オウンドメディアの集客方法は? 流入増の効果的な運用ポイントを紹介
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近年ではオウンドメディアを活用したマーケティングを取り入れる企業も増加しており、有効なマーケティングチャネルのひとつとなっています。しかし、成功事例として大きな成果を得られている企業がある一方で、思うように集客できず成果が伸び悩んでいる企業が多いのも事実です。
本記事をご覧になっている方のなかにも、オウンドメディアの集客を改善したいとお考えの方が多いのではないでしょうか。今回は、オウンドメディアでの効果的な集客方法を紹介します。本記事を参考に、ぜひ集客の改善を目指してみてください。
オウンドメディアについて知りたい方は以下の記事もご参照ください。
オウンドメディアへの流入経路には何がある?
まずはオウンドメディアへの流入経路にはどのような種類があるのかを解説します。それぞれの流入経路における集客の特徴もあわせておさえておきましょう。
検索エンジン
Googleなどの検索エンジン上で表示された結果から訪れるユーザーです。この検索エンジンからの流入は自然検索(オーガニック検索)とも呼ばれます。現代のオウンドメディア集客における検索エンジンからの流入数の割合は大きく、非常に重要な流入経路です。オウンドメディアの集客を改善したいのであれば、まず検索エンジンからの流入増加を目指すのがよいでしょう。検索エンジンからの流入を増やすためには、後述するSEO対策が重要になります。
SNS、動画サイト
Twitterやfacebook、InstagramなどのSNSやYouTubeなどの動画サイトからの流入です。近年はSNSや動画サイトは世界中で利用されるようになり、流入数が増えてきています。Twitterはユーザー数が多く拡散力がありますし、Instagramはインフルエンサーの力を借りることで大きな集客効果を発揮します。昨今では広報活動の一環としてYouTubeチャンネルを運営する企業も増えており、YouTubeチャンネルからオウンドメディアへの導線をつくり集客につなげる事例も増加しています。
Web広告
ユーザーが検索したキーワードにあわせた広告を表示するリスティング広告やWebサイト・アプリに広告を表示するディスプレイ広告などのWeb広告からの流入です。SNSや動画サイトに表示される広告もWeb広告に含まれます。Web広告は掲載にコストがかかるものの、リスティング広告やSNS広告はターゲットにリーチしやすい、ディスプレイ広告や動画サイト広告は認知拡大や潜在層へのリーチに相性が良いなどの特徴があります。
別メディアからのリンク
他のメディアサイトに掲載しているリンクからの流入です。この流入経路からの集客増をはかるには、他のメディアサイトにリンク掲載を依頼する、ブログなどのメディアサイトが引用するようなお役立ちコンテンツを掲載するなどの手法が挙げられます。別メディアからのリンクから訪れるユーザーは、リンク掲載しているメディアのユーザーとなる場合が多い点がポイントです。すなわち、リンク掲載しているメディアがターゲットにしている属性のユーザーの流入が多くなります。
メールマガジン
自社で発行しているメールマガジンからの流入です。メールマガジンをユーザー向けに送信するためには、ユーザーがメールマガジンの受信を承諾するオプトインという手続きが必要です。そのため、メールマガジンからの流入は認知層が多くなり、新規顧客の獲得というよりはファン・見込み客へのリーチやリピーター増加、ブランディングなどの用途で活用される場合が多いでしょう。
オフラインメディア(新聞やパンフレットなど)
新聞や看板広告、自社で発行している資料(パンフレット・リーフレット)などのオフラインメディアからの流入です。オンラインメディアと異なり、オフラインメディアでの集客は時間や場所に制限がありますが、オンライン主流の現在においてもオフラインメディアでの流入も一定数は存在しています。オフラインメディアからの集客は、広告を見てユーザーが自身のデバイスでオンラインメディアを開くというワンクッションの作業が必要になるため、できるだけユーザーの負担をおさえられるようにQRコードなどを活用するとよいでしょう。
オウンドメディアで効果的な集客を行うポイント
オウンドメディアにおける集客の流入経路およびその特徴を解説しましたが、では具体的にどのように集客改善を行えばよいのでしょうか。ここではオウンドメディアで効果的な集客を行うポイントを3つ紹介します。
それぞれの流入経路の特徴をおさえる
前項で解説した通り、ユーザーの流入経路はさまざまあり、オウンドメディアの戦略ごとにどの流入経路からの集客に注力するべきかは異なります。たとえば拡散力を利用して幅広い層に自社の認知を広めたいのであれば、TwitterやInstagramなどのSNSからの流入増を強化するのが有効でしょう。ただし、リアルタイム性が高く、過去に発信した情報はすぐに埋もれてしまう点には注意が必要です。
一方で、SEO対策の強化はすぐに効果がでるとは限りませんが、効果がでてくれば安定した流入増に期待できます。このように、自社のオウンドメディアではどのようなペルソナ(ターゲット)にどのような手法でリーチするのかを戦略的に選択していくことが重要です。
集客コンテンツと訴求コンテンツをわける
ユーザーが興味を持ちやすいコンテンツと企業側がユーザーにアクションを促すコンテンツとでは内容に差があります。たとえば、企業側が肌の保湿をする美容商品Aの成約アップにつなげたいと思っても、美容商品Aに既に興味を持っているユーザーからの流入が多く、認知していないユーザーの集客は難しいでしょう。
そこで「肌が乾燥する原因〇選」のようなユーザーが興味を持ちやすい集客コンテンツを作成し、美容品Aの紹介ページへの導線をつくることで、美容品Aを認知していないユーザーの集客につなげられます。このように、集客用のコンテンツと訴求用のコンテンツをカテゴリとしてわけ、集客コンテンツから訴求コンテンツへの導線配置を意識することが重要です。
SEO対策を行う
オウンドメディアで掲載しているコンテンツのSEO対策を行うことで、検索エンジンでの検索結果上位に表示されやすくなり、検索エンジンからの流入増加がはかれます。検索エンジンからの流入は、ユーザー自身が何らかの目的を持ってキーワードを入力して検索を行っている分、ユーザーがアクションをしやすい状態になっています。何気なく見ているSNS広告からの流入ユーザーなどに比べ、見込み客となる可能性が高く成約につながりやすい点が大きな特徴です。
オウンドメディアにおいては、SEO対策がしっかりできているか否かが集客成功、成果増大をわけるポイントとなるでしょう。しかし、SEO対策は決して簡単なものではなく、適切なSEO対策を行うためには高い専門性が必要になります。具体的なSEO対策については、後ほど詳しく解説していきます。
▼オウンドメディアの戦略については以下の記事もご確認ください。
オウンドメディア集客でSEO対策が重要な理由
SEO対策の細かい内容を見ていく前に、なぜオウンドメディア集客でSEO対策が重要なのかを改めて確認しておきましょう。SEO対策が適切に行われていないと、オウンドメディアに掲載するコンテンツを作成しても、検索エンジンでの検索上位に表示されにくくなります。結果、検索エンジンからの流入が少なくなり、他の流入経路からの集客に頼らざるを得なくなります。
現状、オウンドメディアにおける検索エンジン経由の流入は全体として見ても大きな割合を占めています。Web広告を活用すれば、掲載している期間だけ一時的に流入を増やすことはできますが、安定的な集客改善を行うためにはSEO対策が必須です。検索エンジン経由の流入ユーザーは、前述した通り他の流入経路に比べてアクセスの質が高く、見込み客となりやすい特徴がある点も含め、積極的に流入増を狙っていくべきでしょう。
オウンドメディア集客のSEO対策を改善する方法
ここからは、オウンドメディアでSEO対策を改善する具体的な方法を紹介します。各項目をおさえて適切なSEO対策を目指してみてください。
検索キーワードをおさえる
SEO対策においては、どの検索キーワードの対策を行うかが非常に重要です。ユーザーが実際に検索で利用していないキーワードの対策を行っても、SEO対策の効果は薄くなってしまうでしょう。また、SEO対策を行う際は、オウンドメディアで設定しているペルソナのユーザーがどのような検索キーワードを使っているかを意識することが重要です。
ツールについては後ほど紹介しますが、ユーザーが実際に検索しているキーワードは無料のキーワードツールでも確認が可能です。また、サジェストと呼ばれる予測変換機能(検索窓に「SEO対策」と入力しただけで「SEO対策 〇〇」のように検索候補を表示してくれる機能)を見ると、過去に他のユーザーが検索したキーワードにどのようなものがあるのかを把握できます。
SEO対策を行う際には、キーワードツールやサジェストなどを確認し、実際に検索で利用されているキーワードから、オウンドメディアでペルソナとしているユーザーが検索で利用するキーワードを想定して選ぶとよいでしょう。
ユーザーの検索意図を把握する
Googleは検索エンジンのアルゴリズムの詳細を公開してはいませんが、検索したユーザーの意図に沿わないコンテンツを検索結果の上位には表示しないと考えられています。東京のおすすめ飲食店を知りたいと思って「東京 飲食店 おすすめ」と検索したユーザーに対し、大阪のおすすめ飲食店を紹介しているコンテンツは検索結果の上位には表示されないということになります。
SEO対策を行う際には、前提として検索したユーザーの意図に答えるコンテンツづくりが必要です。検索キーワードをもとに、この検索キーワードを入力するユーザーは何を解決したくて検索を行ったのかを考えてコンテンツづくりを行うとよいでしょう。
SEO対策ツールを導入する
SEO対策には、前述したSEO対策を行う検索キーワードの選定や検索キーワードに応えるコンテンツづくりの他にも、コンテンツの文字数や見出し数、権威性、網羅性などさまざまな要素があると言われています。アルゴリズムが公開されていない不明確な状況のなかで、専門的な知識・スキルを持たずにSEO対策を行うのはハードルが高いのが実情でしょう。
専門的な知識・スキルを持っていなくても手軽にSEO対策を行うにはSEO対策ツールの導入が有効です。SEO対策ツールには、無料で検索キーワードを洗い出してくれるものがありますし、有料のツールになると検索意図や検索ボリュームの把握などもできるようになります。また、上位表示に必要になると思われるコンテンツ内容や文字数、見出し数、キーワードなどを出力してくれるツールもあります。より効果的なSEO対策を実施したいとお考えであれば、SEO対策ツールの導入を検討してみるとよいでしょう。
SEO対策を外注する
適切なSEO対策の実施には専門的な知識・スキルが必要になるため、SEO対策自体を専門会社に外注してしまうのもひとつの方法です。ただし、コストがSEO対策ツールの導入よりも高く、運用ハードルが高くなりやすい点に注意しましょう。コンテンツを量産しようとしてすべてのコンテンツのSEO対策を外注すると、コストは膨大になります。
また、SEO対策に明確な基準がない以上、外注を行っても思うような効果が得られない場合もあります。SEO対策を外注する業者を選ぶ際は、サービスの実績や評判をよくチェックするようにしましょう。コストで考えれば、基本的にはSEO対策ツールを導入し自社内でSEO対策を行い、ポイントポイントで専門業者にSEO対策の有効性をチェックしてもらう、というようなすみわけを考えるのがおすすめです。
オウンドメディア集客のSEO対策の注意点
SEO対策を行ううえで、いくつか注意点もあります。SEO対策を行おうと動き出してから戸惑わないためにも、あらかじめ注意点を把握しておきましょう。
短期的な効果が得にくい
SEO対策にはさまざまな要素がありますが、メディアの運用歴やコンテンツ数にも影響があると言われています。まだオウンドメディアを立ち上げたばかりで、掲載されているコンテンツ数が少ないという状況だと、いくらSEO対策を実施しても思うような効果が得られない可能性がある点には注意しましょう。
また、SEO対策は実施したからといってすぐに効果がでるとは限りません。SEO対策の基準が公開されていないため、上位表示されない原因を探しながら試行錯誤するステップが必要になります。また、SEO対策を行ったあとにGoogleなどの検索エンジン側で評価されるようになるまでにも時間がかかります。短期間でコンバージョン率を上げ、Webマーケティングの成果を出したいという場合にはリスティング広告などのほうが適していますので注意しましょう。
不定期でアルゴリズムの変動がある
Googleはコンテンツの評価をAIで実施し、検索上位に表示するコンテンツを選定しています。AIの評価アルゴリズムにはアップデートがあり、例年、1年に数回程度のコアアップデートが発生しています。コアアップデートが発生すると、コンテンツの評価基準が大幅に変わるため、検索表示順位に大きな動きがうまれます。
一度コンテンツを検索上位に表示できたからといって、ずっと検索上位を維持し続けられるわけではありません。アルゴリズムの変動があった際には、アルゴリズムにあわせて都度コンテンツ修正を行う必要があります。SEO対策は一度きりと考えていると、アルゴリズムの変動が発生した際に戸惑うことになりますので注意が必要です。ただし、Googleのアルゴリズムはユーザーの利便性向上に沿ってアップデートされていると言われています。常にユーザーに役立つコンテンツを発信していれば、大きな影響を受けずにすむでしょう。
専門的な知識・スキルが必要
SEO対策には専門的な知識・スキルが必要です。検索キーワードを狙う際には、ライバルサイトとの競合状況をふまえて判断する必要がありますし、SEO対策に慣れていないとユーザーの検索意図把握にも手間取ってしまうでしょう。また、コンテンツの構成や品質、網羅性など関連する要素は多岐にわたります。
SEO対策が行える人材を自社で確保する、SEO対策ツール導入やSEO対策の外注にはコストがかかるため、運用難易度は高くなりやすいです。SEO対策についてある程度のノウハウや有効なSEO対策ツール、信頼できるSEO対策業者ができてくれば安定しますが、SEO対策序盤は時間的にも金銭的にもコストがかかりやすいものと理解しておきましょう。
オウンドメディア集客におすすめのSEOツール4選
ここではオウンドメディアにおける集客に活用できるおすすめのSEO対策ツールを4つ紹介していきます。
ラッコキーワード
ラッコキーワードは、無料で利用できるキーワードツールです。Googleのサジェストだけではなく、YouTubeやAmazon、楽天などのサジェストキーワード取得にも対応しています。ラッコキーワードは基本無料ですが、月額990円からの有料プランを利用すれば、より多くのサジェストキーワード取得や月間の検索ボリューム取得も可能になります。
ラッコキーワードの大きなメリットは手軽に無料で利用できる点です。どういうキーワードが実際の検索で利用されているか知りたいという場合には、まずラッコキーワードの利用を試してみるとよいでしょう。
Keyword Tool(keywordtool.io)
keywordtool.ioは、GoogleやYouTubeに加え、TwitterやInstagramなどにも対応しているキーワードツールです。海外のサジェストキーワードや検索ボリュームの一覧取得ができ、月ごとの検索ボリュームの推移も確認できます。無料でもキーワードを調べることができますが、検索ボリュームの表示などの機能は月額69$からの有料プランへの登録が必要です。高度なキーワードツールを利用したいという場合におすすめのツールです。
Ahrefs
Ahrefsは、高機能なSEO分析ツールです。キーワードを入力すると、そのキーワードでどのようなサイトが上位表示されているのかの分析ができます。また、URLを入力すればそのWebサイトのSEO評価レベルや上位表示キーワード、ソーシャルメディアの反応などが調査できます。Ahrefsは月額99$からの有料ツールです。コストはかかりますが、高度なSEO分析を行いたいという場合は導入を検討してみるとよいでしょう。
パスカル
パスカルは、株式会社オロパスが提供するキーワード選定やコンテンツ分析、競合サイト分析などSEO対策に必要な複数の機能を包括したSEO対策ツールです。ここまで紹介したツールは、ユーザー自身が取得したデータからSEO対策内容を検討する必要がありましたが、パスカルはデータの取得に加えてSEO対策のポイントをレポートとして出力します。
パスカルを利用すれば、キーワードごとに上位表示の難易度や最適なコンテンツの方向性、文字数、見出し数、網羅性などをチェックしながらコンテンツ制作ができるようになります。SEO対策に不安があり、アドバイスをもらいながら実施したいという場合にも有効に活用できるでしょう。パスカルは月額4.5万円からの有料ツールです。他ツールよりもコストはかかりますが、効果的なSEO対策およびSEO対策にかかる手間の大幅な削減ができます。
SEO対策をおさえて効果的なオウンドメディア集客を
今回は、オウンドメディアでの効果的な集客方法を紹介しました。オウンドメディアの流入経路には、検索エンジンやSNS、動画サイト、Web広告、メールマガジン、オフラインメディアなどさまざまあります。なかでも、オウンドメディアの集客を改善するのであれば、検索エンジンからの流入を増やすのがおすすめです。
オウンドメディアの集客で検索エンジンからの流入を増やすSEO対策が重要な理由は、現在のオウンドメディアの流入の大部分が検索エンジン経由であること、検索エンジン経由の流入ユーザーはアクセスの質が高く、見込み客となりやすいことが挙げられます。
オウンドメディアにおいてSEO対策を改善する方法としては、検索キーワードをおさえる、ユーザーの検索意図を把握する、SEO対策ツールを導入する、SEO対策を外注するなどがあります。しかし、SEO対策は短期的な成果をあげにくい点、コンテンツを評価するアルゴリズムの変動がある点、専門的な知識・スキルが必要な点には注意しましょう。
おすすめのSEO対策ツールは、ラッコキーワード、keywordtool.io、Ahrefs、パスカルです。SEO対策を行うための最適なツールをお探しであれば、上記のツールをぜひ試してみてください。