なぜカスタマージャーニーマップが必要なの? その目的や作成方法を徹底解説!

顧客体験という言葉が一般的になるにつれ、カスタマージャーニーマップを導入する企業が増えてきました。また、コロナ禍で「新しい生活様式」が求められるようになり、ECサイトなどから商品を購入する人も増加しています。顧客のニーズが多様化するにつれ、カスタマージャーニーマップの重要性が増しているといえるでしょう。

そこで今回は、カスタマージャーニーが必要な理由やその意味、導入のメリット、マップの作り方などを具体的に解説します。無料のテンプレートも紹介しており、これを読めばすぐにマップ作成にとりかかることができます。さまざまな不明点も解決できるでしょう。

カスタマージャーニー とは

旅行する人

カスタマージャーニーを直訳すると「顧客の旅」。この顧客とはマーケティングにおけるペルソナのことであり、このペルソナが商品・サービスを認知するところから購入に至る経緯を旅として捉えたものを指します。

カスタマージャーニーは、顧客の認知〜購入までのプロセスを時系列化して分析し、 マーケティングに活用するためのツールのことともいえます。

カスタマージャーニーが注目されている理由

 カスタマージャーニーは、Google です。その理由としては、ネットの普及により、顧客は多様なチャネルを使って購入するようになり、購入までの一連のプロセスが複雑になったことが挙げられます。さらにコロナ禍での「新しい行動様式」が、その傾向に拍車 をかけました。

顧客の行動を分析・把握しやすいカスタマージャーニーは、顧客のニーズや企業との接点が多様化した今、マーケッターに注目されているツールなのです。

カスタマージャーニーマップとは 

旅行マップ

カスタマージャーニーを可視化・図式化したものが、カスタマージャーニーマップです。顧客が商品を知って購入するまでの行動・感情などを記すと 下記のようになります。

【化粧品購入までの一例】

  1. 認知:好きなタレントが使っている化粧品を動画で見る
  2. 興味関心:その化粧品を使ってみたいと思う
  3. 情報収集・理解:化粧品のサイトを見る
  4. 比較・検討:口コミサイトなどを見る。店頭で試供品をもらう
  5. 購入:ECサイト、店頭で商品を購入

時系列で目次のように動きをまとめることで、 その時々に顧客がどのような心理でどんな行動を取るか、どのチャネルを使うかなどがフェーズ(ステージ)として捉えやすくなります。さらに、どんな施策を取ればよいのかもわかりやすくなります。

カスタマージャーニーに欠かせないペルソナの設定 

ペルソナ

カスタマージャーニーマップを作るのに大切なのが、ペルソナです。ペルソナとは、自社の商品を買う、サービスを利用する典型・理想的なユーザー像のことを指します。マップ上では、このペルソナを実在する人物であるかのように認知から購入まで動かしていくため、リアリティのある人物設定が欠かせません。

例えば、自社の商品を友人に売る場合、どう話すと納得して購入するか、友人の性格や日頃の付き合いから考えてアプローチするでしょう。同じようにペルソナに性格・性別・仕事・趣味・生活習慣などを設定することで、カスタマージャーニーマップ上でスムーズに動かせるようになります。

それでは、ペルソナ設定のポイントについて説明しましょう。

顧客のデータを収集

 カスタマージャーニーマップを作る場合、すでに何を目的とするか、誰をターゲットとするかは決まっていると思います。そこでターゲット層へのデータ収集を行います。方法としては、アンケート資料、Web へのアクセス解析、調査データなどがあります。この情報収集を行うことで、実際に存在するかのようなリアルな人物像、ペルソナを作ることができます。

都合のよいペルソナを作らない

ペルソナを設定するとき、よく理想の顧客像を作るようにといわれます。しかし、理想の顧客ということで自分の理想・思い込みなどから、現実から乖離 したペルソナを設定してしまうことがあります。現実的でないペルソナを設定すると顧客の全体像がつかみにくく、施策を行なっても的外れなものとなってしまいます。

ペルソナの設定には、データを重視し、複数の人に意見を聞くなどして、より現実に近い像を作りましょう。

カスタマージャーニーマップ導入3つの目的・メリット 

メリット

カスタマージャーニーマップ導入の3つの目的・メリットは以下の通りです。

顧客体験が向上する
顧客体験=CXとは、顧客が自社の商品・サービスを認知してから購入した後までのすべての体験のこと。体験を通し顧客が抱いた感想・評価なども顧客体験に含まれます。

カスタマージャーニーマップを作成すると、顧客に対する理解や知識が深まり、より正確に顧客体験を追うことができるようになります。それにより、顧客に合った企画、サービス、広告などができるようになることから、CXの向上につながるといわれています。

社内で共有認識を持てる
マップ作成にはマーケティングの担当部署だけでなく、営業や店頭に立つスタッフなど顧客と接する機会の多い部署の担当者、開発部門の担当者なども一緒に取り組みましょう。多様な部署の人物が参加することで、顧客に対する多角的な視点が生まれます。

さらに、関わった人たちが共通のペルソナ像を持つことで、問題点や課題、打つべき施策などを考えるのが容易になります。施策に対して各部署でズレが生じた場合も、カスタマージャーニーマップに立ち返ることでズレを修正できるようになります。

タッチポイントが強化できる
タッチポイントとは、顧客との接点のことを指します。カスタマージャーニーマップを導入することで、顧客がフェーズごとにどの接点で認知をしたかを把握できるようになります。

現在タッチポイントは、オウンドメディア、ECサイト、SNS、口コミサイト、個人ブログ、動画など多岐に渡ります。顧客の認知拡大のためにどのタッチポイントを強化するのがよいのか、マップから確認しましょう。

BtoBとBtoCに分けてペルソナの設定を 

How To

カスタマージャーニーマップ作成の前に、ペルソナの設定をしておく必要があります。気をつけたいのは、企業をビジネス対象とするBtoBビジネスと、個人をビジネス対象とするBtoCビジネスでは、ペルソナ設定の方法が違うこと。BtoBとBtoCでは購入に至るまでのプロセスが全く異なるので、そのプロセスに合わせたペルソナ設定が必要です。

BtoCのペルソナ設定方法

BtoCでは名前、性別、年齢、職業、年収、家族構成、居住エリアなどの基本情報、趣味、嗜好、消費嗜好、休日の過ごし方などの行動情報など、データに基づき設定しましょう。

【設定例】

最も自社のバッグを購入して欲しいターゲット像

  • ・名前:白谷麻衣
  • ・性別:女性
  • ・年齢:24歳
  • ・職業:会社員、社会人2年目
  • ・年収:420万円
  • ・家族構成:父母妹と同居
  • ・趣味:映画、スマホゲーム
  • ・消費嗜好:堅実タイプ
  • ・休日の過ごし方:SNSで見つけたカフェに行く

BtoBのペルソナ設定方法

BtoBビジネスの場合、企業としてのペルソナと、担当者や決裁者などの個人のペルソナの両方が必要です。

企業ペルソナの設定には、企業名、業種、商材、売上規模、業界とそのトレンド、従業員数、企業の風土など、個人のペルソナには、実際の担当者・決裁者の情報を入れます。名前、部署や役職、決済可能な予算、ビジネスの目標・課題、商品に関する知識などを設定します。

【設定例】

最も自社のソフトを購入して欲しいターゲット像

■企業ペルソナ

  • ・企業名:株式会社トップ
  • ・業種:Web制作会社
  • ・商材:人事管理ソフト
  • ・売上規模:年商2億円
  • ・業界とそのトレンド:昨年より売上10%増
  • ・従業員数:15人
  • ・企業の風土:創業4年目でチャレンジ精神旺盛

■個人(キーマン)ペルソナ

  • ・名前:鈴木太郎
  • ・部署や役職:人事・経理部長
  • ・決済可能な予算:100万円
  • ・ビジネスの目標:年間10%残業時間・残業費の削減
  • ・ビジネスの課題:人数が増えて労務管理が難しい
  • ・商材の知識:説明を受けた程度

カスタマージャーニーマップの作り方のポイント・手順 

カスタマージャーニーマップは、ゴールや商品などで書き方が異なりますが、基本の作り方・考え方はほぼ同じです。以下の手順に従って、マップを作ってみましょう。

①目的・ゴールを設定する

どんなマーケティングでも、ゴールの設定が必要です。なんのためにやるのか、何を持って成果とするのか事前に決めておきます。

【目的】売上アップ、サービスの改善、ファン層の拡大
【ゴール】1年後15%売上アップ、会員数1万人にする、リピート率を50%にする

②フレームを作る

縦軸には顧客の行動や思考を、横軸には顧客体験のそれぞれのステップを入れます。

【縦軸】
顧客の行動・タッチポイント・思考・感情・課題など、顧客の行動や思考を書き込みます。顧客がどのような状態・心理のときにどんなキーワードを検索するか、SEO対策にも使えるので「キーワード」の項目を入れておくと後で便利。

【横軸】
購入がゴールなら、認知、興味関心、情報収集・理解、比較・検討、購入などステップを書き込む。

③項目を埋める

ペルソナを意識しながら、各ステップでの顧客の行動や思考を埋めていきます。書き込む内容は、収集したデータに基づいたものとします。

 ④課題について考える

顧客視点で項目を埋めていくと、課題や問題が見えてきます。その中には、現状の自社の施策と顧客のジャーニーとがズレていることもあるかもしれません。そのズレを減らしていくことが今後のビジネスの課題ともいえます。

カスタマージャーニーマップの作成や運用の注意点 

運用

手間と時間をかけて作ったカスタマージャーニーマップも、注意点に気をつけていなければ思った効果が得られなくなってしまいます。作成・運用における注意点を挙げますので、参考にしてください。

複数人数で作る

カスタマージャーニーの作成には、顧客との接点が多い部署で、協力してつくるようにしましょう。多様な部署の人物が参加することで、顧客に対する多角的な視点が生まれ、独りよがりなマップとなることを防いでくれます。

各事業にカスタマージャーニーが必要

同じ社内であっても、事業や顧客が違えば別のカスタマージャーニーマップが必要になります。同じマップを使い回さず、新規事業・別事業には新しいものを作成してください。

ゴールは明確に

ゴールを複雑にすると、達成までに時間がかかったり、課題がわかりづらくなったりします。目的に対し、数字を含め明確でわかりやすいゴールを設定しましょう。

定期的に見直す

顧客の移り変わりは早く、同じカスタマージャーニーマップを使い続けていると時代遅れになります。例えばコロナ禍における「新しい行動様式」で、顧客の行動は大きく変化しました。定期的に見直し、時代に合っているか確認しましょう。

カスタマージャーニー企業導入の事例と活用 

企業

カスタマージャーニーマップをうまく運用することで、顧客体験の向上を図り、ビジネス上の課題改善や成果を生み出していくことができます。ここでは、カスタマージャーニーマップを活用し改善や成果を生み出した事例を紹介します。

パソナキャリアカンパニーの事例

株式会社パソナ パソナキャリアカンパニー では、新卒採用で「新規事業を創出できる人材を獲得すること」を目的としてWebサイトをリニューアル。 顧客である就職活動中の学生にインタビューし、ワークショップ形式でのカスタマージャーニーマップの作成を行いました。就職活動をスタートする時期から入社が決定するまでを時系列に追っていくことで、就職活動中の学生の思考や行動感情、課題などを洗い出すことができました。

▼事例参考サイト 
https://webtan.impress.co.jp/e/2013/11/27/16409

らでぃっしゅぼーやの事例

らでぃっしゅぼーや株式会社 は、有機・低農薬の野菜や加工品などの宅配事業を行う会社です。

顧客体験の指標のひとつである「NPS」を導入し、これをさらに活用するためにカスタマージャーニーマップの作成に取り組みました。マップ作成では焦点を入会に、ゴールを定期購入に定めて検討することで、結果的に顧客満足度向上につながりました。

▼事例参考サイト
https://markezine.jp/article/detail/27429

カスタマージャーニーマップのおすすめ無料テンプレート5つ 

顧客行動

カスタマージャーニーマップの形に決まりはありませんが、テンプレートを使うことで簡単に作成することができます。目的に合わせて使いやすいものをセレクトしてください。

15VISION

UI設計・プロダクト開発を行うデザインユニット「15VISION」のシンプルなテンプレート。ファイル形式はKeynote、クリックするだけでダウンロード可能。

▼15VISION カスタマージャーニーマップテンプレート 
https://15vision.jp/design-tools/customer-journey-map-template-keynote.html

bizocean 

ビジネス情報サイトbizoceanにはビジネス上の各種テンプレートがあり、カスタマージャーニーマップもそのひとつ。パワーポイント形式で細かい設定が可能。会員登録が必要。

▼bizocean カスタマージャーニー(書式A)
https://www.bizocean.jp/doc/detail/533307/

ferret

▼ferret カスタマージャーニーマップとは!?無料テンプレート付き
https://ferret-plus.com/4064

博報堂アイ・スタジオ

DXコンサルティングサービス「博報堂アイ・スタジオ」のテンプレート。顧客行動のスペースが広く、タッチポイントをつないで整理できるのが特徴。PDF形式、メールを送信するとダウンロードできる。

▼博報堂アイ・スタジオ DX CONSULTING マスタマージャーニーマップのテンプレート
https://dmc.i-studio.co.jp/download/customer_journey/

innova

BtoB企業のマーケティングを支援する「innova」による、ECサイト用のカスタマージャーニーテンプレート。PDF形式で、クリックだけでダウンロード可能。

▼innova カスタマージャーニーマップテンプレートのダウンロード
https://innova-jp.com/library/customer-journey-template/ktixq9v5/

カスタマージャーニーマップからキーワードを活用しよう 

キーワード

カスタマージャーニーマップを作ることで、顧客の行動を分析・把握しやすくなるだけでなく、自社のサイトのSEOキーワードに役立てることも可能です。

縦軸に入れておいた「キーワード」を活用しよう

マップ作成の段階で、認知、興味関心、情報収集・理解、比較・検討、購入といった一連のステップに顧客が考えそうなキーワードを書いておくことをおすすめしました。顧客がそのときどきにどんな気持ちで、どのようなキーワードで検索するかを考えたものです。

このキーワードは、顧客が検索することが予想されるものなので、サイトのSEO対策にも活用することができます。一般的に、ステップの終わりのほうにニーズの高いキーワードが出てくるのですが、ニーズの高いキーワードは競合も多いものです。そのため、新たなキーワードの切り口を考える必要があるともいえます。

時代に合ったカスタマージャーニーマップ作成でよりよいCXを 

カスタマージャーニーマップは、顧客が商品・サービスを認知してから購入するまでの行動・思考を分析するためのフレームワークです。マップを作ることで、顧客視点を理解でき、顧客体験改善や向上につなげることもできます。

AIの発展、口コミやSNSなどのアーンドメディアの発展などにより、消費者は想定していた顧客行動とは異なる行動を取るようになってきました。しかしカスタマージャーニーマップを導入することで、顧客の行動を知り、時代にあった顧客体験を提供できます。

カスタマージャーニーマップを使って、顧客体験を高めるために必要な変更を実践していきましょう。

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