コンテンツマーケティングはどんな効果がある? 費用対効果をアップさせる方法
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オウンドメディアやSNSなどのコンテンツマーケティングをすることで業績改善が期待できると聞いたけれど、具体的にどのような効果があるのかを知りたい。そんな人のために、導入することによる効果や費用対効果を上げるための方法をご紹介します。
効果を確認するための指標や効果が出ない理由、改善方法なども合わせて解説していきますので、これからコンテンツマーケティングを導入するという人だけでなく、すでに導入しているけれど効果が出ていないという人も参考にしてください。
コンテンツマーケティングについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。
コンテンツマーケティングに期待できる効果
まずは、業績改善にコンテンツマーケティングが良いと勧められたものの、具体的にどのようなメリットがあるのかまで把握できていないという人のために、どのような効果を期待できるのかについて詳しく解説していきます。
全世界に新規ユーザーを獲得できる
これまでの一般的な企業の営業スタイルは、顧客候補に対して訪問や電話という形でアプローチし、企業が提供しているサービスの魅力について説明するというものでした。そのスタイルが、コンテンツマーケティングを導入することで大きく変わります。
コンテンツマーケティングを導入すればインターネットを使って世界中にPRでき、営業が訪問できないような海外からも新規ユーザーを獲得できます。さらに24時間365日休むことなく集客でき、BtoBだけでなく個人にもアプローチが可能です。
しかも、コンテンツマーケティング経由で相談や導入検討をしてくれる人は、すでに何らかの問題を抱えており、それを解決するために行動を起こしています。このため購入や契約に結びつきやすく、効率的に売り上げをアップできるといった効果も期待できます。
他社との差別化による自社のブランディング
コンテンツマーケティングでは、自社のサービスや商品に関連する情報を直接発信できるため、競合他社と比較して、どのような違いがあるのかなどを正しく伝えられます。これにより他社との差別化をしやすく、結果的にそれが自社のブランディングにつながります。
たとえば宿を経営しているとして、従来であれば旅行誌に広告を出すなどして集客していましたが、この場合には紙面の都合もあり宿の魅力を100%伝えることができません。同じように広告を出している宿もいくつもあるので、費用対効果もそれほど高くありません。
ところがコンテンツマーケティングを導入して、こだわりの食事やサービスについて自分たちで発信し続ければ、宿の魅力を余すことなく伝えられます。その結果、宿泊を検討している人がイメージをつかみやすくなり、最終的に予約数が増えていくというわけです。
このように自社の強みをしっかりと伝えられることが、コンテンツマーケティングの大きなメリットのひとつです。
SEOや拡散により中小企業の人員不足を補える
中小企業の場合には、どれだけ魅力的なサービスや商品を持っていても、それを売るための営業担当がいないことがよくあります。ところが、コンテンツマーケティングを導入することでこの問題を解決でき、人員が不足している企業でも収益がアップします。
コンテンツマーケティングでは休みなく営業活動を行えて、しかも世界中に顧客候補がいるので、売り上げアップのために多くの営業担当を抱える必要がありません。「でも、コンテンツを制作したり、運営したりするのにリソースが必要では?」と思われる人もいらっしゃるでしょう。
ところがコンテンツマーケティングの場合には、コンサルティングなどの専門業者も多く、コンテンツ制作も含めてアウトソーシングできるため、多くの社員を抱えられない中小企業でも導入しやすいといったメリットもあります。
自社の商品やサービスの売上アップによる収益改善
テレビCMや電車の広告などは、広告を出している期間は問い合わせや相談が増えますが、広告をやめると売り上げも元に戻ってしまいます。ところがコンテンツマーケティングは、コンテンツが資産として残り続けるため、継続して新規顧客を獲得できます。
しかも新規顧客獲得だけでなく、自社のサービスや商品に対するファンを増やせるといった効果もあるためリピーターも獲得しやすく、さらにはファンになった顧客が自発的にSNSなどでおすすめしてくれるのもコンテンツマーケティングの利点です。
ファンを増やすためのコンテンツを提供し続けなくてはいけませんが、テレビCMなどの広告よりも費用が安く、コンテンツがSNSで話題になったことで売上がアップしたという事例もあり、低予算で収益を改善できるのもコンテンツマーケティングの魅力です。
コンテンツマーケティングの効果がわかる指標
コンテンツマーケティングにどのような効果があるのかは理解したけれど、具体的にどのような指標で効果を判断するのかを知りたいという人もいるかと思います。そこで、ここでは導入効果がわかる指標のうち、重要なものをピックアップして紹介していきます。
コンテンツ数
公開したコンテンツの総数で、KPI(中間目標)として設定されることが多い指標のひとつです。コンテンツマーケティングではコンテンツがないことには集客できませんので、最低限必要なコンテンツ数を把握して、増やしていく必要があります。
ページビュー数(PV)
コンテンツ全体で閲覧されたページの合計数のことで、サイトの場合には1ページ閲覧されると1PV、10ページ閲覧されると10PVとなります。Google Analyticsなどで確認でき、ページビューが多いほど最終目標を達成しやすくなります。
ユニークユーザー数(UU)
ユニークユーザー数はWebサイトを閲覧した人の数のことで、計測期間中に同じ人が繰り返して何度もサイトを訪れてもカウントされません。コンテンツマーケティングで効果を得るには、SEOなどを行うなどして、ユニークユーザー数を増やす必要があります。
検索順位
検索順位はGoogleなどの検索エンジンで、キーワード検索をしたときに、検索結果に表示される順番のことで、順位が高いほどアクセス数が増える傾向にあります。検索からの流入を増やしたい場合には、検索順位が上位になるようにコンテンツを制作します。
SNSシェア数
コンテンツがどれだけTwitterやFacebookなどのSNSでシェアされたかを確認できる指標で、反応がいいコンテンツほどSNSシェア数は増えます。ただし、ネガティブな反応によりシェア数が増えることもあり、なぜ増えたのかの分析が重要になります。
再訪率
再訪率はユニークユーザー数のうち、一定期間に2回以上訪問したユニークユーザーの割合で、有益な情報を提供できているかどうかの判断基準として使われます。価値のあるコンテンツを増やしていくことで、再訪率がアップします。
滞在時間
滞在時間はユーザーがサイト内にどれだけ滞在していたかがわかる指標で、「セッション時間」や「ページ滞在時間」の2種類があります。滞在時間そのものよりも、コンテンツの改善を行った後にどのような変化があったかなど、改善結果を確認するために使われます。
回遊率
回遊率はユーザーが1訪問あたりどれだけのページにアクセスしてくれたのかがわかる指標で、ユーザーが多くのページにアクセスすることで回遊率が上がります。回遊率をアップさせるためには、コンテンツの質を高める必要があります。
コンバージョン(問い合わせ・商品購入・資料のダウンロードなど)
コンバージョンは、最終成果である問い合わせや商品購入、資料のダウンロードなどにつながった件数の割合のことで、KGI(最終目標)やKPI(中間目標)として設定されることが多い指標のひとつです。コンテンツマーケティングでは、コンバージョン率を上げるためにサイトの改善を行っていきます。
▼コンテンツマーケティングにおけるKPIについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
コンテンツマーケティングで効果を得るためにかかる費用と時間
コンテンツマーケティングはSEOのノウハウなども必要になるため、導入する場合にはコンサルタント費用などが発生し、しかも成果が出るまでには時間がかかります。そこで、ここでは効果を得るまでにかかる費用と時間についてご紹介していきます。
効果を得るためにかかる費用
コンテンツマーケティングですみやかに効果を出したいなら、コンサルタントに協力してもらう必要があります。この場合にはコンサルティング料だけでも、月に10万~30万円は必要になります。コンテンツ制作まで依頼すると、1コンテンツにつき1万~10万円程度。1ヶ月にトータルで50万円かかるとして、1年間で600万円の出費になります。
さらにコンテンツマーケティングは効果が出れば終わりというわけではなく、継続していく必要があります。コンサルタントに協力してもらい続ける限り、これくらいの出費が発生することを頭に入れておかなくてはいけません。
▼コンテンツマーケティング時にかかる費用については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
効果を得るためにかかる時間
コンテンツマーケティングで効果を得るためにかかる時間は、業種や競合他社の数によってことなりますが、成果を感じられるまで少なくとも3~6ヶ月かかり、さらに運営が軌道に乗るまでに1~3年程度はかかります。
コンテンツそのものはお金をかければ増やせますが、顧客をファンにしていくのには信頼関係を築いていく必要があるため、どうしても年単位の時間がかかります。
費用対効果を考えるとすぐにでも効果を実感したくなりますが、コンテンツマーケティングは結果をすぐに求めるのはNGです。目に見える効果が出なくても、3年間は継続するつもりで進めていきましょう。
コンテンツマーケティングで費用対効果をアップさせる方法
コンテンツマーケティングは広告を出すよりも低コストで集客できますが、それでもコンサルなどに依頼するとそれなりの出費になります。そこで、ここではコンテンツマーケティングの費用対効果をアップさせる方法についてご紹介していきます。
しっかりと時間をかけて計画を立てる
費用対効果を上げるために最も重要になるのが、時間をかけて計画を立て、戦略的に進めることです。すぐにでも効果を得たい気持ちがあると、始めてから考えればいいと思って見切り発車しがちですが、これは手戻りをして時間と費用が無駄になります。
最終的な目標や途中経過も含めて、まずは社内でしっかりと時間をかけて基本となる計画を立てることが成功の近道です。このとき抽象的な目標ではなく、「売り上げ20%アップ」や「月間ユニークユーザー1万人」といった数値目標を設定しましょう。
複数のコンテンツを掛け合わせる
コンテンツマーケティングを導入するときに、リソースや予算が少ないからといってオウンドメディアやSNS、動画配信などのコンテンツひとつだけでスタートすることがありますが、この手法では効率よく効果を得られません。
オウンドメディアやブログを導入するときには、TwitterやFacebookなどのSNSやメルマガも同時にスタートさせて、公開した記事を紹介するなど複数のコンテンツを掛け合わせてください。
SNSなどを活用して記事を紹介すれば、そこから拡散されて注目される可能性があります。ただし、記事の紹介だけではSNSのフォローが増えませんので、SNSからも役に立つ情報を発信したり、フォロワーと積極的に交流したりしましょう。
ターゲットを明確にする
コンテンツマーケティングに限らず、マーケティングで重要になるのは、誰に向けて情報を発信するのか、ターゲットを明確にすることです。下記のようにターゲットのペルソナを明確にして、その人に向けて情報発信を行ってください。
・年齢
・性別
・家族構成
・職業(趣味)
ターゲットを絞ると多くの人に届かないのでは?と思うかもしれませんが、たとえば女子高生と高齢者の両方に響くコンテンツを制作するのは簡単ではありません。どちらにも配慮した結果、誰にも響かないコンテンツになってしまい、SNSでの拡散も期待できなくなります。
そうならないためにも、誰に向かって情報発信するのかを事前に明確にしておきましょう。
質の高いコンテンツを増やしていく
コンテンツマーケティングで効率よく成果をあげるために必要なのは、「質の高いコンテンツ」を作り上げることです。かつてはコンテンツの量が重視されていましたが、いまは文字数が多いだけで内容がともなわないコンテンツは検索上位に表示されません。
ここでいう「質の高いコンテンツ」とは、訪問者にとって有益な情報が網羅されているコンテンツのことで、さらにオリジナリティのある情報を掲載している必要があります。そのようなコンテンツが多いほどファンが増えて、コンバージョン率のアップにもつながります。
効果が出ないコンテンツマーケティングの特徴
コンテンツマーケティングを導入すれば必ず効果が出ると思っている人もいるかもしれませんが、実際には導入したけれど、効果が出ていないケースも多々あります。そこで、ここではどのようなコンテンツマーケティングをしていると効果が出ないのかについて解説していきます。
記事数やSNS投稿数が少なすぎる
コンテンツマーケティングで重要なのは、質の高いコンテンツであるとお伝えしましたが、記事やSNSの投稿などのコンテンツが少なすぎても、効果を出せません。たとえばサイトの場合にはコンテンツが少ないと検索上位に表示されない傾向にあり、再訪率も回遊率も下がります。
SNSの場合も投稿数が少なく、1週間に1~2回の更新ではフォロワーが増えません。フォロワーの少ないアカウントは人気も影響力もないので、記事をシェアしてもそれを拡散してもらえず、思ったような効果を得られません。
SEOの知識がない人が担当している
予算が限られているためコンサルタントに依頼せず、上司からの指示でSEOの知識がない若手が担当者にされてしまうことがよくありますが、かなり優秀な人が担当者にならない限り、コンテンツに集客ができず時間だけが過ぎていきます。
SNSからの流入だけでは限界がありますので、Google検索などの検索エンジンで上位表示されるようにSEOの知識がある人を専任の担当者にするか、もしくはコンサルタントに依頼して施策を提案してもらいましょう。
コンサルタントとの連携がとれていない
効率よく効果を出すにはコンサルタントに依頼するのが理想ですが、コンサルタントに依頼したのに効果を出せないこともあります。その多くがコンサルタントに運用を丸投げして、コンサルタントだけでコンテンツを増やしているケースです。
コンサルタントはSEOなどの知見はありますが、依頼された会社の業界に詳しいわけではありませんので、コンテンツを作ってもその内容の信頼性が低く、独自性もないコンテンツばかりが増えていくのでファンが増えません。
コンサルタントに依頼することは悪いことではありませんが、きちんと定期的に連携をとりながら方向性を決めて、コンテンツを増やしてください。
▼コンテンツマーケティングのコンサルティングについては、あわせてこちらの記事もご覧ください。
そもそも「効果」が不明確で目標設定ができていない
コンテンツマーケティングにおいて、目標設定が重要であることはすでにお伝えしましたが、実際には目標が不明確なまま進めていくケースも多く、この場合には目標が決まっていないため効果を測れません。
そうならないためには、どのような状態になったら効果が出たとするのか、必ず運用を始める段階で決めておきましょう。後から目標を変更しても構いませんので、着地点や通過点がわからない状態で走り出してしまうことがないよう、注意が必要です。
効果測定をしたらコンテンツマーケティングを改善しよう
コンテンツマーケティングを導入したら定期的に効果測定を行って、期待する効果が得られなかったときには、その理由を考えて改善していくことが大切です。ここでは効果が得られないときに、どのような対策を実践すればいいのかについて説明します。
コンテンツ作成を外注化する
まずは自社でコンテンツを増やそうとしたけれど、リソース不足でコンテンツ数が足りていないなら、その状況は今後も変わることはありません。その場合には、自社だけでコンテンツを増やそうとするのではなく、コンテンツ作成を外注化するのも有効です。
SEOノウハウが不足して検索上位に表示されないのであれば、コンサルのサポートを受けるか、株式会社オロパスの「パスカル」や、株式会社フルスピードの「Ahrefs」といったSEOツールの導入も検討しましょう。
SEOを意識してリライトする
競合他社と比較してもコンテンツは十分にあるのに、検索上位に表示されないという場合には、コンテンツの内容に問題があります。この場合には、SEOを意識してコンテンツをリライトする必要があります。
・クリックしたくなるタイトルに変更する
・オリジナリティのある情報を掲載する
・流入キーワードを意識してリライトする
・古い情報がある場合には最新情報に更新する
具体的にはこのような方法でリライトするのが一般的ですが、これらを適切に行うにはSEOの知識が必要になります。自社で対応が難しいのであれば、コンサルタントに相談して、専門業者にリライトしてもらいましょう。
目標設定に無理がなかったか見直す
コンテンツマーケティングを導入したときに、きちんと根拠のある目標設定をしていても、実際に運用開始してみると、その目標が現実的ではないことに気づくことがあります。この場合には無理に目標を達成しようとせずに、柔軟に目標を見直してください。
このとき単純に目標設定を下げるのではなく、なぜ達成できないのかもきちんと分析することがポイントです。分析結果により、どこにお金と時間をかければ効率的に目標を達成できるのかを明確にして、確実に効果が得られる部分を改善していきましょう。
時間をかけてコンテンツマーケティングの効果を上げよう
コンテンツマーケティングの効果はすぐに出るものではないため、効果を感じなくてもまずは良質なコンテンツを増やし、定期的にSNS投稿などを継続することが大切です。同時に効果測定も行って、問題がある場合にはコンテンツの改善も必要になります。
このとき自社だけで運用しようとすると、効果が得られるまでにさらに時間がかかってしまいます。コンテンツマーケティングに対する知見がない場合には、コンサルタントにサポートしてもらうか、SEOツールを導入して効率よく改善していきましょう。