コンテンツマーケティングは導線が重要! 種類や設計方法を徹底解説

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コンテンツマーケティングを始めた多くの企業が直面するのが、コンバージョン獲得の難しさではないでしょうか。サイト運用後なかなか成果につなげることができずお悩みの場合、導線設計に問題があるかもしれません。コンバージョンを生むには、適切な導線設計が不可欠です。

この記事では、コンテンツマーケティングの導線設計について詳しく解説します。導線の種類や設計方法、CTAの形式を紹介しますので活用してみてください。

コンテンツマーケティングについてもっと詳しく知りたい方は、ノウハウを知りたい方は、以下の記事もご参照ください。

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コンテンツマーケティングとは、記事や動画などのコンテンツを通してユーザーに価値ある情報を提供し、認知度や売り上げの向上などを目指す施策です。多くの企業が取り組んでおり、今や定番のマーケティング手法ですが、実践手順やポイントなどがわからない方もいらっしゃるかもしれません。本 記事では、コンテンツマーケティングの基礎知識やポイント、成功事例を解説します。

コンテンツマーケティングの導線とは?

「SUCCESS」の文字を指すコンパス

そもそもコンテンツマーケティングで言う「導線」とは、ユーザーがコンバージョンに至るまでの行動を想定した経路です。マーケティング施策側が「ユーザーはWeb上でこのルートでこの行動を起こすだろう」と仮説を立て、仮説通りに動いてもらうため設計します。

適切な仮説を立てるには、ユーザーの行動や心理状態の分析が重要です。アクセス解析ツールでユーザーの行動ログを取得したり、調査したユーザーニーズをもとにコンテンツを新規作成したりして、導線の設計・改善を積み重ねます。

なお、導線は「動線」とは異なります。動線は、ユーザーがWebサイト上で実際に辿った経路です。つまり、コンテンツマーケティングの導線設計は、実際のルートを示す「動線」を分析し、ユーザーの行動パターンを仮定する「導線」を改善し、また「動線」を分析するといった繰り返しになります。

時間をかけて集客がたくさんできたとしても、CVが期待通りに増えないことも多々あります。導線としてのゴールは、「お問い合わせ」や「SNSフォロー」などの種類がありますが、そのようなゴールにうまく導けるような導線設計が必要です。

コンテンツマーケティングで導線設計を行う必要性

デニムポケットから頭を出す数枚のクレジットカード

コンテンツマーケティングで導線設計を行う必要性は、次の3つに分けられます。

1.途中離脱を防ぎコンバージョンへ誘導する
2.サイト設計やコンテンツ制作がスムーズになる
3.ユーザーの購買意欲を生む

それぞれ具体的に説明します。

1.途中離脱を防ぎコンバージョンへ誘導する

ユーザーの意図に沿った導線設計は、途中離脱を防ぎます。反対に、ユーザーが見たい情報がすぐに見つからず、どこにあるかわからないサイトは途中離脱を招きやすいです。せっかくアクセス数が増えても、途中離脱が多ければコンバージョンは生まれません。

また、ユーザーにとってはわかりやすい設計になっていても、コンバージョンに繋がる導線が存在しない場合もあります。利益が生まれなければ意味がないため、ユーザーの利便性とコンバージョンへの誘導を両立した導線設計が大切です。

2.サイト設計やコンテンツ制作がスムーズになる

正しい導線は、Webサイトやコンテンツの制作に役立ちます。コンテンツマーケティングの準備段階には、サイト設計だけでなく導線設計も含めるケースが一般的です。初期に導線設計を行うと、コンバージョンに繋がるサイト構造やデザイン・UIがわかります。

加えて、効果的な導線はコンテンツ制作にも必要です。導線上に作るべきコンテンツがわかるため、現状で不足しているコンテンツを優先的に作成できます。コンバージョンに無関係なコンテンツばかり作る事態を避けたいのであれば、導線設計が欠かせません。

3.ユーザーの購買意欲を生む

潜在層の購買意欲を育てる「リードナーチャリング」にも、導線設計は効果的です。ユーザーが読みやすいWebサイトは、回遊性が向上します。最初に到達したページ以外のコンテンツも閲覧してもらうことで、ユーザーの興味関心を育てて将来的な購買行動へ繋げられるわけです。

回遊性が高いユーザーは、自社メディアの読者として定着する可能性もあります。このように、導線設計は購買意欲の高いユーザーのみに向けて行うものではありません。潜在的なターゲットのニーズを掘り出し、購買意欲を生む導線作りも大切です。

コンテンツマーケティングにおける導線の種類

握手する手元とビルの街並み

コンテンツマーケティングにおける導線とは、具体的にどのような種類があるのでしょうか。代表的な導線は、以下の7つです。

1.お問い合わせ
2.会員登録
3.SNSフォロー
4.ホワイトペーパーの閲覧・ダウンロード
5.資料請求
6.無料体験
7.セミナー・イベント申し込み

1つずつ詳しい特徴を見てみましょう。

1.お問い合わせ

お問い合わせは、メールアドレスや氏名などの入力フォームや、自社の電話番号を設置します。自社サービスに対し、ある程度関心が高いユーザー向けの導線です。すぐに問い合わせたい人に向けてトップページに設置するだけでなく、コンテンツを通して欲求が高まった人向けにページの途中や最後、サイドバーなどの適切な位置にも設けます。

お問い合わせは、ユーザーが「問い合わせよう」と決意したときにすぐに行動を起こせる箇所への設置が大事です。設置箇所が少ないと、ユーザーは「後でいいや」「他社も確認してみよう」と離脱してしまう恐れがあります。

2.会員登録

メルマガやLINEなどの簡易的な会員登録は、ユーザー情報の獲得を目的として設置します。中でもLINEの友だち登録はユーザーの心理的ハードルが低い上、若年層にも訴求しやすい点が強みです。スマートフォンユーザーは多いため、他の導線と比べてコンバージョンを達成しやすいと言えます。

また、会員登録は顧客情報の取得に加え、リードナーチャリングにも活用できます。顧客の属性に合わせた情報の配信により、自社サービス・商品への興味や購買意欲の育成が可能です。

3.SNSフォロー

自社が運営するSNSアカウントをフォローしてもらい、商品やサービスの認知を獲得する導線です。SNSのフォローは気軽にできるため、多くのユーザーと接点を持ちやすくなります。ユーザーと直接コミュニケーションを取れるので、自社への親近感を得るためのブランディングにも活かせるでしょう。

ただし、SNSフォローは簡単にできる反面、自社への興味関心が低いユーザーの割合が他の導線よりも多くなります。売上に繋がらないユーザーが多いため、SNSフォローに偏った導線設計ではなく他の導線との併用がおすすめです。

4.ホワイトペーパーの閲覧・ダウンロード

ユーザーにとって役立つ情報をまとめた「ホワイトペーパー」は、BtoB企業のリード獲得に効果的です。一般的に、ユーザーがホワイトペーパーを求める際は、閲覧またはダウンロード前に企業情報を入力してもらいます。

ホワイトペーパーは、ユーザーのよくある課題と解決策を提示する「課題解決型」や、自社サービスの具体的な「事例紹介型」などの種類があります。リード獲得のほか、ユーザーの求める情報を提示することで自社への信頼性を向上させる導線です。

5.資料請求

資料請求は、多くの種類があるホワイトペーパーよりも、さらに比較検討段階が高いユーザーが対象です。自社サービスについて詳細にまとめた資料を提示し、商談獲得を目指します。

自社サービスの内容に加え、詳しい導入事例を紹介する資料もあります。導入事例は、「こういった悩みを抱えたていた企業が自社サービスを導入し、売上が何%向上した」といった具体性が重要です。客観的な数値を添えて紹介することで、高い信頼性が必要な高額商材の商談も成立させやすくなるでしょう。

6.無料体験

無料体験は、実際の商品・サービスを提供してもらい、購買に繋げる導線です。たとえば、1ヶ月間の無料トライアルや試供品の提供、Web上の無料デモといった方法があります。サブスクリプションサービス、エステサロンなどの実店舗、化粧品の定期購入といった継続的な利用を求める商品に向いている施策です。

反対に、無料体験にかかった費用の回収見込みがない場合や、単発購入が一般的な商品には向いていません。無料体験を導線に取り入れるか検討する際は、自社のビジネスモデルおよび費用対効果を検証しましょう。

7.セミナー・イベント申し込み

セミナーやイベントの申し込みも、導線の1つです。自社開催のセミナーやイベントへの参加を促し、ユーザーと直接交流できる機会を獲得します。ユーザーの参加ハードルを下げたい場合、オンライン開催のウェビナーがおすすめです。

セミナーやイベントの開催は、高額商材を扱う会社や、導入前の丁寧なヒアリングが必要な会社に向いています。商談成立前から深い関係性を築きたい場合、セミナー・イベントを開催し、申し込みへ至る導線を構築しましょう。

ユーザーの行動を促す導線「CTA」の形式

Webサイトのレイアウトパターン

導線を作る上で欠かせない存在が「CTA」です。CTAとは、ユーザーの行動を促すために設置する機能を指します。主なCTAの形式は、次の5つです。

1.ボタン
2.テキストリンク
3.バナー
4.ポップアップ
5.フォーム一体型

1つずつ用途を紹介します。

1.ボタン

ボタンは、よく使われるCTAの1つです。「無料相談はこちら」「商品をカートに入れる」などの文言で設置します。通常テキストと異なる色や背景で設置するため、後述のテキストリンクよりもユーザーに認識されやすい点が強みです。ボタンに表示する文章は、「このボタンを押したら何が起きるか(どのページに移動するのか)」がユーザーに伝わるように工夫しましょう。

2.テキストリンク

テキストリンクは、文章主体のコンテンツと相性の良いCTAです。記事の合間に自然に挿入できるため、ユーザーの閲覧を邪魔しません。また、画像や派手な色合いを使用しないので広告感が薄く、ユーザーへ不快感を与える可能性も低いです。一方で、ユーザーに気づかれない場合もあるため、他のCTAとバランス良く併用するといった対策が求められます。

3.バナー

バナーは、画像とテキストを使ってユーザーにアプローチするCTAです。画像を用いることで、商品やサービスのイメージを直接的に伝えられます。近年は動画を使ったバナーも増えており、より視覚的な訴求が可能です。しかし、バナーは広告感が強くなりやすく、ユーザーの反感を買いやすいといったデメリットがあります。バナーを設置する際は、設置箇所や数、バナークリエイティブの工夫が重要です。

4.ポップアップ

ポップアップは、Webサイトにアクセスしたユーザーに、問い合わせフォームや資料ページへの誘導ウィンドウを表示するCTAです。「すぐに問い合わせたい」と検討段階の高いユーザーへは効果的な一方で、情報収集しているユーザーには邪魔になる可能性があります。そのため、ポップアップは画面下部に表示し、ユーザーの閲覧を邪魔しないよう配慮した設計が一般的です。中でも、操作を強制する「モーダルウィンドウ」は確実に閲覧の邪魔になるので、本当に必要なのか慎重に検討しましょう。

5.フォーム一体型

フォーム一体型のCTAは、コンバージョンページへ遷移させず、入力フォームが同一ページ内に設置されているページです。お問い合わせや商品購入を同一ページ内で行えるので、ユーザーの意欲が落ちないうちにすぐに行動を起こしてもらえます。商品訴求に特化したランディングページやサービスサイトなど、コンバージョンに関連するコンテンツのページに採用すると効果的です。

コンテンツマーケティングの導線の設計方法

積み重なったカラフルな雑誌

導線にはさまざまな種類やCTAがあるわけですが、実際にどのように導線を設計すべきなのでしょうか。ここでは、以下3つの手法を紹介します。

1.流入元や流入キーワードから考える
2.ユーザーの検討段階に合わせる
3.ページを分析する

順番に解説しますので、参考にしてみてください。

1.流入元や流入キーワードから考える

流入経路が異なればユーザーの属性やニーズも変わるため、それぞれに適した導線が必要になります。たとえば、SNSから流入したユーザーは自社サービスへの興味が薄い人が多いです。まずは、ハードルが低くニーズの育成も可能な「LINEの友だち登録」を導線に設けると良いでしょう。

検索エンジンから流入したユーザーには、流入キーワードを予測・分析し、心理状態に合わせた導線を用意します。例として「SEOとは」で検索して流入したユーザーには、購買意欲が高くない可能性があるため、購買意欲を育てるためのホワイトペーパーや関連記事への内部リンクを導線に設けます。別の例で、「SEOツール 比較」のユーザーには、購買意欲が高異可能性があるキーワードとなるため、資料請求やお問い合わせなどの購買に近い導線が適切です。

2.ユーザーの検討段階に合わせる

ユーザーの検討段階を考え、各段階のユーザーに合わせた導線を作る方法もあります。具体的には、情報収集をしているユーザーには、具体的な情報をまとめたホワイトペーパーや会員登録などの導線が必要です。ニーズを育成すべき潜在層には、内部リンクで回遊性を向上させる導線設計が大切になります。

その他、比較検討段階のユーザーは、購買の後押しとなる導線が向いています。無料デモや体験、導入事例、資料請求といった導線です。高額サービスであればセミナーの申し込みフォームを設置し、信頼性を築くための導線を設けましょう。

コツとしては、キーワードの「ジャンル」から戦略を立てることで、コンテンツマーケティングを成功に結びつけることができます。

3.ページを分析する

既存のページを分析し、導線設計に活かすことも大切です。とりわけ重要なのが、閲覧数が多いページとユーザーが最初に閲覧するページです。閲覧数の多いページは、流入経路を分析してよく見られている理由を分析します。再現性のある理由であれば、他のページにも活かしてより良い導線を作れるでしょう。意図せず閲覧数が高いページがあるなら、導線設計にミスがあるかもしれません。

ユーザーが最初に閲覧するページも流入経路を分析することで、誘導すべきコンテンツがわかります。コンバージョンに繋がるページなのか、あるいはニーズを育成するコンテンツなのかを判断し、回遊性を高めましょう。

コンテンツマーケティングで導線設計する際のポイント

電球のイラストが描かれた付箋とコルクボード

コンテンツマーケティングで導線設計を進める際は、以下4つのポイントに気をつけましょう。

1.継続して取り組める導線を使う
2.ユーザーの目的を仮定して導線を作る
3.CTAを最適化する
4.関連するページへの導線を作る

詳しく注意点を紹介します。

1.継続して取り組める導線を使う

自社に合わない導線の種類は、使わないようにしましょう。SNSフォローを導線の1つとした場合、フォロワーが増えても投稿が滞っては意味がありません。セミナーの申し込み経路を用意するにしても、商談に繋がる効果的な内容を立案できる人材が不可欠です。せっかく得た顧客接点を活用できない導線は採用せず、自社リソースに適した種類を選んでみてください。

2.ユーザーの目的を仮定して導線を作る

自社サイトへの流入経路を逆算し、ユーザーの目的を満たせる導線を作りましょう。ユーザーは、何らかの目的を持って自社サイトへたどり着きます。「何が知りたいのか」を考え、自社の利益追求だけにとらわれないユーザー目線の導線設計が大切です。カスタマージャーニーマップやペルソナを設定すると、検討段階に合わせたユーザーの心理が理解しやすくなります。導線上に必要なコンテンツや内部リンク、CTAの設置に役立つでしょう。

3.CTAを最適化する

CTAの設置箇所やデザインの最適化も忘れてはいけないポイントです。CTAはコンバージョンの一歩手前なので、クリック率やコンバージョン率に強く影響します。「このボタンを押したら何が起きるのか」がわかりやすい文言や、見やすいコントラストを意識してCTAをデザインしましょう。また、ヒートマップツールを使うと、ユーザーがよく読んでいる箇所がわかります。注目度が高い箇所にCTAを設置すれば、コンバージョン率の向上を図れるでしょう。

4.関連するページの導線を作る

サイト内で関連するページへの導線を作ることも必要です。ユーザーにサイト内で回遊してもらうことができない原因の一つに関連ページへのリンクがないことなどが挙げられます。また、難易度の高いキーワードの場合は、関連ページを作り、親ページに向けてリンクを集中させることも必要です。

コンテンツマーケティングの導線の改善手段

疑問符が描かれた3つの扉と電球の人形

コンテンツマーケティングの導線は、効果検証と改善の積み重ねが重要です。改善策の一例として、以下の項目があります。

・アクセス数が多いまたは離脱率が低いページに関連性の高い内部リンクを設ける
・ページの読み込み速度を改善する
・コンテンツの内容を一覧できる「ナビゲーション」を作成して読者が読みたい情報の位置をわかりやすくする
・コンテンツに見合ったCTAを設ける

上記に加え、アクセス解析ツールを使い、ユーザーがWebサイト上でとった行動である「動線」の分析も必要です。分析結果からどこで離脱したのかを明らかにし、最適な改善策を仮説立てて検証しましょう。

サイトの導線設計を改善してコンバージョン率を高めよう

コンテンツマーケティングの導線設計は、コンバージョン率を高めるために重要な作業です。導線を設計していないWebサイトはユーザーの途中離脱を招きやすく、なかなかコンバージョンが生まれません。

導線をうまく作れなければ、せっかく集客したお客様がCVにつながらずに離脱してしまいます。集客だけではなく、CVにつながる導線設計を意識することが必要です。

会社のビジネスを成功させるべく、コンテンツマーケティングの導線設計を戦略的に行っていきましょう。

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