【初心者・中級者向け】コンテンツマーケティングの記事作成や外注先の選び方を解説
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コンテンツマーケティングを実施すれば、集客や認知度向上などの様々な効果に期待できます。コンテンツマーケティングの中でも、低コストで取り組めるのが記事制作です。しかし、記事を制作するだけでは、期待した成果にはつながりません。本記事では、コンテンツマーケティング記事作成の流れや外注するメリット、成功事例を解説します。
コンテンツマーケティングについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。
コンテンツマーケティングが広まった背景
コンテンツマーケティングが広まった背景には、スマートフォンの普及が挙げられます。スマートフォンが普及する以前、消費者はテレビCMや新聞広告などから情報収集をしていました。つまり、消費者は企業が出す情報を見る「受動的なスタイル」で情報収集をしていたのです。
しかし、スマートフォンの普及により、消費者の情報収集スタイルは変わります。消費者はスマートフォンを活用して、いつでもどこでも「能動的に」情報収集できるようになりました。暇な時間に検索やSNS、口コミなどの確認をして気になっていることを調べる習慣を得たのです。
能動的な情報収集と相性が良いのがコンテンツマーケティングです。例えば、SEO施策に取り組めば、Google検索をする消費者と接点を作れます。
消費者のニーズを的確に見極め、最適なチャネルでコンテンツマーケティングに取り組めば、消費者に自社コンテンツを見つけてもらえるのです。結果的に、コンバージョン率アップやブランディングなどの効果に期待できます。
コンテンツマーケティングにおける記事の役割
コンテンツマーケティングにおける記事の役割は、主に以下の3つです。
・認知
・集客
・ブランディング
以下では、それぞれの役割について解説します。
認知
コンテンツマーケティングは、自社を認知していない潜在顧客にアプローチできます。例えば、オウンドメディアに投稿したコラム記事がバズを生めば、多くのユーザーに自社を認知してもらえるでしょう。
集客
「ブログ集客」という単語があるように、ブログやオウンドメディアの記事は集客効果に期待できます。SEO対策で記事の上位表示に成功すると、長期間にわたって集客効果を得られます。この資産性の高さは、ブログ記事の強みです。
ブランディング
モノがあふれる現代、消費者はブランドで製品を選ぶ傾向にあります。ストーリーとしてメッセージを伝えられる記事は、企業のブランディングに最適なチャネルの1つです。
創業の思いや製品開発の裏側をストーリーとして発信すれば、消費者の感情に訴えられます。
コンテンツマーケティングの記事の種類
コンテンツマーケティングにおける記事は大きく以下3つに分けられます。
・SEO記事
・ネイティブ広告
・役立ち/面白系記事
以下では、3種類の記事について解説します。
ユーザーの悩みを解決する「SEO記事」
SEO(Search Enjine Optimization:検索エンジン最適化)とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンにおいて、記事を上位表示させる施策です。上位表示に成功した記事は、長期間にわたって大きな集客効果をもたらします。
SEO記事でおさえておくべきポイントは、以下2つです。
・ユーザーは解決したい課題や悩みを抱えて、検索をしている
・潜在顧客にアプローチできる
この2点を踏まえると、自社ビジネスに関連した課題や悩みの解決策を記事で提供する必要があると分かります。
SEO記事は、低コストで取り組めるかつ認知度や問い合わせ数アップなどの効果に期待できるため、多くの企業が取り組んでいます。
自然な記事型広告「ネイティブ広告(アド)」
ネイティブ広告とは、メディア上の記事と広告が自然に交わっている広告を示します。ネイティブ広告の種類は複数ある中、用いられる機会が多いフォーマットが「インフィード型」です。
インフィード広告では、コンテンツとコンテンツの間に広告が表示されます。通常記事と同じように広告記事が表示されるため、ユーザーのコンテンツ体験を邪魔しません。
バズを狙える「役立ち・面白系記事」
SNSでのバズを狙い、役立ちや面白系記事を制作する手もあります。記事が大きく拡散すれば、認知度向上や売上アップなどの効果を見込めます。
バズる記事を制作するためには、記事の面白さは当然ながら、自社SNSアカウントやライターがある程度のフォロワー数を抱えている必要もあります。狙ってバズを作るのは困難なため、面白系の記事と並行してSEOにも取り組みましょう。
コンテンツマーケティングの記事制作の手順
SEO記事の制作は、下記4ステップで行います。
STEP1:ペルソナ設計
STEP2:テーマの作成
STEP3:構成案の作成
STEP4:記事制作
以下では、各ステップの詳細について解説します。
STEP1:ペルソナ設計
まずは自社が理想とする顧客像「ペルソナ」を作成します。SEO記事では、ユーザーが抱える悩みや課題を解決する記事を提供しなければいけません。ペルソナを作成すれば、潜在顧客の課題や悩みの特定と社内共有ができます。
ユーザーヒアリングやアンケート調査、自社データの分析などを実施し、具体性の高いペルソナを作成します。ペルソナ作成の際は、ペルソナに感情移入して、自社商材で解決できる悩みや課題を考えるようにしましょう。
STEP2:メイントピックの選定
SEO対策の新定番として注目を集めるのが「トピッククラスター」です。トピッククラスターとは、サイト内に存在している複数の記事を戦略的にまとめることにより、記事群や各記事のSEO評価を高める手法を示します。
トピッククラスターは、トピッククラスターの柱となるピラーページとそれを補足する複数のサブトピックで構成されます。
例えば、上記画像は企業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)をサポートする企業がSEOに取り組む際に考えられる、トピッククラスターの例です。
ピラーページでは、ユーザーの疑問に網羅的に答えるようにし、より詳細な内容はサブトピックページで紹介します。
まずは複数のメイントピックを選定しましょう。メイントピックが決まれば、関連するキーワードを洗い出すことで、サブトピックページの内容が決まります。
STEP3:構成案の作成
記事制作するキーワードを選定したら、キーワードごとに構成案の作成をします。「記事の90%は構成案作成時点で完成する」と言っても過言ではありません。
構成案の作成では、ユーザーニーズの把握に注力しましょう。ユーザーニーズに応えた記事が評価されるからです。ユーザーニーズの把握におすすめの方法は競合分析です。
Googleは、記事がユーザーニーズと合致していることを、上位表示するにあたっての1つの判断材料としています。つまり、上位表示されている記事は、ユーザーニーズを満たしている可能性が高いです。上位記事の内容を確認し、ユーザーが求めるコンテンツを把握しましょう。
記事制作を外部ライターに依頼する場合、記事の完成イメージを統一するためにも、必ず社内で構成案のチェックをしましょう。
STEP4:記事制作
構成案に基づいて記事執筆をします。競合との差異化を図るためにも、最新情報や一次情報の使用、オリジナルの図解の設置などを意識しましょう。
コンテンツマーケティングで読まれる記事の書き方
ここからは、コンテンツマーケティングで読まれる記事を書くポイントを解説します。
一文を短くする
長い文章は、読みにくいだけではなく、メッセージが伝わりにくいです。下記のポイントを意識して、一文を短くしましょう。
・主語と述語の位置を近づける
・一文で伝えるメッセージは1つにする
・読点を接続詞に置き換える
図表を積極的に活用する
図表や表組みは、読者の理解を手助けします。例えば、「記事制作の手順」の項で紹介したトピッククラスターは、図を追加して分かりやすく解説する狙いがあります。図表や表組みは競合との差異化にもなるため、積極的に活用しましょう。
無駄を徹底的に削る
一度記事を書き終えたら、時間を空けて何度も読み返して、無駄を削りましょう。冗長な表現や具体的な数字に置き換えられない形容詞を削ると、読みやすい文章になります。
コンテンツマーケティングの記事制作を外注するメリット
コンテンツマーケティングの記事制作に割けるリソースが限られている場合は、記事制作の外注を検討しましょう。記事制作を外注すれば、社員は他の業務に注力しながら、オウンドメディアの運用を行えます。
また、オウンドメディアの記事制作には、SEOやウェブライティングなどの複数スキルが必要です。プロのウェブライターに依頼すれば、社員の教育コストをおさえつつ、高品質の記事制作ができます。
しかし、ウェブライターは誰でも名乗れるため、レベルの低いライターがいるのも事実です。複数の外部ライターを起用することで、記事のクオリティにばらつきが生じる懸念があります。
そこでライターの選定は慎重に行いつつ、記事のクオリティを左右する構成案の作成は自社で行うのがおすすめです。構成案の作成も外部ライターに依頼する場合は、必ず構成案チェックをしてから、執筆依頼を出しましょう。
コンテンツマーケティング成功の鍵! 優秀なライターの探し方
コンテンツマーケティング成功の鍵を握るのは、実際に記事制作をするライターです。以下では、SEO記事とコラム・面白系の記事における優秀なライターを探す方法を解説します。
SEO記事
SEO記事における外部ライターは、ウェブ検索やSNS検索、クラウドソーシングで探すのが一般的です。効率よくライターを見つけたい場合は、クラウドソーシングがいいでしょう。
しかし、クラウドソーシングは誰でも登録できる性質上、経験の浅いライターも数多くいます。クラウドソーシングで優秀なライターを見つけるには、スカウトをしましょう。
クラウドソーシングで案件の募集をかけても、優秀なライターが応募する可能性は低いです。その理由は、優秀なライターは多くの案件に関わっており、自ら募集に応募することは少ない傾向にあるからです。その一方で、企業側からのスカウトには前向きに検討してくれる方も多くいます。
まずは、資格名や取り扱うテーマで検索をかけて、気になるライターをリストアップし、下記項目を確認しましょう。
・プロフィール
・実績と評価
・SNS
特に、プロフィールが充実していて分かりやすいライターほど、優秀な可能性が高いです。依頼したいと思えるライターを見つけたら、仕事依頼の相談をしてみましょう。
役立ち・面白系記事
SEO記事とは異なり、コラムや面白系の記事は徐々にアクセス数が増えることは少ないです。コラム記事は、公開後にSNSで拡散されるかどうかによって、アクセス数が決まります。
しかし、フォロワー数が多いだけでは、記事は拡散されません。重要なのはエンゲージメント率です。フォロワー数が多くとも、普段のエンゲージメント率が低ければ、記事は拡散されないでしょう。
コラム記事の制作を依頼する場合は、フォロワー数が2,000名以上かつ平均エンゲージメント率が5%以上、といったようにある程度の判断ラインを設けて選定するのがおすすめです。
コンテンツマーケティングにおける記事制作の費用相場
項目 | 概要 | 費用相場 |
構成案作成 | キーワードに潜む検索意図を把握し、記事の構成案を作成。SEO知識が必須 | 5,000円~30,000円 |
記事執筆 | 構成案作成に基づきライティング。SEO知識があれば望ましい | 5,000円~50,000円
※ライターのレベルや実績によって変動 |
図表の作成 | オリジナルの図解を作成し、コンテンツ体験の向上を目指す。滞在率や熟読率の向上を見込める | 2,000円/1点~ |
監修 | 金融や医療などの専門性が高い分野の場合、監修者に記事チェックをしてもらう | 20,000円~
※監修者の肩書きや実績によって変動 |
入稿作業 | HTMLマークアップなどを行い、WordPressなどに入稿をしてもらう | 5,000円~ |
上図は、コンテンツマーケティングにおける記事制作の費用相場をまとめた一覧表です。構成案の作成から入稿作業まで、すべて外部に依頼する場合は、1記事当たり5万円はかかります。
(上記はあくまで一例となり、制作費用や制作クオリティ・付帯サービスともに、実際には更に幅があります)
費用をおさえたい場合は、自社で行う作業と外部に依頼する作業の線引きをしましょう。おすすめは、ディレクションと構成案の作成は自社で行い、記事制作・編集・入稿作業は外注することです。
構成案の作成を外注化する場合は、必ず自社で構成案を確認してから、執筆してもらうようにしましょう。
コンテンツマーケティングの記事は他の施策と組み合わせるべき! その理由を解説
コンテンツマーケティングと様々な施策を組み合わせると、効率化を図れます。例えば、オウンドメディアを運用すると、ユーザー属性やよく読まれた記事などのデータが蓄積されます。蓄積したデータをもとに、Web広告を配信すれば、高いコンバージョンに期待できます。
また、定期的にメールマガジンで記事の宣伝をすれば、既存顧客の流入が見込めるでしょう。社内にセミナー資料やホワイトペーパーがある場合、それらをもとに記事制作を進めましょう。一次情報や独自見解のある社内資料をもとに作成した記事は、競合との大きな差異化へとつながります。
このように、コンテンツマーケティングは他の施策と組み合わせることで、効率よく推進できます。
コンテンツマーケティングの記事制作に便利なツール
コンテンツマーケティングの記事制作は、ツールを活用することで、効率よく行えます。以下では、記事作成に便利な4つのツールを紹介します。
瞬時に関連キーワードを取得できる『ラッコキーワード』
ラッコキーワードは無料のキーワードリサーチツールです。GoogleやYouTubeなどのサジェストワード、共起語などを瞬時に取得できます。
オウンドメディアの記事制作においては、サジェストワードの把握が重要です。サジェストワードとは、特定のキーワードと一緒に検索されやすいキーワードを示します。例えば、「コンテンツマーケティング」の主なサジェストワードは以下の通りです。
・コンテンツマーケティング とは
・コンテンツマーケティング 本
・コンテンツマーケティング 事例
・コンテンツマーケティング kpi
サジェストワードを見ると、「コンテンツマーケティング」と検索するユーザーは、コンテンツマーケティングについて学べる本や成功/失敗事例、KPI設定の方法も知りたいと推測できます。
ラッコキーワードで抽出したサジェストワードをグルーピングすれば、効率よくトピッククラスターを作成できます。
▼ラッコキーワード
https://related-keywords.com/
競合分析に活躍する『ラッコツールズ』
ラッコツールズは、文字数カウントやタイトル/メタ情報抽出などの便利なウェブツールを無料で提供するサイトです。数あるツールの中でも、コンテンツマーケティングで重宝するのが、見出し(hタグ)抽出です。
見出し(hタグ)抽出では、指定したキーワードでの検索結果上位10サイトの見出しと文字数を瞬時に抽出します。見出し(hタグ)抽出を活用すれば、競合のサイトを1つずつ確認する手間を削減できます。
抽出結果は、CSVファイルでのダウンロードが可能です。指定キーワードにおける文字数の確認や検索ユーザーのニーズ調査などに活用しましょう。
▼ラッコツールズ
https://rakko.tools/
誰でも分かりやすい文章を書ける『文賢(ブンケン)』
文賢は、分かりやすい文章を書くための文章作成アドバイスツールです。読みやすい文章を作成するためには、様々な視点でのチェックが欠かせません。しかし、文章チェックに時間がかかれば、客観的に確認するのは難しいなどの問題もあります。
文賢は100を超える視点で文章をチェックします。読みやすさや誤字・脱字、日本語の誤用、不快な言葉などを自動確認するため、編集や校閲の効率化が可能です。
また、辞書の編集と共有機能を使えば、自社のレギュレーションに沿ったチェック体制を構築できます。
▼文賢(ブンケン)
https://rider-store.jp/bun-ken/
コンテンツマーケティングの作業時間を短縮する『パスカル』
パスカルは、1,470社(2022年6月時点)のコンテンツマーケティングを支援しているSEOツールです。SEOで成果を出すためには、SEOの知識と経験が必要と考えられています。しかし、適切な調査と分析さえ行えば、誰でもSEOで成果を挙げられます。パスカルは、SEOにおける調査と分析を最適化するツールです。
主な機能は下記のとおりです。
・キーワードの自動選定
・競合分析の自動化
・競合分析レポートの作成
・指定キーワードのトピック分析と共起語分析
例えば、競合分析レポートには、記事に必要な文字数や方向性、記事で使用するべき単語などが記載されています。このレポートを外部ライターと共有すれば、一定の品質を保った構成案を作成してもらえます。
使いやすさにこだわったツールのため、コンテンツマーケティングに慣れていない方でも、簡単に使用できます。
▼Pascal(パスカル)
https://www.pascaljp.com/
コンテンツマーケティングの記事制作 成功事例
最後に、SEO記事とコラム記事でコンテンツマーケティングに成功した事例を2つ解説します。
徹底した分業体制ながらも質の高さを維持した『カオナビ』
株式会社カオナビは、社員情報を顔写真付きでデータベースに登録し、人材情報を可視化するサービスを提供しています。同社は、広告依存の軽減をしつつ、リード数を増やすためにオウンドメディアの運営を決定します。
オウンドメディアの運営において、同社が注力した戦略は徹底した分業体制です。構成案の作成と記事公開のみを自社で行い、ライティングや校正などは外部に依頼しています。分業体制を導入することで、記事の質を維持しながら生産性を高められました。
結果的に、同社が運営するオウンドメディアは月間200万PVを達成し、主要なリード獲得手段になるまで成長したのです。
▼カオナビ オウンドメディア「カオナビ人事用語集」
https://www.kaonavi.jp/dictionary/
質の高いコラム記事でSNSからの流入を獲得する『ティネクト株式会社』
ティネクト株式会社は、企業のオウンドメディア運営を支援しています。同社が運営する「Books&Apps」は、オウンドメディアでは珍しく、コラム記事を中心に掲載しています。実際に、SEOの流入は全体の2割ほどで、ほとんどの流入がSNSやダイレクト流入です。
同社のオウンドメディアで執筆するライターは、10年ほどブログを書いている人が多いという特徴があります。その理由は、執筆期間が長いライターほど、ユーザーに面白いと思ってもらえるコンテンツを見抜けるためです。
結果、月間PV200万、月間はてなブックマーク6,000を超えるほど、多くのファンに愛されるメディアになりました。
▼ティネクト「Books&Apps」
https://blog.tinect.jp/
ユーザー視点に立った記事制作をしよう
コンテンツマーケティングにおける記事制作で重要なのは、ユーザー視点に立つことです。「ユーザーはどのような課題を抱えているのか」や「ユーザーはどのような記事を面白いと思うのか」などを考えながら、記事制作に取り組みましょう。