コンテンツマーケティング入門! 基本の理解に役立つ初心者向けガイド
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顧客ターゲットが必要とする情報を提供することで成果につなげるコンテンツマーケティング。マーケティング初心者の方は、難しいと感じていませんか?
本記事ではコンテンツマーケティング入門編として、最初に理解しておきたい基本的な知識についてまとめています。重要なポイントを押さえて実際の仕事にぜひお役立てください。
コンテンツマーケティングについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。
コンテンツマーケティングとは何?
はじめに「コンテンツ」と「マーケティング」のそれぞれの意味を確認して、コンテンツマーケティングの定義を正しく理解しましょう。
コンテンツとは?
コンテンツとは、もともと「内容」や「中身」を意味する言葉です。インターネットによって情報を得ることが一般的になった昨今では、媒体の種類にかかわらず「情報の中身」という意味の用語として広く使われています。
Webで公開される情報や記事・サービスなどは「Webコンテンツ」です。そのなかでもスマホやタブレットで利用できるアプリやサービスなどは「モバイルコンテンツ」とも呼ばれています。
マーケティングとは?
マーケティングとは、商品やサービスの販売における集客や売上アップを目的として、関連するさまざまな仕組みを構築していく仕事です。その内容は、どんな人が顧客ターゲットになるのか、商品にはどんな価値があるのかを明確にしたうえで、適切な価格や提供方法などを決定することまでにわたります。
具体的な取り組みとしては、市場調査・分析による顧客ターゲットの絞り込みや競合他社のリサーチのほか、商品企画・開発、広告宣伝活動などがあります。
コンテンツマーケティングの定義
コンテンツマーケティングは、ユーザーが必要とする情報(コンテンツ)を制作して発信し、消費者にコンテンツを見つけてもらうことによって成果達成につなげるマーケティング活動です。
見込み顧客の発掘・購入検討・初回購入・リピート購入・商品やブランドへの信頼度が高く他の人にすすめてくれる段階など、顧客育成のフェーズごとに的確な目標設定や施策を展開。売り込み型の広告やテレアポ(電話営業)などとは異なり、顧客主体で中長期的な取り組みが必要となります。
あわせて理解しておきたい! コンテンツSEOとは?
コンテンツマーケティングに関連して、よく使われる用語が「コンテンツSEO」。コンテンツマーケティングの理解を深めるために「コンテンツSEO」についても押さえておきましょう。
SEOとは?
SEO(Search Engine Optimization)の意味は「検索エンジン最適化」です。ここでは少しかみ砕いて説明していきます。
「検索エンジン」とはインターネットで情報を検索するシステムのこと。検索エンジンではGoogleがもっとも多く利用されています。
Googleのような検索エンジンは、検索ユーザーが調べたいキーワードにもとづいて、情報を独自の判断基準(アルゴリズム)で選び出し、検索結果として表示。そのためGoogleの判断基準に対応する必要があるのです。
そこで重要となるのがこのSEOであり、以下のような施策があります。
・サイトの内部構造などを調整する内部対策
・被リンク獲得や認知拡大などの外部対策
・自然検索からの集客を増やすコンテンツSEO
参考:Google10の事実
Google10の事実
コンテンツSEOとは?
コンテンツSEOは、ユーザーの検索意図に対応したコンテンツを作成し、内部対策や外部対策も適切に行いながら継続的に発信。Web公開後も定期的な効果検証・改善などを行います。
質の高いコンテンツが多いサイトだと認識されることは、検索エンジンでの評価を上げるために不可欠です。検索上位表示されれば自然検索からの流入増加が見込めるので、集客につながります。
コンテンツマーケティングとコンテンツSEOとの違い
コンテンツマーケティングとコンテンツSEOは似ているように思われますが、以下の点に違いがあります。
・集客対象とするターゲット
・目的
・成果達成までのプロセス
・コンテンツの内容
・集客手段
コンテンツSEOが検索エンジンの活用に限定する一方で、コンテンツマーケティングは検索エンジンだけでなく他の媒体や流入経路も活用。そのため、ターゲットやプロセスも違ってきます。コンテンツSEOは、コンテンツマーケティングの実践における重要な施策のひとつと考えるとわかりやすいでしょう。
▼コンテンツマーケティングとSEOの違いについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
コンテンツマーケティングが必要とされる理由とは?
マーケティングの手法のなかで、なぜ今コンテンツマーケティングの必要性が注目されているのでしょうか。
顧客のニーズに合った情報提供が広告よりも効果的
昨今は、多くの人が初めての商品の購入前にインターネットで積極的に情報収集しています。そこで顧客目線でニーズの高いコンテンツを最適な形で継続的に提供していくというコンテンツマーケティングが、顧客からのアクセスを促すためには効果的です。
高いコストがかかる広告は、短期的に一定の集客効果は見込めますが、受ける側の興味・関心とタイミングが合わないと反響はありません。そこで中長期的な視点で費用対効果が期待できるコンテンツマーケティングが注目されるのです。
潜在顧客の興味を集めて購買・ファン化へのステップにつなげる
マーケティングにおいては集客だけでなく顧客育成(ナーチャリング)も重要なポイントです。ユーザーとの接点を増やせるコンテンツマーケティングの施策は、顧客育成にも役立ちます。
顧客の興味の度合いによって、段階的に効率よく最適な施策を選んで実行していくコンテンツマーケティング。おもに以下のような顧客の区分が使われています。
・潜在顧客:まだ商品を知らないが興味はある人
・見込み顧客:すでに商品の存在を知っている人
・顧客(既存顧客):購買に至った人
・優良顧客(ファン):リピート購入、さらに他の人に商品をすすめてくれる人
Googleの評価基準への対応が必要
Googleの検索順位に影響する評価基準では、ユーザーに役立つページであると評価されることが必要です。そのため顧客に合わせて施策を行うコンテンツマーケティングが重視されます。
Googleの評価基準には、たとえば以下のようなポイントがあります。
・コンテンツの内容がユーザーの需要に合っているか
・コンテンツの内容が信頼できるか(専門性・権威性・信頼性)
・ページが見やすく、操作しやすいか など
参考:Googleガイドライン
Googleガイドライン
▼コンテンツマーケティングの必要性については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
コンテンツマーケティングの実践方法
コンテンツマーケティングの施策は、ターゲットや目的に合わせて最適な方法で実践します。
記事コンテンツ
記事コンテンツは、自社のWebサイト・ブログ・ECサイトなど「オウンドメディア」で発信するコンテンツが大多数を占めます。Webに限定しない広義のオウンドメディアには、パンフレットやチラシ、広報誌などの紙媒体も含まれるため、記事コンテンツは多様な手段で提供することが可能です。
ランディングページ
Web広告と組み合わせて、広告経由でアクセスしたユーザーに向けて商品やサービスを紹介するページがランディングページ(LP)。問い合わせや資料請求、購入などのアクションを誘導する役割を持たせ、縦長の1ページに情報を集約していることも特徴です。
SNS
Twitter・Facebook・InstagramなどのようなSNSでのシェアによる情報拡散は、コンテンツマーケティングにおいても効果的に活用されます。顧客ターゲット層に多く利用され、訴求したい商品・サービスとマッチするSNSを選ぶことがポイントです。
動画コンテンツ
YouTubeを活用した商品やサービスの紹介などが代表的です。実際の商品の使い方をわかりやすく紹介したり、サービス導入メリットなどをプレゼンしたり、動画での訴求効果が見込める場合には積極的に利用されます。SNSでの拡散効果とも合わせて活用可能です。
ホワイトペーパー
調査・分析レポートや導入事例集など、おもに自社サイトからダウンロードできる形式でユーザーに提供される資料です。ダウンロードの際に個人情報の入力を必要とすることで見込み顧客の情報を入手できるため、その後のアプローチにも役立ちます。
メルマガ
自社が持つ顧客リストを利用して配信するメルマガ。すでに過去に資料請求や購入履歴がある顧客に継続的に情報を配信し、商品・サービスの存在を再び知らせることが可能です。購入や契約のきっかけになるため多く活用されています。
ウェビナーやオンラインイベント
ウェビナーとはオンラインセミナーのことです。コロナ禍でオンライン配信による開催が増えたセミナーやイベントですが、参加者は開催場所への移動が不要で、多数のユーザーが気軽にオンライン参加できるようになりました。導入事例のレクチャーやユーザー交流会などの開催で顧客との距離が縮まると、信頼度向上につながります。
シミュレーション
料金の見積もりや査定のシミュレーションは、保険・不動産・中古車買い取りなどの業界で活用されています。また、ファッション業界でのオンライン試着(バーチャル試着)や、コスメ業界でのバーチャルメイクなどは、オンラインショッピングが増えたユーザーにとって便利なコンテンツ。サイトへの再訪問や購入のきっかけとして十分な働きをします。
▼コンテンツマーケティングの実践方法については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
コンテンツマーケティング戦略を成功させるポイント
コンテンツマーケティング戦略を実践するうえで、施策の効果を最大限に引き出すために忘れてはならないポイントがあります。以下、3つに分けてまとめました。
誰に、何を、どのような手法で伝えるか
最初に押さえるべきポイントは、ターゲットの明確化です。企業を対象にしたBtoBでは競合他社の動きを参考にすることも重要ですが、個人を対象としたBtoCではターゲットのモデル(ペルソナ)の設計が必須。年代・性別・職業・趣味などの特徴を設定して、その人が興味を持つコンテンツを検討します。
たとえば、商品をまだ知らない人のために、知ってもらうきっかけとなる記事を発信。また購入検討段階の人には、使い方や導入事例などの情報を提供するというように、顧客目線で何をどのように伝えるべきかを考えましょう。
ターゲットが購入に至るまでの行動や思考の分析は、「カスタマージャーニーマップ」を作成して可視化します。顧客のニーズに対して迅速な対応をしていくために、マーケティング担当者や営業担当者との間での情報共有に活用してください。
目標を明確にする
目標は、数値化することで明確になります。一見数値化しにくいと思われがちな認知度向上のような目標では、SNSのフォロワー数やリツイート数などの推移で評価が可能です。満足度や信頼度などにおいても、このように数値で確認できる要素を選んで評価することが必要となります。
成果の達成度を評価するための指標は、以下の2種類に分けられます。
・KGI(Key Goal Indicator)
中長期的に掲げる最終目標の達成度を評価(重要目標達成指標)
・KPI(Key Performance Indicator)
最終目標に向かうプロセスで短期的な効果の確認に使う指標(重要業績評価指標)
KGIに年間売上高を設定する場合でも、目標達成までに実践するコンテンツマーケティングの施策ごとに進捗の詳細を測定するのに適したKPIを設定します。たとえば、以下のような指標です。
・PV数(ページビュー数)
・UU数(ユニークユーザー数)
・セッション数
・検索順位
・SNSのエンゲージメント
・コンバージョン数
・継続購入回数 など
施策の効果検証・分析にもとづく改善策の実施が重要
ビジネスで重要視されるPDCAサイクルを、コンテンツマーケティング戦略にあてはめてみましょう。
・Plan:新規コンテンツや既存ページのリライトなどの施策立案
・Do:施策の実践・進捗管理
・Check:効果検証
・Action:分析結果にもとづいて問題点があれば改善策を実施
同時に複数の施策が進行するなかでも、以上のようなPDCAサイクルをバランスよく回していけることが戦略成功のカギとなるでしょう。
▼コンテンツマーケティング戦略のポイントについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
コンテンツマーケティングで活用したいツール
前述のようなKPIの測定を効率よく行っていくには、ツールの活用が欠かせません。
Google公式の無料ツール
Googleでは無料利用できる各種ツールが提供され、コンテンツマーケティングの施策実践や効果検証に活用されています。
・Google トレンド
・Google 広告 キーワードプランナー
・Google アナリティクス
・Google Search Console(サーチコンソール)
・Search Console Insights(サーチコンソールインサイト)
・PageSpeed Insights(ページスピードインサイト)
・構造化データ マークアップ支援ツール
▼Google公式の無料ツールについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
有料ツールは利用目的と機能を確認して選ぶ!
コンテンツマーケティングでの活用に適したさまざまな有料ツールがありますが、製品・サービスごとに備えている機能に違いがあります。利用目的を明確にすることがツール選びのポイントになります。
【おもな機能】
・SEO対策
・アクセス解析
・競合分析
・自社コンテンツの分析や検索順位の比較 など
▼コンテンツマーケティングの有料ツールについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
求められるコンテンツの提供で顧客を引き寄せる!
コンテンツマーケティングでは、顧客ターゲットに必要とされるコンテンツを、的確な手法やタイミングで提供しながら成果目標の達成を目指します。スマホで積極的に情報収集をする人が多い昨今、お客様のニーズに合わせた高品質なコンテンツの発信による集客効果は活用すべきでしょう。
コンテンツマーケティングの基本的なノウハウを押さえて、ターゲットのペルソナや目標の設定など具体的な施策・実践にのぞみましょう。
▼コンテンツマーケティングに関しては、こちらの記事でも詳しく解説しています。