LLMO分析の第1弾として、AIオーバービュー(AI Overviews)の分析機能をリリースしました!この機能では、指定キーワードでのAIオーバービューの表示有無と、AIオーバービュー内の自社サービス(会社名、サービス名、サイト名など)の引用の有無を調べることができます。
そもそも、AIオーバービュー(AI Overviews)ってなに?
AIオーバービュー(以下、AIO)とは、Google検索した際に検索結果の上(下画像)に表示される「AIによる概要」のことです。

このAIO、約40%程度のキーワードで表示されますが、特に「Knowクエリ」と呼ばれる情報検索キーワード(「〜とは?」など)で多く表示されます。
KnowクエリでSEO記事を作成してリードを集客、ホワイトペーパーなどをダウンロードさせてナーチャリング(育成)するという方法は、BtoBにおいて王道のSEO施策ですが、AIOの出現により通用しなくなりつつあります。
というもの、AIOの内容で検索ユーザーは満足してしまい、その下の検索結果をクリックしない、いわゆる「ゼロクリックサーチ」が起きてしまっているからです。
現時点(2025年6月現在)では、コンバージョンにつながる確率が高いキーワード(DoクエリやBuyクエリ)では、AIOはあまり表示されないので、ゼロクリックサーチが売上に影響することは少ないですが、今後、米Googleで導入が開始された「AIモード」が日本でも実装された場合、自社がAIに選ばれないと売上激減する危険があります。
AI時代は、AIに選ばれないと売上激減!
前述したAIモードの普及が広がると、それまでの検索体験とは全く違うものになります。
例えば、現在の検索体験は次の通りです。
- ユーザーがキーワードで検索する。
- Googleが検索結果を表示する。
- ユーザーが自分で情報を探す、または、満足する情報がない場合、別のキーワードで再検索する。
- ユーザーが検索結果から自分の判断で情報を見つけ出す。(コンバージョンする際も同様にユーザー自身が候補を選択して最終決定する。)

現在の検索体験の特徴は、ユーザーの能動的行為によって情報を取捨選択する。Googleはあくまで情報を表示するだけで、そのなかから情報を探し出すのはユーザー自身。
上記に対して、AI時代になると次のような体験になります。
- ユーザーがAIに質問する。
- AIがユーザーに合った内容+拡張した内容を返答する。
- ユーザーがさらにAIに質問すると、AIがさらに深ぼった情報や考え方を提案する。
- 上記を何度が繰り返すうちに、AIが提案した情報から商品(サービス)に対するの興味が芽生え、AIに「◯◯におすすめの商品(サービスや会社)を教えて」と聞くことがある。
- AIが候補を数個(3つ程度)返してくる。
- ユーザーが候補を気に入れば、そのなかから購入する先を検討する。(ここから先は、ユーザーが各会社のWebサイトに行って調べる。)

AI時代の検索体験は、ユーザーとAIの会話になる。AIが提案したもののなかからユーザーが情報を取捨選択する。つまり、自社商品(サービス)がAIに選ばれないと、そもそもスタート地点にすら立つことができない。
新機能「AIによる概要」
パスカルの「AIによる概要」は、指定キーワードでのAIOの表示有無と、AIO内に自社サービス(会社名、サービス名、サイト名など)の引用の有無を調べることができます。


・AIO(AI Overviews)が表示されているか?
・AIOにはどのような内容が記載されているか?
・AIOに入力URLに関連する用語(会社名、サービス名、サイト名など)が引用されているか?
大きく表示すると、左側にAIOの概要、右側に引用元のサイトを表示します。(一部キーワードでは引用元サイトは表示されません)。概要、引用元サイトのどちらに表示されても引用の扱いとなります。

「AIによる概要」の使い方
この機能は、次のような使い方をします。パスカルが表示するキーワードの中で、コンバージョンにつながりやすいキーワードをクリック、AIO内に自社の引用があるかを調べます。
引用がない場合は、今後AIモードが普及した際に自社がAIに選ばれない危険性があるので、いまからブランディング強化(EEATの強化)を進める必要があります。

コンバージョンにつながりやすいキーワードは、パスカルのCVE*で確認することができます。CVEが高い順に並べ替えを行い、各キーワードでのAIO引用を調べることで、AIに対する自社ブランドの浸透度合いを確認することができます。
※CVE(Conversion Expectation):コンバージョン期待値。数値が高いほどコンバージョンまでの時間が近い傾向にある。

AIモードの日本リリースは間近です。AIモードが世界中でリリースされても、いきなり全ユーザーがAIモードを使い始めることはないと思いますが、チャットGPTやパープレキシティなどの生成AIで情報検索するユーザーも増えています。
多くのユーザーがAI検索にシフトする前に、自社ブランドがAIに選ばれている状態に整えておくことは、いま最優先で取り組むべき課題と言えます。