オウンドメディアでSEO対策!コンテンツマーケティングの初期設計と成功するためのポイントを解説

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「オウンドメディアでSEO対策したいけど、効果的な対策がわからない」
「オウンドメディアの成果を出す方法がわからなくて困っている」

オウンドメディアのSEO対策、どう進めればいいのか悩んでいませんか?

オウンドメディアでのSEO対策の課題を解決するには、最も重要な初期設計や目標設定(KPIやKGIの設定)の方法を理解することや、SEO対策の基本的な要素を理解しておくことが大切です。

この記事では、オウンドメディアのSEO、つまりコンテンツマーケティングで成功するために重要なポイントや、具体的対策方法をWeb担当者向けに徹底的に解説します。
オウンドメディアに関してお悩みの方に役立つコンテンツとなってますので、ぜひ最後までお読みください。

この記事のポイント

  • ・コンテンツマーケティングで最重要なカギは初期設計
  • ・オウンドメディアで成功するとSEOの資産化ができる
  • ・コンテンツSEOとコンテンツマーケティングを理解したうえでSEO対策すべき
  • ・検索意図を満たすコンテンツ作成など、内部対策が重要
  • ・生成AIなどをSEO対策にも有効活用することがトレンドになりつつある

オウンドメディアのSEO基礎知識

まずはこの項目では、オウンドメディアの基本的な事項について解説していきます。

 オウンドメディアとSEOの重要性

オウンドメディアとは、企業が自社で所有・運営するWebサイトやブログのことです。特に日本では自社のブログサイトを指してオウンドメディアと呼ぶ方が多いですが、厳密にいえば、企業のコーポレートサイトやブランドサイトもオウンドメディアに含まれます。webマーケティングの手段として、オウンドメディアを導入する企業は非常に増えてます。

オウンドメディアという顧客接点を通して、企業はユーザーに「自社や自社サービスのファン」になってもらうことが求められます。オウンドメディアを活用することで、自社の製品やサービス、ブランドに関する情報を発信し、顧客とのエンゲージメントを高めることが可能となります。ホワイトペーパーをはじめとした資料ダウンロードを増やしたり、セミナー誘致を増やしたりすることの支援も可能です。

そのオウンドメディアにおいて、SEO(Search Engine Optimization)の対策は必要不可欠です。SEOとは検索エンジンの結果ページでWebサイトを上位表示させるための技術であり、これがうまくいけばオウンドメディアの成功に大きく貢献します。

多くの潜在顧客(自社のサービス・商品を知らない顧客)にWebサイトを訪問してもらい、商品やサービスを知ってもらう機会を増やせば、顕在顧客(見込み客)を増やすことにつながります。結果として、リード獲得、顧客獲得、ブランド認知度の向上、採用強化など、ビジネスの成長に繋がる様々なメリットを得られるという点で大きな意味を持ちます。

コンテンツマーケティングとコンテンツSEO

オウンドメディアでSEO対策を進めていくうえでは、コンテンツマーケティングコンテンツSEOという手法の理解が非常に重要になります。

コンテンツマーケティングとは、ターゲットとなる顧客にとって有益で魅力的な情報を発信することで顧客との信頼関係を構築し、最終的には商品・サービスの購入に繋げるマーケティング手法です。オウンドメディアはコンテンツマーケティングを実施するための基盤となります。

コンテンツSEOは、検索エンジンからの評価向上をするためのコンテンツ作成・配信を行うことで、コンテンツマーケティングの要素の1つになりますので理解しておきましょう。

まとめると、コンテンツマーケティングは、ユーザーにファンになってもらうための質の高いコンテンツを配信することです。一方、コンテンツSEOは、そのコンテンツの上位表示対策を重視しますが、2つの間には補完関係が成り立ちます。コンテンツSEOについては、後の項目でも詳しく解説しています。

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コンテンツマーケティングとは?Webマーケとの違いやメリットなどわかりやすく解説

E-E-A-T

EEATを表現した画像

Googleが検索順位を決めるうえで重視するE-E-A-Tについても正しく理解しておきましょう、

Googleの検索アルゴリズムは、ユーザーに最も関連性の高い、質の高い情報を提供することを目指してます。そのために、Webページの評価基準として重視する以下の4つの要素のことをE-E-A-Tと表現してます。

・Experience(経験): 実体験に基づいた情報
・Expertise(専門性): 専門知識に基づいた情報
・Authoritativeness(権威性): 信頼できる情報源からの情報
・Trustworthiness(信頼性): 正確で信頼できる情報

オウンドメディアでコンテンツを作成する際には、これらの要素を意識し、ユーザーに価値のある情報を提供することが重要です。

たとえば、著名な専門家による記事の執筆や監修、信頼できるデータや研究結果の引用、ユーザーにとって分かりやすい独自の説明、自社にしか発信できない独自性の高い一次情報などを心がけることで、E-E-A-Tを高めることができます。

 Google検索結果表示の仕組みと対策

Google検索は、以下の3つのプロセスを経て検索結果を表示します。

・クロール
・インデックス
・ランキング

流れを説明すると、まずはGoogleのクローラーと呼ばれるプログラムが、Webサイトを巡回し、情報を収集(クロール)します。その後収集した情報をGoogleのデータベースに登録(インデックス)し、ユーザーが検索語句を入力した際に、関連性の高いWebページをランキング順に表示(ランキング)します。

オウンドメディアで上位表示を目指すためには、これらのプロセスを理解し、それぞれに対応した対策を講じる必要があります。

たとえば、クローラビリティ(検索がエンジンをクロールした際の読み取りやすさ)を高めるためには、サイトマップを作成したり、robots.txtを適切に設定したりすることが重要です。インデックスされやすくするためには、ページタイトルやメタディスクリプションタグを最適化し、コンテンツを構造化することが重要です。そして、ランキングを上げるためには、適切なキーワードを選定し、質の高いコンテンツを作成することが重要です

また、Web担当者の方にとって重要なのが、Googleは正しい検索結果を提供するため、定期的にアルゴリズムをアップデートしている点です。そのため、最新のアップデートに対応することも重要です。「SEO対策に正解はない」という言葉がありますが、日々情報をアップデートをしていくことが大切です。

オウンドメディアで成功するメリット

オウンドメディアを立ち上げている、もしくは新しくオウンドメディアの担当になったものの「オウンドメディアのメリットが実はよくわからない」という方向けに、メリットをわかりやすく解説しています。

オウンドメディアが現代でこれだけ重要視されているのは、それだけオウンドメディアで成功するメリットがあるからです。主なメリットとして、以下のような点が挙げられます。

メリット 説明
情報発信力の向上 ・自社の商品やサービス、企業理念、ビジョンなどを、自社の言葉で直接発信できる。
・顧客とのコミュニケーションを深め、信頼関係を構築できる。
ブランドイメージの向上 ・質の高いコンテンツを発信することで、自社の専門性や強みをアピールし、ブランドイメージを向上させる。
顧客獲得・育成 ・オウンドメディアを通じて、潜在顧客の獲得や既存顧客の育成(ナーチャリング)が可能。
・SEO対策により検索エンジンからの流入を増やし、より多くの顧客に情報を届けられる。・顧客との継続的な関係を構築できる。
費用対効果 ・オウンドメディアは広告に比べて費用対効果が高い傾向がある。
・コンテンツは資産として蓄積され、成功すれば費用を抑えて長期的に集客に貢献できる。

立ち上げの最初は投資の期間もありますが、ノウハウを身につけ成功することができれば自社の強力なプロモーションメディアとなります。オウンドメディアのメリットを最大限に活かすためには、SEO対策を施し、オウンドメディアを効果的に運用することが重要です。

コンテンツマーケティングの初期設計の重要性

コンテンツマーケティングを行ううえで、最も重要な初期設計について説明していきます。弊社でも様々な業界の方からよく相談をいただきますが「オウンドメディアで成果を出したい」という方にこの記事で最も伝えたいことがこの初期設計です。

オウンドメディアの初期設計は、その後のマーケティング成果を大きく左右する土台となります。初期設計でオウンドメディアの成果が全部決まるといっても過言ではありません。

オウンドメディア運営のゴール、つまり最終目標を明確にし、そこから逆算して必要な目標指標(KPI)を導きだし、施策(ロードマップ)を具体的に落とし込むということです。以下の図のような考え方です。

売上目標達成の図ファネ

たとえば、2年後に月1000万円の売上を達成したい場合、顧客生涯価値(LTV)が20万円なら50人の顧客が必要で、仮に契約率10%とすると、500件の問い合わせを獲得する必要があります。

流入数が20,000PVでコンバージョン率(CVR)2.5%、平均検索順位10位でクリック率(CTR)5%程度が必要になる、といった計算が成り立ちます。そして、そのためには40本の記事が必要だ、という結論に至るわけです。

ゴールがない状況で「うちの会社のリソースでは3本くらいの記事が限界だからそこからはじめよう」といったスタートになると、売上を確保できず失敗しやすいです。

加えて、どのような人に情報を届けたいのか、サイト全体のテーマとターゲット層も明確にしましょう。よく社内で相談すべきところです。

サイトの方向性を決め、具体的にターゲット(年齢、性別、職業、興味関心など)を設定することで、そのユーザーに合わせたキーワード選定や記事の内容にすることができます。ターゲットを設定しない状態で記事を書くと、方向性がぶれてしまい効果的なコンテンツマーケティングはできません。

立ち上げ時期には顧客像を明らかにするために、カスタマージャーニーマップ(顧客が商品やサービスを認知し、購入・利用に至るまでの行動や思考、感情の流れを可視化したもの)の作成も重要です。

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カスタマージャーニーマップの作り方とポイント

コンテンツマーケティングの成功ポイント

コンテンツSEO成功のポイント

コンテンツマーケティングを成功させるためには初期設計が最も重要ですが、SEO対策では以下の点が重要になります。

記事のSEO対策をするためのリサーチ・効果検証をする

実際にコンテンツマーケティングを行う際、記事を作成していきますが、ただやみくもに記事を書くだけでは、効果的なSEO対策はできません。

Googleはアルゴリズムで順位を決めているので、上位表示されているコンテンツとジャンルやコンテンツの中身の傾向があっていないコンテンツで上位表示するのは難しいです。よくある失敗する例は以下の通りです。

・上位表示したいキーワードで知識や解決系のジャンルのコンテンツが上位表示されているのに、ランキング系のコンテンツを書く

・検索上位の平均文字数が5,000文字程度なのに、3,000文字でコンテンツで書く

検索上位表示されているコンテンツをよく調べ、その傾向に合わせつつ、独自性の高い記事を書いていくことが必要です。

また、一度公開した記事は効果検証も定期的に実施するようにしましょう。わかりやすいところでいえば順位チェックです。キーワードの順位チェックをして、順位が上がってこない場合は、現在の順位以上に改善するようにリライトをする必要があります。

 SEOを対策する記事とクロージングをする記事の役割分担をする

コンテンツマーケティングでは、SEO対策を目的とした記事とクロージングを目的とした記事の2軸でコンテンツの役割を考えることが必要です。具体的に説明していきましょう。

・SEO対策を目的とした記事
検索エンジンからの流入を増やすことを目的とした記事です。キーワード選定に基づき、ユーザーの検索意図に沿った情報を提供します。

・クロージングをする記事
商品やサービスへの問い合わせや購入を促すことを目的とした、ファンを増やすための記事です。SEO記事で興味を持ったユーザーをコンバージョンに繋げる役割を担います。

「自社のサービスを開発した経緯」「サービスの魅力」などを、熱意をもって提供することが重要です。この記事はSEO対策の観点を持たず、自社のサービスや製品の良さを業界知識や製品知識のある方が伝えることが必要なります。

コンバージョンを増やすためには、SEO対策をした記事から、クロージングをする記事へリンクを貼ってあげると効果的です。

独自性のあるコンテンツ制作

現代のコンテンツにおいて一次情報の発信はSEO対策上でも非常に重要です。他のWebサイトにはない、専門性のある独自性の高いコンテンツを作成しましょう。オリジナルの視点を取り入れることで、ユーザーからの信頼を得やすくなります。

一次情報とは何かというと、たとえば独自の自社での調査データお客さまへのインタビュー記事、専門家による解説記事などがあります。これらを掲載することで、他のWebサイトとの差別化を図ることができます。この一次情報の発信は、外注先や生成AIなどでは完全に補完することは困難です。自社や自社サービスに精通した担当者が実施するようにしましょう。

 流入数を増やすことの重要性

オウンドメディアの成功には、初期の段階では何よりも流入数を増やすことが不可欠です。クロージングを目的としたコンテンツを先に作成しても、見てもらうという段階に進みません。まずは充分な流入を確保してから、売上につなげるためのコンテンツを作り、コンバージョンを増やす調整をしていきましょう。

SEO対策を徹底しても流入数が不足する場合は、サイト外部の対策も重要です。Facebook、twitter(現X)SNSを活用した情報発信や広告出稿なども検討しましょう。流入経路を多様化することで、より多くのユーザーにWebサイトを訪問してもらうことができます。被リンクやサイテーションなどの詳しい外部対策については、以下記事で解説してます。

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SEO外部対策を徹底解説! 検索順位向上の最新戦略

コンテンツSEOとテクニカルSEO

テクニカルSEOとコンテンツSEOの相乗効果

オウンドメディアに関連するSEO対策の言葉として、コンテンツSEOとテクニカルSEOがあります。この2つの手法について、その違い等を解説していきます。どちらが重要ということではなく、双方の対策を行うことで相乗効果が高まります。

コンテンツSEO

コンテンツSEOとは、検索エンジンで上位表示されるような質の高いコンテンツを作成し、Webサイトなどのオウンドメディアへのアクセス数を増やすための施策です。キーワードを適切に含め、ユーザーにとって有益な情報を提供することが重要です。

コンテンツSEOでは、以下の点が重要になります。

ポイント 説明
ユーザーの検索意図を理解する ユーザーがどのような情報を探しているのかを理解し、ニーズに合ったコンテンツを提供することが重要です。
質の高いコンテンツを作成する ユーザーにとって有益で、信頼できる情報を提供することが重要です。
キーワードを適切に使用する コンテンツに適切なキーワードを含めることで、検索エンジンがコンテンツの内容を理解しやすくなります。
コンテンツを定期的に更新する 最新の情報や、ユーザーのニーズに合わせた情報を提供することで、Webサイトの価値を高めることができます。

テクニカルSEO

テクニカルSEOとは、Webサイトの技術的な側面を最適化することで、検索エンジンがWebサイトの内容を理解しやすくするための施策です。サイト構造や表示速度、モバイルフレンドリー性などが重要な要素となります。
テクニカルSEOでは、以下の点が重要になります。

ポイント 説明
サイト構造を最適化する Webサイトの構造をシンプルで分かりやすくすることで、クローラーがWebサイトを巡回しやすくなります。
ページの表示速度を改善する ページの表示速度が遅い場合、ユーザーがWebサイトを離れてしまう可能性があります。表示速度を改善することで、ユーザー体験を高めることができます。
モバイルフレンドリーに対応する スマートフォンなどのモバイル端末でWebサイトを快適に閲覧できるように最適化することで、モバイルユーザーからのアクセスを増やすことができます。
セキュリティ対策を施す HTTPS化など、セキュリティ対策を施すことで、ユーザーの安全を守り、Webサイトの信頼性を高めることができます。

その違いを補足すると、コンテンツSEOは、検索ユーザーのニーズに応える質の高いコンテンツを作成・最適化することで検索順位の上昇を目指します。一方、テクニカルSEOは、Webサイトの構造や技術的な側面を改善することで検索エンジンのクロール・インデックスを促進し、評価を高めることを目指します。気になる方は、以下でテクニカルSEOとコンテンツSEOの違いをさらに詳しく説明しています。

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テクニカルSEOを徹底解説! コンテンツSEOとの違いや施策成功のコツ

オウンドメディアの具体的なSEO対策方法

具体的なSEO対策方法

この項目ではより具体的なSEO対策について説明していきます。オウンドメディアの具体的なSEO対策として、以下の方法が挙げられます。

適切なキーワード選定

キーワード選定は、SEO対策の基礎となる部分です。ターゲット読者の検索意図を分析し、適切なキーワードを選定することで、より多くの潜在顧客に情報を届けることができます。キーワード選定の際には、複合キーワードや関連キーワードも視野に入れることが重要です。

キーワード選定の手順は以下の通りです。

1. ターゲットユーザーの明確化
どのようなユーザーにWebサイトを訪問してほしいのかを明確にします。

2. キーワード候補の考案(ブレインストーミング)
ターゲットユーザーがどのようなキーワードで検索するかを考え、キーワード候補をリストアップします。

3. キーワード調査ツールの活用
候補をもとに、Googleキーワードプランナーなどのツールを活用し、キーワードの検索ボリュームや競合性を調査します。

4. キーワードの絞り込み
調査結果を元に、Webサイトに合ったキーワードを絞り込みます。

1つアドバイスですが、サーチコンソールなどで、月間検索数が多いキーワードかつ、自社の訴求にあったキーワードをリサーチしましょう。ただし競合の状況を調査することは重要です。競合の強さも配慮して適切なキーワードを選びましょう。誰もが上位表示したいビッグワードは当然競合も注力しており、いきなり上位表示はできないケースがほとんどですのでロングテールのキーワードを選ぶようにすべきです。

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【SEOキーワード選定のやり方】誰でもできる手順を6ステップで解説

検索意図を満たすコンテンツ作成

Googleはユーザーの検索意図と合致するコンテンツを評価します。

そのため、キーワード選定で選んだキーワードを基に、ユーザーの疑問や課題を解決するような質の高いコンテンツを作成することが重要です。

コンテンツ作成のポイントは以下の4つです。

1.ユーザーの検索意図を意識する

コンテンツを作成する前に、ユーザーがどのような情報を探しているのかを明確にしましょう

「SEO ◯◯」といったサジェストキーワードなどからユーザーの検索意図を探ることが重要です。SEOというキーワードでは、「SEO 対策」「SEO ツール」「SEO 費用」などがサジェストワードに該当しますが、「SEO」というキーワードで上位表示するためには、SEO対策の具体的な方法やSEO対策を補助するためのツール、SEO対策にかかる費用面なども触れていくと効果的ということがわかります。共起語や関連語を調べる方法もあります。

2.オリジナルの情報を提供する

他のWebサイトにはない、独自の情報を提供することで、ユーザーの関心を引き付け、Webサイトの価値を高めることができます。ただしGoogleの上位表示で大切なのは、ユーザーが知りたい情報をすべて含めた網羅性の高いコンテンツを作ることです。

網羅性を高めたうえで独自の一次情報を入れ込み、オリジナリティのある記事にしていくことが必要です。独自性は高くても網羅性の低いコンテンツでは、結局上位表示されることはほとんどありません。自社事例など、オリジナルな実績があるコンテンツを入れたりすることが一例です。

3.分かりやすく、読みやすいコンテンツを校正する

初心者向けの記事では専門用語を避け、ユーザーにとって分かりやすい文章で書くことが重要です。句読点の使い方など、読みやすい文章を心掛けましょう。読みやすい文章は、ユーザーの滞在時間を延ばし、直帰率を減らす効果があります。

4.見出しタグを効果的に使う

見出しタグは、h2→h3→h4と階層構造で使いましょう。大きなテーマにはh2、それを細分化するごとにh3、h4とします。これは、記事の構成を整理し、読者と検索エンジン双方にとって理解しやすくなるためです。見出しタグが効率的に利用されている記事は、Googleの検索エンジンがクロールしやすく、SEO上の評価の高まる利点があります。

また、ユーザーは必ずしも記事を最初から順番に読むとは限りません。自分に関係のある情報を求め、見出しごとにスキップしながら読む ユーザーも多く存在します。そのため、各見出しの直後に要点を明確に示すことで、途中から読み始めた場合でもスムーズに理解できる ようにすることが重要です。

5.画像や動画を活用する

画像や動画を活用することで、コンテンツをより魅力的にすることができます。不必要に画像や動画を使うと表示速度の悪化も懸念されますので、むやみに利用するのではなく、「ここの説明にを伝えるのは図解画像がいい」「わかりづらいからYouTube動画へのリンクを載せよう」といったように、ユーザーにとって必要な箇所に適切なコンテンツを利用することが重要です。

ユーザー体験の最適化

ユーザー体験(UX)は、検索順位に影響を与える要素の一つです。具体的には、ページの表示速度やモバイルフレンドリー性、サイトの操作性などを改善することで、ユーザー体験を向上させることができます。

ページ体験を最適化するポイントは以下の通りです。

1.ページの表示速度を改善する

検索結果画面からページがクリックされてからのページ表示速度が遅い場合、ユーザーがWebサイトを離れてしまう可能性がとても高くなります。時間がないユーザーにとって表示速度の遅いページは大きなストレスとなります。対策として、画像の圧縮やキャッシュの利用など、表示速度を改善するための対策を講じる必要があります。まずは自社サイトの表示速度を知ることが大切で、PageSpeed Insightsを活用し速度測定をしてみることからはじめてみましょう。

2.モバイルフレンドリーに対応する

スマートフォンなどのモバイル端末でWebサイトを快適に閲覧できるように最適化しましょう。特にBtoBの会社などでは、スマートフォン対策をおろそかにしがちなケースがありますが、実際はWeb担当者などは移動中にスマホで情報収集するケースが多いです。サイトをレスポンシブデザインにしたり、画像や動画などが重いページを改善する必要があります。

3.サイトの操作性を改善する

Webサイトのナビゲーションを分かりやすくしたり、検索機能を充実させたりすることで、ユーザーが目的の情報にたどり着きやすくなります。パンくずリストを設置したり、内部リンクを改善したりする内部対策が有効です。具体的な内部対策の参考記事も貼っておきます。

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SEO内部対策を徹底解説! 対策項目21項目チェックリストも紹介

4.コンテンツの視認性を高める

フォントサイズや行間、文字色などを調整することで、コンテンツを読みやすくしましょう。配色や改行位置などに注意して見直すよいです。統一性も意識しなくてはなりません。

また、画像を用いたりオリジナリティのある図解コンテンツを盛り込むなどの工夫も必要です。「ユーザーにどうしたら伝わりやすいか」を心がけてコンテンツの見やすさを調整していくようにしましょう。

オウンドメディアにおいて重要なのが、コンテンツのリライトです。過去に作成したコンテンツも、定期的にリライトすることで検索順位を向上させることができます。

リライトの際には、情報が古くなっていないか、誤字脱字はないか、上位表示されているサイトと比較して不足しているコンテンツはないかなどを確認し、必要に応じて修正を行いましょう。

リライトのポイントをわかりやすく表にまとめましたので参考にしてください。

ポイント 説明
最新の情報に更新する タイトルの年度が古くなっていたり、紹介しているコンテンツの内容が古くなっている場合は、最新の情報に更新しましょう。
表現や構成を見直す コンテンツの表現や構成を見直し、より分かりやすく読みやすい文章にしましょう。
キーワードを追加する 関連性の高い新しいキーワードを追加し網羅性を高めることで、検索エンジンからの流入を増やすことができます。
内部リンクを追加する 他の関連性の高いコンテンツへの内部リンクを追加することで、ユーザーの回遊性を高めることができます。

また、よく悩むのが新規コンテンツかリライトをするかの判断です。判断基準の一つは、検索順位です。たとえば「SEO」というワードで上位表示したいとしましょう。

既にサイトの中に「SEO」というキーワードで上位表示されていたページがあった場合、そのページがそのキーワードに沿っているコンテンツになっているかも確認しましょう。

記事改善(リライト)で対応できそうであればその記事のリライトを行い、修正箇所が多い場合や、主要キーワードの順位に影響が出そうな場合は新規記事を作成する、といった判断基準を持つべきです。

新規記事作成は流入を増やすことに有効ですが、基本的にはリライトの方がリソース負担が少なく対策できますので、WEB担当者が対応する際はその割合を考えて判断していきましょう。

オウンドメディアのSEOで陥りやすい失敗例

オウンドメディアのSEOにおいて、よく陥りやすい失敗例をいくつか紹介します。

コンテンツテーマの一貫性欠如

Webサイト全体のコンテンツテーマは、一貫性を持つようにしましょう。オウンドメディアで扱うテーマに一貫性がないと、ユーザーは何を求めてこのサイトに訪れればいいのか分からなくなってしまいます。

テーマを明確にし、それに沿ったコンテンツを作成することで、ユーザーの期待に応え、Webサイトへのエンゲージメントを高めることができます。また、テーマを絞って書いていくことで「専門性が高いWebサイト」という判断をされ、SEO上の評価も高くなるというメリットがあります。

ユーザーの検索意図とのミスマッチ

検索意図に対応するコンテンツが不足しミスマッチが発生すると、ユーザーはすぐに他のサイトへ離れてしまいますし、そもそも上位表示することが難しいです。これはリサーチ不足に起因することが多いです。

上位表示させたいキーワードで実際に検索し、上位表示されている競合サイトのコンテンツを見て、その傾向を正しく分析することが非常に重要です。競合サイトと自社のコンテンツとの差はどこにあるのかをよく分析しましょう。

競合分析を元にユーザーがどのような情報を探しているのかを理解し、ニーズに合ったコンテンツを提供することが重要です。

競合のサイトを分析するのは膨大な作業量となりますが、SEOツールを使えば、費用がかかるものもありますがリサーチ時間の短縮ができます。

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オウンドメディアの成功事例を紹介!

オウンドメディアの成功事例をいくつか紹介します。

mercan(メルカン)

フリマアプリ「メルカリ」を提供する株式会社メルカリが運営する「mercan(メルカン)」は、採用を目的としたオウンドメディアです。社員インタビューや社内イベントの紹介など、メルカリの「今」を伝えるコンテンツが充実しており、企業文化や働く環境を求職者に伝えることで、採用のミスマッチを防ぎ、共感する人材の獲得に成功しています。

■URL
https://mercan.mercari.com/

サイボウズ式 by サイボウズ株式会社

「サイボウズ式」は、サイボウズ株式会社が運営するオウンドメディアで、「新しい価値を生み出すチームのための、コラボレーションとITの情報サイト」をコンセプトとしています。主にビジネスパーソンや働き方の効率化を検討している企業担当者をターゲットに、チームワークや働き方、生き方などに関する多彩なコンテンツを提供しています。

また、サイボウズは自社のオンラインショップ「サイボウズ商店」を運営しており、kintone関連の書籍やオリジナルグッズなどを販売しています。「サイボウズ式」は、製品の直接的なPRを行わず、読者にとって有益な情報を提供することで、企業の認知度向上やブランディングに成功した事例として知られています。

■URL
https://shop.cybozu.co.jp/

株式会社AlbaLink

株式会社AlbaLinkは、訳あり物件の買取・再生・販売を専門とする不動産企業です。同社は、オウンドメディアを活用し、SEO対策に注力することで、事業の成長を実現しています。具体的には、4つのサイトで合計約4,500本の記事を公開し、定期的なリライトやコンテンツの整理を行うことで、検索エンジンでの上位表示を達成しています。また、SEOツールを活用し、キーワード選定や記事の品質向上を図ることで、効率的なコンテンツ制作を実現しています。これらの取り組みにより、AlbaLinkはオンライン上での存在感を高め、潜在顧客からの問い合わせ増加やブランディングの強化に成功しています。

■URL
https://www.pascaljp.com/customers/case44.html

オウンドメディアの最新のSEOトレンド

オウンドメディアのSEOトレンド情報と書いたイメージイラスト

音声検索への対応

現在のトレンドとして、音声検索を利用するユーザーが増加しています。そのため、音声検索に対応したコンテンツを作成することも重要になってきています。ChatGPTやGeminiなど生成AIなどの音声検索もできるようになっているので、今後主流になっていくことは間違いありません。GoogleやYahooで検索タイピングをするよりも、短時間で回答を得られることが人気になっています。

音声検索に対策するにはどうすればいいのか?という点ですが、基本的には通常の検索エンジンに対してのSEO対策を行っていくという方針で問題ありません。ただ、以下を意識していけばより音声検索に最適化することができます。

・自然な言葉遣い

音声検索では、ユーザーは自然な言葉遣いで検索を行うため、コンテンツも自然な言葉遣いで記述する必要があります。

・質問形式のコンテンツ

音声検索では、ユーザーは質問形式で検索を行うことが多いです。そのため、質問形式のコンテンツを作成することで、音声検索に対応することができます。

・地域のローカル情報を含める

音声検索では、ユーザーは「東京駅近くのレストラン」のように、地域情報を含めて検索することが多いです。そのため、コンテンツに市区町村などの地域情報を含めることで、ユーザーの音声検索に対応することができます。

生成AIを活用したコンテンツ生成

生成AIを活用したコンテンツ生成ツールも登場しています。Googleは、AIが生成したコンテンツについて、作成方法を問わず、E-E-A-Tを満たしたオリジナルのコンテンツを評価する方針を発表しています。

参考:Google 検索セントラル ブログ

ChatGPTやGeminiなど生成AIの機能も日々改善されており、コンテンツ作成にあたる構成案の作成や記事ライティングの性能も非常に高くなっています。生成AIはこれらの用途だけではなく、Napkinなどの画像生成AIなども登場しています。今後数年で、WEBライティングやデザインの作業などは生成AIが行うようになる可能性もあります。

AIコンテンツについての懸念点はハレーションです。ときには情報が混乱し、誤った情報が回答されることも少なくありません。生成AIが生成した情報は二次情報なので、Aiが作成したコンテンツを人間の目でチェックすることが重要です。そうすることで、さらにAIの凄さを引き出すことができるでしょう。また、独自性のある一次情報を加える場合は、必ず自社のサービスなどの知識を持つ方が担当すべきです。

生成AIをうまく使っていくことで、オウンドメディアのコンテンツ作成のスピードやレベルが非常に高くなりますので、有効活用できるようにしましょう。

構造化データ

構造化データとは、Webページに含まれる情報を検索エンジンが理解しやすいように整理し、タグ付けすることです。HTMLに特別なコードを追加することで、ページの内容を明確に伝え、検索エンジンがその情報を効果的に利用できるようにします。

たとえば料理のレシピサイトであれば、材料、調理時間、カロリーなどの情報を構造化データとしてマークアップできます。これにより、Google検索でレシピを検索した際に、リッチリザルトと呼ばれる拡張された検索結果に表示され、ユーザーの目に留まりやすくなります。

構造化データは、リッチリザルト表示以外にも、検索エンジンのクロールとインデックスを改善し、Webサイト全体のSEOパフォーマンス向上に貢献します。

まとめ:オウンドメディアのSEO対策は初期設計が大切

オウンドメディアのSEO対策に関して説明してきましたが、オウンドメディアでコンテンツマーケティングを成功させるのに重要なことはやはり初期設計です。

初期設計でゴールとなる売上や利益をシミュレーションし、そこに至るまでのフローを逆算して考えて設計しましょう。また、記事作成後の効果検証も非常に大切で、計画からずれてしまった場合は修正するといったことが大切になります。

この記事で解説した手法やノウハウを活かして、オウンドメディアの成功を目指していきましょう!

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藤井 慎二郎の写真

記事の監修者

藤井 慎二郎 / 株式会社オロパス 代表取締役

SEOコンサルタントとしてBtoB、BtoC問わず、1,000社以上のWebサイトをコンサルテイングを行ってきた実績を持つ。経営軸の高い視座で戦略的にSEOを進めることが得意。
2014年に現在の株式会社オロパスを設立。それまでのSEO知見を活かしてSEOツール「パスカル」を開発。

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