オウンドメディアのツールとは? フェーズごとに使うべきツールを解説
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自社サービスの集客やブランディング向上のため、オウンドメディアの制作を検討している企業は少なくないでしょう。オウンドメディアの制作には、ツールの活用が必須です。しかし、オウンドメディアのツールには様々な種類があり、どれを使えば良いか迷う方もいるかもしれません。
この記事では、オウンドメディアのツールを構築や運用などのフェーズ別に紹介します。加えて、有料ツールのメリットや注意点も解説します。オウンドメディアのツールを活用して効率的にサイト運営をしたい方は、ぜひ本記事をご覧ください。
オウンドメディアについて知りたい方は以下の記事もご参照ください。
オウンドメディアの制作にツールは必須
ツールと聞くと、人によっては「無理に使わなくても良いのでは?」と思うかもしれません。結論から言うと、オウンドメディアの制作にはツールの利用が必須です。なぜなら、オウンドメディアを制作するためには、CMSなどのツールを使わなければ制作できないからです。
そもそもオウンドメディアの制作の仕方には、主に3つあります。自社で制作するか、外注するか、もしくはフェーズごとに自社対応と外注依頼を切り分けるかのいずれかです。オウンドメディアの制作方法は様々ですが、いずれの方法でもオウンドメディアのツール利用は必要です。
自社でオウンドメディアを制作する場合、言わずもがなツールを使ってオウンドメディアを立ち上げます。一方で、オウンドメディア制作を完全に外注するなら、自分たちでツールを使うことはありません。代わりに、外注先が適宜ツールを活用してオウンドメディアを制作します。
つまり、オウンドメディアの制作方法によって自社でツールを使うかは異なりますが、ツールを使わない選択自体はないわけです。
ツールが必要性の大小はオウンドメディアのフェーズによる
オウンドメディアの制作において、ツールの利用は必須と説明しました。しかし、オウンドメディアのフェーズによっては、必ずしもツールを使わなければいけない場面ばかりではありません。
各フェーズの詳細は後述しますが、オウンドメディアの構築フェーズ以外はツール利用がなくても運営は可能です。しかし、可能ではあるものの、実際にはツールを活用したほうがはるかに効率的かつ効果的に進められる作業は多くあります。
また、ツールと聞くと「ツール=有料」と考える方もいるでしょう。ですが、無料のツールも多くあり、オウンドメディアの品質を上げるのであれば使わない手はありません。構築フェーズのように必須の場面はもちろんのこと、それ以外のフェーズでも使えるツールは積極的に活用していくべきです。
オウンドメディア制作の主なフェーズ3つ
オウンドメディアの制作には、主なフェーズが3つあります。オウンドメディアのツールを紹介する前に、まずは3つのフェーズについてそれぞれ解説していきます。
1.構築フェーズ
2.コンテンツ制作フェーズ
3.運用・改善フェーズ
順番に見ていきましょう。
構築フェーズ
構築フェーズとは、文字通りオウンドメディアを構築し、立ち上げるフェーズのことです。構築方法は大きく2つで、「CMS」「サイト制作サービス」のいずれかです。
CMS(Contents Management System)とは、オウンドメディアのようなコンテンツを簡単に投稿できるサイトを作れるシステムのことです。CMSを用いる場合、サーバーや独自ドメインの用意、サイトデザインの設計が必要となります。手間がかかる分、自社で対応できれば構築費用は安く抑えられるでしょう。外注もできますが、当然ながら費用は発生します。
CMS以外では「サイト制作サービス」で、構築する方法もあります。有料サービスが基本ですが、簡単に自社でオウンドメディアを立ち上げられます。CMSによる自社制作と違い、豊富なサポートを受けられる点もサイト制作サービスならではの特徴です。
コンテンツ制作フェーズ
コンテンツ制作フェーズは、サイト(オウンドメディア)に掲載する記事コンテンツを制作・投稿する段階です。このフェーズで行うことは、「キーワード選定」と「記事コンテンツの制作・投稿」の2つです。
キーワード選定では、制作する記事コンテンツのキーワードを調査します。たとえば、「オウンドメディア 制作」や「オウンドメディア 構築」などの制作する記事のキーワードを調査し、選定するわけです。
キーワードの選定後は、「記事コンテンツの制作・投稿」へと移ります。選定したキーワードに基づいて、記事コンテンツを制作していきます。記事コンテンツ制作は、構成案の作成から文章の執筆、画像選定にサイトへの投稿までが基本の流れです。コンテンツをどれくらいの頻度で投稿するかといった調整も、このフェーズに含まれます。
記事コンテンツの制作は、外部のWebライターに依頼することも1つの手段です。ただし、外部に依頼する場合は、Webライターのスキルや経験を確認して、選ぶ労力が発生します。
運用・改善フェーズ
運用・改善フェーズでは、投稿した記事コンテンツやサイト自体の「分析および改善」を実施するフェーズです。コンテンツのPV数はもちろん、自然検索やSNSなどの流入元から見るユーザーの動きといった様々な情報を分析します。そして、分析結果をもとに、既存コンテンツの改善や新規コンテンツの作成に活かしていくわけです。
運用・改善フェーズは、構築フェーズの次にツールの利用が欠かせない場面と言えるでしょう。PV数やユーザーの動きを可視化するためには、ツール利用が必要だからです。ツールがなくともある程度の分析は可能ですが、非常に効率が悪いです。無料のツールも多くあるので、利用を前提にしておくべきでしょう。
オウンドメディアの構築時に必要なツール
ここからは、フェーズごとに利用すべきツールやおすすめのツールを紹介していきます。まずは、オウンドメディアの構築時に必要なツールからです。
オウンドメディアの構築にあたって、広く利用されているのはCMS(Contents Management System)です。CMSの中でも世界で圧倒的な利用率を誇るのがWordPressになります。オウンドメディアの制作と聞いて、WordPressの利用をイメージする人は少なくないでしょう。WordPressの利用は基本無料ですが、独自ドメインの取得やサーバーの用意に費用が発生します。
WordPressなどのCMSを用いてのサイト構築が難しければ、「サイト制作サービス」の利用がおすすめです。アカウント登録するだけで簡単にサイト運営を始められて、おしゃれなデザインや記事のカスタマイズ機能など豊富なサービスをまとめて利用できます。ただし、設定やカスタマイズの範囲は、サービス内で提供されているものに限定されます。自由にサイト設計したい方は、CMSを利用したほうが良いでしょう。
オウンドメディアのコンテンツ制作時に役立つツール
コンテンツ制作フェーズでは、「キーワード選定」と「記事コンテンツ制作」の作業ごとにツールを紹介します。まず「キーワード選定」では、キーワード検索ツールが役立ちます。キーワード検索ツールの代表例は、ラッコ株式会社が運営する「ラッコキーワード」です。調査したいキーワードのサジェストやリンク、見出し抽出などの関連情報が一覧で表示され、コンテンツ制作に有用な情報を簡単に入手できます。
「記事コンテンツ制作」の場面では、コピペチェッカーの利用がおすすめです。コピペチェッカーは、コンテンツのコピー&ペーストの有無を確認するツールで、無料で利用できるものもあります。コンテンツのコピー&ペーストは、Google検索順位に悪影響を与えるばかりか、著作権法に違反する可能性もあります。自社制作はもちろん、外部ライターに依頼する場合はコピー&ペーストの有無は必ず確認すべきです。
オウンドメディアの運用・改善時の質を上げるツール
オウンドメディアの運用・改善フェーズでは、SEOの分析ツールがおすすめです。代表的なツールには、Google Search Console(グーグルサーチコンソール)やGoogle Analytics(グーグルアナリティクス)が挙げられます。いずれもGoogleが提供する無料ツールで、SEO対策のツールとして名前を聞いたことがある人も多いでしょう。
コンテンツのクリック数やページ滞在時間、記事順位が確認できるツールで、オウンドメディアを運用・管理し、コンテンツを改善するためには必須のツールと言っても過言ではありません。ツールから得られる各種情報を分析して、記事コンテンツの改善や新規コンテンツ制作のヒントとなるでしょう。
また、運用・改善ツールには有料のものもあります。有料ツールでは、AIによる改善提案や月間の検索ボリューム抽出など、無料ツールよりも一歩踏み込んだ機能を提供しています。「質の高い改善を行って成果につなげたい」や「予算には余裕がある」といった場合に、利用を検討してはいかがでしょうか。
オウンドメディアは無料ツールだけでも制作可能
オウンドメディアのツールには、いずれのフェーズでも無料のツールがあります。構築ならサイト制作サービスの無料プラン、キーワード検索であれば「ラッコキーワード」、分析は「Google Search Console」や「Google Analytics」が無料で使えます。
そのため、一切の費用をかけずともオウンドメディアは制作できるでしょう。無料ツールの使い方自体も、最近はYouTubeなどの動画配信サイトで広くシェアされています。しかしながら、無料のツールは機能制限があることも多いです。個人ブログならまだしも、企業として本格的にオウンドメディアを運用するには、無料ツールの機能だけでは効果や効率の観点から限界があります。
オウンドメディアの有料ツールを使うメリット|フェーズ別に解説
オウンドメディアは費用をかけずとも制作できますが、企業として質の高いサイト運営をしていくのであれば、有料ツールを利用すべきです。ここでは、3つのフェーズごとに有料ツールを使うメリットを解説します。
1.構築フェーズ|自由なサイト設計や豊富なサポート
2.コンテンツ制作フェーズ|効率的に高品質な記事制作が可能
3.運用・改善フェーズ|より効果的な改善施策の実施
1つずつ説明していきます。
構築フェーズ|自由なサイト設計や豊富なサポート
構築フェーズでは、有料ツールを使うことで「自由なサイトを設計」や「運用における豊富なサポート」が期待できます。たとえば、WordPressなどのCMSを用いてオウンドメディアを自社制作する場合、サーバーやドメインの利用料が発生します。その分、自社で自由にサイト設計できるため、納得の行くオウンドメディアが制作可能です。
サイト制作サービスを利用した場合は、CMSよりも簡単にサイトを作れる上に豊富なサポートも魅力です。サイト構築はもちろん、サービスによってはWeb施策の提案やアドバイスまで行っているところもあります。
そもそもサイト制作サービスの無料版は、記事コンテンツ数やページ数の制限があったり、不要な広告が表示されたりすることも多いです。そのため、構築フェーズでは有料が基本と考えておいたほうが良いでしょう。
コンテンツ制作フェーズ|効率的に高品質な記事制作が可能
コンテンツ制作フェーズでは、有料のキーワード検索ツールを使うことでより精度の高いキーワード調査が可能です。たとえば、有料のキーワード検索ツールで有名な「Ahrefs(エイチレフス)」では、キーワードのSEO難易度や月間検索ボリューム数など詳細な情報を取得できます。
また、コンテンツ内のコピー&ペーストの有無を確認するコピペチェッカーも、無料のツールだけではありません。コピペチェッカーの1つ「CopyContentDetector」の有料版では、無料版よりチェック待機時間が短縮されたり、一回のチェック文字数上限が増えたりといったメリットがあります。
上記で紹介した有料ツールや機能は、使わなくてもコンテンツは制作できるでしょう。しかし、有料ツールを活用することで、はるかに効率的かつ精度の高い作業が実現できます。
運用・改善フェーズ|より効果的な改善施策の実施
運用・改善フェーズでは、有料ツールを用いることで効果的な改善を行えるでしょう。たとえば、User InsightやMIERUCAといった有料分析ツールがあります。これらの分析ツールでは、ヒートマップによるユーザー思考の可視化、AIによる分析および改善提案など複数の機能があります。
無料のGoogle Analyticsなどのツールで分析する場合、担当者の経験や知識への依存が大きくならざるを得ません。ツール上に表示される情報の意味を理解し、どのように改善していくかは担当者の知識次第だからです。
有料ツールでも一定の知識は必要ですが、AIによる改善提案のように経験不足をツールが補ってくれます。そのため、Webマーケティングやオウンドメディア運用の経験が浅い担当者でも、効果的な改善施策の実行やコンテンツ内容の変更・更新がしやすくなるわけです。
オウンドメディアの有料ツールを使う際の注意点
オウンドメディアの有料ツールには、確かなメリットがあります。しかし、メリットがあるからといって、とにかく有料ツールを使えば良いというわけではありません。以下では、オウンドメディアの有料ツールを使う際の注意点を3つ紹介します。
1.利用目的を明確にする
2.活用できる人材がいるか確認する
3.費用対効果を検討する
いずれも、ツール選びに失敗しないための重要なポイントです。
利用目的を明確にする
まず、導入したい有料ツールは何のために使いたいのか、利用目的を明確にしましょう。目的が定まっていないと、せっかくツールを導入しても宝の持ち腐れになりかねません。目的としては、以下のような例があげられます。
・記事コンテンツの制作に際して、より精度の高いキーワード選定をしたい
・マーケティングの初心者しかいないため、有料ツールで効率的かつ効果の高い分析をしたい
上記のように、ツール利用の目的を洗い出してください。精度の高いキーワード選定がしたいなら、キーワード検索ツールが導入候補にあがります。効果の高い分析が目的なら、分析系のツールが検討に上がるでしょう。目的に合致するツールを採用すれば、有料ツールの効果を最大限に活かせます。
活用できる人材がいるか確認する
次に、自社内にツールを活用できる人材がいるかを確認してください。ツールは導入して終わりではありません。高機能なツールを導入したものの、使いこなせずに放置されてしまうといった失敗につながります。
ですので、自社にITツールに精通した人材がいるかを確認しましょう。もしいなかった場合は、新たなツール活用に積極的な人材がいるかも調べてみてください。たとえ初心者でも、ツール活用に前向きな人物であれば、次第に使いこなしてくれる可能性が高いからです。
いずれの人材もいない場合は、サポートが豊富なツールを選びましょう。初心者やITツールに明るくない場合でも、利用できるように支援してくれます。
費用対効果を検討する
費用対効果も検討しましょう。有料ツールは単に活用できるかだけでなく、支払う費用以上の効果を得られるかが重要です。どれだけ豊富な機能を備えていても、使いこなせなければ無駄なコストになってしまうでしょう。
有料ツールの中には、料金プランによって機能の幅を変えているものもあります。自社に必要な機能に基づいて、各有料ツールの料金プランや機能と照らし合わせてみてください。その中で、もっとも費用対効果の高いツールを導入しましょう。
オウンドメディアはコンテンツが最重要! ツール選びにとらわれすぎない
ここまで、様々な種類のオウンドメディアのツールを紹介してきました。しかし、ツールを導入したからといってオウンドメディアの質が自動的に上がるわけではありません。オウンドメディアの質と成功を支えるのはコンテンツです。「Googleが掲げる10の事実(※1)」にある通りSEOの観点からも、ユーザーに価値のあるコンテンツを届けることが重視されているのは明らかです。
ですので、ツール選びに囚われすぎないように注意してください。大切なのは、ツールを導入した上でいかにコンテンツの質を高められるかです。ツールを活用して何をしたいのか、コンテンツひいてはオウンドメディアの質をどのように高めていくのか。目的を見失わず、あくまでも目的達成のための手段としてツールを活用することが肝心です。
※1 出典:Google「Googleが掲げる10の事実」
https://about.google/philosophy/?hl=ja
ツールを活用して質の高いオウンドメディアを制作しよう
オウンドメディアのツールについて解説してきました。オウンドメディアのツールは、フェーズによって必須となるものや役立つものが異なります。費用をかけずにオウンドメディアを運用することは可能ですが、効率的かつ高品質なサイト運用のためにはツールの利用がおすすめです。ですので、まずはツール利用の目的を明確にし、その上で自社に適したツールを導入しましょう。