オウンドメディアの効果測定はどうすればいい? 重視すべきポイントをわかりやすく解説
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オウンドメディアを立ち上げた目的を達成するには、状況や段階に応じて効果測定を行う必要があります。ここではそんなオウンドメディアの効果測定において、どのようなポイントを重視すればいいのかを注意点と合わせて解説していきます。
業績改善のためにオウンドメディアマーケティングをスタートしたものの、期待した結果が得られているのかどうか、どうやって把握すればいいのかわからず困っているという人は、効果測定を行う際の参考にしてください。
オウンドメディアについて知りたい方は以下の記事もご参照ください。
オウンドメディアの効果測定で重視すべきポイント
オウンドメディアが機能しているのかどうかを確認するためには、効果測定が必要になります。ただし、闇雲に指標などをチェックするのではなく、いくつかポイントを押さえておかなくてはいけません。ここではまず、効果測定をする上で重視すべきポイントについて解説していきます。
実現可能なKGIとKPIを設定する
オウンドメディアを立ち上げるときに重要なのは、最終目標であるKGI(Key Goal Indicator)と中間目標であるKPI(Key Performance Indicator)を適切に設定することです。無理のある設定になっていると、実際には効果が出ているのに、目標のハードルが高すぎて「効果が出ていない」と判断されることがあります。
仮にKGIが「1年後に売り上げ50%アップ」だったとして、社内リソースを考えるとどれだけ努力しても30%アップが限界だとすると、どうしても目標は達成できませんよね。感覚だけで目標設定を行うと、このようなことが起きてしまいます。
最終目標も中間目標も感覚で決めるのではなく、必ず根拠のある目標を掲げてください。このとき、ただ「売り上げアップ」とするのではなく、何%アップさせたいのかなど数値を明確にして、具体的な達成率がわかるように設定するのも重要なポイントになります。
段階によって効果測定の指標を変える
オウンドメディアの効果測定を確認するための指標がいくつもありますが、どの指標を確認すればいいのかは、オウンドメディアがどの段階にあるのかによって異なります。たとえばオウンドメディアの立ち上げ期には、流入数アップが重要ですのでPVやUUをチェックします。
立ち上げ期:PV・UU・セッション
見込み顧客獲得期:直帰率・回遊率・滞在時間・スクロール量
目標達成期:CV
このように、オウンドメディアの段階ごとにチェックすべき指標が異なります。もちろんチェックするだけでなく、その段階ごとの指標が改善するように手を打つことが重要です。想定していた数値になっていないなら、コンテンツ記事やサイト構成の見直しを行ってください。
本来の目的に対する成果も効果測定する
効果測定をすると、ついつい指標だけを追いかけてしまいがちで、オウンドメディアを立ち上げた本来の目的が置き去りにされてしまうことがよくあります。指標はあくまでも、最終目標を達成するための途中経過でしかありません。
いくら指標が目標どおりになっていても、最終目標が達成できていないのであれば、そもそも目標設定が間違っていた可能性があります。指標を確認しつつも、それが本来の目的に対する成果につながっているかもチェックしましょう。
また、社内で効果測定の結果を共有することも重要です。オウンドメディアが業績アップにつながっているとわかれば、担当者のモチベーションがアップします。効果測定するだけで終わらせずに、できるだけ社内で成果を共有しましょう。
オウンドメディアを効果測定するときの注意点
どの企業もオウンドメディアを運営するにあたっては業績アップなどの効果を期待しているため、効果が費用に見合わないとなると、企業によっては撤退してしまうことも珍しくありません。そうならないために、オウンドメディアの担当者が効果測定をするうえで、頭に入れておかなくてはいけない注意点について解説します。
会社全体で成果が出るように方針を共有する
オウンドメディアの効果は、立ち上げ当初に狙っていたところとは違うところに現れることがあります。たとえば徐々に認知度が高まっていくことで、新卒採用の応募数が増えたり、新規の営業先で商談が成立しやすくなったりします。
このような効果はPVやCVといった指標だけでは判断できませんが、会社にとっては大きなメリットになることは想像に難くありません。ただ、これらの情報はオウンドメディアの運営部署だけでは得ることができませんので、他の関連部署との連携が重要になります。
効果測定はわかりやすい指標ばかりチェックしがちですが、それだけで効果を完全に把握できるわけではありません。社内でオウンドメディアのマーケティング方針や施策をきちんと共有し、各部署からのフィードバックを受けられる体制を整えましょう。
効果測定は定期的に行う
効果測定は1度すれば終わりだと思っている人もいるようですが、効果測定でできるのは現状確認です。大事なのは現状を把握して改善していくことですので、PDCAサイクルを意識して定期的に効果測定を行ってください。
まずは効果測定を行い、運営しているオウンドメディアの課題を明確にします。そして、課題をクリアするために何をすればいいのかを考え、改善のための手を打ちます。実際に改善したかどうかを確認するために効果測定を行うわけです。
効果測定はオウンドメディアを改善し続けるために行います。オウンドメディアを運営し続ける限り、定期的に効果測定を行う必要があると覚えておきましょう。
結果をすぐに求めない
オウンドメディアを運営するうえで、社内で共有しておかなくてはいけないのが、「結果が出るのには時間がかかる」という考え方です。オウンドメディアの課題を解決するために手を打っても、その効果が出るまでに少なくとも3ヶ月程度はかかると見てよいでしょう。
売り上げアップなど、業績面でのはっきりとした効果が感じられるようになるには、立ち上げてから1~3年以上かかることもあります。半年くらいしたところで効果測定を行ってもほとんど効果がなく、しびれを切らして打ち切ってしまうことがありますが、半年で結果がでるオウンドメディアは一部のみです。
最初の1年は効果がなくても継続することが大切です。ただ、そのことを社内全体で把握していないと、運営に反対する人も出てきてしまいます。それを回避するために、結果がでるまでには時間がかかるという考え方を社内の全員で共有しておきましょう。
オウンドメディアの効果測定で成果が出ない理由
オウンドメディアの効果が得られるまで時間がかかるとお伝えしましたが、1年以上も運営しているのに、どうも成果が出ていない、感じることがあるかもしれません。時間が経過したのに効果が得られない場合には、オウンドメディアそのものに問題があると考えられます。
そこで本項では、オウンドメディアの効果測定で成果が出ないときに考えられる、3つの理由についてご紹介していきます。
コンテンツが不足している
Googleの検索などで上位表示されるためには、それなりのコンテンツ量が必要になります。コンテンツ記事の情報量や本数が不足している場合には、他のサイトと比べてユーザーに有益なサイトではないと判断される可能性があるためです。
どれくらいのコンテンツボリュームが必要になるかは、集客したいキーワードによって異なりますが、検索順位が低くてアクセス数が少ないという指標が出ている場合には、オウンドメディアのコンテンツを充実させましょう。
自社でリソースが足りない場合には、コンテンツ制作だけを外注するといった方法もあります。業務が忙しかったり、社内に文章作成できる人材がいなかったりして、コンテンツを増やせそうにない場合には、コンテンツを作成してくれる業者に相談してみましょう。
コンテンツがSEOを意識していない
オウンドメディアで成果を出すには、コンテンツの絶対数が重要になりますが、それと同じくらいSEOを意識することが重要です。いくらコンテンツがあっても、SEOを意識して作っていない場合には検索上位に表示されず、アクセス数が伸びません。
さらに検索されたとしても、内容が専門的すぎて、読み手が理解できない場合には、コンバージョンするまえにオウンドメディアから離脱されてしまいます。そうならないためにも、まずはSEOを意識したコンテンツ作成を心がけて、さらに離脱率が低くなるように内容を見直しましょう。
ただしSEOに対する知識が必要になりますので、社内に適任者がいない場合には、SEOの専門家に協力してもらいましょう。
実現可能な目標設定になっていない
オウンドメディアを立ち上げるときには、競合他社のオウンドメディアなどを参考にしてPVなどの指標を設定することになりますが、いざ運営を開始してみると実際の成果が目標値とかけ離れていることがよくあります。
この場合には、オウンドメディアに問題があるのではなく、そもそもの目標設定が間違っていたのではないかという視点も必要になります。とくに先行している競合他社がある場合には、目標を実現するのは簡単なことではありません。
担当者は目標を達成できないことに対してプレッシャーを感じることになり、小手先のテクニックで目標をクリアしようとして、結果的にオウンドメディアの質が下がってしまうこともあります。そうならないためにも、目標設定に問題がないか定期的に見直しましょう。
オウンドメディアの効果測定を自社で行うメリットと専門家に依頼するメリット
オウンドメディアの効果測定をする場合には、ツールを使って自分たちで行う方法とコンサルティングなどの専門家に依頼する方法があります。それぞれで特徴が異なりますので、ここではどちらを選ぶか判断するために、それぞれのメリットについてご紹介していきます。
ツールを使って自社で行うメリット
コンサルに依頼せずに、ツールを使って自社で効果測定や改善をさせる方法には、下記のようなメリットがあります。
▼ツールを使って自社で行うメリット
・コストダウンになる
・自社に運用ノウハウが溜まる
コンサルに依頼したときに、どの範囲までお願いするかによって費用は異なりますが、毎月固定費として数十万円の出費になります。ツールを使えばその費用を大幅に減らせるため、最小限の予算でオウンドメディアを運営できます。
最初は試行錯誤になりますが、改善を積み重ねていくことで運用ノウハウが自社に溜まっていくのも、自社で効果測定を行うメリットのひとつです。
コンサルなどの専門家に依頼するメリット
コンサルに効果測定を依頼するとまとまった金額の費用が発生しますが、それに見合うだけの下記のようなメリットがあります。
▼コンサルなどの専門家に依頼するメリット
・専門知識でサポートしてくれる
・リソースを減らせる
コンサルなどの専門家はSEOやオウンドメディア運用に関するノウハウがあるため、自社で効果測定を行うよりも効率よく成果を上げられます。このため、少しでも早く効果を実感したいというのであれば、コンサルに依頼するのがおすすめです。
また、コンサルにはコンテンツ制作も依頼できるので、自社のリソースが限られているケースでも、滞ることなくコンテンツを増やしていけます。
アルゴリズムの変更後はすみやかに効果測定を行うこと
効果測定は定期的に行う必要があるとお伝えしましたが、定期的な測定とは別にすみやかに測定しなくてはいけないタイミングがあります。それはGoogleの検索アルゴリズムに変更があったときです。
アルゴリズムの変更があると、これまで検索1位にあったコンテンツの順位が大幅に落ちてしまうこともあります。それに気付かずに放置していたら、アクセス数が減ってしまい、売り上げもダウンするため、すみやかに対応しなくてはいけません。
アルゴリズムの変更で検索順位が下がってしまった場合には、その原因を推定してコンテンツを改善しましょう。同時に、アルゴリズムの変更があっても影響を受けにくい、訪問者にとって役立つコンテンツづくりをも意識して再構築を行ってください。
効果測定をしっかりと行ってオウンドメディアを改善しよう
オウンドメディアを運営するときに大切なことは、コンテンツを作ったらそれで終わりではなく、きちんと効果測定を行うことです。効果測定の結果をもとにコンテンツの改善を行い、さらに効果測定を行うといったサイクルも重要になります。
効果測定と改善には終わりがなく、さらにはアルゴリズムの変更に合わせて最適化し続ける必要があります。とても手間がかかるように感じるかも知れませんが、オウンドメディアで成果を得るためには最低限必要なことですので、運営し続ける限り、効果測定と改善のサイクルを継続していきましょう。