コンテンツマーケティングとリスティング広告は上手く使い分けよう! それぞれの違いと併用のコツを解説

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コンテンツマーケティングは、ユーザーの意図を洗い出し、ニーズを満たすキーワードで構成を考え、価値ある情報を発信してユーザーの育成や成約を獲得する手法です。ユーザーのニーズやターゲット、キーワードの設定を間違えてしまうと思ったような効果が得られない可能性があります。

そんな場面で役立つのがリスティング広告です。リスティングでは、広告の配信結果からさまざまな情報を得ることができます。その情報をうまく活用すれば、より効果的にコンテンツマーケティングを行える可能性があります。

そこで今回は、コンテンツマーケティングとリスティング広告の違いを紹介した上で、それぞれを使い分けるポイントを紹介します。より効果的なマーケティングを行うための併用のコツも紹介しているので、マーケティング戦略や設計で悩んでいる担当者はぜひ参考にしてください。

コンテンツマーケティングについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。

【関連記事】【2023年版】コンテンツマーケティング完全ガイド

コンテンツマーケティングとは、記事や動画などのコンテンツを通してユーザーに価値ある情報を提供し、認知度や売り上げの向上などを目指す施策です。多くの企業が取り組んでおり、今や定番のマーケティング手法ですが、実践手順やポイントなどがわからない方もいらっしゃるかもしれません。本 記事では、コンテンツマーケティングの基礎知識やポイント、成功事例を解説します。

コンテンツマーケティングとリスティングの違い一覧

デスクツールとコンテンツマーケティングの文字

この章では、まずコンテンツマーケティングとリスティングの違いをご紹介します。

コンテンツマーケティングもリスティングも検索エンジンを利用したマーケティング施策ですが、その手法やターゲット、効果などには明確な違いがあります。

そのため、より効果的かつ効率よくマーケティングを行いたいのであれば、それぞれの特徴をしっかりと理解し、うまく使い分けることが重要です。

以下は、コンテンツマーケティングとリスティングの違いをまとめた表です。

コンテンツマーケティング リスティング
手法 サイトのコラムやメルマガ、SNS投稿などのさまざまなチャネルを活用して流入させる手法 特定のキーワードを検索結果画面の上位に表示させて流入させる手法
主な

ターゲット対象

潜在顧客から顕在顧客 顕在顧客
配信コンテンツ ・サイト内のコラムやブログ

・メルマガ

・SNS投稿など

・ライティングページ(LP)

・オウンドメディア

・コーポレートサイトなど

即効性

顧客の育成という目的があり、

即効性が低い

ニーズにマッチすれば

即成約の可能性がある

資産性

情報価値があり、

資産として残る

×

広告出稿なので、

資産価値は限定的

(出稿期間のみ)

費用対効果

自社で対応すれば、

費用は最小限に抑えられる

キーワードによっては薄い

顧客の育成効果

コンテンツを通して、

顧客育成が可能

×

広告であるため、

育成効果はない

コンテンツマーケティングは、コンテンツそのものに価値を持たせ、広く情報を提供することで潜在顧客や見込み顧客の購買行動へつなげようとする施策です。

たとえば、ホームページやコンテンツの制作会社が、サイト運営を行っている人に対して、制作のポイントやノウハウを紹介する記事を発信したり、制作時に役立つツールや参考事例などを紹介したりする方法などが挙げられます。

即効性は低いですが、自社サイトのお問い合わせリンクや資料請求などを用意しておけば、コンテンツを通して顧客育成を行い、興味を持った見込み顧客を自社サイトへ促すことが可能です。

一方のリスティングは、Yahoo!やGoogleなどの検索エンジンにおいて、ユーザーが検索を行ったキーワードに合わせて表示される広告です。

たとえば、「リスティング」と検索すると、「リスティング施策ならお任せ」「リスティング広告で成果を出す10の方法」など、検索したワードに関連した広告が検索結果画面の上部や下部などに表示されます。

検索結果画面の目立つ場所に表示される上、検索ユーザーのニーズに即した内容が表示されるため、自社サイトへの集客や成約に繋がりやすい点は、リスティングの大きな特徴です。

いずれも検索エンジンを利用したマーケティング施策ですが、集客やコンバージョンへつなげる方法が大きく異なります。そのため、コンテンツマーケティングとリスティングの違いを深く理解することが、マーケティング成功の鍵と言えるでしょう。

4つのポイントから見たコンテンツマーケティングとリスティングの具体的な違い

alt属性:チェックをする男性

前章でコンテンツマーケティングとリスティングの違いを一覧で比較しましたが、その中でも特に理解しておきたいポイントが次の4つです。

使い分ける上で特に押さえておきたい4つのポイント
・即効性
・資産性
・費用対効果
・顧客の育成効果

この4つを押さえておくと、マーケティング施策においてコンテンツマーケティングとリスティングのどちらを行うべきか把握しやすくなります。

それぞれ具体的な違いについて詳しく紹介しますので、早速確認していきましょう。

即効性

1つ目のポイントは、マーケティング施策を行った時の「即効性」です。

コンテンツマーケティングは一般的に、特定の分野において幅広い顧客から信頼を集め、長期的に顧客を育てて成約につなげていきます。つまり、ブランディングや顧客育成が主な目的となり、即効性については期待しにくいという考え方が一般的です。

一方、リスティングは、ユーザーが検索しているキーワードに沿った広告として表示させる施策です。検索結果画面の目立つ場所、目に留まりやすい場所に設置されるため、ターゲットのニーズにマッチすれば、高い集客効果や成約率といった即効性が期待できます。

そのため、「今すぐに集客したい」「成約確度の高いユーザーを獲得できるよう施策改善をしたい」という場合には、即効性の高いリスティングがおすすめです。

資産性

2つ目のポイントは、「資産性」の有無です。

コンテンツマーケティングは、ユーザーにとって有益な情報を発信し続けることで、コンテンツが資産として蓄積していきます。

内容が良ければ、検索エンジンでも高く評価され、検索結果の上位に表示され続け、継続的な流入や成約につながる可能性もあるでしょう。コンテンツ自体が古くなっても情報をアップデートすれば、記事やコンテンツ価値の維持・向上もできます。

しかし、一方のリスティングは広告です。広告自体には、資産価値がありません。広告の予算を消化し、配信期間が終了すれば、検索結果画面への表示も終わってしまうため、資産として残ることがありません。

そのため、「幅広く顧客を集めて信頼を獲得したい」「自社製品やサービスのブランディング効果を高めていきたい」という場合は、中長期的に効果が期待できる資産性の高いコンテンツマーケティング施策を検討しましょう。

費用対効果

3つ目のポイントは、「費用対効果」です。文字通り、施策に費やしたコストに対する効果を意味します。

コンテンツマーケティングは、Webページやコンテンツの制作などを作り込むケースが多く、その分時間とコストがかかりますが、自社で全てをまかなえばコストを抑えることが可能です。また、検索結果画面に表示されてもコストはかからないため、コンテンツマーケティング施策は費用対効果は高い傾向です。

一方、リスティングは広告として検索結果画面に表示され、1クリックごとに広告コストが発生します。クリック単価はキーワードによって異なりますが、全てのクリックがコンバージョンにつながるわけではありません。

人気のキーワードは、1クリックあたりの単価が高くなりやすく、成果が出なければコストを消費し続けるため、リスティングはうまく運用しなければ、赤字になる可能性があります。

このことから、費用対効果を重視したマーケティング施策を考えているのであれば、コンテンツマーケティングがおすすめです。

顧客の育成効果

4つ目は、コンテンツや記事を通して、潜在顧客を見込み顧客に、見込み顧客をリピーターに育てるといった「顧客の育成効果」です。

コンテンツマーケティングは、特定分野の情報を提供するため、幅広い顧客に対して自社商品やサービスの理解を深めることができます。そのため、顧客も育ちやすい環境です。

リスティングはというと、広告なので顧客育成の効果は期待できません。有益な情報を発信し、中長期的に優良なユーザーを獲得したいと考えるのであれば、コンテンツマーケティングを主軸としたマーケティング施策を検討しましょう。

コンテンツマーケティングとリスティングの使い分け方

パソコンの画面から飛び出したメガホンとWebページ

コンテンツマーケティングとリスティングの違いを知ったところで気になるのが、どのように使い分けをすればいいのかということでしょう。

両者を使い分けする上でポイントとなるのが、次の4つです。

・対象ユーザー(潜在顧客、顕在顧客など)
・マーケティング施策の目的、ゴール(集客、コンバージョン・成約など)
・施策にかけられる予算
・結果や成果を出すまでにかけられる時間

この章では、これら4つのポイントを押さえた上で、おすすめの使い分け方を紹介します。自社の状況に置き換えた時に、何をどのように使い分ければいいのかわからないという人は、ぜひ参考にしてください。

成約の確度が高い顧客の獲得が目的ならコンテンツマーケティング

結論から言うと、以下のポイントにあてはまる企業は、コンテンツマーケティングが向いています。

対象ユーザー 潜在顧客〜顕在顧客
マーケティング施策の目的・ゴール ・顧客のファン化

・見込み顧客の集客

施策にかけられる予算 少ない
結果や成果を出すまでにかけられる時間 中長期

コンテンツマーケティングは、企業が伝えたいことや顧客が知りたいことのギャップを埋めることができる施策です。情報を提供し続けることで顧客のファン化や見込み顧客への育成が期待でき、成約率を高められる可能性があります。

たとえば、他社と差別化しづらい商品やサービスも、「どこにこだわった商品か」「どういう人に向いているサービスなのか」などを丁寧に伝えることで、違いや魅力を明確に伝えることができるからです。

また、予算をかけられなくても、運営が安定するまでは一部の業務を外注しながら自社でまかなえば、低予算でも取り組むことができます。

ただ、検索結果画面の上位表示は、検索エンジンに評価される必要があり時間がかかりやすいため、長期戦略として取り組むのがおすすめです。

独自性や専門性を高めれば、より早く検索結果画面の上位表示が狙え、成約確度の高い顧客を獲得できる可能性もあります。

時間をかけてファン化や見込み顧客を増やしていきたいと考える企業は、広告や商品・サービスの概要だけでは伝えられない情報を丁寧に発信できるコンテンツマーケティング施策をうまく活用しましょう。

即効性のある集客が目的ならリスティング

次にあてはまる企業は、リスティングを検討しましょう。

対象ユーザー 潜在顧客〜顕在顧客
マーケティング施策の目的・ゴール ・顧客のファン化

・見込み顧客の集客

施策にかけられる予算 少ない
結果や成果を出すまでにかけられる時間 中長期

「速やかに集客したい」「ある程度のコストをかけられる」という場合には、リスティング広告が向いています。

リスティング広告は、検索結果の上位に表示されることで、購買意欲の高いユーザーの興味を引くことができ、集客の即効性が期待できる施策だからです。

たとえば、以下のようなシーンでの活用に向いています。

・キャンペーンに合わせて顕在顧客への露出を増やしたい
・立ち上げたばかりのサイトの会員を集めたい

リスティングは、このような場面に有効です。ターゲットに応じたキーワードを選べば、短期間で結果に結び付けられる可能性があります。

ただし、リスティングの場合、キーワード選定を誤るとコストだけがかかり、効果が得られないこともしばしばです。また、広告はいくら出稿してもそれが資産にはならないという点には注意しましょう。

コンテンツマーケティングとリスティングは相性が良い

ハートの軌道を描いて飛ぶピンクの蝶

前章で使い分けについて紹介しましたが、うまく併用するのもおすすめです。コンテンツマーケティングは、Facebook広告など、相性の良い広告がありますが、リスティングとも相性が良いと言えます。それぞれのメリットによりデメリットを補うことで、より効果的なマーケティングを行うことができるためです。

以下は、コンテンツマーケティングとリスティングのメリット・デメリットをまとめた表です。

コンテンツマーケティング リスティング
メリット 検索結果の上位に表示されると、長期的に自然流入が期待できる 予算をかければすぐに効果を得られる
デメリット 上位表示させるためには、Web制作やSEOなどのノウハウに加え、コストや時間がかかる 出稿を止めると、検索結果画面からの自然流入がなくなる

両者のメリット・デメリットを比較すると、相互補完関係にあることがわかります。

コンテンツマーケティングの補いたいデメリット

コンテンツマーケティングを効果的に行うためには、ユーザーに少しでも早くWebページやコンテンツを見つけてもらう必要があります。

ただし、上の表でも紹介した通り、コンテンツマーケティングは投資的な側面があり、検索エンジンに評価されて上位表示されるまでに時間がかかりやすい傾向です。

どれだけノウハウがあっても、すぐに上位表示させるのは難しいこともあるため、コンテンツマーケティングで即効性も満たしたいという場合は、予算をかければスムーズに露出できるリスティングをうまく活用しましょう。

リスティングの補いたいデメリット

リスティングをより価値のある施策にするためには、広告出稿が終わった後も持続的な流入につなげることが大切です。

リスティングは、予算をかけた分だけ露出でき、成果も現れやすいですが、予算が尽きれば検索結果画面から広告が消えてしまいます。だからと言って、持続的な集客のために広告予算をかけ続けるのは現実的ではありません。

そのため、リスティングのデメリットを補うためにも、広告出稿で得た有益な情報をコンテンツ制作に活かし、リスティング施策が終わってもWebサイトへ流入できるような仕組みを作るようにしましょう。

コンテンツマーケティングとリスティングは相互補完関係にある

先述の通り、コンテンツマーケティングとリスティングは、それぞれのメリットでデメリットを補完することができます。

そのため、「広告費用がかけられないからコンテンツマーケティング」「時間をかけられないからリスティング」と安易な理由でマーケティング施策を決めず、両方をうまく取り入れながら目的やゴールを達成しましょう。

コンテンツマーケティングとリスティングを併用するコツ

Webページのインターフェイスと虫眼鏡

この章では、コンテンツマーケティングとリスティングの補完関係をより効果的に活用するための具体的なコツを紹介します。

リスティングで得たキーワードを分析して、コンテンツ制作に活かす

リスティングでは、検索ユーザーのニーズを汲み取ることができます。具体的には、次の3つのような情報の把握が可能です。

・商品やサービスのターゲット層
・商品やサービスのニーズ
・訴求に対する反応

キーワードを分析し、設定したペルソナ(ターゲット)に見られているのか、どういうキーワードに反応されているのかといった情報をリスティングから収集することで、本来のニーズを深掘りすることができます。

そのため、コンテンツマーケティングとリスティングを併用する場合は、リスティングのキーワードを分析し、そのキーワードをもとにしてコンテンツを作り込みましょう。

リスティングのキーワードに合わせたコンテンツ・Webページ制作にする

リスティング広告は、特定のWebページへ誘導します。

そのため、リスティングの集客の即効性を期待して、コンテンツマーケティング用に制作したWebページへアクセスさせる場合、広告と表示ページの内容が食い違わないようにすることが大事です。

キーワードとの食い違いがあると、せっかくの訪問者も離脱してしまい、無駄にコストがかかってしまいます。そうならないためにも、リスティングのキーワードと誘導先の内容は一貫性を持たせるようにしましょう。

リスティング広告で反応が高かった訴求をコンテンツマーケティングで試す

リスティングで反応があった訴求は、他のマーケティング手法でも高い効果を得られる可能性があります。

そのため、訴求効果の高いキーワードや広告文、ページ構成は、コンテンツマーケティングでもユーザーに刺さる可能性が高い状況です。成功パターンがあれば、コンテンツマーケティングでも試してみましょう。

コンテンツマーケティングとリスティング広告をうまく使い分けて施策を効果的に実践しよう

コンテンツマーケティングとリスティングは、全く異なるマーケティング手法です。しかし、それぞれの違いを理解して使い分けたり、互いのメリットでデメリットを補完することでより効果的なマーケティング施策を実行できます。

この記事で、コンテンツマーケティングとリスティングの基本をおさらいし、使い分け方や併用のコツを把握できたら、ぜひ実践してみてください。

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