SEO内部対策を徹底解説! 対策項目21項目チェックリストも紹介

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「自社のサイトをちゃんと内部対策をしているのに検索順位が伸びない」
「具体的な内部対策の改善方法が分からない」

SEO対策に関して、このようにお悩みではありませんか?この記事では、SEOをするうえでは絶対に欠かせない、内部対策について解説しています!SEO内部対策の基本知識や実践的な内部施策、さらに最新のSEOトレンド情報が身につきます。

WEB担当者様向けのすぐに使える内部対策のチェックリストもご用意しましたので、内部対策を強化して自社サイトの競争力を高めたい方はぜひご一読ください。

この記事のポイント

  • ・SEO内部対策とは、検索エンジンに自社サイトの情報を正確に伝えるための施策
  • ・すぐに使える内部対策チェックリストも公開
  • ・SEO内部対策は「クローラビリティ」「インデックス」「ユーザビリティ」の3施策が重要
  • ・隠しリンクやクローキングなどの「ブラックハットSEO」はペナルティ行為になる

SEOの内部対策とは? 基本を押さえよう

内部対策の基本と書いたSEOの画像

はじめに、SEO内部対策の基本知識から解説します。SEOにおける内部対策の概要とGoogleが重視する内部要因に分けて見ていきましょう。

SEO内部対策の概要

SEO(検索エンジン最適化)の内部対策とは、Googleの検索エンジンにWebサイトを正確に読み取ってもらうために行う施策です。Webサイトの階層やタグ設定、内部リンクなどの構造を見直して最適化します

なお、内部対策に良質なコンテンツの作成を含める解釈もあります。その場合、内部構造の最適化などの技術に関する部分を「テクニカルSEO」、良質なコンテンツ作成に関する部分を「コンテンツSEO」と区別する形が一般的です。

SEO内部対策の重要性

企業によっては、コンテンツの中身のみ重視して内部対策をおろそかにするケースがあります。しかし、Webサイトの内部構造は、検索エンジンから誤解や齟齬なく正しく評価されるための基礎と言えます。

内部構造の最適化が不十分だと、どれほど良質なコンテンツを発信しても正当に評価してもらえません。実際、多数の企業様からSEOの相談をいただいている弊社の見解としては、内部対策の最適化が順位に与える影響は大きいと感じています。

たとえば、内部リンクが少ないサイトでは、クローラーがサイト内を隅々まで巡回できません。さらに、大規模サイトの場合、1つのサイトをクロールできる上限枠の「クロールバジェット」の対策も重要です。クロールバジェット対策に取り組まなければ、適切にサイトを巡回してもらえなくなる可能性があります。いずれも検索順位の上昇につながらないため、SEO施策の低迷を招くでしょう。

また、内部対策は正当な手法のみで充分な効果を期待できます。したがって、きちんと内部対策に取り組むことで、不正な手段で検索順位を上げる「ブラックハットSEO」に手を染めてペナルティを受ける危険性を回避できます。

Googleが重視する内部要因

GoogleがWebサイトを評価する際に重視する内部要因として、やはり「コンテンツの質」は大切です。検索キーワードとの関連性があり、専門性や権威性、信頼性、独自の経験といった要素が強いコンテンツは価値が高いと評価されます。こうしたコンテンツを検索エンジンに読み取ってもらうために、SEOの内部対策でクローラーの巡回しやすさである「クローラビリティ」の向上が必要です。

さらに、クローラーは読み取った情報をデータベースに記録する「インデックス」を行います。インデックス上のデータから検索結果が表示されるため、インデックスのしやすさも重要な内部施策となるわけです。

また、Googleはユーザビリティに優れた「ページエクスペリエンス」の高さも評価対象になると公表しています。ページエクスペリエンスに影響するのは、ページ表示の速さやモバイル対応の有無といった利便性の高さです。

注意点として、Googleはコンテンツの質のほうが、ページエクスペリエンスより優先されると公表しています。つまり、同じくらいの質のコンテンツ同士であれば、ページエクスペリエンスの高いほうが検索上位になると考えられます。

SEOの内部対策と外部対策の違い

内部対策と外部対策とそれぞれ書いた?マークが2つもった女性

SEO上の施策として、内部対策のほかに「外部対策」があります。SEO対策は内部・外部の両面から進めることで高い効果を発揮できるでしょう。ここでは、内部対策と外部対策の違いを詳しく説明します。

役割の違い

SEOの外部対策とは、Webサイトの評価を外部要因によって高めるための施策です。外部サイトからの被リンクの獲得を中心として、SNSなどのWeb上で自社について言及される「サイテーション」の増加も目指します。一

方の内部対策とは、サイト構造の最適化のように内部要因によって自社サイトの評価を高める施策です。どちらの対策も、最終的には検索結果の順位上昇を目標として実施されます。

時代による優先度の違い

SEO対策は内部対策・外部対策の双方ともに大切ですが、時代によって優先度が高い施策は異なります。これまでの変遷を振り返りましょう。

外部対策が主流の時代(2011年ごろまで)

2011年ごろまでのSEOは、外部対策が非常に重視されていました。当時の検索アルゴリズムは、被リンクが多いほど検索上位に表示される仕組みであったためです。

外部リンクの構築がSEOの主要施策となり、コンテンツの中身はそれほど重視されていませんでした。こうした理由から、被リンクの購入や大量の相互リンクなどの「ブラックハットSEO」で検索順位を上げる手段が横行していた時代でもあります。

コンテンツと内部対策の重視(2012年ごろから)

日本では2012年ごろから、Googleが検索アルゴリズムを大きく変えるアップデートが実施されました。2012年の「パンダアップデート」では、低品質なコンテンツを持つサイトの検索順位を下げるように変更しました。

さらに、同年の「ペンギンアップデート」では、質の低い被リンクや不自然なリンク操作がペナルティの対象となり、検索結果が大幅に下落する事例が相次いでSEO業界に大きな影響を与えました。

ブラックハットSEOによる外部対策のメリットが薄れたことで、コンテンツの質を重視する内部対策の優先度が高まりました。近年では、クロール最適化やページエクスペリエンス(Page Experience)といった技術的な内部対策の重要性も増しています。

注意点として、現代のSEOで外部対策の必要性がなくなったわけではありません。現在の外部施策では、ナチュラルリンクの獲得を目的としたホワイトハットSEO」が求められています。

SEO内部対策の目的

SEOの内部対策は、Googleの検索エンジンから正当な評価を受けることを目的としています。優れたコンテンツを制作しても、ユーザーに見つけてもらわなくては意味がありません。さらに、ユーザーがコンテンツを発見するためには、以下の流れで検索エンジンに適切な検索順位を決定してもらう必要があります。

  1. クローラー(Googlebot)がWebサイトを巡回して、ページ上の情報を読み取る
  2. 読み取った情報をデータベースに登録する「インデックス」を行う
  3. 検索キーワードに応じて、インデックスされたページのうち関連性が高いものを検索結果に表示する

以上の手順で検索結果が表示されるため、検索エンジンがクロールとインデックスをしやすい内部構造が重要になるわけです。そのため、SEOの内部対策は「クローラビリティ」と「インデックス」の2種類が基本となります。

さらに、補助的な役割として、ページの利便性を示す「ページエクスペリエンス」の施策も着手しましょう。

クローラビリティの内部対策

クローラビリティの内部対策

クローラビリティの内部対策を行うと、検索エンジンが自社サイト内をスムーズに巡回できるようになります。クローラーの円滑な巡回をサポートするため、次の11個の項目を実行しましょう。

1.XMLサイトマップの作成と最適化

XMLサイトマップとは、Webサイトの詳しい情報を表すファイルです。ページのURLや最終更新日、ページ同士の関係をクローラーに伝えることで、サイト全体の構造とすべてのページを的確に読み取ってもらえます。XMLサイトマップは「sitemap.xml」のXML形式のファイルで作成して、Googleサーチコンソールから送信しましょう。

なお、XMLサイトマップと似ているファイルに「HTMLサイトマップ」があります。HTMLサイトマップは、クローラーではなくユーザーがサイトの構造を見る際の目次として機能します。XMLサイトマップとは運用上の役割が違うため、混同しないようにしましょう。

2.内部リンクの強化

内部リンクとは、同じWebサイト内のページ同士をつなげるリンクです。関連性の高いページをつなげることでクローラーの巡回性が高まる上に、ユーザーにとっても使いやすいサイト設計となります。内部リンクによって関連する情報をスムーズに追えるため、回遊率や滞在時間の向上も期待できます。

内部リンクのアンカーテキストは、コンテンツを簡潔に伝える文面にしましょう。また、Googleは、クローラーはアンカーテキストを読み取って、リンク先の内容を理解していると公表しています。そのため、ユーザーとクローラーの双方にとって分かりやすいアンカーテキストが求められます。

3.パンくずリストによる階層化

パンくずリストとは、Webサイトの階層構造を示すリストです。多くの場合、以下のようにWebサイトの上部に設置・掲載されます。

TOPページ>セミナー>Webマーケティングセミナー一覧>個別ページ

パンくずリストにより、Webページの位置関係およびカテゴリーを一目で把握できるため、ユーザーは簡単に元のページに戻ったり他のページに移動したりできます。

さらに、パンくずリストで上位から下位カテゴリへとリンクのつながりを生めるため、クローラーの巡回性も増します。内部リンクの強化にも効果があるため、すべてのページにパンくずリストを設けましょう。

4.URL構造の整理

クロールを円滑にするためには、簡潔で分かりやすいURL構造が大切です。URL名を決定する際は、Googleが推奨する以下のコツを参考にしてみてください。

  • シンプルな単語を使う
  • ASCII(アスキー)で定義された単語のみ使う
  • 単語同士はアンダースコア(_)ではなくハイフン(-)で区切る
  • ディレクトリの階層を深くしすぎない
  • 意味のない数字や文字の羅列を使わない
  • 国ごとのドメインを使用する

また、SEO上必須の対策ではないものの、URLは英単語を使用したほうがいいでしょう。日本語も使用できますが、URLをコピーした際に無意味かつ冗長な文字列に自動でエンコードされます。ユーザビリティを損ねるため、英単語によるシンプルなURL名がおすすめです。

5.URLの正規化による重複コンテンツの解消

1つのコンテンツに対して複数のURLがある場合、正規のURLに一本化する必要があります。具体的には、「www.example.com」と「example.com」のように異なるURLでも、同じページにアクセスできてしまう状況が当てはまります。

同じく、「index.html」の有無によってURLが2種類生まれるパターンもあるでしょう。いずれにせよ、重複するコンテンツが自社サイト内に生まれてしまいます。しかし、重複するコンテンツであっても、クローラーは1つずつ巡回する仕組みです。

クロールの効率が下がることで、本来巡回してほしいページへの巡回頻度が下がる原因となります。URLを正規化する際は以下3つのうち、いずれかの方法で対応しましょう。

対応方法 該当する状況 効果
canonicalタグの記述 重複ページを保持したい 評価対象の正規URLを検索エンジンに伝える
301リダイレクトの設定 不要な重複ページを廃止したい リダイレクト元がインデックスされなくなる
alternateタグの設置 PC用・モバイル用サイトで個別のURLを使用している PC用・モバイル用サイトはそれぞれコピーサイトではないと検索エンジンに伝える

6.構造化データのマークアップ(記述)

構造化データとは、Webサイト上の情報を検索エンジンに正しく認識させるための書き方で記述されるコードです。

検索エンジンは、人間の言葉を常に正確に読み取れるわけではありません。「サービス名は〇〇」「運営会社は▲▲」と構造化データをHTMLでマークアップ(記述)することで、クローラーの補助が可能です。すばやくデータを収集させられるため、データベースへのインデックス化がスムーズになります。

加えて、構造化データは「リッチリザルト」の表示にも役立ちます。リッチリザルトとは、検索結果の画面にタイトルや説明文のほかに追加情報を記載できる機能です。たとえば、パンくずリストやFAQを表示すれば、検索結果からの集客効果アップが期待できます。

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7.更新頻度の向上

検索エンジンのクローラーがWebサイトを巡回するのは、一度だけではありません。不定期に再訪して、その都度Webサイトの内容を読み取ります。Webサイトの更新内容を早く検索結果に反映させるためには、クロール頻度の増加が重要です。

自社サイトの更新頻度を上げれば、クロールの巡回頻度も増えます。新規コンテンツの発信だけでなく、過去のコンテンツの更新もクロール増加に効果があります。当時のデータを最新の内容に変更したり、記事をリライトしたりして更新頻度を高めましょう。

8.ページネーションの設置

ページネーションとは、指定のWebページを分割してページ送りする機能です。情報量が多い記事型コンテンツや、データベース型サイトで広く使われています。ページネーションを設置すると、分割表示されているページ同士の関連性をクローラーに伝達できます。

1ページ目から2ページ目へと内部リンクがつながるため、クローラーによる円滑な巡回が可能です。また、各ページは番号順にリンクして、URLにはパラメータを設定しましょう。URLのパラメータとは、URLの末尾に追加する変数です。各ページの順番に「?page=2」などの変数を追加することで、より一層クローラーが理解しやすくなります。

9.リンク切れの対処

自社サイト内の古いページや期間限定ページを削除した場合、他のページでリンク切れが起きている可能性があります。リンク切れは、クローラーの巡回を妨げてしまいます。クローラーはサイト内のリンクを辿っていくため、リンク切れによって巡回効率が低下するわけです。

クローラビリティの悪化によりインデックスに時間がかかれば、SEO対策の成果が出るまでにかかる期間も延びてしまうでしょう。さらに、リンク切れはユーザーの利便性を阻害することから、ユーザビリティも低下させます。Googleサーチコンソールやリンク切れチェックツールを活用して、サイト内のリンクの有効性を確かめてみてください。

10.「robots.txt」による巡回不要ページの指定

robots.txt(ロボットテキスト)とは、クローラーに情報を収集されたくないページを指定するファイルです。たとえば、有料会員限定のページや未完成のページなど、クロールの必要性がないコンテンツに大して効果的です。不要な巡回を制御することで、クロールの最適化が可能になります。

注意点として、robots.txtで巡回を拒否しても、一般ユーザーのアクセスも遮断できるわけではありません。部外者のアクセスを防ぎたいページは、パスワードを設定しましょう。加えて、noindexタグを記述すると、検索結果に表示されなくなります。

なお、robots.txtの設置は必須ではありません。そもそも巡回されたくないページがない場合、クロールの制御は不要です。クロール制御の必要性が高まるのは、「中規模で更新頻度が高いサイト」または「大規模なサイト」です。詳しくは次の項目をご覧ください。

11.クロールバジェットの効率化

クロールバジェットとは、1つのWebサイトをクローラーが巡回できる上限回数の割り当てとされています。上限回数を超えるとクロールが行き届かなくなるため、適切な対処が必要です。Googleは、クロールバジェット対策が必要なサイトの規模を以下の通り示しています。

引用

大規模なサイト:重複のないページが100万以上あり、週1回程度情報が更新される

中規模なサイト:重複のないページが1万以上あり、毎日情報が更新される

引用元:Google「Google検索セントラル – 大規模なサイト所有者向けのクロール バジェット管理ガイド」
▶ 引用元を開く(別タブ)

上記の規模に該当しやすいのは、ECサイトやポータルサイトです。不要なページの削除やrobots.txtによる特定ページのクロール拒否を行って、クロールを最適化して効率的に巡回させましょう。数千ページ未満のサイトは該当しないため、クロールバジェット対策は知識として把握しておくのみで充分と言えます。

インデックスの内部対策

インデックスの内部対策まとめ図解

クローラーがWebサイトを巡回すると、収集した情報はデータベースに登録する「インデックス」を実行します。検索エンジンは、インデックスされた情報をもとに検索結果を表示する仕組みです。したがって、検索エンジンが理解できるように、自社サイトの情報を適切にインデックスさせる対策対策が不可欠です。具体的な5つの施策について、それぞれの手法を見ていきましょう。

1.タイトルへの対策キーワードの使用

ページのタイトルを示すには必ず対策キーワードを使用して、どういった検索意図を満たすのかが分かる文言に調整しましょう。検索エンジンにページの内容を伝える手段である上、ユーザーは自身が知りたい情報があるページなのかを判断できます。クリック率の向上にもつながるため、下記のポイントを意識してタイトルをつけましょう。

・30文字前後の簡潔な長さにする
・コンテンツの要所を盛り込む
・対策キーワードを繰り返さない
・対策キーワードはできる限り冒頭に含める

なお、ページタイトルを示すタグは「titleタグ」と「h1タグ」の2種類があります。titleタグは検索結果に、h1タグはページ内に表示されます。こうした表示位置の違いはありますが、どちらも同じタイトルを使用しても問題ありません。

2.見出しタグの整理

タイトルタグだけでなく、ページ本文の見出しタグを全体的に整理しましょう。タグごとに情報をまとめることで、検索エンジンとユーザーの双方ともにページの内容を理解しやすくなります。さらに、見出しタグは目次にもなるため、ボリュームが大きいページでもどこに何の情報があるのか一目で把握できます。

ユーザーは閲覧したい箇所のみピンポイントで確認できるため、ユーザビリティの向上も可能です。見出しタグを設定する際は、h2〜h6の番号順に使用します。ただし、一般的に見出しタグはh4までの使用が適切とされています。見出しを小分けしすぎるとかえって情報が伝わりづらくなるため、できる限りh5以下のタグは使わないようにしましょう。

3.メタタグの付与

メタ(meta)タグとは、検索エンジンにページの詳細情報を伝えるためのHTMLタグです。titleやnoindexがメタタグに該当し、「メタディスクリプション」や「OGP」といった種類があります。メタディスクリプションとは、ページの概要を検索結果に表示するメタタグです。適切な文章を設定することで、検索エンジンがページの内容を把握しやすくなります。

OGPとは、SNSでコンテンツが共有される際の見え方を調整できるメタタグです。サムネイル画像やタイトル、メタディスクリプションなどの情報を表示させられます。SNS経由の流入増加につながるため、多くのユーザーの興味を引くOGP設定が重要です。

4.画像のalt属性の設定

ページに画像を挿入する場合、alt属性を設定しましょう。alt(オルト)属性とは、どのような画像なのかを説明するテキストです。通信環境やデバイスの影響により画像を読み込めない場合、代わりにalt属性の文章が表示されます。検索エンジンが画像の意味やキーワードとの関連性を理解できるため、正確なインデックスに役立ちます。

加えて、画面上のテキストを合成音声化する「スクリーンリーダー」を使用する際にも、alt属性の文章が読み上げられる仕組みです。視覚障害を持つ方に画像を含めた情報を届けられるため、Webアクセシビリティを高められます。

5.正確なコーディング

コンテンツの情報をきちんとインデックスしてもらうためには、HTMLタグの正確なコーディングが基本となります。HTMLタグにある程度ミスがあっても、意味の通じるタイトルや文章、画像があれば人間は内容を理解できるものです。

しかし、検索エンジンはHTMLタグで要素が定義されていないと、コンテンツの内容を理解できません。検索エンジンにコンテンツを的確に認識してもらうためにも、HTMLの標準仕様である「HTML Living Standard」を満たすコーディングを行いましょう。HTMLチェックツールを使うと、コーディングの正確性を客観的に確認できます。

ユーザビリティ(ページエクスペリエンス)の内部対策

ウェブサイトのユーザービリティの向上の項目をまとめた図解画像

サイトの訪問者にとってユーザビリティが優れたページは、「ページエクスペリエンス」が高く評価されます。ページエクスペリエンスが高いページは検索結果で優位になるため、内部対策が欠かせません。効果的な5つの対策について、詳しく解説します。

1.ページ表示の高速化

ページの表示スピードの速いほど、ユーザーはストレスを感じずに知りたい情報へすばやくアクセスできます。画像・動画の圧縮や不要なコードの削除、Webブラウザのキャッシュ利用により、ページの高速化が可能です。

また、ページの速度を測る際は「コアウェブバイタル(Core Web Vitals)」を確認してみてください。コアウェブバイタルとは、Googleが2021年から導入したページの表示速度を評価する指標です。コアウェブバイタルは、以下3つの指標で構成されています。

項目 内容
LCP ページ内で最大データの画像や動画が表示されるまでの速度
INP(Interaction to Next Paint) ユーザーの行動からページが反応するまでの速度
例:リンクボタンのクリックやタップ
CLS(Cumulative Layout Shift) 読み込み速度の差によるレイアウトのズレ
例:リンクをクリックしようとしたら、読み込みの遅かった広告をクリックしてしまった

2.サイトのSSL化

SSL化とは、データ通信の内容を暗号化する仕組みです。SSL化しているWebサイトのURLは「https」から始まるため、HTTPS化とも言います。自社サイトをSSL化することで、悪質な第三者に通信内容が盗み見られるリスクを下げられます。中でも、ダウンロード資料の提供や問い合わせフォームにより個人情報を収集している場合、サイトのSSL化が必須です。

セキュリティの強化だけでなく、SEO対策としてもSSL化は重要です。

2014年にGoogleは、検索結果のランキングを決める要素として、HTTPS化しているかを含めると示しています。さらに、Googleが提供するWebブラウザ「Chrome」は、SSL化未対応サイトへのアクセス時に警告を表示するように2018年から変更しています。

自社サイトの信頼性が損なわれるため、必ずSSL化を行いましょう。近年は多くのWebサイトが開設時にSSL化していますが、古くから運用しているWebサイトはSSLに対応していないケースがよくあります。

3.モバイルフレンドリーへの対応

ページエクスペリエンスを高めるためには、スマートフォンやタブレットからも閲覧しやすい「モバイルフレンドリー」なサイト設計が大切です。総務省の「令和5年版情報通信白書」によると、インターネット利用者のうち71.2%がスマートフォンを使用しています。

PCの使用率は48.5%であるため、いかに多くの人がスマートフォンを利用しているかが分かります。

モバイルフレンドリーに対応するためには、レスポンシブデザインを導入しましょう。レスポンシブデザインとはユーザーの使用端末に合わせて、ページのレイアウトを最適化する仕組みです。端末ごとに個別のURLを作る必要がないため、コンテンツの重複問題も発生しません。

そのほか、タップしやすいサイズのボタンやリンク、ナビゲーションを格納できる「ハンバーガーメニュー」の設置もモバイルフレンドリーの対応に欠かせません。

4.カスタム404ページの作成

404ページとは、存在しないページへブラウザでアクセスした際に表示されるエラーページです。

削除・非公開にした自社のページへの被リンクが外部サイトにある場合、一定のユーザーが404ページにアクセスします。あるいは、被リンクのURL入力ミスも考えられるでしょう。ユーザーは本来、知りたいコンテンツがあって自社サイトにアクセスしています。

エラー情報に加えて目的のコンテンツを探すための手掛かりを示すことで、ユーザビリティを向上させられます。具体的には、以下のように404ページをカスタマイズしましょう。

・ユーザーが探しているページが存在しない点を伝える
・サイト内検索バーやカテゴリを案内する
・他のページとデザインを統一する
・トップページへ行けるようにパンくずリストを設ける

カスタム404ページによって他ページへ誘導できるため、回遊率の上昇も見込めます。

5.サイト内検索の追加

サイト内検索の機能を実装すれば、ユーザーは目当てのコンテンツへ効率的に辿り着けるようになります。自社サイトの利便性が上がることで、ページエクスペリエンスの向上が期待できます。検索内容からユーザーの需要が高い情報が分かるため、コンテンツ制作にも役立つでしょう。

また、ユーザーが検索機能を使う場合、裏を返せば内部リンクやパンくずリストが不十分な可能性があるとも言えます。検索された単語を分析することで、自社サイトの不備の分析と改善にも応用できます。

SEO内部対策に便利! 内部対策チェックリスト

ここまで紹介したSEO内部対策について、21項目を一覧できるチェックリストに情報をまとめます。自社サイトの内部対策に取り組む際にご活用ください。

No. 内部対策チェックリスト
■ クローラビリティの内部対策
1 XMLサイトマップの作成と最適化
2 内部リンクの強化
3 パンくずリストによる階層化
4 URL構造の整理
5 URLの正規化による重複コンテンツの解消
6 構造化データのマークアップ(記述)
7 更新頻度の向上
8 ページネーションの設置
9 リンク切れの対処
10 「robots.txt」による巡回不要ページの指定
11 クロールバジェットの効率化
■ インデックスの内部対策
12 タイトルへの対策キーワードの使用
13 見出しタグの整理
14 メタタグの付与
15 画像のalt属性の設定
16 正確なコーディング
■ ユーザビリティ(ページエクスペリエンス)の内部対策
17 ページ表示の高速化
18 サイトのSSL化
19 モバイルフレンドリーへの対応
20 カスタム404ページの作成
21 サイト内検索の追加

 

SEO内部対策をサポートするツール

内部対策ツールと書いたパソコン操作シてている人の画像

SEOの内部対策はツールを活用することで、客観的な分析や作業の効率化が可能になります。ここでは、無料で使えるSEO内部対策向けツールを2つ紹介します。

1.Googleサーチコンソール

Googleサーチコンソール(Google Search Console)とは、無料で利用可能なWebサイト分析ツールです。自社のコンテンツに対する検索クエリを確認できる「検索パフォーマンス」や、外部・内部からの被リンク状況を一覧化した「リンク」などの機能があります。さらに、Googleの検索エンジンにサイトの構造を伝える「XMLサイトマップの送信」も行えます。

Googleサーチコンソール中でも、SEOの内部対策にとりわけ有効な機能が「カバレッジ」です。ページごとにインデックスの状況を分析して、以下の4つのステータスで評価します。

上記のうち「エラー」のページが生じた場合、本来はインデックスしたいページに問題が起きています。たとえば、サーバーエラーやrobots.txtによってインデックスが阻害されている可能性があり、すばやい対処が必要です。こうした内部対策のトラブル発見に役立つため、Googleサーチコンソールは必須のツールと言えます。多くのSEO担当者が活用している基本的なツールであるため、使い方についてもWeb上で多くの情報が見つかります。

2.Googleアナリティクス

Googleアナリティクス(Google Analytics)とは、無料で提供されておりすぐに利用開始できるアクセス解析ツールです。内部対策のうちテクニカルSEOではなく、コンテンツSEOで主に使用されています。最新バージョンである「GA4(Google Analytics 4)」では、以下の内容を解析できます。

・ユーザーの属性(地域、性別、年代)
・ユーザーの使用端末
・ユーザーの流入経路
・ユーザーの行動

これらのうちユーザーの流入経路は、外部リンク、自然検索、広告、ソーシャルメディアなどの細かなルートの確認が可能です。サイト上でのユーザーの行動も、最初に訪れたページや離脱ページ、コンバージョンの有無といったイベントが詳しく解析されます。コンバージョンは「資料請求」や「会員登録」と設定を変えられるため、自社の施策に合わせて柔軟に計測できます。

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してはいけないSEO内部対策

SEOの内部対策は、「ホワイトハットSEO」と呼ばれる正当な手法による実施が前提となります。仮に「ブラックハットSEO」に該当する不正な手法で内部対策を行ったり、正しく対応しているつもりでもブラックハットSEOに当たったりということがあると、Googleのガイドラインに違反します。

インデックスの削除や検索順位の低下といったペナルティを受けるため、ブラックハットSEOは厳禁と考えておくことが重要です。ブラックハットSEOに該当する2つの内部対策を解説するので、知らずに実行してしまわないように注意しましょう。

1.隠しテキストや隠しリンク

隠しテキストや隠しリンクとは、ユーザーが視認できないように記述された文章またはリンクです。検索エンジンのみに見えるようにSEOワードを羅列して、検索順位を不正に上げることが目的です。隠しリンクの場合、膨大な相互リンクを貼り付けている場合もあります。隠しリンクや隠しテキストは、以下のような手法でユーザーから見られないように工作します。

・白地の背景に白色のテキストで文章を書く
・CSSでユーザーから見えない箇所にテキストを配置する
・フォントサイズを0や1など極端に小さくする
・テキストの上に画像を被せる

かつては隠しテキスト・リンクで検索順位を上げられる時代もありましたが、現代ではペナルティの対象になります。

2.クローキング

クローキングとは、ユーザー用と検索エンジン用で表示するコンテンツを変える古い手法です。検索エンジンにはSEO対策を施したコンテンツを見せて、検索順位を上昇させます。ユーザーには、画像やFlashのみのエンタメ系コンテンツを表示します。画像やFLASHのみのページは検索上位を狙いづらいため、別途用意したSEO対策済みのコンテンツで検索エンジンを騙すわけです。

隠しテキストと同じく、クローキングもGoogleのガイドラインに違反します。とはいえ、古い手法なため、企業が内部対策として自ら用いるケースはほとんどないでしょう。

ただし、画像や動画が中心のコンテンツの場合、検索エンジンが読み取りづらいため意図せずクローキングと誤解される可能性がわずかにあります。画像にはalt属性を施して、動画の内容をテキストで記述するなどの対策を実施しましょう。

参考記事:Google「Google検索セントラル – Googleウェブ検索のスパムに関するポリシー」

内部対策を行う際に参考にしたい最新のSEOトレンド

トレンドと書いたデータの画像

内部対策を進める際は、最新のSEOトレンドを知っていると自社の施策に活かせるかもしれません。代表的なSEOトレンドを2つ紹介します。

1.モバイルSEO

モバイルSEOとは、スマートフォンによる閲覧性を高めて検索結果を向上させるための施策です。「ユーザビリティ(ページエクスペリエンス)の内部対策」の章でお伝えした通り、モバイルフレンドリーなサイト設計の重要性が高まっています。

レスポンシブデザインへの対応のほか、縦にスクロールを意識した構造やページの高速表示、タップしやすいサイズの文字といった対策が必要です。インターネットの閲覧にスマートフォンを使用するユーザーは非常に多いため、モバイル端末でも見やすいサイト作りが求められます。

2.音声検索最適化(VSO)

音声検索最適化(VSO)とは、ユーザーが音声検索を行った際に自社サイトを読み上げてもらうための取り組みです。「Siri」や「Google Home」などのスマートスピーカーの広がりにより、VSOの需要が高まっています。音声検索は通常の検索と比べると、検索クエリが会話的かつ長い傾向があります。したがって、3語以上のロングテールキーワードへの対応が求められるでしょう。

FAQのような質問形式のコンテンツがあれば、ピンポイントの質問にも対応できます。加えて、現時点のVSOは通常のSEO対策がベースとなるため、VSOを意識したコンテンツでも基本のSEO対策を怠らないことが重要です。

3.AI活用

近年、AIを活用したライティングやコンテンツ作成が普及し、SEO施策として導入する企業が増えています。特に、キーワード調査や記事の骨子作成 などでAIが活用され、内部SEO対策やコンテンツSEO作業の効率化が進んでいます。

一方で、記事作成においてですがAI生成コンテンツは検索評価が低くなるとされた時期もありました。しかし、Googleは「ユーザーに価値を提供する内容であれば、AI生成でも評価される」と明言しています。そのため、単なるAI頼りではなく、品質管理が重要になります。

AIはキーワード選定や下書きに便利ですが、人間が最終確認を行い、一次情報を加えることが不可欠です。専門知識を持つ担当者が監修し、独自の視点を加えることで、より評価されるコンテンツになります。

今後のSEOでは、AIと人間のハイブリッドなコンテンツ制作が鍵を握るといえるでしょう。

まとめ:SEO内部対策で結果を出すために

SEOの内部対策は、Googleの検索エンジンに自社サイトの正確な内容を認識してもらうという観点で行います。検索エンジンはクローラーにWebサイトを巡回させて、サイト内のコンテンツをインデックス登録します。検索結果にはインデックスした情報の中から、関連性が高い良質なコンテンツを表示する仕組みです。コンテンツの質が同程度の場合、ユーザビリティ(ページエクスペリエンス)が優れているほうを上位表示します。

そのため、内部対策では「クローラビリティ」「インデックス」「ユーザビリティ(ページエクスペリエンス)」の3つに着目した施策が重要になります。記事内に用意したチェックリストを活用して、できる項目から少しずつSEOの内部対策に取り組んでみてください。

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藤井 慎二郎の写真

記事の監修者

藤井 慎二郎 / 株式会社オロパス 代表取締役

SEOコンサルタントとしてBtoB、BtoC問わず、1,000社以上のWebサイトをコンサルテイングを行ってきた実績を持つ。経営軸の高い視座で戦略的にSEOを進めることが得意。
2014年に現在の株式会社オロパスを設立。それまでのSEO知見を活かしてSEOツール「パスカル」を開発。

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