2023-2024キーワード選定総合ガイド SEO対策の基本を徹底解説
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SEO(search engine optimization:検索エンジン最適化)のキモといえば「キーワード選定」。企業ブログやオウンドメディアといったコンテンツマーケティングの成否を分ける重要な要素です。
これまで、キーワードの選び方について一通りの内容をお伝えしてきました。
今回は、ここまでの内容を振り返りつつ、キーワード選定の総まとめをしたいと思います。選定作業の全貌を見渡しつつ、2023年現在のSEO業界のトレンドもふまえ、全体を通しての重要ポイントや注意点、落とし穴回避のためのヒントを解説します。
なお、記事内の文字リンクは、過去のブログ記事の該当箇所にジャンプします。読んでいて、気になったところやわからない用語が出てきたときは、リンク先で内容を確認してみてくださいね。
キーワード選定webでの集客の柱・SEO対策の基本
「どのキーワードで検索された時に、自社のwebサイトがランキングの上位に掲載されることを目指すのか」それを決めるのがキーワード選定です。
SEO対策を始めるなら、まず最初に、上位表示をめざすキーワードをまとめて選び出します。詳しくは後ほどご説明しますが、SEO対策にはある程度の量・数のコンテンツが必要ですから、キーワードは少ない場合でも数十、多ければ数百になることもあります。
選んだキーワードをテーマに内容を構成し、タイトルや見出しにも使用してコンテンツを作り上げていくことになります。
理解してはいても、膨大な選定作業に集中するうちに、つい「キーワード選定」は全体像を見失いがち。まずは「キーワード選定」と「SEO対策」の位置付けについて、改めて確認しておきましょう。
キーワードを決めないと始まらない
企業がwebサイトを運営するの主目的の一つは、集客。FacebookやX(旧Twitter)などのSNSアカウントを運用する、メルマガを配信する、などwebサイトへのアクセスを獲得するための手法にはさまざまな種類があります。その中で、できるだけ多くの、まだ自社と接点のない人を連れてきてくれる可能性があるのが「検索エンジン経由の検索」です。
ユーザーが「わからないこと・知りたいことを調べる」、それが検索ですから、出発点はもちろん検索窓に入力されたキーワード。ちなみに、「キーワード」はコンテンツ制作側から見た表現で、ユーザーが入力した文字を指すときは「検索クエリ」とも言います。
関連ブログ 【SEOキーワード選定のコツ】内 クエリとキーワードの違いは?
2種類のキーワード選定
「キーワード選定」という言葉には、
・自然検索(オーガニックサーチ)での上位表示を目指すためのもの
・運用型の有料広告(リスティング広告)での表示とクリック獲得を目指すためのもの
の2つの意味が含まれます。
関連ブログ 【SEOキーワード選定のやり方】内 キーワード選定には2種類ある?「SEO」と「リスティング広告」
検索エンジンを経由してやってくるユーザーに自社のサイトを訪れてもらうには
(1)自然検索(オーガニックサーチ)で、検索結果のランキング上位に自社サイトが表示される
(2)運用型の有料広告を出稿して、自社サイトを検索結果のランキング上位に表示させる
この2つの方法があるので、キーワード選定も2種類あるというわけです。
(1)(2)のどちらを選ぶにしても、まず、「どんなキーワードで検索された時にユーザーの目に触れたいのか」を決定し、「そのキーワードで表示させるための戦略」を立てねばなりません。
つまりキーワード選定作業は、オンラインの集客施策を行ううえで基本かつ必須ともいうべき非常に重要な工程だと言えます。
ちなみにwebでの集客を始める際、ハードルが低いのは、費用をかけずに取り組める(1)だと思いますから、(1)自然検索対策のキーワード選定のマスターを目指して、説明を進めます。
(1)と(2)のキーワード選定作業にはいくつか、違いがあります。(2)では、表示された自社サイトのページがクリックされるごとにGoogleに支払いが発生するので、クリック単価や、広告にかけられる総費用という観点も考慮しなければなりません。
ただし、(1)と(2)のキーワード選定には共通する部分も多くあります。基礎となる考え方はそのまま活かせますから、まずは自然検索での上位表示を目指したキーワード選定について学びましょう。
検索するユーザーには動機や意図がある
キーワード選定の重要性に関してお伝えしたいのは、キーワード選定を成功させ、狙うターゲットに検索エンジン経由で自社のサイトにたどり着いてもらえたとき、他の一般的な広告に比べると、その効果は非常に大きいということです。
検索するユーザーには必ず、そのキーワードを入力した理由があります。
「◯◯について知りたい」
「◯◯の解決方法がわからなくて悩んでいる」
「ベストな◯◯はどれ?」
など、何らかの意図・目的があるからこその検索という行動です。皆さんが用意する記事の目的は集客であり、コンテンツは広い意味で“広告”ですが、ユーザーにとっては広告の枠にとどまりません。キーワードに対する検索結果に表示される記事は、自らの探し求めていた答えが書かれている「価値あるコンテンツ」です。
つまり、コンテンツの内容を読んで、あなたの会社の商品・サービスが、自分の求める機能を持っていると知り、悩み解消に役立つと理解すれば、ユーザーは高い確率で、顧客になってくれる可能性があります。
これは、新聞や雑誌に掲載する広告や、テレビや動画の間に流れるCM、街頭の看板などと圧倒的に違うポイントです。一方的に発信される広告ではユーザーも受動的になりがちですが、検索エンジンを経由したwebサイトへの訪問は、ユーザーにとって能動的な行動です。検索エンジンを通じたサイトへのアクセスは、受け取る側と発信する側、双方向のコミュニケーションとも言えます。
つまり、自社の商品購入・サービス利用の可能性がある、顧客となりうるユーザーをいかに拾い上げるかがポイント。適切なキーワードを選ぶことの重要さを実感していただけたかと思います。
関連ブログ 【SEOキーワード選定のやり方】内 キーワード選定はコンテンツマーケティングの基本
【キーワード選定のやり方】事前準備4つ+選定作業6ステップ
キーワード選定作業の流れをおさらいしましょう。
キーワード選定に取り掛かる際はまず、前段階の準備として、自社のビジネス・商品の理解と現状把握が欠かせません。
事前準備4つが、選定作業をスムーズに進める近道
選定作業の事前準備は下記の4つです。
(1)商品・サービスの特徴と強み、セールスポイントを確認
(2)自社のwebサイトの検索順位・ドメインパワーを確認、Googleサーチコンソールやアナリティクスでアクセス状況をチェック
(3)競合のウェブサイトで、SEO対策状況とコンテンツの方向性を調べる
(4)自社サイトのSEO対策の目的を確認し、数値目標を設定する。費用とリソース、取り組みと効果測定の期間を決める
徹底的に下準備しておくことで、以降の選定作業・コンテンツ設計がスムーズになります。
各項目の具体的な説明は、キーワード選定作業の「前」に必要な準備4つもご参照ください。
選定作業6ステップには、時間をかけてじっくり取り組んで
いよいよ選定作業に入ります。ここでのポイントは何よりも「時間がかかる」ことを理解したうえで、丁寧に進めていくことです。
関連ブログ 【SEOキーワード選定の考え方】内 キーワード選定を活かすには周囲の理解が大切
(1)コンテンツを届けるターゲット像を明確にし、ペルソナについて理解を深める
まずはターゲットの年齢・性別を定め、どんな人で、何に興味を持っていそうか、どういったニーズがありそうかを具体的に考えていきます。特に、悩みやよく質問されているトピックに注目しましょう。yahoo!知恵袋やX(旧twitter)などの活用もおすすめです。
例えば、ビジネス関連のキーワードでは、商品・サービスの実際の利用者は営業担当者だが、購入前の情報収集のために検索をするのは庶務の担当者、というようなケースもあります。ターゲットが購入・利用に至るまでのプロセスをよくイメージしてみてください。
(2)メインのキーワードを決める
(1)で得られた情報から、メインとなるキーワードを決定します。月間検索ボリュームの多い単ワードを複数、出しましょう。業界や、上位表示を目指すカテゴリーによっても異なるのですが、2〜3個では少なすぎます。カテゴリやジャンルごとにざっくりと分類し、似たものはグループにまとめます。
(3)関連ワードの洗い出しを行う
メインのキーワードを軸に、関連するキーワードを抽出していきます。はじめにツールを使って機械的に漏らさず幅広く出力し、その後、人力で考え出したワードを追加していきます。
ツールは有料・無料さまざまな種類がありますが、よく使われるのはGoogle広告のキーワードプランナーとラッコキーワードです。関連ワードの一覧が一括で取得できます。このリストをGoogleスプレッドシートやExcelなどのファイルに保存し、以降の作業はこのファイルで行うと便利です。
(4)検索ボリュームを調査する
各キーワードの月間検索数を調べて、(3)で出力したリストに記入していきます。
ツールを使って一括出力した関連ワードには、最初の時点で検索ボリュームもセットで記入されていますから、手動で転記していく必要はありません。ツールに頼らず頭で考えて導き出したキーワードの候補は、月間検索数を一つずつ転記してください。
(5)競合性をチェックする
同じリストに続いて記入していきます。各キーワードについて、他社がどの程度、SEO対策に力を入れているかを示す指標が競合性で、競合性が高くなるほど検索結果での上位表示も難しくなります。
(6)キーワードの絞り込み・取捨選択をする
企業サイトのSEO対策は、かけて良い費用と時間に限りがありますから、SEO対策の優先順位をつけ、順位が低いと判断したものを除外する絞り込みが必要です。
・検索ボリューム
・競合性の高低
・自社のビジネスとの関連性
・コンバージョン(cv)の可能性
・コンテンツが制作できそうか
上記の項目について検討し、除外すべきキーワードをリストから消していきます。
絞り込みが終わったら最後に、完成したキーワードリストを他の人にも見せ、現実的なものになっているか、抜け・漏れはないかをダブルチェック・トリプルチェックしてもらいます。
ここまでがキーワード選定作業の流れです。
6ステップをまとめたチェックリストは以下から今すぐDLできますので、選定作業に役立ててください。
資料ダウンロード:【SEOキーワード選定手順】チェックリスト(PDF)
キーワード選定の基本(1)キーワードをあげていく際は視野を広げて
特にメインのキーワードの候補を出していく段階では、固定観念に囚われず、自由な発想で行うことがポイントです。メインのキーワードを軸に関連ワードを抽出し、それを元に絞り込んでいきますから、メインのキーワードの候補が少ないと、次のステップで早速、行き詰まってしまいます。
作業が進んでキーワードの絞り込みに入った後に、また最初に戻ってキーワードのリストアップを・・・となると、やり直しに疲労もつのります。できるだけ後戻りを避けられるよう、リストアップの段階では広めに候補を用意しましょう。
キーワード選定の基本(2)ターゲットが検索で使用する言葉を意識する
ターゲットが検索する時に使う言葉が、必ずしも、企業側が想定し、意識しているビジネス上のキーワードと一致するとは限りません。正しい日本語や、業界的な専門用語を使って検索されるケースばかりではないからです。近頃増えてきた音声での検索にも対応するなら、「喋り言葉」も意識する必要があります。
画面の向こう側にいる検索者の視点で想像し、リアルな検索キーワードを探しましょう。
キーワード選定の基本(3)ユーザーの検索意図を推測しよう
上位表示のために非常に重要なことは、ユーザーの役に立つ、良質なコンテンツを作ること。つまり、検索者がどんな人で、何を意図して検索したのか、検索需要を考えることなく記事を書いても、結果はついてきません。
「詳しい検索意図は、実際に書いていく段階で考えればいい」と思えるかもしれません。ですが、キーワード選定の段階でもある程度、検索意図を意識しておかなければ、いざ執筆に取り掛かったあとで「こんなワードでは書けない」「ビジネスと関連性のあるコンテンツにならない」などのトラブルにつながることもあります。
検索意図にはざっくりと3つのタイプがありますから、推測のヒントにしてみてください。可能なら、ターゲットに近い人に直接インタビューさせてもらえると、貴重な手がかりが得られます。
「企業が書きたいことを書く」のではなく、「ユーザーが知りたいことを届ける」のが書き方の基本です。あくまで、検索する人の視点を重視することを徹底しましょう。
キーワード選定の基本(4)ロングテールキーワードを味方につける
ロングテールキーワードは、複数のキーワードを掛け合わせた、より具体的な検索意図をあらわすもの。検索ボリュームは少ないスモールワードのことが多いのですが、上位表示がしやすいのがメリットで、コンテンツSEOの実績のない、ドメインの力が弱いサイトこそ、積極的に取りたいキーワード選定の戦略です。
ロングテールキーワードにはいくつかのデメリットもあります。例えば、ロングテールキーワードを対策することで、特定のターゲットに向けた記事であることはもちろん、読者にも伝わります。その結果、ターゲット以外の層に「自身は記事の対象ではない」という印象を与え、離脱につながっててしまうこともあるんです。たとえ記事の内容としては、幅広い層に対応が可能なものであったとしても、です。
ロングテールキーワードを重視するにしても、コンテンツマップにはビッグワード・ミドルワードなども多少は含まれるようにした方がバランスが良くなります。
キーワード選定の基本(5)上位表示に工数がかかりそうなキーワードへの対応は戦略的に
競合性の高いビッグワードでのSEO対策には、かなりの時間と労力がかかります。ドメインパワーの問題もありますから、中小企業や歴史の浅いウェブサイト、個人ブロガーではまず勝ち目がありません。
後ほどご説明しますが、ビッグワードは、ミドルワードやロングテールキーワードなど、複合キーワードに落とし込み、かつ、幅広い検索意図をカバーするために複数記事を作成するのが基本方針です。
ある程度の長期戦を覚悟のうえ臨んでください。
ただし、業界によっては上位表示の争いがかなり激しいケースもあります。予想以上に結果がともなわないようなら、思い切って優先順位を下げ、まずは着実にドメインパワーを育てるといった戦略も必要です。
キーワード選定で活用したいツールと使い方のポイント
キーワード選定に活用したいおすすめツールは有料・無料ともに複数あります。
検索エンジンのサジェストワードだけでなく、共起語も一緒に拾い上げてくれるものもありますから、眺めているだけでも発想が広がります。ほとんどのツールで関連ワードは一括ダウンロードができるので、コンテンツマップを作成する際のベースにもできて便利ですよ。
一般的に使われることが多いツールは、下記です。
・Google広告キーワードプランナー
・Googleトレンド
・ラッコキーワード
・パスカル
・aramakijake
・ahrefs(エイチレフス)
・キーワードファインダー
・Ubersuggest(ウーバーサジェスト)
キーワード選定でのツールの使い所は、関連ワードのリストアップだけではありません。
メインのキーワードをどれにするか迷っている段階では、Googleアナリティクスを使って、サイトを訪問しているユーザーの属性を把握することでヒントを得られます。
また、ツールでは導き出せない関連ワードやロングテールキーワードを探す段階では、サーチコンソールの「クエリ」のデータが役立ちますよ。
ツールを選ぶ際に優先すべきこと
たくさんのツールの中でも、有料ツールは特に機能が幅広く、
・ライティングやリライトの方針をデータに基づいて提案してくれる
・狙うキーワードでの順位を日々、計測し変動を記録してくれる
・競合サイトへの流入数やキーワードを教えてくれる
など、キーワード選定に限らず、SEO対策全般に役立てられるものも多くあります。
どれを選べば良いか、決めるだけでも一苦労。ツールの数が多いので一つ一つを詳細に検討するのは現実的ではないかもしれませんが、どんなに優れた機能があっても、使いこなせなくては意味がありません。最低限、操作のわかりやすさと、導入後のサポート体制がしっかりしているかはチェックしましょう。
キーワード選定はPDCAが大切!
キーワード選定は、一度定めたらそこで終わりではありません。Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)のサイクルを繰り返すことが成功のポイントです。
狙いたいキーワードでコンテンツを作成・公開した後は、効果測定を行ってサイトの現状を確認します。期待していた成果が現れているかを確かめ、必要に応じて、キーワードの見直しやコンテンツの改善を行います。
効果測定にはまず、Google公式の無料ツールを使用してみましょう。
・GA4:サイトの訪問者の流入経路・属性・行動を分析
・Googleサーチコンソール:自然検索でのアクセス数・表示回数・クエリを確認
分析するポイントと改善案の出し方の具体例はこちらの記事をご覧ください。
さらに詳しい分析をしたい場合は、有料ツールの導入も検討します。
・パスカル
・サーチライト
・MIERUCA
・SEM RUSH
などのツールでは、コンテンツを分析し、具体的な改善案を出すところまで一括でやってくれますから、コンテンツSEOを継続的にやっていくのであればかなり心強い味方です。
いずれのツールを選んでも、大切なのは、データ計測を継続して行い、記事のアクセス状況の推移を追い続けること。キーワードによっては流行り廃りの影響を受けたり、季節によって検索ボリュームが大きく変化したりするものもあります。
さらに、google検索のアルゴリズムは定期的にアップデートを繰り返していますから、一度、上位表示を達成してもそれがずっと継続できるとは限りません。もちろん、後から公開される競合他社の優秀なコンテンツも強敵になります。
キーワード選定も、PDCAサイクルを確実に実践していきましょう。
キーワード選定の失敗?結果が出ない時の対処法
ここからは、PDCAを実行してみた際にぶつかるお悩みに回答していきます。
手順通りに適切なキーワードを選び、ユーザーの検索意図に合致した良質なコンテンツを作り続けているつもりなのに、数ヶ月経ってもサッパリ成果が出ない、なんて話を聞くことがあります。
検索順位は色々な要因が重なって複合的に決まるので、すべての原因が「キーワード選定」にあるとは言えないことは皆さんご存知かと思います。キーワード選定に関係する要因で、考えられるものを以下3つ、ご紹介しましょう。
ケース1「順位が上がらない」
なかなか順位が上がらないのは、検索ボリュームが多く、競合性も高いビッグワードを狙うときに起こりがちなお悩みです。
ビッグワードは、「民法改正」や「中古車買取」のように、単語ひとつ、語句・フレーズといったシンプルなものがほとんど。そのため、どんなユーザーが何を知りたくて検索したのか、意図を推測するのが困難で、ユーザーの検索意図を満たすという観点では、提供すべきコンテンツの内容を絞りきれません。
1ページ・1記事でこれらのニーズをすべて満たし、かつ良質なコンテンツを制作しようと思えば何万文字という膨大なボリュームが必要でしょう。しかし、Webで検索している人が、書籍並みの数万字の記事をくまなく読むかというと、疑問です。読みやすさやユーザビリティの点でもかなりの配慮が必要になり、コンテンツ制作の難易度も、ますますアップします。
そこで、必要になってくるのは、ビッグワードでの検索意図をある程度、網羅できるまとめ的な要素の記事(「親記事」や「ピラーページ」とも呼ばれる)と、まとめ記事の要素を掘り下げた多数の個別記事(「子記事」や「クラスター」とも)です。さらに、個別記事からまとめ記事にむけてリンクを構築し、ユーザーの利便性を高めます。
ちなみに、このような戦略を「構造化SEO」や「トピッククラスターモデル」と呼び、ビッグワードでの上位表示を達成するための戦略の一つです。
ビッグワードを軸に子記事の数を増やすには、その分、関連ワードも多く挙げなければなりません。
新たに関連した子記事を制作できそうなロングテールキーワードを周辺からも探し、関連キーワードの数を増やしましょう。
ケース2「サーチコンソールのクエリを参考にキーワードを選定したが、いざ公開したページへのアクセスが伸びない」
狙っていなかった想定外のクエリで表示回数が伸びている一方、クリックにはつながっていないことに気づいたら、それはユーザーの検索ニーズがあるキーワード。有望なキーワードと考えられますから、きちんと対策したコンテンツを作れば、高い確率で順位が上がるはずです。
一方、そのクエリをそのままキーワードとして新たな記事を書くと高い確率で「カニバリ」が起こってしまいます。
「カニバリ」は同じキーワードに対して、自社サイトの複数のページが重複してヒットする状態のことです。同じクエリに対して、2つのページが表示されると、ユーザーのクリックが分散します。さらに、検索エンジンに、コンテンツの中身が類似していると見なされれば、両方のページの評価を下げられてしまい、検索結果のランキングが下がる可能性も。カニバリはできれば避けたいものです。
今回のケースでは、カニバリが起こったために新しく公開したコンテンツの成果が出ていない可能性が考えられます。
クエリを参考にキーワード選定をする場合は既存コンテンツのリライトに活かす、新しいコンテンツを制作する場合は、既存コンテンツの内容を調整する、などの対応が必要です。
サーチコンソールのクエリを活かしてキーワード選定をし、コンテンツを作ると「カニバリ」が発生することがあることを知っておきましょう。
ケース3「表示回数もアクセス数も増えない」
これはキーワード選定とは直接は関係ありませんが、表示回数もクリック数もちっとも伸びない、という際に、真っ先にぜひチェックしてもらいたいポイントです。
公開した記事が、Googleのインデックスに登録されていなかった、というケースがあるんです。
Googleの「インデックス」とは、検索エンジンが参照するデータベース。Googleにインデックス登録されないページは、検索結果には表示されません。Googleのクローラーというロボットがページを発見し、データベースに登録することで初めて、そのページは検索結果に表示されます。
「これまでインデックス登録なんて気にしたこともなかった」という人もいるでしょう。通常、記事を公開してから数時間〜数日のうちに自動でインデックス登録されることが多いので、特別、アクションを起こす必要がないケースも多いんです。ただし時折、何らかの原因で、数週間・数ヶ月経ってもインデックスされないことがあります。
インデックスの状況を確認するには、サーチコンソールにログイン後、左側のメニューから「ページ」を選択してください。インデックスされていないページは「検出 – インデックス未登録」と表示されます。
インデックス未登録であれば検索結果に表示されませんから、当然、データも計測できておらず、結果も出ませんし、選んだキーワードが適切かどうか判断もできません。
もしこのような状態に気づいたら、早急に対処をしましょう。インデックス登録のリクエストをGoogleに送るか、サイトマップを送信することで、インデックス登録をうながすことができます。
コンテンツの公開をしている人と、サイト全体を管理する担当が異なるケースでは、見つけるまでに意外に時間がかかることもあります。公開後は、記事が確実にインデックス登録されたか定期的に確認すると安心です。
その他、キーワード選定でよくある質問にはキーワード選定の疑問・お悩みを解決 一問一答で詳しく回答しています。「季節性・流行り廃りのあるキーワードへの対処法」や「多様な検索意図が予測できるキーワードへの対処法」「競合との差別化も意識した“先取り戦略”」なども紹介していますから、つまづいた人はもちろん、一段階上のレベルを目指したい人はぜひ読んでみてください。
業界によって課題と難易度も違うから、キーワード選定の戦略はオーダーメイドで
ここまでご紹介した基礎をおさえればキーワード選定に取り掛かって大丈夫。ただし、もう1つ知っておきたいのは、業界ごとにSEO対策の難易度が異なり、キーワード選定の傾向・ポイントも違うということです。
以下の業界について、ぶつかりがちな壁を意識してキーワード選定のポイントを事例も交えてご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
業界別 キーワード選定のポイント
【小売業】
【食品・飲料業界】
【旅行・観光業】
【金融・保険業界】
【医療・ヘルスケア業界】
【不動産業】
【塾・予備校・教育関連業界】
対応が難しいなら外注も キーワード選定を依頼するときのポイント
中には、競争が激しく、上位表示の難易度がかなり高いと言わざるをえない業界もありますから、プロの手を借りるのが望ましいと思われるケースも出てきます。
キーワード選定は、SEOコンサルを専門にする会社や、webマーケティングの会社に外注する手段ももちろん有効です。
外注する際は、単純なキーワード選定作業の代行だけではなく、各企業の状況をふまえた丁寧な戦略立案をしてくれる会社に依頼しましょう。一般的な関連ワードのリストアップなどキーワードの候補を出すならツールの導入だけでも十分。せっかくプロに依頼するのですから、じっくりとヒアリングをしたうえで、現実的な目標設定や競合との比較調査を行ってくれる会社を選ぶようにしましょう。
SEO対策では初期設計が非常に重要です。なぜこのキーワードをメインにするのか、どんな方向性でコンテンツを作っていくのか、短期的・中期的・長期的な戦略、効果測定方法まできちんと共有してもらい、相談しながら進めていけると成功の確率は大きくアップします。
SEO対策は内製できれば心強い
外注する手段を選んだ場合も「いつかは社内でキーワード選定ができるように」という視点を持っていただくことは大切です。
Googleのアルゴリズムはアップデートされますから、それに応じてキーワード選定をやり直したり、すでに公開したコンテンツの内容を更新したりする必要も出てきます。内部のスタッフでその都度、リライトや追記、修正ができた方が、タイムリーな対応ができ、自社サイトを常にベストな状態に保っておけます。それにもちろん、外注するコストも省けます。
キーワード選定をはじめとしたSEO対策は、自社である程度の知識を持ち、対応できた方が総合的に考えると便利です。外注するにしても「丸投げ・お任せ」ではなく、「社内のスタッフも学び、ノウハウを蓄積する」スタンスで臨んでいただければと思います。
まとめ:キーワード選定をマスターしてSEO対策に強いサイトを
ここまで、2023年現在のSEO対策の概要をふまえつつ、注意したい点とポイントをまとめました。
キーワード選定には手間と時間がかかりますが、上位表示のための仕組みを理解し、丁寧に手順通り実施すれば、未経験でも初心者でも、必ず出来るようになります。じっくり向き合って、最適なキーワードを選んでページを強化し、SEO対策で確実に成果の出せるサイトを目指しましょう。