コンテンツマーケティングの成功事例を、BtoBとBtoCに分けて12社ご紹介をしています。
コンテンツマーケティングに成功することができれば、自社サイトへのアクセス増加やブランディングに貢献し、結果として中長期的に売上にも好影響を与えます。
そうした背景から、コンテンツマーケティングを含むコンテンツ市場は年々拡大しています。
総務省の「令和6年版 情報通信白書」によれば、2018年時点の11.9兆円から、2022年時点で12.4兆円へ拡大し、その後も拡大しているとされています。

引用:令和6年版 情報通信白書
しかし、コンテンツマーケティングが簡単に成功するかというと、そうではありません。コンテンツマーケティングに取り組む競合も増え、その手法も多様化しており、以前よりも成功のハードルは高くなっています。
成功のためには、自社の価値を正しく伝え、適切な手法を駆使し、ユーザーに共感と信頼を得る工夫が必要です。すでに成果を上げているコンテンツマーケティングの成功事例は、そのためのヒントになります。
この記事を読めば、あなたのサイトにとって有益なマーケティング戦略のヒントがきっと見つかるはずです。ぜひ参考にしてください。
記事の監修者
藤井 慎二郎 / 株式会社オロパス 代表取締役
SEOコンサルタントとしてBtoB、BtoC問わず、1,000社以上のWebサイトをコンサルテイングを行ってきた実績を持つ。経営軸の高い視座で戦略的にSEOを進めることが得意。 2014年に現在の株式会社オロパスを設立。それまでのSEO知見を活かしてSEOツール「パスカル」を開発。
コンテンツマーケティングの本質とは何か
コンテンツマーケティングの成功には、その本質を理解することが重要です。
コンテンツマーケティングとは、顧客にとって価値のある情報を継続的に発信し、自社のファンを育てていくマーケティング手法です。見込み顧客の関心や信頼を獲得し、最終的には商品やサービスの購入や契約へとつなげていきます。
この考え方は、インバウンドマーケティングとも密接に関係しています。従来の営業を主としたアウトバウンドとは異なる手法であることも理解しておく必要があります。
コンテンツマーケティングの本質は、コンテンツを通じた「価値の提供」にあります。広告や営業による売り込み型ではなく、ユーザーの課題解決やニーズに寄り添うことが重要です。
ユーザーにとって価値あるコンテンツを軸に据え、「集客→育成→購買行動」というプロセスを、自然なサイクルで戦略的に設計することが求められます。
逆に言えば、サイクルを設計できず、コンテンツを通じて顧客に価値を提供できなければ、コンテンツマーケティングは失敗します。自然な顧客体験を通じて、自社や提供するサービスに興味を持ってもらうための工夫が必要です。
成功するためには、「どのようなユーザーに」「どんな手法で」「どのような価値を伝えていくか」を深く理解しておくことが重要です。
ファンを増やすために正しく「価値」を伝えることが重要で、そのためにはコンテンツの中身はもちろん、ターゲットを踏まえた手法の選択も重要になることは理解しておきましょう。
【BtoB】コンテンツマーケティングの成功事例5選


では、成功している企業は、どのようにコンテンツマーケティングを実施しているのかをお伝えします。ここではコンテンツマーケティングの参考になるサイトを、BtoB・BtoCに分けてそれぞれ6つずつ紹介していきます。
まずはBtoBの分野から事例をご紹介しますが、BtoBのコンテンツマーケティングは、主に法人の課題解決に向けた情報提供が中心です。例えば、業務効率化、コスト削減、法規制対応など、明確なニーズに応える有益な情報コンテンツの提供がカギとなります。
ここで紹介する事例はオウンドメディアやSNSなどの各手法を上手に使い、有益な情報を伝えるコンテンツマーケティングを実践しています。
Money Forward Bizpedia|株式会社マネーフォワード


「Money Forward Bizpedia」は、クラウド型会計ソフトを提供している株式会社マネーフォワードが運営するメディアです。会計や経理、確定申告、電子化など、バックオフィス業務の効率化に役立つ情報を分かりやすく発信しています。
導線設計が優れている
Money Forward Bizpediaの特長として注目すべきところは、コンテンツの導線設計が優れている点が挙げられます。
会計・経理に関連するキーワードの多くで上位表示していることも強みですが、そこからのSEO検索流入が単純に多いだけではなく、記事の文中にも関連した記事へのリンクが複数箇所に付けられています。
「くらしの経済メディア MONEYPLUS」など複数サイトを運営しているため、各メディア間の送客を重視し、バナーのコンバージョンレートをデータ測定しながら改善を図っているそうです。
ユーザーが自分にとって価値ある情報をすぐに確認できるよう、導線の設計によりユーザーにとって必要な回遊を促し、読み手の疑問をメディア内外ですぐに解決できる仕組みになっています。
ダウンロードコンテンツが充実している
もう一つの特徴として、無料でダウンロードできる資料コンテンツ(ホワイトペーパー)が非常に豊富です。
業務効率化のノウハウや経費削減のアイデアなど、顧客にとって価値のある情報を幅広く用意・提供しているほか、業務カレンダーや経理担当者向けのExcelブックなどもダウンロードすることができます。
高品質なダウンロードコンテンツを充実させることが、より多くの見込み客=ファンの情報獲得につながっていると考えられます。
Salesforceブログ|株式会社セールスフォース・ジャパン


株式会社セールスフォース・ジャパンは、総合CRMプラットフォーム「Salesforce」を提供している会社です。
オウンドメディアの「Salesforceブログ」、YouTubeチャンネル「Salesforce Japan」は非常に経営者層のファンの多いメディアです。
セールスフォースブログでは、セールスフォースのサービス導入を検討している企業担当者や既に利用している方向けに、営業、マーケティング、カスタマーサービスなど、ビジネスに役立つ様々な価値あるコンテンツを継続的に発信しています。1万人以上の登録者を誇るYouTube公式チャンネル 「Salesforce Japan」では、導入事例やハウツー動画を中心に、記事だけでは伝えきれない魅力的な動画コンテンツを配信しています。
価値ある記事をターゲットにあわせて書いている
世界的なアクセスがあるSalesforceブログの記事は、エンタープライズ規模のSEO戦略を多言語で展開してます。どの記事も専門性が高く、具体性のある内容になっています。取締役副社長や営業部門の部長が持論を展開する記事など、ここでしか得られない情報が満載です。専門性の高いターゲット層に合わせて、上手にアプローチできていることが魅力でしょう。
ビジネスのトレンドや各業界の最新情報も記事で紹介しており、ターゲットとなるユーザーは鮮度の高い情報を手に入れることができます。
ターゲットにあわせた資料コンテンツがある
ビジネスの課題解決に役立つダウンロード資料を幅広くストックしているのも特長の一つです。記事の最後で、メールマガジンの登録ボタンや関連性のあるホワイトペーパー、eBookへの誘導をするためにCTAを工夫しています。
ユーザーに記事内で学びを与え、自然な流れで価値ある情報のダウンロードを促す仕組みが構築されています。
SATORI マーケティングブログ|SATORI株式会社


「SATORI マーケティングブログ」は、マーケティングオートメーションツールの提供を行っているSATORI株式会社が運営するブログです。よく事例記事でも取り上げられる代表的なMAツールのサイトです。
SATORI株式会社は、多様な業界の企業のデジタルマーケティングやWebマーケティングの支援をしています。マーケティングの基礎知識やノウハウ、マーケティングオートメーションツールの有用性など、マーケティングに関する様々な内容を丁寧に解説し、ファンである顧客に届けています。
ユーザーファーストを意識したコンテンツ作り
SATORI マーケティングブログの記事には、専門用語も多いですが、構成はわかりやすいよう、表や図、イラストなどがバランスよく挿入されています。それによりユーザーのストレスを軽減しつつ、読みやすい設計となっており、全体の構成や解説もコンテンツマーケティング初心者にも届きやすい内容となっています。
読者であるユーザー第一の姿勢で、BtoBやマーケティング関連の価値あるコンテンツを継続的に提供することで、信頼性の獲得や集客に成功しています。
複数メディアを上手に役割分担
SATORIでは複数メディアの役割を上手に分けて活用しています。
たとえば、FacebookやTwitterなどのSNS広告では、資料ダウンロードやセミナー集客を促しています。
また、オンラインイベント・セミナーはリードジェネレーションの役割を果たしており、具体的には「コンテンツマーケティング基本戦略」などのテーマで、動画や診断・漫画などの形式を分けて配信しています
YouTubeではMAの活用事例や製品説明など、視覚的に必要な情報がまとめられています。このように、複数メディアで伝えるべきコンテンツを理解し、そこに適したコンテンツを配信して成果をあげています。
ねじ締結技術ナビ|ハードロック工業株式会社


ハードロック工業株式会社は、ゆるみ止めねじの開発、製造、販売などをメイン事業とする会社です。ねじ締結の課題解決に貢献する技術情報サイトとして、「ねじ締結技術ナビ」を運営しています。ねじの締結に特化した専門性の高いコンテンツを制作することで、専門家としての地位確立を図っています。
専門コンテンツのクオリティが非常に高い
ねじ締結技術ナビのコンテンツは、ニッチな業界だからこそ、テキストや画像の一つ一つが丁寧に制作されています。文章テキストだけでなく、たとえばネジの構造などもオリジナルの図や表を用いた解説を行っているため、非常に分かりやすいです。また、カテゴリー検索やタグ検索も可能で、ユーザーが必要とする情報にスムーズにたどり着けるよう設計されています。
動画コンテンツを上手に活用している
ねじ締結技術ナビでは、YouTubeを利用して技術動画を公開しています。動画を活用したコンテンツマーケティングは、情報量の多い内容でも、視覚的に負担なく伝えやすいのが特徴です。
このサイトでは「ねじの疲労試験」や「ねじのゆるみ評価」など、独自の検証動画も公開しており、ユーザーにとって非常に価値を感じるものとなっています。内容のクオリティも高く、企業としての信頼性や権威性の獲得に大きく貢献しているといえるでしょう。
参考:ねじ締結技術ナビ
サイボウズ式|株式会社サイボウズ


サイボウズ株式会社は、グループウェア「kintone」などを展開するソフトウェア企業です。自社の価値観や働き方、組織文化を発信するオウンドメディアとして「サイボウズ式」を運営しています。
「チームワークあふれる社会をつくる」という明確なビジョンを軸に、企業のブランドイメージ向上と共感づくりに大きく貢献しているメディアです。
組織・働き方に関する深いテーマを掘り下げている
サイボウズ式では、「多様性」「副業」「働き方の価値観」「離職」「家族と仕事のバランス」など、現代的なテーマを自社の実例やインタビューを、ストーリー性を交えて丁寧に伝えています。
情報発信の主軸は製品の直接的なPRではなく、読者が共感・考察できる“人”や“組織”を描くことに重きを置いているのが特徴です。まさに「ファンを増やす」ということを体現しています。
質の高い読み物がSNSでのシェアを生む
コンテンツの多くはインタビュー形式やコラム形式で構成されています。長文でもストレスなく読めるデザインと文体が魅力です。文章で難しい部分は、YouTubeやSNSを通じて動画などで配信しています。
SNSでもたびたび話題になり、特にX(旧Twitter)やnoteなどでのシェアから、新しい読者層を獲得していることも特徴です。
自社のリアルな裏側もコンテンツに
特徴的なのは、自社の課題や失敗、葛藤を隠さずに発信している点です。他にこのようなことを発信するメディアは少ないです。
「社員がなぜ辞めたのか」「なぜ副業を認めたのか」など、知られたくない裏側もあえて公開することで、透明性の高いブランドイメージを形成しています。この姿勢が多くの読者の信頼を集めている理由の一つでしょう。
参考:サイボウズ式
Live Commerce|株式会社デジタルスタジオ


株式会社デジタルスタジオが運営する「Live Commerce」は、越境ECに特化したBtoB向けのECプラットフォームです。よくEC向けの事例では取り上げられることの多い事例です。世界各国の顧客に向けて日本の商品を販売するための機能を提供し、メーカーや卸業者、小売企業のグローバル展開を支援しています。
言語・多通貨対応のEC構築支援
Live Commerceでは、企業が商品やサービスを海外販売するために必要な多言語対応や、決済と物流管理を含めたECサイト構築の一連サービスをワンストップで提供しています。
「越境ECの最新動向」など、特に海外地域への支援が魅力です。中国・アメリカ・東南アジア等の市場へのサポートがあり、海外からの注文受付から発送、カスタマー対応までを包括しています。
オウンドメディアとメルマガを軸にしたリード獲得
オウンドメディアやブログ、メールマガジンの活用を通して、越境ECに関するノウハウや業界動向を発信しています。「インバウンド回復後の越境EC戦略」や「海外販売で注意すべき法律・税制度」など、専門性の高いブログ情報が人気を集めています。
メールマガジンでは、毎週金曜日に配信を固定し、購買ユーザーの閲覧習慣化を目指しています。メールにはHTMLを利用し、スマートフォンでも読みやすい設計にしています。良質なコンテンツの配信方法を工夫することで、その効果を最大限引き出しています。
これらのコンテンツを起点に、資料請求やセミナー申し込みへとユーザーを上手に誘導しています。
【BtoC】コンテンツマーケティングの成功事例5選


ここまでBtoBの事例をご紹介してきましたが、続いて、BtoCの成功事例を5つ紹介していきます。
くらしの研究|花王株式会社


花王株式会社が運営する「くらしの研究」では、家事や家計、美容、健康に関することなど、生活全般の様々なお役立ちコンテンツの情報を発信しています。
ユーザーの悩みや質問に回答できるようなコンテンツ設計を意識していることが、サイトコンテンツからも見て取れます。
たとえば、家庭での手洗いや衛生をテーマにした独自調査をまとめた記事や、医師や管理栄養士などスペシャリストによるコラムも掲載しており、ユーザーの興味関心を集めるコンテンツが豊富です。
ユーザーニーズを正しく把握している
くらしの研究の特徴として、ユーザーが今知りたい、解決したいと思っているテーマの選定が的確であることが挙げられます。
たとえば「更年期」の方や、「オーラルケア」など、それぞれの課題に即したテーマの記事を作成しています。ユーザーのニーズを正確に把握するために、生活現場での視察やインタビュー調査などを行い、閲覧者に合わせて生活者一人ひとりの思いや悩みをリサーチしているそうです。
コンテンツ制作や商品開発に対する真摯な姿勢がうかがえます。
魅力的なコンテンツが充実
「美容・健康」「家事・家計」「育児・家族」「社会」など、ライフステージ別でカテゴリーを分けた研究のコンテンツには、写真やイラストがふんだんに使われており、視覚的にも分かりやすい内容でストレスなく読み進めることができます。
衣類の正しいお手入れ方法やお風呂のカビ対策など、実際の暮らしに役立つコンテンツが充実しており、ユーザーにとって実用的かつ魅力的なメディアとなっています。
参考:くらしの研究
メガネスタイルマガジン Omg Press|オーマイグラス株式会社


オーマイグラス株式会社が運営する「メガネスタイルマガジン Omg Press」では、メガネやサングラスに関する情報を幅広く発信しています。メガネの知識や選び方から、修理・調整、トレンド、目の健康まで、扱うジャンルは多岐にわたります。
ECサイトへの導線を確保している
オーマイグラス株式会社は、国内最大級のメガネECオンラインストア「オーマイグラス オンラインストア」の運営を行っています。コンバージョンの一つにサイト流入がありますが、メガネスタイルマガジン Omg Press内のトップにECサイトへの導線を設置することで集客効果を高めています。ECからの売上が約20%を占めているそうです。
ユーザーが求める情報を積極的に発信
メガネスタイルマガジンOmg Pressでは、メガネに興味・関心を持っているユーザーが求める情報を積極的に発信しています。例えば、顔型の診断、レンズの種類、メガネのケア方法などあらゆるテーマに関して積極的にコンテンツを作成・配信をしています。
作成したコンテンツはSEO対策(検索エンジン対策)を定期的に見直し、成果につなげているそうです。また、YouTubeやTwitter、Instagramなどのメディアも活用し、認知度向上を図っている点も成功のポイントといえるでしょう。
ベネッセ 教育情報サイト|株式会社ベネッセコーポレーション


「ベネッセ 教育情報サイト」は、「進研ゼミ」などで有名な株式会社ベネッセコーポレーションが運営する教育系の総合情報サイトです。親世代をターゲットに、子育て、教育、受験などの情報を広く発信しています。
コンテンツの種類が豊富
ベネッセ教育情報サイトでは、ユーザーに興味を持ってもらうために、記事のほかにも、マンガ、ゲーム、適性検査、診断ツールなど、様々なコンテンツを提供しています。
夏休み特集や入学準備特集など、シーズンに応じた情報発信に力を入れているのも特徴です。 ライターの更新頻度も高いため、ユーザーを飽きさせず、サイトへの再訪問やファン化の促進に成功しています。
煩わしさを感じさせないCTA設計
ベネッセ 教育情報サイトのCTAは、どちらかというと控えめな印象です。記事の冒頭や最後にのみ、会員登録などのCTAを配置しているため、記事を読んでいるユーザーに煩わしさや押し付けがましさを与えません。良質な記事で顧客ロイヤリティを高め、自然な流れでCTAに誘導しています。
参考:ベネッセ 教育情報サイト
Green Snap|GreenSnap株式会社


GreenSnap株式会社が運営する「Green Snap」は、植物・花好きが集まって楽しむコミュニティサービスです。植物や花の写真を投稿したり、ユーザー同士で交流したりすることができます。植物の種類や育て方、旬の情報なども満載で、Webメディアとしても大きな成長を遂げています。
多彩なメディアを展開
GreenSnap株式会社は、植物に関するオウンドメディアを複数展開しています。コミュニティサービスが充実した「Green Snap」の他に、植物情報メディア「HORTI」、観葉植物・多肉植物の販売サイト「GreenSnapSTORE」などがあります。
さらに、InstagramやTwitter、Facebookなどからも情報発信を行っています。コミュニティ、ブログ、ECサイト、SNSと多彩なコンテンツを組み合わせてマーケティングに活用したことも、成功に至ったポイントと考えられます。
ユーザーニーズを満たすコンテンツが充実
Green Snapは、植物に関する様々なニーズを満たす設計になっています。具体的には、サイト上で植物の情報を調べる、オンライン店舗で植物を購入する、ユーザー同士で交流を楽しむ、といったことが可能です。植物好きの人々にとって非常に魅力的なメディアといえるでしょう。
満足度の高い良質なコンテンツが充実しているのも特徴で、月間1,000万PV以上を記録しており、高い集客力を証明しています。
参考:Green Snap
となりのカインズさん|株式会社カインズ


「となりのカインズさん」は、株式会社カインズが運営するオウンドメディアです。DIYを中心に暮らしのアイデアを提案するコンテンツプラットフォームです。
「ホームセンターで遊び倒す」というユニークなコンセプト・方針のもと、商品紹介にとどまらず、ユーザーが実際に試せるDIYレシピや専門家によるコラムを発信し、カインズファンのエンゲージメント向上に貢献しています。
暮らしに役立つ“読み物”をブランド資産に
「となりのカインズさん」では、プロの職人や著名なクリエイターが執筆・監修する記事を多く掲載する取り組みをしています。ストーリー性の高いコンテンツも多く、コンテンツとしての質の高さが特長です。検索順位対策も意識しつつ、読み物として純粋に楽しめる記事が多く、従来のホームセンターの枠を超えた“ライフスタイルメディア”としてのポジションを築いています。
購買につながる文脈設計と回遊導線
コンテンツ記事から公式オンラインストアへの動線設計も工夫されており、“読んで終わり”ではなく、“読んで試したくなる”体験が設計されています。メディアと店舗、ECを連動させたオウンドメディア活用の好事例といえるでしょう。
参考:となりのカインズさん
北欧、暮らしの道具店|株式会社クラシコム


株式会社クラシコムが運営する「北欧、暮らしの道具店」は、BtoCをターゲットとしたメディアです。
雑貨販売を軸としながらも、読み物や映像コンテンツを通じてブランドの世界観を伝えるECメディアとしてよく取り上げている事例す。商品紹介ではなく、暮らしの物語という価値を丁寧に描くコンテンツ設計が特徴で、購買に至るまでの心理的な納得感を重視しています。
ストーリーから始まる購買体験
オウンドメディアのコンテンツでは、アイテムの機能よりもその付加価値の部分、つまり「暮らし」を描き、読者に共感や想像を促します。購買導線は控えめながらも、物語に共感したユーザーが自然に商品に興味を持つ構成になっています。
例えば、ほぼ商品の出てこない複数の記事で構成しているストーリー仕立ての記事もあり、特に商品を欲しいと思わずとも、次の記事へと流れてしまうような構成です。
リピート購入促進にはアプリを活用
オウンドメディアの他にも複数のメディアを運用しており、特にアプリをリピーター促進のために活用していることが特徴的です。
PRTIMESによれば、2024年11月時点で400万DLを超えています。全体の7割以上の売上をアプリ経由で生み出しているそうです。
アプリはオウンドメディア・SNSやYouTubeのハブのような役割も果たしており、今後さらに伸びていくことが予想されます。
KPIより“納得感”を大切に
クラシコムの編集方針は、PVやCTRではなく「読者が喜んでもらえるか」を基準にしているそうです。効率性よりも世界観の一貫性を優先し、ECと読み物の境界をなくす独自モデルを確立しています。
参考:北欧、暮らしの道具店
コンテンツマーケティングの成功事例の共通点
ここまで、BtoC、BtoB合わせて合計12個のコンテンツマーケティングの事例を紹介してきました。
成功事例に共通していることは、自社の製品・サービスの価値を深く理解し、その価値を伝えるために適したコンテンツを上手に配信していることです。
コンテンツマーケティングを実施する際、複数のコンテンツに適した役割を与えて、ユーザーが自ら行動を起こすよう誘導し、売上につなげる工夫が見られます。
ただし、事例のように戦略を実践したくても、企業規模や内部事情で実践できる施策は限られているケースがほとんどです。いきなり成功事例の全てを真似をしようとはせず、まずは以下のことを整理・理解していきましょう。
- 自社サービスの価値は何か
- 自社のターゲットはどんな方か
- ターゲットが利用しているメディアは何か
これらを明確にしたのち、配信手法やコンテンツ設計をはじめとした自社の戦略や目標設計を明確にして、コンテンツマーケティングを実施していくべきです。そうすればきっと、あなたの会社の成功は大きく近づくでしょう。
コンテンツマーケティングの各手法と期待効果


では、コンテンツマーケティングに活用できる手法には実に多くの手法が存在します。コンテンツマーケティングで着実に成果を上げて目標を達成するためには、どのようなコンテンツを作成し、どの手法で施策を展開していくのかが重要なポイントとなります。
手法の数ではなく、各コンテンツに「役割」を設定することが成功の鍵になります。
事例でもいくつか紹介しましたが、よくコンテンツマーケティングに使われる主なコンテンツと、それぞれに期待される効果を一覧にまとめました。
| コンテンツの種類 | 主な目的 | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| ウェブサイト (コーポレートサイトなど) |
企業・ブランドの顔としての情報発信、信頼性向上、ハブ機能 | ブランドイメージ構築、SEOによる認知度向上、他コンテンツへの誘導 |
| ブログ記事 | ユーザーの課題解決、情報提供、SEOからの流入数獲得 | 潜在顧客の集客、顧客育成(ナーチャリング)、専門性の確立 |
| ランディングページ(LP) | 特定のアクション(資料請求、問い合わせ、購入など)への誘導 | コンバージョン率の最大化、広告効果の向上 |
| ホワイトペーパー | 見込み顧客の獲得、深い情報提供、課題解決 | リード獲得、顧客育成、ソリューション提供による信頼構築 |
| メールマガジン | 既存顧客・見込み顧客との継続的な関係構築、情報提供 | 顧客ロイヤルティ向上、リピート購入促進、イベント告知 |
| 導入事例 | 製品・サービスの具体的な価値や効果の訴求、信頼性向上 | 購買意欲の向上、成約率アップ、顧客の不安解消 |
| レビュー | 信頼性向上、購買促進 | 潜在顧客の購買決定の後押し、製品・サービスの改善点発見 |
| オンラインイベント、ウェビナー | 潜在顧客との直接交流、リード獲得、エンゲージメント向上 | 広告のターゲティング設計を生かしたリード獲得、見込み顧客との関係深化、リードナーチャリング、ブランド認知度向上 |
| SNS | リアルタイムの情報発信や広告の配信、コミュニティ形成、ブランド認知度向上 | 顧客とのエンゲージメント強化、新規顧客獲得、口コミ拡散 |
| 動画 | 視覚・聴覚に訴えかける情報伝達、エンゲージメント向上 | 製品・サービスの理解促進、ブランディング、SNSでの拡散 |
| オフラインコミュニティ | 顧客同士の交流促進、ロイヤルティ向上、情報収集 | 顧客の定着化、LTV(顧客生涯価値)向上、新機能開発のヒント |
このように、コンテンツマーケティングに活用できるコンテンツの種類は非常に豊富です。記事作成やリライトを手探りで行うだけでは、コンテンツマーケティングで成功するのは難しいでしょう。
成功するためには、各メディアの役割を明確にし、それに基づいて配信コンテンツの設計やKPI設定に取り組むことが大切です。ターゲットやニーズを的確に知っておき、それに合ったコンテンツ配信をする方向で社内の相談ができれば、より高い効果が期待できます。
BtoBとBtoCのコンテンツマーケティングのポイント


また、BtoBとBtoCではコンテンツマーケティングの手法が異なることを理解しておきましょう。どのような違いがあるのか、実施時に注意すべきポイントを詳しく見ていきます。
BtoBのコンテンツマーケティングのポイント
BtoBのマーケティングは、法人の課題解決に向けた情報提供が中心です。たとえば、業務効率化やコスト削減、法規制対応など、明確なニーズに対して有益な情報を届けることが基本となります。
意思決定プロセスが複雑
企業間の取り引きとなるBtoBでは、担当者一人でだけでなく、他部署や上層部の合意を得た上で購入・導入に至るケースが多いです。意思決定に時間がかかる傾向があるため、長期的な施策を展開して、継続的に信頼関係を築いていく必要があります。
重要なのは、その分野の専門家としての信頼を得ることです。専門性の高い良質なコンテンツを制作し、提供していくことが成功のカギとなります。
専門性が信頼の鍵
読み手はプロフェッショナルです。したがって、専門性・独自性の高い内容や一次情報を元にした解説が、信頼を生みます。また、業界動向・トレンド・事例の提供は、競合との差別化ポイントにもなります。企業担当者は法人を相手にしているため、特に情報取得には敏感であることを理解しておきましょう。
営業活動と密接に連携する
BtoBのコンテンツは、「営業活動の武器」としても機能します。たとえば、セールスが訪問前に送る資料や、商談後に送るフォローアップメールのリンク先としてオウンドメディアの記事を活用するなど、活用方法は多岐にわたります。
BtoCのコンテンツマーケティングのポイント
反対にBtoC領域では、消費者個人の「感情」や「ライフスタイル」に響くコンテンツが鍵を握ります。価格や機能だけでなく、「このブランドを選ぶ理由」や「自分に合う世界観」を明確に伝えることが、購買行動に直結します。
共感・感情を重視
BtoCでは「理屈」よりも「感覚」が購買を左右します。たとえば、商品そのもののスペック説明よりも、「この商品を使ってどんな生活が待っているか」をイメージさせることが重要です。
SNSや動画との親和性が高い
InstagramやYouTube、TikTokといったSNSは、BtoC企業の主戦場です。視覚的訴求×ストーリーテリングによって商品やブランドのファンを増やす仕掛けが有効です。
ユーザーに「役に立つ」「面白い」と感じさせるコンテンツであれば、SNSなどでシェアされる可能性もあります。コンテンツが広く拡散されれば、認知拡大やリード獲得などのより大きな効果が期待できます。
このように、BtoB、BtoCのどちらかを対象とするのかによって、重要なポイントが異なってきます。実施する手法や、重視するチャネルの選定選びの際は、留意しておくと良いです。
自社運用と外部委託のどちらでコンテンツマーケティングを進めるべき?


最後に、コンテンツマーケティングを実施する際には、自社運用と外部委託の2つの方法がありますので、これらの違いも理解しておきましょう。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自社にとって最適な選択をしましょう。
自社運用のメリット・デメリット
自社運用の大きなメリットは、制作ノウハウを社内に蓄積できる点です。戦略設計からコンテンツ制作、効果測定や検証、改善までの一連の流れを経験することで、コンテンツマーケティングへの理解が深まります。
実務を担うことで各担当者のスキルが向上し、質の高いコンテンツ制作や効率的な運用体制の構築が可能になります。また、蓄積したノウハウを人材育成にも活用できるため、チーム拡大時にもスムーズに対応できます。
ただし、コンテンツマーケティングが初めてでゼロからのスタートとなる場合、自社運用のハードルは高くなります。その際は、インハウス化を支援するサービスやツールの導入を検討するのもよいでしょう。



少人数でも成果を出すためのSEO戦略設計3つのポイント
SEO対策は、最初の戦略設計が非常に重要です!
正しい戦略の立て方と、SEO対策成功のためのポイントがわかります。
外部委託のメリット・デメリット
専門知識や豊富な実績を持つプロのコンサルティングに依頼することで、効果的な戦略設計やフレームワークづくり・高品質なコンテンツ制作が内部人材のリソースを使うことなく可能になります。定期的な記事更新やSEO対策など、継続的な運用も任せられます。
また、外部委託を活用すれば、自社のリソース不足を補うことができ、社内の体制作りや人員確保の必要がなくなる点も大きなメリットです。
一方で、依頼内容が増えるほど費用がかかるため、自社運用と比較しながら費用対効果を検討する必要があります。また、外部委託したからといってコミュニケーションをおろそかにすると、よく意図が伝わらず失敗してしまうケースがあります。
現在は多くのコンテンツマーケティング支援サービスが存在しており、サービス内容もさまざまです。依頼できる範囲や得意分野を確認し、自社のニーズに合ったパートナーを選定しましょう。
コンテンツマーケティングの成功事例を 戦略に活かそう
この記事では、コンテンツマーケティングにおける価値や手法の重要性、参考になる成功事例、そして成果を出すためのポイントを紹介しました。
コンテンツマーケティングを実践していく中で壁にぶつかったとき、他社の成功事例は大きな気づきを与えてくれます。
さまざまなサイトをチェックし、取り入れたいアイデアや自社に足りない要素を見つけてみてください。成功のイメージを明確に描き、戦略的に取り組んでいくことが、成果を上げる近道となるはずです。















