【SEOキーワード選定のやり方】誰でもできる手順を6ステップで解説

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SEO(Search Engine Optimization/検索エンジン最適化)を実施する上で重要な、コラム記事・ブログ記事のキーワード選び。この記事では、キーワード選定の手順について、準備から作業工程の一つ一つまで、2023年10月時点の情報を丸ごと紹介します。

やり方通りにそのまま実践すればキーワードの一覧が出来上がるよう、具体例をまじえつつわかりやすく解説しました。選定作業で実際に記入していただけるシートも用意しています。キーワードの選び方を詳しく知りたい方、キーワード選定作業に取り掛かったものの行き詰まっている方は、ぜひ使ってみてください。

ボリュームのある内容ですが、これさえ読めば、SEOのノウハウのない初心者の方でも自分でキーワード選定ができるようになりますよ。

なお、キーワード選定を「もっと知りたい!」方は、以下もご覧ください。
2023-2024キーワード選定総合ガイド SEO対策の基本を徹底解説

キーワード選定image【SEOキーワード選定のやり方】誰でもできる手順を6ステップで解説

キーワード選定ってそもそも何だろう

キーワード選定は、SEO対策の方法の一つです。SEO対策とはご存知の通り、Webでの検索(自然検索)の結果で狙ったキーワードを上位に表示させるためのもの。

それには、インターネット上の数あるウェブサイトの中から「利用者の目に触れるべき良いページだ」と検索エンジンに選ばれなくてはなりません。

そして、SEOでは、無計画に情報を詰め込み、「制作者側が書きたいこと」ばかり書くのでは、上位に表示されるべきウェブページには選ばれません。
なぜなら、ユーザーの知りたいこと・ユーザーにとって有益な内容を発信することこそが、検索エンジンからの信頼性を獲得し、評価されるための必須条件だからです。

・どのキーワード(「検索クエリ」とも呼ばれる)で検索結果の上位表示を目指すのか

・記事の内容を、どのキーワードで検索してきた人に届けたいのか

上記を考え、最短ルートで成果を出すための第一歩がキーワード選定です。選んだキーワードをタイトル・見出し・本文で使用して記事を作ることになります。

「検索エンジン=Google」である理由

SEO対策は、ほとんどのウェブサイトが「Googleでの検索」を想定して解説していますよね。検索エンジンには、Yahoo!やSafari、Microsoft Edge、FireFoxなど複数あるのに、Googleだけを意識した対策でいいの?と疑問に感じる人もいるかもしれません。

2021年時点でのデータでは、日本国内の検索エンジンのシェアは、スマホ・PCのいずれでもGoogleが75%以上を占め、スマホ・PCともに、GoogleとYahoo!をあわせると90%近くになります。

出典:総務省 令和4年版情報通信白書https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r04/html/nf306000.html#d0306110

そして、Yahoo!は2010年以降、Googleの検索エンジンを利用しています。だから「SEO対策=Googleを意識したもの」でOKなんですね。

ここからも、Google検索を想定してお話を進めていきましょう。

キーワード選定には2種類ある?「SEO」と「リスティング広告」

キーワード選定が必要になる主な場面と言えば、SEO対策と、特定のキーワードの検索結果に広告を表示させる有料のリスティング広告です。どちらも、「狙うべきワード」を決める必要があります。
リスティング広告とは【SEOキーワード選定のやり方】誰でもできる手順を6ステップで解説
繰り返しになりますが、この記事では、SEO対策としてのキーワード選定について考えていきます。
リスティング広告のキーワード選びではクリックの単価など、追加で考慮すべき条件がありますが、コンテンツマーケティングでの選定方法が活用できる部分も多々あります。まずはコンテンツマーケティングのキーワード選びについて学びましょう。

キーワード選定はコンテンツマーケティングの基本

コンテンツマーケティングとは、ターゲットが求める情報をコンテンツに仕立てて発信し、潜在顧客にアプローチする集客の手法です。
広い意味での「コンテンツ」には、画像や漫画、youtube動画なども含まれますが、キーワード選定が重要なコンテンツマーケティングといえば、主に、ウェブでコラムやブログ記事を配信する取り組みです。
この記事での「コンテンツマーケティング」も、ウェブサイトでコラムやブログ記事を配信することを想定してお話しします。

コンテンツマーケティングと一般的なセールス広告の違い

集客のための広告にもいろいろありますが、基本的には「うちの商品はこんなに良いんです。だから、買ってくださいね」と訴えかけるものが主流ですよね。一方、コンテンツマーケティングでは商品の魅力をダイレクトにアピールして購入を呼びかけるのではなく、潜在顧客の求める情報を幅広く発信することで、関係を作り、ニーズを呼び起こします。

コンテンツマーケティングの具体例をあげてみましょう。

・焼酎メーカーAが「焼酎メーカー社員が提案する料理にあわせた焼酎の飲み方」「シーン別 おすすめの焼酎」などのテーマで、他社の焼酎も公平に紹介するブログ記事を配信する

・人材派遣会社Bが、人事・採用担当者を対象に「採用面接で見るべきポイント」「離職率を下げるための評価制度とは」といったテーマのコラムを集めたメディアを構築する

A社のブログやB社のコラムを読んだ人が、すぐにA社の焼酎を購入する・B社に依頼をする可能性は低いかもしれません。しかし、「A社のブログは面白いな」「B社のコラムは役に立つ」と感じてもらえれば、良い印象につながります。
やがて「日本酒派だったけれど、今日はセールで焼酎が安いから、試しに買ってみよう。いつもブログを読んでいるA社の商品はどうだろうか」「採用活動を強化したいので、人事に詳しいB社に相談してみようかな」といった具合に、コンバージョンへ結びつくことを狙っているのです。

ダイレクトな営業力はなくとも「じわじわ効いてくる」のがコンテンツマーケティング

自社の商品の良さをアピールするセールス広告に比べ、宣伝臭のしないコラム記事は、嫌悪感を持たれずに読んでもらえるのもメリットです。記事を読んだ人が定期的にウェブサイトを訪れるファンになってくれれば、やがては購入・利用に至り、収益につながります。
コンテンツマーケティングと一般的なセールス広告の違い【SEOキーワード選定のやり方】誰でもできる手順を6ステップで解説
また、課金し続けなければ表示されないリスティング広告とは違い、しっかりしたコンテンツを作ることさえ徹底すれば、あとは費用をほとんどかけずとも、長期にわたって機能し続けるのもコンテンツマーケティングの魅力です。

選定の際に押さえるべきSEOキーワード選定の3つのポイントについて、詳しく知りたい方はこちらも参考にしてください。
SEOのキーワード選定6つのステップ!手順や注意点を解説|デジマケ

キーワードとメタキーワードの違いは?

ところで、キーワード選定について調べていると「メタキーワード」という語句に行き当たることがあります。メタキーワードとは、HTMLファイルに記載するタグの一種です。かつてメタキーワードは検索エンジンに対して「このウェブサイトの内部にはこんなことが書かれていますよ」と伝える役割がありました。そのため、メタキーワードはSEO対策で非常に大切でした。

しかし、現在は違います。Googleはメタキーワードを、ランキングには使用しないと2009年の時点で明言しています。

参照:Google 検索セントラル ブログ
https://developers.google.com/search/blog/2009/09/google-does-not-use-keywords-meta-tag?hl=ja

20年以上前は、検索エンジンの精度が現在ほど高くありませんでした。
そこでメタキーワードに、ページの内容とは無関係なワードも詰め込み、「該当の情報が掲載されている」と検索エンジンに認識させ、複数のキーワードで上位表示ができた過去がありました。

何度もアルゴリズムのアップデートを積み重ねた結果、今では、Googleの検索エンジンは文脈まで精査できるほど性能が上がり、小手先のテクニックでは上位表示されなくなりました。「本当に質の良い情報」がトップに上がってくるようになったのですから、意欲的にユーザー目線での情報発信を目指している企業の皆さんにとっては歓迎すべき状況ではないでしょうか。
いずれにせよ、現在はキーワード選定で「メタキーワード」を気にする必要はありません。

キーワード選定はSEOの基本

キーワード選定は、SEO対策における基本中の基本です。
キーワードはそのまま記事のテーマですから、キーワードを決めることなく執筆を始めれば、記事の構成を作るにも時間がかかり、伝えたいことがブレがちで、読者の心にも届きにくくなります。さらに、戦略的なSEO対策もできません。

例えば、家具販売店が女性を意識したコンセプトの商品を紹介するコラムを書くとします。
「おしゃれな家具」「かわいい家具」どちらの言葉も使えそうですが、検索ボリュームを調査してみると「家具 おしゃれ」というキーワードでの月間検索ボリュームは14,800あるのに対し、「家具 かわいい」は4,400しかないことがわかります。
月間検索ボリュームの違い【SEOキーワード選定のやり方】誰でもできる手順を6ステップで解説
2つの語で検索回数にこれだけ差があることを知らなければ、どちらを使用すべきか判断できません。狙うキーワードをきっちり決めることは、戦略を立てるうえで非常に大切です。

キーワード選定作業の「前」に必要な準備4つ

いきなりキーワード選定作業に取り掛かっても、うまくはいきません。大量のキーワードと向き合い、仕分けしたものの、ピンと来なくてやり直し・・・の繰り返し。やっと出来上がった一覧を冷静に見返してみたら、「このキーワードでコラムを書いて、本当に売り上げにつながるの?」「そもそもこのキーワードで何を書いたらいいのか分からない」と、悩んでしまうのはよくある話です。

そこで、キーワード選びの重要な手がかりとして、事前にやっておきたいのが、自社のビジネスや商品についての理解と現状把握です。
チーム内の情報共有が大切【SEOキーワード選定のやり方】誰でもできる手順を6ステップで解説
実は、キーワード選定には大まかな方向性はあれど、必ずこの考え方でこのキーワードを選ぶべき、という正解はないんです。どのキーワードが最適かはケースバイケースだからこそ、キーワード選定作業に入る前段階で、会社の状況の整理・理解が欠かせません。

会社の状況を客観視するのは、思ったより難しいもの。これからリストアップする項目に沿って、見落としがちなポイントも押さえて余さず拾い上げていきます。この段階では焦らず、企業理解を優先しましょう。

(1)商品・サービスのセールスポイントを確認

売り出したい商品・サービスの強みと魅力、特徴を整理しましょう。顧客からのフィードバックを参考にしながら、好評なポイント、競合よりも優れている要素を書き出し、セールスポイントをまとめます。企業の方向性や、ビジョンを意識することも差別化に役立ちます。

市場全体の最新の状況をリサーチして成長が期待できる分野・トレンドなどを把握し、マーケットにおける企業の立ち位置と、商品の位置付けも頭に入れておきましょう。

(2)ウェブサイトの現状をチェック

サイトがGoogleからどの程度、信頼性を獲得し、良い評価を受けているのかは、ビジネスとの関連度の高いキーワードの検索順位を見ればわかります。サイトの訪問者数や、どのようなキーワードで検索した人がアクセスしているのか、Googleのサーチコンソールやアナリティクスで検証しましょう。
サイト内での滞在時間や、表示回数、クリック数、閲覧されたページ数、コンバージョンした割合などの情報も集め、訪問者の行動を把握することも大切です。
Webサイトの現状をチェック【SEOキーワード選定のやり方】誰でもできる手順を6ステップで解説

サーチコンソール、アナリティクスの設置・計測状況は必ず確認を

サーチコンソールとアナリティクスを利用するのは基礎中の基礎。これらなしでは、効果測定も改善もできません。「まさかそんな初歩的なところでつまづくことはないだろう」と思うかもしれませんが、確認を怠ってはいけません。
「サーチコンソール・アナリティクスを導入していなかった」「データの計測はしていたが、チェックはほぼしていなかった」などのケースも、意外に多いんです。

サーチコンソールやアナリティクスで計測するには、ウェブサイトにタグマネージャーやトラッキングコードを設置するなど、導入のためのプロセスが必要です。たとえ数年間のサイトの運営実績があっても、データの計測は、サーチコンソール・アナリティクスを導入した時点からしかできません。

さらに時折、技術的な問題が発生しており正しい数値が計測できていなかった、という想定外も起こりえます。
実際、自社サイトの開設時からアナリティクスで計測をしていた会社でも、SEO対策を開始しきちんとデータを検証するようになったことで初めて、数値の異常に気づいた、というケースがありました。設定ミスで、計測が正しく行えていなかったそうです。

特に、アナリティクスは2023年7月に旧バージョンから新バージョン(GA4)に移行しました。画面表示が変わったのでなんとなくデータのチェックから遠ざかっているうちに、数値の異常を見落としていた、という可能性もあります。この機会に必ず確認しましょう。

(3)競合のウェブサイトを調査

ライバル企業のウェブサイトをチェックし、SEO対策の戦略を確認しましょう。特に、コラムは方向性や、ユーザーの反応などをぜひ参考にしたいところです。
商品・サービスが一般的で競合との差別化がはかりにくい場合こそ、競合他社のコンテンツがヒントになります。丸ごと真似をするのは御法度ですが、自社に活かせるか、どこで差別化できるかを検討します。

ビジネス上の競合とは別かも? 「SEO上の競合」も洗い出したい

あわせてチェックしたいのが、ビジネス上の競合以外でも、自社が狙いたいキーワードと同様のキーワードでSEO対策を行っているウェブサイトです。

例えば、美容室Cが「ヘアケア 自宅」というキーワードのSEO対策を強化したいとします。「ヘアケア 自宅」で検索してみたら、上位を占めるのは、ヘアドライヤーを販売する家電メーカーD社やコスメ量販店E社のコラムでした。D社・E社はCにとってビジネス上の直接の競合ではありませんが、「ヘアケア 自宅」のキーワードを狙うのなら、検索結果という同じ土俵で戦わねばなりません。
SEO上の競合とは【SEOキーワード選定のやり方】誰でもできる手順を6ステップで解説
D社やE社がSEOに注力している大企業で、すでにいくつもコラム記事を投稿していたとします。もし、CがこれからSEOに取り掛かろうとしている個人経営の美容室なら、同じキーワードでコラムを公開した時、CがD社やE社を抑えて検索結果の上位を獲得するのは至難の業です。つまり、D社やE社が対策していないキーワードを選ぶのがCの戦略になってきます。

このように、ビジネス上の競合とあわせて、「SEO上の競合」を意識することも大切です。

(4)目的・目標を設定し、費用・期間を確認

SEO対策の目的と、期待される成果を担当者が理解し、社内で共有しましょう。

・特定の商品を売りたい
・企業の知名度をあげたい
・ブランディングをしたい
・ECサイトへの誘導をしたい

といったさまざまな目的があります。

成果をはかる指標としてよく用いられるのは

・Webサイトのトラフィックや訪問者数
・コンバージョン率(サイト訪問者の何%が購入、問い合わせ、登録などの具体的なアクションを取るか)
・検索順位(狙うキーワードで何位以内の表示を目指すのか)
・競合サイトの順位を超えたか

などです。

SEOにかかる費用は?割けるリソースも確認を

どのくらいの予算をかけられるかで、取れる施策は異なります。
SEOは無料でもスタートできますが、より確実な成果や効率アップを目指しツールを導入したり、戦略立案や記事執筆を外注したりすればコストが発生します。

かかるコストは、大まかに3種類です。

・ツールの利用料
・コンテンツの設計費用
・コンテンツ制作費用

ツールは無料のものでも十分ですが、扱うデータの量が多い場合や、使い勝手をよくしたい場合は、有料ツールを入れることも検討すべきです。シンプルな機能だけでよければ毎月、数千円台から使えるものもありますが、多機能なものになれば毎月10万円以上の料金がかかります。

コンテンツの設計費用は、キーワード選定を含めた戦略立案を専門の業者に外注する場合に、コンテンツ制作費用は記事執筆を依頼する場合に発生します。
設計費用は主にコンテンツマーケティングの開始前や初期にかかりますが、コンテンツ制作費は、ライティングを外注する限り継続してかかり続けます。全体の費用の中でもかなりの割合を占めますから、早い段階で試算しておきましょう。

また、コンテンツ設計や制作を外注しない場合は、社内リソースを割くことになります。内製するからといって“タダ”ではありません。どれくらいの社内リソースが割けるのか、知識面・技術面で対応が可能かを検討し、かけて良い工数を概算で把握するようにしましょう。
既存の業務量をそのままに新たに記事執筆を課せば、スタッフのパフォーマンスは下がりますし、記事のクオリティも期待できず、成果につながりません。業務量の調整も重要な仕事です。

SEO対策をして成果が出るまでにはどのくらい時間がかかる?

目に見える効果が出てくるまで、企画段階から数か月~1年程度みておく必要があります。
SEO対策を始めてから効果が出るまでの時間を見越して期間設定を行う【SEOキーワード選定のやり方】誰でもできる手順を6ステップで解説
考慮すべき項目
・キーワード選定など全体の初期設計に要する時間
・記事制作にかかる時間
・公開した記事がGoogleから評価され、SEO効果が現れてくるまでの時間(助走期間)

目的がキャンペーンや新製品の販促なら半年~1年の短期決戦ですし、ブランディングやECサイトへの誘導なら、数年のスパンで考え、より時間をかけて行うべきです。いずれも、時間がかかることを見越して、期間の設定を行います。

コンテンツマーケティングでは中・長期的な視点での成果が期待されるとはいえ、期間を曖昧にして効果測定を怠ると費用対効果の低い施策になってしまいます。「3ヶ月ごとに成果をまとめる」「いったん半年を区切りにして取り組む」といったように、期間を設定のうえ、効果測定を行いましょう。

キーワード選定には時間がかかって当たり前!正しい手順こそ成功への最短ルート

SEO対策の専門家である私たちでさえ、キーワード選定作業には非常に時間がかかります。

候補となるキーワードの洗い出しや検索ボリュームの調査は一括で行える便利なツールがあります。ですが「どのキーワードを出すか、おおもとのテーマを考える」「出てきた候補キーワードリストを一つずつ検討して絞る」などの作業は、会社や業種、企画が違えば、検討事項も異なります。その都度、人力で地道にやっていくしかありません。そのうえ、先ほど紹介した準備段階の作業にも、ある程度の時間を費やす必要があります。
つまり、キーワード選定は時間がかかってあたり前の作業だと捉えてください。

「急がば回れ」キーワード選定を丁寧にできるかがSEOの成否を分ける

深く考えずにキーワードを選定してしまうと、結局、後から苦しむことになります。ピントがずれたキーワードで記事を書いてしまえば上位表示はされず、もちろん売り上げがアップすることもありません。成果が出ないと肩身も狭くなり、工数と費用をかけたのに施策自体が立ち消えに…、そんな事態は避けたいですよね。

逆に言えば、キーワード選定を時間をかけて丁寧に行えば、その先が格段に楽になるということです。くどいようですが、初期設計とキーワード選定は手を抜かず、じっくり腰を据えて取り組みましょう!

キーワード選定は、ツールがはじき出したキーワードのリストをそのまま使えるわけではなく、一朝一夕にできる単純作業でもないことは、SEOに関わる社内チームで共有しておくとスムーズかもしれませんね。

キーワード選定の手順 6ステップ

ここからは、キーワード選定の6ステップを順を追ってご説明します。
手順6ステップ【SEOキーワード選定のやり方】誰でもできる手順を6ステップで解説

1、ターゲット像を明確に設定し、理解を深める

商品・サービスを利用する顧客を具体的に設定し、属性や興味、ニーズを調べます。
ポイントは、キーワード選定の担当者一人に任せるのではなく、複数人で取り組むこと
50代男性に新しいネイルサロンの無料体験を予約する20代女性の心理は想像しづらいものですし、未婚男性が小さい子どもを育てる世帯の悩みを見つけるのは簡単ではありません。性別や年齢、役職、担当部署の異なるメンバーが集って検討できれば、アイデアの種類の幅が広がり、発見が生まれます。

ターゲットの悩み・疑問こそ注目したい

ユーザーのリアルなニーズを調べるには、以下の方法があります。

・ペルソナの具体的なキャラクターを決める
・アンケートやインタビューの活用
・ターゲットが使用するSNSやオンラインのコミュニティを見る
・競合のコンテンツを分析する
・カスタマージャーニーマップの作成
・社内営業部やカスタマーサポートとの連携
・自社商品・サービスのレビューやトライアル利用の分析
・Googleアナリティクスやサーチコンソールでのデータ分析
・Googleトレンドの関連キーワード

特に注目したいのは、お悩みやお困りごとなどです。「悩み解決」「質問に対する答え」をテーマにしたコラムは、ユーザーにとって大きな価値がありますから、アクセス数を獲得しやすい傾向があります。例えば、Yahoo!知恵袋で「○○ デメリット」「△△ 失敗事例」のようにネガティブなトピックを重点的にリサーチすると、キーワード選定・記事作成の大きなヒントになります。

2、メインのキーワードの洗い出し

キーワード選定作業では、まずメインとなるキーワードを選び、次に、それに紐づく関連キーワードを出していきます。

メインのキーワードは、検索する人の多そうな、ざっくりとした広めのものが適切です。ステップ1で把握したターゲットのニーズや、ターゲットが検索するトピックを元に、いくつか洗い出しましょう。「業界や自社の商品サービスに強く関連するキーワードを書き出してみる」「競合他社の分析を参考にする」なども手段の一つです。

メインのキーワードの具体例ですが、不動産業界の場合
「分譲マンション 新築」
「住宅ローン控除」
「中古マンション 横浜」
「マンション購入」
などがメインのキーワードになりえます。

この段階では、出てきたキーワードの中で、自社のビジネスに直結しないように見えるキーワードもリストに含めておきます。
担当者が知らない・わからないだけで実は意外に関連性が深いケースもありますし、最初の段階でキーワード数を絞りすぎると次のステップで関連ワードを出す際に有望なキーワードが見つからないこともあります。キーワードの候補は、まず広め・多めに洗い出し、ある程度まで増やしておくのが鉄則です。
次のステップでの作業を楽にするため、メインキーワードは出し終わった時点で、ざっくりと似たものでまとめて分類しておきましょう。例えば、上に例で挙げた4個なら「住宅ローン」「分譲」「賃貸」といった具合にカテゴリー・ジャンルで分けます。

3、関連ワードを出していく

メインのキーワードが決まったら、それを軸に、関連するキーワードを抽出していきましょう。

メインキーワードが「住宅ローン控除」なら
「住宅ローン控除 条件」
「住宅ローン控除 シミュレーション」
「住宅ローン控除 ふるさと納税」
「住宅ローン控除 所得制限」
「住宅ローン控除 住民税」
「住宅ローン控除 中古マンション」
「住宅ローン控除 とは」
「住宅ローン控除 要件」
などが関連するキーワードです。

関連ワードの抽出はまずツールを使用

ほとんどのツールで、関連ワードは、メインキーワードを入力しワンクリックで自動的に一括で出力されます。多いものなら数百を超えることもありますので、主要なものを残さず拾い上げましょう。以下は関連ワードの抽出に使える、無料のツールです。

Google広告 キーワードプランナー(外部リンク:Google広告)
・Google検索のサジェストキーワード
・Google検索の関連する検索キーワード
・ラッコキーワード
サジェストキーワードと関連する検索キーワード【SEOキーワード選定のやり方】誰でもできる手順を6ステップで解説
キーワードプランナーとラッコキーワードでは、関連ワードをcsvファイルで一括ダウンロードができます。ダウンロードした関連キーワードのリストは、エクセルやGoogleスプレッドシートに貼り付けましょう。ここからはファイル上に書き込んでいきます。
Googleスプレッドシートimage【SEOキーワード選定のやり方】誰でもできる手順を6ステップで解説

ツールだけでは導き出せない関連ワードは人力で

ツールで機械的に洗い出すことができる関連ワードだけでは、同じメインキーワードでSEO対策をする競合と似通ったキーワードしか出せません。また、キーワードによっては、ツールで調べても関連ワードがほとんど出てこないこともあります。
ツールだけに頼らず、自分自身で考えて関連ワードを探してくる作業も必要です。

・顧客の立場で悩みを推測する
・競合のコンテンツを調査をする
・自社のウェブサイトへの流入ワードをヒントに需要のあるテーマを考える
・キーワードを出発点にするのではなく、そのキーワードが属するトピック全体を広く見渡して関連する他の話題を探す

といった切り口からアプローチし、関連ワードを挙げていきましょう。

4、検索ボリュームを調査する

さてここまでのステップで、大元となるメインのキーワードから、それに関連するキーワードが出揃いました。次は、キーワードの月間検索ボリュームの調査です。

月間検索数が100なら1ヶ月に100回、そのキーワードが検索されているということです。月間検索数が0〜10と少ないキーワードもあれば、10万回以上検索されるキーワードもあります。一般に、検索数の少ないものをスモールワード、中間のものをミドルワード、多いものをビッグワードと呼びます。
検索ボリュームは、以下のツールで調べられます。

Google広告 キーワードプランナー

有料ツールでも一括調査が可能です。
・SEMrush
・パスカル
・Ahrefs
・Ubersuggest

調べた検索ボリュームは関連キーワードのリストのファイルに転記します。
Google広告キーワードプランナーimage【SEOキーワード選定のやり方】誰でもできる手順を6ステップで解説
なお、各種ツールでは、ステップ3で関連ワードを取得した時点で、自動的に検索ボリュームも調査されていることがほとんど。そのため、転記が必要なのは人力で考え出した関連ワードのみ、ということが多いはずです。

5、競合性をチェックする

Google検索結果のランキングは相対評価ですから、上位表示の難しさは、ライバルたちがどのくらいSEO対策をしているかで大きく変化します。つまり、そのキーワードを狙っている競合がどのくらいいるのかは、非常に大切な情報なんです。

競合性の調査には、無料で提供されているGoogle広告のキーワードプランナーをはじめ、各種の有料ツールが使えます。キーワードプランナーを利用する場合、関連ワードを出力した時点で、自動で競合性も記入されていますから、転記する必要はありません。
キーワードプランナー 競合性とは【SEOキーワード選定のやり方】誰でもできる手順を6ステップで解説
また、ツールを使わずとも、キーワードをGoogle検索してみるとある程度、競合の多さがわかるんです。
検索結果のトップに並んでいる「スポンサー」と書かれた表示は、企業がGoogleにお金を払って出稿する広告です。この広告が3つも4つも表示されるキーワードは、多くの競合他社が狙っている競争率の高いキーワードだということ。SEO対策の難易度は非常に高いと思って間違いないでしょう。
スポンサー Google検索結果【SEOキーワード選定のやり方】誰でもできる手順を6ステップで解説
さて、ここまでで、メインキーワードと関連ワードがずらりと並び、それぞれに対して検索ボリュームと競合性が記入された状態になりました。

6、キーワードの絞り込み

ここからは、いよいよキーワードを絞っていく工程に入ります。

出てきたすべてのキーワードに対してコンテンツが制作できればいいのですが、予算と時間には上限があります。また、なかなか成果が出なければ、心も折れてしまいますよね。長期的には多くのキーワードを網羅する必要があるとはいえ、数を絞り、優先順位をつけて成果が出やすそうなキーワードから取り掛からねばなりません。
方針として、次のようなキーワードは避けましょう。

(1)検索ボリュームが少なすぎるキーワード

ほとんど検索されないキーワードを選んだら、SEO対策の成果は出にくくなります。月間検索数が0のキーワードでコンテンツを制作し1位に表示されたとしても、検索からユーザーが辿り着くことはほぼ期待できません。

なお、例外として、検索ボリュームは多くなくとも、除外すべきでないキーワードもあります。それが、複数のワードをかけあわせて検索される複合キーワードで、これを「ロングテールキーワード」といいます。

例えば、「分譲マンション ファミリー向け 横浜 築浅」というキーワードは、「マンション 横浜」に比べると検索ボリュームが少ないものの、より強く購入を検討している人が検索するキーワードです。
ロングテールキーワード 例【SEOキーワード選定のやり方】誰でもできる手順を6ステップで解説
ロングテールキーワードはコンバージョンに近い有望なキーワードですから、積極的に取り入れるべきです。ただし、検索ボリュームは低めですから、リストに上がった他のキーワードと比較しながらバランスを考えて選んでください。

(2)競合性が高いキーワード

当然ですが、競合性が高いキーワードは競争が苛烈で、上位表示が難しいものです。

一般に、検索ボリュームが多いキーワードほど、競合性が高い傾向にあり、そのような人気のキーワードはSEOに強い大手企業がすでにまとまった量かつハイクオリティなコンテンツを制作済みであることがほとんど。さらに、コンテンツマーケティングのみならず有料のリスティング広告を出している企業も多数あります。このような条件のもと、後追いで競合に立ち向かい、成果を出すのはかなりハードルが高いと言わざるを得ません。

これからSEO対策を始めるのなら、まずは検索ボリュームの多すぎるビッグワードや、競合性の高いキーワードを選ぶべきではありません。

(3)コンバージョンにつながりそうもないキーワード

SEO対策の最終的な目的はあくまで、お客様になってもらうこと。そのキーワードで入ってきた人が自社の商品・サービスのファンになってくれそうか、売り上げにつながるか、という視点を忘れてはいけません。

例えば、不動産販売をメイン事業とする企業がエリアでの知名度アップ・ブランディング目的で、毎年、地域イベントを支援しているとします。
今回は、新規顧客獲得のためのコンテンツマーケティングを展開することになり、キーワード選定を開始。自社のサイトのデータ分析をすると、すでに「横浜 フリーマーケット」で15位と比較的上位に表示されているとわかりました。
自社の取組みと関係が深く、検索ボリュームもあり競合性もさほど高くないから、と「横浜 フリーマーケット」というキーワードで狙って記事を更新、めでたく1位を取れたとしましょう。
しかし、このキーワードでの流入が数百件あったとしても、そこから不動産購入の問い合わせや新規顧客獲得につながる見込みはあるでしょうか?
「横浜 フリーマーケット」で検索するユーザーの意図は、“横浜で開催されるフリーマーケットの情報を知りたい”であり、そもそも“不動産を買いたい”わけではないのは明白です。
つまり、今回の「不動産を購入する新規顧客獲得のため」のコンテンツマーケティングとして展開するには適さないキーワードであることが分かります。

大量のキーワードと向き合い続けていると、検索ボリュームがそれなりにあり、競合性も高くないキーワードを見つけたら、「狙い目」とばかりに、つい飛びつきたくなるものです。注意しましょう。
検索意図と合致しているか【SEOキーワード選定のやり方】誰でもできる手順を6ステップで解説
ここまでの6ステップがキーワード選定作業の全体像です。
最後には、ExcelやGoogleスプレッドシートに、「メインキーワード」「関連キーワード」「検索ボリューム」「競合性」の欄が並んだ状態になればOK!お疲れ様でした。やり切った達成感もひとしおですね!

ここで気を抜かず、出揃ったキーワード一覧は必ず複数人で共有し、現実的にコンテンツを作ることが可能そうか、取りこぼしている必須キーワードがないかを確認しましょう。

ちなみに、このキーワード一覧に執筆予定月や進捗状況の管理、実際の記事タイトルなどを記入できる欄を設置すれば、コンテンツマップとしても使えますよ。

キーワード選定に使うツール

続いて、選定作業6ステップで使うべきツールもご紹介します。

ツールを使える場面は

・月間検索ボリュームの調査
・関連キーワードの洗い出し
・競合性の調査
・自社サイトが全体的にどの程度オンラインでパワーがあるかの調査
・ウェブサイトへの流入キーワードを抽出
・トレンドキーワードを知る

など多岐に渡り、2023年現在、確認できるだけでも有料・無料を合わせると50以上のツールがあります。

どれを選ぶべきかを考えるだけでも一仕事ですが、【2023-2024最新】SEO対策・キーワード選定のおすすめツール10選 で使い方や機能を詳細に解説しますので、ここでは著名なツールについて、概要・リンク先・有料/無料だけを紹介するにとどめます。

・ Googleサーチコンソール(無料)
https://search.google.com/search-console/about(外部リンク)
ウェブサイトへの流入キーワードを抽出

・Google広告キーワードプランナー(無料) https://ads.google.com/intl/ja_jp/home/tools/keyword-planner/(外部リンク)
月間検索ボリュームの調査・関連キーワードの洗い出し・競合性の調査など

・ラッコツールズ(有料・無料版あり)
https://rakko.tools/(外部リンク)
月間検索ボリュームの調査・関連キーワードの洗い出しなど

・パスカル(有料・体験版あり)
https://www.pascaljp.com/
月間検索ボリュームの調査・関連キーワードの洗い出し・競合性の調査など

・tami-co(タミコ)(有料・体験版あり)
https://tami-co.biz-samurai.com/(外部リンク)
月間検索ボリュームの調査・関連キーワードの洗い出し・競合性の調査など

・MIERUCA(有料・体験版あり)
https://mieru-ca.com/(外部リンク)
月間検索ボリュームの調査・関連キーワードの洗い出し・競合性の調査など

・TACT SEO(有料・体験版あり)
https://tact-seo.com/(外部リンク)
月間検索ボリュームの調査・関連キーワードの洗い出し・競合性の調査など

・SEARCH WRITE(サーチライト)(有料・体験版あり)
https://searchwrite.jp/(外部リンク)
月間検索ボリュームの調査・関連キーワードの洗い出し・競合性の調査など

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【2023-2024最新】SEO対策・キーワード選定のおすすめツール10選 無料で使える・役立つツールを紹介します!

キーワード選定はあなたにもできる

キーワード選定のやり方の全貌を知り、その作業量に驚いたかもしれません。正直に言って、キーワード選定は気軽にできる楽な作業ではありません。でも、ご紹介したステップの通りに取り組めば、時間はかかりますが、必ずキーワード一覧ができあがります。そしてキーワードが適切なものなら、その先のコンテンツ制作後に、成果が数値に現れてきます。
適切なキーワードを選べば必ず成果が出る【SEOキーワード選定のやり方】誰でもできる手順を6ステップで解説
私たちはキーワード選定の大変さにボヤきたくなったときはいつも、公開した記事を読んでくれた人の反応を想像し、画面に向かう自らを奮い立たせています。設計図から作り上げたコンテンツを検索エンジンに見つけてもらい、その情報を求めていた人の目に届き、心を動かして行動を変えるかもしれないなんて、すごくワクワクしませんか?

「未経験」でも「文系」でも、まずは一歩を踏み出して

「SEO対策」はwebマーケティングの施策の1つですが、マーケティングに携わる人の間でも「SEO対策は専門性が高くて、特殊な領域」といったイメージを持たれているように思います。
ですが、難しく考える必要はありません。キーワード選びの成功のカギとなるのは、企業や商品・サービスへの理解であり、ターゲット・検索者の気持ちを想像できたかというマーケティング的な取り組みです。誰よりもこの情報に近いところにいる皆さんなら、自社や、依頼主である企業にぴったりフィットしたキーワード選定ができるはずです。
まずは見よう見まねでOKですから、6ステップにぜひ挑戦してみてください。
自力でキーワード選定をする際に役立つシートを用意していますので、こちらからDLのうえぜひご活用ください。

キーワード選定のコツや注意点は下記に詳しく書いています。リライトの仕方・書き方もお伝えしていますので、参考にしてみてください。

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