【2023年版】コンテンツマーケティングの市場規模やこれからの展望を徹底解説!

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Webマーケティングの代表的施策とも言える「コンテンツマーケティング」。コンテンツマーケティングとは、顧客にとって有益なコンテンツを提供し続けることで認知を拡大し、商品の購買など結果につなげるマーケティング手法です。コンテンツマーケティング元年といわれる2014年頃より、その市場規模は拡大してきました。

最近では、SNSや動画などのコンテンツに人気が集まるなど、新たな動きが出てきています。この中で、企業はコンテンツマーケティングにどう取り組めばいいのでしょうか? そこで今回は、コンテンツマーケティングの市場規模や動きを分析しつつ、今後の動向についても探ってみます。

コンテンツマーケティングについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。

【関連記事】【2023年版】コンテンツマーケティング完全ガイド

コンテンツマーケティングとは、記事や動画などのコンテンツを通してユーザーに価値ある情報を提供し、認知度や売り上げの向上などを目指す施策です。多くの企業が取り組んでおり、今や定番のマーケティング手法ですが、実践手順やポイントなどがわからない方もいらっしゃるかもしれません。本 記事では、コンテンツマーケティングの基礎知識やポイント、成功事例を解説します。

日本のコンテンツマーケティングの市場規模

一言で日本のコンテンツマーケティングの市場規模といっても、その規模を表す数字は存在していません。というのも、日本でのコンテンツマーケティングの市場規模は、SEO、コンテンツ制作、インターネット広告、SNSマーケティングなど、細分化されて発表されているからです。

そのため、コンテンツマーケティングを構成するそれぞれのマーケティングの市場規模の数字を、一つずつ確認していく必要があります。ここでは、資料やデータを通して次の4つのマーケティングの市場規模から、日本のコンテンツマーケティング市場規模を計算してみましょう。

SEOの市場規模

2016年に発表された「SEO市場規模予測2014-2018」(クロスフィニティ株式会社による調査)(※1)を見てみましょう。SEOの市場規模は、2014年には356億円、2018年には500億円を超えています。2014〜2018年の間に毎年9%近い成長率であることを考えると、2023年の市場規模は700億円以上と考えられます。

「SEO市場規模予測2014-2018」を参考とした図

また、「ITR Cross View:SFA/マーケティング管理市場の実態と展望2016」(※2)
によると、企業が今後力を入れたいマーケティング施策としては、SEOが最も多いという結果があります。

SEO施策には、内部構造を最適化する内部SEOや、被リンク数の獲得数で信頼性を獲得する外部SEO、コンテンツを発信し続けて継続的なアクセスを狙うコンテンツSEOなどがあります。

ここでの企業が取り組みたいSEOは、多くの企業がオウンドメディアの運営を行っている・始めようとしていることから、コンテンツSEOのことを指していると考えられます。

※1 参考:【PR TIMES】クロスフィニティ、「2016年度版国内SEO市場予測 (2014-2018)」を発表
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000205.000014848.html
※2 出典:【ITR Cross View】SFA/マーケティング管理市場の実態と展望2016
https://www.itr.co.jp/report/crossview/X16000400.html

コンテンツ制作のアウトソーシング市場規模

記事コンテンツを主としたコンテンツマーケティングには、大量の記事が必要です。オウンドメディアを運営する企業が増加した現在、記事作成を外注する動きも活発になってきました。そこで、コンテンツ制作のアウトソーシング市場の規模を見てみましょう。

「2017年 コンテンツマーケティングの実態調査レポート」(Appmart株式会社発表)(※3)によると、コンテンツ制作においては68%近い企業がアウトソーシングを利用していると答えています。

金額的な市場規模は、2016年の「BPO市場・クラウドソーシングサービス市場に関する調査を実施」(矢野経済研究所発表)(※4)によると、2019年には2360億円、2020年には2950億円と試算されおり、年々増えていることから、2023年には3000億円を大きく超えていると思われます。

「クラウドソーシングサービスの市場規模推移と予測」を参考とした図

※3 出典:【Appmart株式会社】2017年 コンテンツマーケティングの実態調査レポート」
https://appmart.co.jp/document/contentsmarketing2017/
※4 参考:【クラウドソーシング】矢野経済研究所:BPO市場・クラウドソーシングサービス市場に関する調査を実施
https://crowdsourcing.jpn.com/11a001-3/

インターネット広告の市場規模

コンテンツマーケティングには広告が必要ないという意見もありますが、ここでは短期的な結果のためにインターネット広告を使うものとして考えてみます。

コンテンツマーケティングとしてのインターネット広告には、アフィリエイト広告、ディスプレイ広告、SNS広告、動画広告などが考えられます。その市場規模は、2018年に発表された「インフィード広告市場規模推計・予測」(株式会社サイバーエージェント公開)(※5)から、見てみましょう。

2016年は1401億円、2018年は2343億円と、年々市場規模は大きくなり、2022年3645億円、2023年には3921億円になると予想されています。

「クラウドソーシングサービスの市場規模推移と予測」を参考とした図

※5 出典:【株式会社サイバーエージェント】インフィード広告市場規模推計・予測
https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=21333

SNSマーケティング(インフルエンサーマーケティング)の市場規模

SNSマーケティングには、インフルエンサーマーケティングやSNS広告などがあります。SNS広告はインターネット広告の市場規模の項目ですでに入れていますので、ここではインフルエンサーマーケティングの市場規模について解説します。

2020年に発表された国内ソーシャルメディアマーケティングの市場動向調査(株式会社サイバー・バズ発表)(※6)によると、2018年時点での規模は219億円。2022年では、その2倍以上の519億円となっています。

また、インフルエンサーマーケティングに関連するものとして、SNSアカウント支援運用市場もあります。こちらは、2018年度の時点で114億円、2022年で187億円となっています。

※6 出典:【株式会社サイバー・バズ】国内ソーシャルメディアマーケティングの市場動向調査
https://www.cyberbuzz.co.jp/2020/10/research2020.html

4つのマーケティングから探る日本のコンテンツマーケティングの市場規模

SEO、コンテンツ制作のアウトソーシング、インターネット広告、SNSマーケティングと4つのコンテンツマーケティングの市場規模について見てきました。この4つの市場規模の金額を合計すると、およそ8000億円〜1兆円弱。これが、2023年現在の日本のコンテンツマーケティングの市場規模だと考えてよいでしょう。

アメリカのコンテンツマーケティングの市場規模

星条旗と米ドルのイメージ

現在、各国の中で市場規模が最も大きいのは、やはりコンテンツマーケティング発祥の地・アメリカです。アメリカのコンテンツマーケティングの市場規模は、どれくらいなのでしょうか。

その金額や、アメリカでコンテンツマーケティングに取り組んでいる企業の割合などを紹介します。

アメリカのコンテンツマーケティングの市場規模は1兆円超

日本と違い、アメリカにはコンテンツマーケティングそのものの市場規模を表す数字があります。いくつかのデータがありますが、よく例に出される2つのデータを見てみましょう。

マーケティングの会社であるCustom Content Councilが2013年に発表した調査(※7)では、アメリカの市場規模は約440億ドルとあります。

もう一つは、「グローバル・コンテンツマーケティング予測2017」(PQ Media調査)(※8)のデータです。これによると、2017年のアメリカの市場規模は120億ドル(約1兆6000万円)とあります。

約5兆8960億円と約1兆6000万円、どちらも日本と比較して大きな数字ではありますが、金額の差が大きく感じられます。なぜ、こんな金額の違いが出てしまったのでしょうか。

※7 参考:【Portada】Content Marketing, a US $44 billion Industry
https://www.portada-online.com/brand-marketing/content-marketing-a-us-44-billion-industry/
※8 出典:【PQ Media】グローバル・コンテンツマーケティング予測2017
https://www.pqmedia.com/product/global-content-marketing-forecast-2017/

アメリカと日本のコンテンツマーケティングの違い

2つの数字に大きな差がついたのは、コンテンツマーケティングの歴史や捉え方の違いなどが考えられます。

日本では、2014年ごろからWebマーケティングの手法の一つとして、コンテンツマーケティングが知られるようになってきました。一方アメリカでは、コンテンツマーケティングという言葉が生まれたのは100年以上前だといわれています。

そもそもコンテンツマーケティングは、顧客に有益なコンテンツを発信し続け、メリットを得るというマーケティングの方法です。そのため、アメリカではWeb媒体だけでなく、紙媒体・電波媒体などでも有益なコンテンツがあれば、コンテンツマーケティングと呼ばれます。

そのため、どの媒体をコンテンツマーケティングとして含めるかで、大きな違いが出てしまうことがあります。いずれにせよ、アメリカのコンテンツマーケティングの市場規模は、日本より大きいことがわかりました。

また、アメリカにコンテンツマーケティングが浸透していることがわかる数字があります。Custom Content Councilが2015年発表した調査(※9)には、「あなたの組織(会社)は、コンテンツマーケティングを使っていますか?」という質問に、86%がイエスと答えています。アメリカの企業が、オウンドメディアなどのサイト運営に積極的なことがうかがえるデータといえるでしょう。

※9 出典:【Custom Content Council】2015 Benchmarks,Budgets,and Trends—North America
https://contentmarketinginstitute.com/wp-content/uploads/2014/10/2015_B2B_Research.pdf

世界のコンテンツマーケティングの市場規模

世界とお金のイメージ

次に世界のコンテンツマーケティングの市場規模を見ていきます。近年、アメリカや日本はもちろん、中国、韓国、インドなどのアジア、EU諸国と、コンテンツマーケティングの市場規模は拡大しています。それでは、世界全体のコンテンツマーケティングの市場規模はどれくらいになるのでしょうか。

世界のコンテンツマーケティングの市場規模は11兆円超

調査会社Research Diveが発表したデータ(※10)によると、2019年、世界全体でのコンテンツマーケティング市場は367億8660万ドル(約4兆92億円)でした。そして、2026年には1075億4060万ドル(約11兆8,294億円)に成長するとしています。数字を比較してみると、3倍近い市場規模になっていることがわかります。

別のデータを見てみましょう。マーケティング会社PQMediaのデータ(※11)では、世界のコンテンツマーケティングの市場規模は、2014年1440億ドル(約17兆4000億円)、2019年3130億ドル(約38兆円)と、5年間で2倍以上になっています。

規模の数字は異なりますが、どちらも年14%以上の成長率となっています。ちなみに日本の2022年度の実質GDP成長率の想定は、前年比+2.2%。このことからも、コンテンツマーケティング市場の勢いがうかがえます。

※10 参考:【PR TIMES】ブランディングテクノロジー、子会社「株式会社ファングリー」設立
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000043.000043647.html
※11 参考:【Webly】【2020年版】コンテンツマーケティングの市場規模と今後の動向
https://www.ecmarketing.co.jp/contents/archives/717#:~:text=2020%E5%B9%B43%E6%9C%88%E3%81%AB,%E6%88%90%E9%95%B7%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

コンテンツマーケティング市場規模の成長の内訳は?

年14%のスピードで成長し続けているコンテンツマーケティングの市場ですが、どこが大きく伸びているのでしょう?

調査会社Research Diveのデータ(※12)の内訳をみると、一番市場規模が大きかったのは動画コンテンツで、年平均成長14%です。しかし、年平均成長の幅はSNSマーケティングが最も大きく、15.2%が予想されています。

これらのことから、コンテンツマーケティングの市場規模の拡大には、SNSマーケティングと動画コンテンツが関係していることがわかります。

※12 参考:【Webly】【2020年版】コンテンツマーケティングの市場規模と今後の動向
https://www.ecmarketing.co.jp/contents/archives/717#14

コンテンツマーケティングの市場規模が拡大している背景

グラフと背景のイメージ

コンテンツマーケティングの市場規模が伸びている理由や背景には、検索エンジンであるGoogleが有益なコンテンツを求めていること、消費者の動向の変化などが挙げられます。ここではその理由・背景について迫ってみましょう。

SEOための取り組みとWeb広告の費用の高騰

今までGoogleでは、顧客にとって有益な質の高いコンテンツを重要視するアルゴリズムを採用してきました。そのため、企業はコンテンツマーケティングに取り組まなければ、上位に表示されないといった背景がありました。

また、リスティング広告などのWeb広告の費用が高騰していることも、コンテンツマーケティングの市場拡大の一因です。リスティング広告は競合他社が多く、高い広告を支払わなければクリック数も上がらない、という現状があります。そのことからコストパフォーマンスのよい、コンテンツマーケティングに取り組む企業が増えてきたと見られています。

消費者の動向の変化をコロナ禍が後押し

ネットの普及などにより、顧客の購買行動は大きく変化しました。従来の企業中心のプッシュ型の広告・販売手法から、検索などで見つけてもらう顧客中心のプル型のマーケティングへと大きく変化したのです。そこで、プル型の手法の一つであるコンテンツマーケティングに取り組む企業が増加しました。

さらに、新型コロナウイルスの流行が、この動きを後押ししました。企業が顧客と対面せずに接点を作れ、集客・購買につなげていくことが可能なコンテンツマーケティングに注目したのです。これにより、さらに多くの企業がコンテンツマーケティングに力を入れることになりました。

これからのコンテンツマーケティングの市場規模の動向は?

ソーシャルメディアのイメージ

コンテンツマーケティングの市場規模は、今後数年に渡ってさらに拡大すると予想されていることがわかりました。

特に、新たなツールも増えている動画やSNSなどのコンテンツが大幅に伸びていくと予想されています。また、2021年Googleから新たなアルゴリズムについて、発表がありました。そこで、これからのコンテンツマーケティングの動向について探ってみましょう。

動画コンテンツやSNSの市場規模が拡大

「2027年度までのICT・メディア市場の規模とトレンドを展望」(2021年/野村総合研究所発表)(※13)によると、国内の5G端末は2024年度には約2740万台まで拡大。この5G端末の普及が進むと、動画の視聴環境がよくなり、動画コンテンツの市場がさらに拡大すると考えられます。

また、インターネット広告の市場規模の項目で紹介した、「国内ソーシャルメディアマーケティングの市場動向調査」(2020年/株式会社サイバー・バズ発表)(※6)によると、SNSマーケティング市場は、2025年には1兆1,171円規模になる見通しです。中でもインフルエンサーマーケティングの規模は、2020年には317億円だったものの、2025年には2倍以上の723億円に拡大するとされています。

「国内ソーシャルメディアマーケティング市場規模推計・予測」を参考とした図

※13 参考:【NRI】野村総合研究所、2027年度までのICT・メディア市場の規模とトレンドを展望
https://www.nri.com/jp/news/newsrelease/lst/2021/cc/1217_1

Googleのアルゴリズムが変わる可能性も

2021年Googleは、今後ユーザーエクスペリエンス(UX)が、掲載順位に大きく関わると発表。UXとは、ユーザーが製品・サービスを利用して得られる体験のことで、コンテンツの内容だけでなく、各ページの見やすさなども含まれます。現在、コンテンツSEOがトレンドですが、GoogleのアルゴリズムがUXを重要視することに舵を切れば、UXに沿ったマーケティングが生まれ、新たな市場が生まれる可能性があります。

今のところ、これに関して大きな動きはありませんが、多くの企業やマーケッターが注目しているのも事実。Googleの今後の動きを注視する必要がありそうです。

自社のコンテンツマーケティングのあり方を考える機会に

今回は、コンテンツマーケティングの市場規模や、今後の動向について解説しました。コンテンツマーケティングを構成するそれぞれのマーケティングも成長過程にあり、さらに今後も市場規模が拡大することが予想されています。

これからは多様なコンテンツから、より数多くの情報が発信され、ユーザーに自社の情報を見つけてもらうのが難しい時代になるでしょう。情報過多な時代を迎え、企業は他社とどう差別化するかは重要な課題といえます。目的に合わせ、多くのWebサイトを運営する必要があるかもしれません。

企業としてコンテンツマーケティングに取り組むことは、欠かせない時代になってきました。ぜひ、今回のデータを活用して、自社のコンテンツマーケティングの方向性や対策について、考えてみてください。

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