イメージでわかるコンテンツマーケティング

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コンテンツマーケティングの重要性が増す一方、具体的な流れやコンテンツ一覧、SEOの仕組みなど具体的なイメージができないとお悩みではないでしょうか。本記事では、コンテンツマーケティングの理解を深められるように、画像を用いながら基礎知識や抑えておくべき購買モデル、SEOの仕組みなどについて解説します。

コンテンツマーケティングについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。

【関連記事】【2023年版】コンテンツマーケティング完全ガイド

コンテンツマーケティングとは、記事や動画などのコンテンツを通してユーザーに価値ある情報を提供し、認知度や売り上げの向上などを目指す施策です。多くの企業が取り組んでおり、今や定番のマーケティング手法ですが、実践手順やポイントなどがわからない方もいらっしゃるかもしれません。本 記事では、コンテンツマーケティングの基礎知識やポイント、成功事例を解説します。

イメージで分かるコンテンツマーケティングの流れ

コンテンツマーケティングとは、コンテンツを通して顧客とコミュニケーションをとることで、顧客を引き寄せ、興味関心を持ってもらい、顧客に問い合わせや商談、購入などの行動を起こしてもらうことを目的としたマーケティング手法を指します。

パーチェスファネルのイラスト

つまり、コンテンツマーケティングはパーチェスファネルにおける「認知」「興味関心」「比較検討」「行動」の4つのフェーズに貢献します。上記イメージを見てもらうと分かる通り、コンテンツマーケティングには様々なコンテンツ種類があり、各コンテンツによってアプローチできる層は異なります。

例えば、ブログ記事でSEO対策をすれば、課題や悩みの解決法を探す潜在顧客と接点を作れる(認知)でしょう。オウンドメディアで良質なコンテンツを提供し続ければ、顧客は徐々に興味関心を抱くようになり、「この企業の製品なら信頼できる」と考え、資料請求をします。

資料を見ながら、他社製品との比較検討をしている顧客に、メールマガジンで最後の一押しとなる事例集を届ければ、顧客は商談へと動いてくれるかもしれません。この例のように、適切にコンテンツマーケティングを行えば、認知からリードの創出まで行えます。

実際に株式会社WACUL実施の調査(※1)によると、約45%の企業がブログ・記事経由で新規売り上げが生まれていると回答しており、コンテンツマーケティングが非常に大きな貢献を果たしていると分かります。

コンテンツマーケティングで成果を出すためには、顧客の購買ステージごとに最適なコンテンツでコミュニケーションを取らなければいけません。

※1 出典:【株式会社WACUL】コンテンツマーケティングで成果を上げる企業の共通点とは?ブログ・記事メディアの運営体制に関するアンケート調査結果
https://wacul.co.jp/lab/contents-marketing-best-practice/

コンテンツマーケティングで取り扱うコンテンツ一覧

コンテンツの種類を表したイラスト

コンテンツマーケティングにおけるコンテンツとは、ブログやニュースレター、セミナー、事例など多々あります。コンテンツマーケティング実施の際は、各コンテンツの特徴を適切に把握したうえで、自社に最適なチャネルを選ばなければいけません。以下では、主なコンテンツの種類と特徴を解説します。

ブログ

コンテンツマーケティングで最もよく使用されるチャネルがブログでしょう。コンテンツマーケティングにおけるブログの役割とは主に、SEO対策・採用・ブランディングのいずれかです。

SEO対策とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで、自社記事を上位表示させる施策です。seoClarityの調査(※2)によれば、日本国内におけるGoogle検索結果のクリック率は、1位のサイトで平均13.94%でした。

例えば、月間検索ボリューム3万のキーワードで1位表示できれば、約4,100の流入が見込めます。SEOは低コストで実施できる、かつ大きな集客効果が見込めるため、多くの企業が実施しています。

また、ブログ記事で創業秘話や製品開発の裏側を発信すればブランディング、さらに社員インタビューを公開すれば採用効果を見込めます。

ブログ記事を運用する際は、継続が重要です。ブログ記事で成果を出すには、少なくとも半年以上の継続が必要であり、成果が出る前に施策を中止する企業は少なくありません。しかし、ブログ記事は継続さえできれば、成果が出る分野でもあります。

ある調査(※3)では、コンテンツ本数が増えるほど、Webサイトへの訪問数が加速することが判明しています。長期間にわたって価値あるコンテンツを届け続ければ、ブログ記事は強力な集客チャネルとなるでしょう。

※2 出典:【seoClarity】2021 CTR Research Study
https://www.seoclarity.net/mobile-desktop-ctr-study-11302/
※3 出典:【WACUL TECHNOLOGY & MARKETING LAB】コンテンツマーケティングで成果を上げる企業の共通点とは?ブログ・記事メディアの運営体制に関するアンケート調査結果
https://wacul.co.jp/lab/contents-marketing-best-practice/

ニュースレター

ニュースレター/メールマガジンとは、既存の顧客から同意を得て送信する、企業のプロモーションメールのことです。企業からのニュースレターを送信するためには、原則として顧客からのオプトイン(同意)を得る必要があるため、ブログや製品購入などを導線として、顧客のメールリストを作成しましょう。

ニュースレターは、ブランドに興味を持っている顧客にアプローチできるため、高い開封率を見込めます。メルマガ配信サービスの世界的な企業Benchmark Emailの調査(※4)によれば、日本のメルマガ平均開封率は37.42%で、平均クリック率は4.84%です。

確度の高い顧客にアプローチできる性質上、ニュースレターはブログ記事やイベントの宣伝、顧客との関係性の維持、関連商品の紹介などに向いています。

※4 出典:【Benchmark】業種別・地域別(国別)平均メール開封率レポート【2022年版】
https://www.benchmarkemail.com/jp/email-marketing-benchmarks/

ウェビナー

オンラインで実施するウェビナーは、パーチェスファネルにおける認知や比較検討段階の顧客のアプローチに有効です。特にウェビナーは、コロナ渦の影響により、定番のタッチポイントになりつつあります。

ウェビナーを使えば、全国各地にいる潜在顧客との接点を構築できます。また、録画したウェビナーをアーカイブ配信することで、時間の都合で参加できなかった顧客にも、視聴しやすくなるでしょう。

ウェビナーは顧客の行動意欲の醸成に優れており、メールマガジンやホワイトペーパーなどのフォローアップやサポートにつながります。一方で、ウェビナーの成功には多くの参加者が欠かせません。自社サイトやSNS、ニュースレターなどで積極的なプロモーションを推進しましょう。

事例集

事例集とは、実在する顧客にインタビューをし、自社製品の活用法などをまとめたものです。事例集は、比較行動の段階にいる顧客にアプローチし、商談や申し込みなどの行動へと
後押しします。

事例集で成果を出すためには、顧客が自分ゴト化できるようにコンテンツを作成しなければいけません。既存の顧客がどのような課題を抱えていて、どのように自社製品を活用して課題を解決したのかを具体的に伝えるようにしましょう。そうすることで、顧客は具体的な活用イメージを持て、問い合わせや社内稟議への提案、商談の申し込みなどの行動をしてくれます。

事例集はWebサイトに掲載するほか、ダウンロード形式で配布することも可能です。ダウンロード形式の場合、顧客の氏名や連絡先などの情報を獲得できます。

動画

アライドアーキテクツ株式会社実施の「企業のDX推進における動画活用の実態調査 2021」(※5)によれば、回答者の85.2%が企業活動において動画の重要性が増していると回答しています。

動画コンテンツの主な使用先は、SNSやWebサイトなどです。動画の需要が高まっている背景としては、動画コンテンツ中心のSNSの成長、セミナーや営業活動のデジタル化が進んだことなどが挙げられるでしょう。

動画コンテンツの魅力は、テキストと比較すると、伝えられる情報量が多いことです。愛知大学情報メディアセンターによれば、動画はテキストの30倍の情報量を持ちます。映像や音楽などを用いて、消費者に訴求できるため、ブランディングや認知拡大に期待できます。

※5 出典:【SyncAD】「企業のDX推進における動画活用の実態調査 2021」を実施 【アライドアーキテクツ株式会社調べ】
https://syncad.jp/news/news_aainc-dx-research/

▼コンテンツマーケティングにおけるさまざまな手法については、あわせてこちらの記事もご覧ください。

DEGITAL MARKETINGと書かれた画像

【関連記事】コンテンツマーケティングの手法10選を解説! メリット・デメリットや成功事例も紹介

現在のコンテンツマーケティングには様々な手法が存在しています。コンテンツマーケティングにおいて効率的に成果を得るためには、達成したい目的やコンテンツの特徴、ペルソナをふまえて適切な手法を選択する必要があるでしょう。本記事ではコンテンツマーケティングの主な手法10選を紹介します。

イメージで分かるコンテンツマーケティングが大切な理由

ホワイトボードを見る男性

それではなぜ、多くの企業がコンテンツマーケティングを実施しているのでしょうか。コンテンツマーケティングが重視される理由は、主に以下の4つです。

  • ・アウトバウンドマーケティングの限界
  • ・タッチポイントの増加
  • ・マーケティングのデジタル化
  • ・リスティング広告の依存を軽減

ここからは、それぞれの理由について解説します。

アウトバウンドマーケティングの限界

アウトバウンドとインバウンドの違いを示したイラスト

アウトバウンドマーケティングとは、企業が潜在顧客に向けて行うマーケティング手法であり、主な例にテレビCMや営業電話などが挙げられます。

例を見てもわかる通り、アウトバウンドマーケティングは企業が顧客の都合を考えずに、伝えたい情報を発信するやや強引な手法です。強引でありながらも、以前は顧客の情報収集手段が限られていたため、アウトバウンドマーケティングは有効でした。

しかし、スマートフォンやSNSの普及により、顧客の情報収集方法が変わります。顧客はインターネットを活用し、好きな時に情報収集できるようになったのです。それに伴い、消費者が接触する情報量が劇的に増加し、消費者が情報に疲弊し始めました。

このような背景で、自分が知りたい情報だけを見て、興味のない情報には見向かなくなり、アウトバウンドマーケティングが限界を迎えるのです。アウトバウンドマーケティングの衰退とは対照的に、注目を集め始めたのがインバウンドマーケティングです。

インバウンドマーケティングの提唱とされるHubSpotは、インバウンドマーケティングを次のように定義しています(※6)。

「価値あるコンテンツと顧客それぞれに合わせた体験を創出し、相手を惹きつけるビジネス手法」

勘の良い方はお気づきかもしれませんが、コンテンツマーケティングとインバウンドマーケティングはどちらも、顧客に価値を提供し、顧客に見つけてもらい、そして選んでもらうことを目的にしています。

インバウンドマーケティングとコンテンツマーケティングは共存し、インバウンドマーケティングの成功にはコンテンツマーケティングの存在が欠かせません。

※6 出典:【HubSpot】インバウンドマーケティングとは
https://www.hubspot.jp/inbound-marketing

タッチポイントの増加

従来のタッチポイントと現代のタッチポイント

スマートフォンやインターネットが普及する前、企業と顧客のタッチポイントはテレビCMやセミナー、営業訪問など限られたものでした。しかし、インターネットが発展した現代では、アプリやSNS、ウェビナー、ニュースレター、ウェビナーなどタッチポイントの数が劇的に増加しています。顧客はあらゆるタッチポイントを横断して情報収集をし、購入の意思決定をしているのです。

このようにタッチポイントが増加した現代では、様々なチャネルで顧客とコミュニケーションを取らなければ、大きな機会損失へとつながりかねません。また、顧客データを容易に蓄積できるようになったため、多くの企業は各チャネルで最適な顧客体験の提供に注力しています。

コンテンツマーケティングの多くは、オンラインで実施できるため、顧客データの獲得にも期待できます。蓄積した顧客データを活用すれば、データドリブンの意思決定や施策の改善ができるようになるでしょう。

マーケティングのデジタル化

新型コロナウイルス感染症の影響で、オフラインでの施策が困難となり、営業やマーケティング活動のデジタル化が大きく進みました。今や企業活動において、Webマーケティングは必須の施策といっても過言ではありません。

TIS株式会社が実施の「デジタルマーケティング実施状況についてアンケート調査」(※7)によると、95%以上がデジタルマーケティングが重要だと回答しています。そして、コンテンツマーケティングがWeb広告やSEO、メールマーケティング、SNSなどを含む点を踏まえると、コンテンツマーケティングはデジタルマーケティングの核を担うと言えるでしょう。

コンテンツマーケティングは、比較的安価で開始できるため、初めてのデジタルマーケティングに最適です。営業/マーケティングのデジタル化を目指す場合は、コンテンツマーケティングの実施を検討してみましょう。

※7 出典:【TIS株式会社】~95%以上の企業が「デジタルマーケティングの重要性」を感じる時代に~デジタルマーケティング実施状況についてアンケート調査
https://www.tis.jp/special/marketingit/survey_digitalmarketing/

リスティング広告の依存を軽減

電通調査の「2021年 日本の広告費」(※8)によれば、インターネット広告費がマスコミ四媒体広告費を上回っており、すでにインターネット広告はマスメディアになったと言えます。インターネット広告の中でも、多くの企業が出稿しているのがリスティング広告です。

リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの検索結果画面に表示する広告であり、検索ワードに応じて配信されます。検索エンジンを使用するユーザーは、課題や悩みの解決方法を探している顕在層です。

例えば、ニキビの治し方を探しているユーザーに、ニキビ解消に役立つサプリ広告を配信すると、「これが自分に必要な商品だ!」と思ってもらえるかもしれません。

リスティング広告は、顕在層にアプローチできる性質上、成果に直結しやすいです。一方、多くの企業がリスティング広告を出稿しているため、競走は激化しています。また、消費者の広告離れも考慮しなければいけません。

株式会社Macbee Planet実施のWeb広告に関する意識調査(※9)によれば、約9割がWeb広告を「あまり表示してほしくない」と回答しています。多くの企業がWeb広告に取り組むようになったからこそ、マスメディアと同様にWeb広告の消費者離れが起きているのです。

Web広告は集客に有効な施策ですが、Web広告に依存すると、積み重なる広告予算や消費者離れにより、経営に大きなダメージを与える懸念があります。コンテンツマーケティングは施策の即効性こそないものの、一度作ったコンテンツは資産となります。

例えば、SEOで上位表示に成功した記事は、長期間にわたって大きな集客効果を発揮し続けるでしょう。それでいて広告とは異なり、継続的な費用の発生はありません。

コンテンツは24時間働き続ける優秀なセールスパーソンとなります。Web広告とコンテンツマーケティングを並行して取り組み、効果的に潜在顧客にアプローチしましょう。

※8 出典:【株式会社電通】2021年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2022/0309-010503.html
※9 出典:【PR Times】Web広告を「あまり表示してほしくない」が9割! 大半が苦手意識も「興味があればクリックする」も4割
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000023647.html

イメージでわかるコンテンツマーケティングにおける購買行動モデル

オフィスで働くチーム

先に解説した通り、コンテンツマーケティングが重要視される背景には、顧客行動の変化が挙げられます。ただし、消費者の購買行動と一口に言っても、いくつかの種類があるのです。ここからは、消費者行動を理解して成果につなげる施策を取れるように、コンテンツマーケティング担当者が抑えておくべき購買モデルを解説します。

EKB

EKBモデルのイメージ図

alt属性:EKBモデルのイメージ図

EKB(Engel-Kollat-Blackwell)とは、消費者が製品サービスを購入するまでを「認知」「情報探索」「代替商品の評価」「購入」「結果」の5段階に分けた購買行動モデルです。各プロセスの詳細は、以下の通りになります。

【認知】
製品サービスを認知した消費者は、その製品を購入する必要性や関心を自覚する段階です。

【情報探索】
その製品が自身の過去の経験やニーズとどのように関連し、今のニーズを満たしてくれるかどうか考えます。

【代替商品の評価】
競合他社の製品の調査を開始し、どの製品が最適なのか検討します。

【購入】
比較検討の結果、自身のニーズを満たすと判断した製品を購入します。また、比較検討中に購入を止める可能性もあります。

【結果】
製品の使用後に、製品の評価を行います。リピーターやファンになる可能性があれば、製品に不満を持ち他社製品に移る可能性もあります。

この購買モデルは、競合他社が多いビジネスに最適です。競争が激化している場合は、カスタマージャーニーのすべての段階で顧客と接点を持ち、自社を想起してくれる顧客を増やしましょう。

この購買モデルを活かしてコンテンツマーケティングに取り組んでみましょう。まずはSEOやWeb広告などによって、自社ビジネスの認知度を高めます。自社に興味関心を持った顧客には、自社製品がどのように顧客に利益をもたらすかを示し、事例集や無料トライアルなどの顧客が競合他社と比較検討するために必要なリソースを提供します。

製品購入をした顧客には、活用ポイントや成功事例などのコンテンツを通して、顧客の成功を徹底的に支援します。EKBでは、顧客が積極的な情報収集を行うため、あらゆるタッチポイントで顧客とコミュニケーションをとることが重要です。

ZMOT

ZMOTのイメージ図

ZMOT(ジーモット)とは、Googleが提唱する消費者の購買決定におけるメンタルモデルです。ZMOTでは、顧客はインターネットで情報収集をして、購入製品を決めてから来店するという考え方に基づいています。

顧客が来店する前に意思決定が終了しているため、インターネット上でのコンテンツマーケティングが重要となります。これはBtoB企業においても例外ではありません。BtoB企業の担当者が商談に臨む前、購買プロセスの57%を完了しています。また、事業取引の70%がオンライン起点というデータもあるのです。

ZMOTの顧客には、SEOやSNSを通しての情報発信が欠かせません。ただし、オンライン上でのタッチポイントは増加しており、デジタルマーケティングの推進が一般的になっている点を踏まえると、消費者に自社情報を届けるのが難しくなっています。

そのため、コンテンツマーケティングの軸であるSEOやSNSなどのオウンドメディアに加えて、ペイドメディアやアーンドメディアなども活用し、効果的に自社の宣伝をする必要があるでしょう。

パルス型消費行動

パルス型消費行動のイメージ図

Googleが提唱するパルス型消費行動とは、隙間時間にスマホで買いたい商品を見つけ、衝動的に製品購入をする消費行動です。例えば、SNSで話題となっている商品を見つけ、すぐに購入もしくはそのまま情報検索をして購入をした経験がある方は多いのではないでしょうか。

この例のように、購入意図がなかったにも関わらず、インターネットで気になる商品を見つけた瞬間に購買の意思決定をする消費者が増加しています。一方で、購買意欲が十分に高まらなかった場合は、製品をカートに放置するのです。

なお、パルス型消費行動が適用されるのは、消費財が多い傾向にあります。Googleによるとパルス型購買意欲は6つのセンサーで高められます。

  • ・セーフティ:安心・安全なものに反応するセンサー
  • ・フォーミー:自分にぴったりだと思う製品に反応するセンサー
  • ・コストセーブ:お得なものに反応するセンサー
  • ・フォロー:人気製品や第三者がおすすめする製品に反応するセンサー
  • ・アドベンチャー:知らなかった製品や興味をそそる製品に反応するセンサー
  • ・パワーセーブ:買い物の手間を減らせる製品に反応するセンサー

コンテンツマーケティングにおいて注目すべきセンサーが、フォーミーとアドベンチャーです。消費者に「これは自分にぴったりだ」や「これは試してみたい」など思ってもらえるコンテンツを発信することで、パルス型購買意欲を高められます。

また、風変りではない製品でも特徴的な使い道を示せば、消費者のアドベンチャー・センサーを刺激できます。

例えば、洋酒メーカーのニッカウヰスキーは一般的なウイスキーを販売していますが、SNSで自社ウイスキーを使ったユニークなレシピを発信しています(※10)。コンテンツは大きく拡散され、コンテンツを見たユーザーの中には「このレシピを試したい!」と思い、商品購入する方もいるでしょう。

発信するコンテンツ内容を工夫すれば、パルス型購買意欲を十分に高められるのです。

※10 参考:【ニッカウヰスキー】公式Twitterアカウント
https://twitter.com/intent/follow?screen_name=nikka_jp

コンテンツマーケティングの「失敗」ポイント

デスクで働く人

コンテンツマーケティングは複雑な施策です。ブランドが所属する業界や発信するコンテンツ、発信チャネルなどで最適な施策は変わります。

絶対的な正義がないからこそ、コンテンツマーケティングでは、「何をするか」ではなく「何をしないか」が重要です。ここからは、コンテンツマーケティングで行うべき「ではない」失敗ポイントを解説します。

伝えたいことを発信している

コンテンツマーケティングにおける最大のミスが、自社が伝えたいことを発信することです。なぜなら、顧客はあなたの企業に興味を持っていないからです。

製品を購入する際、「この企業の成長のため」や「企業に喜んでもらいたいから」などと思う方は少ないでしょう。多くの方が、自身の課題の解決や目標達成を願って製品を購入するはずです。

コンテンツマーケティングにおいても、顧客の興味を引くコンテンツを発信しなければ、顧客には見向きもしてもらえません。コンテンツマーケティングの推進前には、まずは顧客の課題やニーズを特定し、自社がどのように顧客の手助けをできるかを考える必要があります。

コンテンツマーケティングの主役は、自社ではなく顧客です。常に顧客ファーストを意識し、顧客にとって最適なコンテンツを、最適なタイミング、最適な場所(チャネル)で届けるようにしましょう。

メッセージが一貫していない

コンテンツマーケティングにおいて、WebサイトやSNS、ニュースレターなど複数チャネルを併用することは珍しくありません。むしろ複数チャネルを活用することで、効率よく多くの潜在顧客にアプローチできます。

複数チャネルを活用する際の注意点が、発信メッセージを統一させることです。例えば、ブログ記事とSNSで主張する内容が異なっていれば、顧客の混乱を招いたり、信頼の喪失につながったりする懸念があります。

また、コンテンツマーケティングがブランディングに貢献することも踏まえると、メッセージを統一させなければ、効果的にブランドは構築できません。その理由は、ブランドはあらゆるタッチポイントで構築されるからです。

各タッチポイントで異なるメッセージを発信すれば、顧客は自社ブランドについて強力なイメージを持てず、「〜といえばAブランド」のようにブランド想起にはつながらないでしょう。

コンテンツマーケティングで、ブランディングや顧客との信頼関係の構築を実現するためにも、下記のポイントは抑えましょう。

  • ・メッセージを統一する
  • ・各チャネルで同じロゴやイラストを使う
  • ・ブランドカラーを決める
  • ・ボイスとトーン(話し方)を統一する

コンバージョン設計が悪い

コンテンツマーケティングとは、認知から購買までの一連の流れを担うため、カスタマージャーニー全体で円滑な施策設計が必要です。よくある失敗として、コンバージョン設計が悪いことが挙げられます。

コンバージョン設計が悪い例

コンバージョン設計が悪ければ、どれだけ多くの流入や潜在顧客を獲得できても、売り上げや問い合わせなどの成果にはつながりません。

例えば、BtoB企業において、資料ダウンロード後に商談に進む顧客は少ないでしょう。多くの顧客は、資料ダウンロード後にセミナー参加や導入相談などをして、商談へと進むはずです。

良いコンバージョン設計

まだ企業を信頼できていない見込み客にとって、商談や問い合わせなどの受注に近いコンバージョン行動はハードルが高いです。見込み客と徐々に信頼関係を構築し、受注に近いコンバージョン行動をしてもらうためにも、円滑なコンバージョン設計をしましょう。

すでにコンテンツマーケティングに取り組んでいて、安定した流入がありながらも成果につながっていない場合もまた、コンバージョン設計の見直しが有効です。

専門家になれていない

機能やデザインに違いのない製品サービスがあふれる現代において、顧客は信頼できるブランドを選ぶようになっています。信頼できるブランドになるためには、専門家となってコンテンツ発信をする必要があります。

誤った情報を発信したり、表面的なコンテンツを発信したりする企業が専門家になれるでしょうか。コンテンツ制作にかかわる全員が、専門家としての自覚を持ち、ブランドの信頼を高めるコンテンツを発信し続けなければいけません。

特に、BtoB企業においては専門性が競合との差異化となります。顧客は貴重な時間をとってコンテンツを見てくれるため、専門家として有益なコンテンツを提供しましょう。

チャネルのポートフォリオが悪い

複数チャネルを利用して、コンテンツマーケティングを推進する場合、自社やチャネル同士の相性を考慮しなければいけません。

例えば、Instagramは写真や動画などのビジュアルでの訴求に強みを持つプラットフォームのため、食品や美容製品などと相性が良いです。一方、金融商品やコンサルティングなどの無形商材を提供する企業が、Instagramで成果を出すのは難しいでしょう。

限られたリソースの中で成果を上げるためには、最適なチャネルを選定しなければいけません。

更新頻度が不定期

新聞や雑誌などが人気を集めている理由の1つに、発行頻度が決まっていることが挙げられます。もし朝に新聞が届いていなかったら、もしいつもの曜日に週刊誌が届いていなかったら、多くの方は残念な気分になるのではないでしょうか。コンテンツマーケティングも同じです。

コンテンツマーケティングにおいても、決まった頻度でコンテンツを更新しましょう。更新頻度が不定期の場合、読者にコンテンツを見つけてもらうことが難しくなります。

コンテンツマーケティングを成功へ導くペルソナ作成

メモを取る男性

コンテンツマーケティングでは、自社が発信したいコンテンツではなく、顧客が知りたいコンテンツを発信しなければ、成果にはつながりません。顧客の課題やニーズの把握に役立つのがペルソナです。

ペルソナとは、自社製品を利用する理想的な顧客像のことです。ペルソナを作成することで、ターゲット・オーディエンスが明確になり、最適なコンテンツを届けられるようになります。以下では、ペルソナの重要性や作成のコツを解説します。

ペルソナ作成の重要性

コンテンツマーケティングにおいて、マスをターゲットにすると、誰にも刺さらないコンテンツとなります。重要なのは、特定の一人の人物を思い浮かべることです。そして、特定の一人の顧客像を思い浮かべるのに役立つのがペルソナとなります。

ペルソナは、年齢や性別、職業、趣味、家族構成、価値観などの詳細な情報の設定により完成します。ペルソナは一人の人物を想起できるまで、具体的に設定されるべき概念です。ペルソナがあれば、常にどんな人物にコンテンツを読んでもらいたいのか、自社がコミュニケーションをとる人物は何を望んでいるのかが常に分かります。

また、作成したペルソナをチームと共有すれば、全員がターゲットに対する共通認識を持てるでしょう。結果的に、発信メッセージの統一や生産性の高い企画会議などを行えるようになるのです。

コンテンツマーケティングは顧客との対話だからこそ、自分たちの対話相手を明確にしましょう。

ペルソナ作成のポイント

ペルソナ作成の原則は、可能な限り実在する顧客に近付けることです。ユーザーヒアリングやアンケート調査、顧客接点のある部署へのヒアリングなどを実施し、質の高い一次情報を集めましょう。

担当者の思い込みや主観の混じった情報で作成すると、実在しない顧客像が完成し、施策混乱の原因となります。顧客理解を深めるためには、実際の顧客に話を聞くのが一番です。自社製品を選んだ人と選ばなかった人にインタビューに協力してもらい、顧客が課題を把握した瞬間から自社を認知したきっかけ、自社製品を購入した/しなかった理由などを尋ねましょう。

実在の顧客から得た情報は、ペルソナ作成に大いに役立つはずです。しかし、ユーザーインタビューができないと悩む担当者の方もいるでしょう。そのような場合は、SNSやショッピングサイトの口コミ、自社/競合の事例、Web解析などを参考にするのがおすすめです。

ペルソナは具体的に設定するべきですが、時間をかけるべき部分とそうではない部分を明確にしておかないと、非効率なペルソナ作成となります。具体的には、ペルソナの名前や性別、家族構成などのデモグラフィックには時間をかけるべきではありません。

時間をかける部分は、ペルソナの課題/ペインポイントや目標です。極論を言えば、ペルソナのニーズや課題さえ判明すれば、問題ありません。

ペルソナに関する情報収集をしたら、情報を整理して、具体的な一人の人物が浮かび上がるようにペルソナ作成をします。

まずは、自社にとって最も重要なペルソナの作成に取りかかりましょう。コンテンツマーケティングに慣れたら、購買行動の異なる他のペルソナを作ります。また、ペルソナは作成して終わりではなく、定期的に見直し、ペルソナの理解を深めるようにしてください。

ペルソナをカスタマージャーニーマップにあてはめる

カスタマージャーニーマップの例

カスタマージャーニーマップとは、顧客の製品認知から購買までの流れを地図のように可視化したものです。カスタマージャーニーマップは主に、「認知」「興味関心」「比較検討」「購買」の4ステージで構成され、各ステージにおける顧客との接点や顧客の感情などを記載します。

ペルソナを作成したら、そのペルソナがどのような購入プロセスを踏んでいるのかを考え、カスタマージャーニーマップを作成しましょう。カスタマージャーニーマップを作成することで、顧客行動や感情が可視化され、コンテンツマーケティングにおいて重要な最適なチャネルで最適なコンテンツを届けられるようになります。

カスタマージャーニーマップで重要な点は、顧客の行動・心理の変化を考え抜くことです。「なぜペルソナは、この課題を抱えているのか」や「どのように自社商品を認知したのか」、「なぜ購入を決めたのか」などを顧客視点で考えましょう。

タッチポイントが多様化した現代において、顧客行動と心理を時系列で可視化できるカスタマージャーニーマップは有効なツールです。

イメージで分かるSEOの基本

Googleアナリティクスの画面

コンテンツマーケティングにおける多様なチャネルの中でも、最も重要なチャネルがSEOでしょう。SEOを日本語に訳すと「検索エンジン最適化」であり、主にGoogleの検索結果画面に自社記事を上位表示させることを目的にした施策です。上位表示されることで、大きな集客効果を見込めます。

SEOは、多くの企業が取り組んでいますが、複雑で専門知識やノウハウなどが求められる分野でもあります。そこでここからは、SEO対策を始める前に知っておくべき検索エンジンの仕組みやSEOの本質をイメージを用いながら解説します。

検索エンジンの仕組み

今や誰もが当然のように使うGoogle検索ですが、どのような仕組みで検索結果が表示されているのかご存知でしょうか。インターネットには膨大な数のサイトやページがあり、Googleは何千、何万とあるページの中から、あなたの検索ワードに最適なページを表示することに努めています。

インデックスの仕組み図

Googleは「インデックス」と呼ばれる巨大なデータベースを保有しています。インデックスにはインターネット上に公開されている数千億ものWebページが保管されているのです。簡単に言えば、インデックスはインターネット上の図書館みたいなものです。

このインデックスにページを保管するのが「クローラ」と呼ばれるソフトウェアです。クローラは、まるで人間のようにコンテンツを閲覧し、キーワードやWebサイトの新しさなどのシグナルに注目して、インデックスにページを保管します。

検索結果が作成される流れ

ユーザーが検索をしたときに、活躍するのが検索アルゴリズムです。検索アルゴリズムは、検索ワードとページの関連性、ソースの専門性、ユーザーの位置情報などの膨大な要因とシグナルを検討し、ユーザーにとって最適な検索結果画面を表示します。

もし検索アルゴリズムが働かなかった場合、東京に住むユーザーが「最寄りのコーヒー店」と検索したときに、北海道や沖縄のコーヒー店のページが表示されるかもしれません。

ここまでをまとめると、Google検索の仕組みは以下の通りです。

  1. 1.ウェブページを公開
  2. 2.クローラがページをインデックス
  3. 3.ユーザーが検索
  4. 4.アルゴリズムが最適な検索ページを表示

つまりSEO対策においては、まずはクローラにコンテンツをインデックスしてもらう必要があります。インデックスされなければ、検索結果画面に表示されません。しかし、インデックスされただけでは、膨大なページの中にコンテンツが埋もれてしまいます。

Googleアルゴリズムにとって、上位表示されるサイトやコンテンツを作成する必要があり、これこそがSEO対策です。残念なことに、Googleは検索アルゴリズムに使う要素を全て公開していなければ、定期的にアルゴリズムのアップデートを加えています。

Googleのアルゴリズムのみを意識したコンテンツ制作では、不確実で不安定な検索順位になるからこそ、SEOの本質を知る必要があるのです。

SEOの本質

小手先のテクニックやアルゴリズムのみを意識したSEO対策では、上位表示ができたとしても、それは一時的なものとなる可能性が高いです。SEO対策をする上では、SEOの本質を理解しなければいけません。

先に検索エンジンの仕組みで解説した通り、Googleはユーザーの検索ワードと最も関連性が高く、有益なコンテンツを上位表示します。つまり、SEOの本質とは「ユーザーに役立つコンテンツを作る」ことです。

検索エンジンがユーザーの悩みやニーズを理解し、最適な解決策を提供することに努めるようにし、SEO担当者もユーザー理解を深め、有益なコンテンツを作成しなければいけません。この本質を忘れてしまうと、SEO対策で成果を出すのは難しいでしょう。

しかし、優良なコンテンツを作成するだけでは、上位表示できないのも事実です。なぜなら、Googleはユーザーの利便性を何よりも重視しているためです。例えば、ページの表示速度が遅かったり、サイトの信頼性が低かったりすれば、ユーザーの利便性を損ないます。

コンテンツは当然ながら、ページの使いやすさやサイトスピードなど多角的にユーザーの利便性を高めるようにしましょう。

イメージで分かるコンテンツマーケティングの拡散方法

コンテンツ拡散に向いているSNS

コンテンツは制作して終わりではありません。どれほど優れたコンテンツを作成したとしても、多くの方に読まれなければ、成果につながらないのです。多くの潜在顧客にコンテンツを読んでもらうためにも、コンテンツを制作したあとは、各チャネルで拡散しましょう。

コンテンツ拡散に、有効なチャネルがSNSです。以下では、自社に最適なSNSを選べるように、主なSNSの特徴を解説します。

Facebook

Facebookは世界最大級のSNSであり、2022年のアクティブユーザー数は19億6000万人と数多くのユーザー数を誇っています。30〜40代のユーザー数が多く、長文の投稿もできるため、プライベートやビジネスの宣伝に活用する方が多いです。

Facebookの特徴は、実名制が基本ということでしょう。実名制かつ家族や知人、取引先などの顔見知りとつながるクローズド(閉鎖的)なコミュニティが構築されるため、フォーマルな投稿が多い傾向にあります。

また、実名制だからこそ、炎上リスクやネガティブなコメントが少ないのも魅力的です。Facebookは、炎上によるブランド毀損リスクを行いつつ、取引先や知人などにウェビナーやブログ記事のプロモーションを行いたい企業に向いています。特に、BtoB企業はFacebookを積極的に活用するべきでしょう。

さらに、企業向けのFacebookページを開設すれば、人気のFacebook広告を出稿できるようになります。

Twitter

Twitterは、140字以内のテキストを中心にユーザーとコミュニケーションが取れるSNSです。Twitterは20代から40代まで幅広いユーザー層が利用しています。その魅力は、高い拡散性です。

Twitterでは、毎日のように数万「いいね」や「リツイート」を獲得しているバズ投稿が生まれています。例えば、自社コンテンツがTwitterで話題になれば、大きな集客効果や認知度向上を見込めるでしょう。

一方、狙ってバズを生み出すのは難しいです。特に運用初期におけるフォロワーが少ないフェーズでは、なかなかコンテンツが拡散されないでしょう。

また、Twitterは高い拡散性と匿名ユーザーが多いという性質上、炎上リスクが高いと言えます。個人ユーザーだけではなく、企業の公式アカウントが炎上騒動を起こしているケースは少なくないため、慎重な運用が求められます。

Twitterに限りませんが、SNS運用の際はマニュアルを用意し、投稿をする前には複数名による内容確認をするのがおすすめです。

BtoCはもちろんながら、BtoB企業にもTwitterは向いています。コンサルティングやマーケティング支援サービスなどの無形商材を扱うBtoB企業は、そのノウハウを発信し、多くのフォロワーを獲得しています。

Instagram

Instagramは、写真や動画などのビジュアルで訴求できるSNSプラットフォームです。2019年には月間ユーザー数10億人を突破し、国内月間アクティブアカウント数は3,300万以上にまで成長しています。

Instagramは女性ユーザーが多いとイメージする方はいるでしょう。しかし、Meta社によると国内の利用者は男性が43%、女性が57%(※11)なので多様なユーザーにアプローチ可能です。

Instagramが向いている企業は、ビジュアルで訴求できる商材を取り扱っている企業です。美容や食品、旅行業界などに属する企業はInstagramで成果を伸ばしやすいでしょう。一方、コンサルティングや金融商品などの無形商材、購買プロセスが長くなる車やBtoB商材などを取り扱う場合は、Instagramは向いていないかもしれません。

※11 出典:【Meta】Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破
https://about.fb.com/ja/news/2019/06/japan_maaupdate-2/

YouTube

動画マーケティングの火付け役となったのがYouTubeです。2020年9月の時点で国内月間利用者数が6,500万人を超え、若年層から中高年層にまでアプローチできます。

今や多くの企業がYouTubeチャンネルを開設し、動画コンテンツの配信やビジネスのプロモーションを行っているため、すでにレッドオーシャンになっています。しかし、上手く運用することで、顧客とエモーショナルな関係を築くことも可能です。

また、動画の再利用がしやすいのも魅力です。例えば、ウェビナーの様子を自社チャンネルにアップロードしたり、YouTube動画を関連するブログ記事やメールマガジンに張り付けたりできます。チャンネルの開設自体は無料で行えるため、まずは試してみるのもいいでしょう。

TikTok

TikTokは、月間アクティブユーザー数が10億人を超える、いま最も勢いのあるショート動画用プラットフォームです。レコメンド(おすすめ)フィードに、ユーザーの興味関心に基づいた動画が表示される仕組みのため、初めての動画が話題になり、一夜で数万人のフォロワーを獲得するユーザーは少なくありません。

TikTokのメインユーザー層は、10代や20代の若年層のため、彼らを意識した動画コンテンツの作成が必須です。すでにいくつかの企業は参入していますが、その数はYouTubeほど多くないため、比較的競争が緩やかなSNSではあります。

コンテンツマーケティングにおいてイメージが重要な理由

ソファに座りパソコンを開く女性

コンテンツマーケティングにおいて、イメージ/画像は重要な要素です。Skyword社の調査(※12)によれば、画像ありと画像なしのWeb記事では、画像ありのWeb記事のほうが91%も高いパフォーマンスを発揮しています。

また、ある調査によれば脳に伝わる情報の90%は視覚からであり、ビジュアルコンテンツは文章コンテンツと比べて6万倍の速さで処理されるそうです。

これらの調査結果から2つのことが言えます。1つめが、記事やニュースレターなどのテキスト重視のチャネルでも、積極的に画像を使用するべきだということです。

現代人の集中力の持続時間は8秒という研究があることからも、テキストだけが続くコンテンツは、最後まで読まれにくいでしょう。このことは、あなたが画像付きの記事とそうでない記事を読んでいる状況をイメージすればわかると思います。

また、SEO対策においてはテキストのみにこだわる必要はありません。例えば、マンガ形式の記事を作成して、上位表示に成功した事例は多々あります。幅広い視点を持つことで、良いコンテンツ案が浮かんできます。

2つめが記事のビジュアルを整えることです。具体的には、ひらがなと漢字の割合を7:3程度と心がけましょう。漢字ばかりの記事を想像してみてください。一目見ただけで、読む気が削がれるのではないでしょうか。テキストのコンテンツを制作する際は、意図的にひらがなを多くし、必要に応じて図表を制作しましょう。

総務省によれば、世界の全IPトラフィックに占めるIPビデオトラフィックの割合は、2017年の75 %から2022年には82 %まで増加すると予測(※13)されています。現在のYouTubeやTikTokなどの動画プラットフォーム(特にショート動画)が世界的に流行していることを踏まえると、この予測はある程度的を得ているでしょう。

コンテンツマーケティングで成果を上げるためには、動画やイラスト、図表などのビジュアルへの投資が必要となるかもしれません。

※12 出典:【Content Marketing Institute】Double Your Web Page Views by Adding an Image? Seriously
https://contentmarketinginstitute.com/2011/10/double-your-page-views-by-adding-an-image/
※13 出典:【総務省】白書 – 令和元年版 – データトラフィックの拡大
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r01/html/nd112110.html

イメージで分かるコンテンツカレンダーの作成手順

編集カレンダーの作成例

コンテンツマーケティングでは、定期的にコンテンツを発信する必要があるとお伝えしました。しかし実際には、ある週には多くのコンテンツを投稿し、他の週にはコンテンツを発信しないなど不定期なコンテンツ発信をする企業が多くあります。

計画的にコンテンツ発信をすれば、効果的に顧客を引き寄せられる、長期的にコンテンツを発信できるなどのメリットを得られるのです。計画的なコンテンツ発信に有効なツールが編集カレンダーとなります。

編集カレンダーとは、その名の通りコンテンツの作成者や公開ステータス、キーワードなどをまとめたカレンダーです。エクセルやGoogleスプレッドシートで作成できます。編集カレンダーは、あらゆるチャネルでのコンテンツ管理に活用できますが、SEO対策には欠かせません。

編集カレンダーは、主に以下の要素で構成されます。

  • ・コンテンツステータス(作成中や公開済みなど)
  • ・制作者名
  • ・トピック/カテゴリー
  • ・メインキーワード
  • ・構成案URL
  • ・ドキュメントURL
  • ・公開URL

上記要素はあくまでも例であり、必要に応じて要素の追加や削除をしてください。また、レギュレーションや入稿チェックリスト、スタイルガイドなどを同じエクセルやスプレッドシートにまとめておくと便利です。

初めのうちは少人数でコンテンツ運用をするのが一般的ですが、成果が出始めると、編集者や外部のライター、検品者、デザイナーなどが加わった大きなチームとなります。

チームが成長した際に、メンバー全員の足並みをそろえて、円滑な運用をするためにも、初めのうちから編集カレンダーを活用するようにしましょう。

継続的にコンテンツを作成するポイント

ミーティングの様子

コンテンツマーケティング担当者が抱える課題が、コンテンツ不足です。初めのうちは多くのコンテンツ案が浮かんだとしても、次第にコンテンツ不足に悩むことは珍しくありません。

コンテンツマーケティングは継続さえすれば、競合と差をつけられる施策のため、継続的にコンテンツ作成できる体制を整える必要があります。そこでここからは、継続的にコンテンツ作成をするポイントを解説します。

社内資産の活用

「コンテンツマーケティングを試したいが、コンテンツ案が思い浮かばない」と悩む方におすすめしたいのが、社内資産の見直しです。マーケティングのデジタル化が進んでいない企業でも、過去のセミナー資料や営業資料、パンフレットなどは豊富にあるでしょう。

営業資料やセミナー資料などは、自社ならではの独自情報を含んでおり、少し手を加えるだけで有益なコンテンツになる可能性を秘めています。コンテンツマーケティング実施の際やコンテンツ不足に悩んだら、一度社内資料を見直し、コンテンツに変えられる余地はないか検討してみましょう。

トピッククラスター

これからSEOに取り組む担当者におすすめしたいのが、トピッククラスター戦略です。トピッククラスターとは、複数のコンテンツを戦略的にまとめることで、コンテンツ全体のSEO評価を高める手法を意味します。

トピッククラスターは、以下3つの要素で構成されます。

  • ・ピラーページ:まとめページ
  • ・クラスターコンテンツ:個別ページ
  • ・内部リンク

簡単に説明すれば、ピラーページに複数のクラスターコンテンツを内部リンクで設置します。クラスターコンテンツは、SEO評価を高めるのに役立つほか、コンテンツ不足の解消も見込めます。

トピッククラスターでは、1つのトピックを深堀りします。例えば、コンテンツマーケティングについて書く場合、下記トピッククラスターを考えられるでしょう。

【ピラーページKW】
・コンテンツマーケティング

【クラスターコンテンツKW】
・コンテンツマーケティング メリット
・コンテンツマーケティング 種類
・コンテンツマーケティング 手順
・コンテンツマーケティング 事例

この例のように、トピッククラスターでは1つのテーマで4〜6記事ほど制作できます。4月はコンテンツマーケティング、5月はメールマーケティングがテーマのように、自社ビジネスと関連のある大まかなテーマさえ分かれば、キーワード調査やブレインストーミングなどで他のコンテンツ案を考えられます。

これからSEO対策に取り組む場合は、トピッククラスターの実施を検討してみてください。

1つのトピックで複数のコンテンツ作成

複数チャネルでコンテンツマーケティングを推進する場合は、1つのトピックで複数のコンテンツを制作するのがおすすめです。どういうことかというと、例えばコンテンツマーケティングをテーマに記事制作したとしましょう。作成した記事をベースに、YouTube動画やインフォグラフィック、SNS投稿なども作成するのです。

多くのコンテンツマーケティング担当者は、「ブログ記事の読者=SNSフォロワー」や「セミナー参加者はメールマガジンにも登録している」と考えます。しかし、実際はそうではありません。ブログ記事はチェックするものの、SNSはフォローしていない顧客がいれば、その逆もありえます。

だからこそ、複数チャネルで同じコンテンツを発信し、多くの潜在顧客にアプローチする必要があるのです。もちろん、発信するチャネルに応じて、コンテンツを少し編集する必要はあります。

他部門を巻き込んだ編集会議

他部門の社員や経営陣などへのインタビューも、コンテンツ不足の解消に有効な方法です。顧客と直接接点を持つ部署の協力を得ることで、顧客のリアルな悩みやニーズが判明し、有益なコンテンツ作成につなげられます。

可能ならば、経営陣やマネージャーなどにコラムや解説記事などを執筆してもらうようにしましょう。上の役職に時間がない、もしくは執筆が苦手な場合は、記事の監修をしてもらったり、メンバーが執筆記事を編集したりするのもいいでしょう。

コンテンツマーケティングはイメージで理解しよう

コンテンツマーケティングで成果を上げるためには、まずはその役割やチャネルの種類、SEOの基本などについて理解しなければいけません。

今回は、イメージ画像を用いながら解説したため、複雑なコンテンツマーケティングも容易に理解できたのではないでしょうか。コンテンツマーケティングについて理解したら、他部門の協力を得ながら、実践してみましょう。

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