コンテンツマーケティングとオウンドメディアの違いは? 目的や役割と併せて解説
公開日:
更新日:
コンテンツマーケティングを検討する際に、オウンドメディアとはどのような手法か気になる担当者は多いのではないでしょうか。
この記事では、コンテンツマーケティングとオウンドメディアの関係性やオウンドメディアが重要視される理由、そしてオウンドメディアの運用方法などオウンドメディアに関する基礎知識をまとめて解説しています。
オウンドメディアの導入を検討するときに知っておきたいポイントばかりですので、ぜひ参考にしてみてください。
コンテンツマーケティングについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。
コンテンツマーケティングとオウンドメディアの違い
コンテンツマーケティングとは顧客にとって価値のあるコンテンツを作成し、情報を発信することでファンや新規顧客を獲得し収益につなげるマーケティング手法です。
一方で、オウンドメディアは、自社が保有するメディアを指します。コーポレートサイトやブログ、広報誌など自社で管理している幅広いメディアが該当します。
コンテンツマーケティングはマーケティングの手法で、オウンドメディアはコンテンツマーケティングを実施するために使う手段の一つという関係性です。
▼オウンドメディアの意味については、こちらの記事でも詳しく解説していますので参考にしてみてください。
コンテンツマーケティングの中でもオウンドメディアが重要視される理由
昨今、コンテンツマーケティングの中でもオウンドメディアが重要視されています。ここでは、オウンドメディアが重要視される4つの理由を解説していきます。
ユーザーにとって有益な情報が評価されるようになった
1つ目は、ユーザーにとって有益な情報が評価されるようになったことです。検索エンジンであるGoogleはアップデートを重ね、近年はコンテンツの質やユーザーにとって有益な記事を重視するようになりました。
つまり、ユーザー目線に立った質の高いコンテンツは自然とGoogleから高評価を受けて、上位表示されやすくなるのです。
オウンドメディアを活用すると、自社の知識やノウハウを活用しながら有益な情報が発信できます。その結果、効果的なSEO対策ができ、露出や認知度の向上が見込めるでしょう。
アウトバウンド広告の効果が低下している
2つ目は、アウトバウンド広告の効果が落ちていることです。アウトバウンド広告とは、新聞や雑誌の広告、インターネット上のバナー広告などが該当します。
新聞や雑誌は2022年以前から発行部数が減少しており、広告を目にするユーザー数自体が減っています。情報が溢れている現在では、Webサイトに表示されるバナー広告を機に商品に興味を持つユーザーも減少しています。
オウンドメディアを活用すれば広告に頼らなくても、自社の目的やターゲットに合わせた戦略的な宣伝や集客ができるようになります。
ストック型コンテンツが注目されている
3つ目は、ストック型コンテンツが注目を集めていることです。ストック型コンテンツとは、蓄積されることで価値が高まるコンテンツを指します。ブログや動画などのオウンドメディアは、少しずつコンテンツが蓄積されていきます。
SNSなどの一過性の情報発信だけに頼ると、常に情報発信を継続しなければならず運用する側の負担が大きいです。ストック型コンテンツは質の高い情報自体が資産となり、息の長いマーケティングツールとして活用できます。
将来的には広告宣伝費が抑えられる
4つ目は、オウンドメディアの運用が安定すれば宣伝広告費を抑えられるところです。オウンドメディアは即効性のあるマーケティング手法ではありませんが、コンテンツが充実して認知度が出ればオウンドメディアのみで広告宣伝活動ができます。
例えば、自社のブランドサイトを運営しており多くのアクセス数があれば、新商品をオウンドメディアで宣伝をするだけで周知や拡散が見込めるでしょう。他のオウンドメディアや広告媒体と連携すれば、さらなる効果も期待できます。
広告宣伝費にコストがかかると、最終的に残る収益が減少します。オウンドメディアを活用すると、コストを抑えた宣伝活動ができるようになるのです。
オウンドメディアの4つの目的・役割
オウンドメディアが重要視される理由が把握できたところで、オウンドメディアの目的や役割を見てみましょう。
集客をする
オウンドメディアは、顧客との新たな接点となります。例えば、実店舗のみしか持っていなかった会社がECサイトやブランドサイトを開設すると、新たに顧客と接する場所が生まれます。
実店舗には足を運べなかった顧客や商品を知らなかった顧客など、今までとは異なる層にもアプローチができます。その結果、新規顧客や潜在顧客への獲得へとつながります。もちろん既存顧客との接点を深めて、ファン化やリピーター獲得を狙うことも可能です。
ブランディングをする
ブランディングとは自社の商品やサービスの魅力を伝え、他社との差別化や価値の向上を目指すことです。
オウンドメディアはアーンドメディアとは異なり自らサイトを作成し情報を発信できるため、会社の考え方や商品、サービスの強みをダイレクトに届けられます。
とくにBtoB企業やニッチな業種の場合は、自社の強みや技術を伝える機会が限定されています。そのため、オウンドメディアを活用すると外部に向けて自社の魅力が発信でき、認知度の向上や他社との差別化が叶います。
▼オウンドメディアのブランディングについては、こちらの記事でも詳しく解説していますので参考にしてみてください。
▼BtoB企業のオウンドメディア活用については、こちらの記事でも詳しく解説していますので参考にしてみてください。
売上アップを狙う
オウンドメディアは細かなこだわりや使い心地、実際の使用事例など、さまざまな切り口で宣伝が可能です。
その結果、商品やサービスに興味や関心を持つ顧客が増えて、売上アップへとつながります。商品やサービスへの認知度や興味を高めて、売上に貢献するところもオウンドメディアの大きな役割の一つです。
採用に役立てる
労働人口不足が深刻化する中、自社に合う人材確保に悩んでいる企業も多いでしょう。オウンドメディアでは自社の働き方や理念などを細かく伝えられるため、採用に役立てることが可能です。
自社の考え方を発信することで、自社の考え方に共感する人材や働き方に合う人材を見つけやすくなります。また、潜在的な候補者にもアプローチができ、より適切な人材の確保を後押ししてくれます。
▼オウンドメディアの目的については、こちらの記事でも詳しく解説していますので参考にしてみてください。
▼オウンドメディアの役割については、こちらの記事でも詳しく解説していますので参考にしてみてください。
オウンドメディアの種類
オウンドメディアには、ブログやコーポレートサイトを始めさまざまな種類があります。ここでは、オンラインとオフラインに分けてオウンドメディアの種類をご紹介します。
オンラインのオウンドメディアの種類
オンラインでのオウンドメディアには、主に下記の種類があります。
種類 | 概要 |
コーポレートサイト | 企業の概要や資本金、株式会社の場合の株主情報やサービス、採用情報など包括的にまとめたサイト |
ブログ | 自社の情報や意見を発信するメディア |
ECサイト | インターネット上で商品やサービスを提供するサイト |
ブランドサイト | 自社の商品やサービスの認知やPRを目的としたサイト |
ポータルサイト | 顧客が目的の情報にたどり着くための入口となるサイト |
採用サイト | 自社の採用に特化したサイト |
メールマガジン | 既存顧客や見込み顧客にメールを介して情報を発信する |
動画 | 情報をまとめた動画を動画配信プラットフォームや自社サイトで配信する |
オフラインのオウンドメディアの種類
オフラインでのオウンドメディアには、主に下記の種類があります。
種類 | 概要 |
パンフレット | 商品やサービスの情報を掲載している簡易的な冊子 |
カタログ | 商品やサービスのラインナップを一覧化した冊子 |
自社発行の広報誌 | 企業の活動や情報を発信する冊子 |
セミナー・イベント | 自社が開催するイベントやセミナー |
▼オウンドメディアの種類については、こちらの記事でも詳しく解説していますので参考にしてみてください。
オウンドメディアのメリットとデメリット
ここでは、オウンドメディアのメリットとデメリットをまとめてご紹介します。オウンドメディアへの理解を深めるためにも、参考にしてみてください。
メリット①自社の信頼度や魅力を高められる
オウンドメディアを使い情報発信をすると、自社の強みや差別化できるポイントを効果的に伝えられます。
とくに、他のコンテンツにはない質の高い情報や適切な使い方などを発信できれば、専門家として認識されるでしょう。その結果、企業やブランドとしての信頼度や魅力を高められます。
メリット②顧客のロイヤリティを向上できる
オウンドメディアは、新規顧客や潜在顧客の獲得だけでなくアフターフォローにも活用できます。例えば、商品のお手入れ方法や買い替え時期、有効な使い方など既存顧客が欲しいプラスアルファの情報を届けることが可能です。
適切なアフターフォローができると顧客満足度が向上し、顧客のファン化やロイヤリティの向上が見込めます。
メリット③:コンテンツを資産化できる
オウンドメディアに蓄積されたコンテンツは、自社の資産や実績となります。記事コンテンツの場合は作成した記事が増えれば増えるほど顧客の目に留まりやすくなり、自然と集客や売上アップにつながります。
一度情報を発信して終わりではなく、長期的に使えるコンテンツが蓄積できるのはオウンドメディアならではのメリットです。
メリット④:新規顧客のリストを獲得できる
オウンドメディアに会員登録機能やアンケート機能などを設けると、新規顧客のリストを獲得できます。例えば、ホワイトペーパーのダウンロード前に情報を入力する項目を設ければ、ホワイトペーパーをダウンロードした顧客リストが得られます。
特別な営業活動をしなくても一定の顧客リストを獲得できるため、効率よく営業活動へとつなげることが可能です。
デメリット①成果が出るまでに時間がかかる
オウンドメディアは中長期的な運用を前提としており、即効性のある手段ではありません。記事コンテンツの場合は、一定量の記事が蓄積されないとアクセス数や認知度を見込めないでしょう。
採用サイトやコーポレートサイトなども同様で、開設してすぐに一定の集客や反応を得ることは難しいです。オウンドメディアは時間をかけて育てていくものだと認識し、成果や効果を焦らないようにしましょう。
デメリット②:中長期的に運用できるコスト・基盤が必要
オウンドメディアは継続して運用できるコストの獲得や、基盤の構築が欠かせません。
コーポレートサイトや記事コンテンツの場合は一度情報を上げて終わりではなく、継続して情報をアップする体制を整える必要があります。見切り発車をするのではなく、中長期の運用ができる計画を立てて実践することが大切です。
デメリット③:オウンドメディアの構築や運用に関する知識が必要
オウンドメディアで情報を発信するには、専門的な知識が必要です。例えば、オンラインで自社メディアを持つにはメディアを構築する技術や情報を分析する、質の高い情報を発信する知識が欠かせません。
自社内ですべての技術を補うことが難しいときは、外注をして専門的な知識を持つ人材と連携をしながら運用することも可能です。
▼オウンドメディアのメリットについては、こちらの記事でも詳しく解説していますので参考にしてみてください。
オウンドメディアの運用方法
ここでは、オウンドメディアの運用方法を簡単にご紹介します。
目的とゴールを明確にする
まずは、なぜオウンドメディアを始めるのか目的を明確にしましょう。目的に応じて、使用するメディアや情報発信の内容が異なるからです。
目的と併せてオウンドメディアのゴールや目標も決めておくと、明確な軸を持って運用ができるようになります。
ターゲットを決める
次に、自社のオウンドメディアのターゲットを決めます。ターゲットの選定には、フレームワークの一つであるカスタマージャーニーマップを使うのがおすすめです。
カスタマージャーニーマップを使うと自社の商品やサービスの認知から購入までの心理、行動を整理でき、ペルソナの具体的な行動や考え方が見えてきます。
▼カスタマージャーニーマップについては、こちらの記事でも詳しく解説していますので参考にしてみてください。
https://www.pascaljp.com/customerjourney_create.html
コストと運用方法を検討する
オウンドメディアの制作前には、コストと運用方法を決めておきましょう。オウンドメディアのコストは初期費用とランニングコスト、外注費などを含めて検討します。
オウンドメディアを構築する
事前準備ができたところで、オウンドメディアの構築を開始します。目的やターゲットに沿ったデザインや項目を取り入れることが大切です。
オウンドメディアを運用する
オウンドメディアが完成したら実際に運用を開始します。あらかじめ決めておいた更新頻度や運用方法を守りながら、中長期的な運用を目指します。
効果測定を実施し改善をする
オウンドメディアは、一度作成をしたら終わりではありません。定期的にコンテンツやサイトの効果測定を実施します。効果測定の結果を基に施策を検討して、オウンドメディアの質を高めます。
▼オウンドメディアの詳しい構築方法については、こちらの記事でも詳しく解説していますので参考にしてみてください。
▼実際にオウンドメディアを運用している事例は、下記の記事を参考にしてみてください。
オウンドメディアの構築・運用時に必要な費用
オウンドメディアの運用方法が分かったところで、実際に必要な費用が気になるところです。ここでは、オウンドメディアの構築や運用にかかる主な費用をご紹介します。
オウンドメディアの構築時に必要な費用
オウンドメディアの構築時には、主に下記の費用がかかります。
- ・サーバー代
- ・ドメイン代
- ・デザイン・コーティング代
- ・CMSの導入費
- ・機材購入費
オウンドメディアの構築に必要なデザイン、コーティング代や機材購入費は、どこまで外注に依頼をするのかによって費用が異なります。
オウンドメディアの運用時に必要な費用
オウンドメディアの運用時には、主に下記の費用がかかります。
- ・サーバー・ドメインの更新費
- ・オウンドメディアのメンテナンス費
- ・コンテンツ作成費
- ・ツール導入費
- ・その他外注費(運用・分析など)
コンテンツの作成を外注する場合やオウンドメディアの分析、運用を外注する場合は、外注費用がかさむ可能性があります。
▼オウンドメディアの運用に使用できるツールについては、こちらの記事でも詳しく解説していますので参考にしてみてください。
▼オウンドメディアの費用については、こちらの記事でも詳しく解説していますので参考にしてみてください。
オウンドメディアを成功させるための3つのポイント
最後に、オウンドメディアを成功に導くためのポイントを3つご紹介します。
あらかじめ中長期で運用できる体制を整える
オウンドメディアを開設しても中長期的に運用を行う体制が整っていなければ、効果が出る前に運用自体ができなくなる可能性があります。
無理なく長期的な運用ができる基盤を整えることが大切です。あらかじめ社内業務と外注業務を明確にしておくと安心でしょう。
効果を可視化できる指標を設定する
オウンドメディアの効果を最大化するには、定期的に分析をして効果を可視化することが欠かせません。適切な効果測定をするためにも明確な指標を設定して、現状把握ができるようにしておきましょう。
▼オウンドメディアの効果測定については、こちらの記事でも詳しく解説していますので参考にしてみてください。
一度作成をして終わりではなくアップデートを続ける
オウンドメディアはアップデートをし続けることで、効果を高めることができます。デザインの見直しやコンテンツのリライトなど、改善し続けられる運用体制を整えましょう。
▼オウンドメディアの運用時のポイントについては、こちらの記事でも詳しく解説していますので参考にしてみてください。
コンテンツマーケティングではオウンドメディアの制作が欠かせない
コンテンツマーケティングの中でも、オウンドメディアはブランディングや収益アップに欠かせない手法の一つです。オウンドメディアの価値を最大化できる運用をすることで、ブランディングや集客に役立てられます。
今回ご紹介したオウンドメディアのメリットや運用方法、目的を把握したうえで、自社にあうオウンドメディアの運用を検討してみてください。