BtoBマーケティングにおける戦略の立て方、そして進め方のポイントを基本から解説します。 多くのBtoBマーケターが日常的に携わるのは、手法・施策の実行というミクロな部分。つい、全体像を見渡すマクロの視点は置き去りにされがちです。改めて、自社のマーケティング戦略を振り返ってみてはいかがでしょうか。"> BtoBマーケティングにおける戦略の立て方、そして進め方のポイントを基本から解説します。 多くのBtoBマーケターが日常的に携わるのは、手法・施策の実行というミクロな部分。つい、全体像を見渡すマクロの視点は置き去りにされがちです。改めて、自社のマーケティング戦略を振り返ってみてはいかがでしょうか。">

BtoBマーケティングを成功に導く戦略の立て方とは?【基礎知識から徹底解説】

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BtoB企業のマーケティングは扱う領域が広く、専門性も高いため、何から手をつけたらいいのかわからない、という声をよく聞きます。
コンテンツマーケティングやメールマーケティング、CRMなど、各種の手法は思い浮かんでも、どれに注力すべきか選択し、それぞれを120%活かせるかは戦略次第です。「リードの獲得につながらない」「商談化率が低い」といったお悩みの背景を掘り下げると、たいていは戦略設計の不備や精度の低さ、が原因なのです。

各施策に取り組む前に、進むべき方向が正しいのか、描いているシナリオが妥当なのか、確認すべきです。この記事では、BtoBマーケティングにおける戦略の立て方、そして進め方のポイントを基本から解説します。

多くのBtoBマーケターが日常的に携わるのは、手法・施策の実行というミクロな部分。つい、全体像を見渡すマクロの視点は置き去りにされがちです。改めて、自社のマーケティング戦略を振り返ってみてはいかがでしょうか。

なお、BtoBマーケティングについてもっと知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

BtoBマーケティング総合ガイド記事バナー

BtoBマーケティングを成功に導く戦略の立て方とは?【基礎知識から徹底解説】

BtoBマーケティングの基礎知識

法人の間での取引を意味する「BtoB」。一般消費者が顧客となるBtoCと比較すると、BtoBでは購入までのプロセスが複雑で、意思決定にかかる時間が長い、という特徴があります。
「BtoBマーケティング」が指す範囲は、使う人や状況によっても異なりますが、
・自社の商品・サービスが企業のどのようなニーズを満たせるか調査し、最適な層に提供する
・顧客の購入プロセスに寄り添い、適切なタイミングでアクションを起こす
これらが主要な活動内容になってきます。

存在感を増し続けるBtoBマーケティング

BtoBマーケティングへの注目度は近年、増し続けており、力を入れる企業が増えています。これには、時代背景が関係しています。

かつては、マーケティングにさほど注力する必要を感じていないBtoB企業も多くありました。法人相手のビジネスは、見込み顧客の会社に営業マンが足を運んで関係作りをし、やがて商品が必要になったタイミングで声がかかる、という構図が一般的であったからです。
販売対象となる顧客の数が少ないため、一般に広く宣伝し認知拡大を目指す必要はありませんし、顧客サイドも、商品の情報を知るには、営業担当者に問い合わせるしか方法がなかったのです。

しかし、インターネットが私たちの生活に欠かせないほど浸透し状況は一変、企業が購買活動をする際のプロセスも変化しました。新しい商品・サービス導入の検討段階で、担当者自身がまずWebで検索して情報収集するのが一般的です。

これに対応するため、BtoB企業も属人的な営業活動からの転換を迫られました。コロナ渦を経て、マーケティング活動全般がオフラインからオンラインへと大きくシフトしたことも要因でした。

もちろん、企業間のモノの売り買いでは現在でも、ほとんどのケースで営業担当者が間に入ります。従来のように、なじみの企業の営業マンに声をかけたり、紹介を受けてスタートすることもあるでしょう。
ただし、全体の流れとしては2023年現在、BtoB企業の販売戦略において、マーケティングの重要性はますます拡大しています。

BtoBマーケティングの戦略とは

BtoB企業における購入のプロセスはこちらの記事でご説明しました。購入までに長い時間がかかり、複雑だからこそ、マーケティングの各施策を打つ前に購入までのシナリオを具体的に描くことが重要です。

戦略をきちんと立案し、社内で共有できていなければ、各施策の結果に振り回され、本当に達成すべきことがわからなくなってしまいます。部署間での意思統一もできません。「なぜ今この活動をしているか」をいちいち説明しなくても全員が同じ方向を向いて取り組むためにも、戦略は必須です。

誰にどんな価値をどのように提供するかーBtoBマーケティングを成功に導く戦略の立て方とは?【基礎知識から徹底解説】

マーケティング戦略の立案では「誰に」「どんな価値を」「どのように提供するか」を徹底的に考えます。戦略立案・決定の材料となる要素を洗い出すために、現状の分析から始めてみましょう。

BtoBマーケ戦略立案プロセス①現状分析:4つの分析ポイント

現状分析と考察にあたっては、SWOT分析や3C(6C)分析などのフレームワークを使ってみるのもおすすめです。BtoBマーケティングでよく使われるフレームワークについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
具体的な検討ポイントは以下の4つです。

(1)自社の分析:商品の特長、競合との比較、市場での立ち位置、過去に行ったマーケティング施策と結果、現在の顧客のデータ、蓄積しているコンテンツ資産
(2)顧客の分析:ビジネスモデル、ニーズ・課題、企業情報
(3)競合の分析:商品の特長、自社商品との比較、実施中のマーケティング戦略、ターゲット層
(4)市場の分析:業界内で認識されているニーズや課題、トレンド

どの分析も肝要ですが、特に注力すべきは顧客の分析です。
当たり前ですが、顧客のニーズを適切に把握しなければ、自社の製品がどのように顧客の課題解決を実現できるのか、どこが魅力なのかもわかりません。顧客を理解しないままでは、伝えるべきメッセージも決められませんから、最優先事項です。

「顧客の困っていそうなこと・悩んでいそうなこと」を徹底的に挙げていく

顧客のニーズを把握し、課題を具体的に掘り下げていきます。顧客の属する業界全体の一般的な知識や業務内容は本やネットで学べます。基礎知識を習得したら、自社の顧客により的をしぼった分析を行います。
ここからは調べてもなかなか出てこない情報ですから、「生の声」を活用しましょう。具体的には、以下のやり方があります。
・営業担当者・カスマーサポートなど、顧客とのコミュニケーション機会が多い人にヒアリングする
・既存顧客・見込み顧客などにヒアリングする
・業種が同じ別の商談に同席させてもらう

いずれの方法もマーケティング担当者だけでは限界がありますので、社内で協力を仰ぎましょう。

顧客目線に立って、
・その課題にどの程度、困っているのか
・現在はどのように対応しているのか
・自社の商品・サービスに期待する役割
・自社のサービスの導入の決め手になったのは何か
・自社のサービスを導入してみて感じた良い点と悪い点
・不満や利用中止に至った理由
などを確認していきます。スプレッドシートやExcelなどで一覧にまとめて整理しておきましょう。

顧客の分析と同時にやっておきたい「ペルソナ」の設定

丁寧に顧客の分析を進めれば、顧客像がどんどん具体化していくはずです。ここで一緒に行っておきたいのがペルソナの設定です。

ペルソナは、商品・サービスを利用するであろう顧客を具体化させた架空の人物像のこと。性別・年齢・居住地・職業・収入・家族構成などの基本情報から、趣味やライフスタイルまで、ペルソナを詳細に設定します。この作業により後にマーケティングのアプローチ手法を考える際の重要な手がかりが得られます。その一例が「カスタマージャーニー」の作成です。

ペルソナの例ーBtoBマーケティングを成功に導く戦略の立て方とは?【基礎知識から徹底解説】

「カスタマージャーニー」とは、顧客がどのように自社製品を発見し、購入にいたるかまでの行動パターンを推測して描いたもの。どこで自社製品・サービスとの接点を持ち、どんな意図でどのコンテンツに興味を示し、その後はどのような検討段階を経て商談まで進むのかを可視化することで、行うべきアプローチが見えてきます。

カスタマージャーニーを考える際にペルソナが詳細に定まっているとよりリアルな想定ができるようになります。

BtoBマーケティングの戦略立案のプロセス②目的・目標の設定

BtoBマーケティングで設定される目的・目標は、受注数や売上、リード獲得数などです。前提条件や予算などもクリアにしたうえで目標を設定します。社内共有も欠かせないステップです。

具体的な数値を設定する際に登場するのがKGI(=Key Goal Indicator「重要目標達成指標」)やKPI(=Key Performance Indicator「重要業績評価指標」)です。
KPIとはKGIを達成するためにより細分化された、スモールステップの目標で、この2つは基本的にセットで使われます。
例えば、
KGI:「ECサイトで月の売上を1.5倍にする」
KPI:「SNS広告を毎週1本配信」「過去半年間の購入者にキャンペーンのDMを発送」「新製品を毎月20点追加」
といった具合です。

目的・目標や、KGIで設定される数値は、マーケティング担当者が試算して上層部に提案するケースもあれば、経営陣や決裁者が出した目標数値を与えられるケースもあります。どちらにせよ、かけて良いコスト・期間・リソースを考慮した結果、現実的かつ妥当な目標が設定できているかは必ず確認しましょう。

プロセス①で行った現状分析を材料に、プロセス②で設定した目標をどのような方法で達成するのか、具体的に描いていきます。これがBtoBマーケティングの戦略の考え方です。

BtoBマーケティングの戦略を実行・継続するためのポイント

ここからは戦略をうまく機能させ、継続して実行していく際のポイントにフォーカスしていきます。

ポイント①具体的な手法に落とし込む

出来上がった戦略はあくまで、ざっくりとした方針ですから、行動を起こすための具体策に落とし込む必要があります。BtoBマーケティングで使われる手法についてある程度、広く知識を持っておくことが求められます。

BtoBマーケティングがリードに対する機能を発揮する重要な段階として、
・自社を認知してもらい、リードの獲得を目的とする「ジェネレーション(創出)」
・獲得したリードの関心・購入意欲を高める「ナーチャリング(育成)」
・確度の高いリードを選び出す「クオリフィケーション(選別)」
の3つがありました。

購入までの段階ーBtoBマーケティングを成功に導く戦略の立て方とは?【基礎知識から徹底解説】

それぞれの段階で用いる主な手法を以下に挙げてみました。なお、どの手法をどの段階で用いるか明確に決まっているわけではありませんから、分類は参考程度にお考えください。

段階ごとのマーケティング手法ーBtoBマーケティングを成功に導く戦略の立て方とは?【基礎知識から徹底解説】

リードジェネレーション(顧客創出)の手法

<オフラインで行う手法>
1、セミナー開催
2、電話マーケティング(テレアポ)
3、イベントや展示会への出展
4、ダイレクトメールやポスティング
5、飛び込み営業

<オンラインで行う手法>
1、デジタル広告(リスティング広告、記事広告、Web上の媒体で配信する広告)
2、コンテンツマーケティング(企業ブログやオウンドメディアの運営)
3、SNSマーケティング(facebook・X(旧twitter)・InstagramといったSNSアカウントの運用)
4、ウェビナー開催

リードナーチャリング(顧客育成)の手法
<オフラインで行う手法>
1、電話マーケティング(フォローアップの電話)
2、ダイレクトメール

オンラインで行う手法
1、ウェビナー開催
2、コンテンツマーケティング
3、メールマーケティング(メルマガ配信)
4、ホワイトペーパーなどのダウンロード資料の作成
5、動画マーケティング(ブランドイメージを伝える動画や、商品・サービスの説明動画を配信)
6、インサイドセールス(メールや電話、ウェブ会議ツールなどで行う非対面の営業活動)

リードクオリフィケーション(顧客選別)の手法
1、カスタマージャーニーの設計
2、シナリオの設計
3、スコアリングによる選別

オンラインでの施策も増え、マーケティングの手法は多岐に渡ります。上に挙げたのはその一部です。
オンラインの施策はターゲティングがしやすいのがメリットで、BtoBマーケティングでも主流になりつつありますが、一概にBtoBマーケティング=Webマーケティングとはいえません。多数ある手法の中からどれを選ぶかは、以下の点を考慮して決めましょう。

マーケティング手法を選ぶときに考慮することーBtoBマーケティングを成功に導く戦略の立て方とは?【基礎知識から徹底解説】

(1)社内リソースで対応可能か

例えば「コンテンツマーケティングを展開する」と決定しても、社内にSEO対策やブログ執筆の経験者がいない状態では、期待通りの成果を出すのは現実的ではありません。もちろん、「ゼロからのスタート」でもキーワード選定から丁寧に取り組めばコンテンツマーケティングは実施可能ですが、かなりの時間を勉強・準備に費やす必要はあります。
業務の調整をしなければ、現在、他の業務に従事しているスタッフに、コンテンツの制作を任せることはできないでしょう。
自社で取り組むのが現実的でなければ、代行業者への外注やコンサルタントへの依頼をすべきです。

(2)業界と顧客の特性に合っているか

手法によっては、業界やターゲット企業との相性があります。
例えば、IT業界はテレワーク・リモートワークの実施率が飛び抜けて高いのが特長です。最近はベースが在宅勤務の会社もあるようです。そのような企業に対して、テレアポを積極的に行っても、狙うポジションの担当者につながらない可能性が高いでしょう。同様に、受付スタッフを置いていない小売り店舗なども、接客が入れば電話対応ができないため、テレアポには向きません。どちらも迷惑がられて逆効果です。
また、大手企業の中には業務用のPCからのSNS閲覧を制限しているケースもありますから、SNS広告やSNSアカウントの運用をしても、業務時間内には閲覧してもらえず、期待したほどの効果が出ない可能性もあります。

(3)営業部の意向・方針に沿っているか

マーケティング部門とセールス部門の密な連携は必須です。マーケティング活動で育成したリードの中でも、購入の確度が高いリードだけを最終的に営業部に引き渡し、営業部が商談を行うことになります。

そこで、営業部がどのようなリードを求めているのか、マーケティング担当はどのレベルまで育成したリードを選別すべきか、すりあわせを行っておかないと、「せっかく商談に行ったのに受注につながらず無駄足だった」という事態が発生してしまいます。

もちろん、そういった事態を防ぎ、受注の可能性が高い顧客だけを選び出すために「リードの選別」を行うわけです。
代表的な手法は「スコアリング」です。資料請求をしたら◯点、メルマガを開封したら◯点、といった具合にリードのアクション回数や反応などを得点にして集計し、一定のスコアを超えたら引き継ぐことで、営業部門とのすれ違いを起こりにくくする試みです。

しかし、「スコアリングで◯点だから成約しそう」とは言っても必ずそうなるとは限りません。そこで、マーケティング部門から受注につながりやすいリードの条件を共有してもらえれば、選別の参考になりますし、リードの育成の際にも意識できます。また活動した結果、獲得できたのは想定通りのリードだったのか、マーケと営業で一緒に振り返る機会も設けましょう。

以上の3点は最低限、考慮したい点です。
また、マーケティング部門を立ち上げたばかりで実績が乏しいケースでは、Web広告のように短期で成果のわかる手法も選んでおくといいでしょう。BtoBのマーケティング施策が売上という眼に見える成果につながるまでには、一定の時間がかかります。最初は、短期間で成果が数字で表れる施策も一緒に実施することをおすすめします。

ポイント②実行計画を具体的に立てる

手法を選んだ後は、各手法における目的を確認しながら、行うべき具体的なタスクとKPIを定め、担当者を設定します。
KPIは「新規顧客数月100件獲得」「商談数3割増」のように具体的な指標を必ず設定するようにしてください。施策を展開し始めた後は、PDCAサイクルをまわしながら効果をモニタリングしていきますが、この際、KPIを具体的に定めておけばKPIに達していないところが一目でわかります。改善点を探すために時間を使う必要がありません。

ポイント③ツールを活用する

BtoBマーケティングは多岐に渡りますが、コンテンツの企画・開発をしたり、施策の効果を検討したりといった、人力をつぎ込んで時間をかけなければならない部分と、思考をほとんど必要としない単純作業とに分けられます。
後者の単純作業をツールに任せることで、限られたリソースを最大限、活用できるようになり、戦略を想定通りに進めるうえでも有効です。

BtoBマーケティングで活用したいツールーBtoBマーケティングを成功に導く戦略の立て方とは?【基礎知識から徹底解説】

リードの数が多いケースや、これからマーケティングに注力していきたいケースでは、各種ツールの導入を検討すると良いでしょう。代表的なツールは以下3種類で、それぞれ連携が可能です。

マーケティングオートメーション(MA)

集客・認知、リードジェネレーション、リードナーチャリング、リードクオリフィケーション、そして商談へと進む一連のプロセスでは、適切なタイミングで必要な施策を打たねばなりません。この作業を効率よく行い、BtoBマーケティングを支援してくれるのがMAツールです。
リードをリストで一括管理し、一斉メールによるコンテンツの自動配信やアクセス解析、行動の点数づけを行い、購入の意欲が高まっている人を可視化するなど機能が満載です。

営業支援システム(SFA)

SFAツールは営業活動の効率化・生産性向上のために使います。営業活動にかかわるあらゆる情報をデータ化し、営業プロセスを可視化。案件の進捗管理や情報共有などが容易になります。
マーケティング部門には直接関わりがなさそうに思えますが、SFAツールの導入で、どのマーケティング施策が受注に結びついたのかを簡単に追いかけられるようになります。

購買までのプロセスが長期化するBtoBマーケティングでは、リードの獲得から受注までの時間も長くなります。どの施策に効果があったのか、測定も簡単ではありません。
ここにSFAを導入することで、いつ電話をかけたのか、訪問したのかなどの活動履歴が自動で蓄積されますから、どの活動が受注につながったのかを特定できます。

効果測定の工数がかさめばPDCAの「C」に相当する部分でサイクルが滞ってしまいますが、SFA導入によってこれが改善できます。

顧客関係管理(CRM)

CRMは顧客情報を収集して管理し、顧客との良好な関係の構築・維持するための顧客管理システムです。クレームや問い合わせがあった際の顧客サポート対応や、顧客属性・行動を分析してマーケティング施策の立案に活用できます。
なお「CRM」は、ツールそのものを指す他、顧客との関係を維持し、LTV向上を目指すマーケティングの概念を意味することもあります。

※LTV=Life Time Value=「指標生涯顧客価値」または「顧客生涯価値」。顧客が自社と取引を始めてから、関係が終了するまでの全取引から得られる利益の合計。

「少数精鋭」になりがちなBtoBマーケティング部隊、業務の効率化がカギ

BtoB企業がマーケティングに注力し始めたのはここ数年のこと。立ち上げから間もないマーケティング部門も多く、大企業においても、超少人数体制のことも珍しくありません。他の業務と兼任になっているケースもあり、慢性的に人手不足の状態です。

BtoBマーケティングは業産む効率化が大切ーBtoBマーケティングを成功に導く戦略の立て方とは?【基礎知識から徹底解説】

どのBtoB企業でもリソース不足が常態化しているからこそ、業務の効率化が成功への大きなカギとなります。ツールをかしこく活用するという視点を持ちましょう。

戦略どおりにBtoBマーケティングを成功させるコツ

戦略を立案、それに応じた手法を選定し、具体的な計画を立てれば、あとは実行あるのみ。それぞれの施策への取り組みが始まります。
施策ごとにテクニックはさまざまですが、最後に、成功確率を高めるためのコツ2つをお伝えします。

コンテンツの質にこだわる

オウンドメディアに掲載するコラム記事や、ホワイトペーパーなどは、とことん「質」にこだわりましょう。「誰」に「何」を「どのように」届けるのかを考えるのがマーケティングの戦略立案では重要でしたが、コンテンツ制作でも同様です。特に、リードナーチャリングの段階では、コンテンツマーケティングの概念が大変、有効です。

マーケサイドの伝えたいことをアピールするのではなく、顧客の求める情報を記事・資料・動画などのコンテンツに仕立てるというスタンスで取り組むのがコンテンツマーケティングです。もちろん、自社の製品・サービスの露出はして良いのですが、あくまでも「ユーザーのニーズに応える」という視点が大切になります。

徹底的に顧客視点で作られた良質なコンテンツは、顧客にとって非常に有益で、ファン化・信頼関係の構築に有用です。コンテンツはリード育成だけではなくリード獲得の段階でも力を発揮する、集客の柱ですから、とことん力を入れて、質にこだわったものを作ると、施策の成功確率もグッと高まります。

事例・ノウハウは惜しみなく公開する

コンテンツの質をあげるためのヒントは、成功事例や、独自のノウハウなど自社にしかないオリジナルの情報にあります。あいまいにぼかして表現するのではなく、とことん具体的に数値まで入れて、わかりやすく、すべての情報を盛り込んで公開するのがポイントです。

「そんなことをしたら、ノウハウが流出して競争力が下がってしまう」と懸念するかもしれませんが、昨今のトレンドは、ノウハウを隠すよりも無料ですべて公開するという姿勢。有益な情報は業界全体で共有することで結果的にノウハウがブラッシュアップされ、より良いものになるはずだ、という考えが根底にあります。この流れにのっておいた方がビジネスの成功につながります。

またノウハウが書かれた資料を読んで理解しても、実際にやれるかといえば、なかなか難しいのが現実です。無料で資料を提供してくれた企業への信頼が増している状態ですから、「費用は掛かるが、この会社は信頼がおけるから見積もりを取ろうか」と検討してもらえるチャンスがあるのです。

コンテンツの質にこだわり、事例とノウハウを公開ーBtoBマーケティングを成功に導く戦略の立て方とは?【基礎知識から徹底解説】

BtoB企業では事業内容が外部の人にはわかりにくい側面もありますから、出し惜しみせず情報を公開すれば、見込み顧客の不安を取り除けます。ぜひ、積極的な情報公開を心がけましょう。

営業部門との連携を意識・協働する

「マーケティング部門がリードを獲得して営業部門に引き継ぎ、受注を獲得する」、これが基本の流れですから、マーケティング担当とセールス担当の密な連携は必須。
営業担当は「顧客の生の声」をマーケティングに伝達し、マーケティングは市場調査や競合分析の結果で浮かび上がった自社の製品の強みを営業に共有すれば、受注率のアップに貢献します。
また、顧客に同じ資料をマーケティングからも営業担当からも渡してしまう、過去にマーケティングに問い合わせた内容が営業に伝わっていない、など、お客様の不信感を招く事態も避けられます。

しかし実際にはこの連携・協働が不調に陥るケースもあるんです。
利益を上げるという最終目標はマーケティングも営業も同じですが、それぞれの部門におけるKPIは異なります。マーケティングは多数の顧客を相手にアプローチを行いますが、営業は基本的に顧客と1対1の関係づくりを行います。お互いの業務内容への理解不足から、対立が生じてしまうことも珍しくありません。

営業とマーケティングはまず、相互に協働する必要性を認識し、互いの業務の性質の理解に努めましょう。意識的にコミュニケーションの頻度を上げ、それぞれに培ってきた知見を共有するという視点を持つことが大切です。また、共通のKPIを設定することにより、実現に向けたモチベーションと協力体制が自然と生まれますから、試す価値ありです。

BtoBマーケティングには「勝ちパターン」あり!理論を学んで実践に活かそう

論理性・合理性を重視するBtoBの購買プロセスは再現性が高いという特徴があります。企業の抱える課題・悩みはある程度、パターン化されていますし、BtoBでは購入プロセスで論理的な意思決定・判断が重視されるので、自然と、購入に至るまでの動きも一定になってくるのです。だからこそ、そこにアプローチを行うBtoBマーケティングには一定の「勝ちパターン」があります。
知識と理論は必ず実践で役立ちますから、戦略立案・実行の参考にしていただければと思います。