BtoBマーケティング総合ガイド:基礎知識から全体像・戦略・手法・成功事例まで

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BtoB(B2B)マーケティングとは、対企業のビジネス(Business to Business)における「販売の仕組みづくり」のこと。 本記事では、BtoBマーケティングの全体像を知りたい方にむけて、基礎知識から最低限おさえておきたいポイント、最新の動向までをまとめてご紹介します。

BtoCとの違いから、BtoBマーケティングの戦略立案の方法、具体的な手法、知っておきたいツール、成功事例まで要点ごとにまとめて解説しますので、興味のあるところからご覧いただけます。専門用語には適宜、用語解説もつけています。初心者の方はまず、こちらの記事からお読みください。

BtoBマーケティング総合ガイド:基礎知識から全体像・戦略・手法・成功事例まで

BtoBマーケティングが注目されている背景・事情

近年、中小企業から大手まで、事業の規模や業種に関わらずBtoBマーケティングの重要性が増し続けています。

属人的な販売戦略をとってきた日本のBtoB企業

日本のBtoB企業は過去、組織的なマーケティング活動をほとんど行ってきませんでした。法人相手のビジネスは、対象となる顧客の数がBtoCに比べれば少ないため、一般に広く宣伝し認知拡大を目指すより、特定の売り先にピンポイントでアプローチする方が効率的です。顧客サイドも、商品の情報を知るには、商品を扱う企業の営業担当者に問い合わせるしか方法がありません。

そこで、BtoB企業では見込み顧客(商品・サービスを購入してくれる可能性のある企業)のもとに営業マンが足を運んで自社製品のプレゼンを行い、会食で関係作りをして「馴染みの担当者」としての地位を確立。見込み顧客の方で商品が必要になった際に声をかけてもらうのを待つ、という構図が一般的でした。営業担当個人に依存した販売方法が主だったのです。

そのため、日本のBtoB企業においてはマーケティングの必要性が薄く、マーケティング先進国であるアメリカに比べて数十年の遅れをとっているとまで言われていたのです。

コロナ禍でマーケティング活動を強化するBtoB企業が増加

状況が大きく変わることになったきっかけはコロナ禍でした。対面での営業活動が難しくなり、営業・マーケティング活動はオフラインからオンラインへと一気に舵を切ったのです。
インターネットの普及により「モノを買う前にはまず検索する」という行動が社会に根づいたので、BtoC企業においては、オンライン・デジタルマーケティング活動は必須となっていましたが、同様の動きがBtoBにおいても起こったというわけです。

商談やイベント・展示会のオンライン化、ウェビナーの開催、デジタル広告の出稿、動画マーケティングなど、オンラインで行える集客方法を求めて、BtoB企業もさまざまな手法に手を出し、試行錯誤を始めました。

オンラインのマーケティング活動が必須になった理由ーBtoBマーケティング総合ガイド:基礎知識から全体像・戦略・手法・成功事例まで

パンデミックが収束し、リアルでの影響活動が可能になった後も、btob企業におけるマーケティング活動重視の流れは継続しています。
マーケティングは「売れる仕組みづくり」。マーケティング活動がきちんと機能すれば、営業部門の負担は減り、より効率的に売上につなげられます。人口減少にともなう人材不足に対応するためのDX推進も叫ばれる現在、BtoB企業におけるマーケティング活動の役割は非常に大切になっているというわけです。

BtoBマーケティングへの注目度の高まりについては以下でも詳しく解説しています。

関連ブログ [BtoB企業のマーケティングを支援!おすすめ支援会社20社]より 重要度・注目度が増し続けるBtoB企業のマーケティング

BtoBビジネス・マーケティングの特徴は?BtoCとの違いから理解しよう

BtoBとBtoCにおけるマーケティングには共通する部分もあるのですが、大きく異なる部分もあります。BtoBの購買行動に特有の部分に着目すると、BtoBマーケティングをより理解しやすくなりますから、2つの違いを確認しておきましょう。

BtoCとBtoBの購買では、目的、関わる意思決定者の数、取引額と購入サイクル、意思決定までにかかる期間、顧客数、判断基準の7つの点において、以下の違いがあります。

注目ポイント1:BtoBは購入までに時間がかかる

特に注目したいポイントの1つ目は、購入・契約までの意思決定にかかる時間が長いことです。
BtoCでは「即決」が多いのに対して、BtoBでは会議を重ねて、上長と決済者の合意を取り付けるプロセスを経るため、購入の検討が長期に渡ります。
そのため、見込み顧客の検討の進み具合に応じてタイミングよく適切なコミュニケーションをとり、購入に向けてモチベーションを高めていく活動がBtoBマーケティングでは非常に重要です。

注目ポイント2:購入されるには、社内で広く承認を得る必要がある

BtoBの場合、商品・サービスを実際に使用する人が購入の意思決定をできるケースはほとんどありません。1つの商材を購入するにも、選ぶ人、商談の窓口になる人、購入を決定をする人、決済の最終承認を行う人、商材を利用する人、これだけの人数が関わることも珍しくはなく、関係者全員の納得・合意がなければ購入に至らないのです。

だからこそBtoBのマーケティングでは、「論理性・合理性」が重視されます。
現場担当者がいくら「この企業の社長さんはすごく人が良さそうで、webサイトも良い感じなんです」と説明しても、社内の承認はまず得られません。さまざまな立場の人に納得してもらえる論理的な説明とわかりやすい資料が購入・成約を決めるカギになります。

注目ポイント3:購入後の「長い付き合い」がマーケティングの価値を最大化

購入に至るまで入念な検討を行い、長い時間をかけるBtoBの購買行動。大きな労力をかけ一度、購入を決めたら基本的に、再購入してもらえる可能性も高いということです。

BtoBマーケティングの費用対効果を最大化するには、何度もリピートしてもらい、顧客あたりのLTV(※)を、増やす取り組みが欠かせません。

※LTV=Life Time Valueの略で、日本語では「指標生涯顧客価値」または「顧客生涯価値」。顧客が自社と取引を始めてから、関係が終了するまでの全取引から得られる利益の合計を示す指標。

BtoCとの違いについて、詳しくは以下の記事でも詳しくご説明しています。
BtoBとBtoCマーケティングの違いとは?初心者にもわかりやすく解説

BtoBマーケティングの基礎知識・用語

BtoBマーケティングというと、展示会に出展する、webで広告を出す、メルマガを送るといったイメージが真っ先に浮かぶ人もいるかもしれません。これらはBtoBマーケティングで展開する手法・施策として有名なものです。

実行のイメージが沸きやすい各施策に真っ先に目が行きがちですが、同じ施策でも、目的は一つではありません。まずはBtoBマーケティングの進め方を頭に入れる必要があります。

必ずおさえておきたい「リードジェネレーション」「リードナーチャリング」「リードクオリフィケーション」

見込み顧客「リード」が購入に至るまでの流れは、マーケティング視点では以下のフェーズに切り分けて考えます。

リードへのアプローチ3つーBtoBマーケティング総合ガイド:基礎知識から全体像・戦略・手法・成功事例までこの中で特に重要なのが「リードジェネレーション」「リードナーチャリング」「リードクオリフィケーション」の3つです。

リードジェネレーションは見込み客を「作り出す」活動で、「リードの創出」「リードの獲得」または「リードジェネレーション」とも呼びます。
課題を抱えてはいるものの、具体的なニーズにはまだつながっていない顧客のことを「潜在顧客」と表現します。潜在顧客にきっかけを与え見込み顧客に昇格させるのがリードジェネレーションです。

リードナーチャリングとは、獲得したリードの関心を高める活動で、「リードの育成」ともいいます。信頼を獲得し、より具体的に購入を検討してもらうことを目指します。

リードクオリフィケーションは、育成したリードの中から、特に興味・関心が強く、購入確度の高いリード(ホットリード)を選び出す作業です。ホットリードを営業部に引き渡して商談を行い、案件化・受注を目指します。

続いて、以上3つのプロセスにおける具体的な手法を見ていきます。

BtoBマーケティングの手法にはどんなものがある?

リードジェネレーション・リードナーチャリング・リードクオリフィケーションの段階別に、よく行われる手法を一覧にしました。

段階ごとのマーケティング手法ーBtoBマーケティングを成功に導く戦略の立て方とは?【基礎知識から徹底解説】
どの手法を選ぶかは、
(1)社内リソースで対応可能か
(2)業界とお客様の特性に合っているか
(3)営業部の意向・方針に沿っているか

を考慮して決定します。

また、ビジネスモデルによって、新規顧客の開拓と、既存顧客からの売上アップのどちらに力をいれるべきかも異なります。全ての施策に取り組むことは現実的ではないので、優先順位をつけて取り組みましょう。

最近、主流になりつつあるのはWebマーケティング。BtoBマーケティングに携わるなら、Webマーケティングについて一通りの知識を持っておきましょう。

Webマーケティングって何?

オンラインで行うマーケティング活動全般を指してWebマーケティングと呼び、検索エンジン(google)での情報収集が「当たり前」になった今、注力する企業の数は年々増えています。

Webマーケティングを行うメリットの1つ目は、効率化・コスト削減です。
セミナーや展示会をオンラインで行えば、現場に足を運んでリアルで対応するよりもコスト・時間ともに大幅に節約できることはいうまでもありません。
さらに、Webマーケティングではデータを活用し、ターゲットを絞ったピンポイントのアプローチが可能です。ターゲットの検討度合いに合致した働きかけができるので、ターゲットに刺さるコンテンツが制作でき、費用対効果が良いのです。

“少数精鋭のマーケティング部門、慢性的にリソース不足のマーケティングチーム”との相性が良いのもWebマーケティングの特徴です。

2つ目のメリットは、これまで接点が持てなかった顧客との関係が構築できること。地理的な制約を受けないので、一気に販路が拡大します。

そして3つ目のメリットは、ニッチなターゲットへのアプローチが可能なこと。
販路が限定されがちなBtoB企業は「どこに広告を出せばターゲットに届くのかわからない」という課題を抱えています。しかし、ターゲット企業の担当者も検索で情報収集をするわけですから、ターゲットが閲覧しそうなWebページへの広告出稿、ターゲットが検索しそうなキーワードでのSEO対策などは非常に有効です。

Webマーケティング3つのメリットーBtoBマーケティング総合ガイド:基礎知識から全体像・戦略・手法・成功事例まで

BtoB向けで使うべきWebマーケティング手法

Webマーケティングには多数の手法がありますが、BtoB企業が取り組み、成果が期待しやすいものは下記7つです。

(1)オウンドメディアの運営
(2)ホワイトペーパーの作成・配布
(3)Facebook、X(旧Twitter)などSNSアカウントの活用
(4)Web広告
(5)ウェビナーの企画・開催
(6)動画マーケティングの活用
(7)メールマーケティングの実行

これらの中から、各企業の状況に応じて必要なものを選んでいきます。選ぶ際に意識したいのは、顧客の状況を詳細に推測して段階ごとに適切な方法を考える、取り組みの期間・かけられる費用を考慮するという2点です。

Webマーケティングについて詳しくは、こちらの記事で解説していますので、ぜひご参照ください。
【BtoB企業向け】Webマーケティングとは?ポイントと手法7つを徹底解説

BtoBマーケティングの戦略とは

ここまでマーケティング手法をご紹介しましたが、手法よりも先に考えるべきことがあります。それは「マーケティング戦略」。戦略なしに施策の実行だけに力を入れ、施策自体が成功しても、最終的な結果には繋げらないケースが多いんです。
施策を選んで取り組みを始める前に、進むべき方向が正しいのか、まずはマーケティング戦略をきちんと立案します。

BtoBマーケティングの戦略を実行・継続するためのポイント

マーケティング戦略の立案では「誰に」「どんな価値を」「どのように提供するか」を考えます。
具体的にはまず、自社・顧客・競合・市場についての現状分析から始めます。自社の製品がどのように顧客の課題解決を達成できるのか、競合他社に比べてアピールできる強み、打ち出すべきメッセージは何か、を明確にしていく過程では顧客の解像度を上げる必要があります。
既存顧客にインタビューする、ペルソナを設定する、カスタマージャーニーマップを作成するなどの方法が役立ちます。

ペルソナの例ーBtoBマーケティングを成功に導く戦略の立て方とは?【基礎知識から徹底解説】

その他にも顧客の悩みを掘り下げる具体的な方法は、以下で詳しくご紹介しています。
関連記事 [BtoBマーケティングを成功に導く戦略の立て方とは?]内、 「顧客の困っていそうなこと・悩んでいそうなこと」を徹底的に挙げていく

現状の分析が完了したら、次は目標の設定を行います。最終的なゴールであるKGI、中間目標であるKPIを具体的な数値として定め、現状分析で導いた材料をヒントに、目標達成に向けて描くシナリオがマーケティング戦略なのです。

マーケティング戦略の立案で活用したいフレームワーク

現状分析の際に活用できるテクニックがフレームワークです。
パターン化された「考え方」の実行により、誰でも一定の成果を挙げられるように設計されたのがフレームワークです。フレームワークに則って思考することで、複雑な要素が絡み合った事象も抜け・漏れなく検討できます。

フレームワークは必ず使用しなければならないわけではありませんが、マーケターの間では共通語として使われますから、知っておいて損はありません。
主要なフレームワーク5つ「STP分析」「3C分析」「4P分析」「PEST」「SWOT」について、以下の記事で概要を紹介しています。

関連記事 BtoBマーケティング戦略に効果的なフレームワークとは?活用のコツと必須フレームワーク5選

BtoBマーケティング界における2024年のトレンド・動向は?

企業の活動は社会の動向に合わせて変化しますから、マーケティング戦略の立案から選定には、BtoBビジネスを取り巻く流行・トレンドを把握せねばなりません。

2023年に引き続いて今年も継続する見込みのトレンドとして、CRM、ABM、カスタマーサクセス、コンテンツマーケティング、Webマーケティング、動画マーケティング、オフライン広告の7つが挙げられます。

BtoBマーケティング2024のトレンドーBtoBマーケティング総合ガイド:基礎知識から全体像・戦略・手法・成功事例まで
この中で、聞き慣れない人が多いCRMとABM、カスタマーサクセス、そしてオフライン広告の4つについて概要を説明します。

セットで考えると理解しやすい「CRM」と「ABM」

CRM(Customer Relationship Management)は、「顧客関係管理」や「顧客関係性マネジメント」と訳され、マーケティング活動で得たクライアント企業の情報を詳細に蓄積・管理することや、それができるツールを指します。
続いてABM(Account Based Marketing)は、ターゲットとなる企業に特化して戦略的にマーケティング活動を行う手法のことです。

CRMの普及によりABMが可能になった、という背景がありますから、CRMとABMは一続きの概念として考えるべきです。

BtoBマーケティング活動の費用対効果を上げるためのヒント「カスタマーサクセス」

カスタマーサクセスは、自社の商品・サービスを購入してくれた顧客が、それらを最大限に活用して利益を上げられるよう、能動的に働きかけることです。
サブスクリプション型サービスの流行にともない、いかに利用を長く継続してもらい、顧客当たりの売上を伸ばし、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)を高めるかは多くのBtoB企業にとって課題ですから、カスタマーサクセスという概念が重要になってきているんです。

知名度アップに絶大な効果を発揮「オフライン広告」

Webマーケティングの流行と相反するように思われるオフライン広告の流行ですが、背景には、ビッグデータを活用し、ターゲット層にピンポイントで確実に届けることを重視した広告サービスの登場があります。例えば、タクシー広告は、ビジネスマンの中でも特に、経営者層に届きやすいとされており、BtoB企業にも有効な手段です。

さらに、テレビCMは地上波に企業名が登場すること自体が、知名度と信頼性の獲得につながります。「◯◯といえば⚫️⚫️社」と第一想起を狙いたい場合や、採用活動に力をいれたい場合に非常に有効ですから、BtoB企業でも使われるようになっているというわけです。

その他、おさえておきたい動向や、今後、加速が予想されるトレンドについてはこちらの記事で解説しています。
【2024年最新版】BtoBマーケティングのトレンド7選を解説

BtoBマーケティングを効率化できるツール【MA・CRM・SFA】

BtoBマーケティングを効率よく進めるコツは、ツールの活用です。長く複雑なBtoBマーケティングのプロセスにおいては、システムで自動化できるところは自動化し、一括で行える作業は一括で行うなど、できるだけシンプル・簡略化するのがポイントです。

BtoBマーケティングで活用できるツールには「MAツール」「CRMツール」「SFAツール」の3つがあります。
MAツールはマーケティング活動の自動化を、CRMツールは顧客とのコミュニケーションの履歴や属性といった情報の収集・管理を、SFAツールは営業活動の効率化・生産性向上のために使います。

BtoBマーケのツールーBtoBマーケティング総合ガイド:基礎知識から全体像・戦略・手法・成功事例まで

マーケティングに最も直結したツールはMA(マーケティングオートメーション)ツールで、
・リードをリストで一元管理
・メールマガジンの配信や開封率の追跡
・アクセス解析
・行動の点数づけ(スコアリング)を行い興味・関心の度合いで顧客をセグメントする
・購入の意欲が高まっているリードを可視化する

など、一連の手順で実施する施策を効率よく行えます。

MAツールはCRMツール・SFAツールは相互に接続できるものもあり、1つのプラットフォーム上に連携させることでさらに使用範囲が広がります。また、CRM・SFAの機能を兼ね備えたMAツールもあります。自社に最適なツールを導入できればマーケティング活動の幅が一気に広がるでしょう。

主要ツールや選び方については、以下の記事で解説しています。
【BtoB企業のマーケティング】MAツールは導入すべき?機能比較&選び方から活用のポイントまで解説

BtoBマーケティングの成功事例

マーケティング活動はまだまだ発展途上というBtoB企業が多い中、いち早く本腰を入れて取り組んだところでは、きちんと成果が出てきています。企業規模や業種、扱う商材によって状況はかなり異なるので、幅広い成功事例に触れて、自社の参考にできるポイントがないか探してみてください。
以下の記事では、7つの事例を取り上げて解説しています。
関連記事 BtoBマーケティングの成功事例7選|コツ・ポイントを詳しく解説

さまざまな成功事例がありますが、ここでは、Webマーケティング施策の中でも注目度が高く、企業規模を問わず始めやすい「コンテンツマーケティング」の事例を一つご紹介します。

BtoB企業のオウンドメディア成功事例

ゆるみ止めねじの開発や製造・販売をおこなっているハードロック工業株式会社は、エンジニア向けのオウンドメディア「ねじ締結技術ナビ」で新規リード獲得件数を20倍にまで増やすことに成功しました。
こちらのメディアに投稿されている記事は、非常にニッチな読者層が対象であり、広くアクセスを集めるものではありませんが、狙うターゲットからの需要が確実にある内容ばかりです。

コンテンツマーケティングといえば、BtoC企業の運営するメディアで展開されているイメージが強く、BtoB企業とは相性が悪いのでは、と考える人もいるかもしれません。実際、本腰を入れてコンテンツマーケティングを行えているBtoB企業は、BtoCに比べると少ない傾向にあります。
しかし、だからこそ競合も少なく「狙い目」の施策であり、BtoB企業こそ取り組む価値があります。

ハードロック工業株式会社の事例について詳しくはこちらで解説しています。

なお、成功事例を参考にする際に覚えておいてほしいのは、単に成功事例の施策だけを真似ても成功を納めるのは困難だということです。施策を実行するに至った背景や、抱えていた課題、そして社内の体制などもしっかりと理解するようにしましょう。

BtoBマーケティングが難しい・特に進んでいない業界もある

成功事例を調べていると、事例が多い業界・業種と、そうでないものがあることに気づきます。一例として、BtoBの製造業は、マーケティング活動が特に遅れている業界です。

進んでいないからこそ、BtoBの製造業はマーケティングに本格的に取り組むことで大きな成果を挙げられる可能性を秘めています。

BtoB製造業のマーケティングーBtoBマーケティング総合ガイド:基礎知識から全体像・戦略・手法・成功事例まで

BtoB製造業でマーケティングの普及が遅れている理由・業界を取り巻く課題の掘り下げから解決のヒント、マーケティング導入のアイデアは以下の記事で解説しています。
関連記事 BtoB製造業のマーケティングはなぜ難しいのか?実践すべき施策を成功事例を交えて解説

BtoBマーケティングは何から始めるべき?

今回の記事でご紹介した通り、BtoBマーケティングにはある程度決まった「型」があります。まずはその型をきちんと頭に入れたうえで、自社流にカスタマイズしていくことが成功のポイントです。
これからBtoBマーケティングに取り組む予定なら、まずは基本をおさえるために、体系だった知識のインプットが必要です。勉強のための選択肢の1つとして「資格」があります。

BtoBマーケティングに資格は役立つの?

BtoBマーケティングの業務に携わるにあたって、資格は必要ありません。一方で、資格を取得するための過程で行う勉強はBtoBマーケティングをきちんと学べる貴重な機会ですし、資格を持つことでマーケターとして発言の説得力も増します。

BtoBマーケティングはその範囲がかなり多岐に渡るので、資格も、ジャンルごとに下記5つの領域に分かれています。
・戦略立案・上流工程などマーケティング全般に関わる資格
・Webマーケティング全般に関わる資格
・Webでの広告運用ツールに関わる資格
・アクセス解析・SEO対策に関わる資格
・SNSマーケティングに関わる資格

BtoBマーケティングに関連する資格についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。
関連記事 【BtoBマーケティングの資格16選】おすすめは?ジャンル別に資格を紹介・解説します

どこから手をつけたら良いかわからないなら、BtoBマーケティング支援企業の力を借りる選択肢も

ある程度の知識を身につけても、いざ取り組みをスタートさせようとしたら、課題が山積み状態で改善しようにも手をつけられない、自社のケースではどう解釈すべきかわからない、といったこともあるでしょう。そんな時に頼れるのがBtoBマーケティングをサポートしてくれるサービスです。

BtoBマーケティング支援会社は、「調査・分析→戦略設計→施策の実施と効果測定」のすべての領域においてサポートを提供しており、必要に応じた支援内容を提案してくれます。
支援会社には「コンサルティング特化型の支援を提供する企業」、「施策の運用を代行する企業」、そして両者のハイブリッドである「トータルでの支援を提供する企業」の3タイプがあります。

支援会社3タイプーBtoBマーケティング総合ガイド:基礎知識から全体像・戦略・手法・成功事例まで

それぞれの特徴と、支援会社に依頼する際のメリット・デメリットまで理解したうえで依頼を検討してください。
支援会社の選び方や、依頼する際の心構えは以下で解説しています。
関連記事 【2024最新版】BtoB企業のマーケティングを支援!おすすめ支援会社20社:業務内容とサポート範囲を比較・解説

BtoBマーケティング総合ガイド:まとめ

BtoB企業がマーケティング活動に注力する流れは、これからますます拡大していくことが予測されます。これまではマーケティングとは無縁だった業界・業種でも、今後は積極的に導入する必要が出てくるでしょう。
社内にまだマーケティング部門もなければ専任担当者もいないのなら、これを読んでいるあなたが最初の1人として、BtoBマーケティングに取り組んでみてはいかがでしょうか。

BtoBマーケティングを成功させるにはノウハウを持った担当者が不可欠ですし、社内の他部署との情報の共有をはじめ、全社的な協力体制の立ち上げも必須です。一朝一夕で達成できるわけではありませんが、まずはスモールステップで、できることから始めていくのが肝心です。
目に見える効果が出るまでにある程度、時間のかかるのもBtoBマーケティングの特徴ですから、早めのスタートをおすすめします。