ロングテールキーワードとは?選び方を紹介します【SEO対策の効果を最大化】
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SEO対策でキーワード選定について調べるうちに行き当たる、耳慣れない言葉の1つが「ロングテールキーワード」ではないでしょうか。ロングテールキーワードとは「複数のキーワードを掛け合わせた、より具体的な検索意図を持つキーワード」のこと。
例えば「メルマガ 開封率 平均」や「営業 クロージング メール 例文」などがロングテールキーワードです。
ロングテールキーワードは「コンバージョンにつながりやすいから狙うべきだ」と書かれているのもよく見かけますが、その理由に今ひとつピンと来ていない方も多いかもしれません。
特に初心者の方は「何種類の言葉が使われていたらロングテールキーワード?」「ロングテールキーワードは検索ボリュームが1,000未満、と書いているサイトもあれば、100未満と書いてあるサイトもあって、どれを信じたらいいの?」など、質問したくなったことはありませんか?
今回は、イメージしやすいよう、できる限り例を挙げながら解説していきます。
ロングテールキーワードの概要を説明し、選び方から気をつけたい落とし穴まで紹介しますから、これを読めばロングテールキーワードに関する知識が一通り身につき、コンテンツマップに取り入れるべきかの判断に役立ちますよ。
なお、キーワード選定を「もっと知りたい!」方は、以下もご覧ください。
2023-2024キーワード選定総合ガイド SEO対策の基本を徹底解説
ロングテールキーワードとは?3語以上は必ずロングテールキーワードなの?
ロングテールキーワードは一般的に「3語以上の語句や単語を組み合わせて構成される」と言われています。ただし、用語として明確な定義があるわけではなく、必ずしも3語以上とは限りません。時には、「アナリティクス 狙ったキーワードの検索順位」や「Google検索 月間検索ボリュームが少ないキーワード」のように、文章のような構成になることもあります。
webマーケティングの専門家の間では、「◯語以上だからロングテールキーワード」というよりも、
・検索キーワードがユーザーの特定の需要を具体的に示している
・競合性が比較的、低い
このような特徴のあるキーワードが、ロングテールキーワードと呼ばれる傾向にあります。
どういうことか、ちょっと混乱してきますよね。謎を解くには、ロングテールキーワードの概念を正しく理解する必要があります。
「ロングテールキーワード」は“考え方”の理解がポイント
ロングテールとは英語の”Long Tail”、直訳すると「長い尻尾」から来ています。
あるメインキーワードについての関連キーワードを、検索数の多い順番に左から並べてみると、以下のようなグラフができあがります。
グラフの縦軸が、検索ボリュームで、横軸が検索キーワードの種類(数)です。
グラフの最も左に来るのは検索ボリュームが最大のキーワードですが、これを恐竜の「頭」に見立てると、右側にずらりと並ぶ、検索ボリュームの少ないものが「長いしっぽ」に見えますよね。このしっぽ部分が、ロングテールキーワード、というわけです。
検索される回数が少ないという特徴から、ロングテールキーワードは「スモールキーワード」「ニッチキーワード」と呼ばれることもあります。
反対に、「頭」の部分にくるキーワードは、いわゆる「ビッグキーワード」。検索ボリュームは多いものの、キーワードの種類・数自体は、多くはありません。
ここからは、具体例で見ていきましょう。
<想定事例>
A社:北欧モダンをテーマにした輸入雑貨専門店
状況:新たにオウンドメディアを立ち上げた
SEO対策で上位表示を狙いたいキーワードは「母の日 プレゼント」
以下は、キーワードプランナーで「母の日 プレゼント」をメインのキーワードとして、関連ワードを調査し、月間検索ボリュームの多い順に並べた画面です。
メインのキーワード「母 の 日 プレゼント」の月間検索ボリュームは10万〜100万で、ビッグワードですね。同様の10万〜100万の高い検索ボリュームが出ているキーワードは3つだけで、4つ目以降の関連キーワードは1万〜10万です。その後も、1,000〜1万、100〜1,000のもの、と順に続いていきます。
「母の日 プレゼント」の関連キーワードは全2,814個が抽出され、これらを検索ボリュームで分類すると、以下のようになりました。
・10万〜100万 4個
・1万〜10万 50個
・1,000〜1万 202個
・100〜1,000 556個
・10〜100 2,002個
左から検索ボリューム順に並べると、まさに先ほどのグラフの通りになりますね。
「頭」の部分に比べ「しっぽ」は非常に長くなっていることがおわかりいただけると思います。
「母の日 プレゼント」の関連ワードの場合、月間検索ボリュームが10〜100のものが、ロングテールキーワードの候補になってきます。
月間検索ボリュームが100回未満ならロングテールキーワード?
具体的にどのくらいの月間検索数ならロングテールキーワードなのか、についても、明確な決まりはありません。
検索数が「多い」「少ない」はあくまでも、そのキーワードと関連ワードの検索数の相対評価で決まります。メインキーワードの検索ボリュームが1,000未満であれば当然、ロングテールキーワードの検索ボリュームは10〜100、もしくは0〜10になってきます。
ですから検索数それ自体で考えるというより、
・ユーザーの特定のニーズを表している
・グラフにした時に「長いしっぽ」の形になるくらい、キーワードの数が多い
・競争率が低い
これらに当てはまるかで、ロングテールキーワードかを判断する方が、より応用が効きますよ。
ロングテールキーワードの特徴・メリットは?
ロングテールキーワードのメリットは、
(1)ユーザーの検索意図を把握しやすい
(2)競合性が低い
(3)コンバージョン率が高い
ことだと言われていますが、本当でしょうか?
早速、「母の日 プレゼント」の関連キーワードを例に見ていきましょう。
「ロングテールキーワードは検索意図を推測しやすい」と言われる理由
「母の日 プレゼント」と検索する人の動機を考えてみると
・母の日のプレゼントにする品物を購入したい
・母の日のプレゼントにおすすめのアイデアを知りたい
・母の日のプレゼントはそもそも渡す必要があるか検討中
このように、多様な検索意図が予測できます。また、「母」と一口にいっても、年齢層もかなり広いですし、実母、義母、もしくは妻など、複数のケースが想定できます。
さらに言えば「母の日 プレゼント」というキーワードをwebで検索するのは、プレゼントを送ろうと考えている人だけではないかもしれません。
例えば、百貨店のバイヤーが、母の日の売れ筋プレゼントを知りたくて検索しているかもしれません。また、もらう側であるお母さんが「世の中のお母さんはどんな贈り物をもらってるのかしら?」と検索することだってあるかもしれませんよね。
要するに、ビッグワードのようにざっくりとしたキーワードだけだと、検索者がどんな立場の人か、すらも推測しきれないんです。ユーザーの数だけ検索意図がある、と言っても大げさではないかもしれません。
次に、ロングテールキーワードではどうでしょうか。以下は、検索ボリュームが10〜100、つまり、先ほどのグラフの右端に位置するキーワードです。
このうち、「母 の 日 プレゼント 花 以外 40代」は、競合性が低いうえ、「40代のお母さんに渡す母の日のプレゼントとして、花以外にはどんなものがあるのか」という、検索者のかなり具体的な意図が簡単に推測できますね。つまりこれは、ロングテールキーワードです。
検索意図が把握しやすいロングテールキーワードは、良質なコンテンツを作成しやすい
検索意図が推測しやすいということは、ユーザーが求める情報に的確に応える記事が作りやすいということ。そのため、Googleの考える「質の良いコンテンツ」を作成しやすくなり、その結果、ランキングでの上位表示を達成しやすくなるというわけです。
「母の日 プレゼント」というキーワードで検索するユーザーの多くを満足させるには、どんなコンテンツを用意すれば良いでしょうか? 多様な意図に応えるため、複数の角度から検討を重ねたうえ、あらゆる情報を網羅した数万字にものぼるコンテンツを設計する必要があるでしょう。
一方の「母 の 日 プレゼント 花 以外 40代」であれば、フラワーギフト以外で40代女性に好まれそうな贈り物をピックアップし、その中から母の日にふさわしいものを紹介する内容であれば、かなりの割合のユーザーにとって、有益なものになりそうです。
そしてそれが、検索結果での上位表示につながるのです。
「ロングテールキーワードは競合性が低い」のはなぜ?
競合性とは、そのキーワードを狙うライバルがどの程度、存在しているか、を示す指標です。ロングテールキーワードの競合性が基本的に低いのは、検索ボリュームが少なく、かつ、ロングテールキーワードの種類が多いからです。
狙うキーワードを選ぶ際に、月間検索ボリュームの多いものから書きたくなるのは当然です。あえて下位のものから書いていこう、とはならないですよね。検索ボリュームが少なければもちろん、上位表示を達成しても、そこから見込めるアクセス数の増加は、大きくはないからです。
さらに、ロングテールキーワードは、上で示した通りキーワードの種類が非常に多いので、自動的に、競合サイトも分散しやすくなります。したがって、ビッグワード・ミドルワードと比較すると、競争率が低いのです。
ビッグワードもロングテールにすれば狙える可能性が
想定事例で確認します。検索ボリュームが10万〜100万のビッグワードである「母の日 プレゼント」に対して、ロングテールキーワードの「母 の 日 意外 な プレゼント」の検索結果をみてみましょう。
「母 の 日 意外 な プレゼント」は月間検索ボリュームが10〜100で、Google広告のキーワードプランナーの調査では競合性が「低」ですから、ロングテールキーワードの条件を満たしています。
上位のページのタイトルを一つずつ確認してみると、検索窓に“意外”と入力したにもかかわらず、表示されたタイトルの中に「意外」というキーワードを使ったページは1つしかないことに気づきます。
入力したキーワードが記事のタイトルに入っていなくとも、コンテンツ内で使われていて、Googleが「関連あり」と判断すれば、そのページが検索結果に表示されることもあります。ただ、「意外」というキーワードをタイトルにもきっちりと入れたほうが、「意外」というキーワードでの上位表示に有利であることは間違いありません。
つまり、キーワードプランナーでの競合性が「低」と出る通り、このキーワードは競合他社もそれほど力を入れて対策していないと見て取れます。
さらに、コンテンツの内容面で見てみると、上位ページは「意外性のある贈り物」をテーマにしたものが多いものの、特定の商品アイテムを紹介をするものがほとんどを占めます。
もしかしたら、「意外なプレゼント」を探しているユーザーには、少し異なる視点をプラスしたコンテンツが喜ばれる可能性もありますよね。
例えば、
・モノではなく体験型のギフトを贈るという選択肢を紹介し、実際にプレゼントできる体験型ギフトを解説する
・プレゼントを渡す際の「サプライズの演出方法」の提案や、サプライズ演出に使えるグッズの紹介をする
などのアイデアもあるでしょう。
上記のような視点を盛り込むことで、他社のコンテンツとの差別化になります。あわせて、「意外」というキーワードをページのタイトル・ディスクリプションにも設定するなど、しっかりとSEO対策を行います。そうすれば、「母 の 日 意外 な プレゼント」で成果が出せる可能性は十分あります。
このように、単体では上位表示が難しいビッグキーワードも、ロングテールキーワードに落とし込むことで、狙いやすくなるのです。
ロングテールキーワードがコンバージョンにつながりやすい理由
ロングテールキーワードのもう1つの魅力は、コンバージョン率の高さです。
コンバージョンとは、webサイトを訪れたユーザーが、制作者側の期待する目的を達成すること。企業が時間と費用をかけてSEO対策をする目的は、アクセスをただ増やすのではなく、その先にある売り上げアップです。コンバージョン率は、それを計る指標です。
ユーザーのどんな行動をコンバージョンとしてカウントするかは、サイトやページによって異なります。
一般的には
・「お問い合わせ」ボタンをクリックする
・資料ダウンロードのフォームに入力する
・セミナーの予約をする
・商品を購入する
これらを、「コンバージョン」とすることが多いと思います。
コンバージョンに導くための施策を「CTA」と呼び、お問い合わせボタン、予約申し込みボタンなどがそれに当たります。
例えばパスカルでは、お客様事例の紹介ページのCTAとして、無料体験版の申し込みボタンを設置しています。
ロングーテールキーワードがコンバージョンにつながりやすいのは、適切なCTAが設置しやすいから。
例えば「母 の 日 プレゼント 化粧品」で検索するユーザーは、「化粧品を贈りたいことは決まっているが、どんな商品が良いか検討している」段階であると考えられます。そのため、CTAとして
・プレゼントでもらって嬉しい化粧品アイテムを解説する資料や
・人気の化粧品ブランドをまとめたカタログのダウンロードボタン
これらを設置すると、コンバージョンにつながりやすいことが想定できます。
また、「母 の 日 プレゼント 石鹸」というキーワードで検索するユーザーは、プレゼントしたいものが石鹸と決まっていて、石鹸をピンポイントで探している可能性が極めて高いと考えられます。CTAは、石鹸の購入ページへのリンクや、主力商品の石鹸の試供品セットの請求ボタンが適切でしょう。
良質なコンテンツが与える納得感と信頼感がユーザーの背中を押し、コンバージョンへのきっかけに
ロングテールキーワードのコンバージョン率が高いもう一つの理由は、ユーザーのニーズを満たす、質の良いコンテンツを作りやすいからです。
検索の末、調べても一人では理解できなかった内容をわかりやすく解説してくれているページに出会ってスッキリした、納得した経験はありませんか?
コンテンツを読んだ結果、悩みが解決したという体験は、ユーザーに好印象を与え、「このサイトで購入しよう」「このコラムを書いているブランドの人に相談してみたい」といった具合に、コンバージョンへとつながるのです。
ロングテールキーワードを狙って作るコンテンツはサイトの専門性アップにもつながる
ロングテールキーワードを意識して作るコンテンツは、競合が少ないため、世にあふれる大量の類似したコンテンツとは一味違う、オリジナリティのあるものに仕上がります。「ニッチ」「マニアック」とは、つまり「プロフェッショナル」でもあります。これが、ユーザーの信頼感アップにつながることもあるんです。
例えばA社のオウンドメディアを訪れたユーザーが「母 誕生 日 プレゼント 70 代 スイーツ」「母 の 日 もらって 嬉しい もの 50 代」「母 の 日 ギフト おしゃれ 食べ物」などのキーワードで、選び方について丁寧に書かれたコラムがずらりと並んでいるのを見たら、どう感じるでしょうか。
「細かいニーズにまで丁寧に答える記事がこんなにたくさんあるんだから、日ごろからお客様に寄り添う接客や販売を心掛けているんだろうな」と思ってもらえて信頼感がアップし、「このサイトで購入すれば安心だろう」という印象を持ってくれる可能性が大いにあります。
ロングテールキーワードの検索を意識したコンテンツを増やすことで自然と、サイトのオリジナリティも高まり、競合との差別化もはかれるのです。
中小企業や個人ブロガーこそロングテールキーワードを狙うべき
想定事例のA社のように「webサイトを立ち上げて日が浅い」「webサイトの開設自体は数年前だがほとんど更新してこなかった」「企業規模が小さい」「個人で運営しているブログ」などのケースでは、ロングテールキーワードを用いたSEO対策は必須と言っても過言ではありません。
SEO対策を始める時、ドメインパワーの存在は無視できません。
ドメインパワーとは、ウェブサイト全体が検索エンジンからどのくらい信頼され評価されているかという指標のこと。さまざまな要素で決まるのですが一般的に、大手企業のwebサイトや歴史の長いwebサイトほどドメインパワーが強い傾向にあります。
参考記事:【SEOキーワード選定のコツ】失敗しない方法を解説します
ドメインパワーの高いサイトは上位表示されやすいため、中小企業や個人ブロガーが大手企業と同じキーワードを狙っても勝ち目はありません。そこで、ロングテールキーワードの登場です。
ロングテールキーワードはドメインパワーの強いサイトからしてみれば、あえて優先的に狙う必要性が薄いものです。棲み分けができるから、上位表示のチャンスがあるんです。
ロングテールキーワードのデメリット 狙うときのコツ・注意したい落とし穴
魅力の多いロングテールキーワードですが、対策していくうえで、知っておかなければならないデメリット・注意点もあります。
デメリット(1)検索ボリュームが少なくとも競合性が高いキーワードもある
検索ボリュームが少なく、グラフとして表示したときにはロングテールキーワードの位置にくるキーワードでも、必ずしも、競合性が低いとは言えない場合もあります。
メインのキーワード自体が激しい競争状態にある場合は、検索ボリュームをかなり落としても依然として競合性が「高」と表示されるものもあるんです。
今は、コンテンツマーケティングやオウンドメディアの運営に力をいれる企業も増えています。ビッグワードやミドルワードでも成果を出せる、ドメインパワーのある程度高い企業までもが、ロングテールキーワードを選んでSEO対策に乗り出しつつあるんです。また、地域名をかけあわせた検索キーワードなども、その傾向があります。
例えば「お母さん プレゼント おすすめ」「お母さん プレゼント 安い」「お母さん 誕生日 プレゼント 料理」は、検索ボリュームが10〜100と比較的低いのに、いずれも競合性が高いと表示されています。
ロングテールキーワードを選ぶ価値を最大化するためにも、「競合性」の部分は必ずチェックしましょう。
具体的だけど必ずしも検索意図が「分かりやすい」とは限らない
気をつけたいのは、ロングテールキーワードだからといって、検索意図を深掘りする必要がないわけではないことです。
例えば、「母 の 日 プレゼント 手作り 孫」というキーワードで検索するユーザーは、どんなことを調べたいのでしょうか?
・母の日のプレゼントとして、孫の手作りした品物をあげるのは喜ばれるのか
・あげるなら、どんなものを手作りするのが良いか
などが思い浮かんだ方もいるかもしれませんね。
では実際に、「母 の 日 プレゼント 手作り 孫」で検索し、トップに表示されているページから一つ一つ確認してみます。
ざっと見てみると、「孫が作ったグッズをプレゼントする」以外に、「孫の写真を使って親が作ったオリジナルグッズをプレゼントする」という目的の検索に応えるページも含まれていることが分かりました。
「母 の 日 プレゼント 手作り 孫」でコンテンツを作るなら、この両方の検索意図があることを認識する必要があります。
ロングテールキーワードは具体的ですが、ロングテールキーワードを選べばそれだけで、検索意図に沿ったコンテンツが簡単に書けるとは限りません。ユーザーが何を求めているか、ユーザーの目線で推測し、入念にリサーチする必要があるのは、通常のキーワード選定と同じです。
Google検索のアルゴリズムは、ユーザーの検索意図に合致したサイトをランキングの上位に表示させようとしていますから、まずは上位ページの内容を調査し、検索意図の把握に努めましょう。
デメリット(2)検索ボリュームが少ない割に工数がかさむ
ロングテールキーワードは高いコンバージョン率が期待できるとはいえ、検索ボリュームの絶対数が少ないことを考えると、上位表示できても集客効果は限定的です。一方で、企業のSEO対策では、ある程度の流入数を獲得することが大きな目的の一つです。そのため、ロングテールキーワードにどこまでのリソースを割いて良いかは考えなければなりません。
一般に、ロングテールキーワードは数・種類が多いので、それぞれのキーワードを拾い上げて検討するのにかなりの時間と労力がかかります。キーワード選定は時間のかかる作業だと【やり方】記事でもお伝えしましたが、ロングテールキーワードの選定では特にその傾向が強くなります。
また、具体的すぎるロングテールキーワードを選べば、コンテンツの内容にもかなりの「縛り」が生まれます。結果、コンテンツ制作の難易度が上がり、執筆段階でさらなる工数アップを招いてしまうこともあるんです。
例えば、「母 誕生 日 プレゼント 40 代 中学生 手作り」というキーワードでコンテンツを作るなら「中学生の子が40代のお母さんへのプレゼントにできる手作りグッズ」をテーマに執筆する必要があるでしょう。輸入雑貨の販売が専門のA社が、自社のビジネスと関係のある文脈で、このキーワードでコンテンツを制作することは可能でしょうか? 無理やり関連づけて記事を書こうとすると、アイデア出しの段階からかなり時間がかかるうえ、必ずしもうまい具合にコンテンツが作り上げられるとも限りません。
ロングテールキーワードで流入数を増やすには、かなりの本数のコンテンツを用意する必要がありますが、そのぶん工数はどんどん膨らんでいきます。ロングテールキーワードと、ミドルキーワード、そして時にはビックキーワードもバランスよく取り入れたコンテンツマップを作るといった戦略が必要です。
ロングテールキーワードの調べ方・方法 ツールは使える?
SEO対策効果が見込め、集客につながりそうなロングテールキーワードはどうやって見つければいいのでしょうか。
大きな手順は、【SEOキーワード選定のやり方】誰でもできる手順を6ステップで解説 でご説明した6ステップと同様です。まずはメインのキーワードの洗い出しを行い、続けて関連ワードを出していきます。
抽出した関連キーワードは、検索ボリュームと競合性を記入します。なおキーワードプランナーやパスカルなどのツールを使って抽出した場合は、すでに検索ボリュームと競合性が記載されてるので便利です。
その後は、絞り込みの作業へと進みます。通常の関連ワードを絞り込む際と同じく、まずは検索意図が重複していそうなものをカテゴリーやジャンルごとにまとめて分類し、自社のビジネスとの関連性、競合性の高い・低い、コンテンツを作成できそうか、などの観点から取捨選択をしていきます。
ロングテールキーワードの選定に特化したツールはあるの?
関連ワードの抽出ではツールを活用し、できるだけ幅広く、漏らさずに拾い上げることが重要です。ロングテールキーワードを探す際の関連キーワードの洗い出しにも、通常のキーワード選定に利用できるツールを使うのが基本です。
参考記事:【2023-2024最新】SEO対策・キーワード選定のおすすめツール10選 無料で使える・役立つツールを紹介します!
GoogleサジェストやGoogleトレンド、Google広告のキーワードプランナー、ラッコキーワードなどは無料でもある程度の機能が充実しており、使用している人も多いと思いますが、ロングテールキーワード選びにも活用できます。
なお2023年現在、一般的に使われているツールで、ロングテールキーワード選びに特化した機能を備えたものは確認できませんでした。
ただし、ツールによっては
・関連キーワードを色々な方法でフィルタリングできるので、特定のニッチなニーズに合致したロングテールキーワードを見つける際に便利
・より多くのサジェストキーワードをリストアップしてくれるので、ロングテールキーワードを発見しやすい
などの特徴があるものもあります。有料・無料どのツールを選ぶにしても、まずはしっかりと機能を理解し、使いこなせるようになることが、ロングテールキーワードの選定をスムーズにする近道です。
Googleサーチコンソールの「クエリ」はぜひ活用を
関連キーワードを機械的に大量にリストアップできるわけではありませんが、ぜひチェックしたいのがGoogleサーチコンソールです。サーチコンソールは主に、すでに公開したコンテンツを分析し、改善・リライトする際の参考にする際に活用されるツールですが、ロングテールキーワードを見つけるうえでも大きなヒントになるんです。
「クエリ」では、どんなキーワードで自社のウェブサイトに流入しているのか、自社サイトがどんなキーワードで検索結果のランキングで何位に表示されているのかが分かります。
「意図していたのと違うキーワードでばかり表示されている」というお悩みを抱えている人こそチャンス。それが、ロングテールキーワードの候補なんです。
あなたのwebサイト・そのページにとってのヒントが満載
クエリに表示されているキーワードは、ユーザーが検索した際に自社のWebサイトが検索結果に表示されたということです。何回表示されたかは、表示回数の項目に書かれています。
クエリとして表示されているキーワードと、あなたの会社のページの情報に関連性が強いと検索エンジンに判断されているのだとわかります。
つまり、あなたのサイトで「クエリ」で表示されているキーワードのSEO対策を強化すれば、結果がついてきやすいということ。これを逃す手はありません。
意外なロングテールキーワードが見つかる可能性も
また、「クエリ」からは、関連キーワードを洗い出すためのツールでは出てこなかった意外なキーワードを見つけられることがあります。
ツールは、自分が指定したワードに基づく関連ワードを出してくれるので、当然ながら、指定しなかったワードについてはカバーできません。
例えば「母の日 プレゼント」をメインにツールで抽出した関連ワードには、当たり前ですが「父の日 プレゼント」の関連ワードは入っていません。ですが、A社の商品が男性と女性の両方をターゲットにしているなら、母の日に限らず父の日も対策したいですよね。
そこで、「父の日を意識した、母の日のプレゼント選び」といったコンテンツはどうでしょうか。母の日に座り心地のいい、一点ものの椅子をプレゼントし、父の日には同じ作家のデザイン違いの椅子をプレゼントする、なんて提案もできるかもしれません。
サーチコンソールの「クエリ」を活用することで、思いもかけなかったキーワードが見えてくることもあるのです。
サーチコンソールでデータを集めるには、webサイトを開設した後に登録と設定が必要です。すでに公開しているコンテンツがあるのなら、早急にサーチコンソールでデータを計測しはじめ、「クエリ」を確認できるようにしておきましょう。
検索ボリュームの「少ない順」に並べ替えるとロングテールキーワードを見つけやすい
ロングテールキーワードをピックアップするには、ExcelやGoogleスプレッドシートのフィルタ機能を使い、検索ボリュームを少ない順に並べ替え、上からチェックしていくと便利です。ただし、少ないとは言っても、検索ボリュームが0では対策する意味も薄くなります。検索ボリュームがどの程度のものまでをロングテールキーワードとして拾い上げるかは、関連ワードの数や競合性を見ながら、決めていきます。
競合性がそれほど高くなく、関連ワードの種類がたくさん出るのであれば、目安としてまずは検索ボリュームが10〜100を最低ラインにして、それより少ないものは足切りにしましょう。
もし、関連ワードがほとんど出ない、または、検索ボリュームが10〜100のものは競合性が高いものばかり、というのであれば、メインのキーワードが不適切な可能性もあります。最初に戻って、再検討することも視野に入れてください。
ここでミスをすると最初からやり直し⁉︎データの処理は丁寧に
数・種類が多いのがロングテールキーワードの特徴ですから、キーワード選定のために扱うデータの量は膨大になってきます。一つずつのキーワードがロングテールに該当するか、適切なコンテンツが作れそうか、などを確認していく作業には、かなりの時間がかかります。
実際、「母の日 プレゼント」では月間検索ボリュームが10〜100のものは2,002個もありました。こうなってくるともう、体力勝負。何時間もデスクにかじりついて同じようなキーワードが並んだ表を眺め続けていると、目がチカチカしてきて、うっかりミスも起こりやすくなります。
「ロングテールキーワード以外を除外しているつもりが、途中からロングテールキーワードを削除してしまっていた」「通し番号を振らずにキーワードの並べ替えをしてしまい、最初の状態に戻れない」などのトラブルも起こりえます。
時間をかけて整備したロングテールキーワードのリストがうっかりミスのおかげで作り直し、なんてことになったら心も折れてしまいますから、焦らず、着実に作業を進めましょう。
作業の途中では都度、バックアップを作成し、社内の共有クラウドシステムなどに保存しておくと安心です。複数人で作業を分担したり、こまめにチェックしてもらったりすることもおすすめします。
ロングテールキーワードを上手に取り入れて効果的な集客・SEO対策を
具体的な言葉を複数つらねて検索されるロングテールキーワードは、ユーザーの具体的なニーズが現れていますから、広告やコンテンツ作りといったwebの側面だけでなく、日々の営業活動でも重要性の高いものです。
ロングテールキーワードを眺めていると「お客様は、そんなことが気になっているんだ」「これが疑問に感じるポイントだな」ということがわかり、コンテンツ作成はもちろん、商品やサービスの開発・改善にも有効です。手間ばかりかかる単純作業と思わず、集客の有効な施策として、気づいたことは社内でも共有し、売り上げアップに活かしていって欲しいところです。
ロングテールキーワードのSEO対策でも、キーワードを的確に反映させ、ユーザーにとって価値ある質の良いコンテンツを制作するのが上位表示のための基本であることに変わりはありません。自社に最適なロングテールキーワードをコンテンツマップに取り入れて、集客効果を最大化しましょう。
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