テクニカルSEOを徹底解説! コンテンツSEOとの違いや施策成功のコツ

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「自社サイトの表示速度(サイトスピード)が遅い」「検索順位が思うように上がらない」
「テクニカルSEOが具体的に何を指すのかわからない」

このような悩みをお持ちではありませんか?

本記事ではテクニカルSEOに焦点を当て、具体的な活用方法や、日本国内の導入事例、課題などについて詳しく解説します。この記事を読むことで、以下の成果が期待できます。

・サイトの技術的な課題を特定し、HTMLタグや属性の修正を通じて改善する方法がわかる
・大規模サイトでの成功条件を理解し、戦略的にアプローチできる
・テクニカルSEO施策の実施項目を一覧化して優先順位を明確にし、効率的に進められる
・日本市場での導入状況を知り、次のアクションを計画できる

テクニカルSEOとコンテンツSEOの違いや取り組み方もわかると思いますので、ぜひ最後までお読みください!

この記事のポイント

  • ・テクニカルSEOは内部SEOの一部であり、検索エンジンのクロールやインデックスを最適化する施策
  • ・テクニカルSEOによって技術基盤を整備し、コンテンツSEOと組み合わせることで最大限の効果を発揮する
  • ・テクニカルSEOは大規模サイトでは効果的だが、小規模サイトでは比較的重要性が低い
  • ・具体的なテクニカルSEO施策とツールの活用方法をご紹介

テクニカルSEOとは? 基本の理解

「テクニカルSEO」とは、サイトの検索順位、つまり検索結果画面にリストアップされる順位を向上するために行う、SEO対策の一種です。

主に検索エンジン側のWebクロール、インデックスといった技術的仕様を踏まえて実施する施策であるため、テクニカルSEOと呼ばれています。

まずはこのテクニカルSEOについて、基本的な知識を解説します。

テクニカルSEOの定義と重要性

テクニカルSEOの異説明画像

SEO施策では、自社サイトそのものを対象とする「内部SEO対策」と、外部からの評価を高める「外部SEO対策」を、状況に応じて組み合わせることが重要です。

テクニカルSEOは内部SEOの一部に該当し、サイトの技術的な側面を最適化することで、検索エンジンがWebサイトを効率的にクロールし、インデックスできるように環境を構築する施策を指します。

こうした対応を行うべき大きな理由の一つとして、クロールバジェットの最適化があります。Googleは常に世界中の膨大なWebサイトをクロールしているため、一つひとつのサイトにかけられるクロールリソースには限りがあります。この限りのことを一般的に「クロールバジェット」と呼んでいます。

テクニカルSEOでサイトを最適化することによって、クロールリソースを少しでも多く自社サイトの発信したいコンテンツにかけてもらい、またその限られたリソース内でなるべくサイト情報を効率的に、正しく収集してもらうことを目指すというわけです。

また、近年の検索エンジンアルゴリズムでは、UX(ユーザーエクスペリエンス)が重視される傾向が強まっており、技術的な問題がユーザー体験に与える影響も注目されています。

ページの読み込み速度が遅い、リンク切れが多い、モバイル対応が不十分で上下左右にスクロールしなければならない、といった仕組み上の課題があると、ユーザーの満足度が低下し、結果として検索順位にも悪影響を及ぼします。そのため、テクニカルSEOは、ユーザー体験の向上と上位表示を両立させるための重要施策といえます。

テクニカルSEOの一般的な認識と実際の用途

多くの企業やウェブ担当者は、テクニカルSEOを「metaタグの書き方」や「ページ速度の向上」といった単発的な作業として認識しがちです。

しかし、テクニカルSEOの本質は、これらの施策を通じてサイト全体の技術基盤を正しく整備し、長期的にスケーラブルなSEO効果を生み出す点にあります。

たとえば、1万ページ以上の大規模ECサイトでは、商品ページごとの内部リンク構造や、共通モジュール化されたmetaタグの一括修正が、全体の検索順位に大きな影響を与えます。このような場合、単一の施策が数千ページ以上に波及し、結果的にトラフィックや収益の向上を実現する可能性が高いのです。

一方、100ページ以内の小規模サイトでは、テクニカルSEOによる効果が限定的で、コストに見合わない場合も少なくありません。手作業でaltタグを最適化しても、競合の外部要因やリンク戦略の方が順位に影響を与える場合が多いのです。

つまりは、大規模なサイトが最もテクニカルSEOの成果がでやすいです。

このような状況では、サイト速度の改善やモバイルフレンドリー対応など、ユーザー体験に直結する施策を優先的に行い、費用対効果を高めるのがよいでしょう。

テクニカルSEOとコンテンツSEOの違い

テクニカルSEOとコンテンツSEOは、SEO戦略を構築する上で重要な2つの柱です。各施策の目的やアプローチは異なりますが、相互に補完し合うことで大きな効果を発揮します。

テクニカルSEOとコンテンツSEOの相乗効果

テクニカルSEOは、検索エンジンがWebサイトを効率的にクロール・インデックスできる技術的な基盤を整える施策です。

主な施策としては、「サイトマップの生成」「HTTPS化」「ページ速度の改善」などが挙げられます。主に検索エンジンがサイトを迅速かつ正確に認識できるように、そして訪問ユーザーに快適な体験を提供できるように環境を整えることを目的としています。

対してコンテンツSEOは、ユーザーの検索意図を満たす質の高い記事や動画コンテンツを作成し、サイト価値を高める施策です。主に、ユーザーニーズに応える形で情報を提供することで、検索エンジンのアルゴリズムから評価されることを目指します。最終目標としては、ユーザーに無料相談や資料ダウンロード、セミナー参加といったコンバージョン行動を起こしてもらうことが挙げられます。

これら2つの施策は、どちらか単独で行うよりも、組み合わせることで相乗効果を発揮します。

たとえば、テクニカルSEOでページ速度を改善すれば、コンテンツSEOによる質の高い記事が最後まで読まれる可能性が高まり、結果的にユーザーエンゲージメントが向上します。

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テクニカルSEOのメリット

以下では、テクニカルSEOの主なメリットを解説します。

1. クロールとインデックス効率の向上

検索エンジンはWebサイトを見つけ、クロールし、その情報をインデックスすることで検索結果に反映します。

このインデックスまでのプロセスが迅速であるほど、公開したコンテンツが検索結果に表示されるまでの時間を短縮できます。しかし、現代では膨大なコンテンツが存在するため、適切な対策を講じなければインデックスされないケースも珍しくありません。

テクニカルSEOを講じることで、新たに公開したコンテンツや更新内容が迅速にインデックスされ、検索順位への反映も早まります。

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2. ユーザーエクスペリエンス(UX)の改善

ユーザーエクスペリエンスの改善は、SEOにおいて重要な要素であり、特にページ速度やモバイルフレンドリーな設計といった技術的な最適化が鍵となります。これらの改善は、ユーザーの離脱率を下げるだけでなく、検索順位にも直接的にポジティブな影響をもたらします。

ページ表示速度の改善は顕著な効果をもたらす施策です。

Googleの調査によれば、ページ読み込み速度が1秒から3秒に遅延すると離脱率は32%増加し、1秒から5秒になるとその数値は90%に達するとされています。

つまり、ページ読み込みに時間がかかるほど、ユーザーはコンテンツにたどり着く前に離脱してしまう可能性が高くなるのです。ページ速度を改善すれば、ユーザーがコンテンツを読む前に離脱する確率を大幅に低下させ、滞在時間やCVRが向上します。

3. 検索エンジンからの信頼性向上

HTTPS化や構造化データの実装などの施策は、検索エンジンがサイトを「安全で信頼できる」と判断するひとつの要因となります。GoogleはHTTPS(暗号化通信)をランキング要因として公式に認めており、セキュリティ向上が検索順位にプラスの影響を及ぼします。

さらに、構造化データを上手に活用することで、検索結果にリッチスニペット(レビュー、価格、イベント情報など)を表示させ、CTRを向上させることも可能です。

4. 長期間にわたる成果

テクニカルSEOは、一度しっかりと実施すれば、その効果が長期間持続します。

初期段階での投資や労力は必要ですが、構築された基盤が持続可能なSEO環境を提供し、新たなコンテンツの追加やサイトの拡張にも柔軟に対応することが可能です。

たとえば、URLの正規化を適切に設定しておくと、検索エンジンが正しいURLを認識し、インデックスの重複や順位分散の問題を回避できます。このように、SEO効果がサイト全体に波及しやすくなるのがテクニカルSEOの強みです。

テクニカルSEOのデメリット

テクニカルSEOには多くのメリットがある一方で、導入や運用においていくつかの課題や制約も存在します。以下では、代表的なデメリットを解説します。

1. 専門知識と技術の必要性

テクニカルSEOの実施には高度な専門知識が必要です。

HTMLやCSS、JavaScriptなどのWeb技術に加え、Webサーバーの設定やクロールバジェットの効率化といった専門的なスキルが求められます。これにより、社内に専門人材がいない場合には、外部のコンサルタントや代理店に依頼する必要が生じ、追加コストが発生します。

たとえば古いCMSを使用している企業では、修正を実施するためにシステム全体の見直しが必要になる可能性もあるでしょう。

2. 小規模サイトでは効果が限定的

100ページ未満の小規模なサイトでは、クロール効率の改善やタグの最適化を行っても、検索順位やトラフィックへの影響が比較的小さくなってしまう傾向にあります。

そのため、こうしたサイトでは、すべての施策を一度に実施するのではなく、特に効果が期待できる施策に優先的に取り組むことが重要です。

モバイルフレンドリー対応やページ速度の改善といったユーザーエクスペリエンスに直結する部分を強化することで、コストに見合った成果を得やすくなります。

3. コストと時間の負担

テクニカルSEOは、時間とコストがかかります。

大規模なサイト構造の見直しやタグ修正は、短期間で終わるものではありません。とくに、サイト全体の構造を見直す必要がある場合、プロジェクトが数カ月に及ぶこともあります。

このような場合は、すべての修正を一度に行おうとせず、影響範囲の大きい部分から優先的に取り組み、スムーズな進行を目指す必要があります。

テクニカルSEOが有効な条件

テクニカルSEOはすべてのサイトにおいて効果を発揮するわけではなく、その有効性はサイトの規模や構造、運営する業種などの条件に左右されます。ここでは、大規模サイトでの成功要因と小規模サイトでの課題について詳しく解説します。

大規模サイトではテクニカルSEOの成功がしやすい

テクニカルSEOは、AmazonなどのECサイトや求人情報サイトのような1万ページから10万ページ規模の大規模サイト向けの施策です。

その理由は、サイトの全体構造を整備することで、検索エンジンが効率的に情報収集できる環境を作り、結果的に検索順位の向上やトラフィック増加を促進するためです。さらに、ユーザーが目的のページに迅速にアクセスできるようになることで、体験価値も向上し、サイト全体の信頼性や評価が高まります。

たとえば、内部リンクの最適化は大規模サイトにおいて不可欠な施策です。カテゴリーページと商品サービスページのリンクを整理することで、ユーザーが探している情報や商品にスムーズにたどり着けるようになります。同時に、検索エンジンも重要なページを効率的に特定・インデックスできるため、SEO効果が高まります。

また、大規模サイトでは、テンプレート化されたページ構成を活用することで、タグやデータの効率的な管理が可能です。商品ページ全体で共通して使用しているメタディスクリプションファイルを一括修正すれば、全ページのクリック率を短期間で向上させられます。

さらに、テンプレートを「共通部分」と「個別部分」に分けて管理することで、全体の一貫性を保ちながら、必要な箇所のみをピンポイントで修正する柔軟な運用も可能です。こうした「分ける工夫」により、複雑なデータやコードの管理が簡略化され、大規模サイトの運用効率が向上します。

大規模サイトでは、一つの施策が全ページに波及するため、テクニカルSEOは検索順位や流入の向上に直結し、結果として売上や収益の増加に貢献します。

小規模サイトの課題

100ページ未満の小規模Webサイトでは、テクニカルSEOの効果が限定的になることが多いです。その主な理由は、施策にかかる投資コストと得られる成果のバランスが取りにくい点にあります。

テクニカルSEOは、内部リンクの最適化やタグの修正、ページ速度の向上といった作業が中心となりますが、小規模サイトではこれらに要するコストや手間に対して、SEOへの影響が比較的限定的となります。

競合が少ないニッチ分野では、テクニカルSEOよりもコンテンツSEOやローカルSEOにリソースを割いたほうが効果的なケースもあります。さらに、小規模サイトでは検索順位が外部要因に大きく左右されるという課題も考えられます。

競合サイトの新規参入や外部リンクの影響、さらにはGoogleのアルゴリズム変更などが順位変動の大きな原因となることが多く、内部改善だけでこれをコントロールするのは困難です。たとえば、競合が質の高いコンテンツを公開した場合、テクニカルSEOによる内部施策だけでは追いつくのが困難でしょう。

小規模サイトでは、費用対効果を意識した戦略的な取り組みが重要です。

サイト速度の向上やモバイルフレンドリー対応といったユーザー体験に直結する施策に重点を置くことで、比較的少ないリソースで一定の成果を得られます。また、内部リンクやタグの修正に関しても、すべてを網羅的に行うのではなく、重要なページやセクションに絞って実施し、効果を最大化しながらコストを抑えるようにしましょう。

テクニカルSEOの課題と現状

テクニカルSEOは、Amazonなどの大規模サイトで有効性が高い施策として注目されていますが、日本国内では導入率が低く、課題が山積しています。その背景には、専門知識を持つ人材や企業の不足、成功事例の少なさ、コスト対効果の不明瞭さなどがあります。

ここでは、国内の現状と課題、さらに成功のための条件についてわかりやすく解説します。

日本国内での課題

テクニカルSEOを導入するには、HTMLやCSS、JavaScript、Googleサーチコンソールを活用したデータ分析能力が求められます。しかし、こうした知識を持つ専門家の育成が進んでいないため、外部のコンサルティング会社に依頼せざるを得ない企業が多いのが現状で、導入企業が少ない要因ともいえます。

さらに、日本国内では成功事例の情報が限られており、データベース型のECサイトや求人情報サイトのような分野での具体的な取り組みやノウハウが共有されていません。

また、小規模サイトにおいては、テクニカルSEOの費用対効果が低くなる傾向があります。必要なリソースを確保するのが難しく、施策を途中で断念するケースも見受けられます。

テクニカルSEOの成功に必要な条件

テクニカルSEOを成功させるには、サイト規模に応じた戦略的なアプローチが必要です。

まず、大規模サイトの場合、膨大なページ数を効率的に管理し、全体に効果を波及させる施策が求められます。具体的には、以下のような施策です。

・内部リンク最適化でクローリングの効率化
・共通テンプレートやタグの一括修正

一方、小規模サイトでは効果が出づらい側面もありますが、コストやリソースの制約を考慮しつつ、成果に直結する施策を優先するとよいでしょう。ページ速度の改善、レスポンシブデザインの採用、重要ページへの内部リンク設置などです。

このように、サイト規模に応じた適切な施策を選定することで、限られたリソースでも効果的な結果を得られます。

テクニカルSEOの具体的な施策:インデックス編

インデックス最適化の戦略

ここでは、検索エンジンがサイトを正確かつ効率的にインデックスできる環境を構築する施策を見ていきましょう。

1. 重複コンテンツ

重複コンテンツ管理は、テクニカルSEOの基本施策です。

重複コンテンツとは、同一または類似した内容を持つ複数のURLが存在する状態を意味し、検索エンジンがどのURLを優先的にインデックスするべきか迷う原因となります。

この問題を解決するためには、canonicalタグで正規URLを指定する、Googleサーチコンソールを活用してURLパラメータを制御する、または301リダイレクトを設定して重複を回避するといった方法が有効です。

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2. title・meta description・見出しの改善

titleタグやmeta description、見出しは、ページ内容を検索エンジンに正確に伝える役割を担います。

たとえば、titleタグにはページごとに独自タイトルを設定し、ターゲットキーワードを自然に含めることで、検索順位とクリック率の向上を見込めます。

meta descriptionは検索結果で表示されるため、120文字程度など一度に読みやすい文字数で、思わずクリックしたくなる要約文を設定しておきましょう。また、見出しタグを使用してページの階層構造を整理することで、サイトを訪れるユーザーにも、検索エンジンにも分かりやすいコンテンツ作成が可能です。

3. アンカーテキストの貼り方の改善

アンカーテキストとは、Webページ内のリンクに設定されている、クリック可能なテキスト部分を指します。

リンクテキストには、リンク先の内容を具体的に示す説明的な言葉を用いることで、ユーザーがリンク先の情報を予測しやすくなるだけでなく、検索エンジンもリンクの関連性をより正確に評価できます。

また、リンクの配置も重要です。ユーザーがアクセスしやすい位置に配置することで、コンテンツ全体の回遊性が向上します。

テクニカルSEOの具体的な施策:クローラー編

クローラー最適化の戦略の図解)

ここでは、検索エンジンのクローラーがサイトを効率的にクロールできるようにする施策を解説します。

1. サイトスピード(表示速度)の向上

ページ読み込み速度が遅いと、ユーザーの離脱率が増加するだけでなく、Googleがガイドラインで明言するランキング要因にも影響します。具体的には、画像の最適化やキャッシュ活用、JavaScriptやCSSの圧縮、さらにはコンテンツ配信ネットワーク(CDN)の導入が有効です。

2. 内部リンク構造の最適化

内部リンク構造の最適化は、クローラーがサイト全体を効率的に巡回するための基本です。

XMLサイトマップをGoogleサーチコンソールに登録して、重要ページをクローラーに認識させましょう。また、パンくずリストを導入することで、ユーザーとクローラーの両方にサイト構造を明示できます。

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3. クロールバジェットの効率化

クロールバジェットとは、検索エンジン側が各サイトに割り当てるクロールリソースのことです。

限られたクロールバジェットを不要なページに浪費せず、優先度の高いページに集中させれば、重要コンテンツが迅速にインデックスされ、検索順位への反映が早まります。

まずはrobots.txtを活用し、クロール不要なページを指定しましょう。また、noindexタグを使って、インデックス化が不要なページ(古いキャンペーンページや重複コンテンツなど)を対象外とすることで、検索エンジンのインデックスデータベースを整理することが可能です。

さらに、重要ページにアクセスしやすい内部リンク設計をすれば、クローラーが迷うことなく優先ページに到達できるようになります。

4. モバイルフレンドリーな設計

モバイルフレンドリーな設計は、Googleのモバイルファーストインデックスの採用により必須となっています。レスポンシブデザインを採用し、タッチ操作しやすいUIやモバイル速度の最適化を施すことで、モバイルユーザーの利便性を向上させます。

5. URLの正規化(HTTPSとセキュリティの向上)

URLの正規化とHTTPS化は、検索エンジンに正しい情報を伝えると同時に、サイトの信頼性とセキュリティを向上させる重要施策です。

URLの正規化では、canonicalタグを使用して、検索エンジンに正規のURLを明示しましょう。

たとえば、「https://example.com」と「https://www.example.com」のように異なるURLが同じコンテンツを指している場合、canonicalタグを設定しておくことで、正しいURLを検索エンジンに伝えられます。結果、重複コンテンツによる順位の分散やクロールリソースの無駄遣いを防ぐことが可能です。

HTTPSは、データの暗号化によってユーザーとWebサイト間の通信を保護します。GoogleはHTTPSをランキング要因の一つとして公式に認めているため、HTTPS化することでSEO効果の向上も期待できます。

6. 構造化データとリッチスニペット

構造化データの導入により、検索結果にリッチスニペットを表示させられます。リッチスニペットは、検索結果内で商品の価格やレビュー評価などを視覚的に目立たせる要素であり、CTRを向上させる効果があります。

構造化データは、JSON-LD形式で記述するのが一般的です。

この形式を用いることで、商品情報、レビュー、FAQ、イベントスケジュールなど、さまざまな種類のデータを明確に検索エンジンに伝えられます。実装後は、Googleが提供するリッチリザルトテスト(参考記事:Google「リッチリザルトテスト」)を利用して、正確に設定されているかを確認しましょう。

まとめ

本記事では、テクニカルSEOの重要性と具体的な施策について詳しく解説しました。

検索エンジンがサイトを正確にクロール・インデックスできるようにすることで、検索順位の向上やユーザー体験の改善につながる点が、テクニカルSEOの大きなメリットです。

大規模サイトにおいては、内部リンク構造の最適化や構造化データの活用、テンプレート化されたタグ修正などが大きな成果をもたらします。一方、小規模サイトでは、ページ速度の改善やモバイルフレンドリー対応など、ユーザー体験に直結する施策を優先することがポイントです。

また、SEOはテクニカルSEOだけで完結するものではありません。効果的なコンテンツ制作や競合分析を含め、総合的なアプローチが必要です。SEOの成果が思うように上がらない場合は、以下の事例記事を参考にし、他社の成功事例から具体的なヒントを得てみてください。

参考記事
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藤井 慎二郎の写真

記事の監修者

藤井 慎二郎 / 株式会社オロパス 代表取締役

SEOコンサルタントとしてBtoB、BtoC問わず、1,000社以上のWebサイトをコンサルテイングを行ってきた実績を持つ。経営軸の高い視座で戦略的にSEOを進めることが得意。
2014年に現在の株式会社オロパスを設立。それまでのSEO知見を活かしてSEOツール「パスカル」を開発。

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