コンテンツマーケティングの手法10選を解説! メリット・デメリットや成功事例も紹介
動画やSNSなど様々なコンテンツが日々生み出されるようになっている昨今、これらのコンテンツマーケティングを活用した様々な手法が存在しています。多くの企業がコンテンツマーケティングに取り組むなか、効率的に成果を得るためには、それぞれの手法の特徴を把握したうえで、適切な手法を選択し取り組む必要があるでしょう。
本記事では、現在におけるコンテンツマーケティングの主な手法10選と、それぞれのメリット・デメリットや成功事例を紹介します。本記事を参考に、コンテンツマーケティングの手法への理解を深め、成果アップにつなげましょう。
コンテンツマーケティングについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。
コンテンツマーケティングには様々な手法がある
コンテンツマーケティングとは、読者にとって価値のある情報を発信して行うマーケティング活動を指します。コンテンツマーケティングを行うことで得られる効果には、購買の促進や見込み客への育成・ファン化、ブランドイメージ向上など様々なものがあります。コンテンツマーケティングで得られる効果は多様であるため、現在では達成したい目的にあわせて様々なコンテンツマーケティングの手法が存在しています。コンテンツマーケティングで効率的に成果を得たいのであれば、目的に応じた適切な手法を選択する必要があるでしょう。
また、コンテンツマーケティングにおいて成果を得るためには、達成したい目的だけではなく、コンテンツの特徴やペルソナをふまえて手法を選択することが重要です。ここからは、現在のコンテンツマーケティングにおける主な手法10選について、特徴やメリット・デメリット、実際の成功事例を紹介します。各手法の特徴をおさえ、自社にあったコンテンツマーケティングの手法を取り入れてみてください。
▼コンテンツマーケティングについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
コンテンツマーケティング手法1:コンテンツSEO
コンテンツマーケティングにおける主な手法であるコンテンツSEOについて解説します。
コンテンツSEOとは
コンテンツSEOとは、SEO(検索エンジン最適化)を行うことで作成したコンテンツを検索エンジンでの検索結果の上位に表示させ、検索エンジン経由でユーザーの流入を図る手法です。コンテンツSEOで成果を得るためには、コンテンツ自体がユーザーにとって有益なものであることだけでなく、ユーザーの検索意図に沿ったコンテンツか、ユーザビリティに配慮したコンテンツかなどの要素も重要になります。
現在の主流な検索エンジンはGoogleですが、Googleは独自のアルゴリズムを用いて検索結果の上位に表示するコンテンツを決定しています。アルゴリズムの詳細は非公開であり、定期的にアップデートが行われるため、安定して検索結果の上位に表示されるコンテンツを作成するためには深い専門性が必要です。
コンテンツSEOのメリット
コンテンツマーケティングにおいてコンテンツSEOに取り組むメリットには、以下があげられます。
- ・コンテンツを作成すれば24時間宣伝ができる
- ・作成した記事は資産化できる
- ・商材販売だけでなく採用やブランディングなどにも活用できる
- ・内製できれば低コストで実施できる
コンテンツを作成し、インターネット上に公開すれば、24時間どこからでもアクセスができるようになります。一度しっかりとしたコンテンツを作成してしまえば、常に作業をし続けなくても集客ができる資産になる点はコンテンツSEOの大きなメリットでしょう。
また、公開するコンテンツ次第で、商材販売だけではなく採用やブランディングなど様々な目標達成ができる点も魅力です。実際に、コンテンツマーケティングにおいて採用やブランディングで成功している事例も多くあります。コンテンツSEOを実施するコストは、作業を内製できるかによって異なります。詳細はデメリットの項目で解説しますが、もし内製ができれば低コストでの実施も可能でしょう。
コンテンツSEOのデメリット
一方、コンテンツSEOのデメリットとしては以下があげられます。
- ・成果が得られるまで時間がかかる
- ・専門的なSEO知識が必要
- ・既存記事の定期的なリライトが必要
- ・外注する場合コストがかかりやすい
- ・検索エンジンのアルゴリズムに対応する必要がある
コンテンツを作成して公開したとしても、サイトの運用歴が浅い、まだコンテンツが少ないなどサイトの信頼性に欠けている状態では、検索結果での上位表示は難しくなります。コンテンツSEOに取り組む際は、ある程度の運用歴を重ねたり、コンテンツを充実させたりする期間が必要と考え、中長期的な視点を持つようにしましょう。
また、コンテンツSEOの肝はいかに適切なSEOを行えるかです。SEOには専門的な知識が求められ、アルゴリズムの定期的なアップデートにも対応する必要があります。どのようなコンテンツが評価されやすいのかを常にアップデートし、既存記事をリライトする難易度は高いと言えるでしょう。また、SEO以外にもサイト管理に必要なITスキル、コンテンツ作成に必要なライティングスキルなども求められます。これらの作業をツールや外注で対応することも選択肢としてありますが、少なくないコストがかかる点には注意が必要です。
コンテンツSEOの成功事例
いまや誰もが知っている料理レシピサイト「cookpad」を運営するクックパッド株式会社は、キーワードリサーチによってユーザーの検索意図を把握し、ニーズにあわせたコンテンツ作成を行っています。ユーザーがどのように情報を探し、目的の情報にたどりつくのかをじっくりと研究し、それにあわせたキーワード選定を行っています。クックパッド開発者ブログにて、実践したSEOの内容が紹介されていますので、参考にしてみると良いでしょう。
また、株式会社ベネフィット・ワンが運営しているオウンドメディア「ボーグル」もコンテンツSEOの成功事例です。ボーグルでは、働き方改革や健康経営、福利厚生など現在の企業が抱える課題をわかりやすく解説されています。ユーザーにわかりやすいコンテンツを意識した結果、広告運用よりも低コストかつ高いコンバージョンを獲得するに至っています。
参考:
【cookpad】https://cookpad.com/
【ボーグル】https://bowgl.com/
コンテンツマーケティング手法2:SNS運用
コンテンツマーケティングにおける主な手法であるSNS運用について解説します。
SNS運用とは
SNS運用とは、InstagramやTwitterなどのSNS上で情報発信を行い、SNS経由でユーザー流入を図る手法です。SNS運用は、コンテンツSEOと同様に商材販売だけでなく採用やブランディングなど幅広い用途に利用できます。
しかし、例えばTwitterであれば20代~30代、TikTokであれば10代~20代とSNSによってどの年齢層のユーザーが多いかは異なります。そのため、ペルソナによってどのSNSを選択するかが重要になると言えるでしょう。また、SNSはリアルタイム性が高く、拡散力が高い一方、マイナスの情報が一気に拡散される“炎上”には注意が必要です。
SNS運用のメリット
コンテンツマーケティングにおいてSNS運用に取り組むメリットには以下があげられます。
- ・ユーザー同士での拡散に期待できる
- ・ユーザーとの関係性を構築しやすい
- ・見込み顧客獲得につながりやすい
- ・商材販売だけでなく採用やブランディングなどにも活用できる
SNSはリアルタイム性が高く、コンテンツを有益な情報だと感じたユーザーによる拡散にも期待ができます。SNS運用では、一気に多くのユーザーに情報がシェア・拡散される「バズる」と呼ばれる事象が起きやすい点が特徴です。コンテンツSEOは成果を得るまでに一定の期間が必要なのに対し、SNS運用では短期間の間に知名度をあげ、大きな成果を獲得することも可能でしょう。
また、SNSを利用しているユーザーは特定の用途ごとにアカウントを使い分けている場合が多くあります。広告運用よりもユーザーが求める情報を届けやすく、ペルソナにアプローチがしやすい分、見込み顧客獲得につなげやすい点もメリットと言えます。
また、後述するコンテンツマーケティングの手法であるインフルエンサー起用と相性がいいことが特徴です。SNS上では、様々な分野において、それぞれインフルエンサーと呼ばれる影響力を持った人物がいます。SNS運用とインフルエンサー起用を上手く活用できれば、ペルソナに対して非常に効果的なアプローチを行えるでしょう。
SNS運用のデメリット
一方、SNS運用のデメリットとしては以下があげられます。
- ・SNSでの“炎上”リスクがある
- ・拡散スピードが早くマイナスな情報が広まるリスクがある
- ・ユーザーが誤った情報を拡散するリスクがある
- ・ペルソナにあわせたSNS選定が必要
SNSでは、良質な情報が一気に拡散され知名度があがることに期待できる一方、悪い情報が一気に拡散され批判が集まるリスクがある点には注意が必要です。近年では、ふとしたことからSNSでの炎上が発生し、一気に企業の悪評が広まることも少なくありません。SNSはリアルタイム性が高いため、一度発信した情報はなかなか訂正しにくいものです。SNS上で発信する情報に誤りがないか細心の注意を払う必要があるでしょう。
また、例え発信した情報に誤りがなかったとしても、ユーザーが情報を誤解し、誤った情報を拡散するリスクがあります。特に昨今ではLGBTやポリコレなどセンシティブな内容において炎上する事例が多数発生しています。情報を発信する側と受け取る側では認識に差がうまれることを理解し、誤解がうまれにくい表現を使って発信するよう意識する必要があるでしょう。
SNS運用の成功事例
株式会社ドミノ・ピザ ジャパンでは、TwitterやFacebookなどのSNSを活用してマーケティング活動を行っています。ピザの画像・動画を発信して視覚的にピザの美味しさを伝えているほか、夕食時に「ご飯作りたくない時だってそりゃあるさ。人間だもの。」などのテキストを添えてユーザーの共感を集めています。SNS運用においては、ただ情報だけを発信するのではなく、いかにユーザーの感情に寄り添い、共感を集められるかが重要でしょう。
ライオン株式会社では、SNS上で自社製品に関するお役立ち情報を発信しています。例えば洗濯表示の意味や洗濯表示ごとのおすすめの洗剤情報などです。お役立ち情報は視覚的にわかりやすいよう簡潔に画像化されています。SNSを利用するユーザーは、日々多くの情報にふれているため、情報がパッと伝わるような工夫が重要になります。
参考:
【ドミノ・ピザ 公式Twitter】https://twitter.com/dominos_JP
【ライオン「Lidea」 公式Twitter】https://twitter.com/lidea_lion
コンテンツマーケティング手法3:メールマガジン・LINEマガジン
コンテンツマーケティングにおける主な手法であるメールマガジン・LINEマガジンについて解説します。
メールマガジン・LINEマガジンとは
メールマガジン・LINEマガジンとは、ユーザーに対してメールマガジン・LINEマガジンへの登録を促し、登録してくれたユーザーに対してコンテンツを発信する手法です。事前にメールマガジン・LINEマガジンに登録してもらうというステップが必要になるため、ユーザー獲得のハードルは高めになりますが、登録してくれたユーザーは見込み顧客になりやすいという特徴があります。以前はメールマガジンが主流でしたが、LINEが普及した現在ではLINEマガジンを行う企業が増えています。
メールマガジン・LINEマガジンのメリット
コンテンツマーケティングにおいてメールマガジン・LINEマガジンに取り組むメリットには以下があげられます。
- ・多くの見込み顧客に同時送信できる
- ・長文でも読んでもらえる可能性が高い
- ・高額商品の成約にもつながりやすい
- ・送信したコンテンツの開封率が高い
- ・ユーザーと親密な関係を築ける
メールマガジン・LINEマガジンでは、登録しているユーザーに対してコンテンツを同時送信できます。事前にメールマガジン・LINEマガジンに登録してくれているユーザーに対してコンテンツを送信するため、開封率が高いことに加え、長文でも読んでもらえる可能性が高い、高額商品の成約につながりやすい点は大きなメリットと言えるでしょう。
メールマガジン・LINEマガジンは不特定多数に情報発信を行うコンテンツSEOやSNS運用などに比べて、情報発信を行うユーザー数は限られています。その分、一人ひとりのユーザーに寄り添いやすく、ユーザーと親密な関係を築きやすい手法と言えるでしょう。ユーザーの悩みを解決できる提案を行えれば、コンバージョン率は高くなり、ユーザーからの信頼度も向上します。
メールマガジン・LINEマガジンのデメリット
一方、メールマガジン・LINEマガジンのデメリットとしては以下があげられます。
- ・個人情報の収集やオプトインに配慮が必要
- ・発信内容や発信時間に配慮が必要
- ・事前に見込み顧客の獲得が必要
- ・メールマガジンの場合、配信方法の検討が必要
メールマガジン・LINEマガジンでは、ユーザーに事前登録してもらう際、氏名や住所、メールアドレスなどを収集する場合があります。個人情報を取り扱うことになるため、情報漏洩が発生しないよう注意が必要です。また、メールマガジンを行う際は、特定電子メール法により承諾を得ていない受信者へのメール送信は原則として違法になります。登録を解除したユーザーにメール送信をし続けないよう、ユーザーのメール受信に関する意思表示に基づいたオプトイン・オプトアウトの配慮が必要です。
また、事前に見込み顧客の獲得が必要になる分、成果が得られるまでには時間がかかります。見込み顧客としてユーザーが登録してくれた後も、発信内容や発信時間が適切かどうかへの配慮も必要になるでしょう。メールマガジン・LINEマガジンに取り組む際は、どのようにユーザーから信頼を集め、どのタイミングで営業活動に入るかといった戦略設計が重要になります。メールマガジンを行う場合は、メール配信システムの導入検討も必要になる場合があります。
メールマガジン・LINEマガジンの成功事例
サッポロビール株式会社は1997年と早い時期からメールマガジンに取り組んでおり、ビールを中心としたお酒の情報を発信しています。サッポロビールの取り組みの特徴は、住んでいる地域などの会員情報によって発信内容を切り替えている点です。テンプレート化された内容ではなく、各会員に最適化された情報が発信されているため、会員は自分のために発信された情報だと感じやすく、会員からの信頼を集めやすい取り組みとなっています。
サントリーホールディングス株式会社では、公式LINEアカウントで自社製品に関する情報やお得なクーポンなどを発信する取り組みを行っています。ここまでは多くの企業でも実施している内容ですが、サントリーではゲームやクイズ、メールマガジンの購読でサントリーポイントというポイントを貯めることができ、貯めたポイントで限定キャンペーンへの応募ができます。ユーザーを飽きさせない、お得感を感じさせる取り組みがサントリーの取り組みの特徴と言えるでしょう。
参考:
【サッポロビール-よくあるご質問-どんなメールマガジンがありますか?】https://www.sapporobeer.jp/support/customer/faq/0000000255/
【サントリー 公式Twitter】
https://twitter.com/suntory
コンテンツマーケティング手法4:ホワイトペーパー
コンテンツマーケティングにおける主な手法であるホワイトペーパーについて解説します。
ホワイトペーパーとは
ホワイトペーパーとは、企業が抱えている課題や課題が発生している理由、課題を解決するためのソリューションをまとめ、自社製品の導入提案を行うためのコンテンツです。ホワイトペーパーの配布方法としては、コンテンツを作成、自社のWebサイト内に掲載し、ダウンロードできるようにしておくことが一般的です。ホワイトペーパーのダウンロード時にユーザー情報を入力してもらう仕組みにしている企業が多く、配布と同時に顧客リストの作成ができる点も特徴と言えます。
ホワイトペーパーのメリット
コンテンツマーケティングにおいてホワイトペーパーに取り組むメリットには以下があげられます。
- ・リードの獲得、育成につながる
- ・ユーザー情報の収集、ニーズ把握がしやすい
- ・セミナー、ウェビナーと親和性が高い
- ・様々なジャンルで利用できる
ホワイトペーパーをダウンロードする顧客は、既に悩みが顕在化しており、痛みを感じている状態のため、見込み顧客となる可能性が高くなります。そこからホワイトペーパーを利用して見込み顧客への育成につなげることができれば、コンバージョン率も高くなるでしょう。ダウンロードに入力してもらった情報をもとに顧客リストを作成すれば、確度の高い見込み顧客リストができあがります。
ホワイトペーパーと相性が良いマーケティング手法は、後述するセミナー・ウェビナー開催です。ホワイトペーパーはポイントをまとめて、長くなりすぎないページ・文章量で自社製品を紹介しますが、必ずしも各企業の悩みに最適化されているわけではなく、各企業の疑問点を解消しきれない場合があります。その場合でも、顧客リストをもとにセミナー・ウェビナーを開催すれば、自社製品を細かく紹介できるとともに各企業の疑問点を解消でき、コンバージョンにつなげやすくなるでしょう。
ホワイトペーパーのデメリット
一方、ホワイトペーパーのデメリットとしては以下があげられます。
- ・ペルソナは主に顕在顧客になる
- ・定期的な情報の見直しが必要
- ・誤情報による影響が大きい
- ・作成を外注する場合コストがかかる
ホワイトペーパーのペルソナは、主に悩みが顕在化している顧客になります。潜在顧客を引き込むためには、コンテンツSEOなどの取り組みも必要になる点には留意しましょう。各企業の顧客はホワイトペーパーをダウンロードし、ホワイトペーパーに記載された情報をもとに問い合わせや見積もり依頼などを行います。一度ホワイトペーパーをダウンロードされると後から情報の訂正が難しくなるため、古い情報・誤情報によって顧客からの信頼を失わないよう注意が必要です。
また、効果的なホワイトペーパーを作成するためには、論理的な課題解決とともに適切な導線設計が重要になります。コンサルタント会社などにホワイトペーパーの作成を外注することもできますが、少なくないコストがかかる点には注意しましょう。
ホワイトペーパーの成功事例
日本ナショナルインスツルメンツ株式会社では、製品のマニュアルや認定資格のトレーニング資料、業界動向をまとめた資料、ユーザー事例集などをホワイトペーパーとして配布しています。多くの企業にとって、実際に製品を活用しているユーザー事例一覧は魅力的な資料です。ユーザー事例集のように、企業にとって魅力的な資料を配布すれば、ダウンロード数アップにつなげられるでしょう。
株式会社マックスプロデュースは、自社製品ではなくイベント制作やプロデュースを提供している企業のため、ホワイトペーパーでは実際のイベントのレイアウトサンプルや見積もり費用をホワイトペーパーにしています。サービスを利用するうえで、どのくらいのコストがかかるのかは多くの企業が気になるポイントです。サービスの規模ごとに費用例をまとめておけば、顧客も問い合わせがしやすく、リード獲得につなげやすくなるでしょう。
参考:
【日本ナショナルインスツルメンツ 公式サイト】https://www.ni.com/ja-jp.html
【株式会社マックスプロデュース 公式サイト】https://max-produce.com/
コンテンツマーケティング手法5:動画コンテンツ配信
コンテンツマーケティングにおける主な手法である動画コンテンツ配信について解説します。
動画コンテンツ配信とは
動画コンテンツ配信とは、商材の宣伝や関連するお役立ち情報などを動画でまとめて配信するマーケティング手法です。動画はテキストや画像と比べ、視覚的にも聴覚的にも多くの情報を伝えられるため、ユーザーへの情報伝達がしやすいという特徴があります。TwitterやInstagramなどのSNSとも相性が良い点も特徴と言えるでしょう。
動画の配信場所としては、自社サイトや動画配信プラットフォームなどがあります。Youtubeなど大手の動画配信プラットフォームを利用すれば、多くのユーザーの目につきやすくはなりますが、同時に他のコンテンツに埋もれてしまう可能性も高くなります。動画配信プラットフォームで配信を行う場合は、どのように他のコンテンツと差別化を図るかが重要です。
動画コンテンツ配信のメリット
コンテンツマーケティングにおいて動画コンテンツ配信に取り組むメリットには以下があげられます。
- ・映像で情報を伝えられるため、テキストや画像よりも伝達効果が高い
- ・ユーザー同士での拡散に期待できる
- ・作成した動画コンテンツは資産化できる
- ・SNSとも親和性が高い
動画コンテンツは映像で情報伝達ができるため、テキストや画像よりも伝達効果が高い点がメリットです。テキストや画像では、伝えたい内容が被っていると、どうしても他のコンテンツと内容が似通ってしまいがちですが、動画コンテンツであれば独自性も出しやすくなります。また、作成した動画コンテンツは資産として蓄積できるため、コンテンツを積み重ねるほど相乗的に視聴数を上げられるという点もメリットです。
作成したコンテンツが話題になれば、ユーザー同士での拡散にも期待できるでしょう。特にSNS上で動画コンテンツを投稿すれば、SNSのリアルタイム性とも相まって一気に知名度が上がる可能性もあります。ただし、動画配信プラットフォームとSNS上とでは、好まれる動画のタイプに違いがある場合が多いため、それぞれに適した動画コンテンツを投稿することが重要です。
動画コンテンツ配信のデメリット
一方、動画コンテンツ配信のデメリットとしては以下があげられます。
- ・動画制作のためのコストがかかる
- ・著作権への配慮が必要
- ・無断で動画コンテンツを流用・悪用されるリスクがある
- ・公開できるコンテンツ内容がプラットフォームに依存する
動画コンテンツを制作するためには、元となる映像の撮影が必要になることに加え、編集やエンコードなどにも金銭的・時間的コストがかかります。また、動画コンテンツの品質にこだわるのであれば、それぞれの作業における専門知識も必要になるでしょう。動画1本作るのにも多くの時間がかかるため、少なくないコストがかかる点は認識しておきましょう。
また、動画内で利用するBGMや情報引用など、著作権には配慮しましょう。著作権を侵害するコンテンツは公開停止になるだけでなく、ユーザーからの信頼を損ねることになります。逆に作った動画コンテンツを無断で流用・悪用されるリスクがうまれる点には注意が必要です。無断での流用・悪用に対し、適切な対応をとれる体制を整えておきましょう。
例え著作権に配慮した動画コンテンツを制作していたとしても、プラットフォームによってはコンテンツのジャンルや内容によって公開停止になる場合があります。動画配信プラットフォームを利用する場合には、利用規約などをよく確認し、規約違反となる動画コンテンツとならないよう注意しましょう。
動画コンテンツ配信の成功事例
KDDI株式会社が配信しているauのCMは多くの方がご覧になったことがあるでしょう。桃太郎・浦島太郎・金太郎などの昔話の登場人物がauのサービスを紹介しています。身近な物語の主人公が独特な世界観で描かれているため、auのサービスに興味がなかったという人でも思わず見入ってしまうコンテンツになっています。
また、株式会社ベルクが配信した採用PRの動画コンテンツも有名です。就職活動に悩む女性が働く意味を考えるストーリー調のコンテンツで、2分という短い時間ながら多くの感情を沸き立たせる作品になっています。動画コンテンツはテキストや画像と比べ、ストーリーをわかりやすく伝えられる点にメリットがあります。ユーザーを引き込むようなストーリーを交えたコンテンツを制作できれば、視聴数アップにつなげやすくなるでしょう。
参考:
【YouTube-TVCM | au「進め!そっちだ!」篇】https://www.youtube.com/watch?v=xqRPewie5zk
【YouTube-株式会社ベルク 採用動画】https://www.youtube.com/watch?v=2qT9-VNM2zk
コンテンツマーケティング手法6:セミナー・ウェビナー開催
コンテンツマーケティングにおける主な手法であるセミナー・ウェビナー開催について解説します。
セミナー・ウェビナー開催とは
セミナーは、特定のテーマについて興味関心のある人が集まり、情報共有を行う場です。多くは主催となった企業が参加者に対して情報の共有や手法のレクチャーなどを行います。セミナーはBtoB、BtoC向けともに多く開催されており、近年ではオフラインの会場ではなく、ZoomやCisco WebexなどのWeb会議ツールを利用したオンラインでのウェビナーを行う企業も増えています。
セミナー・ウェビナー開催のメリット
コンテンツマーケティングにおいてセミナー・ウェビナー開催に取り組むメリットには以下があげられます。
- ・成果につながりやすい
- ・参加者との関係性構築や情報収集ができる
- ・ウェビナーであれば低コストで開催可能
- ・セミナー動画は動画コンテンツ配信にも活用できる
セミナー・ウェビナーの参加者は、特定のテーマに対し興味や悩みを持っている場合が多いため、マーケティングの成果につながりやすい点がメリットです。また、参加者と関係性の構築や情報収集ができるため、長期的な関係性を築きつつニーズを汲み取りやすい点もメリットと言えるでしょう。
オフラインのセミナー開催の場合、会場の確保や会場へのアクセスなどのコストがかかりますが、ウェビナーであればウェビナーを開催するツールのライセンス料のみで開催できます。また、Web会議ツールには録画機能が備わっているものが大半なため、ウェビナーの様子を録画可能です。録画したコンテンツを動画コンテンツ配信にすれば、より大きなマーケティング効果を得られるでしょう。
セミナー・ウェビナー開催のデメリット
一方、セミナー・ウェビナー開催のデメリットとしては以下があげられます。
- ・セミナーの場合、開催会場の確保や運営などの手間がかかる
- ・ウェビナーの場合、参加者が勝手に発言できないようにするなどの管理が必要
- ・ウェビナーの場合、参加者の通信環境への配慮が必要
- ・集客方法を確立していないと参加者を集めにくい
オフラインでセミナーを開催する場合は開催会場の確保や運営などの手間がかかります。ウェビナーでの開催であっても、参加者が勝手に発言できないよう管理するなどの手間がかかる点は認識しておきましょう。また、ウェビナーの場合は参加者の通信環境への配慮も必要です。通信環境の悪い参加者にも最低限のコンテンツを届けられるよう、ケースバイケースで準備を整えておくと良いでしょう。
セミナー・ウェビナーの開催は、集客方法を確立していないと参加者を集めにくい点にも注意が必要です。既に知名度が高く集客ができる状況であれば問題ありませんが、Webマーケティングを始めたばかりのフェーズでは集客できる場が限られていることもあるでしょう。集客方法が確立できていない段階では、Web・SNS広告などを活用して露出を増やすことも検討すると良いでしょう。
セミナー・ウェビナー開催の成功事例
株式会社マイナビは、セミナー・ウェビナーを様々な規模で開催しています。オフラインのセミナーでは、各地のアクセスが良い会場を利用して、当日の様子をコンテンツとして録画しています。オフラインのセミナー開催においては、会場のアクセスの良さも集客に影響する大きなポイントでしょう。
ウェビナーの開催においては、講演者の表情やジェスチャー、資料を同時に1つの画面上にまとめ、ユーザーの帯域に負担をかけないよう配慮しています。また、参加者へのアンケートやチャットなどの機能を活用して、リアルタイムに情報を取得・分析できる仕組みを取り入れています。多くの参加者がいるウェビナーでは、参加者の反応をリアルタイムで確認しにくいというデメリットがあるため、それを解決する仕組み作りが重要です。
参考:
【マイナビ2023-WEBセミナー】https://job.mynavi.jp/conts/2023/tv/
コンテンツマーケティング手法7:診断・シミュレーション
コンテンツマーケティングにおける主な手法である診断・シミュレーションについて解説します。
診断・シミュレーションとは
診断・シミュレーションとは、ユーザーが入力した情報にあわせて最適なサービスを紹介したり、サービスを利用する際の見積もり金額を表示したりするコンテンツを公開する手法です。例えば、結婚相談所のサイトでユーザーに最適な結婚相手のタイプを診断する、不動産のサイトで住宅購入時の月々の支払い金額をシミュレーションするなどがあげられます。
費用が高額な商材ほど、ユーザーは購入時に慎重になります。診断・シミュレーションコンテンツで実際に購入した際のイメージがわけば、ユーザーはより具体的な購入意識を持って検討をしてくれるでしょう。
診断・シミュレーションのメリット
コンテンツマーケティングにおいて診断・シミュレーションに取り組むメリットには以下があげられます。
- ・ユーザーが気軽に利用しやすい
- ・ユーザー情報の収集ができる
- ・ユーザーに購入時の具体的なイメージを持ってもらえる
- ・高額な商材でも成果につながりやすくなる
- ・ユーザーの行動を追いやすい
診断・シミュレーションの大きなメリットは、ユーザーが気軽に利用しやすい点です。診断・シミュレーションのコンテンツは基本的に利用が無料なため、ユーザーが利用する際の心理的ハードルは低くなります。診断・シミュレーション実施時にユーザーの情報を入力してもらえば、ユーザー情報の収集ができ、顧客リストの作成に役立ちます。
また、診断・シミュレーションをしてもらうことで、ユーザーに購入時の具体的なイメージを持ってもらえます。結果として、高額な商材であっても、診断・シミュレーションコンテンツがあれば、ない場合と比べて成果につながりやすくなるでしょう。また、診断・シミュレーションコンテンツでのユーザーの行動データを分析すれば、購買意欲やどこで離脱したのかなどを追いやすい点もメリットです。
診断・シミュレーションのデメリット
一方、診断・シミュレーションのデメリットとしては以下があげられます。
- ・コンテンツ制作にコストがかかる
- ・ユーザーの行動データをもとに定期的なコンテンツ見直しが必要
- ・個人情報の配慮が必要
診断・シミュレーションのコンテンツ制作には、金銭的・時間的コストがかかることに加え、診断・シミュレーション時のもととなるデータの準備が必要になります。もととなるデータの準備ができるまでに時間がかかる場合もあるため、一朝一夕でコンテンツ制作ができない点はデメリットと言えるでしょう。
また、技術・サービスの進歩が目まぐるしい昨今では、ユーザーの行動傾向の変化スピードも早くなっています。適切な情報を届けるためには、ユーザーの行動データをもとに定期的なコンテンツ見直しが必要です。データの収集においては、個人情報への配慮が必要な点も認識しておきましょう。
診断・シミュレーションの成功事例
株式会社オーネットでは、結婚チャンステストという診断コンテンツを展開しています。結婚チャンステストでは、年齢や結婚への願望度合い、年収などの情報を入力すると、その条件でマッチングする相手にはどのような人がいるのかが表示されます。住所や連絡先などの情報を入力する必要はありますが、結婚相談所に出向くよりも利用の心理的ハードルは低くなるでしょう。
株式会社オープンハウスでは、購入可能な住宅の金額をシミュレーションするコンテンツを公開しています。年収や月々の支払額、現在の家賃など様々な情報をもとにシミュレーション可能で、シミュレーション自体にはユーザー情報の入力は必要ありません。シミュレーションした結果から、該当する物件情報を検索できるよう導線設計されており、ユーザーが具体的な購入意識を持ちやすいコンテンツになっています。
参考:
【結婚チャンステスト】https://onet.co.jp/marriage_test/
【オープンハウス-年収から購入可能額を計算する】https://oh.openhouse-group.com/contents/simulation/nensyu/
コンテンツマーケティング手法8:コミュニティ・フォーラム
コンテンツマーケティングにおける主な手法であるコミュニティ・フォーラムについて解説します。
コミュニティ・フォーラムとは
コミュニティ・フォーラムとは、商品やサービスについて、ユーザーが直接質問をしたり、ユーザー同士で意見交換を行えたりする場を提供する手法です。コミュニティ・フォーラムを構築すると、ユーザーが普段どのような感想や疑問点を持っているのかがわかりやすくなります。また、ユーザーがコミュニティに対する所属感や愛着感を得られるようになるため、他のユーザーに対して商品やサービスの宣伝をするなど、自発的な行動がうまれやすい点も特徴と言えます。
コミュニティ・フォーラムのメリット
コンテンツマーケティングにおいてコミュニティ・フォーラムに取り組むメリットには以下があげられます。
- ・購買意欲の高い層にアプローチしやすい
- ・ユーザー同士でコミュニケーションがとれる
- ・ユーザー間での問題解決ができる
- ・顧客満足度が向上しやすい
コミュニティ・フォーラムに参加するユーザーはもともと商品やサービスに対して関心がある状態のため、購買意欲の高い場合が多いでしょう。ユーザー同士の交流や問題解決を通して、購買にあたって抱えている不安や疑問を解消できれば、成果につなげやすくなります。
また、コミュニティ・フォーラム内に投稿されたユーザーのフィードバック結果をもとに、商品やサービスの改善を行えば、その分顧客満足度が向上しやすくなります。また、コミュニティ・フォーラム内のユーザー層を分析すれば、新しい顧客層へのアプローチや新しい商品やサービスの開発の参考にできるでしょう。
コミュニティ・フォーラムのデメリット
一方、コミュニティ・フォーラムのデメリットとしては以下があげられます。
- ・コミュニティ・フォーラムの構築にコストがかかる
- ・ユーザー獲得までに時間がかかる
- ・ユーザー間でのトラブルが発生するリスクがある
- ・悪質なユーザーへの対処が必要になる
コミュニティ・フォーラムの構築には、Web制作関連の専門的な知識が必要になります。プラットフォームを提供しているサービスを利用する方法であれば、専門的な知識なしでも構築しやすくなりますが、プラットフォームによってできることに制限がある点には注意が必要です。外注する場合にも、少なくないコストがかかる点に留意しておきましょう。
コミュニティ・フォーラムを構築しても、一定数のユーザーが参加するようになるまでは大きな効果は得られないでしょう。コミュニティ・フォーラムに取り組む場合、中長期的な目線で運用することが重要です。
コミュニティ・フォーラムに一定の参加者が集まり、ユーザー同士の交流が行われるようになっても、ユーザー間でトラブルが発生するリスクがあります。また、荒らしなどの悪質なユーザーへの対処が必要になる場合もあります。コミュニティ・フォーラムにおいては、構築における初期コストだけでなく、運用管理におけるコストにも注意が必要です。
コミュニティ・フォーラムの成功事例
Amazon Web Services, Inc.が提供しているAWS(Amazon Web Service)では、ユーザー間でノウハウの共有が行えるようコミュニティが用意されています。AWSでは様々なサービスが提供されており、サービスの組み合わせによって様々なシステムの構築ができます。ユーザー間でノウハウを共有しあう場があることで、新しいニーズがうまれ、さらに盛んな意見交換が行われるという良いループにつながっています。
小柄な女性のためのアパレルブランドであるCOHINAでは、ブランド立ち上げから行ってきたInstagramでのライブを通し、ペルソナである小柄な女性を中心にファンコミュニティがうまれました。ファンからのフィードバックを商品に活かすことで、顧客満足度の向上につながり、アパレル業界内でも高いリピート率を誇る企業となっています。
参考:
【Amazon Web Service デペロッパーセンター-コミュニティ】https://aws.amazon.com/jp/developer/community/?cards.sort-by=item.additionalFields.publishedDate&cards.sort-order=desc
【COHINA 公式Instagram】https://www.instagram.com/cohina.official/?hl=ja
コンテンツマーケティング手法9:書籍・電子書籍出版
コンテンツマーケティングにおける主な手法である書籍・電子書籍出版について解説します。
書籍・電子書籍出版とは
書籍・電子書籍出版は、紙の書籍や電子書籍を通じて顧客にとって有益な情報を発信し、商材販売や知名度の向上につなげる手法です。書籍の出版は古くから行われてきたマーケティング手法の一つですが、近年ではKindleなどの電子書籍での出版も増えています。電子書籍での出版は、紙の書籍での出版によるデメリットを少なくできる一方、電子書籍に慣れていないユーザーの獲得が難しいという特徴があります。
書籍・電子書籍出版のメリット
コンテンツマーケティングにおいて書籍・電子書籍出版に取り組むメリットには以下があげられます。
- ・購買意欲の高い層にアプローチしやすい
- ・ユーザーの信頼度を高めることができる
- ・専門性の高い情報でも読まれやすい
- ・長期的に読者を獲得できる
- ・電子書籍であれば低コストでの出版が可能
書籍・電子書籍はもともとその分野について興味のあるユーザーが購入することが多く、購買意欲の高い層にアプローチしやすい点がメリットです。また、書籍・電子書籍には、しっかりとした情報源をもとにした権威性の高いものというイメージがわきやすいため、ユーザーの信頼度を高められる点もメリットと言えるでしょう。
また、書籍・電子書籍では、ユーザーが興味を持っていることが前提にあるため、専門性の高い情報でも読まれやすい点も特徴です。一度出版すれば、長期的に読者を獲得でき、安定してユーザーへのアプローチを行えるでしょう。
従来の書籍出版では、出版社や印刷会社、販売書店などとの連携が必要であり、出版には多額の費用が必要でした。しかし、電子書籍であれば低コストでの出版も可能であり、デメリットが少なくなっています。
書籍・電子書籍出版のデメリット
一方、書籍・電子書籍出版のデメリットとしては以下があげられます。
- ・書籍出版にはコストがかかる
- ・情報の更新、修正が難しい
- ・アプローチできる層が限定的
前述した通り、紙の書籍を出版するには多額の費用が必要になります。また、紙の書籍と電子書籍いずれにおいても構成の検討や執筆、校正など時間的なコストがかかります。一度出版してしまうと情報の更新、修正が難しいため、時間的なコストがかかっても入念にチェックを行うようにしましょう。誤った情報を発信してしまうと、ユーザーからの信頼を損ねることになります。
書籍・電子書籍での出版はコンテンツSEOやSNS運用などに比べて、アプローチできる層は限定的です。電子書籍はWeb上で閲覧できるため、紙の書籍に比べれば多くのユーザー層にアプローチしやすいですが、ユーザーの興味付けを行うためにはタイトルや宣伝方法などで工夫をこらす必要があるでしょう。
書籍・電子書籍出版の成功事例
人材会社Aは、創業間もない会社であり、企業としての認知度や営業面、採用面の課題を解決するために書籍の出版を行いました。企業のビジネスとしての施策や取り組みを1冊にまとめた書籍はネット書店内で1位を獲得し、プロモーションをあわせて行うことで抱えていた課題の解消につながっています。
不動産投資会社Bでは、書籍出版をセミナーの集客に活用しています。顕在顧客のみでなく、潜在顧客にもアプローチしたいと考えたB社は、自社のサービスや事例を新しい切り口で書籍にまとめ、出版しました。書籍の出版以降、長い期間書籍からの新規顧客を獲得しています。書籍・電子書籍の出版には金銭的にも時間的にもコストがかかるものの、出版してしまえば長期的な効果を期待できるでしょう。
コンテンツマーケティング手法10:インフルエンサー起用
コンテンツマーケティングにおける主な手法であるインフルエンサー起用について解説します。
インフルエンサー起用とは
インフルエンサーとは、特定の分野において影響力のあるインフルエンサーと呼ばれる人物に依頼を行い、自社の商品やサービスの宣伝を行う手法です。自社がペルソナとしている層から支持されているインフルエンサーを起用すれば、ペルソナに対して大きな宣伝効果を得られます。
従来のWeb広告よりもターゲット層への宣伝効果が高く、今では多くの企業がインフルエンサー起用を行っています。多くのインフルエンサーはSNSを中心に情報発信を行っているため、SNS運用とも相性が良いのが特徴です。
インフルエンサー起用のメリット
コンテンツマーケティングにおいてインフルエンサー起用に取り組むメリットには以下があげられます。
- ・ペルソナに対して効果的なアプローチができる
- ・新しい顧客層へのアプローチが容易
- ・ブランドイメージ向上につながる
- ・消費者目線での宣伝ができる
- ・SNS運用と親和性が高い
ペルソナとなっている顧客層からフォローを集めているインフルエンサーを起用し、自社の宣伝を依頼すれば、ペルソナに対して有効なアプローチができます。また、新しい顧客層に対してアプローチを行いたいという場合も、その顧客層からフォローされているインフルエンサーに依頼すれば、アプローチが容易です。また、インフルエンサーは複数の分野において影響力を持っている場合もあるため、意図せぬ層の顧客がインフルエンサー経由で自社の商品やサービスを知り、ファンになる可能性にも期待できるでしょう。
インフルエンサーを起用して宣伝を行えば、商材の販売だけではなくブランドイメージの向上にもつながります。インフルエンサーは依頼に基づいて宣伝を行いますが、消費者目線に立った言葉で商材の魅力をアピールしてくれます。消費者目線で宣伝が行える点もインフルエンサー起用のメリットでしょう。インフルエンサーは主にSNSを媒体に発信を行っているため、SNS運用との親和性も高くなります。
インフルエンサー起用のデメリット
一方、インフルエンサー起用のデメリットとしては以下があげられます。
- ・ペルソナにあわせて適切なインフルエンサー選定が必要
- ・インフルエンサー起用にコストがかかる
- ・インフルエンサーの不祥事でマイナスイメージにつながるリスクがある
インフルエンサーにはそれぞれ支持している顧客層があるため、ペルソナから外れたインフルエンサーを起用しても意図した効果を得られないことが多くなります。インフルエンサー起用を行う場合は、ペルソナにあわせた適切なインフルエンサーを選定しましょう。インフルエンサーによって起用にかかるコストは異なるため、コストもふまえたインフルエンサーが重要です。
また、インフルエンサーを選定するうえで重視すべきポイントは、インフルエンサーが不祥事を起こさない人物かどうかです。近年では、インフルエンサーの不用意な言動によって、そのインフルエンサーを起用している企業のイメージが下がる問題が多く発生しています。インフルエンサーは影響力が強い分、不祥事を起こすとマイナスのイメージも急速に拡散されてしまいます。インフルエンサーを起用する際は、影響力だけで決めるのではなく、過去の言動までよくチェックして選定するようにしましょう。
インフルエンサー起用の成功事例
株式会社おやつカンパニーでは、「BODY STAR」という高タンパクの大豆スナックの宣言にフィットネスモデルである宮河マヤさんを起用していました。宮河マヤさんはInstagramで筋トレやダイエットに関心を持つフォロワーを多数持っています。商品のペルソナに合致したフォロワーを持つ宮河マヤさんを起用することで、商品の認知拡大につながった成功事例です。
コカ・コーラボトラーズジャパン株式会社では、新型コロナウイルス禍におけるリフレッシュとして「 #おうちでリフレッシュ」というハッシュタグを付けてダンス動画を投稿するハッシュタグチャレンジを開催しました。このイベントで複数の人気TikTokerを起用し、チャレンジの活性化を行っています。インフルエンサーを起用した結果、チャレンジがさらに盛り上がり、企業のブランドイメージを上げることにも成功しています。
参考:
【BODY STAR ブランドサイト】https://www.oyatsu.co.jp/product/bodystar/
【コカコーラ-おうちでリフレッシュ】https://c.cocacola.co.jp/app/refreshjapan/
コンテンツマーケティングの効果を最大化するポイント
ここまで紹介したコンテンツマーケティングにおける主な手法をふまえ、コンテンツマーケティングの効果を最大化するためのポイントを解説します。
目的やペルソナにあわせて適切な手法を選択する
マーケティングの目的やペルソナなど、様々な要素によってとるべき手法は異なります。企業の方針・目的に適した手法なのか、既存の顧客層や新規獲得したい顧客層にうける手法なのか、かけられる予算をふまえてコストに見合った手法なのかなど、幅広い視点でマーケティング手法を選択することが重要です。
特に取り組みを始めてから成果がでるまでに時間がかかる手法の場合、一度取り組みを始めるとすぐに中止することが難しくなります。中長期的な視点が必要な手法を選択する場合には、今後の業界の動向や消費者のニーズを考慮する必要があるでしょう。
ツールや業務委託を活用する
いずれの手法を選択するにせよ、自社内のリソースと照らしあわせ、どこまでを内製できるかを検討しましょう。昨今のマーケティング手法は多岐にわたるため、マーケティング知識だけではなく幅広い知識が必要になります。一つのマーケティング手法のみ取り組むのであればまだリソースの確保はしやすいですが、複数のマーケティング手法に取り組む場合、全てを内製するほうが非効率となる場合もあります。
専門性の高い知識・技術が必要な業務については、適宜SEOやマーケティングオートメーションなどのツール、業務委託を活用するほうが良いでしょう。ただし、ツールや業務委託を活用するほうが効率が良いとは言え、コストがかかる点や選ぶツール・業者によって効果が大きく異なる点には注意すべきです。コストパフォーマンスやツール・業者の口コミ評判をふまえて検討を行うようにしましょう。
KPIなどを設定して手法の効果測定を行う
取り組む手法を選択し、取り組みを始めた後は、定期的にKPIなどの明確な指標をもとにして効果測定を行いましょう。効果測定で思うような結果が得られない場合、何かしらの対策を検討する必要があります。例えば、コンサルティングを利用して取り組みの改善を図る、別のマーケティング手法を試してみるなどの対策があげられます。
効果測定を行う際は、KPIなどの指標に加え、フレームワークを活用した分析を行うと良いでしょう。例えば、カスタマージャーニーマップを作成して顧客の行動を分析する、SWOT分析を利用して自社の強み・弱みを把握するなど、適宜フレームワークを利用して分析を行うのがおすすめです。
▼コンテンツマーケティングに活用できるフレームワークについては、あわせてこちらの記事もご覧ください。
競合他社の手法をリサーチする
多くの企業がコンテンツマーケティングに取り組んでいる現代においては、競合他社のリサーチと差別化が非常に重要です。競合他社の取り組みと全く同じことをしていては、コンテンツマーケティングにおいて大きな成果を得ることはできないでしょう。競合他社との差別化を図るためには、競合他社と異なるオリジナリティが必要になります。
もちろん、競合他社の取り組みと全く違うものである必要はないため、良い部分は参考にするのが良いでしょう。競合他社の良い部分を取り入れるとともに、独自性を追加したコンテンツを作成すれば、より効果的なマーケティングを行うことができます。調査方法がよくわからない、独自性をどのように追加すればよいかわからないという場合は、コンサルティングや支援サービスなどを活用し、ノウハウを蓄積すると良いでしょう。
複数の手法を組み合わせて利用する
本記事で主なマーケティング手法10選を解説しましたが、マーケティング手法にはそれぞれ親和性の高い組み合わせが存在します。例えばコンテンツSEOでユーザー集客を行い、集客したユーザーにメールマガジン・LINEマガジンに登録してもらえれば、ユーザーとの長期的な関係性を築くことができ、安定した見込み顧客の創出につながるでしょう。
また、SNS運用とインフルエンサー起用を組み合わせれば、SNSのリアルタイム性を活かして一気に注目を集める、有名なインフルエンサーを起用して企業のブランドイメージを高めるなど大きな成果を得やすくなるでしょう。現代のマーケティングにおいて、大きな成果を得るためには、このマーケティング手法の組み合わせが非常に重要です。マーケティング手法を組み合わせる際は、コンテンツマーケティングの目的をふまえて手法を選択することをおすすめします。
▼コンテンツマーケティングの目的については、あわせてこちらの記事もご覧ください。
コンテンツマーケティングの手法をおさえて成果アップを
現在利用されているコンテンツマーケティングの手法は多岐にわたっており、コンテンツマーケティングの目的やペルソナなどによってとるべき手法は異なります。多くの企業がコンテンツマーケティングに取り組んでいるために、マーケティング手法の選択を誤ってしまうと、思うような成果を得られずコストだけがかかり続ける状態になりかねません。コンテンツマーケティングにおいて大きな成果を得るためには、それぞれの手法の特徴をおさえて適切に運用する必要があるでしょう。
今回解説した手法10選は、多くの企業で実践され、実際に成果をうみだしている手法です。ぜひ、本記事の情報を参考に、自社にあわせたコンテンツマーケティングの手法に取り組んでみてください。