カスタマージャーニーマップとは?顧客行動を可視化する!作り方や目的別の事例などを解説

カスタマージャーニーマップとはどのようなものか、その重要性や注目されている背景、利用するメリット・デメリットなどをご紹介しています。

また、カスタマージャーニーマップの基本的な作り方やポイントもご紹介していますので、カスタマージャーニーマップを実践する際の参考にしてください。

カスタマージャーニーマップを実践する

デジタルマーケティングが普及し、大企業だけではなく中小企業においてもコンテンツマーケティングの導入を検討するところが増え、消費者とのタッチ・ポイントを重要視する企業も多くなってきています。

コンテンツマーケティングを実施する上で、重要な「消費者行動」を見える化し、具体化していく一つの方法として、カスタマージャーニーマップがあります。

ここでは、カスタマージャーニーマップとはどのようなもので、なぜ注目されているのか、作成方法や利用するメリット・デメリットについてのまとめを解説していきます。

カスタマージャーニーマップとは?

カスタマージャーニーマップとは?

カスタマージャーニーマップの重要性やメリットに入る前に、カスタマージャーニーマップってそもそも何なの?という方に向けて、まずはカスタマージャーニーマップの定義について理解していきましょう。

カスタマージャーニーマップとは

消費者、その中でもターゲットとする顧客(ユーザー)が、自社のブランドや商品(サービス)を知り、どのようなプロセスを辿って購買に繋がっているのか、分析してみたことがあるでしょうか。

多くの企業で行われている顧客分析は、「商品を購入した顧客」「商品を購入しなかった顧客」の中で、商品の購入をしなかった顧客の「理由」や購入した顧客が直前に見た「媒体」について分析することでしょう。しかし、それだけでは、顧客がどのようなルートで商品やサービス、ブランドを知り、どのような商品と比較検討し、もしくは比較検討せずに、購入に至ったのか、そのプロセスまでは理解できないでしょう。

このように、製品を購入したり、サービスを利用したりするまでには顧客が踏むプロセスがあり、それを可視化したものが「カスタマージャーニーマップ」です。

その名前の通り、カスタマー(顧客)がジャーニー(旅)をするマップ(地図)として表現し、顧客が製品を知り、購入に至るまでのプロセスを描いたものがカスタマージャーニーマップとなります。

「カスタマージャーニーマップは古い」と言われていることもありますが、こちらの記事もご確認ください。

カスタマージャーニーが古いと言われる理由は? ペルソナとマップの作成方法も解説

カスタマージャーニーマップを構成する要素(フレームワーク)

カスタマージャーニーマップは対象となる商品、ターゲットに応じて入力する情報も様々です。一例を挙げると、「ペルソナ」「顧客のフェーズ」「顧客の行動」「顧客とのタッチポイント」「顧客の感情」「自社のアクション」など、一連の関連情報を入力します。

(タッチポイントについては以下の記事をご参照ください)

カスタマージャーニーのタッチポイントとは? 特定方法や事例を解説

また、時系列を入力する場合や、ゴールとなる軸を「購入」にするケースや「リピート」にするケースなど、さまざまです。

カスタマージャーニーマップを構成する要素(フレームワーク)

カスタマージャーニーマップのフレームワークについては、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。

カスタマージャーニーとは? フレームワークとしての概念と可視化のためのマップの作り方まで徹底解説!

カスタマージャーニーマップを作る目的

カスタマージャーニーマップを作り、利用するのは、売上アップ・利益アップを目的とすることが多く、特に企業は売上・利益を向上するための集客戦略として、カスタマージャーニーマップを利用しています。

また、売上アップや利益アップという直接的な効果だけではなく、顧客の行動を知り、心理を把握することで、商品開発に活かしたり、営業部隊の営業トークに変化を加えたりなど、カスタマージャーニーマップはさまざまな目的で利用できます。

なぜカスタマージャーニーマップが必要なの? その目的や作成方法を徹底解説!

カスタマージャーニーマップが注目される背景

カスタマージャーニーマップが注目されている背景

カスタマージャーニーマップという言葉は、いまでは、さまざまなところで耳にするようになりました。なぜ、カスタマージャーニーマップに注目が集まっているのでしょうか、その背景を見ていきましょう。

消費者行動の変化

カスタマージャーニーマップに注目が集まっている要因のひとつとして、消費者行動の変化があります。消費者の購買行動モデルは、一昔前の AIDMA から AISAS、そして、現代においては DECAX と呼ばれる消費者行動モデルに変化してきたと言われています。

AIDMA(アイドマ)という言葉に聞き覚えがある方もいると思いますが、マスメディア(新聞・テレビ・雑誌・ラジオ)が企業の販促媒体の中心になっていた時代、消費者の行動は「注意→関心→欲求→記憶→行動」という AIDMA で構成されていました。

しかしながら、スマートフォンやタブレットの普及やインターネット環境の進化から、今では DECAX(デキャックス)という「発見→関係→確認→行動→体験共有」に購買行動モデルが変化しています。特に「体験」という部分においては、WebサイトなどUXについて強化しようと、Webサイトのデザインを見なおす動きも多く見られます。

このような購買行動モデルの変化から、マスメディアのような「面」に対してのアプローチだけではなく、ターゲットとする顧客と「点」でつながるアプローチが必要になり、カスタマージャーニーマップの必要性を感じている企業が多くなってきたと考えられます。

カスタマージャーニーマップとAIDMAについては以下の記事を参考にしてください。

カスタマージャーニーにAIDMAやAISASを活用する方法を解説

「個」への対応が不可欠

サービスや商品が世に溢れ、選択することが当たり前になったこの社会において、力関係は企業よりも労働者、生産者や事業者よりも消費者の方が強くなっています。

つまり、企業は選ばれる必要があり、選ばれるためには個々のニーズや行動に対して柔軟に対応していくことが必要となり、カスタマージャーニーマップを利用した接点ポイントの戦略や、顧客の感情に対しての積極的なアプローチが求められています。

顧客への接点ポイントがデジタル化

令和3年度の経済産業政策では、デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速化が重点取組(1)とされており、コロナ禍で企業のデジタル化が広がり、ますます社会のデジタル化が進んでいくことでしょう。

このようなデジタル化が進む中、Webサイトはもちろんのこと、YouTubeSNSTwitterfacebookInstagram)など、様々なプラットフォームから情報収集するようになり、企業がターゲットとする消費者との接点ポイントの多くはデジタル媒体になります。

デジタルマーケティングという幅広いマーケティング戦略の中で、顧客の行動ステージのどこでどのようなアプローチをするのか、どのようなデジタル媒体を利用するのかを整理するためにも、カスタマージャーニーマップは必要とされていると考えられるでしょう。

※1参考資料:令和3年度経済産業政策の重点より(https://www.meti.go.jp/main/yosangaisan/fy2021/pdf/02.pdf

カスタマージャーニーマップでわかること

次に、カスタマージャーニーマップを利用することで、どのようなことが分かるのか見ていきましょう。

顧客(ペルソナ)の行動

カスタマージャーニーマップを利用することで、顧客行動をイメージできます。正確には、顧客行動の仮説を立てることで、顧客の行動が見えてくるようになり、そこから施策を実施し、その結果を検証しながら仮説をより真実に近づけていけるようになります。

顧客の行動が見えてくると、アプローチする手法や戦略もターゲットとなる顧客に合わせて実行できるため、施策を成功に導きやすくなります。

そもそも、カスタマージャーニーマップとペルソナの違いについて知りたい方はこちらの記事をご参考にしてください。

カスタマージャーニーとは? ペルソナとの違いやマップ作成方法を解説

顧客(ペルソナ)の思考

顧客の行動だけではなく、思考も理解できるようになっていきます。顧客がどのような行動をして、どのような感情を抱き、どのような課題を感じているかを真剣に考えるようになるため、顧客目線で思考が理解できるようになります。

カスタマージャーニーマップの重要性

ここまでご紹介してきた内容だけでも、十分にカスタマージャーニーマップの重要性は伝わるかと思いますが、カスタマージャーニーマップの設計はデジタルマーケティング、コンテンツマーケティングを実施し、成功させていく上では必要不可欠です。

顧客が購入に至るまでのフェーズとして、基本的には「認知」「比較検討」「購買」といったものがありますが、どのフェーズでどのようなアプローチをするかは、ターゲットごとに異なるため、一つ一つの商品やサービスごとにアプローチ方法を決めなければなりません。今後は、「Google広告」「YouTube広告」など単体で実行していくだけでは企業が期待する効果は生まれにくいでしょう。

このフェーズごとに、どのようなアプローチをするかを見える化するマップこそが、カスタマージャーニーマップとなります。

※「認知フェーズ」について下記の記事で詳しくご紹介していますので、参考にしてください。

カスタマージャーニーの認知とは? その拡大の方法やマップの作り方を解説!

カスタマージャーニーマップが必要な場面

カスタマージャーニーマップが必要な場面

カスタマージャーニーマップを作るタイミングや、必要な場面とはどのようなものでしょうか。それは、新たな企画を実行するときや、通常のマーケティング活動時にも必要です。

新たな企画を打ち立てるとき

何かのイベントや、キャンペーンを実施するときや、新たな企画を打ち立てるときには、カスタマージャーニーマップを作る良い機会になるでしょう。

多くの企画は集客や売上を獲得するために行われることが多く、その企画を成功させるためには顧客へのアプローチをどうするかがカギになります。定期的にワークショップを開くなどして、参加者の意見を集めると良いでしょう。

顧客への接点ポイント、アプローチ方法を検討する上では、カスタマージャーニーマップの利用が欠かせません。

通常のマーケティング活動

特別な企画だからカスタマージャーニーマップを作るのではなく、通常のマーケティング活動からカスタマージャーニーマップは作るべきです。

マーケティング活動として、デジタル広告やSNSを利用する企業は多くなってきていますが、「今回はGoogle広告を使ってみよう」という感覚や勢いで利用している企業も多いのではないでしょうか。

しっかりと顧客に対して、どのフェーズにどのようなアプローチをするかを戦略的に行わなければその結果検証もしづらく、点でのアプローチにしかならないため、中長期的な効果は望めないでしょう。

そのような場合、「今回は広告が当たった」というような結果しか残らず、「当たった」「当たらなかった」という判断しかできません。

通常のマーケティング活動からカスタマージャーニーマップを利用することで、顧客に対してのアプローチを戦略的中長期的に行えるようになり、結果検証もそれぞれのフェーズごとに行うことができるでしょう。

カスタマージャーニーマップをマーケティング活動に活かしていく方法については、下記の記事をご確認ください。

カスタマージャーニーを分析してマーケティングに活用する

カスタマージャーニーマップを利用するメリット・デメリット

カスタマージャーニーマップを利用するメリット・デメリット

次に、カスタマージャーニーマップを利用するメリット・デメリットを確認していきましょう。

カスタマージャーニーマップを利用するメリット

カスタマージャーニーマップを利用するメリットとしては、フェーズごとにアプローチ方法を考えられる、フェーズごとに接点ポイントを理解できる、顧客の行動や心理が分かる、自社の販売戦略に足りないものが見えてくるなどさまざまなメリットがあります。

メリット1:フェーズごとにアプローチできる

まずは、認知フェーズや検討フェーズに対してのアプローチを整理し、実行できるという点がメリットの一つです。

例えば、SEOする際にも、何も考えずに「とりあえずやってみよう」というだけでは、誰に対して何のアプローチをしているのかがわからないため、結果的に「いまいち効果がわかりにくかった」になってしまいます。

しかし、カスタマージャーニーマップを利用することで、「検討フェーズ」の顧客に対して最適なキーワードを選定してSEOするといったように、アプローチをフェーズごとに整理し、組み立てることができるため、「SEOが成功=検討フェーズの顧客へのアプローチが成功」と理解でき、「次は、認知フェーズの顧客はどうしようか?」と課題をセグメントすることができます。その結果、問い合わせなどコンバージョンの数も増やすことができるでしょう。

メリット2:顧客の行動や心理が分かる

二つめのメリットは、顧客の行動や心理が分かるようになるということです。

この部分についてはこれまでも先述してきましたが、ペルソナというターゲット像を作ることで、顧客の行動、心理を顧客目線で整理するため、顧客の考えや行動が理解できるようになっていきます。

行動や心理が理解できるようになってくると、どんなタイミングでどのようなアプローチをすれば良いのかが見えてきます。

ペルソナとカスタマージャーニーマップのことについては以下の記事をご参照ください。

カスタマージャーニーマップに欠かせないペルソナの作成方法

メリット3:販売戦略のヌケモレが無くなる

次に、販売戦略のヌケモレが無くなることもメリットの一つです。

カスタマージャーニーマップを作っていくときには、顧客に対して出来る限りのアプローチ方法を洗い出していきます。

その中には、これまで実施していなかったアプローチ方法もたくさん出てくるはずですので、「これは効果がありそうなのに実施していなかった」というものも出てくるでしょう。ただし、全ての販促活動ができるとは限りませんので、優先順位をつけていくことも必要です。

カスタマージャーニーマップを利用するデメリット

カスタマージャーニーマップを利用することは多くのメリットがありますが、一方でデメリットに感じることもあるでしょう。

デメリット1:時間がかかる

カスタマージャーニーマップは作成に時間がかかります。

一人で作っていくだけであれば淡々と作っていくだけなので時間はかかりませんが、プロジェクトチームのメンバーや現場も含めたスタッフ数人で作る場合、意見を出し合うことや、意思決定していくのに時間がかかるでしょう。

時間がかかっても作成する価値はありますが、時間がかかることにデメリットを感じる方も中にはいるでしょう。

デメリット2:必ずうまくいくとは限らない

カスタマージャーにマップを作ったからといって、必ずしもマーケティング活動がうまくいくとは限りません。

例えば、偏った意見で作られたマップであったり、リサーチ不足だったり、作ったは良いが実行されないと、効果を得ることはできないでしょう。

カスタマージャーにマップは魔法の絨毯ではありませんので、作ってから実行していくことが重要です。

カスタマージャーニーマップを作る基礎ステップ

カスタマージャーニーマップを作る基礎ステップ

次に、カスタマージャーニーマップを作る基礎的なステップについて見ていきましょう。作り方としては、以下のような流れ、手順となります。

1.ペルソナ設定

ペルソナとは、ターゲットとする顧客を1人の人物に絞り込んだもので、例えば「42歳、独身で証券会社に勤めていて恵比寿の1LDKに住む女性」と言ったように、細かな設定をしたものです。

2.商品、サービス、スタートとゴール、期間の設定

販売する商品やサービスを決め、最終的なゴールはどこなのか、いつまでを期間とするのかなどを決めていきます。

3.顧客行動の具体化

ペルソナがどのような行動をとり、購買に繋がっていくのか、非認知の状態から購入に至るまでの行動を洗い出していきます。

4.顧客行動のステージ

顧客の行動ステージが、非認知から認知、検討段階に入り、BtoBの場合には承認〜稟議が通って購入に至るまでのステージを切り分け、顧客行動に落とし込んでいきます。

5.顧客感情

ペルソナがどのステージで、どのような行動を取り、どんな感情を抱いているのか、感情についても落とし込んでいきます。笑顔の感情なのか、怒りや悲しみなどのマイナスの感情なのかを表現するとわかりやすいでしょう。

6.ステージ、感情ごとの対策

それぞれのステージにおける行動や感情に対して、どのような対策、アプローチができるのかを落とし込んでいきます。

7.異なる視点で考える

最後に、これまでの視点とは全く異なる視点で考えてみます。例えば、売上を100億にするにはどうすれば良いかなど、考えても見なかった視点で見てみると、思いがけない発想が生まれるかもしれません。

カスタマージャーニーマップを作るときの手順については以下の記事でも詳しくご紹介しています。

カスタマージャーニーマップを作成する6つの手順と活用事例を解説

カスタマージャーニーマップの 作り方とポイント

カスタマージャーニーマップを作るときのポイント

カスタマージャーニーマップを作るときのポイント

カスタマージャーニーマップを作るときには、いくつかのコツがあります。

それぞれ、見ていきましょう。

ペルソナのことを振り返りながら作成する

カスタマージャーニーマップを事業の成功に結び付けていくためには、顧客目線であることが重要であり、企業側の目線で作るだけでは成功しません。

そのため、ペルソナ設定が必要ですが、カスタマージャーニーマップを作っている途中では、このペルソナの存在を忘れがちになってしまいます。

ペルソナのことを振り返りながら構築することがポイントとなります。

チームを巻き込んで作成する

カスタマージャーニーマップを作っているときは、チームや関係者を巻き込んで作っていくことがポイントです。

その理由としては、カスタマージャーニーマップは、一人の意見よりも複数の意見、一つの部署の意見よりも複数の部署の意見を出した合った方が、情報のヌケモレが出にくく、あらゆるアイデアが生まれるからです。

また、カスタマージャーニーマップを複数人で作ることによって、一つの施策に対する考え方や、ペルソナについても共有、共通認識にできるため、協力体制が作りやすくなります。

本を参考にする

カスタマージャーニーマップに関する本は多く出版されています。まずは、カスタマージャーニーマップに関する知識を付けるために、何冊かの本を参考にすることをお勧めします。

ちなみに、私がカスタマージャーニーマップを最初に導入した際に参考にした本は、翔泳社から出版している「はじめてのカスタマージャーニーマップワークショップ(MarkeZine BOOKS) 「顧客視点」で考えるビジネスの課題と可能性」(著:加藤 希尊)です。

カスタマージャーニーマップワークショップをはじめて聞いた初心者にもわかりやすく説明しており、さらに、具体的な進め方まで詳しく説明してくれているので本当にお勧めです。

ツールを使ってカスタマージャーニーマップを作る方法については、以下の記事でご紹介しています。

カスタマージャーニーマップ作成にはツールが便利! おすすめのツールや活用事例をご紹介

BtoCBtoBのカスタマージャーニーマップの違い

カスタマージャーニーマップは、商品やサービスごと、作る企業ごとによっても内容は異なりますが、BtoBBtoCという顧客対象によっても大きく異なります。

BtoCのカスタマージャーニーマップ

BtoC(企業と一般消費者)のカスタマージャーニーマップでは、個人の顧客が対象となるため、決定権も個人にあり、カスタマージャーニーマップ上で表現するフェーズも単純です。

しかし、個人でも子供を対象にするような「そろばん教室」や「スイミングスクール」などでは、ターゲットは子供の親でありながら、親の意思を決定させるのは子供の反応だったりするため、子供を対象とする場合には単純なマップにはならないでしょう。

BtoBのカスタマージャーニーマップ

BtoB(企業と企業)のビジネスにおいては、カスタマージャーニーマップは個人を対象とする場合よりも複雑で、顧客の購買フェーズの中には「社内検討」などが含まれます。

意思決定する社長や決定権を持っている役員をペルソナにする場合には、承認フェーズが必要ない場合がありますが、法人の場合には稟議を上げる・承認を得るといったフェーズが存在するため、顧客感情に対するフォローや、導入サポートが必要になることもあります。

カスタマージャーニーマップのテンプレート

カスタマージャーニーマップをこれから作る方に向けて、企業別・目的別のテンプレートなどを交えながら作り方や作成の時の注意点などをご紹介してます。

企業別・目的別のカスタマージャーニーマップ・テンプレート

カスタマージャーニーマップで失敗する例

カスタマージャーニーマップで失敗する例

全てが成功するわけではないカスタマージャーニーマップ、失敗するのはどのようなケースでしょうか、失敗する例について見ていきましょう。

自分たちの思い込みで作ってしまう

カスタマージャーニーマップを作るとき、自分たちの思い込みや、想いだけで作ってしまうと失敗します。

「顧客がこうであって欲しい」「絶対にこのような行動をする」と決めつけたり希望的観測だったりすると、実際の行動とはまるで違うものになっている可能性があります。

顧客の目線で、客観的視点で作ることが必要となるため、できればペルソナに近い方が参加されることが望ましいでしょう。

何から手を付けて良いかわからなくなる

カスタマージャーニーマップを作り、さまざまなアイデアや施策が生み出されても、収拾がつかなくなり何から始めたら良いのかわからなくなることもあります。

視野を広げ過ぎて、今実施している施策から大きくズレたものだけしか目に入らなくなると、動き出しも鈍くなり、せっかく作ったカスタマージャーニーマップがただの空想図になってしまいます。

優先順位をつけ、できるところからはじめていく決断が必要です。

作って満足してしまう

カスタマージャーニーマップを苦労して作っても、作って満足してしまって、機能させないことには全く意味がありません。

カスタマージャーニーマップを作る目的は、売上アップや集客などを目的としていることが多いため、作ってからがスタートとなります。カスタマージャーニーマップで見えてきた施策を実行し、検証し、改善するというPDCAサイクルを回して、最適化していくことこそ成果に繋がります。

リサーチが甘い

カスタマージャーニーマップを作る上で、リサーチ・調査不足も失敗の原因となります。リサーチ不足とは、情報収集が甘かったり、偏った情報だけで判断してしまったりということです。

例えば、現場スタッフの声だけを活用するのではなく、統計情報や他のスタッフの意見なども取り入れることで見えなかった事実が見える可能性があります。

組織の枠にとらわれず、ペルソナに近い方に詳しくインタビューするというのも一つの方法です。

無理な施策を作ってしまう

どれだけ良い施策がアイデアとして出てきても、現実性がなく無理な施策ばかり出てしまっては、前に進みません。

実行したこともないようなテレビコマーシャルで認知を広める!となったとしても、広告宣伝費だけ多く使い、結果がでたかどうかがわからないということにもなりかねませんので、優先順位をつけて広告予算を意識しながら一つずつ進めていくことがおすすめです。

コンテンツマーケティングとカスタマージャーニーマップ

コンテンツマーケティングとカスタマージャーニーマップ

カスタマージャーニーマップという言葉を耳にする一つのきっかけとして、コンテンツマーケティングがあります。

コンテンツマーケティングでは、カスタマージャーニーマップで決まったフェーズ(認知フェーズや検討フェーズ)のリード(見込み客)に対して、自社商品やサービスを訴求する記事を作成します。

作成した記事をSEOして検索上位に表示させることで、目的のリードを獲得するのがコンテンツマーケティングの大きな目的の1つです。

でも、記事を作成するにはいくつかの重要なポイントがあります。

認知フェーズと検討フェーズでは、狙うキーワードの傾向が違う

重要なポイントの1つ目は、「記事のジャンル」です。

例えば、「顔のシミ」が気になり始めた人がいます。はじめてシミができたので、それまで顔のシミを気にしたことがありません。

この人は、「なぜシミができたのか?」「どうやったらシミがなくなるのか?」といった知識や解決方法を知りたいと思うはずです。

つまり、この人がGoogleで検索するのは、次のようなキーワードになります。

「顔シミ 原因」
「顔シミ 消したい」

では、上のようなキーワードで検索した際の検索結果はどのようなものになるでしょうか?

当然、顔シミの原因について詳しく解説したページや顔シミを消す方法などが丁寧に書かれたページが上位に表示されるはずです。

お分かりのように、この人は、カスタマージャーニーマップの初期段階「認知フェーズ」にいるユーザーです。

つまり、「認知フェーズ」にいるユーザーが検索するキーワードは、知識系や解決系のジャンルなのです。

そこで、SEOキーワードを選定する基準として、「知識を求めている」「解決方法を探している」などの目線で探し、記事の内容も詳しい解説やノウハウ、解決方法などを中心に構成する必要があります。

パスカルを使ってキーワード選定を超時短する

スカルを使ってキーワード選定を超時短する

コンテンツマーケティングの作業を大幅に時短できる「パスカル」をご紹介します。

パスカルは、キーワードの選定、記事作成のアドバイス、SEOまで、コンテンツマーケティングで必要な作業のほとんどを自動化してくれる超時短ツールです。

パスカルの「記事作成」機能を使って「認知フェーズ」のキーワードを探してみる

パスカルの「記事作成」機能を使って「認知フェーズ」のキーワードを探してみます。

使い方は非常にシンプル!ざっくりとしたキーワードを入れて分析ボタンを押すだけです。
今回は、「顔 シミ」で分析してみます。

パスカルの「記事作成」機能を使って「認知フェーズ」のキーワードを探す

分析が終わると画面左に「顔 シミ」に関するサジェストキーワード一覧と月間検索数が表示されます。サジェストキーワードとは、「顔 シミ+α」のキーワードのことです。なんと!384個も出てきました!

月間検索数は、キーワード選定には欠かせない情報なので、セットで出てくるのは助かります。

サジェストキーワード数と月間検索数

サジェストキーワードのなかに「顔 シミ 原因」というキーワードがありましたので、クリックして詳細情報を表示してみます。

月間検索数は 260 と少ない気がしますが、「上位表示するジャンル」というところを見ると「解決」と「知識」のグラフが多いことがわかります。

上位表示するジャンル

これ、実は、「顔 シミ 原因」というキーワードでGoogleの1-10位(検索結果の1ページ目)に表示されているページの傾向を分析したものなんです。

つまり、「顔 シミ 原因」というキーワードで記事を書く場合は、1.解決、2.知識 を中心に記事を構成すれば上位表示されやすいってことです!

今度は「顔 シミ 消す」で見てみましょう。

「顔 シミ 消す」の上位表示するジャンル

「顔 シミ 消す」は、1.鮮度 、2.ランキング、3.おすすめ の順に上位表示するジャンルとなっています。つまり、「【2021年】顔シミ消し おすすめ人気ランキング10選!」のようなコンテンツにすれば上位表示しやすいということが分かります。

記事を書く前に、どんな方向性の記事が上位表示されるかわかるのって、めっちゃ便利じゃないですか?!

しかも、パスカルはそれだけじゃないんです!

上位表示に必要な記事形式(構造化SEO)までわかる!

上位表示するジャンルに合わせて記事を作った!ページのSEOも完璧に行った!
でも、いつまで経っても上位表示されない。。

この原因の多くは、上位表示に必要な記事形式になっていないからです。

例えば、「お歳暮」というビックキーワードで上位表示したい場合、お歳暮に関する記事を1ページ作れば、上位表示できると思いますか?

もちろん、「ノー」ですよね。

では、何が必要かというと、「お歳暮」に関する様々な情報を網羅した記事群(大量ページ)が必要になります。例えば、次のようなキーワードで書かれたページです。

お歳暮 時期
お歳暮 お礼状
お歳暮 人気
お歳暮 ランキング
お歳暮 のし
お歳暮 お返し
お歳暮 高島屋
お歳暮 ギフト
お歳暮 とは
・・・

お歳暮に関する記事を大量に作り、一番上げたい親ページに対してリンクを張ります。そうすることで、親ページのGoogle評価が大幅に高まって上位表示します。

これを構造化SEOと言います。

複数の子ページを作って親ページに対してリンクを張る。記事を構造化することで、単一ページと比べて、情報量、網羅性、専門性のすべてが勝っている状態を作ります。

構造化SEOのリンクイメージ

構造化SEOが必要かどうかを事前に確認できる

パスカルの「記事作成」機能を使えば、キーワードごとに、必要な構造化の記事数が簡単にわかります。

試しに月間検索数が 90,500 の「お歳暮」で分析してみると、お勧め記事形式が「構造化ページ」、必要な子記事数は 304 ページ以上と出ました。

「お歳暮」の子記事数

つまり、「お歳暮」で検索結果の1ページ目に入るためには、「お歳暮」に関係したページが 304 ページ以上も必要ってことです。(いや、無理でしょ。。)

これが最初にわかっていれば、「お歳暮」で記事を書いたりしないですよね。(笑

では、難易度を下げて、月間検索数が 49,500 の「お歳暮 時期」でも分析してみます。

「お歳暮 時期」の子記事数

お勧め記事形式が「構造化ページ」、必要な子記事数は 3 ページ以上になりました!

これならチャレンジできそうです!

さらに難易度を下げて、月間検索数が 12,100 の「お歳暮 お礼状」で分析してみると、

「お歳暮 お礼状」のお勧め記事形式

お勧め記事形式が「単一ページ」と出ました。つまり、1記事だけで上位表示が可能なキーワードってことです!

ここまでかかった時間は、たったの 40 秒ほど。

鬼のような時短じゃないですか?!

パスカルを使えば、カスタマージャーニーマップの各フェーズのリード(見込み客)に最適なキーワードの情報(月間検索数、上位表示するジャンル、記事形式)を誰でも簡単に調べることができます。

この時点で超便利なのに、パスカルにはさらに先があります!

記事作成に必要な情報がレポート出力できる

記事のキーワードが決まったら、記事作成に必要な情報をレポート出力できます。

前述の月間検索数、上位表示するジャンル、記事形式に加えて、1ページあたりの必要な文字数やタイトルで使うべききキーワード、コンテンツ内で使うべき網羅キーワードなど、記事を書く上で必要なデータがワンクリックで出力できます。

自社内で記事を作成する場合は、出力したレポートをチームで共有したり、ライターが外部にいる場合は、ライティング指示書としても使うことができます。

記事作成レポート

4日間の無料体験版がおすすめ!

ここまで、カスタマージャーニーマップとは何か、カスタマージャーニーマップを利用する目的や、注目されている背景、メリット・デメリット、さらに、コンテンツマーケティングの調査・作業時間を時短できる「パスカル」について紹介しました。

カスタマージャーニーマップはこれからのデジタルマーケティング時代には欠かせないものであり、カスタマージャーニーマップをうまく利用することで企業のマーケティング戦略は成功に近づくでしょう。

カスタマージャーニーマップで決めたリードのキーワード選定や記事構成案などは、機械的に行うほうが圧倒的に効率的です。

パスカルは、全機能を4日間(土日含まず)体験できる体験版があります。ご興味がある方が、下のフォームからお申し込みください!

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