オウンドメディアのPV数の目安は? PV数を上げるための対策や指標設定方法を解説

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オウンドメディアの運営で重要視されるPV数。一般に目安とされる数値も参考にしつつ、PV数の目標設定には競合他社のサイトのアクセス状況を見ることが必要になります。またPV数以外の指標ともあわせた効果確認や、課題の改善なども重要なポイントです。

本記事ではオウンドメディアのPV数の目安を紹介したあと、サイト運営を成功させるために効果的な対策や指標設定などをまとめて解説します。

なお、オウンドメディアについて知りたい方は以下の記事もご参照ください。

緑の樹木にかぶさった青空に白文字で描かれたowned mediaの文字

【関連記事】オウンドメディアとは? 定義やメリット・デメリットなど基礎知識を解説!

オウンドメディアは自社が所有するメディアの総称です。Webマーケティングでは、顧客にとって有益な情報を発信するWebサイトやブログに限って呼ぶことがあります。この記事では、オウンドメディアの定義やメリット、デメリットなどの基礎知識を解説しています。

オウンドメディアのPV数とは? 目安や計算方法も解説

数値検証のミーティング

はじめに、オウンドメディアのPV数について基本となる知識を確認しましょう。一般に目安といわれるPV数の数値や、自社のオウンドメディアでの目標値の計算方法も解説します。

PV数とは集客効果を確認する指標のひとつ

PV数(ページビュー数)はサイトのページが表示されるたびにカウントされる数値で、オウンドメディアの集客効果を確認する指標のひとつです。

ユーザーがページに1回アクセスすると、PV数は1カウント。再度そのページを読み込んだときにも1カウント加算されます。またユーザーが他のページに移動したあとで最初のページに戻って来たときにも1カウント加算されるというしくみです。

PV数のことをアクセス数と表現する場合がありますが、こちらの言葉は訪問ユーザー数やセッション数(※)などを指すこともあります。アクセス数という用語が使用されているときは、意味を取り違えないよう指標をしっかり確認しましょう。

※セッションとは、訪問ユーザーによるサイト内での一連の操作のこと。30分以上操作がなければそのセッションからは離脱したとみなされ、30分以内に戻れば同じセッション(1セッション)として回数をカウントします。

オウンドメディアのPV数の目安

PV数の目安として、ホームページでは3,000PV、ブログでは100,000PV、ECサイトでは10,000PVなどという説があります。しかし実際には、業界・商品・サービス・Webサイトの種類・ターゲットなどさまざまな条件で、目安とする数値も大きく違ってくるものです。

そこで、自社のオウンドメディアでのPV数目安を立てるためには、目標値を算出する必要があります。目標値の計算方法を次項で確認しましょう。

目標とするPV数を決める方法

PV数の目標値を決めるには、2つの方法があります。

①コンバージョン率(CVR)をもとにPV数目標を計算する方法

コンバージョン率(CVR=成約率)は、設定した母数に対する成約数(商品やサービスの販売成果)の割合を示す指標です。コンバージョン率をすでに確認していれば、1件の成約に至るまでの問い合わせ数やセッション数などが算出できるため、PV数の目標値の計算に役立ちます。

▼計算に必要な項目の例

  • ・1か月の成約件数目標(例:100件)
  • ・1件の成約獲得に至るまでの問い合わせ件数(例:5件)
  • ・1回の問い合わせにつながるセッション数(例:15セッション)
  • ・1セッションあたりの平均PV数(例:10PV)

このような条件の場合、以下の計算式でPV数の目安とする目標値を出すことが可能です。

  • ・1件の成約に必要なPV数目安=10PV×15セッション×問い合わせ5件=750PV
  • ・1か月のPV数目標=750PV×目標100件=75,000PV

②競合他社の平均アクセス数を参考にする方法

同じ業界の競合他社が運営するオウンドメディアの平均アクセス数(セッション数)を、Googleアナリティクスのベンチマーク機能を活用して確認することが可能です。新規セッション率や新規ユーザーによるセッション数の差などについて、自社と同レベルの競合他社とで比較できます。

自社の立ち位置を知ることがPV数の目標設定にも参考になるため、ベンチマーク レポートの活用もおすすめです。

オウンドメディアのPV数を確認する方法

ビジネスマンとグラフ

オウンドメディアのPV数確認には、アクセス解析が可能なツールを利用しましょう。便利に活用できるツールをご紹介します。

自社サイトのPV数確認には『Google アナリティクス』を活用

Googleが提供する無料ツール『Google アナリティクス』を利用すると、自社のオウンドメディアのアクセス解析ができるので、PV数の確認が可能です。

自社サイトのページごとのPV数が一括ランキング表示され、あまり読まれていないページの把握も簡単。ページレポートではPV数の推移がグラフ表示でわかりやすく、リライトなどによる更新の効果検証にも便利です。

▼PV数とページ別訪問数との違い
Google アナリティクスで示されるPV数とページ別訪問数のカウントには、以下のような違いがあります。

  • ・PV数:ページが1回表示されるごとに1カウント
  • ・ページ別訪問数:同じユーザーが同じセッション内で同じページを複数回表示しても1カウント(そのページが「1回以上」表示されたセッションの数)

競合他社のサイトのPV数確認が可能なツール2選をご紹介

『Similarweb(シミラーウェブ)』Similarweb Ltd.

自社サイトのオンラインでの評価を獲得するためのさまざまな施策に役立つツールSimilarweb。ソリューション「リサーチインテリジェンス」の競合ベンチマーク分析でPV数確認が可能です。

競合トラッカーでは、最大25の競合サイトを分析します。PV数は平均ページビュー数(1訪問あたりの平均ページ閲覧数)で確認。PV数のほかに月間セッション数・滞在時間・直帰率なども取得して、自社サイトとの比較が可能です。

競合サイトのアクセス解析以外にも、SimilarwebではSEO対策や効率的なマーケティング戦略などに活用できるソリューションを展開しています。

公式サイトURL:https://www.similarweb.com/ja/

『Semrush(セムラッシュ)』株式会社オロ(Semrush日本総代理店)

広告やSNSなどの領域までカバーして競合調査・分析ができるSemrush。2022年4月現在、世界中のユーザー数が約1,000万にのぼると公表しているツールで、競合サイトのトラフィック分析ができます。

Semrushは競合サイトのアクセス解析データを予想値で提供。PV数はセッションあたりの訪問ページ数として表示されます。一度に比較できるサイト数は5サイトまで。PV数のほか、セッション数・ユニーク訪問者数・平均滞在時間・直帰率などが取得可能です。

マーケット分析・競合他社のSEO分析・競合他社PRモニタリング機能なども備え、自社と競合他社とを比較しながらオウンドメディア戦略に活用できます。

公式サイトURL:https://semrush.jp/

オウンドメディアのPV数が上がらないときに解決すべき課題

問題点を発掘するイメージ

PV数が上がらない原因として考えられる問題点を、5つに分けてみました。これらの課題の解決によってPV数の上昇も可能になるため、自社のオウンドメディアにあてはまる問題がないか確認してみてください。

記事の量・本数が少ない、更新が滞っている

オウンドメディアでは、掲載記事の数が少ないとサイトの訪問者も増えず、PV数も上がりません。記事の量だけでなく、コンテンツの質や情報の鮮度に問題がある場合もユーザーは離れてしまいます。

記事の更新が滞っている原因が、コストの問題や人的リソースの不足にあるならば、予算の組み直しや、記事を書く人材の確保などによって早期の解決が必要です。

ターゲットの興味を引く記事が少ない

サイト内の記事に自社の商品・サービスの宣伝の多さが目立つ場合は、ユーザーによい印象を与えず、サイトからの離脱につながります。商品・サービスの認知度を上げることが目的であっても、ユーザーが求める情報を中心に盛り込んだ記事が少ないと、サイト全体のPV数もあまり伸びないでしょう。

また独自性のない記事が多い場合も、他のサイトで見たことのある内容でつまらないと思われ、ユーザーが別のサイトを検索し直すという原因になります。

オウンドメディア内での回遊を促す施策が不足している

ニーズの高いキーワードを把握したうえで記事を作成しても、内部リンクが設置されていないケースです。サイトへの流入が一時的に増えても、ユーザーが読みたい記事を読んですぐにサイトから離脱してしまう場合、サイト全体のPV数上昇につなげることができない原因となります。

SNSの活用が追いついていない

検索エンジンからの流入経路だけにとらわれ、SNSによって認知度を上げられる効果を活用できていないことも、PV数が伸び悩むことの要因のひとつです。またSNSも活用方法を誤ると想定する効果は上がりません。

たとえば、自社サイトの記事公開を告知するためだけにSNSの投稿を繰り返しているケースです。告知ばかりに終始するSNSではフォロワーの増加につながりにくいでしょう。

フォロワーやファンにメリットのある情報を継続して発信するツールとしてSNSを活用していなければ、オウンドメディアのPV数増加という成果に結びつけることは困難です。

施策の効果検証をしていない

新規記事の対応ばかりに追われ、競合他社との比較・分析やSEO対策などを行っていくPDCAをうまく回せていない場合があります。

オウンドメディア運営におけるPDCAは、P(キーワード選定)・D(記事制作)・C(効果検証)・A(改善策の取り組み)という流れです。C~Aが進まないと記事の的確なリライトや最適化が遅れるうえに、さらなるP~Dでの改善点も得られないままPV数が上がらない記事が増えていく結果となります。

オウンドメディアのPV数を上げるために効果的な対策

解決策を説明するビジネスマン

前項で取り上げたようなPV数が上がらない要因を把握したうえで、PV数を増やすために必要になるのが成果に直結する対策の取り組みです。Google検索での上位表示に向けたSEO対策や、活用できるツールなどもご紹介します。

ユーザーに検索されるキーワードを選定

キーワードは、検索数が多いという観点で選ぶことも大切ですが、ターゲットとなるユーザーが求める情報をしぼって成果につなげることもポイントです。

競合サイトの流入キーワードは、アクセス解析によって確認可能。そこで、競合他社の選んでいるキーワードとかぶりにくい、かつユーザーの検索意図を反映する複合キーワード(2つ以上のワードを組み合わせたキーワード)を探します。キーワードのニーズを予測するGoogleトレンドのようなツールを利用して、キーワードによっては季節的なタイミングなどを考えることも必要になるでしょう。

質の高い記事を多く掲載

本数重視で記事を量産するのではなく、質の高い記事(ユーザーにとってメリットがある記事)を多くすることも重要です。ユーザーが読みたくなる、具体性・独自性・専門性などを備えた記事制作を意識しましょう。公的な機関によって発表されたデータの紹介や、専門家のインタビューを入れる方法なども、Googleで信用度の高い記事として評価されるためには効果的です。

また関連検索ワードの盛り込みも必要。関連検索ワードはユーザーが求めている情報なので、関連する内容のコンテンツを含めることでユーザーに役立つ情報の多いページになり、Googleの検索順位も上がってきます。

一方でGoogleによって質の低いコンテンツと判断されてしまうケースについては、Googleのウェブマスター向けガイドラインの「品質に関するガイドライン」に詳しく記載されていますので、必ず目を通しておきましょう。

Googleウェブマスター向けガイドライン
https://developers.google.com/search/docs/advanced/guidelines/webmaster-guidelines?hl=ja

既存記事の更新

既存記事のなかでリライトが必要な記事を選び、コンテンツや内部リンク構造などを最適化することもPV数を増やす対策のひとつです。記事のテーマや内容を見直して、ユーザーの検索意図により近づけるコンテンツを追加。さらに内部リンクの設置はサイト内の回遊率を高くするため、サイト全体のPV数を底上げするためには効果的です。

ここで、自社のオウンドメディア内のリライト候補記事の選定や、リライトするポイントの見極めが簡単にできるおすすめツールをご紹介します。

『パスカル』株式会社オロパス

PV数を上げるためのさまざまなSEO対策に役立つツール。ランキング取得・キーワード分析・コンテンツ分析・競合分析などが可能です。

リライト候補記事の選定の場合は、既存記事全体の検索順位とキーワードの月間検索数を確認可能。優先的にリライトが必要な記事(メインキーワードの順位がふるわない、キーワードの検索数が多い)を選び出すことも簡単になります。

また競合分析によって上位ページの傾向や記事構成・内部構造など、リライトすべきポイントをわかりやすく表示。サイト内のリンク構造においても、サイト内外への初リンクや、サイト内での被リンクを分析して最適化に重要なポイントをアドバイスしてくれます。

公式サイトURL:https://www.pascaljp.com/

ユーザーが見やすいサイトのデザイン

ユーザーのデバイスやブラウザを選ばないデザイン(レスポンシブ ウェブ デザイン)でオウンドメディアを制作することもPV数を上げる効果のあるポイントになります。

パソコン・タブレット・スマホなど、ユーザーが使用するデバイスはさまざまです。特にスマホユーザーにも見やすいサイトにすることで、PV数の増加だけでなく、企業やブランドイメージが向上する可能性までをあわせて考えることができます。

自社サイトがスマホユーザーにとって見やすいかどうかを検証するためには、Googleが提供する無料ツールの利用がおすすめです。

『モバイル フレンドリー テスト』

ページのURLを入力すると、モバイルデバイスでの使いやすさを点数化するツールです。フォントサイズが小さすぎる、クリックする要素が近すぎる、などの解決すべき問題を一覧表示してくれます。

公式サイトURL:https://search.google.com/test/mobile-friendly?hl=JA

『Google Search Console』>『モバイル ユーザビリティ レポート』

自社のオウンドメディア内でモバイルユーザビリティの問題があるページの確認が可能なツールです。問題があるページと、どのような問題の改善を行えばよいかも表示されます。

前述のモバイル フレンドリー テストとの違いは、サイト全体から問題を検出できること。そのためモバイル ユーザビリティ レポートの利用にはGoogle Search Consoleでサイトの所有権を確認することが必要です。

公式サイトURL:https://search.google.com/search-console/

SNSからの流入を増やす

自然検索からの流入だけでなく、SNSからのアクセスも増やすことはPV数を上げるために不可欠な対策です。Twitter・Facebook・Instagramなど、それぞれの特徴にあわせた活用が重要になります。

投稿頻度や時間帯などもターゲットに合わせて分析。まずは自社のSNSアカウントのフォロワー数を増やす施策を立てて、SNSのターゲットに合わせた情報発信内容や投稿頻度なども検討しましょう。

▼SNSの活用については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

【関連記事】SNSの併用でオウンドメディアの価値が向上! 効果的な活用方法や事例を紹介

オウンドメディアにおけるSNSの上手な活用方法や成功事例を紹介しています。「オウンドメディアとSNSの違い」や「オウンドメディアの運営にSNSが必要な理由」についても触れているので、本記事を読めば根本的な考え方を理解できた上で運用できるようになるでしょう。

オウンドメディアの目的達成に向けたKPI設定

KPIを説明するイメージ

オウンドメディアの運用目的を達成するためには、PV数だけでなくさまざまな指標(KPI)をあわせて確認していくことが必要です。ここではおもな指標や、サイトの目的に応じた指標設定の例を見ていきましょう。

PV数以外も確認! オウンドメディアのおもな効果指標

以下に挙げる指標をPV数とあわせて確認しながら、オウンドメディアが目的を果たしているかを検証し、改善点の把握や施策の立案に活用してみてください。

・SS(セッション)数

オウンドメディアにユーザーが訪問した回数。PV数はユーザーがページを表示するたびにカウントする累計値である一方、セッション数は30分以内の訪問であれば同じセッション(1カウント)として扱います。

・UU(ユニークユーザー)数

一定期間にサイトを訪問したユーザーの人数。同じ人が同じデバイスで複数回訪問しても1カウントです。ブラウザ単位で計測されるため、同じ人がスマホとPCとの両方でページにアクセスすれば、2カウントになります。

・リピーター数

Googleアナリティクスにおける新規とリピーターの定義では、サイトのGoogleアナリティクスCookieやクライアントIDなどの取得状況から、新規ユーザーであるかリピーターであるかを識別しています。

・SNSのシェア数

サイトアクセス増加のためにSNSを活用する場合のKPIに設定。他の誰かにシェアしたくなる情報とみなされているかどうかがわかります。

・自然検索流入数

GoogleやYahoo!の自然検索(オーガニック検索=検索結果表示で有料広告を除いた部分)からの流入数。

・CV(コンバージョン)数

オウンドメディアの成果の数値。商品やサービスなどによって何を成果とするかは異なりますが、商品購入数やサービスの申し込み数、会員登録人数などが設定されます。

サイトの目的に応じた指標設定とは

オウンドメディアの目的を3つに分類して、指標設定の例をご紹介します。

▼目的① 潜在顧客からの見込み顧客獲得

オウンドメディアによって自社の商品やサービスの認知度を高め、知らなかった人にも興味を持ってもらい、問い合わせなどの可能性につなげることが目的です。PV数やセッション数の上昇を目指せば、集客効果につながります。

・指標の設定例:PV数・SS数・UU数・SNSのシェア数・自然検索流入数 など

▼目的② 成果獲得

オウンドメディアでの情報発信によって集客したら、売上などの成果を獲得することが目的です。BtoBの場合は資料ダウンロードや問い合わせなど、BtoCの場合は商品購入や会員登録などを成果とします。

・指標の設定例:CV数・CV率

▼目的③ ファン化

リピーターとして定着してもらうことをオウンドメディアの目的とする場合です。興味を持った見込み顧客や実際に購入に至ったユーザーが、サイトのファンとなって繰り返しアクセスし、サイト内を回遊しているかを確認します。

・指標の設定例:リピーター数(リピート率)・サイト定着率・ページ再訪率・回遊率など

オウンドメディア運営では適切な指標設定が重要!

PV数はオウンドメディアの集客効果を確認する際に重要な指標です。一般的な目安の数値にとらわれず、競合他社のアクセス解析をして、はじめはPV数の目標達成にあまり無理のない数値を定めましょう。

サイトの目的に応じて適切な指標設定を行い、キーワード選定・記事制作・効果検証・改善策の取り組みというPDCAを効果的に回すことも重要です。ツールの活用、SEO会社への相談、専門家からの支援やアドバイスなども含めて、オウンドメディアの成功に向けた有効な施策を検討してみてください。

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