コンテンツマーケティングと広告の違いとは? Web上からオフラインでの手法まで比較して紹介

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製品、商品、サービスを積極的に顧客へアピールするマーケティングの手法として長い間もちいられているのが、テレビCMやチラシなどをふくめた広告です。一方、Web上でユーザーが自ら情報収集する機会が多くなったことを受けて、ユーザーのファン化やコンバージョンへつなげるコンテンツマーケティングもマーケティング手法として多く選択されるようになりました。

コンテンツマーケティングと広告は性質やメリット、デメリットがそれぞれで異なります。用途やシーンに応じて適切なマーケティングの手法を選ぶことで、利益やコンバージョンにつなげられるでしょう。この記事では、コンテンツマーケティングと広告の違いを特徴や性質をふまえて解説します。用途や状況に応じたマーケティングの手法選びにぜひ役立ててください。

コンテンツマーケティングについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。

【関連記事】【2023年版】コンテンツマーケティング完全ガイド

コンテンツマーケティングとは、記事や動画などのコンテンツを通してユーザーに価値ある情報を提供し、認知度や売り上げの向上などを目指す施策です。多くの企業が取り組んでおり、今や定番のマーケティング手法ですが、実践手順やポイントなどがわからない方もいらっしゃるかもしれません。本 記事では、コンテンツマーケティングの基礎知識やポイント、成功事例を解説します。

コンテンツマーケティングと広告それぞれの種類

タブレットを持つ手

コンテンツマーケティングと広告には、アプローチ方法や取り組み方、見せ方、性質などによっていろいろな種類があります。まずはコンテンツマーケティングと広告それぞれを種類で分類し、どんな性質や特徴を持っているかを解説していきます。

コンテンツマーケティングの種類

コンテンツをマーケティングの手法としてもちいるのが「コンテンツマーケティング」です。オンラインで施策を行う「デジタルコンテンツ」とオフラインでの施策である「アナログコンテンツ」のふたつに大きく分けられます。さらに、実際にもちいる手法や取り組み方、ツールによって、以下の種類に分けられます。

・レビューマーケティング…ユーザーから寄せられる評判や口コミをコンテンツとして発信する方法です
・ブログマーケティング…自社のサイトや外部サイトでブログを作成し、コンテンツとして発信する方法です
・SNSマーケティング…Twitter、Facebook、Instagram、LINE公式アカウントなどのSNSから情報を発信する方法です。SNSの持つ性質を活かして、テキストや写真、動画をもちいて情報を伝えます
・動画マーケティング…動画をコンテンツとして配信する方法です。YouTubeをはじめとした動画配信サービスで自社の公式チャンネルを持つ方法もあれば、制作した動画をブログや会社のWebサイトにリンクする方法もあります
・イベント…関係者やファンへ向けてのさまざまな催し物です。2022年現在ではオンライン開催も多くなりましたが、オフラインでのイベントも含まれます
・ホワイトペーパー、レポート…自社のWebサイトなどから商品仕様やノウハウなどの情報を資料としてダウンロードできるサービスを提供する方法です。ダウンロードにはメールアドレスなどの個人情報の入力を求めるのが一般的となっています
・Webサイトのコンテンツ…よくある質問(FAQ)、事例紹介、お客様の声一覧、用語集などWebサイト上で閲覧できるさまざまなコンテンツを用意する方法です

広告の種類

企業の商品やサービスを顧客に認知してもらうための手法として使われるのが広告です。広告もコンテンツと同じく施策を行うプラットフォームによって「オンライン広告」と「オフライン広告」のふたつに分けられます。さらに戦略の目的やツール、手法によって以下の種類に分類可能です。

・Web・インターネット広告…インターネット上に表示される広告です。表示方法や広告の特性によりリスティング広告(検索連動型広告)、ディスプレイ広告、ネイティブ広告・SNS広告、動画広告、デジタル音声・オーディオ広告があります
・ヒューマン広告…インフルエンサーをはじめとした、影響力の強い個人を広告塔とした広告戦略です。特徴によりアフィリエイト広告、インフルエンサー広告、ライブ配信広告があります
・マスメディア広告…4大マスメディアであるテレビ、新聞、雑誌、ラジオより配信される広告です
・セールスプロモーション広告(SP)…おもにオフラインで顧客に直接アプローチする広告です。チラシ広告、交通広告、屋外広告、DM広告・同封・同梱広告、イベント広告などが該当します

コンテンツマーケティングと広告のそれぞれの種類をふまえたうえで、次にコンテンツマーケティングと広告の違いについて順に解説していきます。

コンテンツマーケティングと広告の違いその1:ユーザーへのアプローチ方法

パソコンの前で作業する様子

コンテンツマーケティングと広告は両方とも見込み顧客や既存顧客へ商品やサービス、企業の情報を伝えるための施策としてもちいられていますが、アプローチ方法が異なります。

コンテンツマーケティングは「プル型」

コンテンツマーケティングのアプローチ方法は「プル型」です。ユーザー自らがGoogleなどの検索エンジンで自分の知りたい情報に関連するキーワードを入力し、検索でたどり着いた先で情報を提供します。アプローチの面では企業側から動くのではなく、ユーザーに情報を見つけてもらうのを前提としてコンテンツへの流入を誘導するため、「インバウンドマーケティング」とも呼ばれています。

コンテンツマーケティングは表示または閲覧する情報をユーザー自らが取捨選択できるため、商品やサービスの売り込みをしても不快感を与えにくいのが特徴です。検索してたどり着いたユーザーへ親しみや信頼感などを与えやすく顧客エンゲージメントを高める、企業のファンを醸成するなどの成果が期待できます。

広告は「プッシュ型」

広告は企業側が伝えたい情報を不特定多数、またはターゲットとした顧客に向けて積極的または一方的に情報として提供する「プッシュ型」のアプローチ方法です。企業側がユーザーへ能動的な売り込みを行うため「アウトバウンドマーケティング」とも呼ばれています。

商品やサービスに関する情報を顧客へ直接伝えられる施策のため、すでに商品やサービスに興味を持っている、または購入や契約をする予定の顧客に対して背中を押すきっかけとなるでしょう。また不特定多数の顧客へ情報を配信できるため即効性が高く、商品やサービス、企業の認知度を高めたいときに期待通りの結果が出やすいことも広告の魅力です。

コンテンツマーケティングと広告の違いその2:目的

marketingのマーカー文字

コンテンツマーケティングと広告はまったく違うマーケティング手法のため、それぞれで達成したい目的が異なってきます。

コンテンツマーケティングの目的

コンテンツマーケティングの最終的な目的は、中長期的な顧客の獲得です。企業側がユーザーにとって有益な情報をコンテンツとして提供し続けることで、企業や商品、サービスへの好感度や信頼度の向上につながり、ユーザーのファン化が実現できます。ファンとなった顧客は中長期的な顧客として企業に利益をもたらしてくれるでしょう。また、コンテンツを通じてユーザーと企業が情報を共有したり、直接コンタクトを持ったりすることでブランディングにも大きな成果が出せるでしょう。

広告の目的

広告は目的によってさまざまな種類のものがありますが、いずれも「情報を直接的に伝える」という点が共通しています。たとえば企業や商品のイメージアップを目的としているなら、企業や商品の魅力やメリットを伝えられるイメージ広告、啓発や認知など不特定多数の人に広く情報を伝えることが目的なら公共広告など、利用する広告の手法は目的によってことなるものの、両者ともに伝えたい情報をダイレクトに訴えているという特徴があります。
そのため、広告は限定商品の認知、イベントや場所への案内など、短期的な顧客獲得や目的達成に向いています。

コンテンツマーケティングと広告の違いその3:運用方法

ADWORDSのブロック

コンテンツマーケティングと広告、いずれも施策を行ってから成果を出すためには適切な運用が求められますが、運用方法にも違いがあります。

コンテンツマーケティングは継続的な運用が必要

コンテンツマーケティングは配信するコンテンツによってさまざまな手法がありますが、いずれも中長期的な顧客を得るためには常に情報を配信し続ける必要があります。検索してたどりついたユーザーが実際にコンテンツを閲覧しても、一度の閲覧だけで信頼度や親しみ、好感度を得ることは難しいためです。有益と感じてもらえる情報を提供したり、顧客エンゲージメントを高める機会を重ねたりすることで、ユーザーのファン化につながるでしょう。

継続してコンテンツを配信するためには、記事の作成、ページ更新、ユーザーへの反応などに対応する体制づくりが必要です。また、コンテンツを運用しながら集客したユーザーの検索元や検索語などを分析し、課題をふまえたうえでコンテンツを改善していく必要もあります。コンテンツを継続して運用するために、大きな手間や負担が担当者や企業にかかるでしょう。ただし一度制作したコンテンツは削除しなければ残り続けるため、企業の資産として蓄積できるメリットもあります。

広告は掛け捨てのものもある

種類によって異なりますが、一度出稿した広告は掛け捨てのものが多いです。たとえば新発売の商品やサービスを広く認知させるためにテレビCMを出したとします。発売日前後は集中的にCMを流しますが、契約期間が切れたら同じCMは流れなくなります。もし同じ広告ばかりが長期的に出ると、閲覧者にとってはすでに認知されている情報を押し付けられることになり、「しつこい」「見飽きた」などの悪印象を抱かれやすいためです。広告の出稿にはターゲットや目的の設定などの事前準備も行われますが、基本的にひとつの広告を継続して運用することはありません。

広告はコンテンツマーケティングと異なり継続して運用する手間や負担はかからない一方、広告を資産として残せることは少ないと言えます。

コンテンツマーケティングと広告の違いその4:コスト

プランの提示されたタブレットとパソコン

コンテンツマーケティングと広告、いずれも導入するためにコストがかかります。コンテンツマーケティングと広告には、コストに差があるのも違いのひとつです。

コンテンツマーケティングは低コストで導入できる

コンテンツマーケティングは、低コストで導入できるメリットがあります。コンテンツマーケティングのマーケティング手法としてもちいられているのは、ユーザーからの口コミや評判をもとにしたアーンドメディアと、企業が自社のコンテンツとして発信するオウンドメディアといった、比較的コストをおさえられる施策が中心のためです。

たとえばSNSからコンテンツを配信する場合、SNSの公式アカウントは無料で作れるものが多くなっています。コンテンツマーケティングは中長期的に運用することで、マーケティングにかかる全体的なコストをおさえることにもつながるでしょう。

広告はコストが高くなりやすい

広告は、テレビCMやラジオCMなどのマスメディア広告やチラシや看板、公共交通機関へのセールスプロモーション広告をはじめ、出す際のコストが高額になりやすい特徴があります。Web・インターネット広告やヒューマン広告はマスメディア広告やセールスプロモーション広告と比較すると費用はおさえられますが、まったく費用がかからないというわけではありません。広告は導入に費用が発生するペイドメディアであるという性質も持っています。

コンテンツマーケティングと広告の違いその5:性質

新聞広告の紙面

コンテンツマーケティングと広告は、ユーザーへのアプローチ方法や運用方法の違いから、それぞれで性質が異なります。

コンテンツマーケティングの性質

コンテンツマーケティングには以下の性質があります。

  • ・持続性が高く即効性は低い
  • ・ターゲットが狭い、限定的
  • ・認知されれば、同一ターゲット層へ拡散されやすい

コンテンツマーケティングは、ユーザーに対して継続的に情報を発信する、また一度制作したコンテンツは削除しないかぎり消えない性質を持っているため、高い持続性があります。一方で施策から一定の効果が現れるまでには時間がかかるため、継続した運用が必要です。運用の手間や負担は大きいものの高い持続性を活かした顧客へのアプローチにより、中長期的なファンの醸成につなげられるでしょう。

コンテンツマーケティングはユーザー自らが検索した上で情報を提供するため、特定のターゲットを対象としている性質があります。コンテンツを作成するには、対象となるターゲットの年齢や性別などのペルソナや、コンテンツに行きつくまでの道筋を表したカスタマージャーニーを設定したうえで、検索上位に表示されるためのSEO対策などの施策を行います。設定した狭い範囲の中で、特定のユーザー向けの情報配信を行う特徴があります。

コンテンツマーケティングはオウンドメディアをはじめオンラインのコンテンツが多数のため、拡散されやすい性質を持っています。たとえばオウンドメディアの記事に共感や親しみ、好意を持った閲覧者や顧客が自分のSNSなどでその記事を配信すると、拡散されて多くの人に共有されます。自社でコンテンツを大々的にアピールしなくても、ファンとなった顧客が拡散してくれることも多いです。

広告の性質

広告には以下の性質があります。

  • ・持続性は低く即効性が高い
  • ・ターゲットが広い、不特定多数も可能
  • ・拡散はされにくい

広告は掛け捨てのマーケティング手法である一方、ユーザーに対してダイレクトに情報を出せるため高い即効性を持っています。たとえば、イベントの日時の告知のためにチラシやDMを配信したとします。ユーザーは手にしたチラシやDMを見れば、その場ですぐにイベントの日時を認知できるでしょう。一部のWeb広告をのぞいて広告が財産として蓄積されることはありませんが、目的達成のための即効性が高いのが特徴です。

Web・インターネット広告であるリスティング広告やネイティブ広告など、一部にはターゲットをしぼって配信する広告もありますが、基本的には多くの人や不特定多数を対象に配信するのが前提となっているものが多いです。企業の情報や公共の啓蒙活動など、不特定多数の人を対象とした情報を提供したいときに向いています。また、インターネットリテラシーが低く情報収集はマスメディアに頼っているという高齢者層などにも、広告なら情報を届けられます。

広告は掛け捨てであること、オフラインのものも多いことから二次的な共有はされにくく、拡散されにくい性質も持っています。

コンテンツマーケティングと広告の有効な併用方法

ネオンサインに集まる人々

コンテンツマーケティングと広告には、多くの違いがあります。情報を提供したいユーザーや目的によっても、適した手法は異なります。ただし利用するときにはどちらの方がすぐれているかと優越を付けて選択をするだけでなく、状況に応じて上手に併用すれば、より効果的なプロモーションや利益につなげられます。

コンテンツマーケティングと広告を有効に併用する方法を解説します。

用途に応じて両者を使い分ける

コンテンツマーケティングと広告は性質と最終的な目的による違いがあるため、用途に応じて適切なマーケティング方法は異なります。最終的な目的を明確にし、適切なマーケティング手法を選んで使い分けるのが良いでしょう。たとえばターゲットをしぼって商品やサービス、企業のファンを醸成したいならオウンドメディアやSNSでのコンテンツマーケティングが向いています。一方で限定イベントや新発売の商品など、すぐに伝えたい情報を広く配信したいときには、テレビCMや公共広告などの広告が選択肢となるでしょう。

さらに、コンテンツマーケティングと広告それぞれでいろいろな種類のものがあります。費用対効果や、即効性・持続性どちらを重視したいかなどをふまえて、目的に応じたものを選んで導入しましょう。

コンテンツ内での広告運用やマネタイズも可能

コンテンツマーケティングの直接的な目的とは、顧客のファン化やブランディングです。ただし、顧客がファン化することでおのずと自社の商品やサービスを選ぶようになるため、競合との差別化や利益につながります。利益を上げることもコンテンツマーケティングの間接的な目的であると言えるでしょう。

コンテンツマーケティングのなかで、他社が広告を出稿できる枠を設けるなどで、マネタイズ(収益化)する方法もあります。代表的なコンテンツマーケティングの手法であるオウンドメディアに、直接利益につなげる広告などの手法を取り入れる方法は多く活用されています。

▼コンテンツマーケティングへの広告出稿やマネタイズについては、オウンドメディアに関する以下の記事もあわせてご覧ください。

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クロスマーケティングを活用する

コンテンツマーケティングと広告を併用する方法のひとつに、クロスマーケティングがあります。クロスマーケティングとは、多数のメディアを組み合わせることで、相乗効果を得て顧客へアプローチできる手法です。具体的には、テレビCM(広告)の最後に「続きはWebで!」「CMの完全版を動画で配信中!」などで告知し、オウンドメディアや動画などのコンテンツへ誘導するなどの手法があります。

クロスマーケティングを活用することで、ネットリテラシーの低い層にも情報の配信やアピールができるようになります。また商品やサービス購入、契約を迷っているユーザーに対しては、多角的な面からのアプローチをすることで、最後の後押しも可能です。コンテンツマーケティングと広告の異なる性質を同時に活用することで、多くのメリットが得られるでしょう。

コンテンツマーケティングと広告の違いをふまえて目的を達成させよう

コンテンツマーケティングと広告それぞれの種類をふまえた5つの違いの比較、さらにコンテンツマーケティングと広告を有効活用するための併用方法を解説しました。コンテンツマーケティングと広告、それぞれでアプローチ方法や性質、コストなどに違いがあることで、メリットやデメリットもあります。また、コンテンツマーケティングと広告をまったく別の施策として利用するだけでなく、上手に併用することでより高いマーケティング効果を得ることも可能です。

ターゲットや目的に合わせた適切な手法を選択し、利益の最大化やファンの醸成、ブランディングなどの目的を達成させましょう。

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