンツマーケティングの手法ごとに運用のポイントを解説していきます。
コンテンツマーケティングの運用方法①記事コンテンツ
まずは、記事コンテンツを活用したコンテンツマーケティングの運用方法をご紹介します。
目的に応じたキーワードを選定する
記事コンテンツでは、キーワード選定がコンテンツの成長を左右します。ユーザーは何らかの目的や悩みがあり、検索エンジンにキーワードを入力します。
キーワードとユーザーの検索意図にずれが生じると、自社のコンテンツを選んでもらえません。運用時には時間をかけてでも、適切なキーワードを選定しましょう。
キーワード選定にはさまざまな方法がありますが、自社のターゲットとなるユーザーがどのようなキーワードで検索をするのかイメージをしてみることがおすすめです。
購買行動と紐づけて、商品やサービスに興味を持っている段階ではどのようなキーワードで検索するのかなど具体的に書き出してみましょう。
この他にも、下記のような方法で自社のコンテンツの目的に合うキーワードを選定してみてください。
- ・軸となるキーワードの関連語を参考にする
- ・類似コンテンツのキーワードの傾向を参考にする
- ・キーワードの月間検索ボリュームを参考にする
- ・ユーザーにアンケート調査を行い、悩みや疑問に沿ったキーワードを選定する
毎月15~20本を目標にコンテンツ増やす
記事コンテンツは、関連性のある記事同士がコンテンツの価値を高め合う特徴があります。例えば「コンテンツマーケティング」というキーワードの記事だけではなく「コンテンツマーケティング 特徴」「コンテンツマーケティング web」など関連性のある記事が多数あると、内部リンクを貼れるようになります。
この中で一つの記事の価値が高まれば内部リンクがある他の記事も評価されやすくなり、コンテンツの価値そのものが向上する可能性があるのです。
そのためには、毎月15~20本を目標にコンテンツを増やす運用を検討しましょう。毎週4本アップ、隔週で10本アップなどスケジュールを決めると継続した運用がしやすくなります。
成果が出ていない記事はリライトをする
記事コンテンツは公開して終わりではなく、あらかじめリライトを視野に入れた運用体制を整えておくことが大切です。
リライトをする基準の一例としては、下記のようなケースが考えられます。
- ・更新日が古く記事内容の情報が更新された記事
- ・少し手を加えるとよりよい内容になりそうな記事
- ・検索順位が低くSEO対策が不十分な記事
- ・ユーザーのクリック率やコンバージョン率が低い記事
記事コンテンツの運用では定期的にリライトが必要な記事を抽出し、情報の更新や内容の追加を実施しましょう。
コンテンツマーケティングの運用方法②動画
昨今は、動画を活用したコンテンツマーケティングが注目を集めています。ここでは、動画を使ったコンテンツマーケティングの運用ポイントをご紹介します。
動画の活用方法を検討する
動画をコンテンツマーケティングに取り入れるには、まず活用方法を明確にしましょう。売上や認知度のアップを目指すには、商品やサービスの紹介や実際に導入をした事例紹介が活用できます。
また、ロイヤリティの向上やリピーター獲得にはアフターフォローにつながるメンテナンスなどの動画が向いています。他にも、採用を目的とした会社情報や社員インタビューなどの動画を導入している会社もあります。
このように、動画は活用方法によりコンテンツ内容や撮影の規模が大きく異なるため、本格的に運用する前に決めておくといいでしょう。
動画のクオリティを担保できるチームを作る
動画のクオリティが低いと企業の信用問題やサービス、商品のイメージダウンにつながりかねません。
動画は他のコンテンツよりも不特定多数の人が目にする可能性があるため、クオリティが担保できるチームで運用しましょう。
例えば、動画の撮影には機材の購入や撮影テクニックが必要です。社内で機材を購入し使いこなすことが難しい場合は、外注して一緒に動画作成をするのも一つの方法です。
使用するプラットフォームを決める
動画配信ができるプラットフォームは、数多くあります。プラットフォームにより規約や運用方法が異なるため、プラットフォームを決めてから運用しましょう。
プラットフォームを決めるときのポイントは、次の4つです。
動画のプラットフォームを決めるときのポイント
コスト ランニングコストや月額料金を確認する
セキュリティ 動画のダウンロードの有無や公開範囲などのセキュリティ設定を確認する
データ連携 分析ツールを始め使用したい外部ツールとの連携ができるのか確認する
その他設定 有料設定やコメント機能、ユーザーの登録機能などどのような設定ができるのか確認する
とくに、セキュリティやコスト、設定は長期的な運用に関わる項目なので、比較検討するといいでしょう。
▼動画を活用したコンテンツマーケティングについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
コンテンツマーケティングの運用方法③メールマガジン
続いて、メールマガジンを運用するときの具体的な対策をご紹介します。
ターゲットや目的に合わせた内容を用意する
メールマガジンは顧客全員に同じ内容を送付するのではなく、ペルソナや目的に応じた書き分けが必要です。
リピーターや初回購入者、ロイヤルカスタマーなど顧客の属性に応じて、訴求すべき内容が異なります。例えば、初回購入者には購入のお礼を、リピーターには再購入の促進、ロイヤルカスタマーには先行で新商品のPRといった変化がつけられます。
常にターゲットや目的に応じた数種類のメールマガジンを用意できる運用基盤を整えてみましょう。
ターゲットとの距離感を意識する
メールマガジンは、対個人を意識した運用が大切です。具体的には、メールマガジンを受け取った顧客が自分ごとだと捉えられる内容が求められます。
例えば、宛先を個人名にしたりターゲットに沿った旬な情報を取り入れたりと距離感が近くなる工夫を取り入れるといいでしょう。
また、宣伝や購入促進など会社側の思いを全面に押し出すと、途中で離脱する可能性があります。読み手の目線に立って、気軽に読める内容を意識してみてください。
配信頻度と配信日を決めて運用する
メールマガジンの定期的な配信は、顧客との有効な接点となります。定期的に目に留まるようになれば、知らず知らずのうちに気にかけてもらえるようになるはずです。
定期的にメールマガジンを配信するには、配信頻度と配信する日を決めて運用するといいでしょう。配信日は顧客の行動時間を分析して、開封してくれそうな時間帯に設定すると効果が見込めます。
メールマガジンの担当者を決めて決まった曜日に配信をする、配信予約ができるツールを導入して定期的に配信できる仕組みを構築するなど、忘れずに配信できる運用方法を検討してみましょう。
コンテンツマーケティングの運用方法④ホワイトペーパー
ここからは、ホワイトペーパーを活用してコンテンツマーケティングを行うときの運用方法をご紹介します。
ターゲットのニーズを満たすホワイトペーパーを作成する
ホワイトペーパーは、ユーザーにとって魅力的だと感じる内容でないと読んでもらえません。そのため、まずはユーザーのニーズを分析してニーズを満たすホワイトペーパーを作成しましょう。
専門性の高い分野の場合は現場の担当者にヒアリングをすると、最新情報や思わぬニーズに出会える可能性があります。またユーザーを対象にアンケート調査をすると、ユーザーが欲しい情報や知りたい情報がダイレクトに把握できるため、ホワイトペーパー作成に生かせます。
数種類のホワイトペーパーを用意する
ホワイトペーパーには、主に下記のような種類があります。
- ・商品やサービスの事例集
- ・業務やサービスのノウハウ
- ・入門ガイド
- ・マーケットリサーチ
- ・セミナー展示レポート
- ・商品/サービス比較
- ・用語集
例えば、自社の商品やサービスに興味がある場合は、事例集や商品比較のホワイトペーパーに興味を持つでしょう。一方で、これからサービスや商品を検討する場合は、マーケットリサーチやセミナーレポートなど情報収集ができるホワイトペーパーが好まれます。
このように、1つのホワイトペーパーだけではすべてのユーザーのニーズを満たせません。あらかじめ複数のホワイトペーパーを用意し、できるだけ幅広いニーズに応えられる運用を目指してみましょう。
ホワイトペーパーダウンロード後のフォローをあらかじめ視野に入れる
ホワイトペーパーはダウンロードがゴールではなく、ダウンロードがスタート地点です。ホワイトペーパーを機に、顧客への育成や商品購入へとつなげることが真の目的だからです。
そのため、ホワイトペーパーをダウンロードしてくれたユーザーに的確なタイミングでアプローチができるように、フォローを視野に入れて運用することが欠かせません。
例えば、ホワイトペーパーのダウンロードがあったユーザーにはイベント案内のメールを送信する、個別での相談を実施するなど次のアクションを起こせるようにしておきましょう。
コンテンツマーケティングの運用方法⑤イベント
最後に、ウェビナーやセミナーなどのイベントを運用するときのポイントをご紹介します。
滞りなくイベントを実施できる基盤を整える
セミナーや展示会を始めとするイベントは、運用に手間と時間がかかります。セミナーの開催を検討する場合は、人員や会場の確保、資料の作成や登壇者への依頼など準備することが数多くあります。
準備不足や不備があると、イベントに参加をしたユーザーに不信感を与えかねません。イベントを開催する場合は、滞りなくイベントを実施できる設備やチーム、人員を整えることが大切です。
集客方法を検討する
せっかくイベントを実施しても、集客につながらなければ意味がありません。あらかじめ集客を念頭に置いてイベントの運用を行いましょう。
具体的な集客方法としては、下記のようなものが挙げられます。
- ・チラシの配布
- ・メールマガジンやDMの送付
- ・SNSでの情報拡散
- ・自社メディアでの宣伝
- ・広告の出稿
この他にも、注目度の高いゲストを呼んだり参加特典を用意したりするなど、イベント自体の注目度を上げる方法もあります。集客にも費用がかかるため、運用費用を含めて集客方法を考えてみてください。
他のコンテンツマーケティングと組み合わせて運用する
イベントは他のコンテンツマーケティングと組み合わせて、運用するのも一つの方法です。例えば、イベントの様子をSNSや動画で配信すると、イベントに足を運べなかったユーザーにも情報を届けられます。
また、後日イベントの内容を自社サイトやホワイトペーパーに取り入れれば、一つの実績として紹介できます。イベント単体で考えるのではなく他のコンテンツマーケティングと組み合わせると、相乗効果が期待できるでしょう。
成功に導くコンテンツマーケティングの運用を目指す
コンテンツマーケティングの運用方法を理解できれば、競合と差別化できる戦略的なマーケティングができるようになります。
とくに、今回ご紹介した5つのセオリーはコンテンツマーケティングの運用の基盤となる部分なので、あらかじめ知っておくと安定した運用ができます。
コンテンツにより運用方法は異なるため、ポイントを把握しながら運用方法を設計するといいでしょう。