コンテンツマーケティングのフレームワーク17選! 戦略設計や分析・改善の方法を解説

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コンテンツマーケティングに取り組んでいるが、いまいち成果がでない、方向性が正しいのかがわからないとお悩みの方も多いのではないでしょうか。効率良くコンテンツマーケティングに取り組むためには、フレームワークを上手に活用するのがおすすめです。

本記事では、コンテンツマーケティングに活用できるフレームワーク17選を解説します。コンテンツマーケティングにおける戦略設計のための分析、思考整理、顧客行動改善、運用改善と各分野ごとに解説しますので、まずは必要な分野から取り入れてみましょう。

コンテンツマーケティングについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。

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コンテンツマーケティングとは、記事や動画などのコンテンツを通してユーザーに価値ある情報を提供し、認知度や売り上げの向上などを目指す施策です。多くの企業が取り組んでおり、今や定番のマーケティング手法ですが、実践手順やポイントなどがわからない方もいらっしゃるかもしれません。本 記事では、コンテンツマーケティングの基礎知識やポイント、成功事例を解説します。

コンテンツマーケティングにおけるフレームワークとは

クエスチョンマーク

まずはコンテンツマーケティングにおけるフレームワークの役割や重要性、フレームワークを利用する際の注意点を解説します。

コンテンツマーケティングにおけるフレームワークの役割と重要性

フレームワークは、「枠組み」や「構造」などを意味する言葉ですが、ビジネス上では各分野で共通してあてはめられる考え方を指します。コンテンツマーケティングに限らず、フレームワークを上手く活用できれば、効率的かつ安定的な成果を生み出しやすくなります。

コンテンツマーケティングにおいては、マーケティングの目的やペルソナ、抱えている課題などによって様々な施策に取り組む必要があるでしょう。施策を検討するうえで、軸となる考え方がなければ、方針がブレやすくなり、狙った成果を得ることが難しくなります。フレームワークを活用すれば、考え方の枠組みが定まるため、施策方針の軸が定まりやすく、最短で成果をあげやすくなります。そのため、コンテンツマーケティングにおいては、特にフレームワークの活用が重要です。

コンテンツマーケティングにおけるフレームワークの注意点

フレームワークは戦略設計のための分析、思考整理、顧客行動改善、運用改善などの施策を検討する際のツールとして利用できます。しかし、フレームワークはあくまでツールであることを忘れてはいけません。何でもフレームワークにあてはめて考えようとする、フレームワークから外れた考えを排除しようとすると、かえってマイナス要因が発生する可能性があります。フレームワークはあくまで補助的なツールとして捉え、フレームワーク通りに進めることを必須とはしないようにしましょう。

また、フレームワークを柔軟に活用するためには、幅広いフレームワークをシーンに応じて使い分けることが有効です。コンテンツマーケティングにおいては、分析、思考整理、顧客行動改善、運用改善などが主な施策としてあげられますが、各分野ごとはもちろん、各分野内でも複数のフレームワークを知っておくと良いでしょう。これから各分野において活用できるフレームワークを解説しますので、ぜひ参考にしてください。

コンテンツマーケティングのフレームワーク(分析)

虫眼鏡

コンテンツマーケティングにおいて、分析に活用できるフレームワークを解説します。

3C分析

3C分析とは、「Customer(市場・顧客)」「Company(自社)」「Competitor(競合)」という3つのCに基づいて分析を行うフレームワークです。3C分析では、それぞれの観点から自社が持つ強み・弱みや業界内におけるポジションを分析します。

具体的には、Customerで市場・顧客のニーズや顧客の消費行動、Cumpanyで自社の経営理念やビジネスモデル、Competitorで競合他社の状況やポジションなどの情報を、ポジティブ・ネガティブ両面でまとめていきます。3C分析を上手く活用するために、それぞれの観点は、具体的な事実に基づいた資料を参照してまとめるようにしましょう。

4C分析

4C分析とは、「Customer Value(顧客価値)」「Cost(顧客の費用・負担)」「Convenience(顧客の利便性)」「Communication(顧客対話)」という4つのCに基づいて分析を行うフレームワークです。4C分析は、企業視点の3C分析とは異なり、顧客目線での分析ができ、サービス提供の品質改善を行える点が特徴です。

具体的には、各項目において顧客目線でポジティブ・ネガティブ両面の情報をまとめます。3C分析と同様に、具体的な事実に基づいた資料を参照し、客観的な分析を行うことがポイントです。顧客目線での情報源としては、自社で実施したアンケートやインターネット上の口コミ、現場で得られた顧客とのコミュニケーションを元にすると良いでしょう。

STP分析

STP分析とは、「セグメンテーション(Segmentation)「ターゲティング(Targeting)」「ポジショニング(Positioning)」という3つの観点で分析を行うフレームワークです。STP分析では、市場を細分化し(セグメンテーション)、狙うべき市場を決めます(ターゲティング)。狙う市場を決めたら、その中で競合他社よりいっそう優位に立つためのポジションを分析します(ポジショニング)。

STP分析を活用すれば、細分化された市場における細かな顧客ニーズの把握や、自社が優位に立てる市場の特定やポジショニングを行うための戦略設計がしやすくなります。STP分析は、市場内での伸び悩み改善や新規事業開拓、競合他社との差別化など幅広い課題に対応するポピュラーな分析方法です。

SWOT分析

SWOT分析とは、自社の「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」を明確にしたうえで分析を行うフレームワークです。SWOT分析では、強みと弱みを内的環境要因、機会と脅威を外部環境要因とし、それぞれの項目の情報をクロス表に書き出します。

書き出した情報をもとに分析することで、自社の市場における優位性や今後のビジネスチャンスの最大化とビジネスリスクの最小化につなげられます。SWOT分析はコンテンツマーケティングにおける戦略設計に活用できるほか、組織における運用改善にも有効です。

PEST分析

PEST分析とは、「政治(Political)」「経済(Economical)」「社会(Social)」「技術(Technological)」の会社を取り巻く4つの外的要因を把握したうえで分析を行うフレームワークです。PEST分析では、各項目における情報を洗い出し、分析を行います。PEST分析を行えば、自社が属する業界の風潮や将来性などを把握できるようになります。PEST分析で洗い出す外的要因は、自社の影響力で変化させられる可能性が低いものです。特に新しい事業戦略を練る際には、事前のPEST分析が重要になります。

ポジショニングマップ

ポジショニングマップとは、自社と競合他社の市場におけるポジションを可視化するフレームワークです。ポジショニングマップでは、任意の縦軸と横軸を設定し、自社と競合他社のマッピングを行うことで、市場におけるポジションを可視化します。

たとえば縦軸を高級さと手軽さ、横軸を品質とスピードとし、4つのエリアを作ります。その後、高級で品質が低い、高級で品質が高い、手軽で品質が低い、手軽で品質が高いの4つのエリアに自社と競合他社をマッピングしていきます。ポジショニングマップがあれば、自社や競合他社のポジションを簡単に把握できるとともに、今後目指すべき方向性もわかりやすくなるでしょう。

コンテンツマーケティングのフレームワーク(思考整理)

ひらめいている人

コンテンツマーケティングにおいて、思考整理に活用できるフレームワークを解説します。

MECE(ミーシー)

MECE(ミーシー)は「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の頭文字を取った言葉で、「モレなく、ダブりなく」思考を整理をするフレームワークです。MECEはロジカルシンキングの基本となるフレームワークで、マーケティングにおいても活用できます。MECEでの思考整理は、数学の集合のような考え方で、ベン図やカルノー表などを用いると行いやすいでしょう。

コンテンツマーケティングにおけるMECEでは、例えば既存顧客の要素を整理し、現在どのような顧客の層が厚くなっており、今後どのような層へのリーチが可能なのかを分析することなどがあげられます。MECEは幅広い分野において短時間で思考整理を行う際に有用なフレームワークのため、日頃から利用する習慣をつけると良いでしょう。

マインドマップ

マインドマップは、メインのキーワードに関連するトピックやキーワードをピックアップし、枝分かれさせる形で書き出して思考の整理を行うフレームワークです。マインドマップでは、メインのキーワードから派生した様々なトピックやキーワードをどんどんつなげていくため、キーワードに関連するトピックやキーワードの網羅的な把握や新しいアイデアの発想がしやすくなります。

マインドマップは後述するロジックツリーと同様に、1つのテーマを深掘りするのに利用されます。しかし、ロジックツリーとは異なり、因果関係などなしに自由に関連するトピックやキーワードをつなげていく分、幅広い分野で活用しやすいフレームワークと言えるでしょう。

ロジックツリー

ロジックツリーは、1つのテーマを因果関係などをもとに細分化し、テーマに対して考えられる事項を深掘りしていくフレームワークです。ロジックツリーでは、最上位に1つのテーマを記載し、そこからテーマに対する要因・要素を枝分かれさせる形で書き出していきます。

ロジックツリーは、発生した課題を深掘りし、原因となった要素を特定する際にも多く利用されます。また、1つの事象に対して、なぜその事象が発生するに至ったのかの経緯を一覧で把握できるようになります。ロジックツリーを活用すれば、一見難解に見える課題がシンプルになり、解決すべき要因・要素を洗い出しやすくなるでしょう。

ピラミッドストラクチャー

ピラミッドストラクチャーは、ピラミッドの図式で結論を頂点に配置、根拠を下に配置することで、結論と根拠の可視化を行うフレームワークです。ピラミッドストラクチャーでは、ピラミッドの頂点に結論を書き、その根拠となる要素を結論の下に書き出していきます。根拠が階層構造になる場合はさらに段を下げて書き出すため、最終的にピラミッドのような図式で作成します。

ピラミッドストラクチャーはロジックツリーと同じような構造をしていますが、ロジックツリーは事象の因果関係を整理するのに使われることが多い一方、ピラミッドストラクチャーは結論に対する根拠付けを明確にする際に使われることが多いのが特徴です。新しい施策に取り組むためのプレゼンで、主張の根拠を明確にして決裁者の納得感をあげたいという場合などに活用できるでしょう。

コンテンツマーケティングのフレームワーク(顧客行動改善)

高評価のレビューをする顧客

コンテンツマーケティングにおいて、顧客行動改善に活用できるフレームワークを解説します。

カスタマージャーニーマップ

カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品を認知してから購入後に至るまでのプロセスを時系列で可視化するフレームワークです。カスタマージャーニーマップでは、商品の認知、情報収集・検索・検討、体験・購入、購入後の各プロセスで顧客の行動や顧客へのアクション、アクションに対する顧客の反応、全体的な課題などを洗い出していきます。

カスタマージャーニーマップを制作すれば、既存の顧客がどのようなプロセスを経て商品の購入に至ったのか、逆に購入しなかった顧客はどのプロセスで離脱してしまったのかが視覚的にわかりやすくなります。各プロセスにおける課題が明確になり、顧客行動改善のためのアクションを起こしやすくなるでしょう。

PASONAの法則

PASONAの法則とは、「Problem(問題)」「Affinity(親近感)」「Solution(解決策)」「Offer(提案)」「Narrowing Down(絞込)」「Action(行動)」の6つで顧客行動を分析するフレームワークです。顧客が商品の購入に至るまでには、以下の6つのステップが重要とされています。

  1. 1.顧客の不安や悩みの顕在化、問題提起(Problem)
  2. 2.顧客の不安や悩みに対する共感(Affinity)
  3. 3.顧客の不安や悩みに対する解決策の提示(Solution)
  4. 4.顧客の不安や悩みに対する具体的な解決策の提案(Offer)
  5. 5.見込み顧客の絞り込み(Narrowing Down)
  6. 6.見込み顧客に対する行動促進(Action)

それぞれのステップにおいて、対応内容とそれに対する顧客の行動・反応をまとめて分析することで、広告クリックや資料ダウンロード、相談・問い合わせなど顧客の購買行動を促しやすくなるでしょう。

RFM分析

RFM分析とは、「Recency(直近の購買)」「Frequency(頻度)」「Monetary(購入金額)」の3つで顧客行動を分析するフレームワークです。RFM分析では、3つの項目でそれぞれ基準となる数値を設定し、顧客をランク付けします。例えば、3つの項目を下記のようにランク付けしたとします。

ランク Recency(直近の購買) Frequency(頻度) Monetary(購入金額)
5 1ヶ月以内 10回以上 100万円以上
4 3ヶ月以内 8回以上 50万円以上
3 6ヶ月以内 4回以上 10万円以上
2 1年以内 2回以上 5万円以上
1 1年以上 1回 5万円未満

このとき、直近の購買が1ヶ月以内で購入頻度は月10回以上、1ヶ月の購入金額は100万円以上であれば優良顧客としてランク付けする、というイメージです。RFM分析を利用すれば、既存顧客のセグメンテーションができ、優良顧客への成長促進や顧客の離脱防止などに活用できます。

デシル分析

デシル分析とは、顧客の購入金額の多い順で10等分し、グループごとの売り上げデータを分析するフレームワークです。デシル分析では、顧客を購入金額が多い順に整理、全体を10等分した人数ごとにグループ化しグループ内の総購入金額を算出、全体の購入金額に対して各グループが占める割合を算出します。

デシル分析を利用すると、購入金額の割合に応じて顧客をランク付けでき、マーケティング施策の改善に活用できます。デシル分析のグループ分けは、全体の10等分ではなく5等分、3等分などのように任意の数値を設定しても問題ありません。ただし、デシル分析は購入金額のみを基準にしたグループ分けのため、一度でも高額商品を購入すると、その後の購入がなくても優良顧客のグループに入ってしまう可能性があります。常連客かを見極めるために直近の購買や購買頻度も考慮したい場合はRFM分析を利用するのが良いでしょう。

コンテンツマーケティングのフレームワーク(運用改善)

PDCAサイクル

コンテンツマーケティングにおいて、運用改善に活用できるフレームワークを解説します。

PDCAサイクル

PDCAサイクルとは、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」で運用改善を行うフレームワークです。PDCAサイクルでは、課題に対する改善計画を立て(Plan)、計画を実行に移します(Do)。実行後に効果測定と評価を行い(Check)、さらなる改善策を検討します(Action)。

PDCAサイクルは上記の一連の流れを繰り返すことで、施策をブラッシュアップしていくフレームワークです。PDCAサイクルは代表的な運用改善におけるフレームワークで、多くの企業で利用されています。企業によってPDCAサイクルの成功事例を公開しているところもありますので、実際に実施する際は参考にしてみると良いでしょう。

OODAループ

OODAループとは、「Observe(観察)」「Orient(状況判断)」「Decide(意思決定)」「Act(実行)」で運用改善を行うフレームワークです。OODAループでは、現在の市場や課題の状況を観察し(Observe)、観察の結果から改善のための仮説を立てます(Orient)。その後、仮説に対しどのような施策を行うのかを決定し(Decide)、実行に移します(Act)。

OODAループもPDCAサイクルと同様に一連の流れを繰り返すことで改善を図るフレームワークです。しかし、PDCAサイクルよりも臨機応変にスピード感をもって進められる一方、慎重に検討を行う必要がある施策や長期的な施策には向かないという特徴があります。

STPDサイクル

STPDサイクルとは、「See(現状把握)」「Think(分析)」「Plan(計画)」「Do(実行)」で運用改善を行うフレームワークです。STPDサイクルでは、現在の環境における情報を収集し(See)、収集した情報がどのような意味を持つのかを分析します(Think)。分析結果から改善行動の計画を立て(Plan)、実行に移します(Do)。

STPDサイクルはPDCAサイクルにおけるCheckとActionがない分、OODAループと同様にスピード感をもってサイクルを回すことができるでしょう。小規模なサイクルを迅速に回したいという場合に適しています。

▼コンテンツマーケティングにおけるさまざまな手法や手順については、あわせてこちらの記事もぜひご覧ください。

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コンテンツマーケティングにフレームワークを活用しよう

コンテンツマーケティングで効率的かつ安定した成果を獲得するためには、分析、思考整理、顧客行動改善、運用改善の各分野において様々な施策を行う必要があります。しかし、行うべき施策はマーケティングの目的やペルソナ、抱えている課題などによって異なるため、普遍的な正解はありません。そのため、コンテンツマーケティングに取り組んでいるのに一向に成果があがらないというWebマーケターの方も多くいらっしゃいます。

コンテンツマーケティングにおける課題を解決するためには、フレームワークの活用がおすすめです。フレームワークはあくまでツールの一つであるため、無理にフレームワークにあてはめて考えないよう注意が必要ですが、多様なフレームワークを理解しておけば、柔軟に対応できます。今回紹介したフレームワークを参考に、ぜひコンテンツマーケティングにフレームワークを取り入れてみてください。

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