被リンク（バックリンク）は、検索エンジンがWebサイトを評価するうえで欠かせない要素です。良質な被リンクを多く獲得しているサイトは、検索順位が上がりやすく、AI検索（GEOやLLMO）においても信頼性の高い情報源として引用されやすくなっています。
この記事では、自社や競合の被リンク状況を分析できるおすすめの被リンクチェックツールをまとめました。無料で使えるツールから本格的なSEO分析ツールまで、それぞれの特徴と活用のポイントをわかりやすく解説します。
・被リンクはSEOとAI検索（GEO／LLMO）で信頼の証となる重要な評価指標
・被リンクチェックツールを使うと、リンクの質や量を可視化し改善に役立つ
・無料から有料まで10種類を比較紹介
・被リンクを増やすには、良質なコンテンツ発信や寄稿・SNS拡散などが効果的
・定期的な被リンク管理で、AIにも検索エンジンにも信頼されるサイトを目指すべき
記事の監修者
藤井 慎二郎 / 株式会社オロパス 代表取締役
SEOコンサルタントとしてBtoB、BtoC問わず、1,000社以上のWebサイトをコンサルテイングを行ってきた実績を持つ。経営軸の高い視座で戦略的にSEOを進めることが得意。
2014年に現在の株式会社オロパスを設立。それまでのSEO知見を活かしてSEOツール「パスカル」を開発。
被リンクとは？SEOでの重要性
被リンクとは、他のWebサイトから自社のWebサイトへ貼られたリンクのことを指します。検索エンジンは被リンクを「信頼」や「推薦」として評価しており、SEOにおいてとても重要な要素です。
被リンクが多いほど良いというわけではなく、質の高いリンクをどれだけ獲得できているかが鍵になります。信頼性が高く、関連性のあるWebサイトからの被リンクは、ドメイン評価を上げ、検索順位の向上につながります。
一方で、低品質な被リンクや不自然なリンクが多いと、Googleのペナルティを受ける可能性もあるため、定期的に被リンクをチェックし、状態を把握しておくことが大切です。
GEO(LLMO)時代における被リンクの役割
最近では、AIによる検索（GEO／LLMO）が登場し、検索体験そのものが変化しています。AI Overviewsや生成AIは、ユーザーの質問に対してWeb上の情報をまとめ、回答を提示します。
このとき、AIがどのサイトを引用・参考にするかの判断に、被リンクやサイテーション（言及）などの信頼シグナルが影響していると考えられています。
つまり、被リンクはSEO上の評価だけでなく、AIに「信頼される情報源」として引用されるための指標としても注目されています。良質な被リンクを多く持つサイトは、AIからも信頼されやすく、GEO（LLMO）対策としても有利になります。
AI時代の被リンク対策では、「検索順位を上げるためのリンク」から「AIに選ばれるためのリンク」へと考え方を広げ、
自然で関連性の高いリンクを継続的に獲得・管理することが重要です。
被リンクチェックツールの選び方
被リンクチェックツールを選ぶときは、「精度」「機能」「操作性」「コスト」の4つを基準に比較するのがおすすめです。
被リンクはSEOに直結する指標のため、どのようなデータを、どのくらいの頻度で取得できるかが特に重要です。また、被リンクは数を増やすだけでは意味がありません。
数よりも質の高いサイト（信用できるサイト）からの被リンクが重要です。
AI検索の時代では、単にリンク数を追うだけでなく、どのサイトから信頼されているかを可視化できるツールを選ぶことがポイントになります。観点は以下にまとめました。
| 観点 | チェックポイント |
|---|---|
| データの正確性 | 被リンク数やドメインスコア、リンク元URL、アンカーテキストなど、SEO評価に必要なデータをどこまで取得できるか。 |
| 更新頻度 | データがどれくらいの頻度で更新されているか。日次や週次更新が可能なツールだと分析の精度が高い。 |
| 被リンクの分析軸 | 被リンクの「質」と「関連性」を評価できるか。スパムリンク判定やリンク元ドメインの評価機能があると便利。 |
| 競合分析機能 | 競合サイトの被リンク構造を比較できるか。自社とのギャップ分析に役立つ。 |
| スパム検出機能 | 不自然なリンクを自動的に検出し、否認や削除の判断材料を提供してくれるか。 |
| 操作性・コスト | UIの分かりやすさや、無料版でどこまで分析できるか。自社の運用体制に合うツールを選ぶ。 |
近年のAI検索では、AIが「どのサイトを信頼し、どのページを引用するか」を判断する要素として、外部からの評価（＝被リンク・サイテーション）も影響しているといわれています。
そのため、GEO（LLMO）時代の被リンク分析では、SEO目的だけでなく、AIに選ばれる情報源としての信頼度を把握するツール選びも重要です。
実際のところ、被リンク分析に特化したツールはそれほど多くなく、多くはSEO対策の機能を含むツールになります。その中から、使いやすいツールを選べば失敗は少ないでしょう。
おすすめの被リンクチェックツール10選
ここからは、被リンクの分析に役立つおすすめツールを紹介します。無料で使える基本ツールから、SEO専門家が利用する本格的な分析ツールまで幅広く取り上げています。自社の目的や予算に合わせて最適なツールを選びましょう。
1. パスカル（Pascal）
国産SEOツールとして、被リンク分析から競合比較、AI時代のGEO（LLMO）対策までをワンストップで行えるのが特徴です。
自社サイトと競合サイトの被リンク構造を自動で可視化し、どのリンクが検索評価に影響しているかを分析できます。
さらに、上位表示サイトのリンク傾向やサイテーション分析、AIに選ばれる構造要素の抽出など、AI検索時代に最適化された機能を搭載しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ツール名 | パスカル（Pascal） |
| 提供会社名 | 株式会社オロパス |
| 公式サイトURL | https://www.pascaljp.com/{:target=”_blank”} |
| 主な機能 | 被リンク分析、競合比較、サイテーション分析、AI構造解析、SEO改善レポート出力 |
| 料金 | 要問い合わせ（無料トライアルあり） |
| 特徴 | 被リンクの質・量の分析に加え、サイテーション（言及）やAI評価の要素まで対応。SEO×GEO（LLMO）双方を支援できる国産ツール。 |
2. Ahrefs（エイチレフス）
世界中で利用されている定番の被リンク分析ツールです。被リンク数、リンク元ドメインの信頼度、リンクテキストの内容などを詳細に確認できます。
データベースの規模と更新頻度が高く、SEOの中級者〜上級者に人気があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ツール名 | Ahrefs |
| 提供会社名 | Ahrefs Pte. Ltd. |
| 公式サイトURL | https://ahrefs.com/{:target=”_blank”} |
| 主な機能 | 被リンク分析、ドメイン評価、競合比較、コンテンツギャップ分析 |
| 料金 | 月額99ドル〜 |
| 特徴 | 世界最大級の被リンクデータを保有。被リンク元の質と関連性をスコア化できる。SEO全体の改善にも活用可能。 |
3. SEMrush（セムラッシュ）
SEOだけでなく広告・SNS分析まで統合的に行えるマーケティングツールです。被リンク分析機能では、自社と競合の被リンク差分やスパムリンクの有無を一目で確認できます。
GEO（LLMO）対策にも通じる「外部評価の可視化」が強みです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ツール名 | SEMrush |
| 提供会社名 | SEMrush Inc. |
| 公式サイトURL | https://www.semrush.com/{:target=”_blank”} |
| 主な機能 | 被リンク分析、競合比較、スパム検出、SEO・広告統合分析 |
| 料金 | 月額129.95ドル〜 |
| 特徴 | 被リンク調査と広告運用分析を一括管理。SEO戦略を多角的に立てられる。 |
4. Majestic（マジェスティック）
被リンクデータの分析に特化した老舗ツールです。「トラストフロー」「サイテーションフロー」という独自指標を用いて、被リンクの質と量をスコア化します。長期間のリンク履歴データを確認できる点も特徴です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ツール名 | Majestic |
| 提供会社名 | Majestic |
| 公式サイトURL | https://majestic.com/{:target=”_blank”} |
| 主な機能 | 被リンク分析、トラストフロー／サイテーションフロー指標、リンク履歴追跡 |
| 料金 | 月額49.99ドル〜 |
| 特徴 | 独自スコアで被リンクの信頼性を数値化。長期データを基に推移を把握できる。 |
5. Moz Link Explorer
初心者にも扱いやすい被リンク分析ツールです。
被リンク数やリンク元ドメインの評価、スパムリスクの確認など、基本的な分析を網羅しています。
無料版もあるため、初めての被リンクチェックに適しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ツール名 | Moz Link Explorer |
| 提供会社名 | Moz, Inc. |
| 公式サイトURL | https://moz.com/link-explorer{:target=”_blank”} |
| 主な機能 | 被リンク数分析、ドメイン評価、スパムスコア判定 |
| 料金 | 無料版あり／有料99ドル〜 |
| 特徴 | シンプルで直感的なUI。SEO初心者がリンク構造を学ぶのに最適。 |
6. Google Search Console
Googleが提供する無料の公式ツールです。自社サイトの被リンク状況を確認でき、リンク元ドメインやアンカーテキストも確認可能です。SEOの基本分析ツールとして、全ての運営者に必須のツールです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ツール名 | Google Search Console |
| 提供会社名 | Google LLC |
| 公式サイトURL | https://search.google.com/search-console/{:target=”_blank”} |
| 主な機能 | 被リンク確認、リンク否認ツール、インデックス状況確認 |
| 料金 | 無料 |
| 特徴 | Google公式ツール。安全な被リンクデータを確認でき、スパムリンクの管理にも対応。 |
7. Ubersuggest（ウーバーサジェスト）
被リンクチェックに加えて、キーワード調査や競合分析もできる総合SEOツールです。無料版でも基本的な被リンクデータを確認できるため、初心者や中小企業に向いています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ツール名 | Ubersuggest |
| 提供会社名 | NP Digital |
| 公式サイトURL | https://neilpatel.com/ubersuggest/{:target=”_blank”} |
| 主な機能 | 被リンク分析、ドメインスコア確認、キーワード分析 |
| 料金 | 無料版あり／有料12ドル〜 |
| 特徴 | 被リンク＋キーワードの両方を確認できる軽量ツール。低コストで導入しやすい。 |
8. Rank Tracker（ランクトラッカー）
SEO順位チェックツールとして知られていますが、被リンク分析機能も搭載しています。
競合サイトのリンク獲得状況を比較し、検索順位との関係を可視化できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ツール名 | Rank Tracker |
| 提供会社名 | SEO PowerSuite |
| 公式サイトURL | https://www.link-assistant.com/rank-tracker/{:target=”_blank”} |
| 主な機能 | 被リンク分析、順位追跡、競合比較 |
| 料金 | 有料（無料トライアルあり） |
| 特徴 | 検索順位と被リンクを同時にモニタリング可能。SEO全体の相関を把握できる。 |
9. Backlink Checker（Small SEO Tools）
無料で利用できる被リンクチェックツールです。ドメインを入力するだけで、リンク元や被リンク数を簡単に確認できます。シンプルな仕様で初心者にも扱いやすいです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ツール名 | Backlink Checker |
| 提供会社名 | Small SEO Tools |
| 公式サイトURL | https://smallseotools.com/backlink-checker/{:target=”_blank”} |
| 主な機能 | 被リンク数確認、リンク元ドメインの一覧表示 |
| 料金 | 無料 |
| 特徴 | 無料で被リンクを即時確認できるシンプルツール。手軽な分析に最適。 |
10. AIOSEO（All in One SEO）
WordPress向けのSEOプラグインで、被リンクの基本分析だけでなく内部リンク最適化にも対応しています。
WordPressサイト運営者にとって、サイト管理と被リンク確認を同時に行える便利な選択肢です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ツール名 | AIOSEO |
| 提供会社名 | Awesome Motive Inc. |
| 公式サイトURL | https://aioseo.com/{:target=”_blank”} |
| 主な機能 | 被リンク分析、内部リンク管理、SEO設定、メタタグ管理 |
| 料金 | 年額124ドル〜 |
| 特徴 | WordPress専用SEOプラグイン。被リンクと内部構造を同時に最適化できる。 |
被リンクを増やすための基本対策
被リンクチェックツールとあわせて、被リンクを増やす方法も理解しておきましょう。被リンクは、数を増やすことよりも「質」を重視することが大切です。ここでは、自然で信頼性の高い被リンクを獲得するための基本的な方法を紹介します。
1. コンテンツマーケティングを強化する
ユーザーの課題を解決する良質なコンテンツを継続的に発信することが、自然な被リンクを増やす最も効果的な方法です。専門性・独自性のある情報は他サイトから引用されやすく、結果的に自然なリンク獲得（ナチュラルリンク）につながります。特に、統計データ・事例・図解など「引用されやすい形式」を意識して制作しましょう。
2. SNS・プレスリリースの活用
SNSやニュースサイトで情報を拡散することで、他のサイトやメディアに取り上げられる可能性が高まります。
また、公式プレスリリースを出すことで、権威性のあるメディアからのリンク獲得にもつながります。
GEO（LLMO）の観点でも、ブランドの露出が多いサイトはAIからの引用機会が増える傾向にあります。
3. 業界サイトやメディアへの寄稿
業界メディアやパートナー企業のWebサイトに寄稿し、自社の知見を発信することで被リンクを獲得できます。
信頼度の高いサイトからのリンクは、Googleの評価だけでなく、AI検索における信頼シグナルとしても有効です。
「専門家による寄稿記事」や「取材記事掲載」は、SEO・GEOの両面で高い効果が見込めます。
4. 相互リンクは慎重に活用する
関連性の高いWebサイトとの相互リンクは一定の効果がありますが、過剰なリンク交換はスパムと見なされる可能性があります。お互いに内容が補完し合う関係性を意識し、自然な形で設置するようにしましょう。
5. 被リンクの定期チェックを習慣化する
低品質な被リンクが増えると、SEO評価が下がるだけでなく、AIにも信頼されにくくなります。
今回紹介した被リンクチェックツールを活用して、定期的に状態を確認し、不要なリンクは早めに対応しましょう。
被リンク分析でSEOとAI時代の信頼性を高めよう
被リンクは、SEOでの評価だけでなく、AI検索（GEO／LLMO）時代においても「信頼の指標」として重要な役割を果たします。
質の高い被リンクを多く獲得しているサイトは、検索エンジンだけでなくAIからも「信頼できる情報源」として認識されやすくなります。
そのためには、定期的に被リンクをチェックし、自社のリンク状況を正しく把握することが欠かせません。
今回紹介したツールを活用すれば、被リンクの質・量を可視化し、改善につなげることができます。
被リンクは一朝一夕で増えるものではありません。日々のコンテンツ発信と丁寧な運用を積み重ねることで、自然で強いリンク構造が形成されます。
SEOとGEO（LLMO）双方の視点から被リンクを管理し、AIにも検索エンジンにも「信頼されるサイト」を目指していきましょう。
