【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます

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企業のSEO対策に必要なキーワード選定。
マーケティングやSEOの勉強をし始めたばかりの初心者にとって、自分たちだけでキーワード選定を行うのは、ハードルが高いと感じるかもしれませんし、いざ取り組んでみると小さな障壁に幾度もぶつかって、挫折しがちです。

今回は、初心者にもわかりやすいように、具体的な事例を想定して、一つ一つの手順をじっくり解説します。つまづきやすいポイントや注意点も交えて、ノウハウを詰め込んでいますので、この記事を読みながら、実際にキーワード選定を行ってみてください。
まずはお試しで、自分の趣味や好きな商品などでOK。ビジネスからはちょっと離れて「父の日 プレゼント」「DIY 材料」のようなやりやすいテーマを選んでもいいですよ。

実際にやると新たな疑問がわいてきます。ひとつずつ解決していけば、いつの間にかキーワード選定ができるようになっているはずです。
上位表示に繋がりそうなキーワードをしっかり選べば、Googleに代表される検索エンジンからの評価は必ずあがりますよ。

では、一緒にキーワード選定をやってみましょう!

なお、キーワード選定を「もっと知りたい!」方は、以下もご覧ください。
2023-2024キーワード選定総合ガイド SEO対策の基本を徹底解説
キーワードを選定 イメージ画像1【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます

想定事例:横浜市の個人向け保険代理店

ここからは架空の事例を使って説明します。できる限り現実に即した設定にしたので、実際に近いキーワード選定作業になるはずです。
キーワード選定は、業種や商品、目的によって内容が変わります。まずは全体の流れを理解しましょう。

実際のキーワード選定では、数十〜数百個のキーワードを選んでいきますが、いきなり大きなところから開始すると、全体像を捉えるのに時間がかかります。
まずは、1テーマ10関連キーワードのスモールスタートで感覚をつかんでみましょう。

ここでは、横浜市に事務所を構え、個人向け保険を扱う架空の保険代理店「わかば保険相談室」が集客のためにSEO対策を行う想定で考えていきます。

SEO対策のためのキーワード選定を行う前に、企業の情報や売り出したい商品・サービスについて整理しましょう。

売りたい商品・サービス

「売りたい商品やサービスが何かなんて、当然わかっている」とは思いますが、基本的にSEO対策をする際は、ユーザーの悩みに寄り添い、疑問を解決するコンテンツを作る必要があります。自社のサービスがどんなふうにユーザーにフィットするのか、詳細に把握しなければならないんです。

「わかば保険相談室」のケースでは?

・お客様にお勧めしたいのは、外貨建ての投資商品
・病気や死亡に備えるだけでなく、資産運用に興味がある人に向けた保険商品
・家計に余裕のある世帯が対象

ペルソナ/どんな人に利用してもらいたいか?

ペルソナとは、商品・サービスのターゲットとなるユーザー像のこと。マーケティング用語なので、聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
SEO対策を意識して制作するテキストコンテンツは、企業が発信したい情報ではなく、ユーザーが必要としている情報を提供し続けなければなりません。

そのためにも、売りたい商品・サービスをどんな人が利用しそうかペルソナを詳細に設定してみましょう。

「わかば保険相談室」を利用しそう&来てほしい人物像は?具体的に考えてみよう

わかば保健相談室はお客様に事務所に出向いていただき、対面で保険の相談・販売を行うスタイルの保険代理店です。
オンライン面談をしたり営業マンがお客様宅へ訪問したりするわけではないので、ネットですべて済ませられる場合とは違い、顧客となる対象者は“事務所の周辺が活動範囲である人”に限られてきます。そのため、地域を絞ってターゲット像を掘り下げるのがいいかもしれません。

・競合他社が同じ地域にどれくらいあるか
・事務所近隣の住民はどのような方が多いのか(お財布事情や年齢層など)
・わかば保険相談室の存在が知る住民がどれくらいいるのか

など、実店舗があるのなら、近隣商店の方に買い物がてら質問して教えてもらったり、朝、昼、夜と近所を歩き回ったりするのが一番手っ取り早い方法です。
行うのはインターネット上の施策とはいえ、ずっとデスクの前でPCとにらめっこしていると煮詰まってしまいます。時には体を動かしてみると発想の転換ができて意外といい案がひらめきますよ。
わかば保険相談室 ペルソナ イメージ画像2【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます

相談者

・夫45歳 大手企業の部長職
・妻40歳 正社員管理職

データ

・小学3年生と保育園児の子どもがいる
・共働きで、世帯年収1,600万円
・両親の介護と他界により、先を見据えた資産運用を意識し始めた
・相続発生により1,000万円貯蓄が増えた
・500万円以上のまとまった金額の資産運用を考えている
・数年前にローンを組んで戸建て住宅を購入
・職場や友人に資産運用を行っている人が多く、投資が話題にのぼるため、多少の知識はあり

このように、具体的かつ詳細にペルソナを設定しイメージを固めます。
もちろん、これから制作するブログやコラムなどのテキストコンテンツは、「このペルソナにぴったり当てはまる人だけが対象」というわけではありません。
それでも、具体的な人物像を設定することで、お客様の知りたいことがイメージしやすく、よりリアリティのある言葉が紡ぎだせるようになります

記事ごとにそれぞれ異なるペルソナを設定してもいいですし、売りたい商品やサービスのプランごとに変えていっても構いません。その代わり、同一記事内でのペルソナは一つにしてください。「設定したペルソナに向けて書く」と意識するだけで、同じカテゴリーの記事に統一感が出ますし、わかりやすい文章になります。

初心者にありがちな失敗は、途中で誰に向けて書いていたかわからなくなってしまうことです。「文章の初めは20代の若者を思い浮かべて書いていたのに、最後の方は企業の管理職に向けた文章になってしまっていた」となると読み手が内容を理解しにくくなるので気を付けたいところです。

ターゲット層とペルソナは違うの?

ペルソナに近い言葉に「ターゲット層」があります。ペルソナの設定はキーワード選定でメインテーマを選んだあと、小さなカテゴリごとにユーザーの検索意図やお悩みを推測するためには非常に有効です。
しかしながら、対象者が非常に狭く、キーワード選定でメインのテーマを選ぶ際に限定しすぎると、選びにくくなってしまうかもしれません。
ペルソナをイメージしながら、一緒にターゲット層も設定しましょう。

ターゲット層は、商品・サービスの主な顧客層や狙いたい市場のセグメントを示すものです。年齢層、性別、地域、職業などの一般的な特性で区分します。

ペルソナをもとにターゲット層を設定してみると、

ターゲット層

年齢層:30~50代
性別:男女
地域:横浜市近郊
世帯年収:1,000万円以上
職業:大手企業サラリーマン
家族構成:高校生以下の子どもを持つ家庭

先にペルソナを決めれば、ターゲット層もイメージしやすくなります。キーワード選定を行う際は、ターゲット層とペルソナを意識し、イメージを膨らませていきましょう。

ここまでで基礎データの洗い出しは終わりました。次に、キーワード選定の事前準備を行います。

大まかな流れは【SEOキーワード選定のやり方】にまとめています。それに沿って、「わかば保険相談室」のキーワード選定をしてみましょう。

初心者でもできる!キーワード選定の事前準備

キーワード選定の実作業に入る前に、事前にチェックしておくべき事項が4つあります。キーワード選定を始めた後も、疑問に思ったことがあったら都度、確認するようにしましょう。
社内で情報共有を イメージ画像3【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます

事前準備(1)商品・サービスのセールスポイントを確認

初めに対象となる商品・サービスが何なのか、SEO対策やキーワード選定を行うチーム内で、情報共有をします。“わかっていて当然”と思わず、これから向かうべき方向を揃えましょう。

また立場が違えば視点も変わります。自分が考えるセールスポイントとお客様が魅力を感じるポイントは違うかもしれません。過去のお客様アンケートやリアルな声、SNSでの評判のデータがあるならぜひ活用してください。Googleビジネス プロフィール(旧:Googleマイビジネス)にも口コミがついている可能性があるので一緒にチェックしてみましょう。

実際の作業は一人で行う場合でも、上司や営業担当、窓口担当など、対象の商品・サービスに近い立場の人へのヒアリングは必須です。

可能なら、
・キーワード選定が終わった段階
・コンテンツ制作後、公開前の段階
・記事公開から一定期間経った段階

などに、方向性が間違っていないか、ヒアリングをした人に再度、確認してもらうのがベストです。

私たちは複数企業のキーワード選定やコンテンツ制作に携わってきましたが、担当部署やお客様、上司など、かかわりのある人たちとのすり合わせ作業は必ず行うようにしています。

一番怖いのは、数十本の記事を公開したあと、「成果が出ていない」と言われて初めて方向性が違うと気づくことです。想定しているターゲットや商品の強みなど、ちょっとした認識の違いで、出来上がるコンテンツには大きな差が生まれます。準備段階でのすり合わせを怠れば、制作したコンテンツで成果が出る可能性は極めて薄くなります。

キーワード選定は非常に手間のかかる作業ですし、その先のコンテンツの制作にも、もちろん時間がかかります。
しつこいと思うくらい確認し、変な方向に進まないよう、細心の注意を払いましょう。

「わかば保険相談室」の特徴・強み

・営業マンが一人一人の状況を確認し、最適な保険を案内できる
・さまざまな保険会社の商品を扱っている
・窓口で接客対応する社員が20~50代男女で複数名在籍しているため、お客様ごとに相性の良い担当者をつけられる
・最近はオンライン対応のみの保険会社が増えているが、わかば保険相談室では対面販売をメインにしている

事前準備(2)ウェブサイトの現状をチェック

現在のWebサイトの状況は、キーワード選定を始める前にチェックしてください。
SEO対策と効果測定は必ずセットで行います。そのためにはまず、効果の測定ができる状態かどうか、確認しましょう。

web上のサイト分析のためのツールは、有料・無料を含めてたくさんありますが、「Googleサーチコンソール」と「Googleアナリティクス」は必須です。

これらのツールの使い方は初めての人には、難しく感じられるかもしれませんが、キーワード選定に使うのはごく一部の機能だけなので、一度覚えてしまえば簡単です。

Googleサーチコンソールとアナリティクスで何ができる?

Googleサーチコンソールでは、自社サイトに「どんなクエリ(キーワード)で流入があるか」「Google検索結果にどのページがどれくらい表示されたか」「どの記事が何回クリックされたか」「どこからの被リンクがあるか」などがわかります。

一方、Googleアナリティクスは「ユーザーがどの記事にどれくらいの時間滞在しているか」「どこからサイトに流入しているか」「検索でたどり着いたのか、ブックマークやURLから直にアクセスしたのか」などを調べられるツールです。
キーワード選定に使えるその他のツールや概要は以下の記事で説明していますので、ご覧ください。

関連記事
【2023-2024最新】SEO対策・キーワード選定のおすすめツール10選 無料で使える・役立つツールを紹介します!

SEO対策としてコンテンツを制作するのなら、「Googleサーチコンソール」と「Googleアナリティクス」でデータ計測できる状態でスタートします
初心者だと、データ分析に関しては不慣れかもしれません。計測ができているかは、Webサイト制作を外注しているなら制作会社に、自社で制作や管理を行っているなら社内の担当者に確認してみてください。

また、現在、サイトにはどのような情報が掲載されているのか、既存コンテンツの内容を把握しておくのはもちろんのこと、サイトの構造的に、SEO対策ができる状態かどうか、の確認も必須です。

チェックポイント

・コラムやブログを更新するためのページが設置されているか?
・どのような画面で記事を公開すればいいのか?(ITの専門知識のないスタッフでも公開作業ができるか?)
・コンテンツを制作するのは固定ページか?ブログページか?

固定ページは、サービス案内や事業概要のような基本的な情報が掲載された、頻繁には更新を行わないページのことです。ブログやコラムは新たな記事を継続的に掲載していくので、多くのサイトでは固定ページとは異なる仕組みで投稿されます。

まさかと思うかもしれませんが、「コンテンツを掲載できるページがなかった」というケースもあります。

「わかば保険相談室」のwebサイトの状況は?

・Googleサーチコンソール、アナリティクスでデータ計測はできている状態
・コラムやブログなどのコンテンツ発信はしておらず、サイトへのアクセス数は一日10件に満たない状況
・サイト制作は外注、ブログページがなかったので急ぎで増設を依頼

事前準備(3)競合のウェブサイトを調査

これからSEO対策をするサイトの“競合”にあたるのがどんな企業が開設したサイトか、見ていきます。

・どのようなキーワードを狙ったコンテンツがあるか
・コンテンツの質
・更新頻度
・投稿数

など、狙いたいキーワードで上位に表示されるサイトの内容を一つずつ見て、自社サイトと比較します。

あくまでも初期段階の調査なので、「保険代理店 ○○市」「保険 相談」など、調べるのは直感的に頭に浮かんだキーワードでOK。いくつかGoogleに検索キーワードを入力して調べてみましょう。

「わかば保険相談室」のケースでは?

では実際に、「保険 相談」とGoogleの検索窓に入力してみます。
表示されたサイトをざっと見てみると、記事の掲載元は、保険会社が運営するサイトもあれば、同業の保険代理店もあります。
保険 相談の検索結果 画像4【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます

「保険代理店 横浜市」「保険 相談」の二つを検索するだけでも、検索結果の上位に表示される企業サイトやページがだいぶ違うことに気が付きます。

普段からGoogle検索には慣れ親しんでいるつもりでも、SEO対策・ビジネス視点で見てみると、新たな気づきが多いもの。

ちなみに検索結果に「スポンサー」と表示されるのは、有料の運用型広告(リスティング広告)です。リスティング広告がたくさん出るのは、狙っている企業が多いキーワード。競合の多い言葉を狙っていくのか、あえて外すのか、検索数は少ないもののユーザーの悩みに直結するキーワード(ロングテールキーワード)を選択するのか、など、この先の方針を決める材料にするため、軽く調査を行います。

ここでは他社の状況をおおまかに把握するにとどめ、詳しい調査はキーワード選定作業に入ってからで大丈夫。気づいたことをメモしておくと、この先のキーワード選定に役立ちますよ。

事前準備(4)目的・目標を設定し、費用・期間を確認

【SEOキーワード選定の考え方】 でもお伝えしましたが、数値目標を把握せずに、いきなりキーワード選定に入るのは厳禁です。必ず、取り組みのゴール地点を最初の時点で確認しましょう。

・設定した目標が実現可能か
・期間が短すぎないか
・費用とリソースがきちんと確保されているか(ツール導入費・ライティング費用・社内スタッフの業務量の調整など)

営業部や企画部など数値目標を把握している部署がある場合は、費用や目標数値を確認してみてください。担当部署がなく、企業内に把握している人がまったくいないのなら、目的と目標の設定から行わなければなりません。いち担当者だけで行うのは現実的ではありませんから、上司やお客様に必要性を説明し、協力体制を整えるところから始めます。

企業内にSEO対策に詳しい人がいないと、深く考えずに「とにかく毎日ブログ記事を書いてSEO対策を!」となってしまいがちですが、ゴールの設定や費用、リソースの確保など、十分な準備をしてからスタートしましょう。

「わかば保険相談室」のケースでは?

取組み期間:2年間
目的:500〜2,000万円の運用型の保険契約件数を増やす
目標検索順位:10位以内
LTV:750万円
コンバージョンポイント:ネット経由の「保険相談予約」
リソース:キーワード選定は社内で対応し、執筆は社外の専門ライターに依頼

目標順位は1位が理想的ですが、そうそう取れるものではないので、最初はTop10以内の設定をお勧めします。

参考記事
【SEOキーワード選定の考え方】コンテンツと向き合い続ける方法
該当箇所:コンテンツの初期設計で重要なキーワード選定は、はじめに数値目標の設定を

初心者でもできる!キーワード選定の手順 6ステップ

では、ここから実際にキーワードを選ぶ作業に入ります。
想定している事例は、横浜市に事務所を構える保険代理店「わかば保険相談室」でした。これを例に、どのような手順で進めばいいか、具体的に見ていきましょう。
以下の項目は【SEOキーワード選定のやり方】で説明した流れと同じです。全体像を把握したい方は、先にこちらの記事をご確認ください。

ステップ1 ターゲット像を明確に設定し、理解を深める

設定したペルソナが、「売りたい商品・サービス」のどの部分に、魅力を感じ、疑問を持ちそうか、より詳細に考えていきましょう。
相談者イメージ画像5【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます

相談者のご夫婦には、相続で取得した500万円以上の現金を資産性の高い保険商品の購入に充てたい意向があります。お子さんがまだ幼いため、運用型保険の中でもリスクは低めのものを選びたいと思っているかもしれませんね。

わかば保険相談室で扱うのは外貨建ての運用保険です。ここではペルソナとともに設定したターゲット層も再確認し、

・多少のリスクは伴うものの、実績のある保険会社の商品をお勧めすれば興味を持ってもらえるかもしれない
・初めて運用型保険に接する方なら警戒感が強いかもしれないが、周囲に資産運用をしている人が多く、情報を耳にしているのならハードルは低い可能性がある
・利率の悪い学資保険に加入済みだったら、その代わりに運用商品を提案できるかもしれない

などと、想像を膨らませていきます。

官公庁の調査データや自社の販売実績など信頼のおける数字も参考に、戦略を立てましょう

ステップ2 メインとなるキーワードの洗い出し

実際のキーワード選定では、メインとなるキーワードについて関連ワードをある程度、網羅的に抽出しなければ成果がなかなか出せません。しかしながら今回はテストケースとして、1つのメインキーワードに対して、10個の関連ワードを探すところからスタートしてみましょう。
企業として初めてSEO対策に取り組む際も、スモールスタートで感覚をつかむといいですよ。
ここではメインとなるキーワードを洗い出していきます。

まずは自社を示す「保険代理店」とGoogle検索の検索窓に入力してみましょう。

Google検索の検索エンジンで表示されるサジェストを利用する

検索キーワードを入力すると、検索窓の下に候補としていくつかのキーワード「サジェスト」が出てきます。ここには多くの人が検索している言葉が表示されるので、これから行うキーワード選定の大きなヒントになります。

保険代理店の検索結果 画像6【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます

重要なのは、「この言葉を顧客となりうる人たちが検索する際に使うのか」の確認です。
サジェストに出てきた「保険代理店 相談」は顧客となりうる人が検索しているように思えます。でも、他に出てきたサジェストキーワードを見てみると、「保険代理店 ビジネスモデル」「保険代理店 資格」などとセットで検索され、顧客というよりは、“保険代理店”を開業したい人、保険代理店の仕組みを調べたい人が調べているようにも思えます。

となると、保険代理店のお客様となりうる人たちは「保険代理店」ではなく、別の言葉で検索しているのかもしれません。

ここで、試しに「保険 相談」を入力してみます。
保険 相談の検索結果 画像7【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます

サジェストを見てみると、「どこの保険を選んだらいいか相談したい」「保険相談のデメリット」など、かなり“顧客”に近い検索意図が推測できます。
このようなキーワードはターゲット層が検索しそうですから、とても有望です。

次に、地域名を追加した「保険代理店 横浜市」を入れてみましょう。

保険代理店 横浜市の検索結果 画像8【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます

上位に表示される「スポンサー」と書かれたページは、企業がGoogleにお金を払って出稿している有料広告です。広告出稿が多い中、そのキーワードをオーガニック検索(自然検索)で狙っていくのは少しハードルが高い場合もありますが、実店舗がある会社にとって、地域ワードとのかけ合わせのキーワードはぜひとも押さえておきたいですよね。その場合、市の名前だけでなく、地域名、最寄り駅名を入れて「保険代理店 横浜市 ○○区」と範囲を狭めてみるといいですよ。
あわせてローカルSEOやMEOについても考えておきましょう。

では最後にもう一つ。「保険 選び方」を検索窓に入れてみました。
保険 選び方 の検索結果 画像9【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます

上記の検索結果からわかるのは、「生命保険 選び方 ○○代」というように、年代や性別でどんな保険を選べばいいのか検索している人が多そうだということです。

こういった情報は、ただ考えているだけではなかなか思い至らないもの。手を動かして探し、ヒントを得ながら検索意図を推測していく作業が非常に重要です。

こんな具合に、商品やサービス、事業内容を指し示す、大きめの言葉を検索してみて、その結果から、狙うべきターゲット層が検索しそうなキーワードを考えていきます。

今回はGoogleの検索窓に打ち込んで表示されるサジェストを参考にしましたが、ラッコキーワードやその他ツールを使って一括での出力も可能です。「検索してみて気になったワードはラッコキーワードでさらに詳細に見てみる」「重要なキーワードのみ一括出力しておく」など、ツールを使って時短できる部分もあります。

もちろんここに書かれたサジェストを使った方法だけでなく、X(旧Twitter)やFacebookなどのSNSを参考にする、近いジャンルの検索ワードも入れてみる、お客様満足度調査をするなど、テーマを考える段階では、たくさんの材料を集めて判断してください。

実際にキーワード選定を行う際は、メインのテーマとなるキーワードを10~100個くらいは候補として用意します。この先のステップで除外するものも出てくるので、ペルソナにぴったり当てはまるものだけでなく、広めの「ターゲット層」も意識して、少し多めに選んでおきましょう。

「わかば保険相談室」では、「保険 相談」をメインのキーワードに選んだことにして、話を進めます。

ステップ3 関連ワードを出す

次は、メインのキーワードに関連するワードを出していく作業です。
「保険 相談」の関連ワードを出してみます。

関連するキーワードの抽出は、自分たちの頭だけでひねり出すのは大変ですし、網羅性の面で心配もあります。そこで、ツールを使用します。
今回は、無料で使えるGoogle広告のキーワードプランナーを使います。

有料ツールなら、パスカルやUbersuggest(ウーバーサジェスト)、Ahrefs(エイチレフス)などを導入すると簡単に出力できます。有料ツールは機能が多く、作業時間を短縮できて非常に効率がアップします。反面、専門用語や数値の意味がわかっていないと使うのが難しいツールもあります。

また海外発のSEOツールは英語版しかなかったり、機械翻訳された、やや不自然な日本語だったりすることも。マーケティングやSEOの知識がある人なら、前提となる用語の知識があるので使いこなせますが、初心者で英語が苦手だと、すぐには自在に活用できるレベルに達しません。

初心者が有料ツールを使う場合には、日本語でもわかりやすく、感覚で操作ができるものを選びましょう。

どのツールでも関連ワードはcsv形式で一括書き出しができますから、ExcelやGoogleスプレッドシートなどを使って、絞り込み作業をします

なお、Google広告のキーワードプランナーは無料ですが、登録しないと使えません。最初に使える状態にしておきましょう。

実際にGoogle広告のキーワードプランナーで作業してみよう

Google広告にログインすると以下のページが表示されます。

Google広告キーワードプランナー トップ画面 画像10【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます
左端にある「ツール」のアイコンにカーソルを合わせるとメニューが出てくるので「キーワードプランナー」をクリックすると、以下の画面が開きます。
Google広告 キーワードプランナーをクリック 画像11【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます

「新しいキーワードを見つける」をクリックすると、入力画面が出てくるので、「保険 相談」と入力してみます。
このキーワードはトレンドや最新情報が必要とされる言葉ではなさそうなので、直近1年間のデータを出しました。例えば、「バナナジュース 専門店」「民法改正 契約書」のように、流行のグルメや法改正が絡む話題なら直近3か月のデータを使用する、というように期間変更が必要です。
キーワードプランナーでは、複数のキーワードを一気に調べられるので活用しましょう

除外する際は細心の注意を払って

コンテンツを掲載予定のサイトのURLを入力すると、キーワードプランナーが「関連性がない」と判断したキーワードを除外させることもできます。ただし、あくまでも機械が判断したものですから、「よく考えたら選ぶ価値があるかもしれない」というようなキーワードまで削除してしまう可能性もあります。いったん除外したキーワードは二度と検討にのぼることはありませんから、除外したものとしないもの、両方で出してみて、軽く見比べてからにするなど、除外機能は慎重に利用してください。

ここで抽出したデータを、一括でダウンロードしたら、関連ワードの抽出作業は完了です。

実際のキーワード選定では、上記の作業を大きなテーマのキーワードのそれぞれについて、繰り返すことになります。大変そうに感じるかもしれませんが、単純作業なので担当者で分担して行えますし、操作自体は、慣れれば難しくはありませんよ。

ステップ4 検索ボリュームを調査する

先ほどのキーワードプランナーを使って抽出した関連キーワードは、上記の通り、ダウンロードしたデータに「月間平均検索ボリューム」が書かれているので、それを確認すればOK。
ツールを使わずに考えたキーワードについては、同じくキーワードプランナーの「検索のボリュームと予測のデータを確認する」の方に入力すれば調べられます

関連ワードをツールで一気に出したものと、人力で追加したキーワードが別々のシートが複数に分かれている場合は、出揃った時点で、シートを統合しておきましょう。統合する際は、項目がずれないように注意してください。

この後、ExcelやGoogleスプレッドシート上でデータを統合して、見やすく調整していきます。

『検索のボリュームと予測のデータを確認する』ではキーワードごとに改行すれば、別のキーワードとして認識されます。ExcelやGoogleスプレッドシートの1列をそのまま貼り付けても大丈夫です。
キーワードプランナー『検索のボリュームと予測のデータを確認する』画像12【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます

ステップ5 競合性をチェックする

先ほどキーワードプランナーで出したデータには競合性も記載されています。

出力データ 競合性の表示位置 画像13【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます
赤で囲んだ「Competition」が競合性を示しています。低・中・高の順に、競合性が高くなっていきます。

競合性の高低は、このあとのキーワードの絞り込みの際の重要な指標になります。
「競合性が高いから狙わないほうがいい」「低いからねらい目」というように単純なものではありません。

企業にとってどうしても外したくないキーワードであれば、競合性が高くとも狙うべきですし、競合性が低くても、業務と関連性が薄いのなら狙っても成果につながらないかもしれませんよね。

そのあたりのバランスを考えながら、どのキーワードを選べばいいか、考えます。

ステップ6 キーワードの絞り込み

ここからはGoogleスプレッドシートやExcel上で、データを並べ替えたり、取捨選択をしたりとキーワードを絞り込む作業に入ります。

ここでは、無料で使えて、資料共有のしやすいGoogleスプレッドシートを使ってご説明します。

「Avg. monthly searches」の列が月間検索ボリュームです。
キーワードプランナーの画面上では、「100~1000」「1000~1万」「1万~10万」と表示されていますが、CSV形式で出力したデータ上では、「100~1000」は500、「1000~1万」は5000と表示されています。“~”が入っていると、数値として認識されないからかもしれませんね。

Googleで有料の広告運用をしていると、検索ボリュームはもっと詳細な数値で表示されます。数値が詳細に分かったほうがより参考になります。しかしながらキーワード選定においては、優先順位を決めたり、取捨選択をしたりするための大まかな指標として使えれば十分なので、無料の範囲で見られるデータでも問題なしです。

Googleスプレッドシート上でデータをチェックしよう

実際に「保険 相談」とキーワードプランナーに入力して出力したデータがこちらです。
「保険 相談」とキーワードプランナーに入力して出力したデータ 画像14【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます

保険の相談に関する内容もありますが、企業名や保険名の入ったキーワードがたくさん混ざっています。
競合他社の名前を入れたくない場合は、キーワードプランナーの「不必要なキーワードを除外する」機能を使って再出力します。
今回は削除候補をいくつか試してみて「ノンブランド」に該当するもの以外を削除しました。
キーワードプランナーの「不必要なキーワードを除外する」機能を使って再出力画像15【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます

すると、約500キーワードと、だいぶ絞られてきました。
この先はひとつひとつ、目視で絞っていきます。

関連のない言葉の入ったキーワードを削除

今回は、投資目的で加入する保険を販売して収益を上げることが目的なので、関係のない「社会保険」「火災保険」などを見つけて除外します。

ドキュメント内で検索 画像16【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます

Googleスプレッドシートの“ドキュメント内で検索”機能を使い、「保険」「火災」などが入ったキーワードを除外候補としてチェックします。チェックボックスを使うと便利です。
※ドキュメント内検索機能のショートカットキーは、Ctrl+Fキー(Windows、Chrome OS)または ⌘+Fキー(Mac)

検索機能を使って大まかに除外候補をチェックした後は、残りのワードを目視で確認します。
だいたいチェックし終わったら、チェックボックスの列を並べ替えて、削除候補としたものはわかりやすいようにセルの色や文字の色を変えておくとわかりやすいですよ。
並べ替えをする前に通し番号を付けておくのをお忘れなく。
また元データを直接並べ替えず、別タブにコピーしていまの時点の版を残してから、作業するようにしましょう。Googleスプレッドシートは編集履歴をみることができますが、スプレッドシート内でどこまでの作業をしたデータなのか分かりにくいので、別のタブに残しておいた方が安心です。
チェックボックスを使うとわかりやすい 画像17【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます
削除すべきか慎重に検討してほしいのは、売りたい商品の特徴とは違うようにみえるけれど、検索ボリュームが多いキーワード。今回のケースなら「保険 相談 オンライン」のように、対面販売のみの「わかば保険相談室」には一見、関係がないように思えるキーワードです。
除外しすぎないように注意 画像18【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます
ユーザーの検索意図は「オンラインで保険相談できるサービスを探している」のだとは思いますが、すべてのユーザーにとってオンラインの保険相談が必ずしもベストな選択肢とは限りません。
「わかば保険相談室」の強みが際立つように、対面で相談できるメリットやオンラインのデメリットを説明した記事を書けば、顧客となりそうな読者からのアクセスが見込め、収益につながる可能性があります。
検索意図を考えて絞り込んでいく 画像19【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます
次に、似ているキーワードをカテゴリごとに分類します。理由は下の一覧にあるような「保険 相談 オンライン」「保険 代理 店 オンライン 相談」のように似ているキーワードで何本も記事が書けるわけではないからです。
オンライン関連ワード 画像20【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます
赤枠で示したのは、「オンライン」「 保険」の言葉が入ったキーワード14個です。
この14キーワードで記事を書くことを想像してみてください。内容が似通ってしまいそうで、14本の記事を書くのは至難の業ですよね。
ですから、検索ボリュームが多いキーワードの中から適当だと思われるキーワードを残します。
ただし、残りの13個にも「見直し」「学資保険」のように有望そうなキーワードが紛れています。検索ボリュームが多いなら、似ている言葉でも複数のコンテンツが制作できる可能性もあります。検索意図もまた複数あるかもしれないからです。
また一本の記事にならずとも、関連するワードとして似ているキーワードを使った記事内でカバーでするのが望ましいので、どこかにメモしておくか、分かるように区別して残しておきましょう。

このように、あらゆる角度から検討してキーワードの絞り込みを行い、最終的に、コンテンツを制作するキーワードを残しましょう。

最終的に選んだのが以下の10キーワードです。
最終的に選んだ10個の関連ワード 画像21【SEOキーワード選定 初心者向け】誰にでもできるやり方を教えます
使わない数値の入った列を削除し、必要な情報を残します。用途によって備考欄や進捗状況、担当者などの列を追加すれば、そのままコンテンツマップとしても使えますよ。

まとめ:上位表示を達成するために最適なキーワードを選ぼう

未経験のSEO対策を任された初心者の皆さんは、初めてのキーワード選定に戸惑い、難易度が高く感じるかもしれません。それでも、お客様のニーズや検索意図を推測し、需要がありそうなキーワードで一覧を作成、その先のコンテンツ制作と続く一連の作業は、業務理解を深め経験を積む意味でも、大いに役立ちます。

キーワード選定に行き詰ったら、お客様と接する担当部署の方にヒアリングしたり、同業他社を視察したり、と何かしら行動を起こすと解決の糸口が見えてきます。

お客様が読んで満足してもらえる情報を発信し、記事本数を増やしていくと、商品やサービスの認知度は必ず上がります。
一度テキストコンテンツを作ってしまえば、ホワイトペーパー(ダウンロード資料)を作成、設置して、お客様のメールアドレスや電話番号を取得し、直接営業をかけるといった展開も考えられますよね。

キーワード選定は、ゴールではなく、SEO対策のためのスタートラインです。このあと顧客の獲得につなげるために、選定したキーワードをタイトルや内容に反映したテキストコンテンツを制作していきます。コラムやブログなどの書き方は、この先のブログで解説予定ですのでぜひご覧ください。

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