カスタマージャーニーマップ作成にはツールが便利! おすすめのツールや活用事例をご紹介

コンテンツマーケティングにおいて、顧客心理や顧客行動を把握することは非常に重要です。顧客がWEBサイトや広告、検索などで商品やサービスを認知して購入にいたるまでのプロセスを表などで可視化したものをカスタマージャーニーマップといいます。カスタマージャーニーマップは最適な顧客体験を提供するために不可欠です。そこでこの記事では、カスタマージャーニーマップ作成に役立つツールをご紹介します。それぞれのツールの特長なども解説していますので、比較検討してツールの導入に役立ててください。

カスタマージャーニーとは

ネットショッピングのイメージ

カスタマージャーニーとは、顧客が販売されている製品やサービスを見つけて購入にいたるまでの一連のプロセスを「ジャーニー=旅」に例えたものです。あらゆる商材に利用でき、特に購買までの検討期間(リードタイム)が長いBtoBビジネスで成果を上げています。

カスタマージャーニーマップとは

デジタルマーケティングのイメージ

カスタマージャーニーマップとは実際に商品やサービスを購買する顧客のペルソナを具体的に設定して、行動や心理、思考なども考慮して購入にいたるまでを時系列に可視化したものです。

カスタマージャーニーマップを作成するメリットには次のようなものがあります。

  • ・顧客目線でサービスが提供できる
  • ・顧客行動が把握できる
  • ・ブランド力の向上
  • ・問題点や改善点が見つかりやすい
  • ・社内やチーム間で情報共有がしやすい
  • ・施策実施後の成果が把握しやすい

関連記事「カスタマージャーニーとは? フレームワークとしての概念と可視化のためのマップの作り方まで徹底解説!

カスタマージャーニーマップで使うツールとは?

チャートが表示されたパソコン

効果的なコンテンツマーケティングを行う上で、カスタマージャーニーマップの作成は不可欠です。マップ作成時には、カスタマージャーニーマップに対応できるツールを使うと便利です。カスタマージャーニーマップの作成はもちろん自作できますが、ツールを使うことでより分かりやすいマッピングができます。

カスタマージャーニーでの理想的な顧客行動とは、認知・興味関心⇒調査⇒比較・検討⇒購買⇒継続利用(ファン化)という流れです。ツールを利用すれば、一連のプロセスごとの確認や対応をスピーディーに行えます。最初からパーフェクトなカスタマージャーニーマップを作成するのは難易度が高く、常に改善が必要です。しかし、ツールを活用すれば精度の高いカスタマージャーニーを作成でき、企業や担当者の工数を大幅に減らせます。

関連記事「なぜカスタマージャーニーマップが必要なの? その目的や作成方法を徹底解説!

カスタマージャーニーマップツールの種類

パソコンとグラフ

カスタマージャーニーマップの作成に役立つツールには、さまざまな種類があります。初心者でも手軽にマップが作れるテンプレートが充実しているツールや顧客行動を分析できるツールなどがよく使われています。

ペルソナやフレームワークの設定は、社内の担当者だけでも作成できますが、顧客が購買にいたるまでの行動分析や効果測定は難易度が高いといえます。顧客は企業側が考える通りの行動をするとは限りません。その点、ツールを活用すれば顧客が自社のWEBサイトにたどり着くまでの流入経路やサイト内での行動、広告の効果などさまざまな視点で分析が可能です。

カスタマージャーニーマップの作成はコンテンツの改善点の洗い出しにも役立つため、ツールを活用して高い効果を得たいものです。自社が提供している商品やサービスの種類やWEBサイトの規模などでツールを選ぶのもよいでしょう。

また、カスタマージャーニーマップにかける予算もツール選びのポイントです。無料のツールもありますが、正確なデータを把握するためには有料のツールがよいでしょう。

カスタマージャーニーマップ作成ツール:KARTE(カルテ)

ネットショッピングのイメージ


KARTEは、株式会社プレイドが提供する顧客体験のためのプラットフォームです。自社のWEBサイトやアプリを訪問した顧客の行動や思考を分析して、カスタマージャーニーマップとして可視化します。

従来のカスタマージャーニーマップツールでは、サイトへの訪問回数やセッション数など過去のデータから顧客心理を予測してアプローチしていました。しかしKARTEでは過去のデータとリアルタイムの顧客行動を素早く解析します。その上で顧客に合った最適な提案ができる仕組みです。スピーディーにフレキシブルな対策やコミュニケーションがとれ、ビジネスチャンスにつながりやすくなります。

KARTEには主に次のような機能が備わっています。

KARTE Insight

・独自のリアルタイム解析エンジンを用いてユーザーごとに解析、結果に合ったベストなアクションを1秒以内に提供

・企業のWEBサイト全体から顧客層ごとの情報を深堀りして具体的な行動を予測

KARTE Datahub

・蓄積された独自データと社内データを統合して可視化
・データを有効に活用できるようコンテンツ改善や顧客接点などの提案を行う

・あらゆるダッシュボードやプラットフォーム、クロスチャネルと連携が可能

KARTE Action

・WEBサイトやアプリを訪問したユーザーの行動をリアルタイムに解析して効果的なアクションの方法やタイミングを設定可能

・ポップアップテンプレートやアンケートテンプレートなど豊富なバリエーションを用意しており、顧客ごとに最適なアクションをおこせる

KARTE Talk

・自由に編集可能なチャットデザインやFAQのテンプレートを用意しており、イメージ通りの顧客サポートが可能

KARTE Message

・メールやLINE、SMSなどのツールを駆使して、見込み客ごとに最適なタイミングでメッセージを送信

これらの機能でカスタマージャーニーマップ作成から接客まできめ細やかなサービスが利用できます。

料金

WEBサイトを訪問するユーザー数によって料金変更

応相談

機能抜粋

顧客行動の可視化・データの分析、統合・チャットやFAQのテンプレート提供

公式サイト

https://karte.io/

【導入事例】楽天株式会社Rakuten TV

動画配信サービスを運営しているRakuten TVでは、バナー広告やポップアップでお得な割引クーポンを提供していますが、ユーザーの使用率の低さが課題でした。「クーポンに気付いていないのでは?」という仮説のもと、KARTEのアンケート機能を活用して、ユーザーのクーポンに対する認知度や感覚をヒアリングしました。

その結果、クーポンの存在に気付いていないユーザーが約8割いることが確認でき、施策改善への重要なヒントになったのです。ユーザー自身も気付いていない欲求(インサイト)を導き出すことは、カスタマージャーニー作成において欠かせないポイントです。

【導入事例】株式会社JTB

大手旅行会社、株式会社JTBはWEBサイトで旅行商品の比較リストを掲載して、高い成果を上げていましたが、サイト規模から測るとまだまだ認知度が低いのが課題でした。そこでKARTEを導入して、比較リストへの誘導の施策を打ち出します。比較リストへリンクする吹き出しを設置したり、ポップアップを表示したりしてコンテンツを変更したのです。

施策の結果、改善前よりも比較リストを利用するユーザーが50%増加して、予約数増加にもつながりました。カスタマージャーニーマップでコンテンツが認知されなければ「比較・検討」の段階に進めません。情報収集しているユーザーが分かりやすいコンテンツ作りの事例といえるでしょう。

カスタマージャーニーマップ作成ツール:Marketing Cloud(マーケティング・クラウド)

マーカーで書かれたマーケティング戦略

Marketing Cloudは株式会社セールスフォース・ジャパンが提供するマーケティングオートメーションツールです。Journey Builderでは、企業と一般消費者をつなぐ機能性の高いカスタマージャーニー管理ができます。あらゆる媒体から得られる顧客のデータと属性や訪問方法、購買履歴などの情報を活用して、カスタマージャーニーマップとして視覚化します。

WEBサイトのページやメール、アプリ、SMSなど複数のチャネルをまとめて管理でき、顧客に最適なタイミングでスムーズなアプローチが可能です。さらにレポート機能を最大限に活かしてトレンドや顧客ニーズを逃さずキャッチします。顧客ファーストのマーケティング戦略がたてやすくなります。

カスタマージャーニーマップの作成も専門的な知識は不要で、企業に合わせたジャーニーマップのカスタマイズが簡単にできます。

Marketing Cloudの主な機能は次の通りです。

Journey Builder

・顧客データや行動パターンから精度の高いカスタマージャーニーマップを作成

・複数のチャネルやデバイスを通して顧客一人ひとりのーにマッチしたアプローチが可能

Interaction studio

・企業が管理するすべての顧客接点で1to1の深いつながりを構築

・AIが顧客行動を分析して、購買へとつながる行動を誘導

Advertising Studio

・顧客データは独自のプラットフォームで安全に管理

・FacebookやInstagram、TwitterなどのSNSやGoogle、YouTubeなどユーザーが好む媒体の広告で顧客を獲得

Marketing Cloudには機能によってさまざまな料金プランが用意されています。カスタマージャーニーに関連するWEBマーケティングの料金は次のとおりです。

料金

【Pro】
個別見積もり

【Corporate】
個別見積もり

【Enterprise】
個別見積もり

機能抜粋

顧客一人ひとりに合わせたマーケティングサポート

登録者プロファイル

クロスチャネルで利用できるカスタマージャーニー

ブランドやエリアを網羅するカスタマージャーニー管理

複数のコンテンツの分析

公式サイト

https://www.salesforce.com/jp/products/marketing-cloud/overview/

【導入事例】adidas

adidasでは2011年に顧客管理ツールSalesforceを導入しています。Marketing Cloudを始めとする複数の製品を使用して、常にユーザーにとって最適なサービスや情報の提供を行っています。

ユーザーのジャーニーは、実店舗からデジタルコマースに変化しており、企業にとっては大きな課題です。しかし、デジタルへの移行をビジネスチャンスととらえ、着実にユーザーとの距離を縮めています。ユーザーがどの媒体を選択しても単一のアプリケーションからサービスを提供して、大きな成果を上げています。

カスタマージャーニーマップ作成ツール:Lucidchart(ルシッドチャート)

マーカーで書かれた組織図

Lucidchartはアメリカやオランダ、オーストラリアなどに拠点を持つLucid社の製品です。カスタマージャーニー作成に不可欠な複数のテンプレートが用意されており、無料で利用できます。チームで情報を共有しながらカスタマージャーニーマップを作れ、業種やターゲットに合わせてカスタマイズも可能です。

「Lucidchart インテグレーション」では、GoogleやMicrosoft、Salesforceなど外部ツールと連携が可能で、コンテンツ制作の際に手軽にLucidchartの何種類ものテンプレートがインストールできます。さらにテンプレート上に既存の情報や資料を差し込めます。

より精度の高いカスタマージャーニーマップを作成する場合は、Lucidchartと他のツールと組み合わせて使うとよいでしょう。

Lucidchartの主な機能は次の通りです。

Lucidchart

・カスタマージャーニーに役立つ豊富なテンプレートが使用できる

・あらゆるデバイスやブラウザで簡単に図やチャートの作成

・リアルタイムで共同編集やチャット機能、コメント機能がありチームでの仕事に役立つ

Lucidchart インテグレーション

・あらゆる外部ツールやアプリ(IOS、Android)と連携してスムーズな資料作成が可能

Lucidchartには無料プランを含めて4種類の料金プランがあります。

料金

料金

【フリー】
無料

【Individual】
800円

【Team】
1ユーザーにつき1,000円

法人向け
お問い合わせ

機能抜粋

3件の文書が編集可能

文書1件あたり図形60点が利用できる

テンプレート100点

フリープランのすべての機能付き

編集可能文書の制限なし

1GBのストレージ有

プレミアムテンプレート使用可能

個人プランのすべての機能付き

コメントや改訂機能

Teamプランのすべのての機能付き

チームフォルダ作成

高度なデータが取得可能

Salesforce インテグレーション

公式サイト

https://www.lucidchart.com/pages/ja

カスタマージャーニーマップ作成ツール:AD EBiS(アドエビス)

パソコンから出てきた木のイラスト

AD EBiSは株式会社イルグルムが運営する広告効果測定プラットフォームです。ユーザーが商品やサービスを購入するまで、または購入しなかった行動や心理を分析して、成果を上げるためのマーケティング戦略を提案してくれます。

ユーザーがWEBサイトにたどり着くまでの経路やサイト内の動きを綿密に計測して、どんな施策が効果的かが分析可能です。

カスタマージャーニー分析機能では、次の3ステップで特定のコンテンツや広告を経由したユーザーと経由しなかったユーザーの違いを比較できます。

  1. 1.施策選択…広告・自然検索・サイト内ページ閲覧・コンテンツ閲覧など
  2. 2.経路選択…施策を経由したユーザーと経由しなかったユーザー
  3. 3.分析結果画面…フロー別CVR・一人あたりのCV率と平均売上単価など

売上金額だけにとどまらず、成果にいたったユーザーの流入経路を詳しく把握でき、顧客行動や感情の理解に役立ちます。

さらに2022年4月には新たにAD EBiS Sync(シンク)をリリースしています。AD EBiSが得意とする広告効果測定の機能面で次の2つが改善されています。

  1. 1.レポートの工数削減
  2. 2.デイリーで進捗確認が可能

1のレポート機能については、従来は集計やレポート作成に時間がかかるため、レポーティングまでに数日のタイムラグが発生していました。しかし、新機能では集計にかかる時間を大幅にカットしており、より最新の集計結果がスピーディーに手元に届きます。タイムラグが原因で見込み客を逃すリスクが少なくなったといえるでしょう。

2のデイリーの進捗確認は、1と同様に最新の分析結果を知ることで問題の洗い出しが即座にできるようになりました。問題点や課題があれば、すぐに施策を実行でき、成果が上がる仕組みです。

AD EBiSの基本的な機能は次の通りです。

カスタマージャーニー分析

・ユーザーのWEBサイトへの流入経路による比較分析

・施策実施後の効果計測

レポーティング機能

・簡単にPDCAサイクルを回せるレポートの作成

・企業の業績評価の指標(KPI)に合わせてカスタマイズ可能

コンバーションフロー

・ユーザー軸でどの施策でどの順番で成果にいたったのかの流入経路把握

アトリビューション分析

・認知や非接触頻度を加味してマーケティング効果を測定

・広告予算の最適化を提案

AD EBiSの月額料金は、定額料金にデータ量などに応じた従量課金を加算する仕組みです。

料金

月額:要相談

初期費用:無料  サポート:無料

オプションによって有料の場合有

機能抜粋

カスタマージャーニー分析・マーケティング計測の一元管理・外部プラットフォームとの連携

公式サイト

 https://www.ebis.ne.jp/

【導入事例】レバレジーズ株式会社

メディア事業などを運営しているレバレジーズ株式会社では、2013年にAD EBiSを導入して、LPO(ランディングページ最適化)に着手しています。ランディングページとはユーザーがアクセスして最初にたどり着くページを指し、LPOはよりユーザーのニーズにマッチするよう最適化することを指します。

具体的にレバレジーズ株式会社では、独自のアンケート結果をもとにLPOを効果的に進めています。その他、バナー広告の接触とコンバージョン率の関係についてAD EBiSを活用して分析。「バナー広告に接触したユーザーと接触していないユーザーの違い」についての分析や自然検索数や検索ワードの把握に活用しています。

その結果、コンバージョンにいたるまでの効果的な動線の把握が可能になりました。現在も「どのフェーズのユーザーに」「どんな行動を起こしてもらいたいか」を常に考慮して、施策を検討しています。

関連記事「カスタマージャーニーが古いと言われる理由は? ペルソナとマップの作成方法も解説

カスタマージャーニーマップはツールを活用しよう!

カスタマージャーニーマップは、コンテンツマーケティング戦略を検討する上で非常に重要なものです。年々複雑化していくユーザー体験をリアルタイムで把握することで、ユーザーにとっても企業にとっても最適な施策が建てられます。また、カスタマージャーニーマップを作成する時には専用のツールを活用しましょう。より正確なデータ分析ができ、潜在層の顧客を誘導することも可能です。

マップ作成ツールにはさまざまな機能があり、料金プランも異なります。まずは自社に合ったツールを見つけましょう。大きな成果が期待できます。

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