アパレル業界のコンテンツマーケティングのポイントを解説! 成功事例もあわせてご紹介

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集客やブランディングなどさまざまな効果が期待されているコンテンツマーケティング。トレンドの変化が速いアパレル・ファッション業界でも、従来の広告に頼らないコンテンツマーケティングが注目されています。しかしSNSの普及などにより顧客行動が多様化しており、ブランドイメージに即したマーケティングはなかなか難しいものです。

そこでこの記事では、アパレル・ファッション業界に適したコンテンツマーケティングの手法や成功事例などをご紹介します。

コンテンツマーケティングについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。

【関連記事】【2023年版】コンテンツマーケティング完全ガイド

コンテンツマーケティングとは、記事や動画などのコンテンツを通してユーザーに価値ある情報を提供し、認知度や売り上げの向上などを目指す施策です。多くの企業が取り組んでおり、今や定番のマーケティング手法ですが、実践手順やポイントなどがわからない方もいらっしゃるかもしれません。本 記事では、コンテンツマーケティングの基礎知識やポイント、成功事例を解説します。

アパレル・ファッション業界とコンテンツマーケティングの相性が良い理由

スマートフォンを持った手とネットショッピングのイメージ

さまざまな商品やサービスに効果的なコンテンツマーケティングは、アパレル・ファッション業界との相性が良いといわれています。アパレル業界ではシーズンごとにその年のトレンドに合ったファッションアイテムが発売され、見ているだけで楽しめる要素があります。そのため、オウンドメディアなどを使って写真や動画でアイテムを紹介するだけで、読者の興味をひくでしょう。

しかし顕在顧客だけでなく潜在顧客の真のニーズを引き出すには、より効果的なアプローチが必要です。コンテンツマーケティングをはじめる際に設定したペルソナやカスタマージャーニーマップに沿って、顧客行動や心理に合ったコンテンツを提供しましょう。アイテムの紹介にとどまらず、企業のブランドストーリーや商品へのこだわりなどを紹介すれば、顧客がファンに変わる可能性があります。

アパレル業界に適したコンテンツマーケティングとは

「TREND」の文字

日本国内・海外にはアパレルブランドが数多く存在しています。そのため、アパレル業界は他社との競争が激しく、単に価格を下げたりトレンドを取り入れたりといった方法だけでは、集客は難しいでしょう。顧客行動も年々変化している現在、アパレル業界のコンテンツマーケティングも時代に合わせることが重要です。

アパレル業界に最適なコンテンツマーケティングの方法には次のようなものがあります。

・オウンドメディア型ECサイト
・SNSを活用する
・アプリを活用する
・ショッパブル広告

それぞれについて詳しく解説します。

オウンドメディア型ECサイト

アパレル業界では、多くのブランドがECサイトを運営しています。EC市場規模は、年々拡大傾向にあります。経済産業省が取りまとめた「令和3年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」(※1)によると、物販系分野のうち「衣類・服装雑貨等」に分類されるBtoC-EC市場規模は、2020年は2兆1,322億円で、翌年の2021年は2兆4,279億円となっています。

今後も市場拡大が予測されるECサイトですが、なかでもオウンドメディア型のECサイトが注目されています。オウンドメディア型ECサイトとは、商品を紹介してWebで購入できるECサイトにユーザーの興味をひきそうなコンテンツや有益な情報を掲載した、読み物としても楽しめるサイトのことです。
ECサイトを訪れるユーザーは、購買にいたる確率が比較的高い顕在顧客層や見込み顧客が中心ですが、ボリュームが少ないのが難しいところです。ターゲットを顕在顧客層だけにしぼると、競合の多いアパレル業界では価格競争になってしまう可能性があります。

一方でまだ自分のニーズに気付いていない潜在顧客層は、顕在顧客層に比べてボリュームが多く、オウンドメディアを上手に活用して集客できれば売上アップや集客につながります。潜在顧客層を取り込むためには、顧客の興味や関心をひくような充実したコンテンツが必要です。

自分のニーズには気付いていないものの悩みや知りたいことがある潜在顧客層を、自分に有益な情報を掲載したオウンドメディアの読者にすることで、そのブランドの商品にも興味を持ってもらえるでしょう。

アパレル業界のオウンドメディアでは、具体的には次のようなコンテンツを掲載してファンを獲得しています。

・人気のファッションアイテムの紹介
・アイテムのコーディネート例・着こなし方
・新商品の紹介
・シーズンごとのトレンド情報
・アイテムのお手入れ方法
・店舗スタッフへのインタビュー
・ブランドのビジョンやこだわり
・キャンペーン情報

人気のファッション雑誌をイメージすればわかりやすいでしょう。顧客が知りたいお得な情報やスタイリッシュな写真を効果的に使ったオウンドメディアは、企業のブランディングにもつながります。

しかしオウンドメディアを制作したからといってすぐに顧客獲得にはつながらない可能性があるため、中長期的な展望の運用が必要です。顧客がオウンドメディアのファンになれば、おのずと商品への購買意欲も高まります。

オウンドメディア型ECサイトを検索エンジンで見つけてもらうためには、キーワードの選定も大切な要素です。SEO支援ツールなどを活用して、検索上位を目指しましょう。

※1 出典:【経済産業省】電子商取引に関する市場調査の結果
https://www.meti.go.jp/press/2022/08/20220812005/20220812005.html

SNSを活用する

インターネット機器の普及によって情報が多様化している現在では、マスメディア広告(新聞・雑誌・TVなど)よりもSNSを使ったマーケティングが効果的です。総務省情報通信政策研究所が発表した「令和3年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(※2)によると、TwitterやInstagram、LINEなどのSNSの利用率は年々増加傾向にあります。これらのSNSを活用して自社商品をアピールすることも、効果的なコンテンツマーケティングといえるでしょう。

新商品の発売やキャンペーンの告知などをSNSで投稿すると、興味をひかれたユーザーはシェアやリツイートなどで情報を拡散します。SNSで話題になれば宣伝効果も大きくなり、商品やブランド、企業の認知度アップにつながります。またSNSでは企業と顧客の距離も近くなり、顧客接点を作るのに役立つでしょう。Instagramや動画では視覚的に美しいと感じられるコンテンツが制作しやすく、アパレル業界のコンテンツマーケティングには最適といえます。

他に、芸能人やインフルエンサーなど影響力の高い人物を起用してアプローチするのもよいでしょう。株式会社サイバー・バズと株式会社デジタルインファクトが共同で調べた「2022年国内ソーシャルメディアマーケティングの市場動向調査」(※3)によると、2022年の国内インフルエンサーの市場規模は615億円でしたが、2023年には741億円、2027年には1,302億円と高い成長率が見込まれています。

ユーザーは自分の好みのインフルエンサーが発信した情報を積極的に取り入れる傾向にあります。アパレル業界の商品をアピールしたい場合は、ファッション性の高いインフルエンサーにInstagramやYouTubeなどで商品を取り上げてもらい、感想やコーディネート例を紹介してもらうとよいでしょう。宣伝色をそれほど感じずに消費者目線の意見が聞けるうえ、見ているユーザーは商品に関心を持つ可能性が高くなり「〇〇さんと同じアイテムが欲しい」という心理が購買行動につながるでしょう。

さらに芸能人やインフルエンサーには特定のファンが存在するため、ターゲティングがしやすいのも特徴です。自社ブランドがターゲットにしている性別や年齢層、ファッションのイメージに合う人物を起用するとよいでしょう。

※2 出典:【総務省情報通信政策研究所】令和3年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書
https://www.soumu.go.jp/main_content/000831289.pdf

※3 出典:【サイバー・バズ/デジタルインファクト調べ】2022年国内ソーシャルメディアマーケティングの市場動向調査
https://www.cyberbuzz.co.jp/2022/11/post-1791.html

アプリを活用する

アプリを活用したコンテンツマーケティングも注目されています。インターネットショッピングは実店舗に足を運ばなくても、手軽に好きなファッションアイテムが購入できる点が大きな魅力です。しかし実店舗のように試着できないため、商品が届いてもサイズが合わない、コーディネートしにくい、などの問題点が出てきます。

アメリカに本社を置くBodygram社では独自の技術を採用したAI身体採寸アプリをリリースしています。スマートフォンにインストールしたアプリの案内に沿って、正面と側面の全身画像を撮影し簡単な情報を入力するだけで採寸が可能です。首周りや肩幅、二の腕周りなどの細かい部位まで高い精度で採寸できます。ECサイトと組み合わせて運用すれば、ユーザーにとっては非常に便利になり、企業側もサイズ違いによる返品も回避できるでしょう。

他にファッションコーディネートサイト「WEAR(ウェア)」ではファッション通販の「ZOZOTOWN」と提携したアプリ「WEAR」も人気です。ユーザーがさまざまなブランドのアイテムを組み合わせてコーディネートしたルックを投稿する仕組みで、気に入ったユーザーをフォローできます。コーディネート画像には、アイテムのブランド名や価格が表示されており、リンクボタンからすぐに公式サイトやZOZOTOWNに移動して購入が可能です。

こうした便利なアプリは顧客のニーズにマッチしているため、ECサイトでファッションアイテムを購入するユーザーが増えている一因ともいえるでしょう。

ショッパブル広告

ショッパブル広告とは、YouTubeを閲覧中に画面に「今すぐ買う」のボタンが表示され、販売サイトへ遷移できる広告を指します。YouTubeの利用者数もSNSと同様に年々増加していることから、有効なコンテンツマーケティングの手法といえるでしょう。動画を使ったアプローチは訴求力が高く、アイテムのイメージが画像よりもつかみやすい点が大きなメリットです。

ただし、ショッパブル広告を利用するためには、チャンネル登録者数が1,000人以上などの条件があります。企業のYouTubeチャンネルのファンを増やしたうえでショッパブル広告を検討しましょう。

Instagramでも同じように、商品タグ付き広告が採用されています。Instagramの画像に使われているアイテムにはタグが付いており、タップするとアイテムに関する詳しい内容やウェブサイトへのリンクなどが表示されます。

YouTubeとInstagramどちらの場合でもユーザーが「素敵」「欲しい」と感じられるアイテムの見せ方が重要です。芸能人やインフルエンサーを起用してもよいでしょう。

アパレル業界のコンテンツマーケティング成功事例①:UNITED ARROWS(ユナイテッドアローズ)

アパレルブランドの実店舗

大手アパレルブランドUNITED ARROWSは、O2O(Online to Offline)の成功事例として知られています。O2OとはインターネットやSNSなどオンラインで情報発信や集客を行い、見込み顧客を実店舗に誘導するマーケティング手法です。近年、オンラインでは提供できないサービスを提供できる実店舗の価値が再認識されていることが背景にあります。

UNITED ARROWSでは、オウンドメディア「ヒトとモノとウツワ」で、商品開発に携わる人のインタビュー記事やモノ作りに関連する記事を掲載しています。その他、サステナビリティに関する取り組みや経営理念をムービーで紹介しており、ブランディングにつながっています。

さらにネットストアで気に入ったアイテムがあれば、実店舗で取り置きして来店したときに試着ができ、スタッフから着こなし方のアドバイスを受けることもできます。また、実店舗で気になったアイテムがあっても購入までにはいたらなかった顧客には、スタッフが品番のメモを渡すことで、ネットストアで購入するときにもスムーズに商品が探せます。ネットストアと実店舗、それぞれの特性や強みを活かしたマーケティングが顧客の信頼を得ています。

アパレル業界のコンテンツマーケティング成功事例②:kay me(ケイミー)

スーツ姿の女性

kay meでは、自宅で洗濯でき、お手入れがしやすい女性向けのスーツやワンピースなどを取り扱っています。楽に着られるストレッチ素材の生地で作ったアイテムなどを主力にしており、働く女性がターゲットです。

kay meが運営するオウンドメディアでは、ブランドの沿革からアイテムの生産へのこだわりが掲載されています。kay meのアイテムの90%は、東京都内の熟練した職人さんの手で作られている高品質なものです。

アイテムの着やすさやデザインの他に、kay meの魅力となっているのが『買わずに試せる「試着便」』です。会員登録後、気に入ったアイテムを選び『買わずに試せる「試着便」』を選択すると、指定した住所にアイテムが届くので購入前に試着できます。試着後サイズやイメージに合わなかった場合は、指定期日までに返送します。「試着ができない」「写真だけでは素材が分からない」というネットショップの悩みを解決できる、画期的なサービスといえるでしょう。

お仕事などで忙しくて実店舗にはなかなか行けない女性に好評です。

アパレル業界のコンテンツマーケティング成功事例③:ファッションセンターしまむら

ピンクのセーターのコーディネート

人気のファストファッションブランド、ファッションセンターしまむらもコンテンツマーケティングを成功させています。低価格でおしゃれなアイテムが多数そろっていることでも人気ですが、小柄な女性向けのアイテムや大きいサイズ、インフルエンサーとのコラボ商品なども販売しています。

また、プチプラファッションで人気のインフルエンサーを起用しており、全身しまむらのアイテムでそろえたコーディネート例などを投稿しています。アイテムの特徴や魅力、品名、価格なども記載されており、分かりやすく解説されているのが特徴です。他に「全身1万円コーデ」や「着回し術」など参考になる情報もあり、ユーザーの購買意欲アップにつながっています。

アパレル業界のコンテンツマーケティング成功事例④:COHINA(コヒナ)

椅子に座ってスマートフォンを見る女性

COHINAは身長155cm以下の小柄な女性向けのアパレルブランドです。小柄な女性にフィットする丈やサイズだけではなく、美しく着こなせるように細部にまでこだわったアイテムを展開しています。オウンドメディアではシーズンごとのコーディネート例や骨格別におすすめのアイテムを提案するなどのページが多数あります。

155cm以下の女性をひとくくりにせず、細かに設定した身長別にアイテムを着用した画像を掲載して、ユーザーが着用したときのリアルなイメージを分かりやすく見せています。

またCOHINAでは毎日インスタライブを開催しており、アイテムに関する質問にすぐに回答できる場を設けています。その他、Twitter、LINE、WEARでもアプローチを行っています。SNS中心のマーケティングで知名度を向上させた成功事例といえるでしょう。

アパレル業界のコンテンツマーケティングは時代に合った戦略が効果的!

アパレル業界に最適なコンテンツマーケティングは、時代とともに刻々と変化していくものです。まずは顧客行動の変化やユーザーのニーズを理解してマーケティング戦略を練りましょう。

アパレルブランドのターゲット層が求めるもの、知りたい情報などを網羅したコンテンツを制作して、コンテンツマーケティングを成功させましょう!

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