BtoBマーケティング戦略に効果的なフレームワークとは?活用のコツと必須フレームワーク5選

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マーケティングに携わる人なら目にすることも多い『フレームワーク』とは「型・枠組み」という意味で、BtoBビジネスの領域では考え方の型や枠組みを指します。市場分析のフレームワークと言えば、市場分析を行う際の考え方といったところです。

BtoBマーケティングで登場するフレームワークにはたくさんの種類があり、多くは現状分析・戦略立案などの局面で使われます。使いこなしているマーケターもいる一方、「どれを使えばいいのかわからない」「結局、ほとんど活用できていない」という悩みもよく耳にします。

こちらの記事では、まず、フレームワークを利用するメリット・デメリットや注意点を詳しく解説し、BtoBマーケティングで知っておきたいフレームワークの概要を紹介します。フレームワークとの上手な付き合い方についても解説しますから、マーケティングを勉強中の人は参考にしてみてください。

なお、BtoBマーケティングについてもっと知りたい方は以下の記事もご覧ください。

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BtoBマーケティング戦略に効果的なフレームワークとは?活用のコツと必須フレームワーク5選

フレームワークってそもそも何?BtoBマーケティングでなぜ重要?

フレームワークは、パターン化された「考え方」を実行すれば、誰でも一定の成果を挙げられるように設計されています。
フレームワークを用いれば、思考の切り口・きっかけになりますし、なんとなく考えているだけでは浮かばなかった視点も見つかります。要素を分解して整理することで、マーケティング分野における複雑な課題も、網羅的・体系的に検討できるとされています。

BtoBマーケティングで「フレームワーク」がしきりに登場するのは、BtoBマーケティングという分野が非常に幅広く、いくつもの要素が絡み合った複雑で難解な領域だからです。

マーケティングの使命を大まかに言うと「売れる仕組みづくり」です。
でも、社内会議で、「売れる仕組みづくりのために具体的に何から始めれば良いのか、アイデアを出してください」といきなり言われても、即答できる人はほとんどいないでしょう。
「商品の価格を下げる?」
「広告を流す媒体を増やしたほうがいい?」
「キャッチコピーがよくないのかもしれない」

複数の選択肢が浮かんではきますが、ただ漫然と考えていても、社内のみんなが納得してくれそうな「これだ」という結論は、簡単には導けそうにありません。そこで、フレームワークの登場です。

フレームワークは「この枠組みに沿って考えてみると、うまく結論まで辿り着けますよ」という考え方の方法で、いわば、進む道を示してくれるコンパスのようなもの。だからこそ、膨大な情報に向き合わねばならないマーケティングの領域で重視され、重宝されているのです。

コンサルタントや経営学者などによって、多くの種類のフレームワークが考え出され、今現在も、新しいフレームワークが登場したり、1つのフレームワークから複数のバリエーションが展開されたりしています。これらの多彩なフレームワークは、マーケティング領域に限らずビジネス全般において、思考の整理、情報分析、戦略立案、資料の作成などさまざまな目的で活用されています。

フレームワークのメリット4つ

フレームワークの代表的なメリットは以下の4つです。

メリットとデメリットーBtoBマーケティング戦略に効果的なフレームワークとは?活用のコツと必須フレームワーク5選

メリットその1 抜け・漏れなく思考を進められる

フレームワークでは論点が網羅され、明確にされていますから、フレームワークにあてはめていけば、考えるべき要素が抜け落ちません。広範で複雑なテーマでは、つい見落としが発生しがちですから、フレームワークの活用は非常に有効です。BtoBマーケティングに慣れていない初心者こそ、フレームワークをヒントにして考えるといいでしょう。

メリットその2 「思考のための時間」が短縮できる

フレームワークでは、考慮・検討のポイントがあらかじめ定められています。つまり、「どこから考えればいいのかわからない」「何を考えるべきか見えてこない」と立ち止まってしまうことはありません。
「現状分析ではこれ」「戦略の策定ではこれ」といった具合に、フェーズごとに使うフレームワークをあらかじめ決めておけば、さらなる効率アップにつながります。

メリットその3 データと根拠にもとづいた論理的な戦略を立てられる

フレームワークを当てはめることで、複雑な課題も細かな要素に分解ができますから、筋道を立てて結論まで導けるようになります。論理的に考える技術「ロジカルシンキング」を身につけるにはトレーニングが必要とされていますが、フレームワークを用いることで、自然とロジカルな思考ができるようになります。

BtoB領域では判断にも論理性が重視されます。「こうだからこう」と誰もが納得できるように思考を進めねばなりませんから、フレームワークとの親和性が高いのです。

メリットその4 複数人での議論がスムーズになる

全員が同じフレームワークを熟知している前提になりますが、複数人での議論の際、初めからフレームワークを使えば、論点をスムーズに共有できます。話があらぬ方向に脱線したり、ブレたりせず、まっすぐに結論にむかって収束していきます。

フレームワークは、チームのメンバーやクライアント企業の担当者など、組織で協働する際のコミュニケーション円滑化のツールとしても効果を発揮するのです。

フレームワークを用いるメリットーBtoBマーケティング戦略に効果的なフレームワークとは?活用のコツと必須フレームワーク5選

フレームワークのデメリット3つ

意外かもしれませんが、フレームワークにはデメリットもあるんです。

デメリット1:新たなアイデア・意外な発想は生まれづらい

「考え方の枠組み」がフレームワークですから、当然、フレームワークに沿って考えると、思考の過程が似通ってきてしまい、枠の外側には広がりません。論理性を重視すればするほど、個人の経験や直感を反映しにくくなっていき、誰が取り組んでも、ある程度、同じような結論にたどりつきます。あっと驚く意外なアイデアや、発想の転換は起こりづらく、イノベーションも生まれてきづらいのです。

デメリット2:リソースの問題で現実的でない・実践できないケースもある

フレームワークの実践を試みたことがある人ならご存知の通り、枠組み通りに1つずつの要素を考えていくには、かなりの時間がかかります。きちんとやり遂げようと思えば数時間などでは収まりきらず、数日、ときには数週間と、長期に向き合うことになります。「考える時間が短縮できる」のがメリットでしたが、それはあくまで、フレームワークを使いこなせるのが前提。実際には、そこまで到達するのは簡単ではありません。

特に中小企業の場合、マーケティング担当者が1人しかいなかったり、他の業務を兼任していたりするケースも多いものです。フレームワークを用いてじっくり考えることに、それだけの時間を割くのは現実的ではありません。

また、フレームワーク自体が、ある程度、大企業でのマーケティングの支援を念頭に考えられている傾向があり、中小企業のマーケティングへの適用自体がそもそも難しいケースもあることに注意が必要です。

デメリット3:フレームワークは日常的に使わないと「使いこなせる」レベルに達するのは難しい

フレームワークには、専門性が要求されたり、難易度が高かったりする部分もあります。
マーケティングやフレームワークの教科書を何度も読み込むことで理論はなんとなく頭に入ってきますが、実際の業務で日々、使っていかなければ「課題を解決するために使いこなす」レベルにまではなかなか到達できません。

一方、ご説明した通り、フレームワーク通りに丁寧に行っていくには時間がかかりますから、日常的にフレームワークを実践できる人はほんの一握りではないでしょうか。つまり、フレームワークが定着するところまで使い倒せる人は少数派だということです。

それなのに、フレームワークの導入・習得にこだわっていては、本質から遠ざかってしまいます。フレームワークの勉強に一生懸命になっても、売り上げは上がりませんし、何でもフレームワークを使って考えれば上手くいくというものでもありません。「身につけること」自体が目的にならないよう、その先を見据えて取り組みましょう。

フレームワークは本当に「みんなの共通語」?

「バリューチューン」「MECE」「ロジックツリー」など、フレームワークの名称がマーケターを対象にした記事で頻繁に登場します。当たり前のように使われているのを見ると「知っていて当然」のように思えてきますが、ちょっと待ってください。

フレームワークを用いて情報を整理し考える、というテクニックがビジネスパーソンの間で広く浸透してきているのは事実です。ただし、「知っている」と「使いこなせる」ことが別物であるのはご説明した通り。
さらに、BtoB領域におけるマーケティングは歴史が浅いこともあって、マーケターの知識・経験のレベル感は人それぞれです。また、フレームワークをあえて「使わない」マーケターもいます。

フレームワークが飛び交う会話ーBtoBマーケティング戦略に効果的なフレームワークとは?活用のコツと必須フレームワーク5選

フレームワークを「さも知っていて当然」と考えていると、マーケティング部門の中でも戦略立案・実行などそれぞれの段階で、思わぬ誤解・軋轢を産んでしまうかもしれません。フレームワークも“道具”のひとつ。重要なのは使いこなせるかどうか。「マーケ用語を知らない=仕事ができない」ではないのです。間違っても見下してはいけません。
フレームワークがビジネスの場での共通語というわけではないことも意識しておきましょう。

BtoBマーケティングにおけるフレームワークの使い所

BtoBマーケティングにおいて、フレームワークはさまざまな場面で使えるのですが、よく使われるシーンはある程度、決まっています。

(1)調査・分析(市場・自社製品・競合)

マーケット全体を見渡し、どんなニーズがあるのか、どこを狙うのか、などを調べます。
自社製品についてはよくわかっているつもりでも、客観的な評価を把握し、組織のメンバーで共有することは非常に大切です。
社内では「自社製品・サービスの強み」「弱み」と認識されていることが、顧客視点では重視するポイントではなかった、というケースもあります。
全体を見渡し、マクロの視点で取り組むことがポイントです。

(2)戦略立案と作戦決定

戦略とは、どのようにマーケティングを進めるかの方針のこと。市場調査と自社製品の分析で得られた情報をもとに、「誰」に「何」を「どのように届ける」のか、戦い方を決めていきます。
(1)調査・分析のステップで、現状の把握と課題の理解までが済んでいますから、KGIなどの目標・数値的な指標を設定し、実現にむけて、いかに近づけていくかを考えていくことになります。

関連記事 BtoBマーケティングを成功に導く戦略の立て方とは?【基礎知識から徹底解説】

(3)結果の確認と評価・改善点の列挙

作戦の実行後は、成果を確認して目標に対する達成度を評価します。

それでは、各場面でよく使われるフレームワークの概要を説明していきましょう。

BtoBマーケティングのフレームワーク1「STP分析」狙いを定めるためにはまず「分ける」

STP分析ーBtoBマーケティング戦略に効果的なフレームワークとは?活用のコツと必須フレームワーク5選STP分析ーBtoBマーケティング戦略に効果的なフレームワークとは?活用のコツと必須フレームワーク5選

STP分析とは、
・Segmentation(セグメンテーション:市場全体を細分化する)
・Targeting(ターゲティング:セグメンテーションした中で、狙うべき市場を決める)
・Positioning(ポジショニング:狙うべき市場の中での、自社のポジションを決める)

上記の頭文字からきており、これらの3つの観点から分析を行うフレームワークです。

STP分析では、まずは市場全体を、小さな単位に切り分けていきます。ニーズや行動パターンが似ている顧客ごとにグループ化することで、それぞれのセグメントに対する訴求ポイントが見えてきます。

次に、セグメントの中から、自社が狙うのに最適なものを絞り込み、選びます(ターゲティング)。そして最後に、その市場における競争相手との差別化ポイントは何か、どんな点が自社の強みとしてアピールできるのか、ポジションを決定します。

マーケットを適切に理解しようとする「セグメンテーション」の部分が特徴的なフレームワークです。一口に「市場」というと漠然として膨大ですが、細分化することでターゲットのニーズが明確化できます。

STP分析はおもに戦略立案の工程で使用されますが、セグメンテーションの考え方は分析においても非常に役立ちます。

BtoBマーケティングのフレームワーク2「3C分析」全ビジネスに共通する基礎的かつ重要な考え方

フレームワークを用いるメリットーBtoBマーケティング戦略に効果的なフレームワークとは?活用のコツと必須フレームワーク5選

「3C」とは
・市場・顧客(Customer)
・競合(Competitor)
・自社(Company)

上の3つの頭文字を指しています。これら3要素について、自社を取り巻くビジネス環境を把握し掘り下げるフレームワークが3C分析です。BtoB領域に限らずビジネス全般に共通の重要なフレームワークですが、ポイントは広い視野を意識し、第三者的なフラットな目線で考えていくことです。

Customerは「市場全体や顧客それぞれの状況」のことで、具体的には、
・どんなニーズがあるのか
・市場規模はどのくらいか
・購買行動にはどのような傾向があるのか

などを分析します。

Competitorは、「競合の状況」のことで、
・市場における競合の立ち位置
・シェア獲得率
・製品にはどんな特性があるのか
・どのような戦略を実行しているのか

これらを確認します。

最後のCompanyは、「自社の状況」で、例えば
・売上高
・収益性
・ブランドイメージやブランド力
・ビジネスモデル
・業界での立ち位置
・人材やノウハウなどの資産

などをチェックしていきます。

※各分析の項目はあくまでも一例です。

3C分析は現状を正確に把握するための基礎かつ重要なフレームワークです。調査・分析のためのフレームワークはたくさんありますが、基本的にこの3Cの要素のどれかを深く掘り下げるタイプのものが多くなっています。

3C分析で導かれる内容は進む道を決めるうえで大きな手がかりになるので、環境分析だけではなく、事業戦略やマーケティング戦略の立案、商品開発の検討にも用いられています。

BtoBマーケティングのフレームワーク3「4P分析」マーケティング・ミックスの概念がポイント

4P分析

4P分析は
・Product(製品)
・Price(価格)
・Place(流通・販路)
・Promotion(販売促進)

上記4つの要素で構成されています。

この4つは、企業の行う活動において、企業側の意思で操作が可能である代表的な要素です。このような企業側が主体的にコントロールできる要素は限られているので、それらをどう組み合わせて戦術を組み立てるかを考えることになります。
このように、複数の要素を最適に組み合わせることを「マーケティング・ミックス」と呼び、4Pはマーケティングミックスの代表的なフレームワークです。

例えば、要素のうち「Product(製品)」では、
・どういった製品を提供するのか
・機能の特徴はなにか
・品質はどの程度か

といった観点が検討ポイントになります。

「Price(価格)」であれば
・価格はいくらに設定するのか
・コストと利益率はどのくらいか
・競合の価格との比較

「Place(流通・販路)」なら
・幅広い顧客と取引を行うのか、代理店や直販のみなど限られたチャネルに限定するのか
・どのような配送手段で製品を顧客に届けるのか

「Promotion(販売促進)」では
・広告を出す媒体・メディアの検討
・ターゲットの興味をひけるよう、訴求するメッセージの決定

といった具合になります。

それぞれのPに対応する最適な打ち手を考えていくので、マーケティング戦略を具体化する際に使われるのが一般的です。4つの要素すべての最適化を目指すためのフレームワークですから、4つのPすべては相互に関係し合い、連動することを念頭に考えると効果的です。

なお最近では、企業目線に立った4P分析のみではBtoBマーケティングの領域では勝てない、という意見も出ています。インターネットや検索行動の普及にともないクライアント企業の購買行動とプロセスが多様化するなか、企業視点ではなく、「自社の製品がクライアント企業の課題に対してどんなソリューションと利益を提供できるのか」という顧客視点がより求められるようになってきた、というのがその理由です。

そのため、4P分析に代わるものとして、Solution(解決策)、 Access(接点)、 Value(価値)、 Education(啓蒙・活動)の要素を検討する「SAVE」と呼ばれる新しいフレームワークも登場し、注目を集めています。

BtoBマーケティングのフレームワーク4「PEST」外部の環境要因を分析

PEST分析ーBtoBマーケティング戦略に効果的なフレームワークとは?活用のコツと必須フレームワーク5選

PEST分析のP・E・S・Tはそれぞれ、政治(Politics)・経済(Economy)・社会(Social)・技術(Technology)の略です。
これらはいずれも、企業側の努力ではどうすることもできない外部的な要素ですが、企業や市場・ビジネス全般に大きく影響を与えるものです。PESTではこれらを広く洗い出して漏れなく分析できるので、マクロの視点で経営戦略を構築する際に役立つフレームワークです。

具体的には、
・Politics(政治):法規制の開始もしくは緩和、税制の変更、政策方針の変更、外交問題や戦争といった国際関係の動向など
・Economy(経済):経済成長率、インフレ率、株価、景気動向、物価指数や賃金の動向、為替や金利など
・Society(社会):人口動態、ライフスタイルや流行の変化、人々の価値観など
・Technology(技術):技術革新、IT活用、デジタル化、特許など

このような要素を検討していきます。

PEST分析は、現在の状態の分析のみならず、将来の予測・計画を立てる際にも役立ちます。PESTのそれぞれの要素がどのように変化しているかを推測するのです。
ただし、トレンドにあまり左右されない分野ではPEST分析を活用する場面は少ないという意見もありますから、自社の属する業界に応じて使い分けたいところです。

BtoBマーケティングのフレームワーク5「SWOT」内部・外部の環境要因を整理する

SWOT分析(スウォット分析)は、以下4つの単語の頭文字からきています。
・ 内部の強み(Strengths)
・ 内部の弱み(Weaknesses)
・ 外部の機会(Opportunities)
・ 外部の脅威(Threats)

これらについて、自社の強み・弱みを洗い出し評価していくフレームワークです。「強み」「機会」ではポジティブな視点で、「弱み」「脅威」ではネガティブな視点で検討を行います。

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それぞれの要素の具体例を挙げてみます。

強み(Strength)では、
・自社が持つ技術的な優位性
・製品の特長
・ブランド固有の価値
・人材

弱み(Weakness)では、
・製品の品質の低さ
・競合他社より新規市場への参入が遅れている
・DX推進の波に乗れていない
・Webマーケティングでの実績がない

機会(Opportunity)
・新しい市場が台頭してきた
・技術の発展により市場の規模が拡大している
・景気が向上し、二ーズが増えている
・競合他社の倒産が相次いだ

脅威(Threats)
・競合他社の発展
・経済や社会情勢の不安定性
・規制緩和で日本だけでなく海外からも競合他社が参入しやすくなった
・パンデミックに伴う顧客のニーズの移り変わりで、市場の構造が変化した

上記はあくまで一例で、他にもさまざまな要素があるでしょう。

以上で分析した項目から重要だと考えるものをリストアップして、「機会/脅威」「強み/弱み」の2軸で表を組むことで、次にとるべき行動の方針が浮かび上がってきます。(クロスSWOT)

SWOT分析も、おもに戦略立案で使用されるフレームワークです。すべての物事には企業にとってプラスになる要因とマイナスになる要因の両方がありますが、これらを整理し、検討できるのがSWOTの視点です。経営課題が明確になり、新たな事業参入を企画・提案する際の手がかりにもできます。

ここで紹介した他にも、業界全体を細かく捉える「5フォース分析」や、競合に対する優位性の分析を実施する「VRIO分析」、どのマーケティング施策を採用すべきか決定する段階での検討材料を提供する「4C分析」など、BtoBの領域で用いられるフレームワークには多数の手法があります。
さらに、フレームワークの「使い所」も、必ずしも一通りではありませんから、自分なりの使い道を見つけていくのが活用のポイントになります。

【フレームワークとの上手な付き合い方まとめ】BtoBマーケティングを成功に導くコツ

複数のフレームワークを組み合わせる・自己流にアレンジするなど「思考のヒント」にするのがおすすめ

「これさえ知っておけばOK」という完璧なフレームワークは存在しません。必要に応じて、複数のフレームワークを組み合わせて、使いやすいものにアレンジすると良いでしょう。日常的に使いやすい、自分なりのフレームワークを組み立てるのもおすすめです。

また、課題解決のための思考の道具はフレームワークだけではありません。型にはめて考えるとかえって行き詰まることもありますから、時にはひらめきや思いつきを軸に考えてみよう、と臨機応変に対応できるといいですね。

フレームワークでの戦略立案は定期的な見直しを

ビジネスのスピードが加速し続ける現代、自社も競合他社も日々、変化を続けています。当然ながらマーケティング戦略も「一度立てたら終わり」ではありません。フレームワークで導き出した戦略も、数ヶ月に一度は見直しを行わなければ、意味のないものになりかねません。
フレームワークを用いる・用いないに関わらず、マーケティングは最適解をつねに「考え続ける」のが前提になります。

BtoBフレームワークを使いこなすにはーBtoBマーケティング戦略に効果的なフレームワークとは?活用のコツと必須フレームワーク5選

フレームワークは思考を支援するための「道具」。その性質を踏まえて上手に用いることで力を発揮します。
自社の状況とマーケティングの段階に適したフレームワークを選ぶ、そして、時には既存のフレームワークに基づいた「オリジナルのフレームワーク」を作り上げる視点も持ち、BtoBマーケティングを深めていきましょう。