コンテンツマーケティングはインバウンドマーケティングの観点から考えると分かりやすい!

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コンテンツマーケティングとインバウンドマーケティングの手法について違いを明確に説明しようとすると難しいものです。
両者はとても近い関係にある戦略で、個別のものと考えて実行するよりも、包括的に捉えつつ遂行していくことが求められます。

今回はコンテンツマーケティングを、インバウンドマーケティングの観点から理解し、マーケティング戦略に役立てていただければと思います。

コンテンツマーケティングについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。

【関連記事】【2023年版】コンテンツマーケティング完全ガイド

コンテンツマーケティングとは、記事や動画などのコンテンツを通してユーザーに価値ある情報を提供し、認知度や売り上げの向上などを目指す施策です。多くの企業が取り組んでおり、今や定番のマーケティング手法ですが、実践手順やポイントなどがわからない方もいらっしゃるかもしれません。本 記事では、コンテンツマーケティングの基礎知識やポイント、成功事例を解説します。

インバウンドマーケティングという概念の考え方

扉を開けて入っていくイメージ

「インバウンド」というと、外国人観光客による「インバウンド需要」が思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。
ここではビジネス上の戦略における「インバウンド」を改めて解説いたします。

インバウンドマーケティング(Inbound Marketing)とは?

「インバウンド」を直訳すると、「入ってくる」という意味です。「inbound tourist」で「(海外から)入ってくる旅行者」というような意味になります。

この「入ってくる」という意味からインバウンドマーケティングを考えてみましょう。
ビジネスにおいて、旅行者のように「入ってくる」のはお客様です。つまり、「お客様が自主的にやってくるようにするマーケティング戦略」をインバウンドマーケティングというわけです。

もう少し用語解説風に書くと「一般の消費者(見込み客)に自社の商品やサービスを見つけてもらい、顧客へ育てていく戦略」といったところでしょうか。

ポイントは消費者が能動的に顧客化していくことです。
企業から「買え!」と言われて買うのと、消費者が自分から進んで買うのでは、自主的に購入したほうが思い入れが違いますし、リピート購入も期待できます。

従来のやり方=アウトバウンドマーケティング

広告が表示されているスマートフォン

インバウンドマーケティングの対義語といえるのが「アウトバウンドマーケティング」です。こちらの内容も詳しくみておきましょう。

企業が主導するマーケティング戦略

「アウトバウンドマーケティング」は、テレビ・雑誌・新聞・ラジオなどのマスメディアを使った広告を主とした戦略です。そのほかにDMや電話によるセールスなどもこの手法に含まれます。
こちらは消費者の能動性があまりありません。企業がターゲットの購買意欲を刺激し成果につなげる企業主導型戦略です。

企業が消費者に「買え」と購買を促す手法といえます。
こう書くと、アウトバウンドマーケティングが悪手のように見えます。しかしすべての消費者が自主的に商品を調べるわけではありません。企業から言われて知り、使ってみたら意外と良かったというケースもあるでしょう。
そういう意味で、アウトバウンドマーケティングは今後も企業が取る選択肢のひとつといえます。

インバウンドマーケティングとコンテンツマーケティング

AとBのふたつで悩むイメージ

人によっては同じような意味で使ったり、混同してしまったりしているのがインバウンドマーケティングとコンテンツマーケティングです。ここでは両者の違いを浮き彫りにします。

概念と手法の関係性

結論から言ってしまうと、インバウンドマーケティングは顧客化のための概念やプロセス全体を指します。これに対して、コンテンツマーケティングはその概念・プロセスを実践するための手法と考えてください。

インバウンドマーケティングは消費者が進んで買うようになるためのステップやツール、心理の変化まで想定してロイヤリティの高い顧客を育てる包括的な戦略です。情報コンテンツだけでなく、場の提供や体験型イベントの策定など「消費者が購買に至り、ファン化するまでの全ての施策」がインバウンドマーケティングというわけです。

これに対し、コンテンツマーケティングは購買にあたって有益な情報を提供することで、ロイヤリティの高い顧客を育てる戦略です。
消費者が「面白い」と思うような情報や、購買へのモチベーションを高めるような情報を与えることで自分から顧客化することを促していきます。

したがって、インバウンドマーケティングはコンテンツマーケティングを包括した戦略といえます。

▼コンテンツマーケティングの意味や定義については、以下の記事もあわせてご覧ください。

机上のCONTENT MARKETINGの文字と指し示す指

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展示会場(ロサンゼルス・コンベンション・センター)

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これからはインバウンドマーケティングとコンテンツマーケティング施策が重要になる

デジタルでつながる社会

インバウンドマーケティングやコンテンツマーケティングがビジネスにおいて重要視されるようになってきているのには理由があります。
カギは「インターネット」です。

従来の手法が難しくなっている理由

現代社会はスマートフォンの普及によってネットやSNSが非常に身近なものになりました。その結果、消費者のなかには何でも自分で必要な情報を集める人が出てきました。
欲しいものがあったとき、「○○ おすすめ」とか「○○ 評判」といった検索をしたことがある方もいるでしょう。

このように情報収集が容易になっただけでなく、Webサイト上でユーザー視点による商品紹介(=口コミ)が行われることによって、売り込み要素の強いアウトバウンドマーケティングは警戒される傾向が見られます。
その証左としてネット広告をブロックするアプリの登場が挙げられます。従来のマス型広告は効果を上げにくくなっているといえるでしょう。

インバウンドマーケティングのメリット

MERIT!の文字

低コスト

アウトバウンドマーケティングは、規模が大きいほど効果を発揮しますが、それに比例してコストも莫大になります。
これに対してインバウンドマーケティングはブログなど自社媒体で展開できるためマス広告に比べて大幅にコストを圧縮できます。

作ったコンテンツは財産になる

「お役立ち情報」などのコンテンツは、その後も有用な情報としてサイトに残り続けて新たなファンを作っていきます。つまり、企業にとっての財産となるのです。

消費者との良好な関係構築

消費者が商品や企業のことを知り、納得して購入するのがインバウンドマーケティングの目指すところです。その過程において、企業と消費者は良好な関係が築かれていきます。
「自分に合った良い商品を買いたい」と考える消費者の期待に応え続けることで、彼らは優良顧客となるのです。

ロイヤリティの高い顧客が好循環を生む

ロイヤリティの高い顧客の口コミ発信によって、さらに多くのターゲットが集まるようになります。
彼らを同じように優良顧客へ育成していくことで、好循環を生み出すことができます。

インバウンドマーケティングのデメリット

Demeritと書かれた板を持つ

即効性が低い

優良顧客の醸成という性格上、中長期で対策する必要があります。したがって、インバウンドマーケティングの効果が現れるまでには時間がかかります。

包括的な戦略策定が必要

導線の設計や消費者の興味を惹き付ける魅力的なコンテンツの制作、その定期的な更新、SEO対策、データ分析、効果検証、購入後の支援などインバウンドマーケティングを行おうとするならば、マクロ視点で個々の戦略が有機的に結びつくよう進めていかなければいけません。
要するに、非常に手間のかかる戦略であることは間違いないでしょう。

インバウンドマーケティングという手法の流れ

ステップを踏むイメージ

ここでは一般的なインバウンドマーケティングの流れを確認しましょう。
自社で行う場合に当てはめて、具体的にどのような戦略を取るか想像してみてください。

見つけてもらう

まずは潜在顧客に見つけてもらいます。
多くの場合、消費者が商品を求めるのは解決したい課題があるからです。しかし課題を課題として認識していない人が多いことも確かです。

ターゲットに対し、いきなり関連資料のダウンロードなどを求めるのではなく、いわゆる“気づき”となる情報(業界のトレンドや、日常的なTIPSなど)を提供することで、顧客になってもらいたい人たちの耳目を集めるようにしましょう。

ターゲットを見込み顧客へ

ターゲットが「この企業は自分にとって有用な情報をくれる」と認識すると、自社媒体へ定期的に訪れてくれるようになります。
そうやって回を重ねていき信頼関係を築いたうえで、メルマガ登録などによる顧客情報の取得を目指しましょう。
一歩踏み込んだ情報の提供や、会社の考え方などを直接伝えていくことができます。

実際の購買へのステップ

適切なタイミングで製品やサービスの情報を提供し、課題解決(=購買)のステップへ進みます。
無料の体験やセミナー、実際の事例紹介など、購入意欲を高める施策を打ち、購買へつなげましょう。

ファン化する

製品やサービスが購入されたら、“次”に繋げるためのフォローを行います。
手厚いサポートや購入者限定特典など、顧客の期待以上のものを提供しましょう。
好感度を高めることでリピート購入だけでなく、口コミなどの情報拡散にも繋がります。

インバウンドマーケティングを成功させるには

何かひらめく男性のイメージ

インバウンドマーケティングは導入によって多様なメリットが期待できます。しかしデメリットでも触れたように、時間も手間もかかる戦略です。
ここでは少しでも成功率を上げるためのヒントをご紹介します。

目標・KPIの設定

あらゆる戦略において目標は不可欠なものです。
インバウンドマーケティングによって実現する自社の最終的な姿(=目標)と、具体的な数値目標としてのKPIを設定しましょう。
KPIの例としては、月間の問い合わせ数や、新規メルマガ会員獲得数などが考えられます。

ペルソナの設定

インバウンドマーケティングでは、ターゲットとなる見込み顧客との信頼関係醸成が必要です。そのためには、ターゲットのペルソナをしっかりと設定し、それに基づいたコンテンツ作成や施策を打っていきましょう。
性別、年齢、会社でのポジション、性格、抱えている課題、趣味など細かく設定することで、それに対応する具体的な施策を考えることができます。

カスタマージャーニーマップにまとめる

ターゲットとのタッチポイントの設定や、お客様が見込み顧客から顧客、ファンとなっていく過程の行動や心理をまとめましょう。
マップ通りにステップアップするにはどういう施策が必要か、と考えることで効率的なインバウンドマーケティングが実行できます。

良質なコンテンツの作成・配信(SEO対策)

インバウンドマーケティングで重要なポジションを占めるのがコンテンツです。ユーザーの興味関心を集めるコンテンツを作り、それが目にとまるようにSEO対策を行います。

コンテンツはカスタマージャーニーマップに従って、段階ごとに最適なアプローチを考えなければいけません。例えば、最初のきっかけづくりと、顧客をファン化する段階では自ずと提供するコンテンツが変わるのは当然といえます。

効果検証

どんなに用意周到であっても、外部条件の変化など不測の事態は起きるものです。
各ステップで行った施策の効果検証は必ず行いましょう。分かりやすいのはコンテンツ記事のSEO対策です。KPIに届いていないようであれば、SEOに問題がないかツールなども用いて検証し、必要に応じて修正しましょう。

インバウンドマーケティングはアウトバウンドの営業効率化にもつながる

契約成立のイメージ

本稿の序盤でアウトバウンドマーケティングがユーザーから良い印象を持たれなくなってきているという話をしましたが、そのメリット(マスに対して即効性がある)を考えると、まったく除外すべき戦略とは言い切れません。

アウトバウンドマーケティング的な手法は、インバウンドマーケティングに取り込むことで効果を高められます。
つまり、インバウンドマーケティングによってロイヤリティが高まっている顧客に向けてアウトバウンドマーケティングを用いるという発想です。

製品やサービス、企業に対するファンになっている優良顧客は、営業に対する心理的ハードルが低くなっています。したがって、通常なら忌避感を持たれるアウトバウンドマーケティングでも、ネガティブな印象なく受け入れてもらえるというわけです。

インバウンドマーケティング成功のポイントはコンテンツマーケティングにあり!

これまで見てきたように、インバウンドマーケティングは昨今のビジネスにおいて非常に有効なマーケティング戦略のひとつです。
企業側は価値ある情報を提供し、顧客側はそれに見合う対価を支払うというWin-Winの関係を構築することが今後の企業と顧客のあり方になるでしょう。

顧客が能動的に情報を集め、商品を購入するようになるには、集めたくなるような情報でなければ意味がありません。
今回の記事をご覧いただくことで、優良顧客育成戦略ともいうべきインバウンドマーケティングにおいて、いかにコンテンツマーケティングが重要かご理解いただけたのではないかと思います。

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