近年、マーケティング部門・担当者を置くBtoB企業が増えています。BtoB企業にとってマーケティングに注力するというのは比較的、新しい流れですから、「全社的にマーケを勉強中」という企業もあるかもしれませんね。

企業の活動は社会の動向に合わせて変化していきます。BtoBビジネスを取り巻くトレンドの把握は、マーケティング戦略の立案から選定・実行における、すべての段階で役立ちます。こちらの記事では、2024年、BtoBマーケティングを成功に導くためにおさえておきたい最新の動向から注目の手法の概要まで、まとめて解説します。

なお、BtoBマーケティングについてもっと知りたい方は以下の記事もご参照ください。

BtoBマーケティング総合ガイド記事バナー

BtoBイメージ【2024年最新版】BtoBマーケティングのトレンド7選を解説

BtoBマーケティング市場をとりまく動向5つ

2023年は、2020年から続いたコロナ禍がようやくおさまりを迎えた年でしたが、マーケティング市場に影響を与えた社会の情勢の変化はそればかりではありません。まずは、マーケティング市場をめぐる主な動きを振り返りましょう。

(1)新型コロナウイルス感染拡大の収束

最も大きな変化は、パンデミックによる社会の混乱が落ち着きを取り戻したことでしょう。
コロナ禍では、人と人とが直接顔をあわせることのハードルが高くなり、企業の活動や購買をおこなう際のあらゆるプロセスが大きく変化しました。全世界の人が対面での営業ができなくなる経験をしたことは、まさに、BtoBマーケティングに注力する企業が増えたきっかけでしたし、オンラインでの施策を実施する体制の構築が積極的に進められました。

「パンデミックは収束したが、完全に以前の体制に戻ったわけではない」という企業もあります。業界によっては初めての商談はオンラインがほぼ「当たり前」になったところもある一方、従来のように対面での施策が中心になっている企業もあり、状況はそれぞれです。

(2)デジタルマーケティング・Webマーケティングの浸透

デジタルマーケティングは、デジタルの技術を活用したマーケティング手法・活動全般のことです。

例:メルマガ、ステップメール、SNS、Web広告、アプリ、デジタルサイネージ、ビッグデータ、CRM、AI技術の利用など

「デジタルマーケティング」は非常に広い範囲を指し、Webマーケティングはデジタルマーケティングの中に含まれます。

Webマーケティングの範囲【2024年最新版】BtoBマーケティングのトレンド7選を解説

デジタルマーケティングの概念や定義は、文脈やマーケターによっても異なるのですが、中心となる概念は「デジタル技術を活用して、売り方を考える/売れる仕組みを作る」です。

現代において、手書きの帳簿で顧客のデータを管理し、電話と郵便だけで得意先とやりとりする、という企業は少数派。マーケティングでも必然的に、デジタル技術を使用します。政府も「2025年の崖」問題への解決策として、DX(デジタルトランスフォーメーション:アナログな手法で行っている業務をデジタルにシフトすることで、業務プロセスを改善していくこと)を強く推進しています。
デジタルマーケティングの導入により、業務の効率化が図れるだけではなく、簡単に数値化できるようになります。施策の各段階において具体的な目標であるKPIなども設定しやすくなり、さらに効果的なアプローチも可能になります。

パンデミックの収束とは関わりなく、BtoBのマーケティングは今後もますますデジタル化が加速していくでしょう。

一方、BtoBの購買プロセスはそのすべてがデジタル化できることはまれです。ほとんどのケースで、デジタルマーケティングとアナログな手段とを組み合わせて用いています。
例えば、営業活動において、リードの育成(リードナーチャリング)では非対面の「インサイドセールス」を行い、リードの選別後、確度の高い顧客に対しては対面で商談を行うのは、デジタルとアナログのハイブリッドです。

(3)個人情報保護法改正(Cookie規制)が開始

「Cookie(クッキー)」とは、Webブラウザに、ユーザーが閲覧したWebサイトでの行動記録や、入力した情報を一時的に保管しておく仕組みのことです。デジタル上での個人情報とも言えます。
Cookieの活用により、ユーザー側はログイン情報などをいちいち入力する手間が省けます。サイトの運営側はユーザーの行動を追跡・分析ができ、Cookieから得られる情報がWeb広告のターゲティングの精度向上に大きく貢献していました。たとえば「リターゲティング広告」はCookie技術を利用した仕組みです。

Cookieの活用でできること【2024年最新版】BtoBマーケティングのトレンド7選を解説

ユーザーにとっても運営者にとってもメリットのあるシステムですが、問題になったのは「3rd Party Cookie(サードパーティークッキー)」と呼ばれる、訪問しているサイト以外のホストから配信されるCookieです。サードパーティークッキーにより収集された情報をもとに配信される広告は、「監視されている気がして嫌だ」「知らない間に第三者に個人情報が活用されている」という印象を与えます。

そのため、クッキーを制限する流れが世界的に広がっており、日本でも2022年に「改正個人情報保護法」、2023年に「改正電気通信事業法」が施行され、法規制が始まりました。ChromeやSafariなどのブラウザ側も規制を開始・予定しているなどの対応をとっており、Cookieを活用した広告の運用を行っていた企業は戦略の変更を余儀なくされています。

(4)5Gの普及

4Gよりもはるかに高速・大容量の通信が可能な次世代型通信システムである5Gの整備状況は、2022年度末の時点で、日本の全人口の95%をカバーしました。
参考:5Gの整備状況(令和4年度末):総務省
https://www.soumu.go.jp/main_content/000894733.pdf(外部リンク)

5Gが広く普及したことにより、動画の視聴やWeb会議などもストレスなく行えるようになり、Webマーケティングにも変化が訪れています。

(5)サブスクリプションモデルを採用する企業の増加

サブスクリプションモデルとは、毎月・毎年など、商品・サービスを利用する期間について料金を支払う形式のこと。「所有から利用へ」という言葉を耳にしたことのある人もいると思いますが、一般消費者のライフスタイル・価値観として、「購入する」よりも「必要に応じて必要なだけ使う」という考え方が増えてきました。

企業側としても、サブスクリプションモデルを採用することで、購入された時しか利益が発生しない「買い切り型」に比べると、収益の確保の見通しが立ち、経営を安定させやすくなるというメリットがあります。そこで、BtoBビジネスにおいても、サブスクリプションモデルを採用するケースが増えてきているんです。

「SaaS(サース:Software as a Service)」や「IaaS(アイアース:Infrastructure as a Service)」といった、ソフトウェアをオンラインで提供するクラウド型サービスは、サブスクリプションモデルの導入が特に進んでいます。例えば、「Adobe Creative Cloud(アドビクリエイティブクラウド)」や「Microsoft Office 365」、クラウド会計型ソフト「freee(フリー)」などはサブスクリプション型の代表的な製品です。

サブスクリプションモデルを採用するメリット【2024年最新版】BtoBマーケティングのトレンド7選を解説

では、これらの動向を踏まえつつ、BtoBマーケティングのトレンドを確認していきましょう。

BtoBマーケティングのトレンドその1:CRM

CRM(シーアールエム:Customer Relationship Management)は、「顧客関係管理」や「顧客関係性マネジメント」と訳され、「企業と顧客との関係性を管理し、良好な関係を構き、維持していくこと」を意味します。概念や考え方を指す場合もあれば、同様の機能を備えたツール・システムを指す場合もあります。CRMは近年、BtoBマーケティングの領域で注目度が高まっています。

デジタル化が進んだ結果、マーケティング活動で得たクライアント企業の情報を詳細に蓄積・管理することが可能になりました。これを行えるのがCRMツールです。
・「資料がダウンロードされた」というマーケティング部門関連の履歴
・「商品についてのお問い合わせがあった」というカスタマーサービス関連の履歴

これら複数の部署をまたいだ履歴を一括で管理できます。

CRMが戦略として提唱され始めたのは1990年代の米国ですが、複雑化する顧客のニーズに対応するため、ますます重要性が増してきています。コロナ禍などの不安定な社会情勢のなか、慢性的な人手不足もあり、企業活動全般に、「効率化」が求められているのもCRMツール普及の要因の一つです。

BtoBマーケティングのトレンドその2:ABM

ターゲットとなる企業(ターゲットアカウント)を設定し、その企業に特化して戦略的にマーケティング活動を行う手法・戦略をABM(Account Based Marketing:アカウントベースドマーケティング)といいます。

ABMが広がっているのは、MA(マーケティングオートメーション)でマーケティングの一連の業務の効率化ができるようになったことに加え、上でご紹介したCRM(顧客関係管理)、SFA(営業支援システム)といったツールの導入も進み、顧客ごとに情報を管理しやすくなったことが要因です。
各ツールを連携させれば、見込み顧客に対して、電話・メール・Webサイト・SNS・Web広告といった複数のチャネルでどのようなアプローチをしたか、どんな行動があったかなどの情報をわかりやすく管理でき、社内での共有も簡単になりました。その結果、より個別化した戦略が取れるようになったのです。

ABMアカウントベースドマーケティング【2024年最新版】BtoBマーケティングのトレンド7選を解説

ABMにより、取引の単価が高く、長くお付き合いできそうな、優良顧客に注力できます。もちろんその方が利益率が上がりますから、マーケティングにかける費用対効果を最大にできるのです。

BtoBマーケティングのトレンドその3:カスタマーサクセス

カスタマーサクセスとは、自社の商品・サービスを購入してくれた顧客が、それらを最大限に活用し、利益を上げられるよう、能動的に働きかけることです。
カスタマーサポートとカスタマーサポートは似ているようにも思えますが、違います。カスタマーサポートが顧客からの問い合わせやクレームに対応するという受動的な立ち位置であるのに対し、カスタマーサクセスは顧客からのアクションがなくとも、積極的にコミュニケーションを行います。
カスタマーサクセスを実行する動きがBtoBマーケティングの領域で広がっています。

背景にあるのは、サブスクリプション型サービスの流行です。解約されてしまえば利用料が入ってこなくなりますから、サブスクリプションモデルにおいては、受注はゴールではありません。いかに利用を長く継続してもらい、顧客当たりの売上を伸ばし、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)を高めるかが課題になります。そこで、カスタマーサクセスという概念が重要になってきているんです。

また、購入の意思決定までに長い時間のかかるBtoBビジネスでは、新規顧客を獲得するためのコストに比べると、既存顧客を維持し、単価を上げる方がはるかに効率が良いとされています。一度選んでくれた顧客を維持することを目的に、カスタマーサクセスを重視する傾向が強まっています。

BtoBマーケティングのトレンドその4:コンテンツマーケティング

Webマーケティングの手法で代表的なものの1つがコンテンツマーケティングです。これはオウンドメディアや企業ブログなどを運営し、顧客にとって価値のあるコンテンツを提供する試みです。費用をかけずに取り組めますから、規模を問わず、多くの企業が展開しています。

特に、Web上でのコンテンツマーケティングは、検索結果の上位表示を目指すことで「認知してもらう」ことから始まり、「好きになってもらう」「ファンになってもらう」と、集客からリードの創出・獲得、そしてリードの育成(ナーチャリング)まで幅広い役割を担います。

対面での営業活動が難しいコロナ禍を経験し、情報収集をする担当者のなかでBtoBにおける購買活動は「まずは検索」という習慣がさらに浸透しました。インターネットでの情報収集が強化されるなか、営業担当に接触する前に検討がかなり進んでいる、というケースも増えてきています。
コンテンツさえ用意しておけば、顧客自ら探し出して検討してくれるのですから企業側にとっても願ったり叶ったり。購買行動の初期のフェーズから顧客にアピールできるコンテンツマーケティングは、今後も引き続き、存在感を増し続けると推測されます。

コンテンツマーケティングイメージ【2024年最新版】BtoBマーケティングのトレンド7選を解説

BtoBマーケティングのトレンドその5:オンラインのイベント・オンライン商談などのWebマーケティング施策

人と人との接触が困難になったことで浸透したオンラインでの展示会やウェビナーといったWebでのイベント、そしてオンライン商談ですが、感染の拡大が収束した現在も「当たり前のもの」として定着しました。

オンライン商談は、対面よりも簡潔に済ませられ、移動時間も不要でどこからでも参加できますから、圧倒的に効率が良く、商談数を増やせます。地理的な制約も受けないので、商圏が全国あるいは海外にまで広がった企業もあるでしょう。
オンライン商談では、リアルで会うのに比較すると心理的な距離が縮められないため、「担当者間の人間関係」よりも「商品・サービスの実力」が大切になってきます。商品の魅力や品質をしっかりと伝える工夫が必要です。

オンラインのイベントやウェビナーは、実際のイベントやセミナー会場に足を運ぶのに比べ、得られる情報はどうしても少なくなってしまいますが、それでも、どこからでも参加できること、移動時間が不要なこと、気軽に参加できるメリットは大きく、「間口を広げる」「ハードルを下げる」ことで参加者を増やせる効果は絶大です。
また、広い会場を確保・手配する手間とコストがかからないのも、オンラインイベント・ウェビナーを開催する利点です。

BtoBマーケティングのトレンドその6:動画マーケティング

BtoC向けで広く受け入れられてきた動画マーケティングですが、BtoBの領域でも、活用が進んでいます。5Gの普及が動画マーケティングを後押ししていることはいうまでもありません。

直感的・視覚的に表現ができる動画は、テキストと画像を組み合わせたコンテンツに比べると、はるかに多くの情報をユーザーに伝達できます。特に、BtoBビジネスでは扱う商品・サービスがあまり一般には知られておらず、専門性が高いことも多々ありますから、「理解しやすさ」はコンテンツにおいて優位に働きます。

さらに動画は、以下のように、顧客の検討フェーズにあわせてさまざまな段階で活用できるのも特徴です。
・企業イメージやブランドイメージを伝える動画
・商品・サービスの紹介動画
・製品の使い方の説明をするデモ動画
・導入事例の紹介動画
・セミナー動画
・採用活動のための先輩社員インタビュー動画

動画イメージ【2024年最新版】BtoBマーケティングのトレンド7選を解説

BtoBマーケティングのトレンドその7:オフライン広告

オフライン広告とは、インターネット上に掲載する広告以外の広告の総称で、テレビCM、新聞、ラジオ、屋外看板などが含まれます。BtoB企業では一般消費者が直接、顧客になるわけではないため、一般消費者の目に触れるメディアに広く広告を出す必要は薄いという考えが従来の主流でした。しかし近年は、BtoB企業においても、テレビCM、タクシー広告、デジタルサイネージなどが流行しています。

オフライン広告には、ブランドの認知度や信頼度を高める効果が期待できます。特にテレビCMの場合、地上波に企業の名前が登場すること自体が、知名度と信頼性を得ることにつながります。「◯◯といえば⚫️⚫️社」といった具合に第一想起を狙いたい場合や、採用活動に力をいれたい場合に非常に有効です。

広く一般の目に触れるオフライン広告は、広告を届けたいターゲットだけに届けるという点では費用対効果が今ひとつ。さらには、オンライン上でのマーケティング手段のようには、ユーザーの行動が追跡できないこともあり、効果測定もしづらく、効率が悪いのでは、というイメージもありました。
しかし、最近ではビッグデータを活用し、ターゲット層にピンポイントで確実に届けることを重視したオフラインの広告サービスも出てきています。
例えば、タクシーの後部座席に座った時に目に入る、ディスプレイに表示される広告は、ビジネスマンの中でも特に、経営者層に届きやすいとされています。

ターゲティングの精度が高いオフライン広告は、低コストかつ効果測定がしやすくなっているのも特徴です。

今後加速が予想されるBtoBマーケティングのトレンド

最後に、今後のBtoBマーケティングにおけるトレンドの予測をしてみます。

AIの活用が広がる

2022年11月に登場したChatGPTにより「生成AI」の存在が非常に身近なものになりました。テキストはもちろん、画像まで自動で作成してくれるAI技術に驚いていたのも束の間、早速、マーケティングのいろいろな局面ですでにAIが活用されています。

・コンテンツマーケティングの記事を執筆する
・メールマーケティングにおいて、タイトルや本文を作成する
・会議の要約を作成する
・提案の資料を作成する
・ホワイトペーパーの構成案を作成する
・競合他社の調査を行う
・チャットボットがお問い合わせに回答する

以上は、AIの使い道のごく一部。現時点ではまだ大きな実績には乏しいかもしれませんが、今後は、さらに多様な業務をAIに任せられるようになっていくと思われます。

AIライティング【2024年最新版】BtoBマーケティングのトレンド7選を解説

デジタル化がさらに進む

AI技術を活用するにも、今後、見込まれる人材不足への対策としての業務効率化のためにも、ビジネス全体におけるさらなるデジタル化のニーズが高まると推測できます。
BtoB企業の購買プロセスは、すでにかなりの範囲でデジタル化が実現されています。とはいえ、まだまだアナログな部分も残されており、現状はデジタルとアナログのハイブリッド型のマーケティング・販売の手法を行っている企業がほとんどです。

デジタル化との相性が悪く、アナログなやり方が依然として主流だ、という業界・業種もあるかと思いますが、そんな業界こそ、ひとたび一部企業に導入が始まれば、急速にデジタル化が進む可能性もあります。

SEO対策では「オリジナリティ」がますます重視される可能性

SEO対策においては「オリジナリティ」が今よりも重視される方向に変化する可能性も考えられます。理由は、生成AIの登場です。
AIをコンテンツ制作に利用する会社は増えており、AIによる記事作成ツールも急激に数を増やしています。AIはものの数分で数千字ものまとまった文章・記事を作成できますから、効率の点では、人間は絶対にかないません。一方で、弱い点が「オリジナリティ」です。

AIを使って作成したコンテンツはその性質上、どうしても、内容が似通ったものになりがちですが、Googleのガイドラインでは、検索結果のランキングで上位に表示されるための重要な要素の1つに「オリジナリティ」が挙げられています。
つまりAI生成コンテンツが増えるにしたがって、「量より質」が重視されるようになり、大量の似たような記事の中から選ばれる記事になるために、「オリジナリティを高める」という戦略がSEO対策では重要になってくる可能性も考えられます。成功事例や、自社にしかないノウハウを発信するなど、より独自性が高く有益な内容のコンテンツがポイントになってくるかもしれません。

また、IT技術のおかげで情報があふれ、求める情報にすぐにアクセスできるようになった昨今、競合他社との差別化のうえでも、コンテンツの「質」はますます求められるようになってきています。技術流出を懸念する傾向の強かったBtoBビジネスにおいても、自社にしかない貴重な情報は隠すのではなく、無料で公開・発信していこうという動きも広まっています。新しい知見・独自の情報こそ、広くシェアすることでさらにブラッシュアップをさせようという考え方が基本となりつつあることを念頭に、コンテンツを設計しましょう。

これはあくまでも推測にすぎません。いろいろな可能性に対応できるよう、つねにアンテナを張り、情報収集を続けることが大切ですね。

まとめ BtoBビジネスのトレンドをキャッチアップして成果をあげよう

デジタル化が進み、ビジネスもめまぐるしい速度で進化を続ける現在、BtoBマーケティングを取り巻く状況も日々、変化しています。2023年の動きを振り返りつつ、最新のトレンドをご紹介しました。時代の流れを敏感に追いかけ、自社にとって使えそうなマーケティング戦略があれば、いち早く取り入れてみたいところですね。

最後に注意点をひとつ。いかに人気で、多くの企業が実践していたとしても、自社にあわないと感じたら、無理に導入しないことです。企業の規模や予算、事業内容によっても、マーケティング施策との相性は異なります。流行・トレンドをおさえておくという視点を持ったうえで、自社にとっての最適な選択をしていきましょう。

大手企業だけでなく、多くの中小企業がSEO対策に乗り出している昨今。Webサイトやオウンドメディアで集客をするための施策も、用意するコンテンツも多様化しています。
コンテンツマーケティングには豊富なSEO知識はもちろんのこと、企業理解も必須です。さらにユーザー(読者)を意識したコンテンツ制作が欠かせません。

コンテンツマーケティングは動画や漫画など幅広いコンテンツを使ったマーケティングを指しますが、メインはやはりテキストコンテンツです。そこで必要となってくるのがSEOライティングの知識とテクニックです。

“日本で暮らしているなら日本語の文章が書けるのは当然”と思われ、その価値が低く見積もられがちなライティングですが、企業が集客目的で書く文章の執筆ですからやってみると意外に難しいとわかるはずです。

企業の信頼性を獲得するための文章では、サイトへの流入データや競合の調査を基に分析し、目的と施策の意図を明確にしてから実施しなければ、SEO対策の成果は出せません。「書きたいことを思うままに書く」スタイルのコンテンツを制作し集客できるのは、芸能人や有名コラムニストなど、ほんの一握りのスターだけ。大多数の人にとって、「SEO対策で集客のできる文章」でコンテンツを制作するのは、決して簡単なことではないのです。

SEOライティングの前段階、「キーワード選定」はこれまでに詳しく解説してきました。

2023-2024キーワード選定総合ガイド SEO対策の基本を徹底解説

今回は、キーワード選定の後に行うメインの作業、SEOライティングのいろはを詳しくお伝えします。

パソコンに向かって考えるビジネスパーソン【SEOライティングの基本】基礎知識と執筆の方法を学んで上位表示を目指そう

SEOライティングとは

SEO(Search Engine Optimization)は日本語でいうと「検索エンジン最適化」。ユーザーが検索エンジンで調べた際に、検索結果の上位に表示されるように行う取り組みをSEO対策といいます。
SEO対策のために行うのが、キーワード選定、そしてSEOライティングです。検索エンジンに高評価を受けるよう、特別な手法を取り入れて文章を執筆します。

日本における検索エンジンのシェアは、Googleが75%以上、Googleのシステムを利用しているYahoo!を併せると90%近くになります。
日本国内でのSEO対策は、Googleへの対策といってもいい状況です。
そのため、Googleが公式に発信している情報のチェックはSEO対策の第一歩です。

参照:Googleセントラル Google 検索の基本事項(外部リンク)
https://developers.google.com/search/docs/essentials?hl=ja

SEOライティングと紙媒体のライティングは別物⁉SEOに“強い”のはどんな記事?

SEOを意識したライティングは、雑誌や新聞のコラム、作文とは異なります。SEO対策としてブログやコラムを書くときは何に気を付けたらいいのでしょうか?

SEOに強い記事を書くためのポイント【SEOライティングの基本】基礎知識と執筆の方法を学んで上位表示を目指そう

Googleのアルゴリズムをふまえたコンテンツの制作が必須

Web上の文章はGoogleのアルゴリズムにより評価されます。平たく言えば、「Googleの仕組みを理解し、気に入ってもらえるように書きかえれば上位表示が狙える」ということ。
なんだか難しそうに感じるかもしれませんが、Webの特性を理解したうえで、「ユーザー(読者)に分かりやすく伝えよう」と意識して書いていきましょう。

2023年現在、Googleがランキングに用いる評価の基準は200以上もあると言われていますが、その詳細は一般には公開されていません。しかし「ユーザーの役に立つ良質なコンテンツを検索結果の上位に表示させる」ことは明言されています。

YMYL(Your Money or Your Life)と呼ばれるカテゴリーに当てはまる業界では、情報の正確性と信頼度の高さが求められます。
Googleが公開している情報にはっきりとは書かれていませんがYMYLに該当するのは、主に医療・金融に関するウェブサイト(例:クリニックや医薬品、保険など)だと考えられています。
またGoogleが重視するE-E-A-T、経験・専門性・権威性・信頼性の4つも欠かせません。
Experience(経験)
Expertise(専門性)
Authoritativeness(権威性)
Trustworthiness(信頼性)

参考:Google検索セントラル 検索品質評価ガイドライン(英語・外部リンク)https://static.googleusercontent.com/media/guidelines.raterhub.com/ja//searchqualityevaluatorguidelines.pdf

SEOライティングの最終的な目標は集客にある

SEO対策を目的とした記事は、ブランドの認知度アップや購入への導線づくりなど、集客を意識したコンテンツです。広告的な意味合いを含む文章であると認識し、「まったく集客につながらない記事になっていないか?」という視点は持ち続けたほうがいいでしょう。

Web集客のためには、ページを検索結果の上位に表示させなければなりません。
タイトルだけでなく、文章中ごろの見出しが検索結果に表示され、文章の途中から読まれるケースもあります。小説のように最初から順に読む前提の文章とは違う点ですね。

また、検索エンジンを使ってキーワードを検索するユーザーは、「一刻も早く自分が求める情報にたどり着きたい」と思っています。「一部分だけ読んでも内容がわかるように配慮する」「既出の事柄も、長文なら再度、軽い用語説明を入れる」など配慮しましょう。

狙いたいキーワードやターゲットを設定してから書く

ミーティング風景【SEOライティングの基本】基礎知識と執筆の方法を学んで上位表示を目指そう

SEO対策のための文章では「ユーザー(読み手・検索者)が知りたいこと」を発信しなければ、ユーザーにも検索エンジンにも選ばれません。ですからユーザーファーストのコンテンツ制作のために、「キーワード選定」が重要になってくるわけです。
キーワード選定は、企業の営業戦略にもかかわる重要な工程です。企業理解はもちろんのこと、売り出す商品やサービスの情報を知り、特徴を理解したうえで、調査や検討を重ねて「ユーザーの求める情報は何か?」「どんな検索キーワードを使用するのか」を探っていきます。
手間と時間のかかる作業ですが、丁寧なキーワード選定無くしては、コンテンツマーケティングの成功はありません。

関連記事
2023-2024キーワード選定総合ガイド SEO対策の基本を徹底解説

網羅性重視!いろんなワードを使った方がSEO的には有利に働く

Webに掲載する文章は、「使われている単語の種類が多ければ多いほど、読者の使用するあらゆる検索ワードに対応できる」と捉えます。
印刷物では“表記ゆれ”はご法度。1つの記事内では基本的に同じ言葉を使うのがルールになっているケースが多いのですが、SEO的には「シニアと高齢者」「テキストと文章」「紙媒体と印刷物」のように、似ているけど違う言葉は、両方とも文中に使われていた方がいいんです。
ただし、アルファベットの大文字小文字は検索キーワードとしては区別されません。「Webとweb」「ChatGPTとchatgpt」のような場合はわざわざ両方使う意味がないので、見やすさを優先し、どちらかに統一しましょう。

SEOで成果を出したいなら、リライトや更新(アップデート)を欠かさない

Web記事は掲載して終わりではありません。コンテンツが完成して、記事を公開した後、一定期間を置いてから、サーチコンソールやアナリティクスなどのSEOツールを使ってのアクセス解析は必須です。
選定したキーワードでアクセスが増加しているか?きちんと読まれているか?などをチェックします。
特に、企業として「必ず押さえたい重要なキーワード」を狙って書いた記事のパフォーマンスは詳細に分析します。もし、「表示・クリックされていない」「滞在時間が極端に短い」など、思うような成果が出ていないなら、大幅な追記やリライト、タイトル変更などを実施し、改善を試みるべきです。
また、数か月、1年と時が経てば、記事の情報が古くなってきます。過去に公開した記事は定期的に確認し、最新情報への書き換えを進めるのも大切です。

ユーザーにとって読みやすい・わかりやすい記事はGoogleの評価も高い

Googleの文章判別精度は非常に高く、意味の通らない文章やわかりにくい文章は、Google検索結果の上位には表示されないと考えられています。
Googleの詳細な評価基準すべてが公開されているわけではないので推測にはなりますが「ユーザー(読者)にとって、読みやすい記事」の評価が高いのは事実です。読み手であるお客様の目線でチェックしてみてください。

SEO対策記事の書き方の手順 6ステップ

ここではSEO対策記事の作成方法について、大まかな流れを見ていきましょう。

SEO対策記事の書き方手順6ステップ 【SEOライティングの基本】基礎知識と執筆の方法を学んで上位表示を目指そう

STEP1 キーワード選定

適切なキーワードを選定するには、企業理解や扱う商品・サービスへの理解が必須です。
また目標数値や指標、取り組みの目的を確認して設計しましょう。
時間のかかる作業ですが、ここで手を抜くと、時間と費用をかけてコンテンツを作っても、コンバージョンしない記事になってしまいます。

選定したキーワードはコンテンツマップとして一覧表にして、施策にかかわるメンバーに共有しましょう。キーワードをジャンルごとにまとめて分類し、月間検索ボリューム・進捗状況・原稿URLなどの項目を入れ、全体を見渡せるようにしておくと便利です。

コンテンツマップサンプル 【SEOライティングの基本】基礎知識と執筆の方法を学んで上位表示を目指そう

関連記事
2023-2024キーワード選定総合ガイド SEO対策の基本を徹底解説
【SEOキーワード選定のやり方】誰でもできる手順を6ステップで解説

STEP2 構成案の作成

SEOを意識した記事執筆では、タイトルや見出し、本文に、STEP1 で選んだキーワードを必ず入れなければなりません。

内容と文字数の目安を設定

どんな内容を書くかは、狙うキーワードで実際に検索してみて、TOP10に表示される記事をチェックし書き出して検討します。文字数は、これらの記事の平均以上に設定しましょう。
目視で行うのは大変なので、利便性の高いSEOツールを活用すると時短できます。
構成案の段階では、
①仮タイトル・・・選定したキーワードを使った仮のタイトル
②導入・・・何を書くか100字程度で説明
③4~10個の見出し・・・目安は1,000字につき1つ見出しを設定

があれば十分。どんな内容を書くか簡単に記載しておきます。

関連記事
用途別8種類!SEOライティングおすすめツールで効率・品質アップ【ブログ担当者必見】
【2023-2024最新】SEO対策・キーワード選定のおすすめツール10選 無料で使える・役立つツールを紹介します!

STEP3 コンテンツの執筆

書きなれていない人や、1万字超えの長文記事を書く場合は、原稿執筆の準備段階として、構成案より詳細に記事の内容を書いた「骨組み」を作るのもおすすめです。

構成案で挙げた項目に、リサーチした内容を箇条書きで足していきます。Webサイトを参照した場合はコメントでリンク先を記載しておいたり、記事の方向性を書き留めておいたりと、全体を整えます。
面倒に感じるかもしれませんが、書きあがってから「方向性が間違っている」「同じような話が何度も出てくる」といった指摘を受けると、書き直しがとても大変です。
「骨組み」を作成し、本格的な執筆に入る前と執筆途中に、校正者や他のスタッフに何度かチェックしてもらうと安心です。

また、「一人で書き上げなければならない」という気負いがあるとプレッシャーになりますし、かえってうまく進みません。行き詰まったら早めに周囲の人に相談しましょう。

関連記事
SEOに強い記事の書き方は?SEOライティングのポイントと手順
【SEOライティングの資格・検定11選】おすすめ?意味がない?資格取得の考え方から難易度まで

STEP4 リンク・画像の挿入

原稿が仕上がったら、リンクや画像を挿入し、ユーザーの読みやすさに配慮しながら見栄えを整えます。

内部リンクと外部リンクの挿入

自社サイト内で関連する内容を扱った別記事があればリンク(内部リンク)を設置します。必要であれば、自社サイト以外のサイトへのリンク(外部リンク)も追加します。外部リンクは信頼できるサイトだけにしておいた方が安心です。

動画や画像の追加

ブログやコラムには一般的に画像が挿入されています。グラフや図表のように画像自体が読者の文章の理解を助ける目的の画像もありますが、“挿絵”の役割を果たす画像も入れておきましょう。1,000字に1枚は画像を入れておくと「文字ばかりで読みづらい」という印象にならずに済みます。

適度な画像挿入はユーザーの「読みやすさ」を高めることになりますからSEO的にもプラスに働きます。

会議イメージ【SEOライティングの基本】基礎知識と執筆の方法を学んで上位表示を目指そう

STEP5 記事校正とSEOチェック

タイトル・見出し・本文に、不自然にならない程度に、選定したキーワードが散りばめられているかチェックしましょう。いくら素敵な文章が書けたとしても、SEO対策の観点が欠落していれば、掲載しても成果が出ません。

もちろん、誤字脱字のチェックや、話の展開がおかしくないかなど、通常の文章と同じ観点からの校正も行います。ただし、記事のターゲットとする層にもよりますが、教科書や新聞のように堅い文章で書かねばならないわけではないと、校正者は知っておいてください。SEOで成果を出すためには、Webページから離脱させないアイデアも必要です。時にはくだけた調子で書いたり、わざと話を横道に逸らしたりと、「読者を飽きさせず、最後まで読ませる工夫」も大切なんです。

記事公開作業に備えて、タイトル・メタディスクリプション・パーマリンク(URL)・alt・画像の最適化にも注意を払っておきましょう。

法律やお金にかかわる専門性の高い内容なら、ファクトチェックの観点から、専門家の監修を付け、一読してもらうと安心です。

関連記事
記事の書き方をマスターして企業ブログ・コラムの効果を最大化:SEO対策のポイントを解説【Web担・初心者向け】

STEP6 記事の公開・公開後のチェック

WordPressなどでコラムの公開作業を行います。
記事公開して数日経ったら、きちんとインデックス登録されたかをGoogleサーチコンソールで確認してください。インデックス登録されていない記事は、Googleの検索結果に表示されません。通常は自然にクロールされてインデックス登録されますが、時折「待てど暮らせどインデックス登録がなされない」事象を耳にします。そんな時は、クローラーに読み込んでもらえるように「インデックス登録のリクエスト」をしてみましょう。

公開後のチェックでは、
・画面全体に表示崩れがないか
・画像が正常に表示されているか(見切れている・小さすぎるなど)
・挿入したリンクが正しいページに遷移するか
・見出し、小見出しが正確に記述されているか(h1,h2,h3などhtmlのチェック)

などを確認します。

関連記事
SEOに強い記事の書き方は?SEOライティングのポイントと手順

SEOライティングに資格は必要?

SEO関連の施策は、資格を持っているからといって必ずしも成果を出せるわけではありません。
とはいえ、資格の取得は、ライターさんにとっては自身のスキルを証明する有効な手段のひとつ。企業側が能力をはかる指標としてもわかりやすいので、“資格取得は無意味”ではありませんよね。
SEOライティング関連の資格を取得するために勉強すれば、「なんとなく」書いていた文章に自信が持てますし、体系的に学んだ知識は必ず実務でも役に立ちます。
ただし、SEOライティングには、実践の中でしか学べないテクニックがたくさんあります。そして、SEO対策のトレンドを学び続け、柔軟に対応していかねばなりません。「資格試験の合格」を目的にせず、その先の仕事に役立てるにはどうしたらいいか、考えながら学習しましょう。

ライティングは、パソコンやスマホがあれば、今すぐにでも始められるのが良いところ。「資格を取るべきか」と悩むくらいなら、個人ブログでも低単価のクラウドソーシング案件でもいいので、まずは書き始めてみましょう。企業内でブログ担当を任された人も、公開するかは別にして、とにかく書いてみることをおススメします。
資格取得は「もっと書きたい」「上達したい」「基本を学びたい」と思ってからでも遅くはありません。

SEOライティング関連の資格の概要は以下の記事をお読みください。

関連記事
【SEOライティングの資格・検定11選】おすすめ?意味がない?資格取得の考え方から難易度まで

SEOライティングのポイントと注意点

注意点【SEOライティングの基本】基礎知識と執筆の方法を学んで上位表示を目指そう

入念なリサーチが記事の質を決める

SEOライティングスキルをあげるために、学ぶべきテクニックの1つがリサーチです。記事の成功は、リサーチ(調査)をどれだけ丁寧にできたかにかかっていると言っても過言ではありません。リサーチの意味は、「キーワードを検索エンジンで調べる」だけではありません。図書館利用・論文取り寄せ・専門家へのヒアリングなど、いろいろな手段を駆使して、価値ある情報を集めていきます。

SEOライティングを成功させ、ページの順位を上げるカギは、リサーチにあります。しっかりとリサーチに取り組むほど良い記事となり、効果も出やすくなりますから、ぜひ力を入れてみてください。
また、リサーチは執筆前に済ませておくものですが、書いている最中に疑問に思ったことはその都度、調べ直してくださいね。丁寧なリサーチで、質の高い記事を作りましょう。

関連記事
ブログ担当者必見:SEOライティングのリサーチ手順・コツを大公開

ツールを使って効率よく執筆しよう

SEOライティングは、ツールを活用すれば作業効率が格段にアップします。
ツールを導入するメリットは「人間より短時間で効率よく作業が可能」「クオリティが一定である」、この2点です。

ライティングに使えるツールはすべての用途を含めるとかなりの数があります。企業規模やターゲット層、属性、SEO対策の目的などにより、どのツールを導入したらいいか、検討してみてください。
ツールはあらゆる場面で役立ちますが、使い方を把握してなければ無用の長物。資料を取り寄せたり、体験版を利用したりして、機能と使用方法を確認したうえで導入しましょう。

SEOライティング ツール選定のポイント

・使い勝手(操作のわかりやすさ/国産or海外産/導入後のサポート体制など)
・性能・クオリティ
・動作環境(ダウンロードするタイプのツールの場合)
・費用と課金形態(買い切り型/サブスクリプション型)

記事執筆の前後に社内やお客様に説明する必要がある場合、資料の作成に思いのほか時間がかかることも。レポートが出力できるツールは優先して検討することをおすすめします。

関連記事
用途別8種類!SEOライティングおすすめツールで効率・品質アップ【ブログ担当者必見】

独自性(オリジナリティ)が高い記事を目指そう

SEOライティングの基本は、「検索結果の上位に表示されている記事を分析し、取りこぼしがないように執筆する」ことですが、生成AIの発達やWebマーケティングの浸透により、大量のコンテンツが日々制作・発信されている昨今、それだけでいいとは思えません。

検索ユーザーは、似通った情報ばかりを目の前にして、どれが信頼できる情報源なのか判断できないのが現状です。
そんな中で、Googleから高評価を獲得するカギは、“オリジナリティ(独自性)”にあります。

・最新情報を取り入れ、差別化をはかる
・独自の視点や意見を取り入れ、読者の満足度を上げる
・実体験や実例を掲載する
・ほかのメディアと組み合わせ、ユーザーの期待に応えるコンテンツを充実させる
・ユーザーの声を活かす
・ストーリー仕立てにして「読み物」テイストの記事にする
・読者の読みやすさを上げるため、ページデザインやレイアウトに配慮

これらは、SEO業界の専門家たちがさまざまな分析を重ねた結果、Googleに高評価を得られるであろうと導き出した推測です。

これから書いていくのはSEO対策のためのテキストコンテンツですから、もちろん「Googleから高評価を得ること」はとても大事。しかし、検索エンジンからの評価獲得それ自体を目的にコンテンツを作成することは「的外れ」だとGoogleは明言しています。その代わり、有用で信頼できる情報を検索結果の上位に表示し、コンテンツの品質の基準として「独自の情報」「オリジナリティ」を重視するとしています。

オリジナリティの高い記事は、ユーザーにとって価値が高いからこそ、Googleからも高く評価されるのです。

有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成 【SEOライティングの基本】基礎知識と執筆の方法を学んで上位表示を目指そう

*画像引用元:Google検索セントラル(外部リンク)
https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/creating-helpful-content?hl=ja

Googleも、読者の役に立つ・困っている人の疑問を解消するコンテンツを上位に表示したいと考えています。テクニカルな小手先の技術でどうにかしようと思わず、ユーザーの疑問や困りごと、悩みを解消するコンテンツを作っていけば、必ずGoogleからの評価も上がってきます。

企業のブログ運営、リソース不足はどう解決する?

SEO対策をしたくとも、本来の事業で手いっぱい。自社のコンテンツ制作にまでリソースを割けない、というのは多くの企業が抱える共通の課題です。

SEO対策は専門のコンサル業者に依頼したほうがいい?

SEO対策には複数の工程が含まれますから、すべてを自社で完璧に行える企業は多くありません。一定の期間で確実に成果を出したいときは、専門家を頼るのが得策です。
“SEO”ライティングでは、文章を書く技術だけでなく、SEOの知識が必須。SEO業界は日々情報が新しくなっていくため、「数年前にSEO対策をやっていたことがある」くらいだと、現在のコンテンツマーケティングの定石とは違う施策を打ってしまう可能性があります。

SEO対策は最新の情報をキャッチし、現状に合った施策を考えなければなりません。自社で完結させるには、膨大な費用と時間がかかるケースもあるでしょう。
費用を考えると、すべてをSEOコンサルティング会社に依頼するのは難しかったとしても、部分的に依頼する、期間を決めて支援してもらうなど、検討してみてはいかがでしょうか。ただし、SEO対策は本来、年単位の時間をかけて取り組むものですから、結果を出すには、最低でも半年〜1年程度の契約が前提です。

企業ブログ・コラムのライティングをライターさんに外注するならコミュニケーションを大切に

最近は、自社でコンテンツマーケティングを行う企業が増えてきました。しかしながら、キーワード選定で選んだテーマで数十本、数百本と記事を書き続けるために、社内リソースを割き続けると負担が重くなり、肝心な事業展開を圧迫することにもなりかねません。

BtoC企業での一般消費者に向けた記事ならまだしも、BtoB領域など専門性の高い記事が要求されるなら、そもそも「社内の人間では専門知識が足りず、当たり障りのないことしか書けない」という事態もあり得ます。そんなときは、SEOライティングの外注を考えてみてはいかがでしょうか。

ライティングの外注でリソース不足の課題を解決!

ライターさんに「読者のニーズに応え、求められる記事」を書いてもらうには、依頼する側の伝え方も重要です。該当の商品・サービスについてだけでなく、メイン顧客層や企業の方針もライティングにおいては必要な情報ですから、きちんと伝達するよう心がけてください。

コミュニケーションが大切【SEOライティングの基本】基礎知識と執筆の方法を学んで上位表示を目指そう

プロライターに依頼すれば、時には「事例を交えた具体的な記事にする」「インタビュー形式をとる」など、良質なコンテンツ制作のための提案をしてもらえます。丁寧に設計し、読者のことを考えて書かれた記事であれば、検索エンジンからの評価は必ず上がります。

企業のライティングを任せるライターの選定においては、「SEO知識」「ライティング技術」「執筆分野の理解」だけでなく、“相性”も大切。ライターさんとコミュニケーションをとる中で違和感を覚えることがあれば、いったん立ち止まって考えてみてください。
いくら知識が豊富なプロでも、偉そうな書きぶりであったり、嫌な感じを抱かせたりするようでは、企業の「顔」にもなりうるコンテンツを任せるには役不足。
ビジネスマナーや一般常識、人柄の面も考慮して、総合的に判断し、長いお付き合いをしたいものですね。

関連記事
ライティングだけじゃない?専門家に依頼できる範囲・コツを解説:コンテンツSEO担当者必見
【SEOライティングの外注】依頼のポイントとWebライター・業者選びの注意点は?

AIライティングの未来予測

GoogleはAIが書いた文章に高評価を与えるのか?

GoogleはAI生成コンテンツも人間のライターが書いた記事も等しく評価すると明言しています。
Googleは「コンテンツがどのように制作されたかではなく、その品質に重点を置く」としていますから、AIがライティングした文章だからという理由で、そのページがGoogleからペナルティを受けることはもちろん、検索結果に表示されないなど、SEO的に不利になるわけでもありません。

では、AIライティングが普及したら、人間のライターの出番はなくなってしまうのでしょうか?
「AI生成コンテンツは本当にGoogleから高評価を受けられるのか?」という視点で考えてみると、ちょっと意外な推測も浮かび上がってきます。

Googleは、“Google のランキング システムはオリジナルかつ高品質のコンテンツを評価することを目的としている”と「AI生成コンテンツに関する Google 検索のガイダンス」の冒頭で述べています。

一方、AIライティングはその性質上、情報の網羅性をあげることは得意ですが、オリジナリティの高い内容を導き出すことは苦手。
つまり、Googleの検索エンジンから高い評価を獲得し、上位表示を目指すことは難しいと考えるのが自然でしょう。悪影響はなくとも、AIで作ったコンテンツが人間が書いたコンテンツよりSEOに強いとは言えそうにないと考えられます。

生成AIは将来的に、検索エンジンに置き換わる可能性も指摘されており、GoogleはAIによる文章生成ツールのChatGPTの登場に脅威を感じています。
自分の地位を脅かしかねない可能性を秘めた生成AIが作るコンテンツを、Googleは今後も、高く評価し続けるでしょうか? その答えは、明言されることはなくとも、出ているような気もしますよね。

ただし、AIツールを活用した記事執筆は絶対NGとは思いません。情報を網羅して整理する能力は人間よりも高いので、企画段階、リサーチ段階、キーワード選定作業、構成案作成時など、使いどころはたくさんあります。
要は、「便利なツールとして人間が使いこなせるか?」にかかっているわけです。

関連記事
AIライティングツールでSEO対策するなら知らないと危険!コツと注意点

ユーザーに寄り添い、最後まで読みたくなる記事を書こう

読者の共感を呼ぶ・気持ちに寄り添う書きぶりを意識しよう

企業ブログでは、言葉づかい(言葉選び)・口調・執筆者の目線など、文章の印象を左右する「書きぶり」も配慮すべきポイントです。

では、どのような書きぶりをしたらいいか?
それは、「誰に読んでもらいたいか」により、大きく変わります。

さまざまな職種の人たち【SEOライティングの基本】基礎知識と執筆の方法を学んで上位表示を目指そう

企業のコンテンツマーケティングのターゲットは、商品やサービスの利用者です。

例えば、ポップな色合いで低価格な韓国コスメの購入を促すためのSEO対策で、ターゲット層は10〜20代の高校生や大学生だったとします。

この層をターゲットとしたテキストコンテンツを作ろうと思ったら、可愛らしい画像やおしゃれなモデルの写真を使い、若者に好まれるライトな調子で記事を書いたほうがいいだろうな、と想像がつきます。
「最新の論文を引用して、化粧品成分を一つ一つ詳細に解説するコンテンツを作ろう」とはなりませんよね。

この例はBtoC企業を想定しているため分かりやすいのですが、BtoB企業のSEO対策では、ぐっと難易度が上がります。

実際のブログ・コラム執筆の現場では、戦略に沿ってキーワード選定をし、ライターや企業内の広報担当者が記事を書き始めたものの、出来上がったテキストコンテンツが、企業戦略とはかけ離れた記事になっていた、という事態が良く起こっています。

例えば、ある企業では、自社の強みをアピールするため、製品の特長や利便性について解説した、強調した専門性の高いコンテンツで情報発信を始めました。しかし、記事へのアクセスは一向に伸びません。
半年経って詳細に分析したところ、実際に顧客となりうる人たちが知りたい情報は、
・使用方法の注意点
・きめ細かいアフターサービスやメンテナンスの有無
・使用することでどれくらいコスト削減や時短ができるのか

であったことがわかりました。
「企業の伝えたい内容」に偏っており、ユーザーの求めるコンテンツを発信できていなかったことに後から気づく、というのはよくある話です。

同様に、専門的な知識を求められているのに、「企業マスコットが登場し、毒舌を振りまきつつ商品の使用方法を解説する」のもミスマッチ。
きめ細やかなアフターフォローがあることでお客様からの評価が高い製品であるのに、商品の学術的な価値の解説に終始していては、せっかくの商品の魅力がユーザーに伝わりません。

企業側の言いたいことではなく、ユーザー(読者)に寄り添って、お客様が知りたい情報や困りごとを解決するコンテンツを制作することこそが、コンテンツマーケティング成功の秘訣です。

特に注意したいのは、以下の4点です。
(1)不快に思われる可能性のある書き方は避ける
(2)不安をあおる表現・過剰な言葉は選ばない
(3)タイトル・リード文で読者の興味をひく話題が書かれているのに、本文にその答えが書かれていない
(4)「上から目線」「自慢」にならないようにする

他社とは一線を画す“とがったコンテンツ”を作ろうという気持ちは大切ですが、誤った方向に尖らないように気を付けたいところ。
企業ブログや企業コラムは、企業のブランディングに関わる重要性の高いファクターです。道を誤ったときに会社に与える影響も大きいということを忘れず、“とがったコンテンツ”にしたいなら、オリジナリティ(独自性)を高める方に目を向けてください。

企業にとって炎上は命取り。リスクを冒してまでおかしな方向に尖るくらいなら、万人に好まれるコンテンツを目指したほうが何倍もいいのです。

お客様から“見られている”と自覚し、企業のイメージを損なわない、ユーザーにとって有益なSEOライティングを心掛けましょう。

関連記事
記事の書き方をマスターして企業ブログ・コラムの効果を最大化:SEO対策のポイントを解説【Web担・初心者向け】

自社でwebサイトを運営し情報発信することは、大企業から中小企業まで「当たり前」になってきています。製品やサービスの紹介・ブランディング・採用活動などの目的で、ブログを設置している企業も多いと思いますが、記事の執筆を続けるのは簡単ではありませんよね。いざ担当者に任命された人が「何を書けばいいの?」と途方に暮れてしまうケースも多いと聞きます。

企業ブログはユーザーの目に触れやすく、インターネット上での企業の印象にも大きな影響を与える部分。責任が重大ですし、社内からは検索での順位・アクセス数・コンバージョン率といった目に見える形での「成果」も求められます。個人のブログとは性質がかなり異なりますから、未経験の状態や、初心者が突然、記事を書くのは無理があります。
そこで今回は、「企業ブログの書き方」をテーマに、SEO対策と、ライティングのテクニックについて解説します。

なお、SEOライティングについてもっと詳しく知りたい方は以下の記事もご参照ください。

SEO ライティング 記事バナー

記事の書き方をマスターして企業ブログ・コラムの効果を最大化:SEO対策のポイントを解説【web担・初心者向け】

企業ブログの書き方で大切なのは「SEO対策とライティング技術」

企業ブログはさまざまな目的で運用されますが、共通点は「ターゲットに読んでもらうために書かれること」。当たり前ではありますが、オンラインで集客するためのマーケティングのツールです。

・検索結果のランキングで上位に表示され、ユーザーの目に留まる
・ユーザーにクリックされる
・記事を読んだユーザーが期待したアクションを起こす(「コンバージョン」と言います)
これらが企業ブログでは非常に大切です。

一方、検索結果で上位を獲得するには、検索エンジンからの高評価を得る必要があります。Googleのアルゴリズムは、ユーザーの検索意図にこたえるページを高く評価します。
企業ブログでは、読者の「知りたい」を満たす内容を執筆し、webサイトとページの内容を適切に調整すること(=「SEO対策」)が欠かせません。

企業ブログのあるべき姿とは

ブログといえば「個人が自分の趣味や、日常のできごとを書いていくもの」というイメージもありますが、企業ブログは全く違います。「書きたいこと」を書くのではなく「検索ボリュームのあるテーマについて、読者が知りたい内容を漏れなくカバーして書く」という戦略的な取り組みが求められます。

もちろん「社長のつぶやき」「ブログ担当者の目についた社内の近況」といったテーマでの更新が絶対NGというわけではありません。でも、そういった記事はSEO的な効果が出づらい傾向にあります。

SEOに強いブログ記事の特徴ー記事の書き方をマスターして企業ブログ・コラムの効果を最大化:SEO対策のポイントを解説【web担・初心者向け】
SEOに強い記事の具体的な条件はたくさんありますが、前提となる重要事項は、読者にとって有益であること。

・企業のウェブサイトを訪問した人にとって価値のある情報
・検索エンジンからたどり着く訪問者の探していた情報

これらを提供する記事でなければ、検索結果で上位表示は達成できません。

ブログのネタに「社長のつぶやき」「社員の近況報告」は避けるべき理由

企業ブログにそもそも期待される役割は、ビジネスと関係の深い事柄について発信することです。
「オフィスの玄関先のポプラの木が紅葉して、見応えがあります」「窓から見える夕焼けをバックにした東京タワーが綺麗です」といった投稿は、社内の雰囲気を伝えたりスタッフの人柄を伝えたりするのに有効です。でも、企業のホームページを訪問する人の多くは、そのような情報を求めてアクセスしているわけではありません。

芸能人のように知名度がある人気の社長で多くの固定ファンがいるなら、社長に興味を持って企業のwebサイトにアクセスする人もいるでしょう。「社長の日常を知りたい」という検索需要もあると思いますから、「社長の日々のつぶやき」をテーマにブログを書いても、ユーザーのニーズを満たせ、SEO的にも効果が見込めます。でも、そんな社長のいる企業は少数派ですよね。

「雰囲気を伝える・親しみを感じてもらう目的の情報発信」はSEO対策とは別で考えよう

情報発信の目的によって、最適な露出方法は異なります。「スタッフのつぶやき」や「社長の独り言」といったビジネスとあまり関係ないが「親近感」や「リアル感」を伝えるためのライトな内容を発信したいのなら、X(旧Twitter)やInstagramなどSNSを活用するのをおすすめします。
企業サイトのブログ・コラムは自然検索での上位表示が目的だと考え、ビジネスに直結したテーマでの発信を心掛けましょう。

SNS投稿とブログ投稿で使い分けをー記事の書き方をマスターして企業ブログ・コラムの効果を最大化:SEO対策のポイントを解説【web担・初心者向け】

日々の雑記と、商品やサービスに関連する重要な記事が同一ブログ内に混在していると、本当に見てもらいたい記事が埋もれて、webサイトを訪問してくれたユーザーの目にとまりにくくなってしまいます。せっかく貴重な業務時間を割いて実施するのですから、ブログの効果は最大化したいものです。

「ビジネスライクなテーマでの発信を続けると、ブログ全体が、硬い印象を与える無機質な記事ばかりになりそう」と感じる人もいるかもしれません。ですが、丁寧に執筆すれば、記事の「書きぶり」から、スタッフの人柄や、社内の雰囲気も自ずと伝わるものですから、心配はいりません。

ここからは、企業ブログの書き方で必須のSEO対策とライティングのポイントを紹介していきますから、ぜひ実践してみてください。

ブログ記事のSEO対策のポイント1:キーワード選定・コンテンツマップの作成は必須

「企業側の書きたいことを書くのではなく、ユーザーが知りたいことを書く」のがSEO対策の基本。何をテーマに取り上げるのかを考えるところからスタートします。どんなキーワードで検索したユーザーに、自社のウェブサイトにアクセスして欲しいか考えるにはまず、おおもとのターゲット層を決めましょう。

キーワード選定については「2023-2024キーワード選定総合ガイド」で解説していますので、詳細はこちらの記事をお読みください。

キーワード選定が一通り終わったら、採用したキーワードをGoogleスプレッドシートかエクセルで1枚のシートに、「コンテンツマップ」としてまとめます。コンテンツマップでは各キーワードをカテゴリー・ジャンルごとにまとめ、月間検索数・執筆予定月・現在の作業のステータス・大まかな記事の方向性などの記入欄を設けましょう。

コンテンツマップのイメージー記事の書き方をマスターして企業ブログ・コラムの効果を最大化:SEO対策のポイントを解説【web担・初心者向け】

最初の段階できちんとコンテンツマップを作っておくことで、全体設計の部分での大きなミスを回避できます。コンテンツマップなしに書き始めると、似た内容・同じキーワードの記事がたくさん生み出される事態におちいりがちです。ブログを訪れたユーザーがどの記事を読めばいいのか迷子になってしまい、利便性がよくありません。
さらに、複数の記事が同一キーワードに対する検索結果にランクインすることも、SEO的には逆効果。検索エンジンからの評価を下げる「カニバリ」にもつながるからです。

やがて担当者が変われば、大量の似たような記事が並んでいるのを見て「うちのブログって、何の目的で書いてるんでしたっけ?あまり成果も出てないようですし、いらないですよね?」という話にもなりかねません。

SEO対策はすぐに効果の出る施策ではないため、通常は年単位で行いますが、取り組みが長期に渡るうちに目的を見失いがちです。企業ブログは必ずコンテンツマップを作成し、ねらう検索キーワードや取り組みの目的が誰の目にも理解できる形で、ブログを管理していきましょう。

ブログ記事のSEO対策のポイント2:記事ごとに最適な文字数で執筆しよう

「2,000字は書くことを目標にしてる」「4,000字をクリアするのが社内ルール」といった具合に、機械的に文字数を決めるのはNG。1,500字で十分、ユーザーの知りたい内容を説明できるキーワード(テーマ)であれば、1,500字でOKですし、10,000字を費やさなければ説明しきれない、といったテーマもあるでしょう。トピックごとに、最適な文字数は異なることを念頭においてください。

文字数は、検索結果で10位以内に入っている各記事の長さの平均を参考にするのがおすすめです。ただし、上位記事に文字数を近づける目的で、ボリュームを増やすためだけに、同じ内容を何度も繰り返したり、冗長な文章を書いたりするのはNGです。記事が長ければ長いほど読者の負担になりますし、不必要な繰り返しはコンテンツの質を下げます。あくまでも、「そのテーマを説明するために必要な文字数で執筆する」ことを忘れないでください。

関連記事【SEOライティングのコツ】内 適切な長さでコンテンツを制作しよう

ブログ記事のSEO対策のポイント3:構成案をきちんと作ろう

本文の執筆に入る前に、記事のタイトル・リード文・内容・話の展開・結論という骨組み部分を「構成案」として作成しておきます。基本的には、狙っているキーワードで検索結果の上位に表示される記事の内容を網羅したうえで、オリジナルの要素をプラスして、記事の構成を考えます。詳細なやり方と例は「構成案の作成」でご紹介していますから、ぜひ参考にしてみてください。

「書きながら考えたい」タイプの人もいますし「書いているうちに話の流れが変わる」ということもありますが、執筆前の構成案作成は非常に大切です。
構成案に沿って執筆すれば、書きながら記事の方向性に迷うことはありません。記事における各部のボリュームを意識して書き進められますから、「書きすぎて大幅に削除」という事態も避けられます。

企業ブログは担当者1人で書くのではなく、チームで作るもの

構成案があれば、執筆前の記事の内容を、複数人でチェックしやすくなります。企業ブログは担当者1人の知識・見解ではなく、企業としての総意に基づくものであるべきです。担当者だけにすべてを任せていれば、担当者の退職や異動で別の人が執筆することになった時、ノウハウがなくて困るだけでなく、書きぶりも大きく変わり、企業ブログとしての「質」が保てなくなってしまいます。

また、昨今はコンプライアンスの遵守が重視されていますから、企業ブログでは避けるべき話題や、執筆に注意が必要なテーマも多々あります。数千字のボリュームの記事が書き上がってから校正・修正で対応するより、箇条書きで数百字だけの構成案の段階で確認しておく方が、執筆者・校正者ともに負担が軽く済みます。全スタッフがチェックをするのは現実的ではありませんが、数人で確認するだけでも、炎上に繋がりそうなテーマには気づけますよ。

また、1人では考え付かなかったアイデアをもらえるので、記事の幅が広がるのも大きなメリットです。1人で記事を書き上げるのと、2人以上で作るのとでは、出来上がる品質が大きく異なります。複数人で取り組めば、記事のオリジナリティを高め、掘り下げるための「思考」の過程が飛躍的に時間短縮できます。企業ブログは「チームで書く」を徹底すると、クオリティが一気に高まりますよ。

「最終の意思決定は執筆者にゆだねる」をルールにしておけば、複数人での執筆もスムーズに

アイデアをもらえる・ファクトチェックをしてもらう、炎上リスクを考えてもらうなど、メリットが多々ある「チームでの執筆」ですが、チーム内で意見がまとまらない場合、執筆が進まなくなるリスクもあります。

チームで書く時のコツー記事の書き方をマスターして企業ブログ・コラムの効果を最大化:SEO対策のポイントを解説【web担・初心者向け】

「こっちの表現の方がいいのでは」「こういう内容は除外した方がよさそう」といった意見が出るのはとても良いことですが、全員が同意できない場合も当然出てきます。そこでおすすめは、「メインの執筆者は1人に決めて、チーム内で意見が割れたら最後はその人にゆだねる」というルールを作っておくことです。
メインの執筆者は議長的な役割として、メンバーの意見を加味したうえで、最終的な判断をしましょう。

ブログ記事のSEO対策のポイント4:ツールを使いこなそう

ここまでで紹介した「キーワード選定」「記事の文字数を決める」「構成案を作成するために検索結果の上位記事に目を通す」ですが、これらの過程で行う作業はいずれも、手順が決まっているもの。そして、実際にやってみるとわかるのですが、結構な労力がかかる作業でもあります。そこでおすすめしたいのが、SEOツールの導入です。

SEOツールを使うことで大幅に作業の効率アップがはかれます。ツールによって機能に差があるので以下の項目はあくまで一例ですが、キーワード選定作業にツールを活用すれば

・関連キーワードの一覧をリストにして抽出できる
・関連キーワードの検索ボリュームや競合性も一瞬でチェックできる
・業務に関係のないキーワードは1クリックで簡単に除外できる
・各種キーワードの関連性が視覚的に確認できる
・狙うキーワードで上位表示されている記事への他の流入キーワードを調査する

といったことが可能です。キーワード選定をやったことがある人なら、人力で行うのと比較すると、かなりの時間短縮になることが想像できるのではないかと思います。

SEO対策に近道なし!時間がかかるからこそ機械にできるところは機械に任せる

SEO対策には、じっくりと丁寧に時間をかけて人間の頭で考えるしかない部分と、機械的に行える作業の両方が含まれています。
例えば、ユーザーの検索意図を分析・推定すること、読み手のニーズを掘り下げるために丁寧なリサーチを実施すること、読者の心情に寄り添うため書きぶりを調整すること、などは、ツールには任せられない作業です。ここに全力を注ぎ、成果を出せる記事を作るには、その他の機械的な作業はできるだけツールに任せ、担当者の時間を捻出するのが成功へのカギです。

SEOに近道はありません。企業ブログでは「ポッと書いたブログが一夜にしてバズって突如、数百万のアクセスが集まる」なんてことは、まずありえません。あるとすれば、よほど運がいいか、炎上したかのどちらかです。SEO対策は狙いを定めて行う施策。限られたリソースを配分すべきところに配分することが、成果を最大化するために重要ですから、ツールを有効活用するという視点を持ってください。

SEO対策に近道なしー記事の書き方をマスターして企業ブログ・コラムの効果を最大化:SEO対策のポイントを解説【web担・初心者向け】

ツールには、無料・有料の両方があります。有料ツールは複数の機能を兼ね備えているものの費用が掛かります。一概に「無料だからイマイチ」「有料だからおすすめ」と言えるものではありませんが、有料ツールはコンテンツ制作の方針を詳細に提供してくれるものが多く、使い方の部分でつまづきさえしなければ、大幅な時間短縮と生産性アップにつながります。
月に1〜2本しか執筆しないのであれば無料でも十分だと思いますが、ブログに注力したいケースや、制作本数が多いケースでは、有料ツールの導入をおすすめします。

買い切りは少なく、月額で利用料を支払うスタイルが一般的ですから、契約すれば毎月の固定費が発生します。ブログからの収益がまだ出ていない段階で有料ツールを導入するのは、ハードルが高く感じられるかもしれません。無料体験版が用意されているツールも多いので、まずは試してみて、コストとのバランスを見ながら検討するのが良いと思います。具体的なツールの紹介や選び方は、以下の記事をご参照ください。

関連記事 【2023年最新版】SEOツールおすすめ22選! 無料&有料、選定方法も紹介

ブログ記事のSEO対策のポイント5:共感を呼ぶ・読者の気持ちに寄り添う書きぶりを意識しよう

企業ブログでは、記事の「書きぶり」もこだわるべきポイントです。「書きぶり」という言葉の定義ですが、ここでは、言葉づかい(言葉選び)・口調・執筆者の目線など、文章の印象を左右する要素を指して、「書きぶり」と表現することにしますね。

「書きぶり」は、読み手の心情に大きな影響を与えます。同じ話の展開・結論に向かって執筆しても、書きぶり一つで、記事の印象はガラリと変わります。

商品・サービスに興味を持ってもらい、購入・利用してもらうにはまず、読者に好印象を持ってもらうことが大前提です。当たり前のことを言っているように聞こえるかもしれませんが、いざ執筆をしていると、「書きぶり」は意外に見落とされがちな部分なんです。
具体例で見てみます。

(例)当社のシステムは、既存型経営へのデータ活用の高度化を超え、企業経営を根底からを変化させ、あらゆるマーケットと事業領域におけるスピーディーな変化にフレキシビリティを持って対応するための的確でスムーズな意思決定を可能にします。

ビジネスシーンで使われそうな、硬い文章を考えてみました。これをまずは、読みやすく・やさしく書き換えてみましょう。

(読みやすく・やさしくを意識した文章)
当社のシステムを導入していただくと、これまで経営に活かされなかった既存データが活用され、レベルアップできるだけではありません。企業の経営を根底から変え、あらゆる局面での急速な変化にも柔軟に対応できる、スムーズな意思決定ができるようになります。

続いて、会話調に書き換えてみます。

(会話調の文章)
ーーーシステムを導入すると、どんなメリットがあるのですか?
ーーーデータを活用することで、これまでの経営が大きく変わります。根拠にもとづいた意思決定が可能になることがポイントです。いろいろなシーンでスピード感を持ちつつも、柔軟な対応ができるようになります。まさに、経営が一段階、レベルアップするようなイメージです。

この3パターンの文章はどれも同じことを伝えようとしていますが、書きぶりで、伝わり方・読者への印象がかなり異なることがお分かりいただけるかと思います。

読者の気持ちに寄り添った描きぶりでー記事の書き方をマスターして企業ブログ・コラムの効果を最大化:SEO対策のポイントを解説【web担・初心者向け】

書きぶりもコンテンツの質を決める重要な要素

SEO対策では「ユーザーの検索意図にこたえる記事が良質な記事」ですから、コンテンツの質を上げるといえば一般に「読者の疑問・悩みを適切に解決すること」とされています。その認識はもちろん正しいのですが、「どんなふうに疑問にこたえるのか、どのように悩みを解決するのか」にこだわることも非常に大切です。

実際、SEO対策を意識して書かれた記事は、ライティングの部分で「読者の心情への配慮」が置き去りになってしまうケースも多いように見受けられます。「書きぶり」へのこだわりは、競合他社のコンテンツとの差別化にもなりますし、記事の質を上げるために大切なことです。

具体的にチェックしたいのは、以下の4点です。
(1)不快に思われるかもしれない書き方は避ける
(2)不安をあおる表現・過剰な言葉は選ばない(特に、タイトルや見出しは目立つので注意)
(3)タイトル・リード文で読者の興味をひく疑問を提示しているのに、本文にはその答えを入れていない
(4)「上から目線」「自慢」にならないようにする

意図的に、上記のような文章を書くブログ担当者はいませんよね。しかし、感じ方・受け取り方は人それぞれ。だからこそ、コンテンツ制作は難しいんです。
具体例でみてみましょう。

例えば(1)の不快に思われるかもしれない書き方 と、(2)の不安をあおる表現・過剰な言葉を考えてみます。

・こんな施策は無意味!まだやってるの?時代遅れ・オワコンのSEO対策
・最悪な企業ブログ〇選 実例公開!執筆累計1万本のプロライターが教える低レベル企業の見分け方
・「構成案を考えもせず、いきなり原稿を書き始めるのは最悪の一手です。そのようなやり方では、SEO対策が成功することは決してないと断言できます」
※あくまでも架空の一例です。

これらがもしタイトルに使われていたら、検索結果で目を引きますし、思わずクリックしたくなるようなキャッチーさもあります。しかし、企業のブログで使うには刺激が強すぎますし、なんとなく嫌悪感を覚えた人もいるでしょう。
「一発アウト」の表現もある一方で、一概に「この言葉はダメ」と言えない微妙なラインも存在しますから、慎重なスタンスで、十分に検討することが大切です。

(4)の「上から目線」「自慢」については、専門家であるがゆえの意見を述べようとする際に起こりがちです。他人を下げ、自分を上げるような言いぶりもNG。プロであることを強調した口調になると、高圧的な印象・読者を見下している印象を与えかねません。
もちろん、業界通だからこそわかること、経験を積んだからこそ語れることが読者にとって有益なケースは多いのですが、読者はあなたの「ファン」でも「生徒」でもありません。「偉ぶっている人から教えてもらいたい」という人はほとんどいないのです。

企業ブログ・コラムで注意する書き方ー記事の書き方をマスターして企業ブログ・コラムの効果を最大化:SEO対策のポイントを解説【web担・初心者向け】

それぞれの業界内で文化や背景が異なりますから、自分たちにとっての「当たり前」にもとづいて執筆すると、外部の人が読んだ時に「なんだかドヤ顔感がある文章」になっていたり「内輪で盛り上がっている感がにじみ出る文章」になっていたりすることもあります。「正しいことを教えてくれているんだろうけれど、なんとなく不快だな」と感じた読者は、ページから離脱してしまいます。

万人に好かれる文章を書こうとすると難しすぎて行き詰まってしまいますから、まずは「この記事を読みそうな人を傷つけない・不快にさせない文章を書こう」と考えてみてください。そのためには、どんな人が読者になりそうかを執筆前にしっかりと掘り下げ、ペルソナを固めておくことが重要です。

記事を読み終わった人が「この内容を知っておけてよかった」「なんとなく安心できた」「親切な記事だった」そんな感想・印象を持ってくれたら大成功。検索結果からあなたの記事をクリックしてくれたユーザーは、記事を読むために時間を使ってくれる、大切なオーディエンスです。「読まなきゃよかった」そんな気持ちにさせることのないよう、ユーザーにとってあらゆる意味で「有益」な内容を書くことを忘れてはいけません。

ブログ記事のSEO対策のポイント6:校正を複数人で何度も行う

記事が書き上がった後、いきなり公開に進むのはちょっと待って!原稿の校正も、記事作成の非常に重要な工程です。

おすすめは複数人で校正を行うこと。読み手の心情を適切に推測するために、校正チームを組んで、ターゲットに近い属性の人、そして、年齢・性別・部署が異なる複数のスタッフがいるのが理想的です。
そこまでの協力体制を取り付けるのは現実的ではないケースも多いと思います。可能な範囲で構いませんから、最低限「自分以外の誰かに読んでもらう」ようにはしましょう。

「記事に書かれている内容の事実確認」と「誤字脱字の確認」を別の人に依頼してもOK

校正者の負担を減らす目的で、記事内容の事実確認・正誤確認を含めた校正と、誤字脱字のみの校正のどちらかだけをお願いするのも手です。

誤字脱字のチェックは基本的に、日本語がある程度わかる人なら誰にでもできますが、記事に書かれている事実に誤認がないか・適切であるかのチェックは、その分野に詳しい人でなければ困難です。
記事で取り上げる分野について詳しく知っている人に誤字脱字チェックまで依頼すると校正スピードが落ちますから、ファクトチェックのみをお願いした方が効率的なケースがほとんどです。「誤字脱字チェックは、国語の得意な文系出身のスタッフに任せる」など適材適所で、校正を効率よく進めましょう。

記事の書き方をマスターして企業校正は複数人で行うーブログ・コラムの効果を最大化:SEO対策のポイントを解説【web担・初心者向け】

誤字脱字は「もったいない」

校正でまず確認するのは、誤字脱字ですよね。タイプミス・誤変換などの執筆するうえでどうしても起こる小さなエラーや、慣用句の誤用、企業ブログに掲載するには拙い言葉づかいなどは見落としなく修正しましょう。というのも、こういった誤字脱字が目につくだけで、読者の印象・記事全体の信頼性が大きく損なわれる可能性があるからです。

誤字脱字は記事の公開前に丁寧に確認すれば確実に防げる「うっかりミス」の代表格。誤字脱字があるだけで、丁寧に書かれていないことが伝わってしまいます。特に、企業ブログで誤字脱字や日本語的な誤り・稚拙な表現が複数目につく記事があれば「この会社、ちょっと大丈夫かな?」なんて印象にもつながりかねません。

誤字脱字が多い記事を読んでいると「よほど急いで書かれたんだろうな」「執筆者が書いた後、誰も確認せずに公開しているんだろうな」という気持ちになってきます。ひいては「この記事で紹介されている内容は信じて大丈夫かな?」「本当にきちんと調べて、正しい情報だと確認して書かれているのかな?」といった、読者の不信感にもつながってしまうんです。
誤字脱字という小さなミスのせいで、一生懸命リサーチして書いた記事全体の信頼性まで下げてしまうのは非常にもったいないことです。丁寧に読む、校正ツールを使用するなど確認を徹底しましょう。

校正は記事の質アップに直結!校正者からの指摘は「宝の山」

校正の目的は、文字のチェックだけではありません。内容についてのブラッシュアップも非常に重要です。

まずは記事全体から受ける印象や、要所要所の「言葉づかい」をチェックしてもらいましょう。ポイント5で紹介した通り、企業ブログは「書きぶり」にもこだわるべきですが、執筆者だけで読み手の気持ちを想像するのには限界があります。複数のスタッフに記事を読んでもらい、実際の感想を述べてもらうのが一番です。

次に、記事の内容について確認してもらいます。

校正者が「説明しきれていない」「なぜ◯◯なのか疑問」と感じたところ

論理展開に無理があったり、リサーチが不足していたりする可能性があります。特に、Google検索結果で自社より上位に表示される記事の情報をふまえ、きちんとリサーチして書いたにも関わらず、校正者が疑問を持った箇所は、「お宝ポイント」。該当キーワードで検索された際に表示される既存コンテンツの内容が、読者の検索意図を十分に満たせていない可能性が高いことを示している可能性があります。そこを深く掘り下げれば、他の記事とは一線を画した、魅力ある良質なコンテンツになる可能性があります。

校正者が「なんだかチグハグな感じがする」「どことなく違和感がある」と感じたところ

執筆者の前提としているターゲットと、校正者のイメージするターゲットがずれている可能性が考えられます。執筆者と校正者の間で「誰に向けて書いているのか」すり合わせを行いましょう。すり合わせの過程で、ターゲットのペルソナがより明確になり、結果的により良い記事になりますよ。

校正者が「もっと知りたい」と感じたところ

追記や関連記事への内部リンク設置を行い、情報を補います。リサーチで得た情報をすべて記事に活かすことは現実的には難しいので、執筆者の判断で割愛している情報も多いと思います。「どれを残して、どこを活かすべきか」も、読者目線で考慮すべきポイント。校正者の抱いた印象が大きなヒントになります。

校正者からもらえる指摘はどれも「宝の山」。ぜひ記事に活かしましょう。

ブログ記事の校正はチームでー記事の書き方をマスターして企業ブログ・コラムの効果を最大化:SEO対策のポイントを解説【web担・初心者向け】

校正をしてもらう際に大切な「心構え」

校正で記事をブラッシュアップするには、執筆者の気持ちの持ちようも大切です。

・修正提案はあくまで「文章に対するもの」
校正時の指摘は「ダメ出し」と受け取られがちです。書かれた文章への指摘であって、決して本人を責めるための言葉ではないのですが、まじめな人ほど「ダメ出しされてしまった」とショックを受けてしまいます。冷静に受け止め、落ち着いて修正しましょう。

・校正者からの修正提案・指摘の意図を理解する
校正者からの指摘や修正提案が入った箇所を、何も考えずに反映するのはいけません。次回から同じ箇所でつまづかないよう、校正者がなぜ指摘したのかよく考えてみましょう。

校正者が修正提案を入れたのには必ず理由があります。「なぜこの書き方ではダメなのか」「どうしてこの情報は削除すべき?」と理解できないところや、納得がいかないところは、校正者の意図を確認してください。校正に理由があるように、執筆者側にも理由・思いがあって書き上げた原稿です。執筆者の意図が原稿本文からはうまく伝わらないことで、校正が入っているケースもあります。双方のすれ違いを埋めることで記事の質も上がりますから、ぜひ前向きに取り組みたいところです。

基本的な信頼関係がないと、校正をする側・される側ともに心理的な負担になります。意見を言ってもらいやすい・受け入れやすい土壌を作るためにも、執筆者と校正者は日頃から良い人間関係を築けるといいですね。

ブログ記事のSEO対策のポイント7:入稿時はタグを正しく記載しよう

記事を投稿する際にはWordPressといったCMS(コンテンツ マネジメント システム)を使っている企業が多いかと思います。見出しや強調・箇条書き・引用などは、記事の中で該当箇所の「見た目」を変えるだけではなく、検索エンジンに「この記事はこういう内容のことを書いていますよ」と伝える役割もあります。
見出しタグを使うのはもちろんのこと、テキスト部分だけでなく、画像にもきちんとaltタグを入れるなど最適化しましょう。
詳しい手順は【SEOライティングのコツ】内 検索エンジンに記事の構造を認識してもらうため、タグを適切に配慮 で解説しています。

ブログ記事のSEO対策のポイント8:「書きっぱなし」にしない

記事の公開後は、データ計測と、定期的なチェックは必須です。執筆段階ではあくまで、ユーザーの気持ちの「推測」にもとづいて記事を書くしかありません。推測が適切だったか確認し、さらに改善(=記事の「リライト」)できないかを検討することが非常に重要なんです。

効果計測が重要ー記事の書き方をマスターして企業ブログ・コラムの効果を最大化:SEO対策のポイントを解説【web担・初心者向け】

まずはデータがなくては始まりません。自然検索での順位や、クリックにつながったクエリなどがチェックできるGoogleサーチコンソールと、webサイト上でのユーザーの行動が確認できるGoogleアナリティクスは、ともに必須ツールです。どちらも最初に登録・設定しておかなければデータの計測ができませんから、ブログの投稿を始める前に、必ず確認しておきましょう。

関連記事 【SEOキーワード選定のやり方】内 サーチコンソール、アナリティクスの設置・計測状況は必ず確認を

企業ブログの書き方・SEO対策の注意点

最後に、やってはいけないこと・気をつけるべきことをご紹介しておきます。

コピー&ペーストは絶対NG

上位記事の内容を取り入れるのが大切とはいえ、コピーは絶対にNGです。倫理的に問題があるだけでなく、SEO的にも逆効果です。今は、コピペを見抜ける無料ツールもたくさん公開されていますから、その気になればあっという間に調べられます。
企業ブログは注目度も高いですから、ちょっとしたコピペでも、場合によっては炎上や訴訟騒ぎなど予想外の問題に発展する可能性もあります。絶対に避けましょう。

古いSEO対策に気をつけて

Googleの検索エンジンはこれまで幾度となくアップデートを繰り返し、その精度を向上させてきました。そのため、一昔前には効果のあったSEO対策の施策が、最近では効果がない、といったこともよくあります。

効果がないだけならまだ良いのですが、場合によっては、Googleからのペナルティを受ける可能性もあります。被リンクを不正な手段で取得する、関係ないキーワードを多用するなどの手法は「ブラックハットSEO」と呼ばれ、御法度です。このような施策を堂々とおすすめしているサイトは今では滅多に見かけなくなりましたが、「すぐに効果が出る」「あっという間に上位表示ができる」といった文言で営業をかけ、実際に何を行うかを明かしていない業者には注意しましょう。

企業ブログは書き方をおさえれば成功する

SEO対策にも、ライティングにも、成果を出すには「やり方」があります。「なんとなく書いている」では成果が出にくい一方、ポイントをはずさずに取り組み、コツコツと記事数を充実させていけば必ず効果が出てくるのも、企業ブログのおもしろいところです。

サーチコンソールやアナリティクスなどでデータの計測を継続し、成果が目に見えて出てくるようになれば、やりがいはひとしおです。担当者の方は、最初は大変に感じるとは思いますが、「企業サイトを育てる」つもりで、楽しみながら取り組めるといいですね。

自社ブログを投稿する、運営するオウンドメディアでコラムを公開する、などの場面で必須の「SEOの知識」と「ライティングの技術」。検索結果の上位に表示されるwebサイトを育てるにはSEOライティングのスキルが欠かせません。
webライターだけでなく、企業のブログ担当者やマーケティング部門に所属する人も、SEOライティングの勉強の必要性・重要性を感じる場面があるかと思います。

今回は、SEOライティングに関連する資格・役立つ資格に注目し、取得のメリット・デメリットから、各資格の概要と認知度・受験の条件・受験費用・合格率などをまとめてご紹介します。スキルアップを目指したいライターの方はもちろん、SEOライティングが出来るライターさんを探して求人をかけている企業の担当者も、資格についての理解を深めることで、採用や外注先選びの材料にしていただければと思います。

ご存知の通り、SEO対策もライティングも、資格を持っているからといって必ずしも成果が出せるわけではありません。しかし、資格はライターさんにとって自身のスキルを証明する手段ですし、企業側にとっては求める能力をはかる手がかりであることは間違いありません。ぜひ参考にしてみてください。

SEOライティングについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。

SEO ライティング 記事バナー

【SEOライティングの資格・検定11選】おすすめ?意味がない?資格取得の考え方から難易度まで

SEOライティングに関する資格とは?SEO・ライティング分野での資格取得は重要?

SEOやライティングについての知識・技能を証明するには、いくつかの資格があります。いずれも民間資格で、国家資格はありません。
「SEOライティング」という名前のついたメジャーな資格は現在のところ存在しませんが、「SEOに関する資格」と「ライティングに関する資格」は複数あります。

SEO記事を書くために資格は不要

SEOライティングは、医師や弁護士のように「資格を取得しないと、やってはいけない仕事」ではありません。さらに、ライティングだけについて言えば、日本語の読み書きができる一般の人なら特別な準備がなくとも、ある程度、対応できますよね。実際、webライティングは人気の副業の1つです。

一方、SEO記事の執筆・校正に携わった経験者ならご存知の通り、「成果の出るSEO記事を書ける人」「SEO対策の知識と、ライティング能力の両方を高いレベルで兼ね備えている人」は、ほんの一握りしかいません。
「ライティングができること」と、「SEOライティングやコンテンツのディレクションができること」は、別物。例えば、SEOライティングができる人でも、SEO対策のためのキーワード選定ができるとは限りません。

・「ライター暦◯年、◯本以上、制作の実績があります」というライターさんに依頼したけれど、納品された記事は「てにをは」がおかしいうえ、誤字脱字だらけ
・文字単価の高いライターさんなのに、提出されるのは「どこかで見た気がする」内容の記事ばかりで、価格に見合っていると思えない
・「SEOライティングができます」というライターさんに執筆してもらっているのに、ちっとも効果が上がらない

以上のエピソードに心あたりのある企業担当者の方も多いのではないでしょうか。

また、ライターさん側でも「プロフィールのページにポートフォリオを掲載してもなかなか読んでもらえず、案件獲得につながらない」というお悩みはよくあるようです。

「本当にSEOライティング能力のある人にお願いしたい」という依頼側のニーズ、「SEOの知識とライティングのスキル、両方を身につけていることを示したい」という受注側のニーズ、その両方にこたえられる可能性があるのが、資格なんです。

SEOライティングで資格を取得するメリット

他のライターとの差別化ができる

資格を取得することで、SEO知識とライティング技能について一定のレベルをクリアしていることを客観的に証明できます。
資格を持っていると就職や転職で有利に働きますし、フリーランスのライターさんなら所持している資格をプロフィールに載せておくことで「この人は、真面目で勉強熱心だ」といった印象を持ってもらえます。人柄や、仕事への姿勢を伝える効果もあるでしょう。

体系的に学び直す機会が得られる

SEOの知識やライティングの技術を、テキストや、講義などで学べる機会はそう多くはありません。詳しく解説してくれているコンテンツがインターネット上にあふれていますから、それらを参照しながら自己流・独学で取り組んできたという人、また、会社で先輩から教えてもらったという人が多数派ではないでしょうか。
もちろん、適切な情報に基づいてきちんと取り組みさえすれば成果は出せるのですが、どうしても、学べる内容や、分野ごとの知識レベルにバラつきが出てしまいます。

・「自分の興味のあるところ」「業務上、必要性が高かったところ」についてはかなり詳しいけれど、そうでないところは初歩的な知識で止まっている
・苦手意識があって、わからないままになっている領域がある

上記のようなケースでは、資格取得のために改めて勉強しなおすことは、SEOライティングの全般について正しい知識を体系的に身につけるチャンス。これまで培ってきた経験と知識を整理するきっかけになります。

SEOライティングで資格を取得するメリットー【SEOライティングの資格・検定11選】おすすめ?意味がない?資格取得の考え方から難易度まで

SEOライティングの資格を取る際のデメリット・注意点

気をつけておきたい所とデメリットも確認しておきましょう。代表的なデメリットは資格取得のために時間と費用がかかることですが、そればかりではありません。

民間資格はレベル感も認知度もさまざま

後ほどご紹介しますが、SEO対策の資格、ライティングの資格ともに、さまざまな団体が資格試験を実施しています。それぞれの資格のホームページを見比べてみるだけでも、問題のレベル感や、受験者の層などが、資格ごとでかなり異なるであろうことが伺えます。

数年の実務経験があるプロでなければ受験自体が難しく、かつ、数年に一度の更新が求められるようなハイレベルな資格もあれば、まずは基本から勉強してみたい、という初心者向けの資格もあります。資格の名前だけ見ていても実情は分かりませんが、蓋を開けてみれば「◯◯検定はすごくレベルが高い」「◯◯試験は一般常識のような内容で、専門性を証明するとは言い難い」なんてこともありえます。

さらに、資格の認知度もさまざま。例えば、英検やTOEICのようによく知られた資格なら「英検1級」「TOEIC900点」のように記載することで確実なアピールになりますが、SEOやライティングの領域の場合、資格によっては、所持していてもどの程度プラスに働くか未知数、という部分もあるのです。

資格が実務にどこまで活かせるかは本人次第

どんな資格もそうですが、資格を持っているからといって必ずしも、それが実務での能力につながるとは限りません。特にSEO対策は、検索エンジン(=Google)からの評価を獲得し、検索結果での上位表示を目指すという性質上、「資格が100%成果につながる」とは言い難い部分があります。

Googleのアルゴリズムは非常に複雑で、200以上もあるとされている評価基準は公開されていません。公式に発表されているガイドライン(検索セントラル:外部リンク)はあれど、明らかにされているのはあくまで「絶対にやってはいけないこと」と「評価の方針」のみ。具体的にどのようなSEO対策が有効かはケースバイケースですから、経験値と推測にもとづいて「実践するしかない」部分がかなり大きいんです。

基礎知識をしっかり持っておかなければ話にならないのは事実ですが、資格があっても成果を出せるかは別問題。その意味では、資格の効力は限定的です。

関連記事 【SEOキーワード選定のやり方】内 「検索エンジン=Google」である理由

「資格を取ればそれでOK」ではない

資格取得を目指して勉強を積み重ね、めでたく合格しても、そこで知識のインプットが完了するわけではありません。どんな業種・業界でもそうですが、SEO業界は特にその傾向が強いんです。
検索エンジンの精度向上のため、Googleはアルゴリズムのアップデートを頻繁に行います。アップデートの内容や規模はさまざまですが、多かれ少なかれ検索結果に影響を与え、順位の入れ替わりが起こります。最新の知識を取り入れるよう意識的に情報収集を続けなければ太刀打ちできない日進月歩の業界ですから、資格取得後も継続的な勉強は必須です。

資格の取得を検討するなら、これらのメリット・デメリット双方を考慮することが大切です。

続いて、SEOライティングで使える主な資格を、「SEO対策」と「ライティング」の2つの軸からご紹介していきます。

SEO対策の資格6選:認知度・受験費用・受験資格・合格率

各資格について、特徴と認知度(※)・受験資格・受験費用・合格率を一覧にしました。情報は本記事執筆時点(2023年)のものですので、最新の内容は各リンク先でご確認ください。

※「認知度」はSEOツール「パスカル」を使って計測した該当資格の月間検索ボリュームを参考に算出した独自の指標です。月間検索数が100未満を★、100〜1,000を★★、1,000以上を★★★としています。

(1)SEO検定(一般社団法人全日本SEO協会)

認知度:★★
受験の条件:なし
受験費用:5,000円(税込5,500円)〜8,000円(税込8,800円)
合格率:69%(2022年度・全級の平均)
公式サイト:https://www.ajsa.or.jp/kentei/SEO/(外部リンク)

SEO検定ー【SEOライティングの資格・検定11選】おすすめ?意味がない?資格取得の考え方から難易度まで

画像引用元:一般社団法人全日本SEO協会ウェブサイト

SEOの技術を体系的に、トータルで習得できる資格。初心者向けの4級から、上級レベルの1級が用意されています。公式テキストが用意されており、ゼロから学んでみたい、という人もチャレンジ可能です。「ダウンロード学習コース」では、テキストと動画を活用しながら自宅でも取り組め、忙しい人でも便利です。
検定試験は東京・大阪をはじめ全国11の会場で開催され、合格者は、認定ロゴを名刺や印刷物に掲載できます。

(2)認定SEOコンサルタント(一般社団法人全日本SEO協会)

認知度:★
受験の条件:なし(※認定SEOコンサルタントになるにはSEO検定の合格が必須)
受験費用:SEO検定を受ける費用に加えて、専用カリキュラム受講料165,000円(税込)
合格率:公式サイトでの発表なし
公式サイト:https://www.web-planners.net/SEOconsultant/(外部リンク)

認定SEOコンサルタントー【SEOライティングの資格・検定11選】おすすめ?意味がない?資格取得の考え方から難易度まで

画像引用元:認定SEOコンサルタント養成スクール募集案内

コンサルティングサービスを提供する・社内SEOを成功させるチームリーダーとなる力を身につけることを目的とした、より実践的な力を習得するための資格です。

(1)でご紹介したSEO検定と同じく、全日本SEO協会が提供しています。「認定SEOコンサルタント養成スクール」の3ヶ月間のセミナー形式のカリキュラムを受講したうえで、SEO検定を受験・合格し、加えて卒業課題の認定審査も通過した人が認定SEOコンサルタントとして認められます。合格者には、登録証とバッジが授与されます。

(3)認定SEOスペシャリスト(一般社団法人全日本SEO協会)

認知度:★
受験の条件:SEO検定の合格
受験費用:SEO検定を受ける費用に加えて、専用カリキュラム受講料82,500円(税込)
合格率:公式サイトでの発表なし
公式サイト:https://www.web-planners.net/SEOspecialist/(外部リンク)

認定SEOスペシャリストー【SEOライティングの資格・検定11選】おすすめ?意味がない?資格取得の考え方から難易度まで

画像引用元:認定SEOスペシャリスト養成スクール

こちらも一般社団法人全日本SEO協会が提供する資格で、即戦力の社内SEOリーダーに必要な知識・実務力を身につけるための資格です。
2回の講座を受講したうえでSEO検定を受験・合格し、卒業課題の提出・認定を経て、認定SEOスペシャリストになれます。合格者には、認定書・認定ロゴ・登録証・バッジが授与されます。

(4)ウェブ解析士(一般社団法人ウェブ解析士協会)

認知度:★★★
受験の条件:なし
受験費用:17,600円(税込) ※別途、公式テキスト(4,400円)の購入が必要
合格率:93%
公式サイト:https://www.waca.associates/jp/(外部リンク)

ウェブ解析士ー【SEOライティングの資格・検定11選】おすすめ?意味がない?資格取得の考え方から難易度まで

画像引用元:2023年度ウェブ解析士認定試験

ウェブ解析のデータを読み解いてマーケティングに活用できるスキルを身につけられます。公式テキストの他に認定講座も開催されています。試験の回数は年に22回で、14日間の開催日程中はいつでもどこでも受験可能です。
合格者には、試験合格のデジタルバッチと、ウェブ解析士認定証が発行されます。
資格有効期限は毎年12月までで、翌年も資格を維持するためには、会員資格の更新が必要です。

(5)SEOマーケティングアドバイザー(一般社団法人日本技能開発協会)

認知度:★
受験の条件:なし
受験費用:11,000円(試験のみ)、49,500円(試験+テキスト教材)
合格率:公式サイトでの発表なし
公式サイト:https://jsada.org/index.php/SEO_marketing_adviser/(外部リンク)

SEOマーケティングアドバイザーー【SEOライティングの資格・検定11選】おすすめ?意味がない?資格取得の考え方から難易度まで

画像引用元:SEOマーケティングアドバイザー

幅広い分野の検定試験を提供している一般社団法人日本技能開発協会による、SEO資格です。試験の内容は初級レベルで、インターネットに関するビジネスで必須のスキルや、コンテンツ制作時に必要となる知識などを学べます。専用テキストだけで十分に対策できるよう設計されているので、未経験者でも挑戦できます。
在宅で受験する30問の選択・記述式の試験で、70点以上で合格です。SEOはまったく初めて、という人向けの資格です。

(6)Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)

認知度:★★
受験の条件:なし
受験費用:無料
合格率:公式サイトでの発表なし
公式サイト:https://skillshop.exceedlms.com/student/path/525062-google?sid=41a06cf5-d446-4418-8d86-9890b25fc25e&sid_i=5(外部リンク)

Googleアナリティクス認定資格ー【SEOライティングの資格・検定11選】おすすめ?意味がない?資格取得の考え方から難易度まで

Google公式の認定試験であり、 Google アナリティクス4の習熟度を認定する資格です。プロパティの設定と構成、各種レポートツールや機能の使い方など、Google アナリティクス4を理解し、ノウハウを身につけていることを証明できます。合格後の有効期限は12ヶ月です。
好きなタイミングでオンラインで受験ができ、合否は受験後すぐに通知されます。
Googleが無料で公開している学習コンテンツを利用して、試験勉強が進められるのもポイントです。

ライティングの資格5選:認知度・受験費用・受験資格・合格率

続いて、ライティング関連の資格を見ていきます。

(1)WEBライティング技能検定(一般社団法人日本クラウドソーシング検定協会)

認知度:★★
受験の条件:WEBライティング技能検定講座(32,000円)を受講すること
受験費用:6,000円(税込)
合格率:47.2%(第1回〜96回の通算)
公式サイト:https://crowd-kentei.or.jp/about_test/about_web_writing_proficiency_exam/(外部リンク)

WEBライティング技能検定ー【SEOライティングの資格・検定11選】おすすめ?意味がない?資格取得の考え方から難易度まで

画像引用元:​​WEBライティング技能検定

クラウドソーシングで働くために必要なビジネスマナーや基礎知識、文章作成技術などを有していることを示す資格です。合格者は「Webライティング実務士」に認定され、ランサーズやサグーワークスといったクラウドソーシングサイトで各種特典が受けられます。

(2)WEBライティング能力検定(一般社団法人日本WEBライティング協会)

認知度:★★★
受験の条件:なし
受験費用:13,500円(学生割引あり、中高生・大学・短大生は半額)
合格率:25〜30%(1級)

コピーライティング・メールライティング、SEO、倫理・法律、炎上対策などの6科目についての技能を有することを示す資格です。受験者全員に同じ問題が出題され、得点に応じて1級から3級が認定されます(3級の基準点に到達しなかった場合は資格は与えられません)。
希望者には、勉強用としてテキストとYoutube動画、論文の添削サービスがセットになった講座が用意されています。
合格者は日本WEBライティング協会のバナーを自身のwebサイトや印刷物などに自由に掲載できます。有効期限は2年間で、2年ごとに更新が必要です。

(3)WEBライター検定(クラウドワークス)

認知度:★★
受験の条件:クラウドワークスへの登録が必要
受験費用:無料〜25,000円(級によって異なる)
合格率:4%(2019年12月末のデータ)
公式サイト:https://crowdworks.jp/skill_tests/web_writer_3_kyu(外部リンク)

WEBライター検定-【SEOライティングの資格・検定11選】おすすめ?意味がない?資格取得の考え方から難易度まで

画像引用元:WEBライター検定3級

クラウドワークスのサイト内で実施されているスキル検定の一つで、レベルが高い順に1〜3級まで用意されています。
合格者は、クラウドワークスのサイト上で、プロフィール画面に合格証が表示され、受注率アップにつながります。1級に合格すると、高単価な案件のスカウトが優先的に届く特典もあります。

(4)日本語検定(特定非営利活動法人 日本語検定委員会)

認知度:★★★
受験の条件:なし
受験費用:2,200円〜6,800円
合格率:公式サイトでの発表なし
公式サイト:https://www.nihongokentei.jp/(外部リンク)

日本語検定ー【SEOライティングの資格・検定11選】おすすめ?意味がない?資格取得の考え方から難易度まで

画像引用元:日本語検定

文部科学省が後援している検定試験で、漢字・表記・敬語・語彙・言葉の意味・文法の6領域と、読解問題などが出題される、日本語の総合的な能力をはかる試験です。最も難しい1級から準7級まで認定級が14種類あり、小学生から社会人まで、レベルに応じた級を受験できます。

(5)文章読解・作成能力検定(公益財団法人 日本漢字能力検定協会)

認知度:★★
受験の条件:なし
受験費用:2,000〜4,000円(税込)
合格率:公式サイトでの発表なし
公式サイト:https://www.kanken.or.jp/bunshouken/(外部リンク)

文章検定ー【SEOライティングの資格・検定11選】おすすめ?意味がない?資格取得の考え方から難易度まで

画像引用元:文章読解・作成能力検定

文章でのコミュニケーション力や論理的思考力、「コミュニケーション力」を高めることを目的としている検定試験です。試験のための勉強を通じて、相手に伝わる文章作成能力を全般的に、幅広く向上させます。公式サイトでは、大学受験の他に、ビジネスの場面でも活用するケースが紹介されています。

【番外編】SEOライティングに活かせる可能性大!「専門分野」の資格

SEOライティングのスキルそのものを示すものではありませんが、専門分野の資格も、大いに活用できる可能性があります。これまで他の分野での経験がある方の場合、すでに持ってる資格が活かせるケースも多いんです。

例えば、資産形成や金融に関する記事を書くライターであれば「ファイナンシャルプランナー」、観光地に関する記事を書くなら「観光プランナー」、などポートフォリオに記載しておくと、クライアント企業から選ばれやすくなるでしょう。

専門性の高い記事を書けることは大きな強みですし、そのようなライターを選びたいと思っている企業も多いものです。改めて、キャリアの棚卸しをしてみるといいかもしれません。

また、「業務ではないけれど、趣味が高じてかなり知識がついた分野がある」という人もいますよね。最近は多彩な民間資格が登場していますから、趣味も資格にできるかもしれません。温泉めぐりが好きな人なら「温泉ソムリエ」、釣り好きな人なら「おさかな検定」などがあります。難易度が高そうでなく、手軽に受験できる資格なら、新たに取得してみるのも良いかもしれません。

SEOライティングで資格を取得するための勉強の方法

資格によっては、専用の講座や教科書が用意されていますが、それ以外のケースでは、自分で勉強することになります。

おすすめは、実績のあるSEOコンサル会社・コンテンツ制作会社などが公開しているコラムを参考にすることです。特に、著者が名前や経歴などプロフィールを明らかにして書いている記事は信頼性が高く、実務にも大いに役立ちます。
体系だって学べた方が効率が良いですから、ある程度まとまった量の記事があるサイトを探しましょう。
また、Youtubeなどで動画コンテンツを配信している会社も増えていますから、スキマ時間にも知識のインプットがしやすいと思います。

書籍を参照するのももちろんOKですが、SEO関連の書籍は、出来るだけ最新のものを選んでくださいね。

まとめ:SEOライティングの資格は「使い所」を理解して役立てて

SEOライティング関連の資格を取得することで得られるメリットもありますし、取得の過程で行う勉強は必ず実務でも役に立ちます。ただし、SEOライティングは資格の有無に関わらず、実践の中で学ぶことが大切だということを忘れないでください。そしてもちろん、資格を取る・取らないに関係なく、ずっと勉強し続ける姿勢が重要です。

ライターさんなら、資格はあくまで手段の一つと考え、「活用する」という視点を持つと良いでしょう。採用する企業側は、資格の名称や印象だけで決めるのではなく、きちんと調べてレベル感を考慮のうえ、ライターの経験や人柄なども含めて、採用・依頼を総合的に判断できるといいですね。

自社でコンテンツマーケティングを行う企業やオウンドメディアを運営する企業が増えてきました。しかしながら、ツールを導入し、キーワード選定を行うところまではできても、そのあとの数十本、数百本の記事執筆に、社内リソースを割き続けるのはかなりの負担です。一般消費者向けのジャンルならまだしも、専門性の高い記事が要求されるなら、ライティングにかかる労力も相当ですよね。そんなときは、SEOライティングの外注を考えてみてはいかがでしょうか?

一口に外注と言っても、依頼先はさまざま。質の良いライティングを行うためには優秀なライターの獲得が欠かせません。
今回は、コンテンツマーケティング・コンテンツSEOを行う企業向けに、ライティングの外注について解説します。

なおSEOライティングについてもっと詳しく知りたい方は以下の記事もご参照ください。

SEO ライティング 記事バナー

 ライター選び【SEOライティングの外注】依頼のポイントとWebライター・業者選びの注意点は?

ライティングの外注:外注先の種類と依頼するメリット・デメリット

SEOライティングの外注先にはたくさんの種類があり、どこに依頼すればいいか、迷ってしまいますね。
初めに、どのような外注先があるか書き出し、それぞれのメリットとデメリットと合わせてお伝えします。

外注先①フリーのライター

在宅でできる仕事を求め、ライターを目指す人が増えています。母数が増えているので、「募集をかけたのに、ライターが1人も見つからない」事態にはまずなりません。
その分、大変なのが応募者の力量の把握です。ライティング案件で募集を行えば、たくさんのライターさんが応募してきてくれますが、案件に合ったライターさんの選定には苦労します。

フリーのライターさんに依頼するメリット

フリーライターに依頼するメリットは、価格交渉や急ぎの対応、再修正などの面で、融通が利きやすいことにあります。
フリーランスであれば、個別の契約になりますので、専門業者を介した発注の場合と比べ、交渉次第で柔軟に対応してもらえます。

フリーのライターさんに依頼するデメリット

身元が保証されていない場合もあるので、企業の文章執筆を依頼するなら、信頼できそうな人物かをクリアにしておく必要があります。特にクライアントの機密情報に触れる仕事や、サイトの操作といった大きな責任がともなう部分を任せる際は必須です。

一人ずつ契約を交わし、イチから説明しなければいけないという面でも、フリーのライターさんに依頼するのは、やや効率が悪いかもしれません。

また、文章を書くのが上手でも、SEO対策の知識がないとSEOライティングはできません。本人が「できる」と言っても、そのレベルは人それぞれ。ポートフォリオや執筆実績をよく見てから依頼しましょう。

外注先②クラウドソーシング

クラウドソーシングとは、ネットを介して仕事を依頼するビジネス形態を指します。
圧倒的にシェアが高いのは、「クラウドワークス」と「ランサーズ」でしょうか。

クラウドソーシングで依頼するメリット

クラウドソーシングに登録しているライターさんの個人ページでは、料金が明らかにされていたり、ポートフォリオが見られたりと、確認項目が一通り揃っています。複数のライターさんを比較しやすく、依頼した際のイメージを具体的にしやすいのがいいところです。メッセージ機能を活用すれば、システム上で気軽に質問や依頼ができます。
安く受注してくれるライターさんも多いので、低額の案件を多数抱えている場合などは、利用してみる価値はありそうです。

クラウドソーシングで依頼するデメリット

登録に手間がかかる場合があります。また、本名を明かさずとも仕事ができる設定も選べるので、そのようなライターに依頼する場合は、フリーランスと同様、機密情報の取り扱いには注意が必要です。

また、クラウドソーシング会社への手数料も必要です。初回だけではなく、依頼の都度、かかり続けるコストです。ライターさんもクラウドソーシング会社に手数料を払っていますから、そこで引かれる分を考えると、値段交渉もしづらい傾向にあります。
どのクラウドソーシング会社でも、サイトを経由しない直接の契約は禁止されています。

外注先③コンテンツ制作会社・SEO専門会社・SEOコンサル会社・執筆代行業者

Webコンテンツを専門に制作している会社や、SEO業者・SEOコンサルティングを行う会社に依頼すれば、専門性の高い分野のライティングも安心して任せられます。

専門業者に依頼するメリット

SEOライティングを専門的に行う会社へ依頼すれば、ライターへ依頼したときにありがちな「SEO効果が出ない」事態を防げます。そのような会社は多数のライターを抱えていますから、たまたま自社案件にそぐわないライターがあてがわれた場合も、スムーズにライターを変更してもらえるでしょう。

医療系や金融にかかわるカテゴリーでは、特に高い専門性が要求されますから、ライターへの教育が徹底された専門業者に外注するメリットは大です。

専門業者に依頼するデメリット

SEO関連の専門業者に依頼すると、キーワード選定やSEO対策全般のコンサルがセットになるケースも多いでしょう。自社で執筆するのと比べ、格段に費用がアップし、月に100万円以上かかるケースもザラです。
小さい規模の会社で、このような業者を利用するのは、費用の面で現実的ではないかもしれません。

外注先④社員の紹介・個人的なツテ

企業の文章のライティングにはビジネスや業界への理解が欠かせません。その点、知り合いや取引先の紹介なら安心ですね。

紹介でライターを探すメリット

知り合いの企業で実績のあるライターや、素性の知れた信頼できるライターに出会える可能性が高いのがメリットです。交渉の時間が短縮できるのも魅力的です。

紹介でライターを探すデメリット

引き合わせてもらったライターが自社の案件にそぐわなかった場合、紹介者の手前、ライター変更が難しい状況に陥るかもしれません。特に紹介者が取引先であると、今後の関係を考えて、泣く泣く依頼を続けるしかない、という状況もありそうです。
下手に紹介してもらうより、自分で探したほうが納得のいく外注ができるかもしれませんね。

SEOライティングを外注するメリット・デメリット

ここからはSEO対策を意識したライティングという観点から、外注のメリットとデメリットをお伝えします。

SEOライティング外注のメリット

メリットデメリット【SEOライティングの外注】依頼のポイントとWebライター・業者選びの注意点は?

①時間短縮ができる

社内リソースでライティングを行うということは、日本語の校正や内容の精査、SEO視点のチェックなど、すべてを社内で済ませなければなりません。

「文章を書く」だけなら、小学生のうちから皆さん経験がありますから、簡単と思うかもしれません。でも、5,000字、1万字の記事となると、ほとんどの方は未経験。5,000字は原稿用紙で12枚以上です。ちょっと想像できないですよね。

小学生の作文は1,000字くらい、SEO対策記事は3,000〜1万字くらい、書籍は8~10万字くらいです。文字数が増えれば、話の展開や書き方が変わりますし、ましてやSEOライティングでは、検索エンジンに選ばれるための書き方をしなければなりません。

すべて社内で行おうと思ったら、ライティング担当者だけでなく、校正者やサイト運営担当者など、全員で勉強し、チームで行うしかありません。

手間の削減と時間短縮を考えたら、SEOライティングは外注が現実的だ、と思う人も多いのではないでしょうか。

②トータルで考えたときのコスト削減につながる

「社内リソースで執筆すれば“無料”」なんて思うのは大間違い。ほとんどの場合で3,000字以上、時には1万字以上ものボリュームを執筆することになるSEOライティングを、長文の作成に不慣れな一般企業の社員が、すんなりと書けるでしょうか。

ブログの執筆経験がある、文系出身で論文を書いたことがある、といった「適任者」に任せたとしても、SEOライティングには勉強が必要なので、そのための工数を確保しなければなりません。

一万字の記事となれば、専門ライターでも40時間以上をかけるケースも珍しくありません。SEO専門ライターへ依頼する費用と、社員一人を記事執筆のために何十時間も拘束するのと、どちらがコスト削減になるでしょうか?

「餅は餅屋」と言いますが、社内リソースは本来の業務に向け、ライティングは専門ライターに任せるのが賢い選択かもしれませんよ。

③専門知識を効率よく学べる

社内でSEOライティングを行う場合は、ネット情報や書籍などで勉強していくしかありません。「会社でSEO知識のある人を雇う」選択肢もありますが、Web制作会社やSEOコンサル会社でなければ、ハードルの高いケースも多いものです。

ここでSEOライティングのスキルのある人に外注すれば、自社で勉強する必要がなくなります。わからないことは質問すればその場で解決しますし、素人では考えの及ばないことも先回りしてアドバイスがもらえるでしょう。

④コンテンツ制作に多角的な視点を取り入れられる

複数ライターに依頼すればその分、多様な視点が取り入れられます。設定したペルソナに近い人や、特定分野に詳しい人など、あえてキャラクターの違うライターに依頼するのも手です。

SEOライティング外注のデメリット

ここでは考えられるデメリットを5つ挙げておきます。

情報流出に注意【SEOライティングの外注】依頼のポイントとWebライター・業者選びの注意点は?

①ライターの得意分野や力量による品質のバラつき

担当ライターの執筆実績やライティングスキル、案件との相性によって、納品される記事の品質にはばらつきが出ます。

品質が担保された記事を安定的に納品してもらいたいなら、納得できる力量のライターを確保する必要がありますが、自力で見つけられないなら、専門業者を介して依頼をしたほうがいいですね。
それでも急なライター変更が起こることもありますし、同じライターでも状況や分野による質のバラつきは避けきれません。納品物のクオリティが「いまいち」な場合、最後は社内のスタッフで帳尻合わせをすることになるかもしれません。外注するうえでは考慮しておかなければならないポイントです。

②依頼先によってはコスト増

クラウドソーシングやフリーランスライターであれば、価格が抑えられる場合が多いのですが、専門業者に依頼するとなると、むしろ価格は跳ね上がります。費用対効果を考え、売り上げを上回る費用が発生する事態に陥らないように、依頼前に十分に試算してください。

③コミュニケーションコストの増大

意外に大変なのが、外注ライターとのコミュニケーションです。専門業者に依頼しても、依頼内容の詳細をくまなく伝えなければ、SEO対策で成果は出せません。

伝えるべき事項は、

・企業概要
・企業の成り立ち
・取引先企業
・売りたい商品やサービス
・SEO対策の目的
・目標数値

など多岐にわたります。実際の執筆に入れば、

・企業スタンスと書かれたニュアンスが異なる
・クライアント企業でのNGワードが使用されている
・自社の商品・サービスの説明が間違っている
・文章のテイストがターゲット層に合っていない

とすり合わせが必要な事柄が次々と浮かび上がってきます。
場合によっては「これを全部伝えるくらいなら、自分で書いたほうが早いんじゃないか…」と頭をよぎるかもしれません。初期の情報共有の際に、考えうる限り丁寧な伝達を心掛ければ、スムーズにいく部分も増えるでしょう。

④秘密漏洩のリスク

外部に依頼する際に怖いのは秘密漏洩のリスクです。例えば、ライターへの情報共有のために開放したクラウドデータの中にクライアント企業の新製品の情報が紛れていて、何かの拍子にそのデータにアクセス・悪用される、といったケースがあるかもしれません。
Wordpressも気軽に権限を渡してしまうと、ライター側のウイルス感染などでうっかりパスワードが漏洩し、サイトが乗っ取られた、なんてこともあるかもしれませんね。

社内の情報システム部と相談する、契約はきちんと交わすなど、考えられるリスクに備えましょう。

⑤外部ライターへの企業理念の浸透が難しい

お願いするのは社外の人ですから、自社の企業理念が浸透していないのが当然です。社歴が長ければ長いほど、社内の常識が世間の常識だと思ってしまいがち。自分の当たり前が他人の当たり前ではないと認識し、外部ライターには細かく企業の理念を伝えてください。

SEOライティングを外注すべきケースとは

企業によって状況はさまざまですが、一般的に、「外注がおすすめ」なケースを4つ挙げてみます。

限られた時間の中で作業を行う【SEOライティングの外注】依頼のポイントとWebライター・業者選びの注意点は?

①特定の分野の知識とライティングスキルの両方が必要なケース

例えば、不動産業者が不動産についてのコラムを書くのは難しくなさそうですが、不動産に関する内容でも、法律がかかわってくるならどうでしょうか。また、5,000字以上の文字数など、ある程度の長さのある文章も、ライティングスキルがない人が書けば「読まれない」記事になってしまいます。
そういったケースでは、SEOライティングの外注が必要です。

②社内リソースではまかなえないほどの記事本数が想定されるケース

SEO対策は、通常、1~2年のサイクルで施策を行い、分析と改善を繰り返します。期日の決まったイベントや企画、新商品発売に向けてのSEO対策であった場合、ハイペースでの記事執筆が必要になります

月10本、20本と記事を公開しようと思うと、社内リソースだけで行うのは難しい場合がほとんどでしょう。
計画的なライティングが、SEOで成果を出すための近道です。手をつけた後に「やっぱり無理だ」と途中から外注してもうまく行かないケースが多く、やりかけた分は最悪、削除に。
どう考えても社内のみで完結できそうにないプロジェクトなら、最初から外注する前提で、計画を練るべきです。

③SEO対策の知識のある人が企業内に存在しない・勉強の時間がさけないケース

業種にもよりますが、たまたま社内にSEOに詳しい人がいる、なんてことは基本的にまれでしょう。
となると、企業内で積極的に勉強時間を与え、社内にSEO知識を蓄積していくしかありません。それに加え、SEO業界は情報の更新ペースが早いため、日々の情報取集も必須となれば、専任の担当者がいなければ、効果的な対策は難しいかもしれませんね。
知識のある人はいるのか、勉強時間が割けるのかを確認のうえ、どちらもNGなら、外注を検討したほうがいいでしょう。

④経験豊富なライターでないと書けない高品質な文章が求められる場合

BtoC企業で、商品が食べ物や雑貨、世の中のトレンドなどであれば、企業に属する人が一般消費者に近い立場でもあるので、外注せずとも良い記事が書けるかもしれません。

でも、専門家やニッチな業種の特定の人々を対象とした記事や、法律や金融のような専門性の高い分野、業界通でないと意見が出せない分野などは、そうはいきません。ライティングの実務経験が豊富なライターでないと、良い記事を書くのは難しいでしょう。

SEOライティングを外注しない方がいいケースとは

SEOライティングでは、あえて「外注しない方がいいケース」もあるんです。

外注しないほうがいいケース【SEOライティングの外注】依頼のポイントとWebライター・業者選びの注意点は?

①厳密にブランドや商品イメージを守りたい場合

企業や商品のブランディングを第一に考え、イメージを厳密に保ちたい場合は、外注は難しいかもしれません。企業内で書くにしても、経営者や役職者と綿密なすり合わせを行わなければならない分野です。社外の人に任せると、ブランドメッセージの伝達や、出来上がった記事の修正などで、工数がかさむことになります。

②企業の重要情報を明かさないとライティングができない場合

記事内容そのものには反映しないものの、企業の重要情報を、執筆の前段階の知識として伝える必要があるケースもあります。依頼する側・される側、双方に余計な神経を使いますから、外注はやめたほうがいいでしょう。

③事業の専門知識や業務理解が必要な場合

たいていの業界には専門ライターがいますが、その会社独自の商品・サービスを展開している場合や非常にニッチな業務内容である場合などは、任せられるライターを探すのは困難です。社内での執筆を検討しましょう。

④制作予定のコンテンツが数本程度とごく少ない場合

特に、コンテンツ制作会社に外注する場合は、まとまった本数を継続的に依頼をする前提でないと、受注してもらえないかもしれません。
わずか数本の記事でSEO対策の効果を出せるのは、大手企業など、よほどドメインパワーの強いケースだけです。一般の中小企業のウェブサイトに1〜2ヶ月で少量のコンテンツを公開しても成果の約束ができませんし、コンテンツ制作会社としても、数本の記事のために、企業理解や執筆ルールを確認するのは手間ですから、断られる可能性大です。

⑤かけられる予算が少なく、コストを抑えたい場合

外注するには少なからず費用が発生します。予算を抑えれば文章の質が下がり、質を上げればライティング費用は高くなります。
外注する費用が捻出できない状況で、従業員にライティングを課すと、本業の業務に支障が出ます。経営者や役職者が執筆する、従業員に書いてもらうなら業務量の調節をするなど、社内リソースの配分を考えるといいでしょう。

SEOに強いライティング外注先を選ぶためにチェックすべきポイント6つ

ライターに直接依頼する場合と、SEO会社などに委託する場合では事情が若干異なりますが、確認すべきポイントをお教えします。

どんなライターに依頼するか【SEOライティングの外注】依頼のポイントとWebライター・業者選びの注意点は?

Point1 適切なSEOの知識があるライターか

SEOライティングには正しい知識が欠かせません。情報が変わるのも早いので、数年前の知識では歯が立たないことも。webサイトをチェックする、セミナーに参加するなどしてSEOの最新情報を取り入れ、知識・技術をアップデートしてくれるかも重要な視点です。

Point2 丁寧なリサーチができるか

クライアント企業がくれる内容・こちらが説明した内容だけで記事を構成・執筆しても情報が不十分ですし、良い文章にはなりません。ライター自身が、疑問を解消するために独自の視点でリサーチができることも重要です。
関連記事 ブログ担当者必見:SEOライティングのリサーチ手順・コツを大公開

Point3 これまでの執筆実績や得意分野と、依頼する内容が合致するか

いくら大手企業や人気メーカー、有名サイトで幅広い執筆経験があっても、依頼する内容・分野と、ライター自身の知識・ノウハウが合致していなければ、質の高いライティングは叶いません。

Point4 コミュニケーションが得意か

ライターさんの方から、わからないことを素直に質問し、情報を収集する姿勢があることは大切です。メールやチャットの返信が早い、納期に遅れそうなら早めに連絡をくれる、緊急時は電話対応にも応じてくれる、など、やり取りがスムーズなライターさんに依頼したいですね。

Point5 納期を守り、修正やフィードバックにきちんと対応してくれるか

「指定文字数で原稿を書けば終わり」というスタンスのライターは、原稿提出後の修正やフィードバックにきちんと対応してくれない場合があります。また、頻繁に連絡もなしに納期遅れを生じるライターは、企業としてのSEO対策戦略が期間内に終わらない可能性があるので、早めにチェンジしたほうがいいかもしれません。

Point6 価格・値付けは適正か

発注前には複数のライターや専門業者に見積もりを取りましょう。他と比べて大幅に安価な料金を提示される場合は、校正回数が限られていたり、修正に応じてもらえなかったりするかもしれません。

特別な事情がない限り「高品質なライティングを低価格で提供してもらえる」ということはあり得ません。複数の見積もりをとった結果「どれも高すぎる」と感じるなら、企業側が求めるライティングレベルと、想定している費用のバランスがそもそも見合っていない可能性もあります。予算を上げられないのなら、求めるライティングのレベル感やコンテンツ量について、もう一度検討しましょう。

SEOライティングを外注する場合の費用・文字単価の相場

SEOライティングには執筆だけでなく、SEO戦略を練ったり、入稿時にSEOに適する形式でタグの記述をしたりする、といった工程があります。

ライティング外注の費用感【SEOライティングの外注】依頼のポイントとWebライター・業者選びの注意点は?

SEOコンサルティングとライティング、丸ごと依頼した場合の費用感

コンサルティングを含んだSEOライティングを依頼する場合は、月数本から十数本の記事執筆とコンサル費用で、月額数十万程、時には100万円以上になります。

なお、月額数万円程度で行えるSEO対策サービスだと、十分な効果が得られない可能性があります。「本当に必要か?」「どんなことをしてくれるのか?」よく確認してください。間違っても「ブラックハットSEO」といわれる、一時的に効果があってものちのちペナルティ対象となる施策を行う業者に依頼しないように気を付けてください。SEO業界の現状を考えれば、「月額数万円の低価格で即、検索順位が上がる」のは、何か良くない小細工をしているとしか考えられません。

ライターへの外注費用の目安

ライティングを外注する際の目安は、ライターのレベル別に以下の通りです。依頼する際によく使われる「文字単価」は、1文字あたりの金額です。あくまでも目安なので、依頼前に案件ごとの個別の条件をよく確認してください。

初心者ライター

文字単価:0.5~3円
この価格帯のライターさんに依頼する場合、文字単価の安さは魅力ですが、企業のサイトに掲載する文章を任せるには少し心もとないかもしれません。「一般消費者に近い感覚を持っている」という点では、ライティングだけで生計を立てるプロライターよりも、向いている案件もあります。
必要な記事本数と内容により、依頼を検討してください。

中級ライター

文字単価:3~10円
ライター経験が数年以上ある人に依頼する場合は、これくらいの文字単価を想定している企業も多いかもしれませんね。判断する際に気を付けてほしいのが、ライター歴の長さだけで決めないこと。専業ではなく副業ライターも多いので、「ライター歴の長さ=経験の豊富さ」ではないからです。
専門分野や執筆実績を確認し、企業の重要なコラムやブログを任せるなら、採用・発注前にテストライティングを実施しましょう。書き上がった成果物が「質」の参考になるのはもちろんのこと、コミュニケーションのトーンや仕事への向きあい方など、他の判断要素も得られます。

上級ライター

文字単価:10円以上
文字単価10円以上のライターは、インタビューや取材経験があり、しっかりした企業で編集者としての経験を積んだ人もいます。ビジネス的な感覚がきちんと身についており、コミュニケーションスキルもかなり高い方が多い印象です。ヒアリングのある案件や、専門性が高い案件への対応も安心して任せられます。

企業サイトの文章執筆は、予算が許すなら、このクラスのライターに依頼してください。特に、きちんと成果を出せるSEOライティングを期待するのなら、中級以上のライターでないと対応が困難です。
SEO知識に多少の不安を抱えていたとしても、ライティングスキルが高ければ、SEOを学びながら、書いていく方法もあるでしょう。しかし、ライティング技術にも不安がある中、さらに未知のSEOライティングも行う、というのでは無理があります。

依頼したい内容のレベルと予算のバランスを見ながら、ライター選びをするといいですね。

SEOライティングを外注する場合の流れ

①目的・目標・予算の確認

ライティングの外注費用を含めて、かかる費用を算出。集客したいターゲット層を明確にし、全体の設計を行います。

関連記事
「キーワード選定 考え方」内 初期設計の手順

②外注先の選定

個人のライターに依頼するか、専門業者に依頼するか検討します。費用や記事のクオリティに大きく影響する部分なので、担当者だけでなく、企業戦略の一つとして検討します。

③キーワード選定

いきなり書き始めるのはNG。狙うべきキーワードを決め、依頼するライターと情報共有がしやすいよう、コンテンツマップを作りましょう。

関連記事
2023-2024キーワード選定総合ガイド SEO対策の基本を徹底解説

④見積もり・テストライティングの実施

外注先の候補に見積もりを取ります。可能ならテストライティングを実施しましょう。

⑤原稿依頼・ライターへの情報共有

外注先が決まったら、依頼内容を詳細に共有しましょう。対面でもオンラインでも構いません。内容について口頭で話し、ライターからの質問に答える場を用意しましょう。
「選定したキーワードの一覧だけを渡して自由に書いてもらう」のはNG。企業や商品・サービスの理解なしに、いい記事が出来上がることはありません。

⑥原稿チェック・修正依頼

仕上がった原稿をチェックします。一発でドンピシャの記事が上がってくることはほとんどないので、修正をしながら、ライターさんと一緒に文章を作っていくイメージで、丁寧に校閲しましょう。少々手間がかかったとしても初期の段階で手厚く対応すれば、のちの工数を大幅に削減できます。

⑦原稿の受領と記事の公開作業

原稿を受領したら、記事の入稿と公開作業に入ります。意外と手間がかかる工程ですが、ライティングと一緒に請け負ってくれる業者やライターさんもいます。依頼時に確認しておきましょう。

⑧支払い

請求書の発行手順や支払いサイトなどの確認も、依頼時にきちんと行っておきましょう。

⑨公開後の分析・フィードバックや次の依頼内容の確認

記事公開後は、少し間をおいて、Googleサーチコンソールやアナリティクスで分析を行います。分析結果はライターにも共有し、次回以降の執筆に活かしてもらいましょう。改善点も一緒に伝えると、さらにSEO効果の高い記事執筆につながります。

外注する際にライターさんに伝えるべき項目は?

SEOライティング外注の成功のカギは、ライターへの情報共有と伝え方です。

業界の一般常識を伝える

ライティング技術が非常に高いライターでも、依頼主の業界での常識は知らないかもしれません。ライターとのやり取りの中で、「この情報は一般的だと思っていたけど、そうではないのか」と気づくこともあります。そんな気づきは、コンテンツのヒントにもなりますね。

企業の商品・サービスの概要を伝える

これから売りたい商品やサービスの詳細を伝えます。記事の中で直接的に「買ってください」と書くわけではないにしろ、企業としてどんな目的でSEO対策を行うのかは伝えておきましょう。

ターゲット層やペルソナを伝える

社内で設定した、クライアントとなりうる人たちのイメージを伝えます。一般的にはターゲット層やペルソナといわれます。これをきちんと伝えることで、記事ごとの方向性のブレを防ぎ、統一感のある記事執筆をサポートします。

現在のSEO分析結果と目標値の共有

WordPressの記事公開も依頼するなら、操作説明をしっかりと行いましょう。セキュリティ面も配慮し、「権限を限定する」「ログイン情報は渡さず、ドキュメント上でテキストデータへのタグ入れ(見出し化タグ、強調タグなど)だけを依頼する」といった具合に工夫するといいですよ。

選定したキーワードとその理由を説明

選定したキーワードの一覧を渡すだけでなく、どんな目的で選定したのか、どのような内容を想定しているかなど、具体的に伝えます。目安の文字数も一覧に記載しておきましょう。

語り口・書き手のキャラクター設定

ユーザーの知識レベルや年齢層、性別などの属性によって、受け入れられやすい文章のスタイルが異なるので、事前にライターさんとすり合わせを行います。ライトに書くか、堅い調子で書くのか、ビジネスライクにいくのか、親しげな話口調にするのか、など、書きぶりについても確認しておきましょう。

SEOライティングを外注する際の注意点・陥りやすい失敗

最後に、外注時に失敗しがちなポイントと、注意点をお伝えします。

SEO対策 難しい【SEOライティングの外注】依頼のポイントとWebライター・業者選びの注意点は?

期待していたものと大きくかけ離れる記事が出来上がった

受け取った初稿の内容やトーンが思っていたのと違うとがっかりしてしまいますよね。でもその残念な気持ちをそのままライターさんにぶつけないように、気を付けたいところです。
たいていは、ライターだけでなく、発注側にも問題があります。
・指示の出し方が具体的でなく、わかりにくかった
・すり合わせが不十分
・提供した情報が少なかった
・ライター側でも追加リサーチをしてもらいたかったのに、ライターは、提供された資料のみで書くと勘違いしていた
というように、コミュニケーション不足や伝達の不備から起こることがほとんどです。

安さに飛びついて、SEOライティング経験のないライターに依頼してしまった

SEO対策の記事は、本やWebサイトの情報に少し触れた程度では書けません。また、低価格の初心者ライターに依頼するなら過度な期待はしないほうがいいでしょう。
できる限りたくさんの作業を任せたいなら、Webのコンテンツディレクター、編集の経験があるライターに任せた方が失敗は少ないのではないかと思います。

コミュニケーション・人間関係の面でトラブル

ビジネスといえど、人と人。相性もありますし、ちょっとしたすれ違いで険悪な仲になってしまうこともあります。ライターや外注先は大切なパートナーですから、できるだけ対等で良好な関係を築けなければ、SEO対策の成功はありません。コンテンツSEOは書いてくれる人がいなければできない施策ですから、発注側も敬意を払いたいものですね。

複数ライターに依頼したら、記事のテイストがバラバラに

「依頼したのに書きあがらない」「希望する記事がでてこなかった」といったリスクを回避するために、数本ずつ複数ライターに依頼する企業もあるでしょう。しかし、それがアダとなることも。仕上がってきた原稿の書きぶりがまちまちで、まとまりのない印象のブログになってしまうケースがあるからです。

例えば、20代前半の若者が好む文体で書かれたコラムと、論文調の堅い書きぶりのコラムが同じカテゴリの記事内で混在していたら、読者は混乱します。
依頼時には、サンプル記事を渡す、構成案の時点でチェックする、ターゲット層を詳細に伝えるなど、依頼側が配慮するようにしましょう。

外注するなら契約の締結はしっかりと

「完成したコンテンツの著作権」「契約形態」「請求時期」「秘密保持契約」などは、契約時にはっきりしてさせておかないと後々トラブルになります。お互いに不利益を被らないためにも、書面か電子契約で合意の証拠をきちんと残しておきましょう。

まとめ:外部の協力を仰ぎ、リソース不足の課題を解決!

SEOライティングでは読者のニーズに応え、求められる記事を書く必要があります。時には事例を交えて具体的に解説したり、その道のプロにインタビューしたりと、ライター自身が与えられた課題に積極的に取り組めば、良質なコンテンツができあがり、検索エンジンからの評価は必ず上がります。

質の高い文章を企業のサイトに掲載するには、外部のライターや外注先が大きな力になってくれるでしょう。必要だと判断したら、外注先を早めに決定し、コンテンツマーケティングの初期から関わってもらえたら百人力です!

コンテンツマーケティングの主要な目的は、webサイトからの流入を増やし、問い合わせや購入といったコンバージョンの獲得につなげることです。検索結果の順位を1つでも上げようと、多くの企業がSEO対策を行っています。

サイトを充実させて検索結果での上位表示を目指すコンテンツSEOは、業界・業種によっては「必須」というほど重要な集客の施策になってきています。企業ブログやメディアの運営を始める会社も増えていますよね。

SEOに疎いならプロや専門家の手を借りる方法もあります。SEO対策には複数の工程が含まれますから、そのすべてを自社で行える企業は少数派。より確実な成果を出したいとき、専門家に頼るのは有効な手段です。

そこで今回は、主にコンテンツSEOを実践している企業の皆さんに向けて、専門家や代行業者に依頼できる作業の範囲をご紹介し、外注する際のポイントや、費用の相場などをまとめてお伝えします。
「コンテンツSEOを続けてきたけどアクセス数が増えない。自社では無理なの?」「きちんと成果を出せる業者はどうやって見つけたらいい?」などにお悩みの人はぜひご覧ください。

なおSEOライティングについてもっと詳しく知りたい方は以下の記事もご参照ください。

SEO ライティング 記事バナー

ライティングだけじゃない?専門家に依頼できる範囲・コツを解説:コンテンツSEO担当者必見

コンテンツSEOとSEOライティングの関係性

コンテンツSEOは、ユーザーの検索意図に応える良質なコンテンツをサイトに掲載していくことで、検索エンジン(google)からの評価を獲得し、上位表示とアクセス増加を目指す取り組みのことです。

・自社ブログで情報発信する
・メディアを運営し、コラム記事を投稿する

これらはすべて、コンテンツSEOに分類されます。
ちなみにコンテンツとは、テキストだけに限りません。広い意味では、動画やイラストも含まれます。
SEOライティングは、その中でもテキストコンテンツの制作に必要になる技術です。

コンテンツSEOは、後ほどご説明するSEO対策の種類の中では「内部対策(「オンページSEO」とも)」に当たります。

「ユーザーの検索意図に応える良質なコンテンツ」って何?

googleは、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを上位に表示する、と明言しています。つまり記事を書く際には「読み手の役に立つ内容」を意識すれば良いわけですが、それではあまりにもざっくりとしていて、何を指しているのかピンときません。

そこで、検索エンジンが何をもって「このコンテンツは質が高い」と判断するか、その評価基準となる要素を具体化させ、それぞれをベストな形に整えていくことがSEO対策です。

例えば、
・記事の内容を整理して見出しを設置する
・タイトルやディスクリプションで簡潔に記事の概要を説明する
・本文で説明しきれない内容は、より詳細に解説している他の記事へのリンクを設置する
・画像を挿入する際はAltタグを適切に設定する

上記はすべて、コンテンツの質を上げるために押さえておくべきテクニックです。
これらの要点を抑えて執筆することを、SEOライティングといいます。

SEOに強い記事の特徴は?SEOライティングならではの工夫を

もう少し掘り下げて「記事の書き方・作り方」という部分で見ていきましょう。「質の高いコンテンツ」は、以下に挙げた項目を満たしているものです。

・ユーザー目線を重視し、ニーズを意識して作られている
・文字数と情報量が適切である
・読みやすい文章と分かりやすい表現で書かれている
・誤字脱字がない
・見出しと本文に適切にキーワードが使用されている
・そのテーマについて、情報がある程度、網羅されている
・正確な情報に基づいて執筆されている
・他の記事からの引用・参照でだけではなく、独自の知見が含まれており、オリジナリティがある

これらは一例で、実際にはもっと多くのポイントがあります。詳しくは「SEOライティングのコツ」「SEOに強い記事の書き方は?」を参考にしてください。

関連記事
【SEOキーワード選定のやり方】誰でもできる手順を6ステップで解説

専門家に頼るのはライティングだけでいいの?依頼する前に考えるべきこと

さてコンテンツSEOで専門家・プロの手を借りたいとなったとき、真っ先に思いつくのは「ライティング作業をお願いしよう」ということかもしれません。記事の執筆は、コンテンツSEOの担当者が日常的に最も時間を費やす作業ですから「外注できないか?」検討事項にのぼりやすいんです。
でも、結果を出すには、本当にライティング部分の依頼だけで良いのでしょうか?

SEO対策には、多くのテクニックとジャンルがあり、執筆といったコンテンツの作成作業はその一部にすぎません。SEO対策は本来、必要に応じて各種の施策を組み合わせて実行することで効果が出てくるものです。
以下に、SEO対策で行う主要な手法を一覧にしてみました。

SEO対策の種類ーライティングだけじゃない?専門家に依頼できる範囲・コツを解説:コンテンツSEO担当者必見

1、オンページSEO

いわゆる「内部対策」。ページの内容の調整に焦点を当てます。(例:コンテンツの「質」を上げるための取り組み、適切なキーワードを選定・使用するなど)

2、オフページSEO

いわゆる「外部対策」。外部のサイトから自社サイトに向けて貼られている被リンクの質と数も、検索エンジンからの評価の対象です。質の高いサイトからのリンク獲得を目指して行う施策です。(例:SNSの自社アカウントでページのURLをつきで投稿し、シェア・拡散を狙う)

3、テクニカルSEO

サイトの技術的な部分を調整することで、自社サイトを検索エンジンのクローラーに正しく認識してもらうための施策です。(例:インデックス登録をする、サイトマップを適切にする、セキュリティ面の向上など)

4、ローカルSEO

特定の地域や場所を検索する際に上位表示を目指す施策です。(例:Googleビジネスプロフィールを適切に登録する)

5、モバイルSEO

スマホでの検索結果で上位表示を目指す施策です。(例:サイトをモバイルフレンドリーにする)

6、ユーザーエクスペリエンス(UX)の向上

webサイトの訪問者が「使いやすい」「見やすい」「わかりやすい」などと感じるよう、ユーザーファーストなサイトを目指してデザインなどを調整することです。使い勝手の悪いサイトではすぐにユーザーがページから離脱してしまいますから、UXの改善は大切。ユーザーの満足度にも直結する部分です。

7、サイトの分析

Googleアナリティクスやサーチコンソールをはじめとした各種ツールを使い、ウェブサイトの訪問者数や、流入を獲得しているキーワードを調査し、戦略を立案します。

専門家が執筆した質の高い記事は、オンページSEOの観点では申し分ないでしょう。しかし、それを掲載する土台となるサイト自体の状況がイマイチ、という状態では、期待通りの成果が出にくくなる可能性もあるんです。

せっかくプロの手を借りるなら、確実に上位表示を達成したいところ。必要に応じて、さまざまな角度からのアプローチが必要であり、それらを自社でカバーできないなら、ライティング以外の工程も専門家の手を借りた方が良い、と知っておきましょう。

SEO対策は自社でもできる?

SEO対策は自社でも行えます。ただし、上でご紹介した方法のすべてとは言わずとも、ある程度の範囲について知識のあるスタッフが社内にいることが条件です。

SEO対策は自社でもできる?ーライティングだけじゃない?専門家に依頼できる範囲・コツを解説:コンテンツSEO担当者必見

もちろん「社内にSEOのノウハウがまったくない」「初心者だけで企業ブログを開設する」というゼロからのスタートでも、きちんと取り組めば結果は出ます。

しかし、SEO対策はオンラインでのマーケティングの一領域にすぎないとはいえ、その範囲は膨大です。各施策を行う意味を理解せず、表面的なテクニックだけを実践しても上位表示できないことが多々あります。さらには、誤った施策を選べば、順位が一気に急降下することもありえます。

そのため、「右も左も分からない」ケースでは、最低限の専門的な知識を勉強してから実践に臨むことを強くおすすめします。もし、そこに割ける時間や人的リソースが確保できないけれどSEO対策をしたいのであれば、専門家へ依頼することは、非常に有効です。

とはいえ、SEO対策の専門業者はたくさんあり、選ぶだけでも一苦労。さらに、「SEO対策」の全貌を知らなければ、何を依頼すべきかわかりませんし、用意されているプランに含まれるサービスが自社にとって必要かの判断もできません。

SEO対策の専門家「SEOコンサル」はどんなことをしてくれる?

では、SEO対策を専門家に依頼する時のことを、もう少し詳しく見ていきましょう。
SEO対策の専門家といえばSEOコンサルと呼ばれる人たちで、webマーケティングのプロ。以下のようなサポートを提供しています。

SEOコンサルにできること(1)webサイトの診断

一例として、下記の項目について自社サイトの現状をチェックしてくれます。
・アクセス状況
・どんなキーワードでアクセスがあるか
・サイトの構造は適切か
・ユーザーの使い勝手はどうか
・Googleからペナルティを受けるおそれはないか

サイトはコンテンツを掲載していく土台の部分ですから、もし不適切なところがあれば、早い段階で調整しておかなければなりません。また、Googleからの現在の評価や、サイトを訪れているユーザーの動きを詳しく知ることは戦略立案やコンテンツ制作そのものに役立ちます。

SEOコンサルにできること(2)各種SEO対策を組み合わせて提供

オンページSEO、テクニカルSEO、オフページSEO、ローカルSEOなど、さまざまな手法の中から、自社のサイトに必要なものを提案・実行してくれます。

施策の内容そのものは調べれば理解できますが、現実的に自社で実行可能なのか、かけるコストに見合った成果が得られそうか、などの視点からのアドバイスは、専門家だからこそできるものです。

SEOコンサルにできること(3)コンテンツSEOの戦略を立てる

競合の状況や業界の傾向を調査し、企業の目標や予算などの数字の指標も把握。取り組みの時期や期間などをふまえて、初期の設計を行ってくれます。アイデアの提供だけではなく、キーワード候補のリストアップ、コンテンツマップ案の制作など、具体的な成果物を提出してもらうこともできます。

関連記事
2023-2024キーワード選定総合ガイド SEO対策の基本を徹底解説

SEOコンサルにできること(4)分析レポート

SEO対策の取り組みがどのような成果を出しているのか、各種ツールを使って分析し、レポート形式で定期的な報告をしてくれます。

Googleアナリティクスやサーチコンソールといった無料で使えるツールを導入すれば、データそのものは自分たちだけでも確認できます。しかし、知識がなければ
・ツールにはどんな機能があるのか
・どこを見れば欲しいデータが出せるのか
・データをどのように解釈し、具体的な戦略に落とし込めばいいのか

など、使い方の面でつまづきやすく、使いこなすのは簡単ではありません。

結局、膨大なデータはあるものの活用できずに放置、やがて「感覚頼り」になる、という話もよく聞きます。
専門家の出してくれるレポートは、そういった事態を防ぎます。

関連記事
用途別8種類!SEOライティングおすすめツールで効率・品質アップ【ブログ担当者必見】
【2023-2024最新】SEO対策・キーワード選定のおすすめツール10選 無料で使える・役立つツールを紹介します!

SEOコンサルにできること(5)SEOレクチャー

SEO対策の基礎知識や、最新のSEO情報の提供など、自社のスタッフに対して解説してくれます。自社でデータ解析を行う際にも適宜、質問にも応じてもらえます。

コンサル業者によってサービス内容はさまざまですから、ここでご紹介したのはあくまで一例です。サービス利用の範囲変更には柔軟に対応してくれる業者も多いでしょう。契約することでwebサイトのお悩み全般に何かと相談に乗ってもらえるので、オンラインでのマーケティングに不慣れなら、おすすめです。

コンテンツSEOを専門家に依頼するメリットとデメリット

ここで、コンテンツSEOを専門家に任せるメリットとデメリットを確認しておきましょう。

コンテンツSEOを依頼するメリット・デメリットーライティングだけじゃない?専門家に依頼できる範囲・コツを解説:コンテンツSEO担当者必見

依頼のメリット

専門知識で確実に正しい道へとサポートをしてくれるSEOコンサルですが、依頼するメリットはそれだけではありません。

大幅な時間の短縮ができる

コンテンツSEOは、記事のターゲットを決める段階から記事の公開までを考えると、かなりの時間がかかります。特に、キーワード選定は不慣れな人では数日かかってもまだ出来上がらない、ということもありますから、担当者の知識レベルによっては、プロにお願いし、本来の作業に集中した方が効率的なこともあります。

豊富な経験からより効果的な戦略を立ててくれる

SEO対策の方法を指南してくれるサイトは多々あるので、教科書的な内容は調べればすぐに出てきます。しかし、結局のところケースバイケース、ということも多いので「うちの場合はどうすればいいの?」という疑問が残りがちです。
この点で、SEOコンサルは実際の顧客の事例を豊富に持っていますから、あなたの会社の状況を踏まえた現実的かつ効果的な方法を提案してくれます。

ツールを使った詳細な分析をし、その内容を説明してもらえる

SEOコンサル業者はたいてい、有料のSEOツールを導入してデータを測定、それに基づいて分析を行っています。「ツールから出力できるデータをどのように解釈し、戦略につなげるのか」の説明をお手本にすれば、自分で分析できるようになるかもしれませんよね。プロの分析と考え方を聞けるのは、非常に貴重な機会です。

継続的なサポートにより、必要な最新情報を与えてくれる

SEO対策は基本的に、長期にわたって取り組み続ける必要があります。Googleの検索エンジンのアルゴリズムは定期的にアップデートされます。一旦公開したコンテンツが影響を受けることもありますし、後発のライバル記事に順位を抜かされることもある理由は「定期的なアップデート」です。
SEOコンサルは基本的に、数ヶ月〜年単位とある程度の期間を継続してお願いすることになります。多くの業者が定期的なミーティングを行ってくれますから、その間は、SEO業界の動向や最新情報・トレンドなども教えてもらえ、全体の知識が高まります。

依頼のデメリット

専門家に依頼することでもちろんコストが発生しますが、他にも下記のデメリットがあります。

自走できなくなる・独り立ちが遅れる

誰かの力を借りる以上、当たり前のことではありますが「自分たちでなんとかしなくては」という危機感はどうしても薄れがち。結果的に、プロ任せになり、社内でのノウハウの習得が遅れることもあります。

長期的に依頼を続ける前提であったとしても、いつ状況が変わるかわかりません。自社である程度は対応できるよう、最低限のノウハウを蓄積していくことは大切です。

コミュニケーションコストがかかる

SEOコンサル業者が結果を出すには、思考・判断のための十分な資料が必要ですから、依頼する側はまず事前に情報を整理し、まとめなければなりません。プロジェクトが始まった後も、ミーティングのたびに資料を準備し、状況を説明する必要があります。

社外の人に自社の状況を説明をするのは、それだけで手間と時間がかかります。でも、丁寧な情報共有を怠ればすれ違いが生まれ、双方の考え方が一致しなくなる可能性もありますから、この工程は省略できません。つまり、専門家に依頼を続ける限り、コミュニケーションコストが発生し続けることを覚悟しなければなりません。

専門家へ依頼すれば、Google検索で上位に表示されるようになるの?

SEOライティングでは、「ユーザー(検索者/読者)が求める情報が記載されていること」「信頼できる情報が掲載されていること」が重要です。これらが満たされていないと、検索エンジンに「良質な記事である」とみなされず、自然検索の結果で上位に表示されないからです。上位表示させるためのカギはGoogleのガイドラインや評価基準に詳しく書かれています。

大手企業や病院、公的機関なら、上位表示もさほど難しくはない傾向にありますが、一般企業ではそうもいきません。
中小企業が手っ取り早く「権威性」を手に入れるには何をしたらいいのでしょうか?

専門家に依頼すればGoogle検索結果の上位表示は可能?ーライティングだけじゃない?専門家に依頼できる範囲・コツを解説:コンテンツSEO担当者必見

「監修」が権威性を高め、信頼度もアップ!

SEO対策目的で書かれたであろうコンテンツが、Web上にあふれています。ではユーザーは、検索結果の中から自分にとって有益だと思われる記事をどうやって選ぶのでしょうか?

最近、「弁護士監修」「医師監修」「アナリスト監修」「研究者監修」「美容家監修」のように専門家を冠した記事をよく見かけます。

特にYMYL(Your Money or Your Life)と呼ばれるカテゴリーに当てはまる業界では、信頼度の高さが求められるため、このように監修者を入れるケースが増えています。YMYLに該当する業界をGoogleは明言していませんが、主に医療・金融に関するウェブサイトが当てはまると考えられています。

「専門家が内容を確認し、アドバイスをもらったうえで書いている」とわかるように「○○監修」とつけるわけです。

実際に既存記事に監修者を付け、文章の一部を修正、成功事例・失敗事例を交えたリライトを実施し、記事を更新したところ、検索ボリュームが多いキーワードにもかかわらず、大幅に順位アップした、ということもありました。ユーザーにとって「価値がある」「疑問の回答として最適である」と検索エンジンに見なされたからでしょう。

Googleが重視するE-E-A-T 経験・専門性・権威性・信頼性の4つ

SEO関連サイトで目にするE-E-A-Tという言葉。以下の4つを指し、E-E-A-Tと呼ばれています。
Experience(経験)
Expertise(専門性)
Authoritativeness(権威性)
Trustworthiness(信頼性)

例えば、弁護士の監修を付けたとすると、実際に使われる法律の知識が反映され「専門性」が上がります。弁護士が監修しているという「権威性」、プロの法律家が発信しているのですから「信頼性」もアップ。監修者提供のリアルな事例や体験談を交えれば、「経験」の部分もカバーできます。

その道のプロに監修を依頼すると、Googleからの評価が上がるので、おすすめしたいところですが、難しさもあるので、気軽に依頼できるわけではないんです。

参考:Google検索セントラル 検索品質評価ガイドライン(英語・外部リンク)https://static.googleusercontent.com/media/guidelines.raterhub.com/ja//searchqualityevaluatorguidelines.pdf

コンサル会社にライティングを依頼し、監修者との間を取り持ってもらう

研究者や大学教授、弁護士・税理士のような士業の先生など、その道のプロに、素人のつたない意見や質問をぶつけても、「レベルが低い」と取り合ってもらえないこともあります。対等に話せるようになるためには、まずは企業側が、Web情報や本を読んで、かなり勉強しておく必要があるんです。企業情報や執筆予定の記事の概要も要点をまとめて、伝えなければならず、骨が折れます。

一度悪い印象を抱かれてしまうと、良好な関係の構築には、非常に時間がかかります。信頼してもらうのに何年もかけてはいられません。

コンサル会社の使い所ーライティングだけじゃない?専門家に依頼できる範囲・コツを解説:コンテンツSEO担当者必見

またその道のプロの話は、一般人にとっては理解しがたく、難解であるケースがほとんど。研究者が書いた論文をそのまま大量に掲載すればいいというものではないというのは、なんとなくお分かりいただけるのではないでしょうか。正しく、新しい情報であっても、単純に盛り込むだけでは検索順位が上がることはなく、ユーザーに届きません。

そこで、間を取り持つ役割を担ってくれる可能性があるのが、SEOライティングサービスを提供するSEOコンサル会社です。
普段からさまざまな専門家とやり取りして原稿を執筆しているコンサル会社に依頼できれば、依頼主側に専門知識がなくても、うまく間を取り持ってくれるでしょう。

プロの権威性を借りて、ユーザーにとって価値のあるコンテンツにしよう

プロの貴重な意見や情報、視点を取り入れたうえで、SEOで成果が出る記事を執筆するためには、関係性が良好でなければかなり難航します。

私たちも以前、ずいぶん勉強してインタビューに臨んだものの、監修者であった税理士の先生と意思の疎通がうまくいかず断念し、別の税理士を探したこともありました。

士業の先生にもプロとしてのプライドがあります。SEO的な文章の書き方に納得のいかない部分があったり、ユーザーからは求められていないけれど「先生が書きたい」内容が数千字の長文で送られてきたりと、調整が簡単ではないのです。

そんなときに、SEOの専門家が間に入ってくれれば、士業の先生の貴重な意見を取り入れた、いい記事を書いてもらえるかもしれません。

信頼獲得までの時間を短縮し、高品質な記事制作をともに作ってくれる心強いパートナーとなってくれるコンサルタントが見つかると、心強いですね!

費用面では心配だけれど、プロの手を借りるのも選択肢の一つかな?と思い始めている方も多いのではないでしょうか。では実際にどれくらいの費用が掛かるのか見ていきましょう。

関連記事
「seo ライティング コツ」内、専門性と権威性を高めて信頼を獲得する

SEO対策を専門家に依頼したい!費用の相場は?

SEO対策を専門家に依頼すれば、社内リソースは本業に集中させられます。ここで問題になってくるのは、どれくらいの費用がかかるのか、です。
どの業務をどれくらい任せるかによっても、費用は大きく変わります。あくまでも目安としてご覧ください。

SEO対策を依頼する費用の相場ーライティングだけじゃない?専門家に依頼できる範囲・コツを解説:コンテンツSEO担当者必見

SEOライティングのみを依頼

ライティングのみ専門家に依頼する場合、一か月の執筆本数により金額は変動します。SEOを専門とする企業に依頼すると、文字数にもよりますが一本6~10万円程度が多いようです。専門性が高い分野や名の知れたライターに依頼するとなれば、追加で費用がかかります。

関連記事
【SEOライティングの外注】記事内、seoライティングを外注する場合の費用・文字単価の相場

SEOコンサルのみを依頼

SEO戦略のコンサルティングのみを依頼すると想定した場合、単発なら数十万円以上、継続なら月額10万円以上が相場です。費用を抑えるために最低限の依頼にとどめてしまうと、業務に活かすほどのアドバイスがもらえないかもしれません。専門家にコンサルを依頼すると決めたのであれば、一定金額がかかると覚悟のうえ、予算の確保を行いましょう。

SEOライティングとコンサルをセットで依頼

SEOコンサル会社にライティングも一緒に依頼した場合は、100万円単位の費用が掛かります。行う施策の期間や規模にもよりますので、ここで目安をお伝えするのは難しいのですが、小さな会社では費用対効果の面で折り合わないかもしれません。

SEOコンサルとライティングはセットで依頼すべきか

SEOコンサルティングを専門家に依頼するとして、ライティングも一緒にお願いしたほうがいいのでしょうか?まずはセットで依頼するメリットを見ていきましょう。

セットで依頼するメリット

・一貫性のあるコンテンツ制作ができる
・コミュニケーションコストが少なくて済む
・SEO対策全体を見据えた施策が打てる

コンサルとライティングを同じ専門家に依頼するメリットは、手間と時間を最低限にできることです。

専門家に外注する際、意外に時間がかかるのが、コンサルタントとのすり合わせです。自社の情報を余さず伝え、戦略を練る、そこに膨大な時間をかけなければなりません。

コンサルとライティングを別の人に外注すると、それぞれに同じ説明が必要になります。
その点、セットで依頼すればコミュニケーションコストが少なくて済み、コンテンツ制作もSEO対策に詳しいコンサルタントがチェックしてくれますから、安心です。

全部任せる?それとも部分的にお願いする?

何をどこまで専門家に任せればいいか、なかなか判断がつかないかもしれません。
基本的には、予算が十分に確保できるなら、SEOライティングとコンサルはセットで依頼したほうがいいでしょう。ただ、高額な費用がネックになってきます。

部分的な依頼を検討する

多くの中小企業では費用の捻出ができず、丸ごと任せる選択肢は断念することになりそうですよね。
かといって、支援なしに施策を行うのは心もとないので、社内リソースでどこまで対応できるか考え、専門家に部分的に依頼するのが現実的です。
SEOライティングの目的は、「ブランディング」「特定層へのアプローチ」「イベント集客」など施策によって様々です。
SEO対策の経験がまったくない企業の場合は、最低限、現在のサイトのSEOチェックやキーワード選定、SEOライティングへのアドバイスはしてもらった方が安心です。

同時並行で、社内リソースまたはライターに的確な指示を出し、高品質なコンテンツ制作を実現できるよう体制を整えましょう。

SEOコンサル会社の選び方とコツ

本格的なSEO対策を初めて行う企業向けに、コンサルタントを選ぶ際のポイントを5つお伝えします。

SEOコンサル会社の選び方・コツーライティングだけじゃない?専門家に依頼できる範囲・コツを解説:コンテンツSEO担当者必見

Point1 担当するコンサルタントの経験と実績

経験豊富なコンサルタントは、過去にさまざまな経験をしています。過去の実績から、自社の状況に近い事例を教えてもらい、施策に活かせるのはコンサル会社に依頼するメリットの一つです。
ただし、コンサル歴が長いだけでは判断できません。依頼する側も勉強し、知識のある状態で信頼できるコンサルタントかどうかを見極める必要があります。

Point2 最新の情報を仕入れ、コンサルをしてくれるか

同じ「コンサル」でも、提供しているサービスも、コンサルタントのレベルもさまざまです。SEO対策に関しては、「専門用語を正しく理解し、常に情報のアップデートをしているか」は非常に重要です。
実際の業務はマーケティングに近いのですが、Webの理解なくしては施策の成功は遠くなります。“仕事ができそう”な雰囲気だけでなく、SEOやITの専門知識があるかどうか、十分に確認してください。

Point3 SEOの範囲は広い。求めるサービスを提供しているか

目的や目標を明確に伝え、それに対応できるサービスを保有しているか、確認してください。SEOの指す範囲は広く、コンサル会社が提供するサービスで「自社の施策のサポートができるか」をよく確認しましょう。施策を行うサイトが、ECサイトなのか、オウンドメディアなのか、企業公式ホームページなのかによっても、コンサル会社の得意不得意があるかもしれません。

また何を目標として行うのか、社内で共有しておくことも大切です。

Point4 円滑なコミュニケーションが行えるか

コンサルタントも感情のある人間、相性は重要です。良好な人間関係がパフォーマンスを向上させます。
人間性に問題がなくとも、企業文化の違いによる、コミュニケーション方法の取り方が違うことで、「スムーズでない」状況に陥るかもしれません。
小さなことですが、「連絡方法(チャットなのか、メールなのか、電話なのか等)」「困りごとが起きた時の対応」「SEO対策への姿勢」など、お互いに違和感がないかはチェックしたいところです。

Point5 口コミやレビュー、お客様の声を参考にする

コンサル会社の社名をGoogleで検索すると、口コミやレビューがついている場合もあります。いいレビューも悪いレビューも均等についているようなら一つずつ確認してみましょう。
また、すでに利用している企業があれば、どのようなサービスを提供している会社か、教えてもらうといいですよ。最初から、「SEO対策をコンサルティング会社に依頼したいんだけど、どこかいいところ知らない?」と聞いて回るのが、信頼性の面でも安心かもしれませんね。

コンサル会社選定の際の注意点・重要視したいこと

コンサル会社の利用は費用を考えると一大決心です。失敗しないように選定前に確認したいポイントをお伝えします

【コンサル注意点1】ブラックハットSEOは避ける

「サジェストに御社名が出るようにします」「ご依頼いただいたら即日で掲載順位があがります」「〇か月以内にすべてのキーワードを3位以内に表示させます」というような、即効性があると誤認させるような会社は選ばないようにしましょう。

SEO対策は時間がかかる分、効果が長く続く施策です。一昔前に行われていたキーワードを多用する手法はもちろん、あらゆる意味において、即効性のあるSEO対策はありえないのです。“即効性”を期待するならリスティング広告をおすすめします。

【コンサル注意点2】価格と提供サービスのバランス

SEOコンサルを行うには、企業や商品・サービスの詳細な理解は欠かせません。手間も時間もかかって当然です。月数万円で行えるような施策ではないと理解したうえでコンサルティング会社に依頼しましょう。複数の見積もりを取って比較し、「安すぎる」金額を提示するコンサル会社は、避けてください。低品質の記事が納品される可能性があります。
有名なSEO会社に依頼しようとすると、依頼側としては「高すぎる」場合もありますよね。高額だと感じても、行う施策によってはかけるべき費用かもしれません。精査し、自社に合ったコンサル会社を選びましょう。
また、企業経営の根幹にかかわる情報を共有する相手です。万が一に備えて、契約はしっかり交わしてください。

【コンサル注意点3】パートナーとして適任か?相性がいいか?

特に初期は、頻繁に連絡を取り合い、協力して行う作業も多くあります。企業の文化とコンサルタントの気質が合わなかったり、認識の違いが何度も起こったりすると、円滑な業務遂行が難しくなります。
SEO対策は通常1年以上の長期に渡ります。FacebookやX(旧Twitter)などのSNSを利用しているコンサルタントもいるので、チェックすると人柄がわかります。依頼をする前に、相性の良さや自社のパートナーとして適任かどうか、を社内で検討しましょう。

【コンサル注意点4】定期的な報告が約束され、その通り実行されるか?

コンサルを依頼するからには定期的な報告は欠かせません。SEO対策は必ず効果測定をし、トライ&エラーを繰り返しながら、進めていきます。最低でも月に一度はWebサイトの分析結果を報告してもらいましょう。

その際、分厚いレポートや資料だけを送ってくるコンサル会社もありますが、内容を読んでも担当者が理解できない場合もあります。積極的に質問した際に「わかるように説明してくれるか」も、コンサル選びで気を付けたいポイントです。

もちろん、依頼主側でも進捗を確認し、成果を評価するよう、心がけましょう。

【SEO対策の効果を高める】質の高いコンテンツを作ろう

コンテンツSEOでブログやコラムを書いていると、SEO対策と言えばまず、目に見えて分かりやすい作業である「ライティング」に関することに興味・関心がいきがちです。執筆スキルを上げ、ライティングに注力することは良い記事を作るうえで必須ですが、「ページを上位表示する」ための仕組みを考えると、より多様なアプローチの必要性に気づくこともあります。
今回お伝えしたSEO対策の全貌を頭に入れ、自身のサイトの状況に応じて、必要な施策を選択していきましょう。コンサルに依頼する・自分たちで直接取り組む、どちらを選んでも、「質の高いコンテンツを作る」ことさえ忘れなければ良い結果につながります。
SEO対策を成功させ、アクセスアップを目指しましょう。

2022年11月に公開されたChatGPTをはじめとして、人工知能に文章を生成させるAIライティングが急速に浸透しつつあります。自然言語処理の技術が進歩したことで、AIの生成する文章はかなりレベルが向上し、AIだけで記事を執筆することも可能になりました。

自社ブログやメディアを運営する企業向けにAIライティングのツールも次々に登場してきていますが、AIライティングは本当に、SEO対策に利用できるのでしょうか。

また、AIライティングの登場で人間のライターは仕事がなくなってしまうのでは、と不安を抱いている人も少なからずいますが、むしろ今後、人間が作成したコンテンツの方がSEO上で「価値がある」とみなされ有利になる可能性も考えられています。

今回は、AIライティングの概要と2023年現在の状況を解説しつつ、AIライティングでのSEO対策のポイント、具体的な使い所と気をつけるべき点をご紹介します。

なお、SEOライティングについてもっと詳しく知りたい方は以下の記事もご参照ください。

SEO ライティング 記事バナー

AIライティングツールでSEO対策するなら知らないと危険!コツと注意点

AIライティングってどんなもの?何ができる?

以下はAIライティングツールの代表的な機能の一覧です。

・広告のキャッチコピーや記事タイトル・見出しのような短い文章の作成
・コラム本文のような数千字程度の長い文章
・メールの文面の作成
・記事の構成案の作成
・文章の校正と編集
・長い文章の要約
・外国語の翻訳

人間のライターと比較しても、その業務のほとんどを代行できることが分かります。むしろ、人間のライターよりも幅広い作業を任せられるかもしれませんね。

AIライティングの得意なこと・苦手なこと

まずはAIライティングの特性をチェックしましょう。

短時間で効率的に大量のコンテンツ生成が可能

AIライティングの特徴は、人間よりもはるかに短い時間で非常に効率よく業務をこなすことです。もちろん、費用も相当抑えられます。特に、情報を網羅して書く、拾い上げて要約する、翻訳するなどの作業は得意。人間よりも高い精度で正確に行いますし、様々な業界・ジャンルに対応していますから、たくさんのコンテンツを作成する時には大いに活用できます。

また「具体的に解説する」「他に考えられる可能性を提案する」など、学習済みの情報を再構成して、指定された形式で出力することも得意分野です。
実際、ChatGPTは「司馬遼太郎の作風でお願い」「村上春樹風に書いて」「◯◯の日本国内での事例を詳細に教えて」のような指示にも対応できるのですが、これらはまさに、出力面の能力の高さを感じさせます。

ChatGPTーAIライティングツールでSEO対策するなら知らないと危険!コツと注意点

表現力や情報の新しさ、独創性の点においては難あり

一方、AIライティングの技術は発展途上。以前に比べればかなり機能が向上し、自然な文章が生成できるようになってきたものの、まだ完璧ではありません。

表現力の観点ではまだ人間には及ばない

文法的に正確な文章が書けても、人間のように、微妙なニュアンスを汲み取ることはできません。平板で、「どこかで見た」印象の文章や、「機械が書いた」とわかる無機質な文章が出来上がることもありますし、日本語に特有のこなれた表現ができずユーザーが感情移入しづらいなどの弱点もあります。

最新情報や専門性の高い話題は苦手 事実の誤りのある文章を生成することもある

AIの作り上げる文章は、100%、正しいとは限りません。事前に学習させた世の中の既存コンテンツの情報の学習に基づいていますから、最新のニュースや社会情勢、技術革新、新製品などについては正しい情報を提供できません。高度に専門的なテーマについてのライティングも苦手です。

例えばChatGPTのカバーしているデータは、この記事を執筆している2023年10月現在、無料版(GPT-3.5)、有料版(GPT-4.0)ともに2022年1月までに存在していたweb上のテキストです。そのため、それ以降の情報を質問しても正しい答えは返ってこないんです。

独創的なアイデアを出す・オリジナリティのあるコンテンツを作るのは苦手

関連があると学習している単語をつなげて文章を生成していくという仕組み上、新しい見解を述べたり、独自の内容を作り上げたりするのも、人間には及びません。また、既存情報を組み合わせて文章を生成していくため、出来上がるコンテンツはどうしても、既に世の中にあるコンテンツに似通ったものになってきてしまう傾向があります。

活用のコツはAIライティングと人間の編集者・ライターとの協力体制を準備すること

以上の点を総合的に考えると、ビジネスの局面で、AIが生成した文章をそのままコンテンツとして世の中に出すには課題があると言わざるをえません。そのため、AI任せにせず、人間がAIツールを道具として賢く利用する必要があります。

実際、AIライティングツールを導入してコンテンツを作成する多くの会社で、内容のファクトチェックをしたり、文章に自然さを追加するために校正をしたりと、人間のライターや編集者が手を加えているのが現状です。

AIライティングサービスの利用を検討しているのなら、まずはこの点を理解しておきましょう。

AIライティングの登場でSEO対策はどう変わる?ライターの仕事は無くなるの?

AIライティングツールが多数リリースされていることを見ても、AIで作ったコンテンツは今後、どんどん増加していくことが予想されます。そのようなコンテンツをGoogleはどう評価するのか、公式見解を確認してみましょう。

AI生成コンテンツに関するGoogle検索のガイダンスーAIライティングツールでSEO対策するなら知らないと危険!コツと注意点

GoogleはAI生成コンテンツも人間のライターが書いた記事も等しく評価すると明言

Google検索セントラルの「AI生成コンテンツに関する Google 検索のガイダンス」では、以下の記載があります。

“制作方法を問わず高品質のコンテンツを評価
Google のランキング システムは、E-E-A-T(専門性、エクスペリエンス、権威性、信頼性)で表される品質を満たした、オリジナルかつ高品質のコンテンツを評価することを目的としています”

さらに、よくある質問への回答でも次のように述べています。

”AI 生成コンテンツは Google 検索のガイドラインに抵触しますか?

AI や自動化は、適切に使用している限りは Google のガイドラインの違反になりません。検索ランキングの操作を主な目的としてコンテンツ生成に使用すると、スパムに関するポリシーへの違反とみなされます。”

引用元:Google検索セントラル(外部リンク)

Googleは「コンテンツがどのように制作されたかではなく、その品質に重点を置く」と明言しています。AIライティングで作ったという理由で、そのページがGoogleからペナルティを受けることはもちろん、検索結果に表示されないなど、SEO的に不利になるわけでもありません。

AIライティングが普及すれば人間のライターの出番はなくなる?

ここまで読むと、「もはや人間のライターはいらなくなるのでは」と感じる人もいるかもしれませんね。AIは人間のライターよりも短時間かつ低コストで効率よくライティングできるからです。
しかし、「AI生成コンテンツは本当にGoogleから高評価を受けられるのか?」という視点で考えてみると、ちょっと意外な推測も浮かび上がってきます。

Googleは、先ほどご紹介した「AI生成コンテンツに関する Google 検索のガイダンス」の冒頭で、“Google のランキング システムはオリジナルかつ高品質のコンテンツを評価することを目的としている”と述べていました。

一方、AIライティングはその性質上、オリジナリティの高い内容を導き出すことは苦手。つまり、Googleの検索エンジンから高い評価を獲得し、上位に表示されることは難しいと考えるのが自然でしょう。順位を下げられることはなくとも、AIで作ったコンテンツがSEOに強いとは言えないと考えられます。

AIライティングで人間のライターの出番はなくなる?ーAIライティングツールでSEO対策するなら知らないと危険!コツと注意点

Googleが厳戒態勢!生成AIは検索エンジンの地位を脅かす可能性あり

さらに、もう少し視野を広げると、Googleと生成AIの微妙な関係性も見えてきます。

GoogleはOpenAIの開発したChatGPTが公開されると即、緊急・重大事態を示す「コードレッド(code red)」を発令。チャットGPTに立ち向かうためにリソースの多くを割くよう、社内の体制を変更しました。
検索エンジンといえばGoogle、というほどまで圧倒的なシェアを誇るGoogle。にもかかわらず、ChatGPTを強く警戒したのは、テキストや画像を作り出すことができる生成AIは、検索エンジンに置き換わる可能性を秘めているからです。

ChatGPTの最大の特徴は、実際に会話(チャット)しているかのような自然な文章。初めて試した際には「まるで画面の向こうに人間がいるよう」と感じた人もいたのではないでしょうか。そんなスムーズなやりとりができるChatGPTが分かりやすく教えてくれたら、「Webで検索して多くのサイトをいちいち自分で確認するより、GPTに質問する方が手軽」と感じるユーザーも出てくるでしょう。

今の時点では、まだ生成AIには弱点も複数あるため、検索エンジンに置き換わるとは思えませんが、この先もっと賢くなれば、将来的にその可能性も現実味をおびてきます。Googleはそれを警戒していても不思議ではありません。

自分の地位を脅かしかねない可能性を秘めた生成AIが作るコンテンツを、Googleは本当に今後ずっと、高く評価し続けるか、には疑問が残りますよね。

ただし、あくまでこれは、AIライティングだけで作ったコンテンツに限った話です。AIライティングには人間のライターにはない優れた能力もありますし、人間の編集者・ライターの力が加わることで、AIライティングを使ったコンテンツも上位表示を達成できる可能性は十分あります。効率化の面からも、SEO対策におけるAIライティングは「使える所をわきまえて賢く利用する」ことが重要です。

AIライティングをseo対策に利用する時の課題は?知っておきたいデメリット・避けたい使い方

AIが作り出したコンテンツを採用し、企業として世に出す際には、そのままサイトに掲載するのは危険です。必ず確認すべき事項は以下の3点です。

(1)誤った事実が含まれていないかのファクトチェック
(2)内容や書きぶりが既にあるコンテンツとそっくりな「コピー」になっていないか
(3)「機械が書いている」「不自然」な文章になっていないか

要確認!ファクトチェックは人間が書いた記事よりも入念に

ご紹介した通り、AI生成コンテンツには不正確な事実が含まれている場合があります。問題は、かなりこなれた日本語の中に、間違った情報が巧妙に紛れていること。出力された文章を読んでいても、前後の文脈が自然なだけに、誤りを見つけにくいんです。
事前にある程度、知識のあるテーマであれば「間違っているかもしれない」とわかりますが、自分が詳しくない分野についての情報であれば、気づくことは非常に困難です。

AIライティングの課題ーAIライティングツールでSEO対策するなら知らないと危険!コツと注意点

人間のライターに調査してもらったら「この部分は調べきれませんでした」「意見が何種類かに分かれているようで、どれが正しいか判断できません」といった具合に、調査の概況を報告してもらうこともできます。ですから、ファクトチェックを重点的に行うべき部分も事前にある程度、把握できますが、AI生成コンテンツの場合はそうはいきません。

「コピーコンテンツ」「著作権侵害」を回避するための確認を

AI生成コンテンツはどれも似たようなものになるリスクがあります。内容だけでなく文章そのものもそっくりになると、「コピーコンテンツ」と検索エンジンから見なされればペナルティの対象ですし、元の記事の執筆者から著作権侵害を指摘される可能性もあります。

実際、海外では、AIが生成した画像が作家の著作権を侵害したとして、訴訟に発展しています。生成AIと著作権については法律もまだ整備されていないので難しい領域です。

「機械が書いている文章」「不自然さ」を改善するための校正も必須

検索エンジンでの上位表示を達成するには、ユーザーの検索意図にこたえ、ユーザーに寄り添うコンテンツの作成がポイントです。AIライティング特有の人間味のない文章や、リアリティに欠ける表現では、ユーザーの共感を呼びません。書き上げられた記事をきれいな日本語にする工程も必須だと考えてください。

選定したキーワードで記事を作成させる場合はもちろん、ペナルティ対象とならないよう、過剰にキーワードを連呼する文章になっていないかチェックが必要です。

ちなみに、AIを用いて生成した文章から不自然な要素を打ち消したり、読者の心情に寄り添う表現を追加したりするのは、予想以上に手間のかかる作業です。明らかな誤字や脱字の校正なら簡単ですが、日本語として出来上がった表現を書き換えていくのはそういうわけにはいきませんし、一部だけ入れ替えると、全体のバランスが崩れることも。
AIの書いた文章を校正するのにも、それなりの工数がかかることは知っておいてください。

AIライティングはSEO対策に活用できる おすすめの使い所

AIライティングはSEO対策に活用できます。ただし、どんなツールも、使う人次第。AIを使う・使わないに関わらず、まずSEOについての基本的な理解を深めなければいけません。
その上で、効果的な使い方としておすすめなのは

・執筆前の情報収集の段階でのリサーチ手段に使用する
・原稿作成前の「叩き台」として使用する
・誤字脱字などの日本語校正に活用する

といったところです。

情報収集・調査の効率化に活用したいChatGPT

ChatGPTを使ったことのある人ならご存知の通り、生成AIの文章作成能力は高く、使い方も簡単。「2,000字以内で簡単に教えて」「違いをできるだけ詳しく説明して」といった具合に、人間にお願いするかのような指示(プロンプト)を入力するだけで、あっという間にまとまった分量の文章を出してくれます。

この出力特性が役に立つのが、記事執筆前のリサーチ段階です。SEOライティングでリサーチは、非常に時間のかかる工程で、特に、全く知識のない分野のリサーチには手間がかかります。ChatGPTを使えば、この部分が簡略化できます。情報を丸ごと信じることができないとはいえ、「ざっくりと全体を把握したい」「この点を掘り下げて教えて欲しい」といった際に便利です。

AIライティングツールの使い所は?ーAIライティングツールでSEO対策するなら知らないと危険!コツと注意点

ChatGPTの得意なジャンルか苦手なジャンルかで使い方は調節を

ChatGPTにも得意なジャンルとそうでないジャンルがあります。
例として、最新情報が求められるアパレル業界のトレンドや、流行しているグルメといった内容には対応できません。
インターネット上に公開されている情報が多い分野であれば、かなり使えますが、そうでないクローズドな業界だと、質問してもいい情報が出てきづらいんです。

ChatGPTにちょっと聞いてみて、返ってくる回答が浅い知識ばかりだったり、「間違いでは?」と感じるようなものばかりだったりしたら、その分野での情報収集にはChatGPTを使わない方が良いでしょう。

このように、業界・ジャンルによって、AI利用を避けた方が良い場合もあることを知っておいてください。

AI生成の文章は「構成案」や「叩き台」として原稿の出発点にできる

「いざ書こうとしても考えがまとまらず、なかなか筆が進まない」「構成案の作成に多くの時間を取られる」という悩みは、ライティング経験のある人なら、一度は感じたことがあると思います。AIライティングなら、短時間でまとまった量の文を書き上げることができますから、構成案や叩き台の作成にはピッタリです。

まとめ:AIライティングは「お任せ」ではなく「サポート手段の1つ」として賢く活用を

主要なSEOツールの中にも、AIライティング機能を含むものが出てきています。狙いたい検索キーワードを選ぶだけで、自動的にキーワードを盛り込んで執筆してくれる機能などは、webマーケティングの担当者からすれば夢のように感じられます。
関連記事 用途別8種類!SEOライティングおすすめツールで効率・品質アップ 内 【コンテンツ制作数が多いなら導入もあり】AIライティングツール

ただし、SEOのためのライティングをAIに完全に丸投げするのは、現状では危険です。Googleの反応を見ても、この先どんなにAIが発達しても、ライティングに関して人間の出番はなくならないと思われます。むしろ、今後風向きが変わり、人間が作成したコンテンツの方がSEO上で有利になる可能性もあるでしょう。そうなった時、AIに頼ったSEO対策・コンテンツ作成を続けていたら、社内にノウハウがなくて、困ったことになってしまうかもしれません。

AIライティングにはメリットもありますから、任せるべきところは任せつつ、人間にしかできないところは人間が行う、というのがおすすめです。AIライティングツールは効率新的で大きな可能性も秘めていますが、頼りすぎることなく、あくまでも執筆の支援のための道具としてうまく使っていきましょう。

SEOライティングは、ツールを活用することで作業の効率が大幅にアップします。浮かせた時間でコンテンツにじっくり向き合えば記事の質も上げられますから、良いこと尽くしです。

今回は、「企業ブログの担当に任命されたけれど未経験でよくわからない」「SEOライティングは自己流だから、もっと効率よく書ける方法を知りたい」という人に向けて、活用できるツールを幅広く解説します。

一口に「SEOライティング」と言っても、コンテンツが出来上がるまでには、執筆だけでなく、さまざまな作業がありますよね。それぞれの工程に使えるツールを無料・有料問わず幅広く紹介しています。「この工程もツールを使えるのか!」と意外な発見があるかもしれません。記事を書く以外に、普段の文章作成にも使えるツールもありますから、ぜひチェックしてみてくださいね。

なおSEOライティングについてもっと詳しく知りたい方は以下の記事もご参照ください。

SEO ライティング 記事バナー

SEOライティングに使えるツール紹介 用途別8種類!SEOライティングおすすめツールで効率・品質アップ【ブログ担当者必見】

SEOライティングで使えるツールは8種類:必要な機能・あると便利な機能の一覧

(1)ドキュメント編集ツール
(2)キーワード分析・選定ツール
(3)リサーチに使えるツール・テクニック
(4)誤字脱字の発見・文章の読みやすさなどを確認できる校正ツール
(5)コピペチェックツール
(6)SEO分析・コンテンツ最適化ツール
(7)AIライティングツール
(8)画像ツール

必ずしも、これらすべてを使わなければならないわけではありません。プロのライターや企業ブログの担当者でも、どの工程でツールを利用するかは人それぞれです。

とはいえ「人力だと時間がかかりすぎる作業」もあるので、中にはほぼ「必須」といっても過言ではないツールもあります。
早速、それぞれ見ていきましょう。

(1)【必須】ドキュメント編集ツール

基本中の基本、これがなければ始まりません。使用するツールを社内で決められている場合もあると思います。よく使われるのは以下の2つです。

・Microsoft Word
・Googleドキュメント

どんなツールを使うにしても
・原稿の一部分にコメントを入れる
・以前の原稿が確認できるよう履歴を残しながら修正する
・他の人と共有する
・見出しの設定方法
・文字数のカウント

などは必ず使用する機能ですから、最初に使い方をチェックしておきましょう。

ペンスタンド 用途別8種類!SEOライティングおすすめツールで効率・品質アップ【ブログ担当者必見】

(2)【必須】キーワード分析・選定ツール

キーワード選定はSEOライティングの必須工程。選定作業のなかでも、サジェストワードを拾い上げる、関連キーワードを洗い出す、検索ボリュームを調査するなどは、人力で行うには負担が重すぎて現実的ではありません。ぜひ、データを一括で扱えるツールを使用しましょう。以下はよく使われるツールの一覧です。

・Google広告Keyword Planner(キーワードプランナー)
・ラッコキーワード
・パスカル(Pascal)
・Ahrefs Site Explorer(エイチレフス)
・キーワードファインダー
・ubersuggest(ウーバーサジェスト)

※キーワードプランナー以外はすべて有料(一部、無料版・体験版あり)

各ツールでできることなど、各ツールの概要はこちらの記事で解説しています。
【2023-2024最新】SEO対策・キーワード選定のおすすめツール10選 無料で使える・役立つツールを紹介します!

(3)【知ってると便利】リサーチに使えるツールとテクニック

SEOライティングの成功は、リサーチにかかっています。手軽なのは検索エンジンでの情報収集ですが、誤りのない情報を集めたり、世の中にあまり知られていない情報を得たりするには、通常の検索以外の方法で調べることもポイントです。
ブログ担当者必見:SEOライティングのリサーチ手順・コツを大公開」でご紹介した各種の調査を実践するための具体的なツールと、情報収集を効率的に行うテクニックを以下に挙げてみました。

国立国会図書館のオンラインデータベース
蔵書の検索・複写依頼などができます。

Google Scholar
CiNii Research – 国立情報学研究所
J-Stage
学術論文の検索ができます。Abstractの閲覧と、論文によっては、全文が読めるものもあります。

特定のドメインの中だけでページを検索する方法

「site:」の後ろにドメイン名を入れて、その後ろに(スペース)+キーワード を入力すると、特定のwebサイトのなかから、知りたいことだけを検索できるんです。

例えば、観光庁のサイトから、2022年の訪日外国人の数の報告書を探したいとします。まず、観光庁のトップページにアクセスし、アドレスバーのドメイン部分(https://www.mlit.go.jp/kankocho/)をコピーします。続いてGoogleの検索窓に「site:https://www.mlit.go.jp/kankocho/ 訪日外国人 2022」と入力すると、探していたデータがすぐに見つかりました。

特定ドメインの中だけでページを検索する方法 用途別8種類!SEOライティングおすすめツールで効率・品質アップ【ブログ担当者必見】

ページ内検索機能

ご存知の人も多いと思いますが、ページ内で特定の単語を検索する機能も活用してくださいね。(Windowsでは「Ctrl+F」、Macは「Command+F」)このページ内検索は、検索結果だけでなく、ドキュメント内や、文字認識されたPDFファイル内でも使用できます。

(4)【必須ではないが導入メリット大】日本語の校正ツール

校正機能はツールを入れなくとも、Microsoft WordとGoogleドキュメントにも搭載されています。タイプミスといった簡単な間違いだけではなく、文脈を理解しなければ指摘できない漢字の変換ミスまで教えてくれることもあり、かなり高機能ではありますが、やはり気付けない「見落とし」もあります。

一方、校正ツールでは、より細やかで精度の高い校正が可能です。文法的に正しいかの確認にとどまらず「表記揺れ」「わかりにくい表現」の指摘や、「言い換え表現の提案」までしてくれるものも。さらに、ライティングを総合的に支援してくれる高機能なタイプも開発されています。執筆・編集・校閲を日常的に大量に行うのであれば、導入のメリットは大きいでしょう。

なお、校正ツールは製品によってクセが違うので、複数を組み合わせて使うこともあります。以下は、無料・有料別の主要なツールの一覧です。

校正ツールを紹介 用途別8種類!SEOライティングおすすめツールで効率・品質アップ【ブログ担当者必見】

校正ツール(無料)

PRUV
ユーザー登録なしで400字、ユーザー登録すると20,000字まで校正可能。固有名詞、送り仮名の誤り等を検出できるほか。出版業界で使われるルールも考慮して校正してくれます。

Enno
文字数の制限なし、ユーザー登録不要で使用できます。「,」「.」を使う理工系文書・英語のスペルミスにも対応しています。

so-zou.jp
ユーザー登録不要、10,000字まで校正できます。不快語や「ら抜き言葉」をチェック可能で、わかりやすい表記にするための提案もしてくれます。

Tomarigi
文章表現を改善するための「気づき」を与える目的で開発されたツール。文節間の係り受け関係が図で表示でき、推敲作業に活用できます。一度に40,000字まで校正可能。

チョイミテーナ
検出された誤りを、深刻度の高い順にピンク、イエロー、グリーン、ブルーで視覚的に表示してくれます。校正できる文字数は5,000字までです。

リライトマーカー
多用・乱用されがちな注意語句をハイライトして教えてくれます。文字数の制限はありません。

校正ツール(有料)

文賢
推敲支援と校閲支援、「トラブルを防ぐためのチェックリスト」など執筆全般に役立つさまざまな機能を搭載した文章作成アドバイスツール。

JustRight!7 Pro
公用文の新ルールに沿った、時代にあわせた精度の高い校正が可能。Word/Excel/PowerPointなど他の業務アプリにもアドインできます。

ATOK クラウドチェッカー
「ビジネス文」「公用文」「表記揺れ」など、用途に応じた校正内容を選択でき、誤りは色分けして指摘してくれます。入力支援ツール「ATOK Passport」の契約が前提です。

Shodo
AIと自然言語処理の技術で、文脈を把握した校正をしてくれます。機能制限はありますが、無料版も利用できます。

Press Term
NTT研究所が開発した形態素解析エンジンを搭載し、日本語独自の文法や単語の情報を素早くチェックします。「共同通信社 記者ハンドブック」の内容に沿った校正を行います。

(5)【記事執筆を外注するなら必須】コピペチェックツール

コピペチェックツールは、作成したコンテンツと、ウェブ上にある文章がどの程度類似しているかを確認してくれます。

コピペチェックツール 用途別8種類!SEOライティングおすすめツールで効率・品質アップ【ブログ担当者必見】

編集者が原稿執筆をライターに外注する際に使うことが多いと思いますが、実は、執筆者本人にも利用価値ありです。
コピペする意図はなくとも
・リサーチの際、自分のメモ用にコピペしておいた文章を誤ってそのまま原稿に挿入してしまう
・同じテーマで何本も書いているうちにコンテンツの内容が以前執筆したものと自然と似通ってしまう
などのケースが起こってしまうことがあります。こういった事態を回避するため、原稿完成時にチェックすると安心です。

無料で使えるコピペチェックツール

CopyContentDetector
回数無制限、文字数4,000文字まで、文章間でのコピペチェックができます。CSV一括登録機能もあり、大量の文章も簡単にコピーチェック可能です。

こぴらん
文章を適度に区切り、その文が使われているwebページ数の目安を「類似数」として表示してくれます。文字数は4,000文字までです。

sujiko.com
SEOでマイナスに働く重複コンテンツ・類似したページを発見するためのツール。比較したい2つのURLを入力して判定ボタンをクリックすると、%で類似度を示してくれます。

剽窃チェッカー
入力されたテキストを文・文節単位で区切り、web上で同一の文字列の有無をチェックします。チェック可能な文字数は2,000文字以内もしくは合計30項目以下です。

有料で使えるコピペチェックツール

コピぺリン
ファイルデータを一括アップロードし、コンテンツを視覚的に比較できます。「あいまい連続一致文字数」機能では、単語を入れ替えただけのリライトも検出できます。

Chiyo-co
文章同士の類似度を分析し、文章全体が一致するかだけでなく、さまざまな要素を比較したうえで「似ている」かどうかを判定します。

Plagiarism Checker.co
多言語対応のplagiarismchecker.coが運営する剽窃・盗用チェックツールの日本語版です。操作画面は日本語です。

(6)【SEO対策に本腰を入れる企業・web制作会社ならぜひ検討を】SEO分析ツール

コンテンツを上位表示させるための改善点をアドバイスしてくれるツールです。

SEO分析ツール 用途別8種類!SEOライティングおすすめツールで効率・品質アップ【ブログ担当者必見】

各ツールによってそれぞれ機能は異なりますが、一例として
・記事の方向性をカテゴリ・ジャンルごとに提案してくれる
・タイトルや見出し・本文に取り入れるべき要素を挙げてくれる
・テーマごとに最適な文字数の目安を教えてくれる

など、大いに執筆の参考になる情報を提供してくれます。

さらに、以下にあげた一覧はどれも、コンテンツ作成だけではなく、競合サイトへの流入分析、サイトへの被リンクの解析、指定したキーワードごとの順位計測など、総合的なSEO対策機能を備えており、オンラインのマーケティング施策を行う上で心強い味方になってくれます。

・パスカル
・SEARCH WRITE(サーチライト)
・MIERUCA(ミエルカ)
・TACT SEO(タクト SEO)
・EmmaTools™(エマツールズ)
・tami-co(タミコ)
・SEMrush(セムラッシュ)
・Ahrefs Site Explorer(エイチレフス)

※すべて有料、一部、無料版/体験版あり。

詳しい紹介は、【2023年最新版】SEOツールおすすめ22選! 無料&有料、選定方法も紹介もご覧ください。

(7)【コンテンツ制作数が多いなら導入もあり】AIライティングツール

ChatGPTの登場で急速に注目を集める生成AIですが、生成AIが自動で記事を作成してくれるAIライティングのツールも急激に増えてきています。

2023年現在は、AIライティングツールで作成した記事は、基本的に、人間が手を加えなければ企業のブログやメディアに掲載するのはまだ危険だと思われます。過渡期の技術を用いたサービスですし、AIで作ったコンテンツがこの先Googleからどのような評価を受けるかも不透明だからです。
ただし、AIライティングにはメリットもありますので、使い所をふまえてうまく付き合うのが理想です。

なお、AIライティングについて詳しくは、「AIライティングツールでSEO対策するなら知らないと危険!コツと注意点」もご覧ください。

AIライティングツール 用途別8種類!SEOライティングおすすめツールで効率・品質アップ【ブログ担当者必見】

SEO対策ができるAIライティングツール

Catchy(キャッチー)
記事作成、広告アイデア、資料作成、メール文面など様々なシチュエーション別に100種類以上の生成ツールが使えます。

SAKUBUN(サクブン)
入力欄を埋めるだけでテキストを生成できる多数のテンプレートあり。事前にペルソナを設定し、ターゲットに届く高品質な文章を作成してくれます。

ChatGPT(チャットジーピーティー)
OpenAIが開発した元祖生成AI。膨大な情報を学習しており、質問に対して自然な文章で回答可能。2,000字程度のまとまった文章も生成できる。

ブンゴウ
記事作成に特化した生成ツール。タイトルと狙いたいキーワードを入力すると、それを基に見出しと記事のアウトライン、本文を作成してくれます。

BuzzTai(バズタイ)
「AIを使ってバズるコンテンツを作る」をテーマに、動画タイトル・各種SNS広告・ブログ記事などにしてくれます。

※すべて有料、一部、無料体験版あり。

(8)【必須】画像選定に使えるツール・サイト

画像は一瞬で記事のイメージを決める、非常に大切な要素。執筆作業そのものと直接は関係ないので、それほど重要に感じられないかもしれませんが、記事の内容を補足できる適切な画像が、適度な枚数挿入されていることは、SEO的にも大切なんです。

一枚の挿絵・写真もない本をひたすら読み続けると、多くの人は、疲れてきて苦痛を感じます。趣味で読む小説なら別かもしれませんが、検索でたどりつくユーザーは大抵、「答えを探している」わけですから、「文字ばかりで読みづらい」と感じたページからはすぐに離脱してしまうでしょう。

記事の品質をトータルでより良いものにするために、画像選定にもぜひ、こだわりましょう。

画像選定に使えるサイトとツール 用途別8種類!SEOライティングおすすめツールで効率・品質アップ【ブログ担当者必見】

画像選びに使えるツール/素材サイト(無料)

o-dan
Pixabay、Unsplash、Adobe Stockなど主に海外の素材サイトを複数、一括で検索できます。

ぱくたそ
日本人モデル・日本の風景など、国産の素材が検索できます。

ICOOON MONO
アイコン素材がダウンロードできます。掲載素材はモノトーンですが、任意の色に変更できます。

画像選びに使えるツール/サイト(有料)

Pixta
日本の画像サイト。1度ダウンロードした画像は追加料金なしで何度でも使えます。

iStock
定額プランと単品購入の両方が選べます。AIによる検索サポート機能つき。

Shutterstock
素材数・検索カテゴリーともに多数で、料金プランの選択肢も豊富です。

※利用範囲は、リンク先の各サイトの利用規約をご確認ください。

オリジナル画像作成に使えるツールも

言葉だけで説明するよりも、表やグラフ、簡単な図説があった方が、記事の内容をより的確に伝えられることもありますよね。また、イメージにピッタリの画像が素材サイトでは見つからない、ということもあるでしょう。
そんな時は、自分でイラストを作ってしまうのも一つの方法です。

Microsoft powerpointやGoogleスライドを利用すれば、デザイン未経験者でも、簡単な図解を作成できます。例えば、以下の画像は、アイコン素材をダウンロードできるサイトから集めた画像を組み合わせ、上にテキストを配置して作っています。

オリジナル画像作成に使えるツール 用途別8種類!SEOライティングおすすめツールで効率・品質アップ【ブログ担当者必見】

この程度でも、あるとないとでは大違い。読者の理解の助けになります。ビジネス寄りのコンテンツは内容が難しいことも多いので、イラストでの解説を入れるのはおすすめです。

まとめ:ツールを導入する・しない/ツールの選び方に迷ったら

ツールを導入する・しないの判断基準

ツールを導入するメリットは
(1)人間より短時間で効率よく作業が可能
(2)クオリティが一定である

以上2点です。
導入すべきか迷ったときは、この2点を念頭に、自社にとって価値があるかを考えてみてください。

(1)に関して、ツールの導入は担当者の余裕を生み出すことにつながります。担当者が「ツールを入れるほどの負担ではない」と考えているケースでも、ツールの導入で削減できた時間と手間をその分、ユーザーの検索意図を詳細に推測する作業に振れば、SEO対策の効果が出やすくなります。費用が見合うのであれば、積極的な導入をおすすめします。

(2)について、メリットと言えるかは、ツールにまかせる作業の種類と、企業・担当者によっても異なるので、個別に検討が必要です。

例えば、日本語の読みやすさを高めようと校正ツールを利用してみても「他の表現の方がわかりやすいのにな」「校正の経験が長い社内の担当者に校正してもらった方が良い提案がもらえそう」と感じることもあるでしょう。
「文章の校正は右も左も分からない」「社内に誰も経験者がいない」というケースなら導入のメリットは計り知れないでしょうが、上記のような場合は、費用対効果を考えると導入を見送った方が堅実かもしれません。

ツールの選び方

2023年現在、ライティングに使えるツールはかなりの数がありますから、幅広い選択肢の中から1つに決めるのも悩みますね。以下の観点から、それぞれのツールを比較してみましょう。

・使い勝手(操作のわかりやすさ/国産or海外産/導入後のサポート体制など)
・性能・クオリティ
・動作環境(ダウンロードするタイプのツールの場合)
・費用と課金形態(買い切り型/サブスクリプション型)

操作画面がシンプルなこと、価格が適切だと感じられることは重要です。
体験版があるものも多いので、まずはお試しで性能チェックできると安心です。

無料ツールは気軽に使えますが、有料となるとそうはいきません。中には、企業単位で契約・登録してアカウントを発行し、複数スタッフで使うタイプの製品もありますから、担当者だけでは導入を決められない場合もあります。
導入までのハードルが高いケースもあるかもしれませんが、ツールを使いこなせればSEOライティングはかなり楽になり、成功率もアップします。企業の状況にあわせた最適なツールを選択し、記事のクオリティを高めましょう。

Googleなどの検索結果で上位に表示される“強い”記事を書く、SEOライティング。コンテンツマーケティングが盛んな今、オウンドメディアを運営してコラムを連載したり、自社サイトでブログを書いたりと、web集客のための施策を推進する会社が増えています。SEOライティングの技術習得は、webマーケティングに関わる人にとって、大きなメリットがあります。

SEOライティングスキルをあげるために、学ぶべきテクニックの1つがリサーチです。記事の成功は、リサーチ(調査)をどれだけ丁寧にしたかにかかっていると言っても過言ではありません。リサーチの意味は、「キーワードを検索エンジンで調べる」だけではありません。いろいろな手段を駆使して、価値ある情報を集めていきます。

今回は、「企業のweb担当者」「自社ブログの執筆を任命された人」「コンテンツマーケティング部門に在籍する人」に向けて、リサーチの目的から説明し、初心者からプロまで実践できる具体的なリサーチの手順をご紹介します。リサーチの効率アップに、ぜひ活用してください。

なおSEOライティングについてもっと詳しく知りたい方は以下の記事もご参照ください。

 

SEO ライティング 記事バナー
ブログ担当者必見:SEOライティングのリサーチ手順・コツを大公開

SEOライティングでリサーチはなぜ大切?

記事を書くためにはリサーチを行い、正しい情報に基づいて、誤りのない内容を執筆しなければなりません。初心者でもなんとなく想像できると思います。知識のない分野なら、調査しなければ、そもそも何を書いたらいいのかもわかりませんよね。

これらは本や雑誌などweb以外の媒体に掲載する文章を書くときにも同じですが、SEOライティングには、リサーチがより重要である理由があります。

検索結果での上位表示を目指すには当然、SEO対策という観点でのリサーチが欠かせないからです。
Googleの公式ガイドラインでは「検索エンジンを意識したコンテンツ作成はNGで、読者を意識したコンテンツを作成すべき」とされています。そのため、検索するユーザーのことを第一に考えて書けば良いということになりますが、現実的には、それだけで上位表示を達成するのは困難です。ある程度、押さえておかなければならないポイントとコツがあります。

SEOライティングで重要なのは
・どんなキーワードを狙うべきか検討する
・どんな書きぶりのコンテンツにすればユーザーにとって有益か考える
・オリジナリティを高めて他の記事に一歩差をつける

の3つ。これらを達成するためにもリサーチがとても重要です。

リサーチは主に、執筆前の準備として行いますが、世間で思われている以上に、じっくり時間をかけた方が良い工程です。リサーチがきちんと完了していれば、後は書くだけ。執筆がスムーズに進みますし、方向性の間違いによる書き直しや修正の指摘も起きません。実際、SEOライティングのプロの中には、記事作成にかける時間の7割以上をリサーチに費やす人もいるくらいです。

もちろん、かけられる時間・割けるリソースは限られています。リサーチばかりをしているわけにはいきませんが、リサーチは執筆作業と同じくらい・もしくはそれ以上の労力を投入するところだ、と認識しておいてください。

SEOライティングでのリサーチの目的は5つ

早速、リサーチの目的を順番にみていきましょう。

SEOライティングのリサーチの目的ーブログ担当者必見:SEOライティングのリサーチ手順・コツを大公開

目的(1)ターゲット層のニーズを理解する

Googleが検索結果の上位に表示するのは、検索者のニーズを満たすページです。
そのためにはまず、どんな人がターゲットかを明確に設定したうえで、検索の動機を推測しなければなりません。

よくある検索動機
・「知りたい」
・「特定のページにアクセスしたい」
・「商品・サービスの購入・利用をしたい」

の3つです。

まずは上記の3つの視点に立ち、“何を”「知りたい」のか、“どこに”「アクセスしたい」のか等、深掘りしていくためのリサーチを行います。

目的(2)キーワードリサーチ

SEOライティングは、どのキーワードを狙うのか決定せねば始められません。キーワード選定はSEO対策の基本。労力のかかる作業ではありますが、適切なキーワードを選ばなければ成果も出ませんから、キーワードの洗い出し・絞り込みのためのリサーチにはじっくり向き合いましょう。

キーワード選定についてもっと詳しく知りたい方は 2023-2024キーワード選定総合ガイド SEO対策の基本を徹底解説 をお読みください。

目的(3)上位ページの傾向を知り、コンテンツの方向性を決定する

実際に検索窓にキーワードを入力して検索し、上位のページを分析することで、そのキーワード・トピックで検索エンジンから評価されるための要素が見えてきます。上位の記事の見出し・本文・結論を確認しながら、
・自社の場合、そのテーマについて発信すべき情報・メッセージは何か
・それらはどういう切り口から執筆すれば「ユーザーにとって有益なコンテンツ」に仕立てられそうか

などを考えていきます。

検索ランキングで1位の記事をお手本にする・真似をするのが上位表示の近道?

検索結果はあくまでも相対評価であることを忘れてはなりません。1位のページはGoogleから「最もユーザーの役に立つ」と判断されているのは確かですが、だからといって、必ずしも、1位のページが本当にユーザーの意図を完璧に満たせているとも限りません。

上位の既存コンテンツを分析し、検索エンジンからの評価を獲得するための要素を洗い出すことは基本ですが、ただ真似をするのでは、上位記事を越えられません。「上位記事に足りない要素は何か?」自分の頭で考えることが欠かせないのです。

上位ページの傾向を知りコンテンツの方針を決めようーブログ担当者必見:SEOライティングのリサーチ手順・コツを大公開

目的(4)正確な情報で記事を構成する

明らかな事実の誤認のある記事、不正確な情報に基づいて制作されたコンテンツは、ユーザーに不利益を与えます。Googleはそのような記事を評価しませんし、「あれ、これ間違ってるな」と感じた読者は、すぐに離脱してしまいます。

特に、金融や医療といった「YMYL(=Your Money, Your Life)」のジャンルでは、誤った情報を提供することで、ユーザーの重大な損失につながる可能性があります。ですから、検索エンジンからの評価を決めるうえでも、情報の正確性・記事の信頼性は非常に重要だとされています。

webでの情報発信は、それが何百万人もの目に触れる可能性があるということを忘れず、真実・正しい情報にもとづいて執筆することが基本中の基本です。

目的(5)オリジナリティを高める

競合他社サイトのコンテンツとの差別化にも、リサーチがポイント。
上位ページの検索結果を参考にせざるを得ないSEOライティングでは、他にはない情報を意識的に集めてこなければ、ついつい、内容が似通ったものになってしまうんです。

「上位記事の情報の寄せ集めで作った記事」ではユーザーの心に刺さりませんし、あまりにも類似度が高ければ最悪の場合、検索エンジンからも「コピーコンテンツ」とみなされかねません。リサーチに一工夫することで他にはあまりない情報をプラスし、競合他社に差をつけましょう。

ここからは、この5つの目的に沿ったリサーチの手法を、1つずつ解説します。

【目的別・リサーチその1】ターゲット層を理解しニーズを深掘りするための調べ方

まずはターゲット理解と、ニーズをキャッチするためのリサーチからです。

ターゲット層がまだきちんと決まっていないなら

最初にターゲット層をしっかりと固めてください。さもなくば、「読者のニーズを深掘りする」にも、誰のどんなニーズを調べればいいのかわかりません。

誰に向けて書いているのかわからない文章は、メッセージがブレやすいだけでなく、読者の共感を呼ぶのも困難です。ターゲットによって好まれる文章の書き方や言葉の選び方も異なります。この先のコンテンツ作成をスムーズに進めるためにも、最初の時点でターゲット像を明確にすることを徹底しておきましょう。

ターゲット像を明確にするーブログ担当者必見:SEOライティングのリサーチ手順・コツを大公開

想定するターゲット層が詳細に決まっているなら

彼らの興味・関心・趣味などを詳しく調べます。仕事や家族構成についても思い描き、具体的にペルソナを想定してみましょう。ターゲットのライフスタイルなどをイメージするには、官公庁発表の統計資料などを使うのがおすすめです。

商品・サービスがすでにある程度売れている場合

手がかりとしてまず、既存顧客の情報を整理します。

・実際にヒアリングをさせてもらう/アンケートに記入してもらう
・ミーティング時の録音データがあれば聞き返す
・営業職など、実際にお客様と接する機会の多いスタッフに聞いてみる

などの方法で調べ、顧客の抱えていた課題を書き出してみて、自社の製品を選んでくれた理由を考えましょう。

新しく立ち上げたサービスや新発売の商品で、既存顧客がいない場合

狙っているターゲット層について社内でよく確認し、できるだけ掘り下げてみます。

もし、想定したペルソナに近い人が身近にいるなら、インタビューをさせてもらいましょう。自社でアンケート調査などをしてみるのも手です。

あわせてリサーチしたいのが、以下のSNSや、コミュニティサイト、オンラインのフォーラムです。

Yahoo!知恵袋・教えてgoo!・発言小町

ユーザーのリアルな悩みや疑問がわかります。同じユーザーの他の質問が見られるのも、ペルソナを掘り下げる際に役立ちます。

Youtube

動画の内容だけでなく、コメント欄のやりとりにもヒントがあふれています。

Twitter

匿名性が高いので、投稿者の本音や細やかな心情が読み取れる投稿が多いのが特徴です。

mixi

利用者はずいぶん減りましたが、かつての掲示板で行われていたやり取りは、まだ閲覧できるものが多くあります。特定のニッチな分野の声を効率よく拾い上げるのに「コミュニティ」の掲示板は非常に参考になります。ただし、情報自体は古いので、流行・最新情報には関係のないテーマでのリサーチで使うのがおすすめです。

これらの手段を駆使し、検索する人には、潜在的にどんなニーズがあるのか探っていきましょう。

【目的別・リサーチその2】最適なキーワードを選ぶための調べ方

コンテンツ制作をする上で必須である、適切なキーワード選定のためのリサーチですが、この作業はかなりのボリュームです。
【キーワード選定のやり方】で手順をご紹介した通り、まずはメインのキーワードを複数挙げ、そこから関連ワードをGoogleサジェストなどのツールを使って抽出、人力でもワードを追加してからカテゴリーごとに分類し、絞り込み・選択へと進みます。

キーワード選定ーブログ担当者必見:SEOライティングのリサーチ手順・コツを大公開

・メインのキーワードを何にするか
・競合が力を入れているキーワードは何か
・キーワードの検索ボリュームや競合性

など、キーワード選定にまつわるリサーチはかなりの手間がかかります。それを見込んだ作業時間を確保したうえで、臨んでください。
キーワードのリサーチと選定作業について、もっと知りたい人はこちらの記事もお読みください。
2023-2024キーワード選定総合ガイド SEO対策の基本を徹底解説

【目的別・リサーチその3】上位ページの傾向を知るための調べ方

狙うキーワードを決めたらGoogleの検索窓に入力し、検索結果の上位に表示されるページをチェックします。最低でも10位までは、概要だけでなく本文にも目を通してください。

確認すべき事項は主に以下の点です。
どんなサイトか(例:企業や政府機関のサイトか個人のブログか/企業であれば規模の大小)
どんなジャンルのページか(例:知識・情報を得るためのページ/商品購入のためのページ/まとめページ)
どういう内容が書かれているのか(例:トピックに対する意見は賛成か/反対か)
タイトル・見出しはどうか
記事の文字数・全体の分量はどのくらいか
その記事を読んで受けた印象

それぞれの項目をエクセルやスプレッドシートで一覧にまとめておくと、後から見返す際に便利です。全ての項目をきちんと埋めようと思うと大変ですし、検索結果は入れ替わりもありますから、完璧は目指さず、ざっくりと把握する、くらいで構いません。

ちなみに、各種SEOツールを使えば、レポートとしてこれらの項目を一括で出力でき、効率が大幅にアップします。もし、記事本数が多く継続的にこういった作業が必要になると見込まれるのなら、ツール導入を検討することをおすすめします。
関連記事 用途別8種類!SEOライティングおすすめツール記事内 【SEO対策に本腰を入れる企業・web制作会社ならぜひ検討を】SEO分析ツール

【目的別・リサーチその4】正確な情報を得るための調べ方

リサーチといえばまずは検索、という人が圧倒的に多いと思いますが、企業として公に発信する記事を執筆するための調査となると、検索エンジンからの情報収集だけではやや不安が残ります。web上で発信されている情報は、誰がどうやって書いたのか明かされていないこともありますし、ページの内容はすぐに書き変えられるからです。
もちろん、オンラインで発信されている情報がすべて不正確で不適切というわけではありません。効率の面でも検索エンジンの活用は必須ですから、リサーチには検索を使ってOK。ただし、検索結果からたどり着いたサイトを参照するには、考慮すべき2つのポイントを知っておいてください。

Point1 検索で発見したwebサイトの情報は信頼性のチェックを入念に

ネットからの情報を記事に使いたいなら、必ず「裏どり」を行うことが前提です。

一例として、SEOライティング専門で実績があるライターさんのやり方をご紹介すると
・複数(最低でも3つ以上)の信頼できそうな記事を参照
・その全てで概ね同じ意見である

場合に、その情報は正しいと判断し、記事に採用して良い、としているそうです。

「裏どり」の具体的な基準はそれぞれの企業で決めることになりますが、参考にしていただければと思います。

ただし、同じことを書いてるサイトが複数あっても、明らかに、同一情報源を参照して書かれたと思われる場合は、鵜呑みにしない方が良いこともあります。

例えば、検索結果で1位の記事Aを読んだ後、2位の記事B・3位の記事Cを読んだらほとんど同じ内容が書いてあったとしましょう。AとBとCを比較した時、書きぶりや話の展開まで「非常に似ている」と感じられるなら、AとBとCは元々、同じ記事を参考に書かれている可能性も考えなければなりません。BとCは、実は、ずっと1位にいるAの情報を元に書かれた、ということもありえます。

情報の信頼性のチェックをーブログ担当者必見:SEOライティングのリサーチ手順・コツを大公開

2023年現在、SEO対策の定石は「上位のサイトの傾向を踏襲すること」。1位の記事の内容をそのまま真似て作られたページが大量に生み出されていますから、そのように作られたサイトが検索結果の10位以内に複数ランクインしていることも十分ありえます。

実際、日本語での検索結果にはまったく出てこない海外論文の情報をもとにして、日本のユーザー向けに日本語の記事を書いたことががありました。すると、オリジナリティの高さが評価されたのか、狙っていたキーワードでめでたく1位を獲得。それから1年以上、3位以内にランクインし続けていますが、徐々に、同じキーワードでの検索結果の10位以内に表示される記事に、私たちの記事と同じ内容が書かれるようになりました。戦略的に上位記事の内容を取り入れるSEO対策の手法は、もはや常識になっています。

少し切り口を変えて書いてある記事Dや、論の展開が違う記事Eを参照しても、同じ内容が書かれていれば、その情報は適切だと考えて良いでしょう。

「信頼できそうな記事」かの判断はどうする?

個別の記事の信頼性を判断する基準は、以下をチェックしてみてください。

・大手企業や公共機関など、権威がある組織の運営するサイトに掲載されている
・執筆者の名前・所属機関などのプロフィールと問い合わせ先が明らかにされている
・専門家の監修者がついている
・他のサイトを参照している場合はきちんと引用元が記載されている

また、誤字や脱字がなく、こなれた日本語で書かれている記事は、プロのライターや編集者によって、丁寧に作られたページということ。情報のリサーチもしっかりとされている可能性が高く、信頼がおける傾向にあります。

「1位だから」「よく見かけるサイトだから」といって必ず正しい情報とは限らない

Googleの検索エンジンは非常に精度が上がっているとはいえ、1つ1つのサイトに掲載された情報の正誤までを人間がいちいち確認しているわけではありません。ですから、上位のサイトにも正確でない・最新でない情報が書かれていることもあります。

上位サイトの掲載情報を丸ごと信じて記事に使用して良いわけではない、と知っておいてください。

Point2 【本・雑誌・新聞・論文】webサイトの他にもある情報収集の手段

「新しさ」がさほど重要ではない分野なら、本・雑誌など出版物を見るのもおすすめです。基本的に、専門性の高い人やその道のプロなどが書いたものを、編集者をはじめ複数人でチェックしていますから、信頼性はwebサイトよりもかなり高くなります。

なお、書籍によっては新しい情報を取り入れた改訂版が出されることもあります。もちろん後から出版された版を参照した方が最新情報に出会えますから、出版物を参照する場合は、念のため、新しい版が出版されてないかの確認も行ってください。

また、今は電子書籍なら誰でも簡単に出版できるようになってきましたし、出版のハードルも下がっていますので、
・ある程度、出版実績のある出版社が手がけている
・業界で確かな経験のある著者が書いている

以上2つは、念のため確認しておきたいところです。

【目的別・リサーチその5】オリジナリティを高めるための調べ方

インターネット上の記事は、検索結果の上位に表示されるテキストコンテンツを情報源として書かれていることがほとんどです。そのため、検索エンジンで調べて上位に出てくる記事を参考に執筆するだけでは「ちょっと調べたら出てくる内容の寄せ集め」にしかならず、上位記事にも勝てません。
Googleはオリジナリティの高いコンテンツを評価する、としていますから、差別化のためには、検索エンジン以外での情報収集がポイントです。

Google検索以外のリサーチも組み合わせて利用しよう

これまでご紹介してきた方法を組み合わせることで、新たなリサーチ方法のアイデアが浮かんできます。

・紙媒体の資料や出版物を参照する
・論文や専門書のように、一般の人にはあまりなじみのない資料を参照する
・自社にしかないデータを参照する(統計資料、お客様の事例、実験結果など)
・スポット紹介などであれば、実際に現地に行って取材する
・ターゲットにヒアリングをする
・webでアンケートを行うなど他にはないデータをとる
・yahoo!知恵袋、教えてgoo、発言小町、X(旧Twitter)などのコミュニティサイトを参照する

業界や調べたいテーマによって、最適なリサーチ方法は異なるので、都度使い分けるのがポイントです。

オンラインのコミュニティでリサーチするときのポイント

ターゲットのニーズを深掘りする時にも使えますが、疑問・質問だけでなく、寄せられる回答にも着目する価値ありです。

Yahoo!知恵袋ーブログ担当者必見:SEOライティングのリサーチ手順・コツを大公開コミュニティサイトで交わされる会話はあくまで、「立ち話」程度。情報の正確性は高くはありません。ですが、執筆のヒントがたくさん潜んでいます。他のリサーチ方法で裏どりをして正誤を確かめれば、執筆に活かせますよ。

ユーザーのリアルな声を眺めるなかでふっといいアイデアを思いつくこともあるので、執筆に行き詰まったときや、視点を変えたいときにおすすめです。

専門書や論文のリサーチはどうやればいい?

紙媒体の資料や出版物でのリサーチに役立つのが、図書館です。地域の公共図書館や、大学の附属図書館などには専門性の高い資料がたくさん収められています。特に、国立国会図書館は、日本国内で出版されたほぼすべての出版物にアクセスできる国内最大規模の図書館で、登録すれば、ほとんどの蔵書を誰でも利用できます。

自分の住んでいる地域の図書館には蔵書が少ない、という場合も、オンラインのデータベースで検索して複写の依頼をすることで、資料を取り寄せられるケースも多いので、ぜひ活用してください。

図書館にいちいち足を運ぶのは面倒に感じられるかもしれませんが、特に専門性の高い分野で執筆していくのであれば、出版物からの情報を参照できると、非常に安心感があります。ハイレベルなテーマ・難解で専門的なトピックでのコンテンツを継続的に制作していくことになったら、早い段階で図書館の使い方に慣れておくと良いでしょう。

なお、学術論文は誰でも気軽に読み解けるわけではありませんが、独自性の高い情報・まだ世の中には知られていない情報を探すには最適です。大学などで卒業論文を書いたことのある人は、慣れればなんとかなりますし、監修者をつけて質問する手もありますから、論文の参照にチャレンジしてみても良いかもしれません。

Google検索で他にはない情報を探すための一工夫は「外国語」

また、検索エンジンで検索する場合でも、少し工夫するだけで、オリジナリティの高い情報を探しやすくなるんです。それは、英語などの外国語で検索すること。

英語での検索結果には海外サイトがヒットするので、日本語の上位記事には含まれていない要素が見つかりやすくなります。

Chromeを使っているなら、検索結果の右上に出る翻訳ボタンをクリックするだけで、検索結果から、その先のページの内容まで全て自動ですぐに翻訳してくれ、英語サイトの内容も日本語で確認できます。機械翻訳ですからそのままの文を記事に入れると違和感がありますが、情報源の一つとしてリサーチに使うのであれば十分だと思います。

ブラウザの拡張機能で翻訳ーブログ担当者必見:SEOライティングのリサーチ手順・コツを大公開

ブラウザの拡張機能で翻訳2ーブログ担当者必見:SEOライティングのリサーチ手順・コツを大公開

ただし、機械翻訳ですから、訳し間違いも生じます。情報を採用する際には念の為、該当箇所を原文で確認した方が安全です。そのため、英文と日本語文を見比べて、大きく意味が異なることがないかの確認ができるレベルの英語力はあった方が良いでしょう。

また、海外のサイトを参照する場合も、日本語サイトと同じく、「裏どり」が必要です。さらに、日本と外国では文化・制度の面でギャップもあります。海外サイトの情報を丸ごと、日本の読者に向けた記事に使うことはできない場合もあることを念頭においてください。

外国語でのリサーチは注意すべき点が多いものの、分野によってはかなり有効な手法ですから、知っておいて損はありません。

集めた情報から記事の構成を作るには?リサーチ後の戦略の立て方

リサーチの中で、これから執筆するテーマについてさまざまな情報に触れ、ある程度の知識がついたことでしょう。その状態まで来たら、その情報を検索するユーザーになったつもりで考えてみます。次のステップは、現在の上位記事が本当にユーザーの疑問に答え、悩みを解決できるコンテンツになっているかの確認です。

あなたが検索者なら、その検索結果で満足できる?

狙うキーワードで検索してみて、上位に来ている記事を読んだユーザーはどう感じるか予想してみます。例えば、「分かりにくい、結局どういうことだろう」と、もう一度、検索したくなるような内容のページばかりではないでしょうか?

「既存の上位記事が検索意図に応え切れていない」と感じたら、あなたの考える必要な要素を、記事に付加すべきです。

検索結果ーブログ担当者必見:SEOライティングのリサーチ手順・コツを大公開

なお、Yahoo!知恵袋やフォーラムで質問が飛び交うトピックは、現在の上位記事が検索者のニーズに答えられていない可能性が大。質問した人はきっと、検索して上位記事も読んでいるはずです。それでも質問したということは、検索結果に満足できなかったということですから、質問されている内容をヒントに、本当に求められている内容を盛り込んだコンテンツを作りましょう。

リサーチのコツ・時間を短縮する方法

ここまでご紹介したステップを丁寧に実践すると、リサーチにかなり時間がかかることを理解いただけたかと思います。ある程度、割り切って向き合うべきではありますが、それでも、効率化できるところは効率化して、少しでも時間を短縮したいものです。

Chat-GPTを使う

あるトピックについての世間一般の標準的な意見を知りたい、テーマ全般にわたる情報をざっくりと教えて欲しい、そんな時に活用できるのがChat-GPTです。人力でリサーチするなら検索結果で上位に表示されるサイト複数をざっと読み込まねばならないところを、Chat-GPTなら的確に要約してくれます。

詳しくは以下の記事でご説明していますのでご参照ください。
関連記事 AIライティングツールでSEO対策するなら知らないと危険!コツと注意点

その業界/分野に明るい人・リサーチが得意な人をアサインする

事前知識の有無でリサーチにかかる労力は大きく異なりますから、可能なら各スタッフのバックグラウンドを考慮のうえリサーチ担当を選びましょう。

例えば、新卒で入社したばかりの未婚男性スタッフが結婚式場のオウンドメディアで花嫁に向けた記事を書くとしたら、きっと知識がほぼゼロの状態でスタートしなければならないでしょう。ペルソナを固めるためのリサーチの時点から、かなり時間がかかりそうです。
一方、既婚者かつ、前職がウェディングサービスのあるホテル勤務であった女性スタッフではどうでしょうか。先の男性スタッフの半分未満の時間でリサーチを済ませられる可能性もあるでしょう。適材適所がポイントです。

社内でその分野について最も知識のある人がリサーチを担当できない場合は、その人に都度、ヒアリングをさせてもらうのがおすすめです。知っている人の口からしゃべり言葉で詳細に教えてもらうと、web上の文章を読むよりも理解がスムーズに進みます。わからないことがあってもすぐピンポイントで質問し、その場で疑問を解決できますから、大幅な時間短縮になります。
Web制作会社でお客様のサイトのコンテンツ制作を代行するケースでは、クライアントからしっかり話を聞き出しましょう。

リサーチは、向き・不向き、好き・嫌いが分かれます。中には、執筆やディレクションは不慣れでも、リサーチは飛び抜けて得意、という人もいますから、そんなスタッフがいたらぜひリサーチ担当に任命したり、手伝ってもらったりしましょう。

適切・効率的なリサーチでSEOライティングはうまくいく

SEOライティングを成功させ、ページの順位を上げるカギは、リサーチにあります。しっかりとリサーチに取り組むほど良い記事となり、効果も出やすくなりますから、ぜひ力を入れてみてください。
また、リサーチは執筆前に済ませておくものですが、書いている最中に疑問に思ったことはもちろんその都度、調べ直してくださいね。丁寧なリサーチで、質の高い記事を作りましょう。

関連記事 SEOライティングに使えるツール・手法はこちらで紹介しています
用途別8種類!SEOライティングおすすめツールで効率・品質アップ【ブログ担当者必見】

企業のコンテンツマーケティング施策に欠かせない、SEOライティング。自社でWebサイトを運営し、SEO対策を行う企業が増えてきました。
しかし、テキストコンテンツを重要視してはいるものの、実際にどうすれば、Web上で読まれる記事になるのか、いまいちピンと来ない人も多いのではないでしょうか。

今回は、「SEOに強い記事の書き方は?」に引き続き、SEOライティングのコツや、Google検索で上位に表示させるための注意点をご説明します。
SEOライティングについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。

SEO ライティング 記事バナー

SEOライティングのコツー【SEOライティングのコツ】Google検索上位に表示させるには?書き方の基本を詳しく紹介

SEO対策記事を書くときのコツ

SEO(Search Engine Optimization)は、日本語でいうと「検索エンジン最適化」。Googleをはじめとした検索エンジンで表示される検索結果で、ページが適切に評価されるよう、ページのいろいろな要素を調整することです。

SEO対策の先にある目的は「商品購入」や「サービス利用」です。ブランディングや認知度アップを目的とする場合もありますが、営利目的の企業の場合は、最終的な達成目標は上記の2つになるでしょう。

検索結果で上位に表示されると、ユーザーの目に触れる機会が増え、当然、クリックされる確率も上がります。

ではどうしたら、上の方にランキングされるのか?
上位表示されるには、ユーザー(読み手)の「疑問に答える」「悩みを解消する」「正しい情報を掲載する」「ニーズを満たす」などして、検索エンジンから高評価をもらわなければならないんです。

検索エンジンにはGoogleやYahoo!、safariなどいろいろありますが、Yahoo!のようにGoogleのアルゴリズムを利用している検索エンジンがほとんどなので、日本国内では「SEO対策=Google対策」と思ってOKです。

では、SEO対策目的の記事を書くときのコツを一つずつ見ていきましょう。

SEO対策記事を書くときのコツー【SEOライティングのコツ】Google検索上位に表示させるには?書き方の基本を詳しく紹介

SEOライティングのコツ①狙うべきキーワードを決めてから書き始めよう

SEO対策のための文章は、キーワード選定を行い、戦略的に書いていきます。
雑誌や小論文と異なるのは、「ユーザーが検索時に入力するであろうキーワードに呼応する記事を書く」点です。

・トピックに関連するキーワードをリサーチしてから書き始める
・人気キーワードやロングテールキーワードを見つけて記事に仕込む
・SEOを意識し、構造化する必要がある

この3点は、SEOライティングのテクニックを学ぶ機会がなかった人にとっては、難しく感じるポイントかもしれませんね。

キーワード選定さえしっかり行えば、コンテンツ制作の段階でのキーワードにまつわる困りごとは格段に少なくなります。

ありがちなのは、「似たキーワードがいくつも選ばれていて、同じような記事ばかりになってしまう」失敗。キーワード選定を行うときには、執筆する予定のスタッフやライターに「実際のSEOライティングを想定して無理がないか?」チェックしておいてもらうといいですよ。

関連記事
2023-2024キーワード選定総合ガイド SEO対策の基本を徹底解説
【SEOキーワード選定のやり方】誰でもできる手順を6ステップで解説

SEOライティングのコツ②良質なコンテンツを制作しよう

検索エンジンに選ばれ、検索結果の上位に表示してもらうためのポイントは「良質なコンテンツを公開すること」です。
では、質の良いコンテンツとは、どのような記事を指すのでしょうか?

1. ユーザーが求める情報の答えがわかりやすく書かれている

Googleからの高評価は、“情報のレベルが高度である”だけでは得られません。私たちが日常生活の中で疑問に思ったことを検索エンジンで調べるときの行動を想像してみてください。深く考えずに、上位の2、3記事にざっと目を通していますよね。
その際に、よっぽど専門的な分野の言葉でなければ、論文のような専門性の高い文章ではなく、わかりやすく解説してくれている記事がトップに上がってきているはずです。

このことからもわかるように、検索エンジンが上位に表示する優先度を決める評価の基準は、検索ユーザーの「疑問が解消されること」「悩みが解決されること」「ほしい・役立つ情報が提供されていること」などです。Googleは完全に、ユーザー目線で作られたコンテンツを高評価するのだと知っておいてくださいね。

2. 記事の内容がオリジナルで、他のサイトのマネではない

SEOライティングの技術について書かれた記事を読んでいると、「自社よりも上位に表示されるサイトの情報をよく読み、洩れ欠けがないよう文章中に盛り込むように」と書かれています。

もちろん、同じ目的で書かれた同様の記事をチェックして、情報を網羅するように書くのは大切ですが、“てにをは”を少し変えて、同じような見出しと本文を掲載すればいいというものではありません。それでは、俗にいう“パクリコンテンツ”になってしまいます。
他社記事のマネは、モラルの問題だけではありません。SEO的にもペナルティが課され、検索順位が急落するおそれがあるので、注意してください。テーマが同じなら、文章が似てくるのもある程度は仕方がないとはいえ、検索エンジンから「コピーコンテンツ」とみなされては元も子もありません。

他社サイトのマネではない記事をー【SEOライティングのコツ】Google検索上位に表示させるには?書き方の基本を詳しく紹介

記事が似通ってきてしまいそうな時は、キーワード選定前に設定したペルソナやターゲット層を具体的に思い浮かべて書きましょう。ユーザーに寄り添うことで、他の記事のマネではないオリジナリティを感じさせるコンテンツが作れますよ。

SEOライティングのコツ③適切な長さでコンテンツを制作しよう

どのようなキーワードを狙って記事を書くかによって、適切な文字数は変わってきます。有料ツールを使えば、そのテーマで書く際の文字数について、最適値や理想値を出せますが、ここでは、人力で行う方法をご紹介します。

参考にするのは、狙うキーワードで検索したときにTop10に表示される記事です。上位の記事がどれも10,000字超え、というテーマに対し、2,000字の記事を書いても、なかなか結果はついてきません。それぞれの記事が、何文字くらいのボリュームで書かれているかを確認していきましょう。

文字数の確認は、記事本文を選択・コピーして、GoogleドキュメントやMicrosoftWordに貼り付け、文字カウント機能で調べます。ほかにも、Googleのブラウザ「Chrome」に文字数をカウントできる拡張機能を追加する方法があります。ブラウザ上で該当箇所をチェックするだけで簡単に文字数がわかるので便利です。

もし可能なら、上位10記事のなかで一番長い記事の文字数を超えるように書くのが理想的です。
ですが、業種・業界によっては、かなり文字数の多いコンテンツが上位を占めているケースがあります。検索ボリュームの多いビッグワードでその傾向があり、一万字以上、時には二万字と出てしまうことも…。短い書籍ほどの文字数になってきますから、Web記事としては、躊躇するボリュームです。

書く前に挫折するのはもったいないので、まずは、上位10記事の平均文字数を超えることを目標に書いてみましょう。
一定期間後に分析をしてみて、SEO効果が見られないようなら、追記を含むリライトをし、様子を見るといいですよ。

SEOライティングのコツ④読み手の「読みやすさ」を考慮しよう

「読みやすさ」を考えるのは、Webだけでなく、紙媒体の文章も同じ。でも、Webでは、簡単に“離脱(ユーザーがページの途中で読むのをやめてサイトを離れること)”が起こるので、読みやすさへの配慮はより重視されます。

読みやすさを考慮するー【SEOライティングのコツ】Google検索上位に表示させるには?書き方の基本を詳しく紹介

冒頭の導入部分に、概要を要約していれる

検索エンジン経由で記事にたどり着いたユーザーは、一刻も早く「必要な情報を得たい」「疑問を解消したい」と思っています。ですから、あいさつ文や関係のない雑談が冒頭に長く入っていると読む気力をなくし、離脱します。

冒頭で結論をほのめかしたり、内容の要約を入れたりすると、ユーザーを「読もう」という気にさせられます。
また、見出しを利用して目次が自動生成される仕組みを導入しておくと、コンテンツの冒頭に「目次」として見出しが表示されるので、探している情報がどこにあるのかわかりやすくなり、ユーザビリティがアップしますよ。

一文はなるべく短くする

例えば、
“江戸川区は河川の多い地域で水害が多く、昔から気を付けるようにアナウンスされているため、水害への対策が必要だと地域住民は知っていて、防災グッズを常備している家庭も多いのですが、気を付けてほしいのが備蓄食材の賞味期限で、5年と長いものもありますが、気づけば賞味期限切れという事態も多発しているので、日ごろから回転備蓄を心がけるといいと、先日、防災アドバイザーの講演会に参加して聞いてきました。”

と一文がこんなに長いと、結局何が言いたかったのか、途中でわからなくなってしまいます。

“江戸川区は河川の多い地域。水害が多く、昔から対策が必要だと地域住民には周知されています。
そのため、防災グッズを常備している家庭は、ほかの地域に比べて多いのですが、気を付けてほしいのが賞味期限です。5年と長くても、気づけば切れているもの。防災アドバイザーによると、回転備蓄がおすすめだそうです。“

このように文章を分けて、余分な要素を削除すると、格段に内容がとらえやすくなります。

長い文章は読み手の負担ー【SEOライティングのコツ】Google検索上位に表示させるには?書き方の基本を詳しく紹介

自分の書いた文章を自分でチェックしていても、問題点になかなか気づきません。校正や編集の経験がない同僚や家族でも構わないので、第三者に読んでもらうことは重要です。わかりにくいと感じる箇所を指摘してもらいましょう。

段落や箇条書きを利用して情報を視覚的に整理する

段落の区切りは改行で示します。ただし、改行しすぎるとかえって、ブツ切れで文のつながりがわかりにくくなりますから、話の内容が変わる部分で改行を入れて、段落で区切りましょう。

例示や並列で文章や言葉が並ぶときは、箇条書きを利用すると見やすくなりますよ。

一部分だけ読んでも理解できるように書く

Webに掲載される記事ならではの特徴は、文書の一番初めから読まれるケースばかりではないということです。
中間に位置する見出しや文章が検索エンジンに拾われ、途中から読むユーザーもいますし、探している言葉だけをページ内で検索(Ctrl+F)して、該当箇所だけを読む人もいます。

例えば小説なら、初めから順に読まれる想定で物語が展開します。でもWebに掲載される文章は、ユーザーが得たい情報が最後にだけ書かれていれば、いきなり結論に飛んでしまうユーザーもいるんです。

冒頭から順に読まれる想定の小説では、主人公の背景や状況を何度も説明する必要はありません。しかし、Web上のコンテンツのうち特に、5,000字を超えるボリュームの記事では、前提となる知識については、ところどころで再度、軽く説明した方が良い場合もあります。

「先ほどここで説明しましたよ」という内容があれば、ページ内の該当箇所へのリンクを挿入してあげるのも読者の理解を助けますから、上手に利用しましょう。

SEOライティングのコツ⑤内部リンクで構造化SEOを

この記事にも先ほどから何ヶ所か「テキストに下線がついて青色になっている部分」がありますが、これはクリックすると、当サイト内の別の記事に移動します。このように、同一サイト内で移動できる仕組みを「内部リンク」といいます。

最近は電子書籍でも、Webサイトにある文字リンクのような形で、該当箇所に飛べる仕組みになっていますが、別の本には移動できません。
その点、Webサイトのコンテンツは、URLを記載しさえすれば、関連する記事へ簡単に誘導できます。
ユーザーが「この内容についてもっと知りたい」と思ったタイミングで、そのことをより詳しく説明している記事へのリンクが置かれていたら、ユーザーの利便性は高まります。このようなユーザビリティへの配慮は、「良い記事だ」と検索エンジンから見なされるためにも大切です。

さらに、内部リンクの設置は構造化SEOのためには必須事項です。
構造化SEOは、単一のページだけでは、上位表示が狙えそうにないレッドオーシャンの激戦キーワードに対して行う施策です。検索ボリュームの多いビッグワードを狙いたい場合は、ぜひ構造化SEOに取り組むべきです。

検索エンジンはWebサイト内を一ページずつチェック(クロール)していますが、どの記事を上位表示するか決める際には、単一ページとしての評価だけでなく、同じサイト内で同一テーマについて作成されたコンテンツの情報量、情報の網羅性も加味しているんです。

内部リンクで構造化SEOー【SEOライティングのコツ】Google検索上位に表示させるには?書き方の基本を詳しく紹介

ですから、特定の分野のキーワードで上位表示を目指したいのなら、その分野の情報を幅広く、まんべんなく発信してみてください。すると、だんだんと該当分野のキーワード全体の順位がじわじわ上がってくるはずです。

有料ツールを使えば、構造化のためにはどのくらいの記事数が必要か、目安を出してくれるので、とても便利です。しかしながら、社内で試験的にSEO対策を実践してみよう、という段階なら、無理に入れる必要はありません。
その場合は、無料で使えるGoogle広告のキーワードプランナーやラッコキーワードで関連ワードやサジェストのキーワードの一覧を取得します。
目安として関連ワードの数の4割を、執筆本数として設定するといいでしょう。関連ワード10個なら4本、100個なら40本ですね。

気を付けたいのはビッグワードの取り扱いです。月間検索数が数万件もあるようなビッグワードの関連ワードをツールで抽出すると、何百個も出てきます。そのようなビッグワードを中小企業が狙うには、膨大な本数の記事が必要です。費用対効果で考えても効率が悪いので、関連ワードをミドルワードやロングテールキーワードなどに落とし込む、といった具合で、結果が出るまでの時間を鑑みて、調整してくださいね。

詳細は下記の記事をご覧ください。

関連記事
ロングテールキーワードとは?選び方を紹介します【SEO対策の効果を最大化】
【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます

SEOライティングのコツ⑥外部サイトへのリンクは適切に

外部のサイトを引用や参照をする場合、参照元や引用箇所を明示することは必須です。ただし、なんでもいいからリンクを貼ればいいというわけではありません。
運営者が明確でないサイトや、不確定な情報、極端で偏った意見のサイトへのリンクは、クリックしたユーザーに不信感を抱かせますから、無闇に入れないようにしましょう。

外部サイトへのリンクで設置すべきものとしては、官公庁や公的機関の出す情報です。正誤がチェックされた内容や、正確に統計処理された資料なので、引用元・参照元としては最適です。
民間の調査会社のデータもたくさんありますが、限定的・恣意的な調査であったり、サンプル数が極端に少なかったりするケースもあります。記事で主張したいことの根拠として使うなら、ほかのデータも参照して裏を取り、信頼性が高いことを確認してからにしましょう。

また、SEOライティングでは最終的に「自社の商品・サービスを購入してもらう」ために書いているのだということを、忘れないでください。
競合の商品を称賛する文章とともにご丁寧にリンクまで入れては、自社の営業妨害になってしまいます。比較する記事で、アイテムの1つとして出すなら有効ですから、使ったら絶対にNGということではありませんが、どこまでをOKラインとするかは企業によって変わりますので、事前に社内で確認しましょう。

SEOライティングのコツ⑦検索エンジンに記事の構造を認識してもらうため、タグを適切に配慮

記事を公開するためにWordPressなどに入稿する際は、見出しや強調部分、箇条書きなどの設定が必要です。これらは、読者の読みやすさをアップするだけでなく、検索エンジンに記事の構造を伝えるためにも必須なんです。

タグを手打ちすることもできますが、Wordpressへの書き込みなら、画面上での直感的な操作で編集できます。

タグを適切に配置するー【SEOライティングのコツ】Google検索上位に表示させるには?書き方の基本を詳しく紹介

見出しは上から下へ、順序良く

基本的に、見出し2「h2」の下には、見出し3「h3」、その下には見出し4「h4」と続きます。
h2の次にh4が来て、またh3というように順番が狂うと検索エンジンを惑わせる可能性があります。少しくらいは大丈夫なのですが、なるべく順番通りに、と念頭に置いておいてください。ちなみにh1はタイトルに使われるので、記事内の見出し化タグは通常、「h2」から始まります。

例えば、このように記述すると、以下のように表示されます。

大見出し1

大見出し1内の中見出し1

大見出し1内の中見出し2

大見出し2

大見出し2内の中見出し1

大見出し2内の中見出し2

中見出し2内の小見出し1

大見出しh3

h2大見出し>h3中見出し>h4小見出し・・・と順序良く使いましょう。

見出しの他に、タイトルやディスクリプションも、検索エンジンに記事の内容を伝えるために重要です。入れ忘れないように注意してください。

SEOライティングのコツ⑧画像の最適化

写真やイラスト、図表など、画像を入れる際のポイントは以下の2つです。

画像にaltタグを入れる

公開されたコンテンツに直接は表示されない部分ですが、画像にはaltタグ(「オルトタグ」)が仕込まれています。画像の読み込みが遅い時、画像のかわりに代替テキストが表示されるのを見たことがあるかもしれません。テキスト読み上げ機能を使う際にも、altに入れた文字が読みあげられます。

altタグに、画像の内容を端的に示す文章を入力しておくと、画像検索の際に入力されたキーワードに引っ掛かってくるケースが多いんです。「○○社 利用者数推移データ 男女比」のように書くだけなので、気軽に試してみてください。
altを入れなくても画像のアップロードはできますが、SEOを考えるならぜひ入力してみてください。当然ですが、画像と関係ない文章を仕込むのはNGです。

画像を適切なサイズに加工する

画像のデータサイズが重すぎると、ページの表示速度に大きく影響を及ぼします。読み込みが遅いページはユーザーの離脱を招きますから、SEO的にもマイナスです。

データサイズは100KB~200KB以内に圧縮しましょう。どうしても掲載したいデータでも上限は1MB以内にしてください。
画面幅に合わせて縦と横のpx幅を決定します。一般的には横幅は1920px以下です。ブログページならバナーやサイドメニューが入る関係でもう少し狭いかもしれませんね。
掲載予定のサイトのページ幅に合わせて、横幅を確定しておくと、画像圧縮作業の際の目安になって便利ですよ。

ページ幅に合わせてリサイズして、きれいに見える範囲で一番小さいサイズにデータを圧縮しましょう。

SEOライティングのコツ⑨モバイルフレンドリー

「モバイルフレンドリー」は、スマホやタブレットなどのモバイル端末でも見やすいWebサイトを指す言葉です。現在では企業サイトでもPCとモバイル端末では、閲覧数が半々くらい。BtoCのサイトでは、8割以上がモバイル端末による閲覧です。

モバイルフレンドリー【SEOライティングのコツ】Google検索上位に表示させるには?書き方の基本を詳しく紹介

そのため、「スマホで見たらレイアウトが崩れている」というようなことは昔に比べればずいぶん少なくなりました。ただし、タブレットや、大画面のスマホなど、多種多様な大きさの画面で閲覧されるようになってきていますから、どの端末で見ても、きれいなレイアウトになるようにサイトを設計しましょう。

なお、ブログやコラムなど、テキストコンテンツを投稿するページでは、他ページとレイアウトが違う場合があります。
・画像や図表を挿入したときにどのように表示されるか?
・タイトルや見出し、文字サイズは適切な大きさか?
・太字やアンダーライン、見出し、装飾など、どのような色・フォントで表示されるか?

など、記事公開前には各種モバイル端末での見栄えをチェックしてください。

SEOライティングのコツ⑩更新頻度はどれくらい?

SEO業界は、情報の更新頻度が非常に早いため、定期的なコンテンツのアップデートは欠かせません。ファッションやグルメの分野も、日々、新たな商品が世間の話題にのぼっては消え…を繰り返していますが、それと似ています。
一方で、動物の生態や薬の効能などは、研究が進んで新たな発見はあれど、情報の更新頻度はゆっくり目です。

このように、業界・業種・商品やサービスによって、更新すべきタイミングや頻度は変わってきます。

Web上の記事は「情報が新しくなったら必要に応じて更新する」のが基本。いつまで経っても古い情報が掲載されたままだったり、古い情報と新たな情報が混在していてどちらが最新の話なのか判らなかったり、といった状況は、SEO的には好ましくありません。
ユーザー目線で考えても、何を信じたらいいのかわからず、「きちんと管理されていないサイトだ」という印象を与えかねません。

公開後にアクセス状況を分析してみた際に「上位表示され、多くの流入を獲得している記事」が見つかることがあります。このような記事は、他のページをけん引する、いわば「スター記事」ですから、好成績を維持するためにも情報更新を欠かさず、読者にとっての魅力を保てるようメンテナンスに努めましょう。

SEO記事の更新頻度ー【SEOライティングのコツ】Google検索上位に表示させるには?書き方の基本を詳しく紹介

SEOライティングのコツ⑪ユーザーからのコメントやお客様の声を取り入れる

SEOライティングの基本は、「お客様がほしい情報を掲載すること」だとお話してきました。ぜひ確認してほしいのが、レビューやアンケート結果などの「お客様の生の声」です。
飲食店やアパレル、不動産業などでは、社名を検索すると口コミ情報が出てくることがあります。また、“意見”や“クレーム”として、社内に蓄積しているデータがあるかもしれません。

もし、そのようなデータがなければ、現場担当者や、お客様と接する機会の多いスタッフに詳細なヒアリングを行いましょう。
併せて、「SEO対策記事に活かしたい」旨を社内に共有し、日々、お客様の声を吸い上げられる体制を整えておくと理想的です。コンテンツマーケティングに限らず、企業の経営方針や姿勢、新サービスにつながるいいアイデアが浮かぶかもしれませんよ。

SEOライティングのコツ⑫競合企業のサイトを分析し、網羅性アップ

競合となる企業のWebサイトにどんな記事が掲載されているかは、執筆前に大まかに確認しておきましょう。記事の網羅性を確保するためにも、ターゲット層や商品・サービスが似ていると思われる記事に書かれている情報は、すべて取り入れます。コピーコンテンツにならないように、独自の見解や切り口を考えましょう。

E-E-A-TとYMYLってなに?

ここからは、Googleのガイドラインや公式発表を参考に、SEOライティングですべきことを確認していきましょう。

E-E-A-Tとは?

SEOについて勉強していると時々見かけるEATという言葉は、英単語から来ています。
・Expertise(専門性)
・Authoritativeness(権威性)
・Trustworthiness(信頼性)

の頭文字をとってEATと呼ばれているんです。

EEATー【SEOライティングのコツ】Google検索上位に表示させるには?書き方の基本を詳しく紹介

EATは、Google公式の「Search Quality Evaluator Guidelines(検索評価ガイドライン)」に書かれています。このガイドラインは、Googleのランキングシステムが、各ページが有益で的確な情報を提供しているか評価する際に使用される「ルールブック」のようなものです。

参考:Google検索セントラル 検索評価ガイドライン(英語・外部リンク)https://static.googleusercontent.com/media/guidelines.raterhub.com/ja//searchqualityevaluatorguidelines.pdf
2022年12月には、Experience(経験)が追加され、E-E-A-Tの4つになりました。
Googleセントラルには、

“実際に製品を使用している、実際にその場所を訪問している、誰かが経験したことを伝えているなど、コンテンツにある程度の経験が織り込まれているかどうかも評価されます”

とあるので、検索エンジンからの情報収集だけでは作れない、実例やレビュー、研究者や使用者のリアルな言葉が含まれたページへの評価が上がるということでしょう。
AIやロボットが書いた文章ではなく、人間が書いた文章を重要視しようとするGoogleの姿勢の表れかもしれませんね。

参考:品質評価ガイドラインの最新情報: E-A-T に Experience の E を追加(外部リンク)
https://developers.google.com/search/blog/2022/12/google-raters-guidelines-e-e-a-t?hl=ja

YMYLとは?

続いて、よく見かけるYMYLについてもご説明します。
YMYLはYour Money or Your Lifeの略。Googleの検索評価ガイドラインには「人々の健康、経済的安定、安全、または社会の福祉や幸福に重大な影響を与える可能性があるトピック」と書かれています。

検索ユーザーが、人の健康や財産などについて、不適切な情報にたどり着き、それを信じて行動してしまったら…。大きな損害を受けてしまうかもしれません。検索者の人生に重大な影響を与えかねないコンテンツを提供するサイトをYMYLと分類して、Googleは厳しくチェックしているのです。

YMYLに該当するジャンルについて、Googleの検索評価ガイドラインでは「健康」「金融」「法律」「安全」など大きなカテゴリーは挙げられていますが、具体的な業種や業界は明記されていません。

実際の順位変動から推測すると、医療・ヘルスケア業界や金融・保険業界は確実にYMYLに該当します。例えば、以前は「大腸がん」と検索すると、根拠があいまいな民間療法の情報が検索結果の比較的上位に、複数、表示されていた時期がありました。

一方、現在、検索結果のトップに表示されるのは「国立研究開発法人 国立がん研究センター」の情報です。

「大腸がん」検索結果ー【SEOライティングのコツ】Google検索上位に表示させるには?書き方の基本を詳しく紹介

10位まで見ていっても、病院や医師会、協会などの信頼がおける情報ばかりが表示されています。
このようにYMYLのジャンルではコンテンツを発信するサイトの信頼性が強く重視されていることがわかります。YMYLに該当する可能性があるジャンルで執筆するときはGoogleの見解をよく理解してから書き進めましょう。

関連記事
『業界別SEO対策を解説:コンテンツマーケティング・キーワード選定の方法』内、YMYLのSEO対策は正確性と信頼性がカギ キーワード選定も慎重に

ではここからは、E-E-A-TとYMYLにも関わる、特に重要性の高い項目を一つずつ詳しく解説していきます。

専門性と権威性を高めて信頼を獲得する方法6つ

ユーザーに「これは信頼できる情報だ」と思ってもらわないと、読まれる記事にはなりません。そのために重要なのは、コンテンツの専門性と権威性を高めること。ポイントをご紹介します。

①深いリサーチを行う

専門性を向上させるには、詳細なリサーチが不可欠です。すべての項目を一から調べて書いているようでは、専門性を高めるところまで記事を深められませんから、ライターの側にも、該当分野での一定の経験や、事前知識が必要です。

また、最新情報やデータも取り入れ、その時点でもっとも正確な情報の掲載を心がけます。

関連記事
ブログ担当者必見:SEOライティングのリサーチ手順・コツを大公開

②信頼性が高い情報を引用し、引用元は明示する

学会で諮問される研究論文や、公的機関が発表している情報などは、著者や根拠がはっきりと示された信頼性の高い情報です。こういった情報源を参照したうえで、引用元を明記しておくのはユーザーからの信頼感獲得のために大切です。

ネット上で行き当たる、分かりやすく書かれた、民間企業や個人ブログの情報も参考にはなるのですが、それだけを参照していると、事実誤認している可能性があります。
可能な限り、根拠となる原文にあたり、正しく理解したうえで原稿に落とし込むようにしてください。

③専門家の意見を取り入れる

E-E-A-Tのうちの一つ、Authoritativeness(権威性)を高めるために有効な手段として、
・専門家の監修を付ける
・専門家の発言やインタビューを取り入れる

の2つの手法があります。

大学教授やその道のプロフェッショナルなどの名前が掲載された記事は、それだけで権威性がアップします。執筆者の経歴、資格、経験などを明らかにし、信頼性や専門性を示すことも効果的です。

併せて、専門家の視点でユーザーの疑問や質問に答えると、ユーザーの検索意図を直接満たすことになりますから、さらに強いコンテンツになっていきます。

オリジナリティアップの工夫ー【SEOライティングのコツ】Google検索上位に表示させるには?書き方の基本を詳しく紹介

④専門用語を必要に応じて使用しつつ、読者への配慮を忘れない

SEO業界なら、「権威性」「カニバリ」のように、その業界でないと使われなかったり、独特の意味があったりする言葉があります。記事の内容をより良いものにするために、専門用語は適切な文脈で使用してください。

ポイントは、専門用語を知らない人への配慮もすること。一般消費者向けの記事や、BtoBでも対象読者が専門知識に乏しい可能性がある記事では、さりげなく用語の解説を入れると親切です。

知らない用語が出てきたとき、わからないままに読み進めても、結局、ユーザーは理解できません。Webのコンテンツは、「わかりにくい」と思われたらあっという間に離脱されてしまいます。ちょっとした手間と、読者への心遣いで、「読まれる記事」に仕立てましょう。

⑤事例やケーススタディを取り入れる

E-E-A-Tに新しく加わったExperience(経験)に該当する部分です。具体例や実例を挙げて、わかりやすく説明されたページは、Googleから高く評価されます。
「例を挙げる」「実際の手順を詳細に説明する」ことで、他社の記事と大きく差別化ができます。社内にしかないノウハウや経験を元にすれば、独自性はばっちりですね。

⑥適宜リライトし、新しい情報を取り入れる

情報が更新されたり、業界内でのとらえ方が変わったりしたら、記事の内容も、適宜リライトをしましょう。特に、情報の入れ替わりが激しい業界や、SEO対策をしている企業が多い業界では、最新の内容になるように保つことが検索結果で上位表示されるポイントです。

記事の公開日や更新日が表示されるようにしたり、タイトルに西暦を入れたりすると、新しい記事であるとユーザーに気づいてもらいやすくなります。

オリジナリティ(独自性)を高めて魅力ある文章にする方法8つ

SEOライティングの基本は、「検索結果の上位に表示されている記事を分析し、取りこぼしがないように執筆する」ことです。
しかしながら、生成AIの発達やWebマーケティングの浸透により、大量のコンテンツが日々制作・発信されている昨今、それだけでいいとは思えません。

似通った情報がネット上にあふれ、どれが情報源で、どれがまねっこ記事なのか、検索ユーザーには判断できません。実際、「情報のパクり合い」がいたちごっこのように続いている分野もあります。

そんな中で、Googleから高評価を獲得するカギは、“オリジナリティ(独自性)”にあります。

SEOライティングのオリジナリティー【SEOライティングのコツ】Google検索上位に表示させるには?書き方の基本を詳しく紹介

①最新情報を取り入れ、差別化をはかろう

差別化の方法として、手っ取り早いのは、最新情報を取り入れることです。トレンドや情報更新の早い業界では、数か月で新たな情報に置き換わることも珍しくありません。

最新の情報というと、公的機関や調査会社が出したデータや情報を思い浮かべるかもしれません。もちろんそれも“最新情報”の一部ですが、

・日本にはない情報を英語で調べ、日本語で日本人向けに発信する
・ニッチな業界のノウハウを現場エンジニアが発信する

など、Web上にほとんど出回っていない情報を発信すれば、それが独自性になります。たとえその情報が書籍や論文では一般的な事実として書かれていたとしても、Web上になければ“最新”の情報なのです。

②独自の視点や意見を入れよう

出発点の情報は同じでも、書き手・発言者によって、読み手・聞き手の受け取り方も大きく異なります。ニュース番組のコメンテーターが同様の内容を発言していても、言い回しで炎上したり、称賛されたりするのと同じです。

独自の視点や筆者自身の意見、企業としての考え方・姿勢などが垣間見える文章は、ユーザーから基本的に、プラス評価を受けることが多いんです。
炎上につながりかねない過激な意見はNGですが、読み手がハッとするような、「気づき」を与えられる切り口で書くことを目指しましょう。

一人で考えていると堂々巡りでなかなか斬新なアイデアは出てきません。会社の同僚や家族、友達と話しているときにふと思いつくことも多いので、煮詰まったら外に意識を向けると良いですよ。

③実体験や実例を入れよう

学生時代、教科書や資料集、用語集を眺めているだけでは、なかなか成績が上がらなかった経験はありませんか?
大人になっても、実際にやったり、具体的に思い浮かべたりできるようにならないと、習得・理解できないのは同じ。実体験や実例の入った記事は、ユーザーが自身のケースに当てはめ、イメージしやすくなります。
また、個々のケースを入れ込むことで、「独自性」も高められます。

④動画やグラフなど、テキスト以外のメディアを組み合わせてみよう

テキストコンテンツが目で見て、読んで初めて、頭に入ってくるのに対し、視覚や聴覚を使うコンテンツはより負担の少ない形で情報を取り入れられます。受け取る側にとっては、イラストや動画の方が、理解が進むこともよくあるんです。

情報収集や学習を動画のみで行う人も増えていますから、どうしても読んでほしい記事には、動画や図表など、視覚的に瞬時に理解できるコンテンツを追加してみましょう。

テキスト以外のメディアも組み合わせるー【SEOライティングのコツ】Google検索上位に表示させるには?書き方の基本を詳しく紹介

⑤ユーザーの声を取り入れよう

・現場で聞いた「お客様の声」
・商品レビュー
・Googleビジネス プロフィール(旧: Google マイビジネス)の口コミ
・アンケート調査

などの情報には、お客様の「疑問」「不満」「不安」「高評価」「改善点」など、自社だけが持つ、たくさんのヒントが含まれています。ぜひ独自性を出すための材料にしてください。

⑥話の流れを整え、ストーリー仕立てにしよう

ノウハウや知識、ランキングのような記事は、どうしても情報の羅列になりがちです。
情報だけが並んだ記事にたどりたいユーザーは、頭から読まずに「自分の欲しい情報が書かれた部分」のみ読んで、早々にページから離脱します。

でも、記事の一部だけ読まれると、情報の取り違いが起こるかもしれませんし、滞在時間が短くなることでSEO効果も薄くなります。できれば記事の全体を読んでもらいたいものです。

記事の滞在時間が短いなら、試してみよう

・ただの羅列にならないよう、ストーリー仕立てにする
・記事の冒頭「導入」部分に、ユーザーの興味を引く面白い話題を入れる
・話の展開にユーザーがついてきやすいように、文章構成を十分に練る
・目次をつけ、全体の内容を見渡せるようにする

成績が振るわない既存記事も、このような方法で文章構成や話の展開を見直せば、「最後まで読まれる」記事に生まれ変わることも可能です。

⑦ブログやコラムのページデザイン・レイアウトに配慮しよう

テキストコンテンツであるブログやコラムですが、「ページの見栄え」も重要です。

・画像もなく、改行も少なく、画面全体が文字で埋め尽くされている
・10年以上前のサイトのような古い印象のページデザイン
・広告バナーが頻繁に入っている
・企業イメージと、記事に挿入されているイラストのイメージが合わない
・関連する情報へアクセスしにくい

など、「言われてみれば、読む気をなくすかもしれないな」と思うようなことには配慮しましょう。
自分が検索する時を思い浮かべるとイメージしやすいのですが、執筆する立場になった途端に見えなくなるのが不思議なところですね。

⑧アップデートは欠かさず行おう

Webのいいところは、いつでも内容の修正・更新・追記ができることです。これは印刷物にはない利点です。反面、内容をアップデートしないと、あっという間に、「情報が古い記事」として、見向きもされなくなる可能性が潜んでいます。

印刷物も重版や改訂版がありますが、Webのコンテンツにはもっと頻繁なアップデートが求められます。他の記事との差別化を図るためにも、常に情報を更新し、独自性を保つよう心がけましょう。

オリジナリティ(独自性)を高めたいなら、新規執筆かリライトかに関わらず、上記の8つを意識してみてくださいね。

SEO対策記事のライティングの注意点 やりがちなNGパターン3つ

最後に、NGパターンを3つ挙げておきます。

SEO対策記事のライティングの注意点ー【SEOライティングのコツ】Google検索上位に表示させるには?書き方の基本を詳しく紹介

NG①他の記事や企業、人を貶める内容・炎上の火種になりそうな情報を書く

「他社を悪く言い、自分をよりよく見せる」、そのような書き方をしてしまうと、企業イメージが悪くなってしまいます。
また、極端な意見や不確定な情報をあたかも正しいかのように書くことも避けなければなりません。

そのような記事ばかりが目立つようになると、何かの拍子に“炎上”する恐れもあります。「うちは大企業じゃないし、注目度が高くないから炎上なんて起こらないだろう」は通じません。意外にユーザーは見ています。対応が遅れたり、さらに悪化させるような発言をしたりすると、収拾がつかなくなる可能性大です。人として、常識的な発信を心掛けましょう。

NG②既存コンテンツとの重複は避けて

サイト内の既存コンテンツで、前に書かれた記事と同じような内容の記事は、“カニバリ”が生じるかもしれません。カニバリはカニバリゼーションの略で、自社の製品が互いの売り上げを食い合ってしまう状態を指します。
SEOにおけるカニバリも、自社のWebサイトの複数ページが同じキーワードの検索結果でランクインしてしまい、順位争いをしている状態のことを言います。順位を取り合った結果、複数のページで順位が下がってしまうこともあります。

既存コンテンツが大量に存在している状態でSEO対策に乗り出すなら、まずは今あるコンテンツの洗い出しから始めてください。アクセスの多いものは残したり、リライトしたりして活用します。
まったくアクセスがない記事は思い切って断捨離します。情報を整理して再構築すれば、ユーザーも見やすく、検索エンジンからも高評価を得られるはずです。

関連記事 2023-2024キーワード選定総合ガイド 内 ケース2「サーチコンソールのクエリを参考にキーワードを選定したが、いざ公開したページへのアクセスが伸びない」

NG③Webの特性を理解しないままに執筆

・キーワード不を自然に詰め込み、多用する
・他のサイトのコピー&ペーストで記事を量産する
・多すぎる内部リンクの挿入や、被リンク獲得
・過度に広告を掲載する

このような対策のなかには、過去にはSEO効果が確認できたものもあります。しかしながら、現在はすべてNGなので、こういった手法を実施する業者から営業があっても、取り合う必要はありません。

ダメなことだと知らずに「SEO対策業者に依頼したら、意図せずそうなってしまった」ケースもあるかもしれません。でもGoogleが言い訳を聞いてくれるわけもなく、それこそ機械的に判断されます。
いったんペナルティが課されると、復活することは容易ではありませんから、信頼できないSEO業者にサイトを任せないようにしましょう。

まとめ:SEOライティングのコツを知り、コンバージョンが期待できるコンテンツを制作しよう

SEOライティングはテクニックが大切ですが、そればかりではありません。
「ユーザーが欲する情報にたどり着きやすいように」「簡潔に理解しやすいように」「価値を感じてもらえるよう新しい切り口で」と、ユーザーファーストで書くことが、SEOライティングの本質です。

ライティングは、文章作成力以外にも、思考力や忍耐力が要求される、手間のかかる作業です。担当者の負担は小さくはありません。ですが、ユーザーのニーズを満たす記事を書けば、アクセス数は必ず増えていきます。やがてコンバージョンにもつながります。

自身の手から生み出された記事で成果が出た際の嬉しさはひとしおです。SEO対策を実行中の企業の皆さん、スキルアップを目指して、ぜひライティングに取り組んでみてください。

Web集客を目的としたSEOライティングは、ただ情報が書かれていればいいというものではありません。ユーザーのみならず、検索エンジンGoogleからも高い評価が得られるように書かねばならないからです。
今回は、基礎的なSEO対策記事の書き方を用語説明を交えながら解説します。手順やツール、勉強方法をご紹介していますのでぜひお読みください。

なお、SEOライティングについてもっと詳しく知りたい方は以下の記事もご参照ください。

SEO ライティング 記事バナー
SEOに強い記事の書き方は?SEOライティングのポイントと手順

SEOライティングとは

SEO(Search Engine Optimization)は日本語でいうと「検索エンジン最適化」です。
Googleのような検索エンジンで検索された際、上位表示されるよう取り組むことをSEO対策といいます。
SEOライティングでは、特別な手法を取り入れて文章を執筆します。なぜなら書かれる文章はただ面白かったり、情報が新鮮であったりするだけでなく、検索エンジンに高評価を受けるように書かなければならないからです。

SEOに強い記事とは

次に、“SEOに強い”とはどんな記事のことをいうのでしょうか?

日本におけるSEO対策は、検索エンジンGoogleのシェアが75%以上、Googleのシステムを利用しているYahoo!を併せると90%近くになりますから、Googleへの対策といっても過言ではありません。
そのため、Google公式で発表されている事項は必ず把握し、戦略を練っておくべきです。

参照:Googleセントラル Google 検索の基本事項(外部リンク)
https://developers.google.com/search/docs/essentials?hl=ja

日本語に翻訳された文章だけを見ても、いまいちよくわからないかもしれません。企業や担当者によっても課題は変わりますよね。Googleの検索結果で順位を上げるためにはどのような記事を書けばいいのでしょうか?
ここからは1項目ずつ、詳細に説明していきます。

①ユーザーにとって読みやすい・わかりやすい記事

一昔前は、SEOライティングといえば、単語を繰り返したり、リンクを大量に張ったりと、どちらかというと機械的な施策を思い浮かべる方が多かったのではないでしょうか。検索エンジンという「ロボット」「機械」を意識して対策をしていたので、そのようになるのも当たり前でした。

しかしながら、現在ではGoogle検索の機能は発達し、私たち人間の感覚にかなり近づいてきています。文脈までも理解して誤字脱字を判別できるほどになりました。
例えば、Googleドキュメントに、以下の二つの文章を入力してみてください。
校正機能がオンになっていれば、間違っている漢字に青の下線が出るはずです。

今日の天気は腫れです
腕が晴れている
文字の校正ーSEOに強い記事の書き方は?SEOライティングのポイントと手順

Googleドキュメントでこのように修正提案をしてくれるということは、文章の意味を理解して正誤を判定しているのでしょう。原稿を書いていると文脈を理解しないとできないような“てにをは”の間違いにも的確な修正提案が入るので驚くほどです。
このことからもわかるように、Googleの文章判別精度は非常に高く、意味の通らない文章やわかりにくい文章は、Google検索結果の上位には表示されない可能性大です。

また、見出しや太字、囲み等の装飾、箇条書きなどを使うと、ユーザビリティが上がり、視覚的にも認識しやすくなります。

知識を持つことも大切ですが、なにより「ユーザー(読者)が読んだときに、読みやすいかどうか」をお客様目線でチェックする、これが一番重要です。これなら初心者や新入社員でもできますよね!
仕上がった文章はできるだけ多くの人の目を通し、客観的にアドバイスをもらって、原稿に反映しましょう。

②独自性(オリジナリティ)が高い記事

独自性(オリジナリティ)の高さは上位表示のためには必須事項です。SEO対策・コンテンツマーケティングが盛んな業界では、Google検索結果で上位に表示される記事の内容は、非常に似通っています。
もちろんキーワードごとに必要最低限の情報があるので、ある程度似てくるのは仕方がないこと。でも、後追いでSEO対策をする企業が、上位に表示されている競合他社と同じレベルの情報だけを掲載しても勝ち目はありません。

情報は同じでも、

・最新情報を発信する
・日本にない情報を日本語で紹介する
・企業独自のノウハウを提供する
・切り口を変える
・知識がない人でもわかるように書く
・独自の見解を述べる
・信頼のおける情報を引用元とともに掲載する
・ストーリー仕立てにして、理解を助ける
・ペルソナを想定して具体的に書く

など、工夫次第で全く違うテイストの記事に仕上がります。

関連記事
【SEOライティングのコツ】内「オリジナリティ(独自性)を高めて魅力ある文章に

③専門性が高い記事

特殊な製造機械のメーカーのように、一般にはあまり知られていない貴重な情報を顧客向けに発信したいケースもあります。その道の専門家や現場担当者でないと知りえない情報は、顧客にとって有益です。機密情報が含まれておらず、お客様の役に立つ話なのであれば、積極的に公開していきたいですね。
「他にはない情報が掲載されている」ことは、SEO対策としてもプラスに働きます。

専門性が高い記事のイメージーSEOに強い記事の書き方は?SEOライティングのポイントと手順

ただし、専門性が高すぎる文章は、顧客となりうる企業の担当者にとっては難解である可能性があります。
例えば、機械制御装置を製作する会社が顧客向けにコラムを発信しようと、ハイスキルのエンジニアに専門用語満載の論文調記事を書いてもらったとします。
一部の専門家にとっては興味深い内容になるかもしれませんが、そのほかの多くの人にとっては、理解できないであろうことは容易に想像がつきます。

SEO対策の記事は、読み手である顧客が欲しい情報を提供する必要があります。
顧客が知りたいのは、「手厚いサポート」や「費用対効果」、「導入の手順」などの情報かもしれません。専門性の高い情報には価値があるのは事実。顧客が望む情報に、エンジニアの専門性の高い情報を加えて、信頼度をアップさせれば、高品質な記事になりますから、バランスよく取り入れればいいんです。
「専門性が高ければいい」というものではないと、執筆前に頭の片隅に置いておいてくださいね。

場合によっては、専門ライターへの外注や、権威性のアップを狙って監修をつけることも検討しましょう。

参照記事
【SEOライティングのコツ】内「専門性を高めて信頼を獲得する

④モバイルフレンドリーが意識された記事

文章の内容だけでなく、SEO対策には見栄えや操作性も重要です。

ユーザーが持つデバイスは、PCやタブレット、スマートフォンなど、さまざま。業種や業界によっても、情報検索者であるユーザーがどのようなデバイスを使っているかは変わってきます。どんなデバイスでも見やすいレイアウトで表示されるようにしてください。「デバイスが偏っているならスマホを優先したサイトのデザインにする」といったことも考えられますのでケースバイケースで対応しましょう。
デバイスによって「文字が小さい」「文字色が薄い(背景と判別しづらい)」「挿入した画像が見切れている」など、ちょっとしたことでユーザーは読む気をなくしてしまうので、公開後のチェックは複数デバイス・複数ブラウザで、欠かさず行ってくださいね。

また、読み込み速度が遅かったり頻繁にポップアップが開いたりすると、ユーザーはそのページからすぐに離脱し、別のサイトを見に行ってしまいます。技術的な部分でも配慮しましょう。

⑤キーワードが適切に使われている記事

以前は、「タイトルには狙いたいキーワードを〇回以上入れる」というようなノウハウがありましたが、現在は通用しません。
狙っているキーワードが不自然に大量に使用されていたり、すべての見出しに同じ言葉が使われていたりすると、かえって順位が下がってしまいます。
キーワードを取り入れつつ、人間が読んで自然に感じる文章を目指しましょう。

⑥内部リンクが設置されている記事

内部リンクとは、記事内に設置された、同じサイトの関連する別ページの情報へのリンクのことです。内部リンクを設置すると、ユーザーは似た情報を扱うほかの記事の存在に気付き、一緒に読んでもらえるかもしれませんよね。ユーザーにとっても有益なのでユーザビリティの向上にも貢献します。
SEO対策としては、せっかくサイトにたどり着いてくれたユーザーに、なるべく多くのコンテンツを見てもらうことは、いい方向に働きます。ユーザーの滞在時間を延ばし、企業のことをよく知ってもらいましょう。

⑦外部リンクが適切に設置されている記事

信頼できるWebサイトへの外部リンクの設置も、SEO対策には有効です。ただし、リンク先の情報を丸ごとコピーして大量に貼り付けたり、信頼のおけないサイトへのリンクを挿入したりしないようにしてください。ユーザーが不利益を被ることも心配ですし、ミラーサイトとみなされて評価が下がる可能性もあります。

InstagramやYouTube、X(旧Twitter)などは、埋め込みコードを取得すれば記事内に掲載できます。しかしながら、個人のサイトや小さな商店が発信している情報を、企業サイトのコラムに埋め込むと、一気に露出が増え、思わぬ損害を、発信元の人に与えてしまう可能性があるので注意してください。
・必ず前もって許可をとる
・信頼性の薄い情報は使わない
など配慮しましょう。

⑧画像のaltテキスト・画像サイズの圧縮

書いた記事をWeb上に公開する際には、見出しに「h2,h3,h4…」、強調は「strong」などとタグを入れていきますよね。
その際、画像を挿入するときは、画像のURLだけでなく、altを挿入すると、画像検索でも検索結果に表示されるので、SEO対策には効果的です。また、重すぎる画像は表示速度に大きく影響を及ぼします。
画像のaltテキストーSEOに強い記事の書き方は?SEOライティングのポイントと手順
掲載予定のページのページ幅に合わせて大きさを調整(リサイズ)しましょう。
それでもまだ容量が大きい画像データは、100KB~200KB以内に圧縮します。どうしても掲載したい場合も、1MB以内には収まるようにしてください。

⑨ページの読み込み速度

ひとつ前のトピックで、画像データの読み込み速度への影響を説明しました。

・大きなデータサイズの動画や画像が埋め込まれている
・サイト構造に問題がある
・不要なWordPressのプラグインが入っている
・広告が多用されている

など、ページの読み込みが遅いと感じたら要因を探るようにしてください。

このようにSEOに強い記事を書くには配慮すべき点がたくさんあります。
一度にすべてを意識するのは大変ですから、問題が起きた時や思うようにアクセスが増えないことがあれば、見返してみてくださいね。

紙媒体の文章執筆(作文)とSEOライティング、何が違うの?

SEO対策のためのライティングは、雑誌や新聞のコラムや、作文とはちょっと違います。
「企業Webサイトへの集客を意識して掲載される記事は、日記とは違う」というのは、みなさん説明しなくともわかると思います。
でも、書いているうちに、内容がどんどん“日記”のようになってしまうケースはよくあります。また担当が次々と変わるうち、「週に2本のノルマ」と、目的が集客から「記事を書いて公開すること」にすり替わっていってしまうのも陥りやすい失敗です。
では一項目ずつ見ていきましょう。

【違い1】目的が違う

“SEO”を意識した文章と紙媒体に掲載される文章の一番大きな違いは、Web上で多くの人に読まれるために書かれている点です。

Web記事は検索エンジンで検索した人の検索結果の上位に表示されるように書かれている必要があります。
小説や作文のように、文章の最初から最後まで読まれる前提で書かれた文章は、起承転結のように話が展開していきます。でもWebに掲載される文章は、タイトルだけが検索に引っ掛かるだけでなく、文章中ごろの見出しが検索結果に表示され、文章の途中から読まれるケースも多いんです。
ですから、見出しや小見出しの単位で、その部分だけ読んでも話が通じるように書くと親切です。もちろん、全体を読んでほしいのですが、検索エンジンを使ってキーワードを検索するユーザーは、「一刻も早く自分が欲しい情報にたどり着きたい」わけで、せっかちです。
そんなユーザーを優しく受け止める構成が好まれます。
SEOライティングの目的ーSEOに強い記事の書き方は?SEOライティングのポイントと手順

SEO対策で書かれる記事は、ブランドの認知度アップや購入への導線など、集客を意識したテキストコンテンツです。広告的な意味合いを含む文章であると認識し、「まったく集客につながらない記事になっていないか?」という視点は持ち続けたほうがいいでしょう。

網羅性を重視

紙媒体の原稿では「表記ゆれ」には厳しくチェックが入ります。その点、Webに掲載する文章は、「使われている単語が多ければ多いほど、読者のあらゆるニーズの検索ワードに対応できる」と考えるため、「シニアと高齢者」「テキストと文章」「紙媒体と印刷物」のように、似ているけど違う言葉は、両方文中に入っていた方がいい、のです。

それが商品名やサービス名にかかわる言葉であったとしても、検索ユーザーが商品名を知っているとは限りません。自社の商品・サービスを示す、似通った言葉が記事内に使われている方がSEO的には良いのです。

「ポスターや雑誌広告、新聞などとは考え方が違う」ことは覚えておいてください。

【違い2】狙いたいキーワードやターゲットを設定してから書く

小説や日々の雑記などには、「執筆者の伝えたいこと」が書かれます。しかし、SEO対策のための文章では「ユーザー(読み手・検索者)が知りたいこと」を発信しなければ、ユーザーにも検索エンジンにも選ばれません。
だから、「キーワード選定」が重要になってくるわけです。

参考記事
2023-2024キーワード選定総合ガイド SEO対策の基本を徹底解説
【SEOキーワード選定のやり方】誰でもできる手順を6ステップで解説

【違い3】Webという媒体の特性に合った文章を掲載する

SEO対策のための文章はWebならではの特徴を理解してから書き始めます。紙媒体の文章は一度印刷されてしまえば、あとは読者の手元で何かが変わることはなく、どう評価するかは読み手にゆだねられます。しかしWebの文章はGoogleのアルゴリズムが評価を下します。その都度修正すれば、いくらでも挽回のチャンスがあるのです。

平たく言えば、「Googleの仕組みを理解し、気に入ってもらえるように書きかえれば上位表示が狙える」ということです。
とはいえ、Googleも「人間が良いと思う情報を上位に表示したい」と模索をしているはずですから、Webの特性を理解したうえで、「ユーザー(読者)に分かりやすく伝えよう」と意識して書けば、大丈夫です。

構造化を意識しよう

あまり世に知られていない企業のサイトや、立ち上げから日の浅いサイトなどは、まだドメインパワーが低い状態にあります。
ドメインパワーはあくまでも目安ですが、ツールでチェックできるので、自社がどれくらいの位置にいるのか確認してみましょう。

ドメインパワーが低かったなら構造化は必須。大手企業なら1本の記事で上位表示が狙えるキーワードも、小さな会社が狙うなら、複数本、時には10本以上の記事が必要になります。

【違い4】リライトや更新(アップデート)が重要

書籍やパンフレットなどの紙媒体の印刷物は、一度印刷してしまうと、次の版の印刷まで内容の変更ができません。
Webに掲載される文章のいいところは、いつでも簡単に修正できる点です。反面、新情報への更新や情報の見直し、サイトの改善を、常にし続け、最適な状態を保たなければならないのです。

情報の古さや更新頻度の低さは、検索エンジンでの上位表示に大きくかかわってきます。
Web記事は掲載して終わりではありません。サーチコンソールやアナリティクスなどのSEOツールを使って、記事公開後、一定期間を置いたあとに分析を行います。狙っているキーワードでアクセスが増えているか?記事の滞在時間は長いか?など、チェックし、成績が振るわない記事は、リライトやタイトル変更などを検討しましょう。場合によっては大幅な追記が必要です。リライトをする際も軽微な修正ではなく、1,000字程度は追加したほうが効果が出やすいように思います。

【SEOライティング】seo対策記事の書き方 手順6ステップ

「SEO対策をするぞ!毎日のブログ更新を目標にがんばろう」と、コンテンツマップも作らず、SEOの理解もせず、いきなり記事執筆に入るのはもちろんNG。

書き始める前にキーワードの選定をしなければなりません。キーワードの一覧はコンテンツマップといいます。その名の通り向かうべき方向を指し示す地図の役割を果たします。
SEOライティングの手順ーSEOに強い記事の書き方は?SEOライティングのポイントと手順

STEP1 キーワード選定をしてから記事を書き始めよう

キーワード選定のためには、企業理解や扱う商品・サービスへの理解は必須です。
また目標数値や指標、取り組みの目的を確認して設計しましょう。
時間のかかる作業ですが、ここで手を抜くと、時間と費用をかけてコンテンツを作っても、SEO対策にはなりません。

Google検索のサジェストキーワードやラッコキーワード、Google広告キーワードプランナーなどを使って、キーワードを抽出します。検索ボリュームや競合性、事業との関連性、既存記事への流入などを考え、狙うべきキーワードを絞っていきます。
ユーザー(読者)の疑問に答える記事やお悩みが解決されるようなキーワードは成果が出やすくねらい目です。いろいろな要素を多角的に検討し、最終的なキーワードを決定します。

詳しくはキーワード選定の記事をご覧ください。

参照記事
2023-2024キーワード選定総合ガイド SEO対策の基本を徹底解説
【SEOキーワード選定のやり方】誰でもできる手順を6ステップで解説

STEP2 構成案の作成

SEOを意識した記事執筆では、必ず入れなければならない「キーワード」があります。『①キーワード選定』で選んだキーワードを、タイトルや見出し、本文に散りばめていきます。
また、狙いたいキーワードを実際にGoogleで検索し、Top10の記事を一つずつチェックしてみましょう。その中に使われている見出しを書き出します。
基本的に、内容とかけ離れていると感じない内容は、すべて記事に反映します。
「そんなことをしたら、ものすごく長い字数の多い記事になってしまうのではないか?」と心配になるかもしれませんが、どの記事も内容が似通っているケースがほとんどなので、重複を消せば、程よい量になります。

構成案は、
・この記事でどんなことを書くつもりか?を100文字程度
・大きな見出しを4~10程度

を書く程度でOKです。

目視でやるのは大変なので、ここはツールを活用してもOK。無料ツールだけだと複数を部分的に組み合わせて使用しないとなかなか難しいのですが、パスカルを含めた有料ツールを採用すれば、1ツールで済ませられますし、レポート出力や一括分析もできるので、かなりの時短になります。
ただし、費用がかかるうえ、すぐに使いこなせるとも限らないので、月数本程度の記事公開の予定なら、有料ツールを導入するより人力で行った方がいいかもしれません。費用対効果を考えて導入を検討してみてください。

関連記事
用途別8種類!SEOライティングおすすめツールで効率・品質アップ【ブログ担当者必見】
【2023-2024最新】SEO対策・キーワード選定のおすすめツール10選 無料で使える・役立つツールを紹介します!

一例として、この記事を制作する際に書いた、初期段階の構成案をお見せします。
構成案の例ーSEOに強い記事の書き方は?SEOライティングのポイントと手順

上位に表示される記事で使われている見出しから、項目を書き出し、自社の商品・サービスに関係のないものは削除しましょう。
その上で、情報を追加したい事項は、別に書いておきます。それだけではまったくオリジナリティのないコンテンツになってしまいます。自身の経験や企業のノウハウ、事例など、現場にいるからこその視点で、ユーザーの検索意図を推測して追加してみてください。

Googleドキュメントのコメント機能を使い、「注意点」「参考になる資料のURL」「伝達事項」「執筆アイデア」などを思いついたときに書いておくと、執筆時に役立ちますよ。

最終的に原稿にする予定の構成案に仕上げましょう。
構成案作成者と執筆者が違う場合は特に詳細に指示や方向性、書いてほしい内容など、メモを残してください。
ここで丁寧に伝えれば、原稿が仕上がった後に「ニュアンスが違う」「全体の論調がおかしい」「自社の商品・サービスに否定的な結論になっている」など、致命的なミスを犯さずに済みますよ。

文字数はTop10入りしている記事の平均を目安に

文字数もSEO対策では重要な項目です。
文字数の目安は業界や業種、顧客層などによって変わります。
誰にでもできる方法は、目視で確認していくことです。Top10入りしている記事の文字数を数えて平均を出します。
文字数は、GoogleドキュメントやMicrosoftWordに貼り付けて文字数カウント機能を使ったり、GoogleのChrome拡張機能を利用したりすれば簡単です。
理想的なのは一番多い字数の記事に合わせることですが、「力量を考えると1万字以上は現実的でない」「書き慣れていないので長すぎると心が折れそう」なら、まずは平均値の文字数を目安として設定しましょう。

STEP3 コンテンツの執筆

いよいよ文章の執筆に入ります。

リサーチは入念に

構成案に書いた項目のうち、知識のある部分はわかる範囲で書いてみます。いきなりすべてを書き上げなくてもOK。
不確かなところ、知らない情報、社内確認が必要な情報などは、ざっくり書いた後に調査を行いましょう。

息詰まって時間を浪費するくらいなら誰かに相談してみて

文章を書きなれていなかったり、テーマが高度・未知の分野であったりすると、完全に筆が止まってしまう場合があります。頭の中の整理ができていない状態で考えていても、同じ思考からなかなか脱却できません。
抜け出すためには新たな視点をもらうのが一番。同僚や上司、家族、お客様など、誰でもいいので、雑談程度に記事のことを話してヒントがないか探ってみます。
図書館に行って、関連書籍の目次をパラパラ見ていくだけでも、素晴らしいアイデアが思いつくことも!煮詰まる前に誰かに相談するのって、意外に重要なんですよ。

初心者なら、書いている途中に何度かチェックしてもらおう

何度もチェックしてもらうのは校正者に負担をかけてしまうのでは?と思うかもしれません。でも、原稿が仕上がってから、大幅な直しをするのはかなりの時間のロスになります。
校正者の立場にいる人も、何度もチェックするのは手間に感じるかもしれませんが、おかしな話の展開や不正確な情報の記事がいったん出来上がってしまったあとで、大きく修正を入れるのは、ものすごく大変です。最初から書き直したほうが早い、と判断せざるをえないかもしれません。

執筆者、校正者の双方にとって、頻繁なチェックと円滑なコミュニケーションは必須です。お互いを思いやる気持ちを持ちつつ、1つのチームであると思って、協力して効率のいいライティングができるよう、体制を整えましょう。

STEP4 内部リンク・外部リンク、画像・動画の追加

内部リンクと外部リンクの挿入

内部リンクとは、記事内に挿入される、同サイト内の関連ページへのリンクURLのことを指します。外部リンクは外部サイトへのリンクのことです。
SEO対策としても有効ですし、検索して記事にたどり着いたユーザーにとっても、関連する項目への導線があったほうが便利ですよね!

画像や動画を追加

文字ばかりだと、読み手はだんだんと苦痛に感じてきます。1,000字に1つは画像を入れるようにしましょう。
自社の動画コンテンツがあるなら埋め込むのもいいですね。
ただし、サービスへ誘導するバナー画像や広告画像がたくさん入っていると、記事を途中で読むのをやめる“離脱”が起きやすくなります。
なるべく長く記事画面上にいてもらうことがSEO対策では重要ですから、欲張らずに適度な分量を心掛けてください。
記事には画像や動画を追加するーSEOに強い記事の書き方は?SEOライティングのポイントと手順

注意したいのが縦長画像の挿入です。スマホは画面が縦長なのでさほど読みにくさは感じませんが、BtoB企業のようにパソコンで読まれることの多い業界の記事で、縦長画像が使われると、記事幅いっぱいに画像が表示されてスクロールしないと記事の続きが見られなくなっているケースもあります。
「文章が終わった」と勘違いを招き、離脱を誘発しますので、なるべく横長の画像を入れるといいですよ。縦長の画像しかなければ、両サイドに余白を入れる、表示サイズを調整するなど、工夫してください。

STEP5 記事校正とSEOチェック

SEOチェックと記事校正はセットで行いましょう。
SEO対策用の記事では、違和感のない自然な文章であることは保ちつつ、SEO効果が期待できるように、内容を調整しなければなりません。

タイトル・見出し・本文に不自然にならない程度に、選定したキーワードを散りばめていきましょう。無理に多用しなくてもいいのですが、どこかに1度使ってあるくらいでは少なすぎます。またキーワード選定の際に似ている言葉だという理由で落としたワードも入れるようにしましょう。

記事公開作業に備えて、タイトル・メタディスクリプション・パーマリンク(URL)・画像の最適化にも注意を払っておくと、次のステップがスムーズに進みますよ。

STEP6 記事の公開・公開後のチェック

WordPressなどでコラムの公開作業を行います。作業の方法は企業のサイトごとに違いますので、社内で確認してください。

記事公開後に気を付けたいのは、インデックス登録されたかどうか、です。
Googleサーチコンソールは、自社サイトのチェックに使うツールです。
記事の公開後は、「URL 検査」を行い、Googleによるクロールが行われ、インデックス登録されたか確認しましょう。通常は何もしなくとも数日のうちに登録されますが、記事公開後、数か月経っても、インデックス登録されないことがあります。

インデックス登録されていない記事は、いつまで待ってもGoogleの検索結果に表示されません。
このような状態の記事があったら、サーチコンソールを使って、インデックス登録のリクエストを送信するか、サイトマップを送信しましょう。すぐに登録されるとは限りませんが、促しておいて損はありません。

数十本の記事を公開したのに、データにまったく変動がない場合もありますので、定期的なチェックを習慣にしましょう。

関連記事
『2023-2024キーワード選定総合ガイド SEO対策の基本を徹底解説』内、ケース3「表示回数もアクセス数も増えない」

選定したキーワードの使い方と入れる場所

入れるべき場所

キーワード選定で選んだ言葉は、積極的に使います。タイトルに入れるのはもちろんのこと、文章全体にちりばめていきましょう。
キーワードはタイトルに使用するーSEOに強い記事の書き方は?SEOライティングのポイントと手順

①タイトル

キーワードとして選んだ言葉は、必ずタイトルに入れましょう。例えば「保険 相談 窓口」が設定したキーワードなら、「相談して保険を選びたい!横浜市でおすすめの窓口は?」とタイトルを付けます。

②見出し

見出しにもキーワードを使用します。ただし、「すべての見出しにキーワードを使わなければならない」わけではありません。
無理に使わず、必要な部分に使いましょう。

③本文

キーワードに設定した内容について書こうとすれば、自然に選定した言葉を使うことになります。意識しすぎず、自然に任せましょう。

④URL

記事のURLが指定できるのなら、アルファベットで記事内容を示す独自のURLをつけましょう。その際、日本語で書かれていると、表示上は日本語が出るものの、URLをコピー&ペーストすると意味のない記号の羅列で非常に長いURLになってしまいます。
SEO的にはあまりよくないといわれていますので、任意のURLを設定できる場合は、「記事内容を英語で指し示す」「カテゴリー名+連番」など、日本語を使わないURLにしましょう。

⑤メタディスクリプション

メタディスクリプションは、検索時に表示させたい記事の要約です。Wordpressなどでの記事公開作業時に、入力します。

⑥画像alt(オルト)

画像のaltには、その画像の説明を付けられます。この部分は画面上では見られず、カーソルを画像の上にのせて停止したり、ソースを表示させるとみられます。
検索ユーザーには見えない部分ですが、検索エンジンには認識され、altのキーワード次第で画像検索で上位に表示されればプラスに働くので、必ず入れましょう。

タイトル・見出し・本文へのキーワードの入れ方

キーワードはたくさん入れればいいというものではありません。Googleは文脈も理解して判断していますから、今の3つを参考にしてください。

①自然なかたちで

キーワードはユーザーが不自然に感じないよう、自然なかたちで入れる必要があります。無理にキーワードを入れていると、検索エンジンに評価されにくいだけでなく、ロボットが書いたように感じたり、無理に詰め込んでいる裏の意図を怪しんだりと、マイナスに働きます。
先ほどと同じ「保険 相談 窓口」を例に考えてみましょう。

NG例:保険相談窓口で、保険の相談をしたいとき、どこの窓口で相談したらいいの?

キーワードを多用しようと思ったらこうなりますが、もっとスマートにまとまりそうですよね。

OK例:保険の相談におすすめの窓口は?

これくらい短縮したほうが、言いたいことがはっきりわかります。また、すべての見出しに使うととっても不自然になりますので、適度に使うようにしましょう。

②適切な回数で

キーワードとして設定した言葉は、たくさん使えばいいというわけではありません。説明をする中で何度も出てくるのは、当然なので、気にしすぎなくてOK。でも、連呼するのはNGです。

③類語を使ったり、使い方を変えたりして広いワードに対応させる

紙媒体の文章だと嫌われる「表記ゆれ」。SEO対策を目的としている場合は、あながち悪いとも言えません。
例えば、
「シニア」と「高齢者」のように似ている言葉をキーワードとして選んだ場合、ユーザーがどちらの言葉を入力して検索するかは、わかりません。半々かもしれないし、2:8かもしれないし、実際に記事を公開してみないと正確な数字はわかりませんが、0:10にならないことは確かです。

SEO対策をしたいなら、「高齢者という言葉に抵抗があるからすべてをシニアに統一」してはいけません。似た言葉は文脈に違和感が出ない限りは、両方使うと、幅広い検索キーワードに対応できる記事になります。

“たとえば、シニア向け食器には、適度な重さも重要です。軽すぎると、スプーンやフォークなどで食べ物をすくう際に、一緒に動いて食べづらいからです。高齢者施設では、シリコンのすべり止めが付いた食器が使われる場合も多くあります。高齢者の皆さんの食事の時間が、ストレスのなく、楽しいものとなるように、配慮したいものです。”

このように、バランスよく配置すれば不自然さを感じさせずにSEO対策記事が書けます。

SEOライティングで使うべきツールは?

①Googleドキュメント・Word

見出しや太字などを実際に入れながら、公開後のイメージに近い形で執筆を進められるGoogleドキュメントやMicrosoftWordは導入をお勧めしたいツールです。

メモ帳やWordpressに直に書く人もいるかもしれませんが、校正や社内共有での利便性を考えると、この二つのどちらを使うのがいいのではないかと思います。
私達はライティングには、無料で誰でも使えるGoogleドキュメントをおすすめしています。
SEOライティングで使うツールーSEOに強い記事の書き方は?SEOライティングのポイントと手順

おすすめポイント
・修正提案機能(文字校正、誤字脱字の指摘など)が秀逸
・お客様や社内共有がしやすい
・コメント機能や修正機能が使いやすい

②Googleスライド・PowerPoint

記事内にちょっとした画像を挿入したくても、Adobeのイラストレーターやフォトショップ、その他加工ソフトやイラスト作成ソフトを使うのは、ハードルが高いと感じる方が多いのではないでしょうか?
GoogleスライドやPowerPointは、スライド資料を作る際に使うので、少しなら触ったことがある人が多いと思います。

これらのツールには、レイアウトが済んだ1ページをJPEGやPNGで書き出す機能があります。
自作画像は書き出してDLするーSEOに強い記事の書き方は?SEOライティングのポイントと手順

高機能なイラスト作成ツールには劣りますが、何よりも直感操作ができて、画像やイラストを配置するにも中心やバランスを取りやすく、簡単に囲みや矢印、文字、図形の挿入が可能です。

もちろんイラストレーターがいれば任せた方が精度は高いのですが、入れたい図表や画像の詳細な伝達をする手間を考えれば、クオリティは多少落ちても、そこそこの見映えの画像を自分で作成できた方がメリットがある場合も多いでしょう。ぜひ使ってみてください。
スライドのページ設定で、「カスタム」「ピクセル」を選択して、事前に公開予定のサイトのページ幅に合わせておけば、書き出した際に画像が粗くなる心配もありません。
自作画像を記事に入れようーSEOに強い記事の書き方は?SEOライティングのポイントと手順

③Googleスプレッドシート・Excel

コンテンツや進捗状況の管理、図表作成に使えます。図表作成の際は、GoogleスライドやPowerPointと連携して使える点も便利です。

④Googleサーチコンソール・アナリティクス

公開後のチェックやキーワード選定の際に欠かせないツールです。

関連記事
用途別8種類!SEOライティングおすすめツールで効率・品質アップ【ブログ担当者必見】

SEOライティングを学ぶための書籍・サイトなど

SEOライティングを学びたい、習得したいと思ったらどんな書籍やサイトを参考にしたらいいのでしょうか?

検索エンジンGoogleへの対策を行うのだから、Google公式の情報が一番有益なはず

SEOライティングを学ぶなら、検索に慣れる意味でも、Googleで検索してみて情報を得る練習をしてみましょう。

ライティングする前に知っておきたい「検索エンジンGoogleが何を良しとし、何を悪いとするのか」は、Googleが公式に出しているオリジナルの情報を参照するのが一番手っ取り早いと思います。

Google公式 検索セントラル はじめに(外部リンク)
https://developers.google.com/search/docs?hl=ja

Google公式 検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド(外部リンク)
https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/seo-starter-guide?hl=ja

まずはGoogle公式の情報を読んで、わからない用語や書かれた説明だけでは理解できない部分は、改めてGoogleで検索してみましょう。
違う見解が書かれていて、どれが本当かわからない場合は、複数記事をチェックします。最近書かれた記事のなかで3記事ほど同じことが書かれているのなら正しいとみなして、情報を習得していく方法をお勧めします。ただし、上位記事を模倣して裏どりせずに記事にしている可能性もありますので、違和感がある情報は慎重に調査してください。
この方法は、ライティング時のリサーチでも有効です。

書籍はどうしてもWebほど最新の情報が反映されません。手元に本を置いて勉強したいタイプの人は、その本が最近書かれたものか必ず確認してください。2年以上前の本は情報が変わっている可能性があるので慎重に選択しましょう。

文章執筆の勉強がしたいなら、高校受験や大学受験の小論文執筆の本を一冊買ってみよう

ではライティング技術を学ぶためにはどんなサイトや書籍が参考になるのでしょうか?
SEO対策のための文章では「ユーザーが欲しい情報をわかりやすく伝えること」が重要です。また、よほどの読書好きでもない限り、文章を読むこと自体にストレスを感じる人がほとんどでしょう。長文であればなおさらですから、見やすく、必要な情報にたどり着きやすい文章が好まれます。
言ってしまえばSEOライティングに「ドラマチックな光景が目に浮かぶような叙情的な文章」は必要ないのです。
小説家や俳人を目指す場合とは違い、情報をわかりやすく、正確に伝えればいいので、日本語での文章執筆に求められるレベルは、高校生程度で十分。小学校や中学校で必ず習う、「作文の書き方」が頭に入っていれば問題ありません。
文章執筆の勉強をするにはーSEOに強い記事の書き方は?SEOライティングのポイントと手順

そこでおすすめしたいのが、高校受験や大学受験のために書かれた、「小論文執筆の指南」と「基本的な日本語文法」の本です。大学受験科目に現代文が入っていた人なら、改めて勉強する必要はないかもしれませんね。

小説家が使うような言葉はとても素敵なのですが、SEO対策の記事では、「世間一般の人が日常的に使う言葉」で書かれていた方が有利に働くので、“素敵”に書く必要はないんです。ライティング経験が浅くとも、「てにをは」「接続詞」など、作文の基礎知識さえ身に着ければOK。

「誰に向けて、何を書くか」を決めて、3,000字程度の記事をひたすら書くのが、習得への近道です!

また、SEOライティングでは、人の気持ちに寄り添ったり、感情を推測したり、困りごとを見つけたりする能力が必須です。コミュニケーション能力が求められるので、“わが道を行く”タイプよりも、“空気を読むのが得意”な人が向いているかもしれませんね。
普段から「人の心の動き」に丁寧に向き合って生活していると、SEOライティング能力は必ず向上します。

参考にしないでほしい書籍やサイト

ライティング初心者は新たな知識を素直に吸収しますから上達が早いもの。反面、一度、思い込んでしまうと、頭の中はなかなか修正が効きません。触れる情報の信ぴょう性は重要です。

一概には言えませんが、SEOライティングを学ぶために参照するサイトや書籍で、以下に当てはまるものは選ばないようにしてください。

NG①「タイトルにキーワードを〇回以上入れましょう」「メタタグに情報を詰め込みましょう」と書いてある情報

タイトルやメタタグに不自然に情報を詰め込む方法は、過去のSEO対策です。参考にしてはいけません。

NG②5年以上前の情報

SEOは、数か月でガラッと大きく対策が変わることもザラです。5年以上前の資料を参照していると、ところどころに古い情報が紛れています。SEO対策を把握するための勉強をしたいなら、なるべく直近の書籍やWeb情報を選びましょう。
ライティング技術の勉強なら、日本語文法はそうそう変わりませんので、学生時代の参考書を引っ張り出してきてもOK。でも、新たに書籍を購入するなら、レビューや立ち読み機能で得た情報を参考に、新しく、わかりやすいものを選びましょう。

書籍選びの際は、Amazonや楽天ブックスなどでは書籍の口コミを確認しましょう。口コミ評価のいいもののうち、出版年が最新のものを選ぶと失敗が少なくなりますよ。

まとめ:ユーザーに寄り添い、欲していることを想像して、SEO効果の高い記事を書こう

Web上に掲載する記事を書くSEOライティングでは、これまで学校で習ってきた文章やメールや社内文書の執筆とは大きく違うとおわかりいただけたでしょうか?
「SEO対策」「SEOライティング」と聞くと、機械的な作業のように思っている方が多いかもしれません。
しかしながら、ご覧いただいたとおり、SEOを意識した文章執筆は、どんな文章より、お客様(ユーザー)のことを考え抜いて書かねばなりません。

Web施策が企業運営に不可欠になりつつある現代では、SEOライティングの知識は習得すべき技術でしょう。
SEO効果のある文章の書き方は、ビジネス文書やメールとは少し違います。新たな視点でテキストコンテンツと向き合い、ライティング技術を磨いていってくださいね。

関連記事
2023-2024キーワード選定総合ガイド SEO対策の基本を徹底解説

SEO(search engine optimization:検索エンジン最適化)のキモといえば「キーワード選定」。企業ブログやオウンドメディアといったコンテンツマーケティングの成否を分ける重要な要素です。
これまで、キーワードの選び方について一通りの内容をお伝えしてきました。
今回は、ここまでの内容を振り返りつつ、キーワード選定の総まとめをしたいと思います。選定作業の全貌を見渡しつつ、2023年現在のSEO業界のトレンドもふまえ、全体を通しての重要ポイントや注意点、落とし穴回避のためのヒントを解説します。

なお、記事内の文字リンクは、過去のブログ記事の該当箇所にジャンプします。読んでいて、気になったところやわからない用語が出てきたときは、リンク先で内容を確認してみてくださいね。

Google検索のキーワード入力ー2023-2024キーワード選定総合ガイド SEO対策の基本を徹底解説

キーワード選定webでの集客の柱・SEO対策の基本

「どのキーワードで検索された時に、自社のwebサイトがランキングの上位に掲載されることを目指すのか」それを決めるのがキーワード選定です。

SEO対策を始めるなら、まず最初に、上位表示をめざすキーワードをまとめて選び出します。詳しくは後ほどご説明しますが、SEO対策にはある程度の量・数のコンテンツが必要ですから、キーワードは少ない場合でも数十、多ければ数百になることもあります。
選んだキーワードをテーマに内容を構成し、タイトルや見出しにも使用してコンテンツを作り上げていくことになります。

理解してはいても、膨大な選定作業に集中するうちに、つい「キーワード選定」は全体像を見失いがち。まずは「キーワード選定」と「SEO対策」の位置付けについて、改めて確認しておきましょう。

キーワードを決めないと始まらない

企業がwebサイトを運営するの主目的の一つは、集客。FacebookやX(旧Twitter)などのSNSアカウントを運用する、メルマガを配信する、などwebサイトへのアクセスを獲得するための手法にはさまざまな種類があります。その中で、できるだけ多くの、まだ自社と接点のない人を連れてきてくれる可能性があるのが「検索エンジン経由の検索」です。

ユーザーが「わからないこと・知りたいことを調べる」、それが検索ですから、出発点はもちろん検索窓に入力されたキーワード。ちなみに、「キーワード」はコンテンツ制作側から見た表現で、ユーザーが入力した文字を指すときは「検索クエリ」とも言います。

関連ブログ 【SEOキーワード選定のコツ】内 クエリとキーワードの違いは?

2種類のキーワード選定

「キーワード選定」という言葉には、

・自然検索(オーガニックサーチ)での上位表示を目指すためのもの
・運用型の有料広告(リスティング広告)での表示とクリック獲得を目指すためのもの

の2つの意味が含まれます。

関連ブログ 【SEOキーワード選定のやり方】内 キーワード選定には2種類ある?「SEO」と「リスティング広告」

検索エンジンを経由してやってくるユーザーに自社のサイトを訪れてもらうには

(1)自然検索(オーガニックサーチ)で、検索結果のランキング上位に自社サイトが表示される
(2)運用型の有料広告を出稿して、自社サイトを検索結果のランキング上位に表示させる

この2つの方法があるので、キーワード選定も2種類あるというわけです。

リスティング広告の例ー2023-2024キーワード選定総合ガイド SEO対策の基本を徹底解説

 

(1)(2)のどちらを選ぶにしても、まず、「どんなキーワードで検索された時にユーザーの目に触れたいのか」を決定し、「そのキーワードで表示させるための戦略」を立てねばなりません。

つまりキーワード選定作業は、オンラインの集客施策を行ううえで基本かつ必須ともいうべき非常に重要な工程だと言えます。

ちなみにwebでの集客を始める際、ハードルが低いのは、費用をかけずに取り組める(1)だと思いますから、(1)自然検索対策のキーワード選定のマスターを目指して、説明を進めます。

(1)と(2)のキーワード選定作業にはいくつか、違いがあります。(2)では、表示された自社サイトのページがクリックされるごとにGoogleに支払いが発生するので、クリック単価や、広告にかけられる総費用という観点も考慮しなければなりません。
ただし、(1)と(2)のキーワード選定には共通する部分も多くあります。基礎となる考え方はそのまま活かせますから、まずは自然検索での上位表示を目指したキーワード選定について学びましょう。

検索するユーザーには動機や意図がある

キーワード選定の重要性に関してお伝えしたいのは、キーワード選定を成功させ、狙うターゲットに検索エンジン経由で自社のサイトにたどり着いてもらえたとき、他の一般的な広告に比べると、その効果は非常に大きいということです。

検索するユーザーには必ず、そのキーワードを入力した理由があります。

「◯◯について知りたい」
「◯◯の解決方法がわからなくて悩んでいる」
「ベストな◯◯はどれ?」

など、何らかの意図・目的があるからこその検索という行動です。皆さんが用意する記事の目的は集客であり、コンテンツは広い意味で“広告”ですが、ユーザーにとっては広告の枠にとどまりません。キーワードに対する検索結果に表示される記事は、自らの探し求めていた答えが書かれている「価値あるコンテンツ」です。

つまり、コンテンツの内容を読んで、あなたの会社の商品・サービスが、自分の求める機能を持っていると知り、悩み解消に役立つと理解すれば、ユーザーは高い確率で、顧客になってくれる可能性があります。

これは、新聞や雑誌に掲載する広告や、テレビや動画の間に流れるCM、街頭の看板などと圧倒的に違うポイントです。一方的に発信される広告ではユーザーも受動的になりがちですが、検索エンジンを経由したwebサイトへの訪問は、ユーザーにとって能動的な行動です。検索エンジンを通じたサイトへのアクセスは、受け取る側と発信する側、双方向のコミュニケーションとも言えます。

検索意図を満たすキーワードー2023-2024キーワード選定総合ガイド SEO対策の基本を徹底解説

つまり、自社の商品購入・サービス利用の可能性がある、顧客となりうるユーザーをいかに拾い上げるかがポイント。適切なキーワードを選ぶことの重要さを実感していただけたかと思います。

関連ブログ 【SEOキーワード選定のやり方】内 キーワード選定はコンテンツマーケティングの基本

【キーワード選定のやり方】事前準備4つ+選定作業6ステップ

キーワード選定作業の流れをおさらいしましょう。
キーワード選定に取り掛かる際はまず、前段階の準備として、自社のビジネス・商品の理解と現状把握が欠かせません。

事前準備4つが、選定作業をスムーズに進める近道

選定作業の事前準備は下記の4つです。

(1)商品・サービスの特徴と強み、セールスポイントを確認

(2)自社のwebサイトの検索順位・ドメインパワーを確認、Googleサーチコンソールやアナリティクスでアクセス状況をチェック

(3)競合のウェブサイトで、SEO対策状況とコンテンツの方向性を調べる

(4)自社サイトのSEO対策の目的を確認し、数値目標を設定する。費用とリソース、取り組みと効果測定の期間を決める

徹底的に下準備しておくことで、以降の選定作業・コンテンツ設計がスムーズになります。

各項目の具体的な説明は、キーワード選定作業の「前」に必要な準備4つもご参照ください。

選定作業6ステップには、時間をかけてじっくり取り組んで

いよいよ選定作業に入ります。ここでのポイントは何よりも「時間がかかる」ことを理解したうえで、丁寧に進めていくことです。

関連ブログ 【SEOキーワード選定の考え方】内 キーワード選定を活かすには周囲の理解が大切

キーワード選定には時間がかかるー2023-2024キーワード選定総合ガイド SEO対策の基本を徹底解説

(1)コンテンツを届けるターゲット像を明確にし、ペルソナについて理解を深める
まずはターゲットの年齢・性別を定め、どんな人で、何に興味を持っていそうか、どういったニーズがありそうかを具体的に考えていきます。特に、悩みやよく質問されているトピックに注目しましょう。yahoo!知恵袋やX(旧twitter)などの活用もおすすめです。

例えば、ビジネス関連のキーワードでは、商品・サービスの実際の利用者は営業担当者だが、購入前の情報収集のために検索をするのは庶務の担当者、というようなケースもあります。ターゲットが購入・利用に至るまでのプロセスをよくイメージしてみてください。

(2)メインのキーワードを決める
(1)で得られた情報から、メインとなるキーワードを決定します。月間検索ボリュームの多い単ワードを複数、出しましょう。業界や、上位表示を目指すカテゴリーによっても異なるのですが、2〜3個では少なすぎます。カテゴリやジャンルごとにざっくりと分類し、似たものはグループにまとめます。

(3)関連ワードの洗い出しを行う
メインのキーワードを軸に、関連するキーワードを抽出していきます。はじめにツールを使って機械的に漏らさず幅広く出力し、その後、人力で考え出したワードを追加していきます。

ツールは有料・無料さまざまな種類がありますが、よく使われるのはGoogle広告のキーワードプランナーとラッコキーワードです。関連ワードの一覧が一括で取得できます。このリストをGoogleスプレッドシートやExcelなどのファイルに保存し、以降の作業はこのファイルで行うと便利です。

(4)検索ボリュームを調査する
各キーワードの月間検索数を調べて、(3)で出力したリストに記入していきます。

ツールを使って一括出力した関連ワードには、最初の時点で検索ボリュームもセットで記入されていますから、手動で転記していく必要はありません。ツールに頼らず頭で考えて導き出したキーワードの候補は、月間検索数を一つずつ転記してください。

(5)競合性をチェックする
同じリストに続いて記入していきます。各キーワードについて、他社がどの程度、SEO対策に力を入れているかを示す指標が競合性で、競合性が高くなるほど検索結果での上位表示も難しくなります。

(6)キーワードの絞り込み・取捨選択をする
企業サイトのSEO対策は、かけて良い費用と時間に限りがありますから、SEO対策の優先順位をつけ、順位が低いと判断したものを除外する絞り込みが必要です。

・検索ボリューム
・競合性の高低
・自社のビジネスとの関連性
・コンバージョン(cv)の可能性
・コンテンツが制作できそうか

上記の項目について検討し、除外すべきキーワードをリストから消していきます。

絞り込みが終わったら最後に、完成したキーワードリストを他の人にも見せ、現実的なものになっているか、抜け・漏れはないかをダブルチェック・トリプルチェックしてもらいます。
ここまでがキーワード選定作業の流れです。

6ステップをまとめたチェックリストは以下から今すぐDLできますので、選定作業に役立ててください。

資料ダウンロード:【SEOキーワード選定手順】チェックリスト(PDF)

SEOキーワード選定 手順チェックリスト パスカルブログ (株)オロパス【SEOキーワード選定のやり方】誰でもできる手順を6ステップで解説

キーワード選定の基本(1)キーワードをあげていく際は視野を広げて

特にメインのキーワードの候補を出していく段階では、固定観念に囚われず、自由な発想で行うことがポイントです。メインのキーワードを軸に関連ワードを抽出し、それを元に絞り込んでいきますから、メインのキーワードの候補が少ないと、次のステップで早速、行き詰まってしまいます。

作業が進んでキーワードの絞り込みに入った後に、また最初に戻ってキーワードのリストアップを・・・となると、やり直しに疲労もつのります。できるだけ後戻りを避けられるよう、リストアップの段階では広めに候補を用意しましょう。

キーワード選定の基本(2)ターゲットが検索で使用する言葉を意識する

ターゲットが検索する時に使う言葉が、必ずしも、企業側が想定し、意識しているビジネス上のキーワードと一致するとは限りません。正しい日本語や、業界的な専門用語を使って検索されるケースばかりではないからです。近頃増えてきた音声での検索にも対応するなら、「喋り言葉」も意識する必要があります。

画面の向こう側にいる検索者の視点で想像し、リアルな検索キーワードを探しましょう。

キーワード選定の基本(3)ユーザーの検索意図を推測しよう

上位表示のために非常に重要なことは、ユーザーの役に立つ、良質なコンテンツを作ること。つまり、検索者がどんな人で、何を意図して検索したのか、検索需要を考えることなく記事を書いても、結果はついてきません。

「詳しい検索意図は、実際に書いていく段階で考えればいい」と思えるかもしれません。ですが、キーワード選定の段階でもある程度、検索意図を意識しておかなければ、いざ執筆に取り掛かったあとで「こんなワードでは書けない」「ビジネスと関連性のあるコンテンツにならない」などのトラブルにつながることもあります。

検索意図にはざっくりと3つのタイプがありますから、推測のヒントにしてみてください。可能なら、ターゲットに近い人に直接インタビューさせてもらえると、貴重な手がかりが得られます。

「企業が書きたいことを書く」のではなく、「ユーザーが知りたいことを届ける」のが書き方の基本です。あくまで、検索する人の視点を重視することを徹底しましょう。

キーワード選定の基本(4)ロングテールキーワードを味方につける

ロングテールキーワードは、複数のキーワードを掛け合わせた、より具体的な検索意図をあらわすもの。検索ボリュームは少ないスモールワードのことが多いのですが、上位表示がしやすいのがメリットで、コンテンツSEOの実績のない、ドメインの力が弱いサイトこそ、積極的に取りたいキーワード選定の戦略です。

ロングテールキーワードにはいくつかのデメリットもあります。例えば、ロングテールキーワードを対策することで、特定のターゲットに向けた記事であることはもちろん、読者にも伝わります。その結果、ターゲット以外の層に「自身は記事の対象ではない」という印象を与え、離脱につながっててしまうこともあるんです。たとえ記事の内容としては、幅広い層に対応が可能なものであったとしても、です。

ロングテールキーワードを重視するにしても、コンテンツマップにはビッグワード・ミドルワードなども多少は含まれるようにした方がバランスが良くなります。

キーワード選定の基本(5)上位表示に工数がかかりそうなキーワードへの対応は戦略的に

競合性の高いビッグワードでのSEO対策には、かなりの時間と労力がかかります。ドメインパワーの問題もありますから、中小企業や歴史の浅いウェブサイト、個人ブロガーではまず勝ち目がありません。

後ほどご説明しますが、ビッグワードは、ミドルワードやロングテールキーワードなど、複合キーワードに落とし込み、かつ、幅広い検索意図をカバーするために複数記事を作成するのが基本方針です。
ある程度の長期戦を覚悟のうえ臨んでください。

ただし、業界によっては上位表示の争いがかなり激しいケースもあります。予想以上に結果がともなわないようなら、思い切って優先順位を下げ、まずは着実にドメインパワーを育てるといった戦略も必要です。

ドメインパワーー2023-2024キーワード選定総合ガイド SEO対策の基本を徹底解説

キーワード選定で活用したいツールと使い方のポイント

キーワード選定に活用したいおすすめツールは有料・無料ともに複数あります。
検索エンジンのサジェストワードだけでなく、共起語も一緒に拾い上げてくれるものもありますから、眺めているだけでも発想が広がります。ほとんどのツールで関連ワードは一括ダウンロードができるので、コンテンツマップを作成する際のベースにもできて便利ですよ。
一般的に使われることが多いツールは、下記です。

・Google広告キーワードプランナー
・Googleトレンド
・ラッコキーワード
・パスカル
・aramakijake
・ahrefs(エイチレフス)
・キーワードファインダー
・Ubersuggest(ウーバーサジェスト)

キーワード選定でのツールの使い所は、関連ワードのリストアップだけではありません。

メインのキーワードをどれにするか迷っている段階では、Googleアナリティクスを使って、サイトを訪問しているユーザーの属性を把握することでヒントを得られます。
また、ツールでは導き出せない関連ワードやロングテールキーワードを探す段階では、サーチコンソールの「クエリ」のデータが役立ちますよ。

ツールを選ぶ際に優先すべきこと

たくさんのツールの中でも、有料ツールは特に機能が幅広く、

・ライティングやリライトの方針をデータに基づいて提案してくれる
・狙うキーワードでの順位を日々、計測し変動を記録してくれる
・競合サイトへの流入数やキーワードを教えてくれる

など、キーワード選定に限らず、SEO対策全般に役立てられるものも多くあります。

どれを選べば良いか、決めるだけでも一苦労。ツールの数が多いので一つ一つを詳細に検討するのは現実的ではないかもしれませんが、どんなに優れた機能があっても、使いこなせなくては意味がありません。最低限、操作のわかりやすさと、導入後のサポート体制がしっかりしているかはチェックしましょう。

キーワード選定はPDCAが大切!

キーワード選定は、一度定めたらそこで終わりではありません。Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)のサイクルを繰り返すことが成功のポイントです。

狙いたいキーワードでコンテンツを作成・公開した後は、効果測定を行ってサイトの現状を確認します。期待していた成果が現れているかを確かめ、必要に応じて、キーワードの見直しやコンテンツの改善を行います。

キーワード選定のPDCAー2023-2024キーワード選定総合ガイド SEO対策の基本を徹底解説

効果測定にはまず、Google公式の無料ツールを使用してみましょう。

・GA4:サイトの訪問者の流入経路・属性・行動を分析
・Googleサーチコンソール:自然検索でのアクセス数・表示回数・クエリを確認

分析するポイントと改善案の出し方の具体例はこちらの記事をご覧ください。

さらに詳しい分析をしたい場合は、有料ツールの導入も検討します。

・パスカル
・サーチライト
・MIERUCA
・SEM RUSH

などのツールでは、コンテンツを分析し、具体的な改善案を出すところまで一括でやってくれますから、コンテンツSEOを継続的にやっていくのであればかなり心強い味方です。

いずれのツールを選んでも、大切なのは、データ計測を継続して行い、記事のアクセス状況の推移を追い続けること。キーワードによっては流行り廃りの影響を受けたり、季節によって検索ボリュームが大きく変化したりするものもあります。
さらに、google検索のアルゴリズムは定期的にアップデートを繰り返していますから、一度、上位表示を達成してもそれがずっと継続できるとは限りません。もちろん、後から公開される競合他社の優秀なコンテンツも強敵になります。

キーワード選定も、PDCAサイクルを確実に実践していきましょう。

キーワード選定の失敗?結果が出ない時の対処法

ここからは、PDCAを実行してみた際にぶつかるお悩みに回答していきます。

手順通りに適切なキーワードを選び、ユーザーの検索意図に合致した良質なコンテンツを作り続けているつもりなのに、数ヶ月経ってもサッパリ成果が出ない、なんて話を聞くことがあります。
検索順位は色々な要因が重なって複合的に決まるので、すべての原因が「キーワード選定」にあるとは言えないことは皆さんご存知かと思います。キーワード選定に関係する要因で、考えられるものを以下3つ、ご紹介しましょう。

ケース1「順位が上がらない」

なかなか順位が上がらないのは、検索ボリュームが多く、競合性も高いビッグワードを狙うときに起こりがちなお悩みです。

ビッグワードは、「民法改正」や「中古車買取」のように、単語ひとつ、語句・フレーズといったシンプルなものがほとんど。そのため、どんなユーザーが何を知りたくて検索したのか、意図を推測するのが困難で、ユーザーの検索意図を満たすという観点では、提供すべきコンテンツの内容を絞りきれません。

1ページ・1記事でこれらのニーズをすべて満たし、かつ良質なコンテンツを制作しようと思えば何万文字という膨大なボリュームが必要でしょう。しかし、Webで検索している人が、書籍並みの数万字の記事をくまなく読むかというと、疑問です。読みやすさやユーザビリティの点でもかなりの配慮が必要になり、コンテンツ制作の難易度も、ますますアップします。

そこで、必要になってくるのは、ビッグワードでの検索意図をある程度、網羅できるまとめ的な要素の記事(「親記事」や「ピラーページ」とも呼ばれる)と、まとめ記事の要素を掘り下げた多数の個別記事(「子記事」や「クラスター」とも)です。さらに、個別記事からまとめ記事にむけてリンクを構築し、ユーザーの利便性を高めます。

トピッククラスターモデルー2023-2024キーワード選定総合ガイド SEO対策の基本を徹底解説

ちなみに、このような戦略を「構造化SEO」や「トピッククラスターモデル」と呼び、ビッグワードでの上位表示を達成するための戦略の一つです。

ビッグワードを軸に子記事の数を増やすには、その分、関連ワードも多く挙げなければなりません。
新たに関連した子記事を制作できそうなロングテールキーワードを周辺からも探し、関連キーワードの数を増やしましょう。

ケース2「サーチコンソールのクエリを参考にキーワードを選定したが、いざ公開したページへのアクセスが伸びない」

狙っていなかった想定外のクエリで表示回数が伸びている一方、クリックにはつながっていないことに気づいたら、それはユーザーの検索ニーズがあるキーワード。有望なキーワードと考えられますから、きちんと対策したコンテンツを作れば、高い確率で順位が上がるはずです。
一方、そのクエリをそのままキーワードとして新たな記事を書くと高い確率で「カニバリ」が起こってしまいます。

「カニバリ」は同じキーワードに対して、自社サイトの複数のページが重複してヒットする状態のことです。同じクエリに対して、2つのページが表示されると、ユーザーのクリックが分散します。さらに、検索エンジンに、コンテンツの中身が類似していると見なされれば、両方のページの評価を下げられてしまい、検索結果のランキングが下がる可能性も。カニバリはできれば避けたいものです。

今回のケースでは、カニバリが起こったために新しく公開したコンテンツの成果が出ていない可能性が考えられます。
クエリを参考にキーワード選定をする場合は既存コンテンツのリライトに活かす、新しいコンテンツを制作する場合は、既存コンテンツの内容を調整する、などの対応が必要です。

サーチコンソールのクエリを活かしてキーワード選定をし、コンテンツを作ると「カニバリ」が発生することがあることを知っておきましょう。

ケース3「表示回数もアクセス数も増えない」

これはキーワード選定とは直接は関係ありませんが、表示回数もクリック数もちっとも伸びない、という際に、真っ先にぜひチェックしてもらいたいポイントです。

公開した記事が、Googleのインデックスに登録されていなかった、というケースがあるんです。

「検出ーインデックス未登録」の例ー2023-2024キーワード選定総合ガイド SEO対策の基本を徹底解説

Googleの「インデックス」とは、検索エンジンが参照するデータベース。Googleにインデックス登録されないページは、検索結果には表示されません。Googleのクローラーというロボットがページを発見し、データベースに登録することで初めて、そのページは検索結果に表示されます。

「これまでインデックス登録なんて気にしたこともなかった」という人もいるでしょう。通常、記事を公開してから数時間〜数日のうちに自動でインデックス登録されることが多いので、特別、アクションを起こす必要がないケースも多いんです。ただし時折、何らかの原因で、数週間・数ヶ月経ってもインデックスされないことがあります。

インデックスの状況を確認するには、サーチコンソールにログイン後、左側のメニューから「ページ」を選択してください。インデックスされていないページは「検出 – インデックス未登録」と表示されます。

サーチコンソール「検出ーインデックス未登録」の例ー2023-2024キーワード選定総合ガイド SEO対策の基本を徹底解説

インデックス未登録であれば検索結果に表示されませんから、当然、データも計測できておらず、結果も出ませんし、選んだキーワードが適切かどうか判断もできません。

もしこのような状態に気づいたら、早急に対処をしましょう。インデックス登録のリクエストをGoogleに送るか、サイトマップを送信することで、インデックス登録をうながすことができます。
コンテンツの公開をしている人と、サイト全体を管理する担当が異なるケースでは、見つけるまでに意外に時間がかかることもあります。公開後は、記事が確実にインデックス登録されたか定期的に確認すると安心です。

その他、キーワード選定でよくある質問にはキーワード選定の疑問・お悩みを解決 一問一答で詳しく回答しています。「季節性・流行り廃りのあるキーワードへの対処法」「多様な検索意図が予測できるキーワードへの対処法」「競合との差別化も意識した“先取り戦略”」なども紹介していますから、つまづいた人はもちろん、一段階上のレベルを目指したい人はぜひ読んでみてください。

業界によって課題と難易度も違うから、キーワード選定の戦略はオーダーメイドで

ここまでご紹介した基礎をおさえればキーワード選定に取り掛かって大丈夫。ただし、もう1つ知っておきたいのは、業界ごとにSEO対策の難易度が異なり、キーワード選定の傾向・ポイントも違うということです。

以下の業界について、ぶつかりがちな壁を意識してキーワード選定のポイントを事例も交えてご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

業界別 キーワード選定のポイント

【小売業】
【食品・飲料業界】
【旅行・観光業】
【金融・保険業界】
【医療・ヘルスケア業界】
【不動産業】
【塾・予備校・教育関連業界】

対応が難しいなら外注も キーワード選定を依頼するときのポイント

中には、競争が激しく、上位表示の難易度がかなり高いと言わざるをえない業界もありますから、プロの手を借りるのが望ましいと思われるケースも出てきます。

キーワード選定は、SEOコンサルを専門にする会社や、webマーケティングの会社に外注する手段ももちろん有効です。

外注する際は、単純なキーワード選定作業の代行だけではなく、各企業の状況をふまえた丁寧な戦略立案をしてくれる会社に依頼しましょう。一般的な関連ワードのリストアップなどキーワードの候補を出すならツールの導入だけでも十分。せっかくプロに依頼するのですから、じっくりとヒアリングをしたうえで、現実的な目標設定や競合との比較調査を行ってくれる会社を選ぶようにしましょう。

SEOコンサルー2023-2024キーワード選定総合ガイド SEO対策の基本を徹底解説

SEO対策では初期設計が非常に重要です。なぜこのキーワードをメインにするのか、どんな方向性でコンテンツを作っていくのか、短期的・中期的・長期的な戦略、効果測定方法まできちんと共有してもらい、相談しながら進めていけると成功の確率は大きくアップします。

SEO対策は内製できれば心強い

外注する手段を選んだ場合も「いつかは社内でキーワード選定ができるように」という視点を持っていただくことは大切です。

Googleのアルゴリズムはアップデートされますから、それに応じてキーワード選定をやり直したり、すでに公開したコンテンツの内容を更新したりする必要も出てきます。内部のスタッフでその都度、リライトや追記、修正ができた方が、タイムリーな対応ができ、自社サイトを常にベストな状態に保っておけます。それにもちろん、外注するコストも省けます。

キーワード選定をはじめとしたSEO対策は、自社である程度の知識を持ち、対応できた方が総合的に考えると便利です。外注するにしても「丸投げ・お任せ」ではなく、「社内のスタッフも学び、ノウハウを蓄積する」スタンスで臨んでいただければと思います。

まとめ:キーワード選定をマスターしてSEO対策に強いサイトを

ここまで、2023年現在のSEO対策の概要をふまえつつ、注意したい点とポイントをまとめました。
キーワード選定には手間と時間がかかりますが、上位表示のための仕組みを理解し、丁寧に手順通り実施すれば、未経験でも初心者でも、必ず出来るようになります。じっくり向き合って、最適なキーワードを選んでページを強化し、SEO対策で確実に成果の出せるサイトを目指しましょう。

企業のSEO対策に必要なキーワード選定。
マーケティングやSEOの勉強をし始めたばかりの初心者にとって、自分たちだけでキーワード選定を行うのは、ハードルが高いと感じるかもしれませんし、いざ取り組んでみると小さな障壁に幾度もぶつかって、挫折しがちです。

今回は、初心者にもわかりやすいように、具体的な事例を想定して、一つ一つの手順をじっくり解説します。つまづきやすいポイントや注意点も交えて、ノウハウを詰め込んでいますので、この記事を読みながら、実際にキーワード選定を行ってみてください。
まずはお試しで、自分の趣味や好きな商品などでOK。ビジネスからはちょっと離れて「父の日 プレゼント」「DIY 材料」のようなやりやすいテーマを選んでもいいですよ。

実際にやると新たな疑問がわいてきます。ひとつずつ解決していけば、いつの間にかキーワード選定ができるようになっているはずです。
上位表示に繋がりそうなキーワードをしっかり選べば、Googleに代表される検索エンジンからの評価は必ずあがりますよ。

では、一緒にキーワード選定をやってみましょう!

なお、キーワード選定を「もっと知りたい!」方は、以下もご覧ください。
2023-2024キーワード選定総合ガイド SEO対策の基本を徹底解説
キーワードを選定 イメージ画像1【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます

想定事例:横浜市の個人向け保険代理店

ここからは架空の事例を使って説明します。できる限り現実に即した設定にしたので、実際に近いキーワード選定作業になるはずです。
キーワード選定は、業種や商品、目的によって内容が変わります。まずは全体の流れを理解しましょう。

実際のキーワード選定では、数十〜数百個のキーワードを選んでいきますが、いきなり大きなところから開始すると、全体像を捉えるのに時間がかかります。
まずは、1テーマ10関連キーワードのスモールスタートで感覚をつかんでみましょう。

ここでは、横浜市に事務所を構え、個人向け保険を扱う架空の保険代理店「わかば保険相談室」が集客のためにSEO対策を行う想定で考えていきます。

SEO対策のためのキーワード選定を行う前に、企業の情報や売り出したい商品・サービスについて整理しましょう。

売りたい商品・サービス

「売りたい商品やサービスが何かなんて、当然わかっている」とは思いますが、基本的にSEO対策をする際は、ユーザーの悩みに寄り添い、疑問を解決するコンテンツを作る必要があります。自社のサービスがどんなふうにユーザーにフィットするのか、詳細に把握しなければならないんです。

「わかば保険相談室」のケースでは?

・お客様にお勧めしたいのは、外貨建ての投資商品
・病気や死亡に備えるだけでなく、資産運用に興味がある人に向けた保険商品
・家計に余裕のある世帯が対象

ペルソナ/どんな人に利用してもらいたいか?

ペルソナとは、商品・サービスのターゲットとなるユーザー像のこと。マーケティング用語なので、聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
SEO対策を意識して制作するテキストコンテンツは、企業が発信したい情報ではなく、ユーザーが必要としている情報を提供し続けなければなりません。

そのためにも、売りたい商品・サービスをどんな人が利用しそうかペルソナを詳細に設定してみましょう。

「わかば保険相談室」を利用しそう&来てほしい人物像は?具体的に考えてみよう

わかば保健相談室はお客様に事務所に出向いていただき、対面で保険の相談・販売を行うスタイルの保険代理店です。
オンライン面談をしたり営業マンがお客様宅へ訪問したりするわけではないので、ネットですべて済ませられる場合とは違い、顧客となる対象者は“事務所の周辺が活動範囲である人”に限られてきます。そのため、地域を絞ってターゲット像を掘り下げるのがいいかもしれません。

・競合他社が同じ地域にどれくらいあるか
・事務所近隣の住民はどのような方が多いのか(お財布事情や年齢層など)
・わかば保険相談室の存在が知る住民がどれくらいいるのか

など、実店舗があるのなら、近隣商店の方に買い物がてら質問して教えてもらったり、朝、昼、夜と近所を歩き回ったりするのが一番手っ取り早い方法です。
行うのはインターネット上の施策とはいえ、ずっとデスクの前でPCとにらめっこしていると煮詰まってしまいます。時には体を動かしてみると発想の転換ができて意外といい案がひらめきますよ。
わかば保険相談室 ペルソナ イメージ画像2【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます

相談者

・夫45歳 大手企業の部長職
・妻40歳 正社員管理職

データ

・小学3年生と保育園児の子どもがいる
・共働きで、世帯年収1,600万円
・両親の介護と他界により、先を見据えた資産運用を意識し始めた
・相続発生により1,000万円貯蓄が増えた
・500万円以上のまとまった金額の資産運用を考えている
・数年前にローンを組んで戸建て住宅を購入
・職場や友人に資産運用を行っている人が多く、投資が話題にのぼるため、多少の知識はあり

このように、具体的かつ詳細にペルソナを設定しイメージを固めます。
もちろん、これから制作するブログやコラムなどのテキストコンテンツは、「このペルソナにぴったり当てはまる人だけが対象」というわけではありません。
それでも、具体的な人物像を設定することで、お客様の知りたいことがイメージしやすく、よりリアリティのある言葉が紡ぎだせるようになります

記事ごとにそれぞれ異なるペルソナを設定してもいいですし、売りたい商品やサービスのプランごとに変えていっても構いません。その代わり、同一記事内でのペルソナは一つにしてください。「設定したペルソナに向けて書く」と意識するだけで、同じカテゴリーの記事に統一感が出ますし、わかりやすい文章になります。

初心者にありがちな失敗は、途中で誰に向けて書いていたかわからなくなってしまうことです。「文章の初めは20代の若者を思い浮かべて書いていたのに、最後の方は企業の管理職に向けた文章になってしまっていた」となると読み手が内容を理解しにくくなるので気を付けたいところです。

ターゲット層とペルソナは違うの?

ペルソナに近い言葉に「ターゲット層」があります。ペルソナの設定はキーワード選定でメインテーマを選んだあと、小さなカテゴリごとにユーザーの検索意図やお悩みを推測するためには非常に有効です。
しかしながら、対象者が非常に狭く、キーワード選定でメインのテーマを選ぶ際に限定しすぎると、選びにくくなってしまうかもしれません。
ペルソナをイメージしながら、一緒にターゲット層も設定しましょう。

ターゲット層は、商品・サービスの主な顧客層や狙いたい市場のセグメントを示すものです。年齢層、性別、地域、職業などの一般的な特性で区分します。

ペルソナをもとにターゲット層を設定してみると、

ターゲット層

年齢層:30~50代
性別:男女
地域:横浜市近郊
世帯年収:1,000万円以上
職業:大手企業サラリーマン
家族構成:高校生以下の子どもを持つ家庭

先にペルソナを決めれば、ターゲット層もイメージしやすくなります。キーワード選定を行う際は、ターゲット層とペルソナを意識し、イメージを膨らませていきましょう。

ここまでで基礎データの洗い出しは終わりました。次に、キーワード選定の事前準備を行います。

大まかな流れは【SEOキーワード選定のやり方】にまとめています。それに沿って、「わかば保険相談室」のキーワード選定をしてみましょう。

初心者でもできる!キーワード選定の事前準備

キーワード選定の実作業に入る前に、事前にチェックしておくべき事項が4つあります。キーワード選定を始めた後も、疑問に思ったことがあったら都度、確認するようにしましょう。
社内で情報共有を イメージ画像3【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます

事前準備(1)商品・サービスのセールスポイントを確認

初めに対象となる商品・サービスが何なのか、SEO対策やキーワード選定を行うチーム内で、情報共有をします。“わかっていて当然”と思わず、これから向かうべき方向を揃えましょう。

また立場が違えば視点も変わります。自分が考えるセールスポイントとお客様が魅力を感じるポイントは違うかもしれません。過去のお客様アンケートやリアルな声、SNSでの評判のデータがあるならぜひ活用してください。Googleビジネス プロフィール(旧:Googleマイビジネス)にも口コミがついている可能性があるので一緒にチェックしてみましょう。

実際の作業は一人で行う場合でも、上司や営業担当、窓口担当など、対象の商品・サービスに近い立場の人へのヒアリングは必須です。

可能なら、
・キーワード選定が終わった段階
・コンテンツ制作後、公開前の段階
・記事公開から一定期間経った段階

などに、方向性が間違っていないか、ヒアリングをした人に再度、確認してもらうのがベストです。

私たちは複数企業のキーワード選定やコンテンツ制作に携わってきましたが、担当部署やお客様、上司など、かかわりのある人たちとのすり合わせ作業は必ず行うようにしています。

一番怖いのは、数十本の記事を公開したあと、「成果が出ていない」と言われて初めて方向性が違うと気づくことです。想定しているターゲットや商品の強みなど、ちょっとした認識の違いで、出来上がるコンテンツには大きな差が生まれます。準備段階でのすり合わせを怠れば、制作したコンテンツで成果が出る可能性は極めて薄くなります。

キーワード選定は非常に手間のかかる作業ですし、その先のコンテンツの制作にも、もちろん時間がかかります。
しつこいと思うくらい確認し、変な方向に進まないよう、細心の注意を払いましょう。

「わかば保険相談室」の特徴・強み

・営業マンが一人一人の状況を確認し、最適な保険を案内できる
・さまざまな保険会社の商品を扱っている
・窓口で接客対応する社員が20~50代男女で複数名在籍しているため、お客様ごとに相性の良い担当者をつけられる
・最近はオンライン対応のみの保険会社が増えているが、わかば保険相談室では対面販売をメインにしている

事前準備(2)ウェブサイトの現状をチェック

現在のWebサイトの状況は、キーワード選定を始める前にチェックしてください。
SEO対策と効果測定は必ずセットで行います。そのためにはまず、効果の測定ができる状態かどうか、確認しましょう。

web上のサイト分析のためのツールは、有料・無料を含めてたくさんありますが、「Googleサーチコンソール」と「Googleアナリティクス」は必須です。

これらのツールの使い方は初めての人には、難しく感じられるかもしれませんが、キーワード選定に使うのはごく一部の機能だけなので、一度覚えてしまえば簡単です。

Googleサーチコンソールとアナリティクスで何ができる?

Googleサーチコンソールでは、自社サイトに「どんなクエリ(キーワード)で流入があるか」「Google検索結果にどのページがどれくらい表示されたか」「どの記事が何回クリックされたか」「どこからの被リンクがあるか」などがわかります。

一方、Googleアナリティクスは「ユーザーがどの記事にどれくらいの時間滞在しているか」「どこからサイトに流入しているか」「検索でたどり着いたのか、ブックマークやURLから直にアクセスしたのか」などを調べられるツールです。
キーワード選定に使えるその他のツールや概要は以下の記事で説明していますので、ご覧ください。

関連記事
【2023-2024最新】SEO対策・キーワード選定のおすすめツール10選 無料で使える・役立つツールを紹介します!

SEO対策としてコンテンツを制作するのなら、「Googleサーチコンソール」と「Googleアナリティクス」でデータ計測できる状態でスタートします
初心者だと、データ分析に関しては不慣れかもしれません。計測ができているかは、Webサイト制作を外注しているなら制作会社に、自社で制作や管理を行っているなら社内の担当者に確認してみてください。

また、現在、サイトにはどのような情報が掲載されているのか、既存コンテンツの内容を把握しておくのはもちろんのこと、サイトの構造的に、SEO対策ができる状態かどうか、の確認も必須です。

チェックポイント

・コラムやブログを更新するためのページが設置されているか?
・どのような画面で記事を公開すればいいのか?(ITの専門知識のないスタッフでも公開作業ができるか?)
・コンテンツを制作するのは固定ページか?ブログページか?

固定ページは、サービス案内や事業概要のような基本的な情報が掲載された、頻繁には更新を行わないページのことです。ブログやコラムは新たな記事を継続的に掲載していくので、多くのサイトでは固定ページとは異なる仕組みで投稿されます。

まさかと思うかもしれませんが、「コンテンツを掲載できるページがなかった」というケースもあります。

「わかば保険相談室」のwebサイトの状況は?

・Googleサーチコンソール、アナリティクスでデータ計測はできている状態
・コラムやブログなどのコンテンツ発信はしておらず、サイトへのアクセス数は一日10件に満たない状況
・サイト制作は外注、ブログページがなかったので急ぎで増設を依頼

事前準備(3)競合のウェブサイトを調査

これからSEO対策をするサイトの“競合”にあたるのがどんな企業が開設したサイトか、見ていきます。

・どのようなキーワードを狙ったコンテンツがあるか
・コンテンツの質
・更新頻度
・投稿数

など、狙いたいキーワードで上位に表示されるサイトの内容を一つずつ見て、自社サイトと比較します。

あくまでも初期段階の調査なので、「保険代理店 ○○市」「保険 相談」など、調べるのは直感的に頭に浮かんだキーワードでOK。いくつかGoogleに検索キーワードを入力して調べてみましょう。

「わかば保険相談室」のケースでは?

では実際に、「保険 相談」とGoogleの検索窓に入力してみます。
表示されたサイトをざっと見てみると、記事の掲載元は、保険会社が運営するサイトもあれば、同業の保険代理店もあります。
保険 相談の検索結果 画像4【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます

「保険代理店 横浜市」「保険 相談」の二つを検索するだけでも、検索結果の上位に表示される企業サイトやページがだいぶ違うことに気が付きます。

普段からGoogle検索には慣れ親しんでいるつもりでも、SEO対策・ビジネス視点で見てみると、新たな気づきが多いもの。

ちなみに検索結果に「スポンサー」と表示されるのは、有料の運用型広告(リスティング広告)です。リスティング広告がたくさん出るのは、狙っている企業が多いキーワード。競合の多い言葉を狙っていくのか、あえて外すのか、検索数は少ないもののユーザーの悩みに直結するキーワード(ロングテールキーワード)を選択するのか、など、この先の方針を決める材料にするため、軽く調査を行います。

ここでは他社の状況をおおまかに把握するにとどめ、詳しい調査はキーワード選定作業に入ってからで大丈夫。気づいたことをメモしておくと、この先のキーワード選定に役立ちますよ。

事前準備(4)目的・目標を設定し、費用・期間を確認

【SEOキーワード選定の考え方】 でもお伝えしましたが、数値目標を把握せずに、いきなりキーワード選定に入るのは厳禁です。必ず、取り組みのゴール地点を最初の時点で確認しましょう。

・設定した目標が実現可能か
・期間が短すぎないか
・費用とリソースがきちんと確保されているか(ツール導入費・ライティング費用・社内スタッフの業務量の調整など)

営業部や企画部など数値目標を把握している部署がある場合は、費用や目標数値を確認してみてください。担当部署がなく、企業内に把握している人がまったくいないのなら、目的と目標の設定から行わなければなりません。いち担当者だけで行うのは現実的ではありませんから、上司やお客様に必要性を説明し、協力体制を整えるところから始めます。

企業内にSEO対策に詳しい人がいないと、深く考えずに「とにかく毎日ブログ記事を書いてSEO対策を!」となってしまいがちですが、ゴールの設定や費用、リソースの確保など、十分な準備をしてからスタートしましょう。

「わかば保険相談室」のケースでは?

取組み期間:2年間
目的:500〜2,000万円の運用型の保険契約件数を増やす
目標検索順位:10位以内
LTV:750万円
コンバージョンポイント:ネット経由の「保険相談予約」
リソース:キーワード選定は社内で対応し、執筆は社外の専門ライターに依頼

目標順位は1位が理想的ですが、そうそう取れるものではないので、最初はTop10以内の設定をお勧めします。

参考記事
【SEOキーワード選定の考え方】コンテンツと向き合い続ける方法
該当箇所:コンテンツの初期設計で重要なキーワード選定は、はじめに数値目標の設定を

初心者でもできる!キーワード選定の手順 6ステップ

では、ここから実際にキーワードを選ぶ作業に入ります。
想定している事例は、横浜市に事務所を構える保険代理店「わかば保険相談室」でした。これを例に、どのような手順で進めばいいか、具体的に見ていきましょう。
以下の項目は【SEOキーワード選定のやり方】で説明した流れと同じです。全体像を把握したい方は、先にこちらの記事をご確認ください。

ステップ1 ターゲット像を明確に設定し、理解を深める

設定したペルソナが、「売りたい商品・サービス」のどの部分に、魅力を感じ、疑問を持ちそうか、より詳細に考えていきましょう。
相談者イメージ画像5【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます

相談者のご夫婦には、相続で取得した500万円以上の現金を資産性の高い保険商品の購入に充てたい意向があります。お子さんがまだ幼いため、運用型保険の中でもリスクは低めのものを選びたいと思っているかもしれませんね。

わかば保険相談室で扱うのは外貨建ての運用保険です。ここではペルソナとともに設定したターゲット層も再確認し、

・多少のリスクは伴うものの、実績のある保険会社の商品をお勧めすれば興味を持ってもらえるかもしれない
・初めて運用型保険に接する方なら警戒感が強いかもしれないが、周囲に資産運用をしている人が多く、情報を耳にしているのならハードルは低い可能性がある
・利率の悪い学資保険に加入済みだったら、その代わりに運用商品を提案できるかもしれない

などと、想像を膨らませていきます。

官公庁の調査データや自社の販売実績など信頼のおける数字も参考に、戦略を立てましょう

ステップ2 メインとなるキーワードの洗い出し

実際のキーワード選定では、メインとなるキーワードについて関連ワードをある程度、網羅的に抽出しなければ成果がなかなか出せません。しかしながら今回はテストケースとして、1つのメインキーワードに対して、10個の関連ワードを探すところからスタートしてみましょう。
企業として初めてSEO対策に取り組む際も、スモールスタートで感覚をつかむといいですよ。
ここではメインとなるキーワードを洗い出していきます。

まずは自社を示す「保険代理店」とGoogle検索の検索窓に入力してみましょう。

Google検索の検索エンジンで表示されるサジェストを利用する

検索キーワードを入力すると、検索窓の下に候補としていくつかのキーワード「サジェスト」が出てきます。ここには多くの人が検索している言葉が表示されるので、これから行うキーワード選定の大きなヒントになります。

保険代理店の検索結果 画像6【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます

重要なのは、「この言葉を顧客となりうる人たちが検索する際に使うのか」の確認です。
サジェストに出てきた「保険代理店 相談」は顧客となりうる人が検索しているように思えます。でも、他に出てきたサジェストキーワードを見てみると、「保険代理店 ビジネスモデル」「保険代理店 資格」などとセットで検索され、顧客というよりは、“保険代理店”を開業したい人、保険代理店の仕組みを調べたい人が調べているようにも思えます。

となると、保険代理店のお客様となりうる人たちは「保険代理店」ではなく、別の言葉で検索しているのかもしれません。

ここで、試しに「保険 相談」を入力してみます。
保険 相談の検索結果 画像7【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます

サジェストを見てみると、「どこの保険を選んだらいいか相談したい」「保険相談のデメリット」など、かなり“顧客”に近い検索意図が推測できます。
このようなキーワードはターゲット層が検索しそうですから、とても有望です。

次に、地域名を追加した「保険代理店 横浜市」を入れてみましょう。

保険代理店 横浜市の検索結果 画像8【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます

上位に表示される「スポンサー」と書かれたページは、企業がGoogleにお金を払って出稿している有料広告です。広告出稿が多い中、そのキーワードをオーガニック検索(自然検索)で狙っていくのは少しハードルが高い場合もありますが、実店舗がある会社にとって、地域ワードとのかけ合わせのキーワードはぜひとも押さえておきたいですよね。その場合、市の名前だけでなく、地域名、最寄り駅名を入れて「保険代理店 横浜市 ○○区」と範囲を狭めてみるといいですよ。
あわせてローカルSEOやMEOについても考えておきましょう。

では最後にもう一つ。「保険 選び方」を検索窓に入れてみました。
保険 選び方 の検索結果 画像9【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます

上記の検索結果からわかるのは、「生命保険 選び方 ○○代」というように、年代や性別でどんな保険を選べばいいのか検索している人が多そうだということです。

こういった情報は、ただ考えているだけではなかなか思い至らないもの。手を動かして探し、ヒントを得ながら検索意図を推測していく作業が非常に重要です。

こんな具合に、商品やサービス、事業内容を指し示す、大きめの言葉を検索してみて、その結果から、狙うべきターゲット層が検索しそうなキーワードを考えていきます。

今回はGoogleの検索窓に打ち込んで表示されるサジェストを参考にしましたが、ラッコキーワードやその他ツールを使って一括での出力も可能です。「検索してみて気になったワードはラッコキーワードでさらに詳細に見てみる」「重要なキーワードのみ一括出力しておく」など、ツールを使って時短できる部分もあります。

もちろんここに書かれたサジェストを使った方法だけでなく、X(旧Twitter)やFacebookなどのSNSを参考にする、近いジャンルの検索ワードも入れてみる、お客様満足度調査をするなど、テーマを考える段階では、たくさんの材料を集めて判断してください。

実際にキーワード選定を行う際は、メインのテーマとなるキーワードを10~100個くらいは候補として用意します。この先のステップで除外するものも出てくるので、ペルソナにぴったり当てはまるものだけでなく、広めの「ターゲット層」も意識して、少し多めに選んでおきましょう。

「わかば保険相談室」では、「保険 相談」をメインのキーワードに選んだことにして、話を進めます。

ステップ3 関連ワードを出す

次は、メインのキーワードに関連するワードを出していく作業です。
「保険 相談」の関連ワードを出してみます。

関連するキーワードの抽出は、自分たちの頭だけでひねり出すのは大変ですし、網羅性の面で心配もあります。そこで、ツールを使用します。
今回は、無料で使えるGoogle広告のキーワードプランナーを使います。

有料ツールなら、パスカルやUbersuggest(ウーバーサジェスト)、Ahrefs(エイチレフス)などを導入すると簡単に出力できます。有料ツールは機能が多く、作業時間を短縮できて非常に効率がアップします。反面、専門用語や数値の意味がわかっていないと使うのが難しいツールもあります。

また海外発のSEOツールは英語版しかなかったり、機械翻訳された、やや不自然な日本語だったりすることも。マーケティングやSEOの知識がある人なら、前提となる用語の知識があるので使いこなせますが、初心者で英語が苦手だと、すぐには自在に活用できるレベルに達しません。

初心者が有料ツールを使う場合には、日本語でもわかりやすく、感覚で操作ができるものを選びましょう。

どのツールでも関連ワードはcsv形式で一括書き出しができますから、ExcelやGoogleスプレッドシートなどを使って、絞り込み作業をします

なお、Google広告のキーワードプランナーは無料ですが、登録しないと使えません。最初に使える状態にしておきましょう。

実際にGoogle広告のキーワードプランナーで作業してみよう

Google広告にログインすると以下のページが表示されます。

Google広告キーワードプランナー トップ画面 画像10【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます
左端にある「ツール」のアイコンにカーソルを合わせるとメニューが出てくるので「キーワードプランナー」をクリックすると、以下の画面が開きます。
Google広告 キーワードプランナーをクリック 画像11【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます

「新しいキーワードを見つける」をクリックすると、入力画面が出てくるので、「保険 相談」と入力してみます。
このキーワードはトレンドや最新情報が必要とされる言葉ではなさそうなので、直近1年間のデータを出しました。例えば、「バナナジュース 専門店」「民法改正 契約書」のように、流行のグルメや法改正が絡む話題なら直近3か月のデータを使用する、というように期間変更が必要です。
キーワードプランナーでは、複数のキーワードを一気に調べられるので活用しましょう

除外する際は細心の注意を払って

コンテンツを掲載予定のサイトのURLを入力すると、キーワードプランナーが「関連性がない」と判断したキーワードを除外させることもできます。ただし、あくまでも機械が判断したものですから、「よく考えたら選ぶ価値があるかもしれない」というようなキーワードまで削除してしまう可能性もあります。いったん除外したキーワードは二度と検討にのぼることはありませんから、除外したものとしないもの、両方で出してみて、軽く見比べてからにするなど、除外機能は慎重に利用してください。

ここで抽出したデータを、一括でダウンロードしたら、関連ワードの抽出作業は完了です。

実際のキーワード選定では、上記の作業を大きなテーマのキーワードのそれぞれについて、繰り返すことになります。大変そうに感じるかもしれませんが、単純作業なので担当者で分担して行えますし、操作自体は、慣れれば難しくはありませんよ。

ステップ4 検索ボリュームを調査する

先ほどのキーワードプランナーを使って抽出した関連キーワードは、上記の通り、ダウンロードしたデータに「月間平均検索ボリューム」が書かれているので、それを確認すればOK。
ツールを使わずに考えたキーワードについては、同じくキーワードプランナーの「検索のボリュームと予測のデータを確認する」の方に入力すれば調べられます

関連ワードをツールで一気に出したものと、人力で追加したキーワードが別々のシートが複数に分かれている場合は、出揃った時点で、シートを統合しておきましょう。統合する際は、項目がずれないように注意してください。

この後、ExcelやGoogleスプレッドシート上でデータを統合して、見やすく調整していきます。

『検索のボリュームと予測のデータを確認する』ではキーワードごとに改行すれば、別のキーワードとして認識されます。ExcelやGoogleスプレッドシートの1列をそのまま貼り付けても大丈夫です。
キーワードプランナー『検索のボリュームと予測のデータを確認する』画像12【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます

ステップ5 競合性をチェックする

先ほどキーワードプランナーで出したデータには競合性も記載されています。

出力データ 競合性の表示位置 画像13【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます
赤で囲んだ「Competition」が競合性を示しています。低・中・高の順に、競合性が高くなっていきます。

競合性の高低は、このあとのキーワードの絞り込みの際の重要な指標になります。
「競合性が高いから狙わないほうがいい」「低いからねらい目」というように単純なものではありません。

企業にとってどうしても外したくないキーワードであれば、競合性が高くとも狙うべきですし、競合性が低くても、業務と関連性が薄いのなら狙っても成果につながらないかもしれませんよね。

そのあたりのバランスを考えながら、どのキーワードを選べばいいか、考えます。

ステップ6 キーワードの絞り込み

ここからはGoogleスプレッドシートやExcel上で、データを並べ替えたり、取捨選択をしたりとキーワードを絞り込む作業に入ります。

ここでは、無料で使えて、資料共有のしやすいGoogleスプレッドシートを使ってご説明します。

「Avg. monthly searches」の列が月間検索ボリュームです。
キーワードプランナーの画面上では、「100~1000」「1000~1万」「1万~10万」と表示されていますが、CSV形式で出力したデータ上では、「100~1000」は500、「1000~1万」は5000と表示されています。“~”が入っていると、数値として認識されないからかもしれませんね。

Googleで有料の広告運用をしていると、検索ボリュームはもっと詳細な数値で表示されます。数値が詳細に分かったほうがより参考になります。しかしながらキーワード選定においては、優先順位を決めたり、取捨選択をしたりするための大まかな指標として使えれば十分なので、無料の範囲で見られるデータでも問題なしです。

Googleスプレッドシート上でデータをチェックしよう

実際に「保険 相談」とキーワードプランナーに入力して出力したデータがこちらです。
「保険 相談」とキーワードプランナーに入力して出力したデータ 画像14【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます

保険の相談に関する内容もありますが、企業名や保険名の入ったキーワードがたくさん混ざっています。
競合他社の名前を入れたくない場合は、キーワードプランナーの「不必要なキーワードを除外する」機能を使って再出力します。
今回は削除候補をいくつか試してみて「ノンブランド」に該当するもの以外を削除しました。
キーワードプランナーの「不必要なキーワードを除外する」機能を使って再出力画像15【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます

すると、約500キーワードと、だいぶ絞られてきました。
この先はひとつひとつ、目視で絞っていきます。

関連のない言葉の入ったキーワードを削除

今回は、投資目的で加入する保険を販売して収益を上げることが目的なので、関係のない「社会保険」「火災保険」などを見つけて除外します。

ドキュメント内で検索 画像16【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます

Googleスプレッドシートの“ドキュメント内で検索”機能を使い、「保険」「火災」などが入ったキーワードを除外候補としてチェックします。チェックボックスを使うと便利です。
※ドキュメント内検索機能のショートカットキーは、Ctrl+Fキー(Windows、Chrome OS)または ⌘+Fキー(Mac)

検索機能を使って大まかに除外候補をチェックした後は、残りのワードを目視で確認します。
だいたいチェックし終わったら、チェックボックスの列を並べ替えて、削除候補としたものはわかりやすいようにセルの色や文字の色を変えておくとわかりやすいですよ。
並べ替えをする前に通し番号を付けておくのをお忘れなく。
また元データを直接並べ替えず、別タブにコピーしていまの時点の版を残してから、作業するようにしましょう。Googleスプレッドシートは編集履歴をみることができますが、スプレッドシート内でどこまでの作業をしたデータなのか分かりにくいので、別のタブに残しておいた方が安心です。
チェックボックスを使うとわかりやすい 画像17【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます
削除すべきか慎重に検討してほしいのは、売りたい商品の特徴とは違うようにみえるけれど、検索ボリュームが多いキーワード。今回のケースなら「保険 相談 オンライン」のように、対面販売のみの「わかば保険相談室」には一見、関係がないように思えるキーワードです。
除外しすぎないように注意 画像18【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます
ユーザーの検索意図は「オンラインで保険相談できるサービスを探している」のだとは思いますが、すべてのユーザーにとってオンラインの保険相談が必ずしもベストな選択肢とは限りません。
「わかば保険相談室」の強みが際立つように、対面で相談できるメリットやオンラインのデメリットを説明した記事を書けば、顧客となりそうな読者からのアクセスが見込め、収益につながる可能性があります。
検索意図を考えて絞り込んでいく 画像19【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます
次に、似ているキーワードをカテゴリごとに分類します。理由は下の一覧にあるような「保険 相談 オンライン」「保険 代理 店 オンライン 相談」のように似ているキーワードで何本も記事が書けるわけではないからです。
オンライン関連ワード 画像20【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます
赤枠で示したのは、「オンライン」「 保険」の言葉が入ったキーワード14個です。
この14キーワードで記事を書くことを想像してみてください。内容が似通ってしまいそうで、14本の記事を書くのは至難の業ですよね。
ですから、検索ボリュームが多いキーワードの中から適当だと思われるキーワードを残します。
ただし、残りの13個にも「見直し」「学資保険」のように有望そうなキーワードが紛れています。検索ボリュームが多いなら、似ている言葉でも複数のコンテンツが制作できる可能性もあります。検索意図もまた複数あるかもしれないからです。
また一本の記事にならずとも、関連するワードとして似ているキーワードを使った記事内でカバーでするのが望ましいので、どこかにメモしておくか、分かるように区別して残しておきましょう。

このように、あらゆる角度から検討してキーワードの絞り込みを行い、最終的に、コンテンツを制作するキーワードを残しましょう。

最終的に選んだのが以下の10キーワードです。
最終的に選んだ10個の関連ワード 画像21【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます
使わない数値の入った列を削除し、必要な情報を残します。用途によって備考欄や進捗状況、担当者などの列を追加すれば、そのままコンテンツマップとしても使えますよ。

まとめ:上位表示を達成するために最適なキーワードを選ぼう

未経験のSEO対策を任された初心者の皆さんは、初めてのキーワード選定に戸惑い、難易度が高く感じるかもしれません。それでも、お客様のニーズや検索意図を推測し、需要がありそうなキーワードで一覧を作成、その先のコンテンツ制作と続く一連の作業は、業務理解を深め経験を積む意味でも、大いに役立ちます。

キーワード選定に行き詰ったら、お客様と接する担当部署の方にヒアリングしたり、同業他社を視察したり、と何かしら行動を起こすと解決の糸口が見えてきます。

お客様が読んで満足してもらえる情報を発信し、記事本数を増やしていくと、商品やサービスの認知度は必ず上がります。
一度テキストコンテンツを作ってしまえば、ホワイトペーパー(ダウンロード資料)を作成、設置して、お客様のメールアドレスや電話番号を取得し、直接営業をかけるといった展開も考えられますよね。

キーワード選定は、ゴールではなく、SEO対策のためのスタートラインです。このあと顧客の獲得につなげるために、選定したキーワードをタイトルや内容に反映したテキストコンテンツを制作していきます。コラムやブログなどの書き方は、この先のブログで解説予定ですのでぜひご覧ください。

関連記事
【SEOキーワード選定のやり方】誰でもできる手順を6ステップで解説
【SEOキーワード選定のコツ】失敗しない方法を解説します
【SEOキーワード選定の考え方】コンテンツと向き合い続ける方法

SEO対策でキーワード選定について調べるうちに行き当たる、耳慣れない言葉の1つが「ロングテールキーワード」ではないでしょうか。ロングテールキーワードとは「複数のキーワードを掛け合わせた、より具体的な検索意図を持つキーワード」のこと。
例えば「メルマガ 開封率 平均」や「営業 クロージング メール 例文」などがロングテールキーワードです。

ロングテールキーワードは「コンバージョンにつながりやすいから狙うべきだ」と書かれているのもよく見かけますが、その理由に今ひとつピンと来ていない方も多いかもしれません。
特に初心者の方は「何種類の言葉が使われていたらロングテールキーワード?」「ロングテールキーワードは検索ボリュームが1,000未満、と書いているサイトもあれば、100未満と書いてあるサイトもあって、どれを信じたらいいの?」など、質問したくなったことはありませんか?

今回は、イメージしやすいよう、できる限り例を挙げながら解説していきます。
ロングテールキーワードの概要を説明し、選び方から気をつけたい落とし穴まで紹介しますから、これを読めばロングテールキーワードに関する知識が一通り身につき、コンテンツマップに取り入れるべきかの判断に役立ちますよ。

なお、キーワード選定を「もっと知りたい!」方は、以下もご覧ください。
2023-2024キーワード選定総合ガイド SEO対策の基本を徹底解説

ロングテールキーワードのイメージーロングテールキーワードとは?選び方を紹介します【SEO対策の効果を最大化】

ロングテールキーワードとは?3語以上は必ずロングテールキーワードなの?

ロングテールキーワードは一般的に「3語以上の語句や単語を組み合わせて構成される」と言われています。ただし、用語として明確な定義があるわけではなく、必ずしも3語以上とは限りません。時には、「アナリティクス 狙ったキーワードの検索順位」や「Google検索 月間検索ボリュームが少ないキーワード」のように、文章のような構成になることもあります。

webマーケティングの専門家の間では、「◯語以上だからロングテールキーワード」というよりも、

・検索キーワードがユーザーの特定の需要を具体的に示している
・競合性が比較的、低い

このような特徴のあるキーワードが、ロングテールキーワードと呼ばれる傾向にあります。

どういうことか、ちょっと混乱してきますよね。謎を解くには、ロングテールキーワードの概念を正しく理解する必要があります。

「ロングテールキーワード」は“考え方”の理解がポイント

ロングテールとは英語の”Long Tail”、直訳すると「長い尻尾」から来ています。

あるメインキーワードについての関連キーワードを、検索数の多い順番に左から並べてみると、以下のようなグラフができあがります。ロングテールキーワードのイメージーロングテールキーワードとは?選び方を紹介します【SEO対策の効果を最大化】

グラフの縦軸が、検索ボリュームで、横軸が検索キーワードの種類(数)です。

グラフの最も左に来るのは検索ボリュームが最大のキーワードですが、これを恐竜の「頭」に見立てると、右側にずらりと並ぶ、検索ボリュームの少ないものが「長いしっぽ」に見えますよね。このしっぽ部分が、ロングテールキーワード、というわけです。キーワードの数と検索ボリュームの関係ーロングテールキーワードとは?選び方を紹介します【SEO対策の効果を最大化】

検索される回数が少ないという特徴から、ロングテールキーワードは「スモールキーワード」「ニッチキーワード」と呼ばれることもあります。

反対に、「頭」の部分にくるキーワードは、いわゆる「ビッグキーワード」。検索ボリュームは多いものの、キーワードの種類・数自体は、多くはありません。

ここからは、具体例で見ていきましょう。

<想定事例>
A社:北欧モダンをテーマにした輸入雑貨専門店
状況:新たにオウンドメディアを立ち上げた
SEO対策で上位表示を狙いたいキーワードは「母の日 プレゼント」

北欧雑貨店のイメージーロングテールキーワードとは?選び方を紹介します【SEO対策の効果を最大化】

以下は、キーワードプランナーで「母の日 プレゼント」をメインのキーワードとして、関連ワードを調査し、月間検索ボリュームの多い順に並べた画面です。

キーワードプランナーの画面ーロングテールキーワードとは?選び方を紹介します【SEO対策の効果を最大化】

メインのキーワード「母 の 日 プレゼント」の月間検索ボリュームは10万〜100万で、ビッグワードですね。同様の10万〜100万の高い検索ボリュームが出ているキーワードは3つだけで、4つ目以降の関連キーワードは1万〜10万です。その後も、1,000〜1万、100〜1,000のもの、と順に続いていきます。

検索ボリュームの比較ーロングテールキーワードとは?選び方を紹介します【SEO対策の効果を最大化】

「母の日 プレゼント」の関連キーワードは全2,814個が抽出され、これらを検索ボリュームで分類すると、以下のようになりました。

・10万〜100万 4個
・1万〜10万 50個
・1,000〜1万 202個
・100〜1,000 556個
・10〜100 2,002個

左から検索ボリューム順に並べると、まさに先ほどのグラフの通りになりますね。

 

キーワードの数と検索ボリュームの関係を説明したグラフーロングテールキーワードとは?選び方を紹介します【SEO対策の効果を最大化】
「頭」の部分に比べ「しっぽ」は非常に長くなっていることがおわかりいただけると思います。

「母の日 プレゼント」の関連ワードの場合、月間検索ボリュームが10〜100のものが、ロングテールキーワードの候補になってきます。

月間検索ボリュームが100回未満ならロングテールキーワード?

具体的にどのくらいの月間検索数ならロングテールキーワードなのか、についても、明確な決まりはありません。
検索数が「多い」「少ない」はあくまでも、そのキーワードと関連ワードの検索数の相対評価で決まります。メインキーワードの検索ボリュームが1,000未満であれば当然、ロングテールキーワードの検索ボリュームは10〜100、もしくは0〜10になってきます。

ですから検索数それ自体で考えるというより、
・ユーザーの特定のニーズを表している
・グラフにした時に「長いしっぽ」の形になるくらい、キーワードの数が多い
・競争率が低い

これらに当てはまるかで、ロングテールキーワードかを判断する方が、より応用が効きますよ。

ロングテールキーワードの特徴・メリットは?

ロングテールキーワードのメリットは、

(1)ユーザーの検索意図を把握しやすい
(2)競合性が低い
(3)コンバージョン率が高い

ことだと言われていますが、本当でしょうか?

早速、「母の日 プレゼント」の関連キーワードを例に見ていきましょう。

「ロングテールキーワードは検索意図を推測しやすい」と言われる理由

「母の日 プレゼント」と検索する人の動機を考えてみると

・母の日のプレゼントにする品物を購入したい
・母の日のプレゼントにおすすめのアイデアを知りたい
・母の日のプレゼントはそもそも渡す必要があるか検討中

このように、多様な検索意図が予測できます。また、「母」と一口にいっても、年齢層もかなり広いですし、実母、義母、もしくは妻など、複数のケースが想定できます。

さらに言えば「母の日 プレゼント」というキーワードをwebで検索するのは、プレゼントを送ろうと考えている人だけではないかもしれません。
例えば、百貨店のバイヤーが、母の日の売れ筋プレゼントを知りたくて検索しているかもしれません。また、もらう側であるお母さんが「世の中のお母さんはどんな贈り物をもらってるのかしら?」と検索することだってあるかもしれませんよね。

要するに、ビッグワードのようにざっくりとしたキーワードだけだと、検索者がどんな立場の人か、すらも推測しきれないんです。ユーザーの数だけ検索意図がある、と言っても大げさではないかもしれません。

次に、ロングテールキーワードではどうでしょうか。以下は、検索ボリュームが10〜100、つまり、先ほどのグラフの右端に位置するキーワードです。

「母の日 プレゼント」ロングテールキーワードの例ーロングテールキーワードとは?選び方を紹介します【SEO対策の効果を最大化】

このうち、「母 の 日 プレゼント 花 以外 40代」は、競合性が低いうえ、「40代のお母さんに渡す母の日のプレゼントとして、花以外にはどんなものがあるのか」という、検索者のかなり具体的な意図が簡単に推測できますね。つまりこれは、ロングテールキーワードです。

検索意図が把握しやすいロングテールキーワードは、良質なコンテンツを作成しやすい

検索意図が推測しやすいということは、ユーザーが求める情報に的確に応える記事が作りやすいということ。そのため、Googleの考える「質の良いコンテンツ」を作成しやすくなり、その結果、ランキングでの上位表示を達成しやすくなるというわけです。

「母の日 プレゼント」というキーワードで検索するユーザーの多くを満足させるには、どんなコンテンツを用意すれば良いでしょうか? 多様な意図に応えるため、複数の角度から検討を重ねたうえ、あらゆる情報を網羅した数万字にものぼるコンテンツを設計する必要があるでしょう。

一方の「母 の 日 プレゼント 花 以外 40代」であれば、フラワーギフト以外で40代女性に好まれそうな贈り物をピックアップし、その中から母の日にふさわしいものを紹介する内容であれば、かなりの割合のユーザーにとって、有益なものになりそうです。
そしてそれが、検索結果での上位表示につながるのです。

「ロングテールキーワードは競合性が低い」のはなぜ?

競合性とは、そのキーワードを狙うライバルがどの程度、存在しているか、を示す指標です。ロングテールキーワードの競合性が基本的に低いのは、検索ボリュームが少なく、かつ、ロングテールキーワードの種類が多いからです。

狙うキーワードを選ぶ際に、月間検索ボリュームの多いものから書きたくなるのは当然です。あえて下位のものから書いていこう、とはならないですよね。検索ボリュームが少なければもちろん、上位表示を達成しても、そこから見込めるアクセス数の増加は、大きくはないからです。

さらに、ロングテールキーワードは、上で示した通りキーワードの種類が非常に多いので、自動的に、競合サイトも分散しやすくなります。したがって、ビッグワード・ミドルワードと比較すると、競争率が低いのです。

ビッグワードもロングテールにすれば狙える可能性が

想定事例で確認します。検索ボリュームが10万〜100万のビッグワードである「母の日 プレゼント」に対して、ロングテールキーワードの「母 の 日 意外 な プレゼント」の検索結果をみてみましょう。

「母の日 意外な プレゼント」検索結果ーロングテールキーワードとは?選び方を紹介します【SEO対策の効果を最大化】

「母 の 日 意外 な プレゼント」は月間検索ボリュームが10〜100で、Google広告のキーワードプランナーの調査では競合性が「低」ですから、ロングテールキーワードの条件を満たしています。

上位のページのタイトルを一つずつ確認してみると、検索窓に“意外”と入力したにもかかわらず、表示されたタイトルの中に「意外」というキーワードを使ったページは1つしかないことに気づきます。

1位:母の日の珍しいプレゼント22選!びっくり変わり種ギフトおすすめ 2位:【脱マンネリ化】今年は母の日に珍しいプレゼントを贈ろう 3位:母の日に喜ばれる!実用的なプレゼント特集|日常で使える便利グッズ60選〈2023〉 4位:【脱マンネリ】母の日に珍しいプレゼントを贈るなら「名入れギフト」で決まり! 5位:【2023年】母の日おすすめプレゼント特集!決め手は「想像を超える」アイテムと人気ギフトランキング 6位:【2023年版】母の日の実用的なプレゼント特集!お母さんが喜ぶギフトをジャンル別にご紹介 7位:【2023年】母の日向けの珍しいプレゼントのおすすめ人気ランキング32選 8位:お母さんが本当に欲しいモノはコレ!母の日に喜ばれる意外なアイテムとは? 9位:【母の日】花以外のプレゼント最新版100選!まだ間に合います!

入力したキーワードが記事のタイトルに入っていなくとも、コンテンツ内で使われていて、Googleが「関連あり」と判断すれば、そのページが検索結果に表示されることもあります。ただ、「意外」というキーワードをタイトルにもきっちりと入れたほうが、「意外」というキーワードでの上位表示に有利であることは間違いありません。
つまり、キーワードプランナーでの競合性が「低」と出る通り、このキーワードは競合他社もそれほど力を入れて対策していないと見て取れます。

さらに、コンテンツの内容面で見てみると、上位ページは「意外性のある贈り物」をテーマにしたものが多いものの、特定の商品アイテムを紹介をするものがほとんどを占めます。
もしかしたら、「意外なプレゼント」を探しているユーザーには、少し異なる視点をプラスしたコンテンツが喜ばれる可能性もありますよね。

例えば、
・モノではなく体験型のギフトを贈るという選択肢を紹介し、実際にプレゼントできる体験型ギフトを解説する
・プレゼントを渡す際の「サプライズの演出方法」の提案や、サプライズ演出に使えるグッズの紹介をする

などのアイデアもあるでしょう。

上記のような視点を盛り込むことで、他社のコンテンツとの差別化になります。あわせて、「意外」というキーワードをページのタイトル・ディスクリプションにも設定するなど、しっかりとSEO対策を行います。そうすれば、「母 の 日 意外 な プレゼント」で成果が出せる可能性は十分あります。

このように、単体では上位表示が難しいビッグキーワードも、ロングテールキーワードに落とし込むことで、狙いやすくなるのです。

ロングテールキーワードがコンバージョンにつながりやすい理由

ロングテールキーワードのもう1つの魅力は、コンバージョン率の高さです。

コンバージョンとは、webサイトを訪れたユーザーが、制作者側の期待する目的を達成すること。企業が時間と費用をかけてSEO対策をする目的は、アクセスをただ増やすのではなく、その先にある売り上げアップです。コンバージョン率は、それを計る指標です。

ユーザーのどんな行動をコンバージョンとしてカウントするかは、サイトやページによって異なります。

一般的には
・「お問い合わせ」ボタンをクリックする
・資料ダウンロードのフォームに入力する
・セミナーの予約をする
・商品を購入する

これらを、「コンバージョン」とすることが多いと思います。

コンバージョンに導くための施策を「CTA」と呼び、お問い合わせボタン、予約申し込みボタンなどがそれに当たります。

例えばパスカルでは、お客様事例の紹介ページのCTAとして、無料体験版の申し込みボタンを設置しています。CTAの例ーロングテールキーワードとは?選び方を紹介します【SEO対策の効果を最大化】

ロングーテールキーワードがコンバージョンにつながりやすいのは、適切なCTAが設置しやすいから。

例えば「母 の 日 プレゼント 化粧品」で検索するユーザーは、「化粧品を贈りたいことは決まっているが、どんな商品が良いか検討している」段階であると考えられます。そのため、CTAとして
・プレゼントでもらって嬉しい化粧品アイテムを解説する資料や
・人気の化粧品ブランドをまとめたカタログのダウンロードボタン

これらを設置すると、コンバージョンにつながりやすいことが想定できます。

また、「母 の 日 プレゼント 石鹸」というキーワードで検索するユーザーは、プレゼントしたいものが石鹸と決まっていて、石鹸をピンポイントで探している可能性が極めて高いと考えられます。CTAは、石鹸の購入ページへのリンクや、主力商品の石鹸の試供品セットの請求ボタンが適切でしょう。

良質なコンテンツが与える納得感と信頼感がユーザーの背中を押し、コンバージョンへのきっかけに

ロングテールキーワードのコンバージョン率が高いもう一つの理由は、ユーザーのニーズを満たす、質の良いコンテンツを作りやすいからです。

検索の末、調べても一人では理解できなかった内容をわかりやすく解説してくれているページに出会ってスッキリした、納得した経験はありませんか?

コンテンツを読んだ結果、悩みが解決したという体験は、ユーザーに好印象を与え、「このサイトで購入しよう」「このコラムを書いているブランドの人に相談してみたい」といった具合に、コンバージョンへとつながるのです。

ロングテールキーワードを狙って作るコンテンツはサイトの専門性アップにもつながる

ロングテールキーワードを意識して作るコンテンツは、競合が少ないため、世にあふれる大量の類似したコンテンツとは一味違う、オリジナリティのあるものに仕上がります。「ニッチ」「マニアック」とは、つまり「プロフェッショナル」でもあります。これが、ユーザーの信頼感アップにつながることもあるんです。サイトの専門性アップのイメージーロングテールキーワードとは?選び方を紹介します【SEO対策の効果を最大化】

例えばA社のオウンドメディアを訪れたユーザーが「母 誕生 日 プレゼント 70 代 スイーツ」「母 の 日 もらって 嬉しい もの 50 代」「母 の 日 ギフト おしゃれ 食べ物」などのキーワードで、選び方について丁寧に書かれたコラムがずらりと並んでいるのを見たら、どう感じるでしょうか。

「細かいニーズにまで丁寧に答える記事がこんなにたくさんあるんだから、日ごろからお客様に寄り添う接客や販売を心掛けているんだろうな」と思ってもらえて信頼感がアップし、「このサイトで購入すれば安心だろう」という印象を持ってくれる可能性が大いにあります。

ロングテールキーワードの検索を意識したコンテンツを増やすことで自然と、サイトのオリジナリティも高まり、競合との差別化もはかれるのです。

中小企業や個人ブロガーこそロングテールキーワードを狙うべき

想定事例のA社のように「webサイトを立ち上げて日が浅い」「webサイトの開設自体は数年前だがほとんど更新してこなかった」「企業規模が小さい」「個人で運営しているブログ」などのケースでは、ロングテールキーワードを用いたSEO対策は必須と言っても過言ではありません。

SEO対策を始める時、ドメインパワーの存在は無視できません。
ドメインパワーとは、ウェブサイト全体が検索エンジンからどのくらい信頼され評価されているかという指標のこと。さまざまな要素で決まるのですが一般的に、大手企業のwebサイトや歴史の長いwebサイトほどドメインパワーが強い傾向にあります。

参考記事:【SEOキーワード選定のコツ】失敗しない方法を解説します

ドメインパワーの高いサイトは上位表示されやすいため、中小企業や個人ブロガーが大手企業と同じキーワードを狙っても勝ち目はありません。そこで、ロングテールキーワードの登場です。
ロングテールキーワードはドメインパワーの強いサイトからしてみれば、あえて優先的に狙う必要性が薄いものです。棲み分けができるから、上位表示のチャンスがあるんです。

ロングテールキーワードのデメリット 狙うときのコツ・注意したい落とし穴

魅力の多いロングテールキーワードですが、対策していくうえで、知っておかなければならないデメリット・注意点もあります。

デメリット(1)検索ボリュームが少なくとも競合性が高いキーワードもある

検索ボリュームが少なく、グラフとして表示したときにはロングテールキーワードの位置にくるキーワードでも、必ずしも、競合性が低いとは言えない場合もあります。

メインのキーワード自体が激しい競争状態にある場合は、検索ボリュームをかなり落としても依然として競合性が「高」と表示されるものもあるんです。
今は、コンテンツマーケティングやオウンドメディアの運営に力をいれる企業も増えています。ビッグワードやミドルワードでも成果を出せる、ドメインパワーのある程度高い企業までもが、ロングテールキーワードを選んでSEO対策に乗り出しつつあるんです。また、地域名をかけあわせた検索キーワードなども、その傾向があります。

例えば「お母さん プレゼント おすすめ」「お母さん プレゼント 安い」「お母さん 誕生日 プレゼント 料理」は、検索ボリュームが10〜100と比較的低いのに、いずれも競合性が高いと表示されています。「母の日 プレゼント」キーワードプランナーの画面ーロングテールキーワードとは?選び方を紹介します【SEO対策の効果を最大化】
ロングテールキーワードを選ぶ価値を最大化するためにも、「競合性」の部分は必ずチェックしましょう。

具体的だけど必ずしも検索意図が「分かりやすい」とは限らない

気をつけたいのは、ロングテールキーワードだからといって、検索意図を深掘りする必要がないわけではないことです。

例えば、「母 の 日 プレゼント 手作り 孫」というキーワードで検索するユーザーは、どんなことを調べたいのでしょうか?

・母の日のプレゼントとして、孫の手作りした品物をあげるのは喜ばれるのか
・あげるなら、どんなものを手作りするのが良いか

などが思い浮かんだ方もいるかもしれませんね。
では実際に、「母 の 日 プレゼント 手作り 孫」で検索し、トップに表示されているページから一つ一つ確認してみます。「母の日 プレゼント 手作り 孫」の検索結果ーロングテールキーワードとは?選び方を紹介します【SEO対策の効果を最大化】

ざっと見てみると、「孫が作ったグッズをプレゼントする」以外に、「孫の写真を使って親が作ったオリジナルグッズをプレゼントする」という目的の検索に応えるページも含まれていることが分かりました。

1位:「子どもと一緒に簡単に作れる!おばあちゃんに贈る手作り母の日ギフト5選」 2位:「母の日のプレゼントは孫の写真や絵を使ったオリジナルグッズがおすすめ!? 【50代・60代・70代の母へのプレゼント】」 3位:もう悩まない! 孫のいる祖父母へ、簡単手作りプレゼントのアイデア6つ 4位:おばあちゃんへの母の日ギフトは孫のグッズで決まり! 5位:人気の敬老の日プレゼント26選|孫の手作りのおすすめと、市販ギフトを厳選! 6位:母の日に贈る。孫の写真入りプレゼント特集 7位:孫の写真で作る母の日のプレゼントアイデア!手作りプレゼントの作り方も紹介! 8位:母の日の手作りアイデア集!子供から大人まで簡単に作れるものをご紹介! 9位:母の日に贈る。孫の写真入りプレゼント特集 一部を表示「母 の 日 プレゼント 手作り 孫」でコンテンツを作るなら、この両方の検索意図があることを認識する必要があります。

ロングテールキーワードは具体的ですが、ロングテールキーワードを選べばそれだけで、検索意図に沿ったコンテンツが簡単に書けるとは限りません。ユーザーが何を求めているか、ユーザーの目線で推測し、入念にリサーチする必要があるのは、通常のキーワード選定と同じです。
Google検索のアルゴリズムは、ユーザーの検索意図に合致したサイトをランキングの上位に表示させようとしていますから、まずは上位ページの内容を調査し、検索意図の把握に努めましょう。

デメリット(2)検索ボリュームが少ない割に工数がかさむ

ロングテールキーワードは高いコンバージョン率が期待できるとはいえ、検索ボリュームの絶対数が少ないことを考えると、上位表示できても集客効果は限定的です。一方で、企業のSEO対策では、ある程度の流入数を獲得することが大きな目的の一つです。そのため、ロングテールキーワードにどこまでのリソースを割いて良いかは考えなければなりません。

一般に、ロングテールキーワードは数・種類が多いので、それぞれのキーワードを拾い上げて検討するのにかなりの時間と労力がかかります。キーワード選定は時間のかかる作業だと【やり方】記事でもお伝えしましたが、ロングテールキーワードの選定では特にその傾向が強くなります。

また、具体的すぎるロングテールキーワードを選べば、コンテンツの内容にもかなりの「縛り」が生まれます。結果、コンテンツ制作の難易度が上がり、執筆段階でさらなる工数アップを招いてしまうこともあるんです。

例えば、「母 誕生 日 プレゼント 40 代 中学生 手作り」というキーワードでコンテンツを作るなら「中学生の子が40代のお母さんへのプレゼントにできる手作りグッズ」をテーマに執筆する必要があるでしょう。輸入雑貨の販売が専門のA社が、自社のビジネスと関係のある文脈で、このキーワードでコンテンツを制作することは可能でしょうか? 無理やり関連づけて記事を書こうとすると、アイデア出しの段階からかなり時間がかかるうえ、必ずしもうまい具合にコンテンツが作り上げられるとも限りません。

ロングテールキーワードで流入数を増やすには、かなりの本数のコンテンツを用意する必要がありますが、そのぶん工数はどんどん膨らんでいきます。ロングテールキーワードと、ミドルキーワード、そして時にはビックキーワードもバランスよく取り入れたコンテンツマップを作るといった戦略が必要です。

ユーザーの検索意図を満たすーロングテールキーワードとは?選び方を紹介します【SEO対策の効果を最大化】

ロングテールキーワードの調べ方・方法 ツールは使える?

SEO対策効果が見込め、集客につながりそうなロングテールキーワードはどうやって見つければいいのでしょうか。
大きな手順は、【SEOキーワード選定のやり方】誰でもできる手順を6ステップで解説 でご説明した6ステップと同様です。まずはメインのキーワードの洗い出しを行い、続けて関連ワードを出していきます。

抽出した関連キーワードは、検索ボリュームと競合性を記入します。なおキーワードプランナーやパスカルなどのツールを使って抽出した場合は、すでに検索ボリュームと競合性が記載されてるので便利です。

その後は、絞り込みの作業へと進みます。通常の関連ワードを絞り込む際と同じく、まずは検索意図が重複していそうなものをカテゴリーやジャンルごとにまとめて分類し、自社のビジネスとの関連性、競合性の高い・低い、コンテンツを作成できそうか、などの観点から取捨選択をしていきます。

ロングテールキーワードの選定に特化したツールはあるの?

関連ワードの抽出ではツールを活用し、できるだけ幅広く、漏らさずに拾い上げることが重要です。ロングテールキーワードを探す際の関連キーワードの洗い出しにも、通常のキーワード選定に利用できるツールを使うのが基本です。

参考記事:【2023-2024最新】SEO対策・キーワード選定のおすすめツール10選 無料で使える・役立つツールを紹介します!

GoogleサジェストやGoogleトレンド、Google広告のキーワードプランナー、ラッコキーワードなどは無料でもある程度の機能が充実しており、使用している人も多いと思いますが、ロングテールキーワード選びにも活用できます。

なお2023年現在、一般的に使われているツールで、ロングテールキーワード選びに特化した機能を備えたものは確認できませんでした。
ただし、ツールによっては
・関連キーワードを色々な方法でフィルタリングできるので、特定のニッチなニーズに合致したロングテールキーワードを見つける際に便利
・より多くのサジェストキーワードをリストアップしてくれるので、ロングテールキーワードを発見しやすい

などの特徴があるものもあります。有料・無料どのツールを選ぶにしても、まずはしっかりと機能を理解し、使いこなせるようになることが、ロングテールキーワードの選定をスムーズにする近道です。

Googleサーチコンソールの「クエリ」はぜひ活用を

関連キーワードを機械的に大量にリストアップできるわけではありませんが、ぜひチェックしたいのがGoogleサーチコンソールです。サーチコンソールは主に、すでに公開したコンテンツを分析し、改善・リライトする際の参考にする際に活用されるツールですが、ロングテールキーワードを見つけるうえでも大きなヒントになるんです。

サーチコンソール「クエリ」ーロングテールキーワードとは?選び方を紹介します【SEO対策の効果を最大化】

「クエリ」では、どんなキーワードで自社のウェブサイトに流入しているのか、自社サイトがどんなキーワードで検索結果のランキングで何位に表示されているのかが分かります。

「意図していたのと違うキーワードでばかり表示されている」というお悩みを抱えている人こそチャンス。それが、ロングテールキーワードの候補なんです。

あなたのwebサイト・そのページにとってのヒントが満載

クエリに表示されているキーワードは、ユーザーが検索した際に自社のWebサイトが検索結果に表示されたということです。何回表示されたかは、表示回数の項目に書かれています。
クエリとして表示されているキーワードと、あなたの会社のページの情報に関連性が強いと検索エンジンに判断されているのだとわかります。
つまり、あなたのサイトで「クエリ」で表示されているキーワードのSEO対策を強化すれば、結果がついてきやすいということ。これを逃す手はありません。

意外なロングテールキーワードが見つかる可能性も

また、「クエリ」からは、関連キーワードを洗い出すためのツールでは出てこなかった意外なキーワードを見つけられることがあります。
ツールは、自分が指定したワードに基づく関連ワードを出してくれるので、当然ながら、指定しなかったワードについてはカバーできません。

例えば「母の日 プレゼント」をメインにツールで抽出した関連ワードには、当たり前ですが「父の日 プレゼント」の関連ワードは入っていません。ですが、A社の商品が男性と女性の両方をターゲットにしているなら、母の日に限らず父の日も対策したいですよね。
そこで、「父の日を意識した、母の日のプレゼント選び」といったコンテンツはどうでしょうか。母の日に座り心地のいい、一点ものの椅子をプレゼントし、父の日には同じ作家のデザイン違いの椅子をプレゼントする、なんて提案もできるかもしれません。
サーチコンソールの「クエリ」を活用することで、思いもかけなかったキーワードが見えてくることもあるのです。

サーチコンソールでデータを集めるには、webサイトを開設した後に登録と設定が必要です。すでに公開しているコンテンツがあるのなら、早急にサーチコンソールでデータを計測しはじめ、「クエリ」を確認できるようにしておきましょう。

検索ボリュームの「少ない順」に並べ替えるとロングテールキーワードを見つけやすい

ロングテールキーワードをピックアップするには、ExcelやGoogleスプレッドシートのフィルタ機能を使い、検索ボリュームを少ない順に並べ替え、上からチェックしていくと便利です。ただし、少ないとは言っても、検索ボリュームが0では対策する意味も薄くなります。検索ボリュームがどの程度のものまでをロングテールキーワードとして拾い上げるかは、関連ワードの数や競合性を見ながら、決めていきます。

競合性がそれほど高くなく、関連ワードの種類がたくさん出るのであれば、目安としてまずは検索ボリュームが10〜100を最低ラインにして、それより少ないものは足切りにしましょう。
もし、関連ワードがほとんど出ない、または、検索ボリュームが10〜100のものは競合性が高いものばかり、というのであれば、メインのキーワードが不適切な可能性もあります。最初に戻って、再検討することも視野に入れてください。

ここでミスをすると最初からやり直し⁉︎データの処理は丁寧に

数・種類が多いのがロングテールキーワードの特徴ですから、キーワード選定のために扱うデータの量は膨大になってきます。一つずつのキーワードがロングテールに該当するか、適切なコンテンツが作れそうか、などを確認していく作業には、かなりの時間がかかります。

実際、「母の日 プレゼント」では月間検索ボリュームが10〜100のものは2,002個もありました。こうなってくるともう、体力勝負。何時間もデスクにかじりついて同じようなキーワードが並んだ表を眺め続けていると、目がチカチカしてきて、うっかりミスも起こりやすくなります。
「ロングテールキーワード以外を除外しているつもりが、途中からロングテールキーワードを削除してしまっていた」「通し番号を振らずにキーワードの並べ替えをしてしまい、最初の状態に戻れない」などのトラブルも起こりえます。

時間をかけて整備したロングテールキーワードのリストがうっかりミスのおかげで作り直し、なんてことになったら心も折れてしまいますから、焦らず、着実に作業を進めましょう。
作業の途中では都度、バックアップを作成し、社内の共有クラウドシステムなどに保存しておくと安心です。複数人で作業を分担したり、こまめにチェックしてもらったりすることもおすすめします。

ロングテールキーワードを上手に取り入れて効果的な集客・SEO対策を

具体的な言葉を複数つらねて検索されるロングテールキーワードは、ユーザーの具体的なニーズが現れていますから、広告やコンテンツ作りといったwebの側面だけでなく、日々の営業活動でも重要性の高いものです。

ロングテールキーワードを眺めていると「お客様は、そんなことが気になっているんだ」「これが疑問に感じるポイントだな」ということがわかり、コンテンツ作成はもちろん、商品やサービスの開発・改善にも有効です。手間ばかりかかる単純作業と思わず、集客の有効な施策として、気づいたことは社内でも共有し、売り上げアップに活かしていって欲しいところです。

ロングテールキーワードのSEO対策でも、キーワードを的確に反映させ、ユーザーにとって価値ある質の良いコンテンツを制作するのが上位表示のための基本であることに変わりはありません。自社に最適なロングテールキーワードをコンテンツマップに取り入れて、集客効果を最大化しましょう。

関連記事
【SEOキーワード選定のやり方】誰でもできる手順を6ステップで解説
【SEOキーワード選定のコツ】失敗しない方法を解説します
【SEOキーワード選定の考え方】コンテンツと向き合い続ける方法

キーワード選定の具体的な方法を全6ステップに分けて【SEOキーワード選定のやり方】でご説明しました。手順通りにキーワード選定をすれば、有望なキーワードの一覧ができあがるはずですが、コンテンツマーケティングの成功を意識するなら、さらに深掘りしたいところです。
今回は、コンテンツマーケティングにおけるキーワード選定のノウハウについて、業界・業種ごとに事例も交えつつ具体的に見ていきます。

なお、キーワード選定を「もっと知りたい!」方は、以下もご覧ください。
2023-2024キーワード選定総合ガイド SEO対策の基本を徹底解説
事例を交えて解説ー業界別SEO対策を解説:コンテンツマーケティング・キーワード選定の方法

コンテンツマーケティングって何?その役割は?

コンテンツマーケティングは、ユーザーが求める情報をテキストや漫画、動画などのコンテンツとして発信し、ターゲットとの関係作りや信頼獲得を目指す集客の手法です。

コンテンツマーケティングで期待される成果には、
・ブランドの認知度が向上する
・売上が増える
・顧客からの信頼感の構築につながる
・愛着を感じて何度もリピートしてくれる顧客「ロイヤルカスタマー」を獲得できる

などがあります。

コンテンツマーケティングには複数種類ある オウンドメディアとの違いは?

コンテンツマーケティングでは、いろいろな形式・種類のコンテンツが利用されます。

例:
・化粧品メーカーがYoutubeチャンネルを開設し、美容に関する情報を提供する動画を配信
・ビールの製造メーカーが、製造プロセスの見学や出来立てのビールが試飲できるミュージアムを開設
・税理士事務所が最新の税制や節税方法、相続税対策を見据えた金融資産の形成についてセミナーを実施

これらはすべて、広い意味でのコンテンツマーケティングです。
ちなみに、似たような概念の言葉に「オウンドメディア」があります。これは、企業がコンテンツ配信のために設計・運用する専門のメディアですから、コンテンツマーケティングの一部という位置付けになります。

コンテンツマーケティングといえば、webでコラムやブログ記事を配信する取り組み、というイメージをお持ちの人も多いと思います。
コラムやブログといったテキストコンテンツの制作は通常、動画制作やイベント開催よりもハードルが低く、コストも抑えられるので、比較的簡単に手を出せる人気のコンテンツマーケティングの方法です。
この記事での「コンテンツマーケティング」も、webサイトでコラムやブログ記事を配信するwebマーケティングを想定してお話しします。

コンテンツマーケティングのメリット・デメリット

メリットは、中・長期的な資産となることです。コンテンツは作り上げる時点ではコストと労力がかかりますが、一度作り上げたものは、その後もほぼ費用をかけずに使い続けられます。
既存のwebサイトに記事を投稿していくのであれば、初期費用以外のコストはほぼかかりません。リスティング広告といった運用型の有料広告が、費用をかけなくなった瞬間から集客できなくなるのとは対照的に、コンテンツマーケティングは、検索画面の上位に表示され続ける限り、流入が期待できるのです。

積み上がっていくコンテンツはまさに財産です。良質なコンテンツが蓄積すればそこからのアクセス数も膨らみ、リスティング広告は不要になります。広告費の大幅な削減につながるのです。

一方のデメリットは、即効性がないこと。コンテンツマーケティングを開始してすぐには、検索順位が上がりません。記事を公開しても誰にも読まれない、読者からの反応がほとんどない、といった低空飛行の状態が時には数ヶ月続きます。コンテンツマーケティングと有料広告の違いー業界別SEO対策を解説:コンテンツマーケティング・キーワード選定の方法12

記事への流入が増えてきた後も、直接的に商品・サービスをアピールするわけではないコンテンツマーケティングは、すぐにはコンバージョンに繋がらないのが一般的です。最初から集客の柱として機能させることは難しいので、コンテンツがある程度蓄積し、成果が出はじめるまでは、コンテンツマーケティングと有料広告を並行するなどの対応も必要になります。

なぜコンテンツマーケティングに力を入れるべきなの?

近年、コンテンツマーケティングに注力する企業が増えています。
インターネットが普及し、知りたいことはすかさずスマホを取り出し検索窓に入力するのが当たり前の現代、ユーザーは、あふれる情報の中から興味のあるもの・役に立つものだけを取捨選択して目を通しています。
つまり、企業が伝えたい内容だけを詰め込んで、“うちの商品を買ってくださいよ”と訴える広告は、購入を強く検討しているユーザー以外には、届きにくくなってきているのです。

興味のない人に商品・サービスの魅力を一方的に語り続けても、買ってくれることがないのはもちろん、そもそも耳を傾けてもらうことすら難しいでしょう。それよりは、ユーザーの知りたいことをコラムに仕立て提供してあげる方が効率が良いですよね。検索という手段があるのですから、役に立つこと・知りたい内容があるのなら、ユーザーの方からやってきてくれます。

さらに、X(旧Twitter)やInstagramなどSNSが普及・浸透したこともコンテンツマーケティングにとって追い風です。飛び抜けて質の良いコンテンツや魅力的なコンテンツは瞬時に拡散されたり、口コミを獲得したりして、爆発的な流入を呼ぶことがあるからです。

コンテンツマーケティングは、情報があふれる現代社会では、とても有効なマーケティング手法ですから、ぜひ取り組みたいものです。

BtoCとBtoBでコンテンツマーケティングにおけるキーワード選定はどう違う?

コンテンツマーケティングの成功に欠かせない要素の一つが、適切なキーワード選定です。
狙うキーワードを誤れば

・SEO対策の成果が出ず、検索結果の上位に表示されないので、コンテンツがターゲットに届かない
・コンテンツの中身がターゲットのニーズに合致していないので、記事を読んだターゲットの心に響かない
・ターゲットからずれたユーザーを集客してしまい、購入・契約につながらない

などの事態につながります。

キーワード選定の具体的な方法は【SEOキーワード選定のやり方】で説明した通りですが、企業ごとにビジネスモデルや特徴はさまざまですから、キーワード選定で気をつけるべきポイントや戦略も違って当たり前。ここからは、業種・業界ごとにSEO対策・コンテンツマーケティングの状況・概要と、キーワード選定のポイントをご紹介します。

BtoBとBtoC、業種・業界ごとのキーワード選定のポイント

まずはざっくりと、BtoBかBtoCか、という属性で見てみましょう。

BtoC企業では幅広いキーワードと、こまめな見直しが大切

BtoC企業のキーワード選定で難しいのは、ターゲットの定義がしづらいことです。

例えば、「片手鍋」や「タオル」「食パン」のように、老若男女問わず幅広い層が購入する商品は、その分、ターゲットのニーズも多岐に渡ります。そのため、ターゲットに届くコンテンツを作成する難易度が高いという特徴があります。BtoC業界の特徴ー業界別SEO対策を解説:コンテンツマーケティング・キーワード選定の方法

方針としては、ペルソナをいくつか設定、整理してそれぞれのニーズを探り、コンテンツを作っていくことになります。したがって、キーワードは多様なラインナップが必要です。
関連ワードを抽出する際は、無料で使えるGoogle検索のサジェスト機能や、google広告のキーワードプランナーの利用がおすすめです。広めに挙げるのはもちろん、メインのキーワードの数も多めに洗い出しておかねばなりません。

さらに、一般消費者の行動はトレンドの影響を受けやすいものですから、設定したキーワードはこまめな見直しが必要です。世の流行を追いかけながら、キーワードごとの流入の推移をチェックし続けましょう。

BtoC企業ならカスタマージャーニーマップに応じたキーワードを用意して

続いてBtoC企業の場合は、購入・利用までのプロセス、いわゆる「カスタマージャーニーマップ」を丁寧に描くことがポイントになります。

企業体では、担当者が商品・サービスを気に入ったからといって、即、購入・契約を決定するわけにはいきません。社内での合意と決済者の確認が必須ですから、担当者はまず、幅広く情報収集をして候補となる商品・サービスをリストアップし、次はそれぞれを比較・検討することになります。

そういった購入までのプロセスのそれぞれで、異なるニーズがありますから、キーワード選定ではそれらにこたえ、購入への意思決定を支援することが必要です。

例えば、業務改善ツールを販売するA社のキーワード選定で、フェーズごとのターゲットのニーズと、対応するキーワードを考えてみましょう。購入決定までのフェーズー業界別SEO対策を解説:コンテンツマーケティング・キーワード選定の方法
A社のターゲットとなる企業の担当者が検索しそうなキーワードは、(1)〜(3)の段階ごとで以下のように想定できます。

(1)社内の業務が効率的に進まない、という課題に悩んでいる時期:「社内 タスク管理 方法」「プロジェクト 進捗確認 共有」などのお悩み系のキーワード。

(2)解決手段として業務改善ツールの存在を認知し、導入するか検討している段階:「業務改善ツール 導入すべき」「業務改善ツール メリット・デメリット」などのキーワード。

(3)ツールの導入を決定した段階:「業務改善ツール おすすめ」「業務改善ツール 有料 無料」など、比較検討するためキーワード。

BtoB企業のキーワード選定作業では、ツールで抽出できた関連ワードを、プロセスごとの需要に沿ってジャンル分けしておくとコンテンツ制作が楽になりますよ。

業種ごとに、キーワードの選び方の傾向・ポイントがある

業界・業種という、より絞った軸で見ていくと、さらなるヒントがあります。

例えば、専門性が特に高い業種や、市場規模が非常に狭い業種の場合、そもそものターゲットの数がかなり絞られます。ごく狭い範囲に向けた発信となる場合は、キーワード選定の時点からその点を考慮しておくべきですし、もしかしたら、オンラインのコンテンツマーケティングよりもオフラインで行うその他のアプローチの方が効果的かもしれません。

また、詳しくは後半で解説しますが、金融商品を扱う業種や、医療・薬品の業界などでは、広告に関する規制やガイドラインが設けられており、単純に「ユーザーが求める情報を発信すればいい」わけでもありません。

このように、業界・業種ごとに異なる部分について、基礎知識を持っておくと、キーワード選定に大いに役立ちます。早速詳しく見ていきましょう。

【小売業のコンテンツマーケティング】キーワード選定のポイント

スーパーやコンビニ、雑貨屋などの個人商店、ホームセンター、百貨店から、各種専門店まで幅の広い小売業ですが、コンテンツマーケティングで共通して意識したいのは、ターゲット層が広いこと、そして、商品の入れ替わりが激しいことです。

ターゲットが幅広いことについては、BtoC企業では幅広いキーワードと、こまめな見直しが大切 でご説明した通り、ペルソナ像をできるだけたくさん設定して考えると良いでしょう。それぞれについてターゲット目線で疑問・興味のあること・お困りごとをピックアップしていくと、キーワード選びのヒントになります。
ターゲットが複数になると記事を書くのも大変になります。キーワードをペルソナ軸で分類し、ペルソナごとにキーワードを選定しておくと便利ですよ。

そして、新商品が展開されるごとに、キーワードを新たに選定する作業が必要です。効果を最大化するには、新商品の発売のタイミングで、すでに記事がある状態が理想です。公開後、記事が検索結果での順位を確立するまでにかかる時間まで考え、早めの始動がポイントですね。

また、検索クエリとなるのは、ユーザーが実際に使用する言葉ですから、口コミサイトやアンケートに記入された語句・フレーズはぜひチェックして、関連ワードに取り入れるべきか検討してみてください。発売前の商品は口コミやレビューもない状態ですが、似ている先発商品のレビューを確認するとヒントになります。

地名キーワードの対策は、過剰にならないよう注意

小売業は実店舗への訪問が前提となることが多いので、商圏となる地域名・駅名なども対策したい重要キーワードですよね。「業種名+地域名」で適切な記事が作れれば良いのですが、そうは行かないケースも多いと思います。また、「業種名+地域名」で記事を書けたとしてもせいぜい1〜2本で、まったく結果が見えてこない、という声も。地名キーワードのSEO対策ー業界別SEO対策を解説:コンテンツマーケティング・キーワード選定の方法

そこで、上位表示を狙って地域名や駅名を文中に必要以上に登場させたり、ビジネスにまったく関連のないテーマを扱った地域紹介のコラム記事ばかり大量に書いたりするのは、記事の作り方としてNGです。
もし、キーワードの使い方が不適切だと見なされれば、検索エンジンからの評価をかえって下げてしまいます。
SEO的に逆効果であるだけではなく、ユーザーにも不信感を抱かせますから、コンテンツマーケティングの目的から考えてもマイナスです。地名を対策キーワードに選ぶ際には、気をつけてください。

地名や駅名をキーワードにしてSEO対策を進めるのなら、コンテンツマーケティングではなく、MEO対策やGoogleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)の機能などを活用する方が適しているケースもあります。コンテンツマーケティングは、あくまでも、ユーザーの求める情報を提供するのが大前提ということを忘れないでください。

【食品・飲料業界のコンテンツマーケティング】キーワード選定のポイント

【小売業のコンテンツマーケティング】と同じく、季節によって商品のラインナップが変わりますし、「鍋」「そうめん」のようにシーズンごとに好まれるキーワード、そして「土用の丑の日」「恵方巻き」のように年に一度だけ、といったキーワードもあります。タイムリーなコンテンツ提供とキーワードのこまめな見直しが大切です。

また、こだわりのある商品・数量限定商品・お取り寄せでしか食べられない商品など、高付加価値な商品へのニーズが高まっています。これらは一般に、相場よりも高価格帯ですから購入する層も限られてきます。ターゲット層を分析し、好まれる商品の特徴を具体的なキーワードに落とし込みましょう。

健康志向と食の安全性は、業界全体の大きなトレンド

食品・飲料業界はトレンドの影響も大きく受けます。昨今のトレンドで無視できないのは、健康志向と、食の安全性への関心の高まりです。

健康志向に関わるキーワードには
「ダイエット」「糖質」「カロリー」「タンパク質」「全粒粉」「オーガニック」「ビタミン」「ミネラル」「グルテンフリー」「ノンオイル」「マクロビオティック」などが、

食の安全性に関わるキーワードには
「有機」「オーガニック」「無農薬」「自然農法」「無添加」「手作り」
などがあります。
これらをメインキーワードの候補にし、関連キーワードを出してみましょう。

急激なブーム・爆発的ヒット商品は狙うべきキーワード?

流行り廃りも重要な要素です。健康志向と食の安全性も大きなトレンドの一種ではありますが、急激に増減するわけではなく、数年間は同じ調子が続いています。

一方、食品・飲料業界の特徴として、テレビやラジオなどのメディアで特集された、インフルエンサーが紹介したなどの理由で、爆発的なヒット・検索需要の増加が訪れるキーワードがあります。

「スーパーフード」や「発酵食品」といったカテゴリー・ジャンルを指すキーワードが注目を集める場合もあれば、「食べるラー油」「タピオカドリンク」「チーズタッカルビ」「マリトッツォ」など、ピンポイントの商品がヒットすることもあります。

こういったキーワードは急激に検索需要が伸びるうえ、ターゲットとする層も非常に広いため、ブームがきている時の検索ボリュームの伸び方には目を見張るものがあります。ブームは一過性とはいえ、もし、自社の商品と関連性があるのならぜひ狙いたいところです。でも、ブームの「その後」はどうなるのでしょうか?

以下はGoogleトレンドで出力できる「マリトッツォ」の過去5年間の検索需要の推移です。ピーク時を100として表しています。Googleトレンドで見る「マリトッツォ」ー業界別SEO対策を解説:コンテンツマーケティング・キーワード選定の方法2021年の2月まではほとんど検索ボリュームがありませんでしたが、そこから爆発的に増え始め、4ヶ月後の6月13日〜19日にピークを迎えています。ブーム開始から1年後の2022年2月の時点の数値は「16」。2021年2月の数値が「1」ですから、ブームから1年の時点では依然として16倍の検索需要があったことがわかります。
一方、2年経った2023年2月には数値は「4」にまで落ち込み、2023年9月にはまたブーム開始前と同じ「1」に戻っています。

流行がどの程度続くかは、もちろんキーワードによって異なります。
こちらは「チーズタッカルビ」のデータです。Googleトレンドで見る「チーズタッカルビ」ー業界別SEO対策を解説:コンテンツマーケティング・キーワード選定の方法2016年9月から立ち上がりを見せた検索需要は、およそ1年半後の2018年2月にピークを迎え、そこから減少はしますが、7年が経過した現在もまだ10前後の数値を維持しています。ブームは去ったものの食文化としてある程度定着した、という見方ができるでしょう。

ヒット商品をキーワードに選定したいのであれば、Googleトレンドなどで検索需要の推移を把握するのがポイントです。ブームがまだ加熱していく段階にあるのか、それとも下火になりつつあるのか変化を見極め、ブームが去った後もどの程度、需要が見込めそうかを社内で検討しましょう。

もちろん、人気沸騰のさなかにいる時は、それがいつまで続くのか正確に予測することはできません。過去ヒットしたいくつかのキーワードについて調べることで、ある程度の傾向は見えてくるかもしれませんから、キーワード選びの材料にしてください。

オリジナル商品の名称や、輸入されたばかりの食材・料理名を取り入れるならひと工夫を

ちなみに、オリジナルの商品名や、もともと日本語にはない、輸入されたばかりの食材・料理名は、認知されていないので、テレビや雑誌、SNSでバズらない限り、検索される見込みはほとんどありません。そのため、これらをキーワードに選ぶ場合は、似ている商品で、より認知度の高いものの名前を記事内に入れるなどして、ブームの前段階でも検索結果に表示させるための工夫が必要です。

例えば、「タンミョン」という言葉を聞いたことはありますか? 現在、Youtubeなどで流行の兆しのある、中国発祥の幅の太い春雨で、きしめんのような見た目です。パスタやうどんの代わりに使うレシピが海外で人気だとか。

「タンミョン」のブームを期待して記事を投稿する場合、「見聞きしたものの名前は覚えていなかった」という人が検索するケースも想定し、記事の内部に「太い春雨」というキーワードを入れておく、といった具合です。

【旅行・観光業のコンテンツマーケティング】キーワード選定のポイント

旅行・観光業のキーワード選定では、昨シーズンのものをベースに新しい情報を取り入れるのがポイントです。施設の営業時間や料金は変更されますし、閉店する店や新規開店する店もあります。定期的なチェックとリライトは必須です。

特に、コロナ渦で旅行業界全体が大きく変動しました。客足が遠のいている間に、様変わりした観光地もあることでしょう。ユーザーもそれを念頭に「最新情報」を求めていますから、「2023」「2024」など、投稿時期をあらわすキーワードをタイトルや見出し、記事の内部に入れるのもクリックにつながりやすいでしょう。

海水浴やスキー、花火大会など特定のシーズンやイベントに集中して人が集まるスポットを抱える場合は、オンシーズンになる少し前にはコンテンツを揃えておけるよう、早めの始動が鉄則です。

ビッグワードでの上位表示は難しい傾向に

旅行・観光業界は、コンテンツマーケティングがさかんで、旅行代理店や交通機関などの大手企業が運営するオウンドメディアはSEO上も非常に強力です。

大手企業は平均してドメインパワーも強い上、十分なリソースとコストを投入し、良質なコンテンツを量産しています。そのため、「北海道 温泉」「京都 観光」といった検索ボリュームの多いビッグワードでは、検索結果の上位を大手企業のサイトが独占する傾向にあります。さらには、検索結果の1位よりも優先して表示されるリスティング広告も多数、出稿されており、熾烈な競争が行われています。

コンテンツマーケティングを後追いで始める中小企業が失敗しないためには、これらの強力な他社との「棲み分け」が不可欠です。「北海道旅行」検索結果ー業界別SEO対策を解説:コンテンツマーケティング・キーワード選定の方法

考え方のポイントは、検索ボリュームの少ないスモールワードや、複数の単語をかけあわせたロングテールキーワードを狙うこと。ビッグワードも直接狙うのではなく、ロングテールキーワードにすることで、差別化がはかりやすく、的確に目指すターゲットに届きやすくなります。

例えば、北海道の温泉地のホテルがコラムを作成するのなら
・「北海道 温泉 日帰り入浴 おすすめ」
・「北海道 温泉 貸切風呂 家族」

などがロングテールキーワードの候補です。
施設やスポットの魅力をリストアップし、どのような層に好まれそうかを考えたら、彼らのニーズを調査、検索しそうなキーワードをまとめて洗い出しましょう。

集客とブランディングも意識したキーワード選定を

ロングテールキーワードを選択することがポイントとはいえ、ビッグワードをあえて切り捨てるわけではありません。むしろ、旅行・観光業界では、ブランディングやユーザーの使い勝手という観点から、ビッグワードの記事がサイトに必要なことも多々あります。

どんな旅にしようか、有名グルメ情報、必須の観光スポットなど、旅行に出かける前段階に情報収集を楽しむユーザーは多いものです。ホテルのwebサイトなら、施設紹介だけではなく周辺の観光地・グルメ情報や、地域の魅力を伝えるコンテンツが網羅されている方がユーザーにとって有益です。

そこで、ビッグワードはSEO的に効果が出づらいことを念頭に、キーワードリストから削除するのではなく、優先順位を下げて対応する、もしくは、アクセスをアップする目的とは切り離してブランディング目的として考えると良いでしょう。

【金融・保険業界のコンテンツマーケティング】キーワード選定のポイント

金融や保険業界のSEO対策・コンテンツマーケティングでは、ここまでご紹介したジャンルにはない難しさがあります。それが「YMYL」です。

YMYLのSEO対策は正確性と信頼性がカギ キーワード選定も慎重に

Googleは独自の指標でwebサイトをランキングしています。指標には明確にされているものと、そうでないものもありますが、概して言えるのは「ユーザーにとって有益な情報か」に重きを置いているということです。
そして、Googleがランキングにあたってとりわけ厳しくチェックしているのがYMYLと呼ばれるジャンルに属するページです。

YMYLとは、Your Money or Your Lifeの略で、「人々の健康、経済的安定、安全、または社会の福祉や幸福に重大な影響を与える可能性があるトピック」と定義されています。

参考:Google検索セントラル 検索評価ガイドライン(英語・外部リンク)https://static.googleusercontent.com/media/guidelines.raterhub.com/ja//searchqualityevaluatorguidelines.pdf

検索結果の上位に表示されているページに誤った情報が掲載されていたら、それを読んだ多くの人が不利益を被りますよね。それがYMYLジャンルの場合は、多大な影響を及ぼしかねません。
もし、投資商品について情報収集しているユーザーが、上位ページに書かれている誤った情報を信じて多額の投資を行って失敗したら、大きな損失を負ってしまう可能性があります。医療についても同様で、不正確な情報を参考に治療方法を選んだら、最悪の場合、生命を脅かす重大事態になるかもしれません。

そこでGoogleは、検索者の財産や健康が不適切な情報によって害されることのないよう、検索者の人生の選択に大きな影響を与えかねない情報を提供するwebサイトをYMYLとして分類し、より厳しい目でチェックしているというわけです。

YMYLに該当するジャンルは?金融・保険はYMYLか

Googleは、具体的にどのジャンルがYMYLに該当するか明言せず、次のように説明するにとどめています。

・些細な情報の不正確さであっても危害を及ぼす可能性があり、専門家や信頼度の高い情報源を探したくなると感じるトピックは、YMYLに該当する可能性が高い
・友人に相談するだけで満足するようなトピックは、YMYLに該当しないGoogleのYMYLの説明ー業界別SEO対策を解説:コンテンツマーケティング・キーワード選定の方法

したがって、どのwebサイト・ページがYMYLジャンルに分類されるのか、の解釈には幅があるのですが、一般に「YMYLのジャンルは、医療情報、金融情報、法的情報、重要なライフイベント情報、学術的情報を扱うページ」と認識されています。
上記のGoogleの見解に照らし合わせても、金融・保険を扱う企業はYMYLに属すると判断するのが適切でしょう。

YMYLのSEO対策の基本

YMYLのSEO対策は、情報の正確性や信頼性が非常に重要で、細心の注意を払って行う必要があります。キーワード選定も、正確な専門用語を適切に使うことが大切です。

また、多くの流入が見込めそうなキーワードであっても、そのキーワードに沿ってライティングしたらユーザーの誤解を招くコンテンツができあがりそうな時や、不正確な情報を詰め込んだコンテンツになるおそれがある時は、そのキーワードは選ぶべきではありません。
上位表示ができないどころか、Googleから不適切なコンテンツを配信するサイトと見なされれば、ペナルティを受けてランキングで全く浮上できなくなることもあります。

わかりやすく発信することが求められる金融・保険業界のSEO対策 教育的コンテンツにつながるキーワードも有望

金融・保険業界は専門性が高く、一般のユーザーにとって難解です。そのため、検索意図には「専門家のアドバイスが欲しい」「解決策を教えて欲しい」といったニーズが多いので、疑問・質問に正しく的確に答えるコンテンツが求められます。キーワード選定も、そういった視点で取り組みましょう。

また、ここ数年、日本政府は資産形成の手段としてIDeCoやNISAといった投資を優遇する施策を行っており、投資人口が増えています。
「法律や規制について知りたい」「資産形成や運用方法の注意点を教えて欲しい」という需要が今後も高まり続けるでしょうから、ユーザーの興味のある内容を中心に、知識を深める教育的コンテンツが作れるキーワードが有望です。

【医療・ヘルスケア業界のコンテンツマーケティング】キーワード選定のポイント

医療やヘルスケア業界も、人々の健康や生命に直結する情報を扱うので、金融・保険業界と同じく、YMYLのジャンルに該当すると考えられています。加えて、医療・ヘルスケア業界のSEO対策で最大の課題は「医療広告ガイドライン」の存在です。医療広告ガイドライnー業界別SEO対策を解説:コンテンツマーケティング・キーワード選定の方法

医療広告ガイドラインを守ることは義務

医療広告ガイドラインは、厚生労働省が定めた、医療機関における広告やマーケティング活動についてのルールです。患者や消費者を守り、誤解とトラブルを避けるために制定されました。医療機関や、製薬会社、医療機器メーカーなど医療関連の企業・団体は、このガイドラインに従わなければなりません。

厚生労働省:医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000209841.pdf
(外部リンク)

医療系を含むYMYLジャンルのwebサイトは、検索エンジンから、それ以外のサイトよりも厳しい視点でチェックされます。加えて。医療系コンテンツは、さらに厳格かつ詳細な医療広告ガイドラインにも従わなねばならないので、細心の注意が必要です。
ガイドラインによれば、広告として表示して良いのは基本的に、患者の治療選択等に有益な情報のみで、コンテンツ内に含めて良い情報や、使って良い語句、掲載可能な写真についても、かなり細かい規制が設けられています。誤解を招いたり、誇大広告になったりする表現はガイドラインの規制の対象です。

例えば、医療機関のwebサイトで掲載されがちな「患者の声」は不適切と見なされる可能性がありますし、ビフォーアフターの写真も原則、掲載禁止です。「地域で一番の実績」「県内トップクラスの医師数」といった最上級の表現や、「アンチエイジング」という審美的な表現、「新聞や雑誌で紹介されました」という文言もガイドラインに抵触する可能性大です。
ガイドラインのとおりにコンテンツを作るなら、集客のための広告らしい広告はほとんど打てない、ということに気づきます。医療・ヘルスケア業界では、基本的に、医療の本質以外の内容で広告を打つ、集客することが禁じられているということをまず理解せねばなりません。

「みんなやってるから大丈夫」は通用しない 違反すると罰金・懲役刑も

とはいえ、脱毛や歯列矯正のビフォーアフターの写真が掲載されているのを目にしたことがある、「患者様満足度No.1」などの表現を見かけたことがある人も多いと思います。しかし「規制されているとはいえ、少しくらい違反しても構わなさそうだ」と解釈するのは危険です。
「別のクリニックがやっているからうちも大丈夫」という保証はありません。違反している旨の指摘を受け改善しなかった場合は、6ヶ月以下の懲役もしくは30万円未満の罰金が科されます。
そのうえ、患者や利用者からの信頼という、医療機関として最も大切な資産をも損なってしまいます。所属する学会や医師会などの職業団体から定期的に調査が入るケースもありますから、ガイドライン違反のないよう徹底しなければなりません。

法令に抵触しないコンテンツ作りを念頭にキーワードを選ぼう

医療・ヘルスケア業界のコンテンツマーケティングでは、不当景品類及び不当表示防止法や、医薬品医療機器等法など、他にも守らなければならない法令があります。単純に、検索ボリュームや競合性、事業との関わりだけを考慮してキーワードを選定するわけにはいかないのです。

いくらターゲットの検索需要があろうと、「この薬は本当に予防効果があるのか?」「より優れた治療はどちら?」といったテーマで、切り込んだコラムを書いていけば、最後には、高い確率でガイドラインや法令に触れてしまうでしょう。

ガイドラインと各種法令の内容を理解するとともに、キーワードありきでの選定は避けましょう。医学的に正しい情報発信につとめる前提のもとで、専門的な知識や用語を、一般の人に適切かつわかりやすく伝えるのが医療・ヘルスケア業界の情報発信の基本です。医療・ヘルスケア業界の情報発信ー業界別SEO対策を解説:コンテンツマーケティング・キーワード選定の方法

なお、ガイドラインは改正もされるので、すでに公開した記事でも、最新の法令に違反する内容になっていないか、定期的に見直すことも必要です。

【不動産業のコンテンツマーケティング】キーワード選定のポイント

不動産業界でのコンテンツマーケティングは、下記のような複数の軸で展開できます。

・土地や物件といった商品そのものの魅力を伝えるコンテンツ
・不動産購入にまつわる専門知識を発信するコンテンツ
・エリアでの生活情報を集めた「暮らし」にまつわるコンテンツ
・人気の家具やトレンドのインテリアなどを紹介する「住まい」に関するコンテンツ

それぞれの軸に幅広いトピックがありますから、「キーワードが思いつかない」「ネタに困る」といった心配は少ないかと思います。むしろ、膨大なキーワードリストの中からどれを残し、どれを落とすべきか、という取捨選択・優先順位づけにしっかり時間をかけるべきかもしれません。
さて、取捨選択にあたって意識したいのが、業界特有の競合性の高さです。

コンテンツマーケティングと相性がいいからこそ、不動産業界のSEO対策は激戦

ユーザーにとって、不動産購入は非常に高い買い物ですし、一生に何度も経験することではありません。多くの人が、契約までに長い時間をかけてリサーチをしますから、コンテンツへの潜在的な需要が高いという特徴があります。
ここに、コンテンツを量産しやすいという業界の傾向も加わった結果、不動産業界では多くの企業がコラムを展開しています。おまけに、不動産デベロッパーや住宅メーカーにはドメインパワーの強い大手企業が多数あり、有料広告の出稿も盛んな状況です。つまり、不動産業界はSEO対策の激戦区と言えます。

かなり綿密に戦略を立てて取り組まねば成果が出づらいことを念頭に、キーワード選定を勧める必要があります。

専門性が高く、質の良い情報を提供できるキーワードを選ぶ

強力な競合と戦わねばならないので、複数の単語をかけあわせたロングテールキーワードを狙うのがランキングでの上位獲得のカギです。エリアに強く依存するのも業界の特徴ですから、地域に根差したキーワードを狙うことで、全国展開する大手企業と棲み分けをはかるのも良いでしょう。

そしてもう一つ、大切なことが「良質なコンテンツを提供できるか」という視点でのキーワード選びです。
SEO対策激戦区だからこそ、せっかくサイトにたどり着いてくれたユーザーに、確実に刺さるコンテンツを作る必要があります。

不動産業界は法律用語が登場しますし、一般人には耳慣れない規制も多く、これらの内容をわかりやすく伝えることが求められています。ですから、用語解説やハウツー系の記事はユーザーのニーズに合致していますが、単なる語句の解説で良いのでしょうか?
具体例で考えてみます。

建築物の高さに関する規制として「日影規制」というものがあります。日影規制を定めている建築基準法の条文は以下の通りです。日影規制の条文イメージー業界別SEO対策を解説:コンテンツマーケティング・キーワード選定の方法
引用元:e-GOV 建築基準法 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0000000201
(外部リンク)

一般人が読むことを前提に作られていないため仕方ないのですが、非常に難解ですよね。これを説明するのに、とある自治体の作った資料では以下のような記載がありました。

「日影規制とは、住宅地における居住環境を保護するために、中高層の建物(高さが10m以上のもの)によって周囲にできる日影の時間を一定限度以下に制限し、日照などの環境を確保するためのルールです。」

この説明で、言葉の意味だけなら、なんとなく理解はできるかもしれません。でも、もしあなたが、これから家を建てようと日影規制について調べているのだとしたら、どうでしょうか。上の説明を読んで納得し、そこで検索を終えられるでしょうか?

一方、一級建築士が顔と名前を出して執筆・監修しているコラムで、
・日影規制とはどんなルールか
・日影規制に気をつけなければならないのは土地の購入時か、建築時か
・日影規制にうっかり違反してしまったらどうなるのか
・家を建てる前から建築後の日影を想定するのは難しそうに思えるがどうやるのか
・日影規制に引っかからないかを事前に確かめる方法は?自分でできるのか?
・日影規制に引っかからないか調べるには誰に依頼すればいいのか

を解説してくれていたら、どうでしょうか。

その道のプロが、専門知識を惜しみなく提供し、リスクやデメリットなどのネガティブな面まで踏み込んで語ることは、ユーザーに安心感を与え、企業への信頼感獲得につながります。「この会社に頼めば間違いないな」という思いが、問い合わせと成約、そして売上につながります。

単なる語句の解説記事や、少し検索すればすぐ見つかる情報ばかりを詰め込んだ寄せ集めのコンテンツでは、激戦区を勝ち抜けません。高品質で、顧客に役立つ記事を用意する必要があることを念頭に、社内のメンバーの知識・経験・専門性が発揮できるトピックの中でキーワードを選んでください。

【塾・予備校・教育関連業界のコンテンツマーケティング】キーワード選定のポイント

学校法人や、塾・予備校といった教育関連業界も、コンテンツマーケティングが盛んです。
ターゲット=保護者と考えがちですが、現代はスマホを持っている子もかなり多いので、子ども自身が検索する場合もあります。
子どもの進路を考える保護者と、勉強方法に悩む子ども・学習の仕方について知りたい子どもの両方がターゲットと認識したうえで、キーワードを洗い出す必要があります。塾・予備校・教育関連業界のコンテンツマーケティングー業界別SEO対策を解説:コンテンツマーケティング・キーワード選定の方法

塾・予備校の場合、ユーザーのニーズは「志望校合格」ですから、ウェブサイトへの流入が期待できる検索意図は

・合格実績が具体的に知りたい
・講座や授業内容、教材、教え方を知りたい
・どんな講師が教えてくれるのか知りたい
・受験情報・入試情報を得たい

などが真っ先に思い浮かびます。

子どもを塾に通わせようと検討している保護者が知りたいのは、あなたの塾の情報です。したがって、一般にコンテンツマーケティングでは自分の商品を「買ってください」と売りこむことはあまりしませんが、塾・予備校の場合、カリキュラムや自校の強み・特長などをしっかり紹介することは必要です。

ただし、これらは主に「塾選び」という観点に立った、保護者目線の検索キーワード。
子ども本人が求める情報は、入試当日の流れや、試験前日の過ごし方など、より「現場寄り」のものになりそうです。去年の卒業生にインタビューした「先輩の声」「当日の失敗談」などのリアルな情報も、価値あるコンテンツになるはずです。できるだけ、特定の学校名や「大学入学共通テスト」や「AO入試」「総合型選抜」といった、具体的なキーワードを選択しましょう。

同じキーワードも、親と子で検索意図が異なることも

キーワードを取得する際に気をつけたいのは、同じ検索語も、保護者が調べている場合と子ども自身が調べている場合で、検索意図・ニーズが異なるケースがあるということです。

例えば「数学 苦手」というキーワードで考えてみましょう。関連ワードとして抽出されるものの中で、子ども本人が入力している可能性があるのは「数学 苦手 勉強法」「数学 苦手 参考書」「数学 苦手 理系 行きたい」などです。数学の勉強方法を紹介する、苦手意識を克服するコツを紹介するなど、学習を支援するコンテンツが求められていることが推測できます。

一方、保護者が検索している可能性があるのは「数学 苦手 理由」「数学 苦手 大学受験」などで、数学の成績が奮わなくとも進学できる学校を知りたい、というニーズがみえてきます。
同じキーワードに対して、2つのニーズにこたえるコンテンツが必要です。

当事者である子と、支える側の親という2つのターゲットを念頭に取り組んでください。

コンテンツマーケティング成功の第一歩はキーワード選定から

業界ごとの特徴をふまえて、キーワード選定のコツを見てみました。それぞれの業界に特徴と気をつけるべきポイントがあり、攻略のヒントがありましたね。

業界・業種によって、コンテンツマーケティングの施策に成果が現れやすい・現れにくいの差はあれど、キーワード選定が重要なことに変わりはありません。
万が一、SEO対策の効果が出にくい業界で、コンテンツの上位表示が達成できなかったとしても、悩んだり嘆いたりする必要はありません。せっせと増やしたコンテンツは、長期的には着実な資産となり、その先には必ず、サイトの成長があるからです。

最適なキーワードを選び、ユーザーのニーズを意識して作り上げた記事なら、サイトを訪れてくれた人の目に留まり、ブランディングの効果も発揮しますよ。

マーケティングの知識に自信がなくとも、初心者でも、大丈夫。コンテンツマーケティングに踏み出すあなたを全力でサポートします。

関連記事
【SEOキーワード選定のやり方】誰でもできる手順を6ステップで解説
【SEOキーワード選定のコツ】失敗しない方法を解説します
【2023-2024最新】SEO対策・キーワード選定のおすすめツール10選 無料で使える・役立つツールを紹介します!
【SEOキーワード選定の考え方】コンテンツと向き合い続ける方法