コンテンツマーケティングの副業ワーカーの活用方法とは？ 副業一覧や募集の始め方を解説

中長期的に改善や更新を繰り返しながら運用するコンテンツマーケティングは、コンテンツ作成やサイトのリニューアル、流入したユーザーの分析などの継続的に行う関連業務が多数発生します。コンテンツマーケティング運用のリソース不足を解決する手段のひとつが、副業ワーカーの導入です。

本記事では、副業として依頼できるコンテンツマーケティングの業務や、副業ワーカーを導入するメリットとデメリット、募集の方法や副業ワーカー活用を成功させるポイントを解説します。

コンテンツマーケティングについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。

副業ワーカーが注目される背景や理由

コンテンツマーケティングをはじめ、企業が業務を内製せず副業ワーカーなど外部へ依頼するケースも多くなりました。副業ワーカーの導入が注目されている背景や理由について解説します。

働き方改革による副業や兼業の促進

少子高齢化による将来的な労働力の不足への対策として2017年3月に策定されたのが、「働き方改革実行計画」です。少ない労働力で生産性を上げるために、多くの取り組みが行われています。そのひとつに「副業や兼業の促進」があります。

2018年1月にはモデル就業規則より労働者の遵守事項である「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと。」が削除され、企業側が副業や兼業を容認することが推進されるようになりました。同年副業・兼業で企業が留意する点をまとめたガイドラインを施行、その後何度も改定が行われています。

副業や兼業を企業側が容認する動きが出たことで、副業ワーカーも増加しました。総務省「就業構造基本調査」によると、2012年には105万人だった複数就業者は、働き方改革計画施行の2017年には128.8万人へ増加。副業を検討している雇用者も2012年は323.7万人、2017年には385万人へ増加（※1）しています。今後も副業ワーカーは増加傾向にあると予測されています。

※1 出典：厚生労働省労働基準局提出資料「副業・兼業の現状①」
https://www.mhlw.go.jp/content/11909500/000361727.pdf

IT技術の拡大

副業や兼業として選べる業種や職種はいろいろなものがありますが、IT技術の拡大によって在宅でできる副業や兼業が多くなったのも副業ワーカーが増加した理由のひとつです。Web市場が拡大したことにより、コンテンツマーケティングをはじめとしたWebマーケティング関連の副業も増加傾向にあります。

チャットツールやテレビ会議システムなど、フルリモートでの働き方を実現可能なツールも簡単に導入できるようになりました。やりとりがオンライン上で完結する案件も多いため、気軽に自宅で稼ぐための副業を始める人口が増加しています。

リモートワークによる在宅時間の増加

2020年より発生した新型コロナウイルス感染症の影響で、外出自粛や非対面非接触の推奨により、各企業でリモートワークが急速に普及しました。リモートワーク業務が増えたことで在宅時間も増えています。通勤時間がなくなったことで時間的な余裕が出て、副業を始める人も多くなりました。

また、出勤による残業時間や手当などが出なくなったことから収入が減り、補填する収入を獲得するために副業をする人も増加傾向にあります。

副業ワーカーに依頼できるコンテンツマーケティングの業務一覧

コンテンツマーケティングの構築や運用などで発生するさまざまな業務は、社内で時間や人材などのリソースが不足した場合、外注する方法があります。外部への依頼先のひとつの選択肢となるのが、副業ワーカーです。コンテンツマーケティングの構築や運用は、業務量によって人員をコントロールしやすいため、副業向けの業務も多いと言えるでしょう。副業として依頼できるコンテンツマーケティングの業務を解説します。

執筆コンテンツ依頼

テキストコンテンツ作成に関連する業務を依頼できます。執筆のほか構成、リライト、企画、校正、校閲、記事の入稿や投稿などが該当します。

コンテンツマーケティングに必須となるSEOライティングは、対応できる副業ライターに依頼できます。作成したテキストコンテンツはオウンドメディアや企業サイト（リクルートサイト）へ投稿するほか、メールマーケティングのコンテンツやSNSコンテンツへ流用したり、連携したりも可能です。

動画コンテンツ依頼

動画をコンテンツとして発信する場合の動画コンテンツ作成も依頼できます。動画撮影から編集、投稿などの業務が該当します。オウンドメディアサイトや企業サイトへ投稿するほか、YouTubeの自社公式チャンネルに投稿し、連携する方法もあります。

サイトやページの構築、コーディング

コンテンツを公開するサイトやページの構築や制作を依頼できます。コンテンツマーケティングのプラットフォームの構築のほか、PCとスマートフォンサイトの構築、改装（リニューアル）、機能の追加などです。コーディングをエンジニアに依頼することもできます。

Ｗebデザイン

オウンドメディアやブログなどのコンテンツマーケティングで利用するプラットフォームのデザイン案件を依頼できます。ほかにもLP（ランディングページ）やバナー作り、ロゴのデザインなど、コンテンツマーケティングに関連するもののデザインをそれぞれ依頼可能です。

SEO対策

コンテンツマーケティングは集客のための施策も必要です。そのひとつにSEO対策があります。SEO対策はGoogleなどの検索エンジンでの検索結果で、コンテンツやサイト、ページが上位表示されるための施策です。キーワードの設定や見出しタグの数やキーワードの最適化など、SEO対策の知識や経験を持つ副業ワーカーへ依頼できます。

サイト分析（アナリスト）

コンテンツマーケティングで成果を出すには、サイトへのユーザーの流入経路や検索ワード、サイト内やコンテンツ閲覧後のアクションなどを分析し、改善を繰り返すPDCAサイクルを回すのが重要です。サイト分析も副業ワーカーへ依頼できます。自社サイトはもちろん、競合サイトを分析して自社サイトやコンテンツの改善に活かすのもおすすめです。

Webマーケティング施策

Web広告の運用やSNSとの連携などのマーケティング施策は、広告代理店に依頼する方法もありますが、副業ワーカーにも依頼できます。

Webディレクター

コンテンツマーケティングの企画や戦略立案、構築や運用チームの進捗管理や運営支援を行うディレクション業務を依頼できます。

Webコンサルティング

コンテンツマーケティングの企画、運用、分析、改善に関するサポートを提供する副業ワーカーもいます。

コンテンツマーケティング運用に副業ワーカーを導入するメリット

コンテンツマーケティングの構築や運用業務に副業ワーカーを導入することで得られるメリットを紹介します。

コストをおさえられる

コンテンツマーケティングの構築や運用業務を社内で行おうとすると、業務を円滑に進めるまでの育成や教育が必要です。さらに中長期的な運用が必要となるコンテンツマーケティングは、業務量も上下します。副業ワーカーはコンテンツマーケティング業務における即戦力として活躍してくれるため、育成コストがかかりません。

Web上に存在するコンテンツのために、24時間の対応が求められることもあります。副業ワーカーは業務内容に応じてスポット的に依頼できるため、人件費の削減にもつなげられるでしょう。

一時的な人手不足を解消できる

コンテンツマーケティングのサイト構築や改装、コンテンツの更新など業務量が増えるときに新規で副業ワーカーを導入することで、一時的な人手不足を解消できます。副業ワーカーによってさまざまなコンテンツマーケティングの業務を依頼できるため、不足している業務に応じて副業ワーカーを投入できます。

採用の負担やリスクが少ない

コンテンツマーケティングの運用体制を内製する場合、担当者を会社の従業員として採用するための採用活動を行います。ところが採用活動を通じて採用した社員がミスマッチなどの原因により、期待通りの成果を上げられないリスクがあります。副業ワーカーは即戦力として導入できるため、採用のための負担が少ないのもメリットです。

副業ワーカーが一定の期間内に成果を上げられなかった場合には、契約を終了できるため、ミスマッチなどによるリスクも少ないでしょう。

優秀な人材を集めやすい

副業ワーカーは、普段の仕事や業務で培った知識やスキル、経験を活かして副業を行っている人材も多いです。条件や単価などの報酬の提示内容によっては、より優秀な人材を集められます。期待以上の成果の出るコンテンツマーケティングの構築や運用にもつなげられるでしょう。

新しいアイディアやイノベーションの創出が期待できる

副業ワーカーは、自社にはない知識やスキル、アイディアを持っている場合も多いです。自社では見つけられなかった切り口からの考え方や提案をするなど、副業ワーカーがきっかけで新しいアイディアやイノベーションの創出に結びつく可能性もあるでしょう。コンテンツマーケティングにとどまらない、マーケティングの施策や事業の拡大につながる場合もあります。

副業を容認している企業としてアピールできる

副業ワーカーを導入するということは、自社も従業員に対して副業を認めている企業ということになります。柔軟な働き方や多様性のある会社としてのアピールにもつなげられるため、企業としての人気や信用度を上げるための企業のブランディングや採用ブランディングにも有効です。

コンテンツマーケティング運用に副業ワーカーを導入する注意点や成功のためのポイント

コンテンツマーケティングに関連する業務のために副業ワーカーを導入すると、多くのメリットが得られるでしょう。ただし副業ワーカーに依頼する場合にはおさえておくべき注意点もあります。コンテンツマーケティング運用への副業ワーカー導入を成功させるために覚えておきたいポイントを解説します。

業務委託形態は費用対効果で考える

副業ワーカーへコンテンツマーケティング業務を依頼する場合、正規雇用ではなく業務委託契約を結ぶパターンが多いです。副業ワーカーへの報酬の決め方は「成果物」か「労働時間」がありますが、費用対効果で報酬を考えましょう。

「成果物」とは、デザインの制作や記事や動画などのコンテンツ制作など、成果によって報酬を支払う方式です。「労働時間」はWebディレクターやコンサルタントなど副業ワーカーが稼働した時間によって報酬を支払う方式となります。依頼したい業務内容によって適正となる報酬の決め方が異なるため、注意が必要です。

成果物の場合は業務内容や修正の有無によって報酬が変動します。労働時間は成果物の出来の有無ではなく、副業ワーカーの稼働した時間で支払わなければいけません。

コストは採用費用も含めて考える

副業ワーカーへの依頼は従業員の採用よりも採用活動への負担は少ないですが、採用のためのコストはかかります。副業ワーカーとのマッチングサービスやクラウドソーシングサイトを利用すると、見積もりなどは無料で利用できますが、業務依頼の契約が成立すると手数料がかかります。

正社員や従業員の採用は長期的に会社で活躍する人材を採用するため、採用コストも初期投資として考えられます。一方副業ワーカーは有期契約やスポット依頼が多いため、採用コストが回収しにくいです。依頼にかかるコストは、採用費用も含めて考えるようにしましょう。

業務内容を明確にしてミスマッチを防ぐ

副業ワーカーを募集するときには、ミスマッチを防ぐために依頼したい業務内容を明確にしておきましょう。たとえばコンテンツマーケティングでSEOライティングを依頼したいにも関わらず「記事作成をお願いしたい」とだけ依頼すると、SEOの知識のない副業ワーカーが応じてしまうことがあります。報酬や稼働時間などのその他の条件も具体的に詳細を記載しておきましょう。

情報漏洩へのリスク対策をしておくこと

コンテンツマーケティングに関する業務を副業ワーカーへ依頼する場合、外部へ大切な情報が漏洩してしまうリスクがあります。個人情報や顧客情報などの機密情報やデータを取り扱う業務を依頼した場合に、漏洩してしまうと企業としての信頼を失う可能性も高いです。契約時に責任の所在や、情報の取り扱い、セキュリティ対策についてしっかりと確認してから依頼するようにしましょう。

業務ができなくなった場合の対策をしておく

副業ワーカーの急病や急用、災害など、さまざまな事情で業務が止まってしまうことがあります。業務が止まってしまったときにはすぐに代わりの人材を探せる体制を整えておきましょう。ひとりの副業ワーカーに業務を集中させず分散させるなどの対策も必要です。

適度な進捗管理を行う

副業ワーカーに対しては、自社の従業員よりもコミュニケーションの機会が不足することが多いです。業務の正確な内容を把握していなかった、進捗が思わしくなく納期に間に合わない、などの事態を避けるために、進捗は逐一確認するようにしましょう。ただし、過度な進捗確認は本業のある副業ワーカーの負担になることがあります。契約時などに進捗確認の頻度やタイミングを決めておくのもおすすめです。

コンテンツマーケティングの運用のために多くの人材や業務を管理する必要がある場合は、副業ワーカーのWebディレクターに依頼するなどの手段も検討しましょう。

本当に副業ワーカーが必要かを考える

副業ワーカーへの依頼を検討する理由のひとつに、コストの削減があります。一方で、業務内容によってはシステムやツールの導入でも、コンテンツマーケティング業務の遂行やコスト削減も可能です。たとえばSEO対策を行うなら、副業ワーカーではなくSEOツールを導入する方法があります。

コンテンツマーケティングの業務を内製できる体制を整えたい場合は、すべてを副業ワーカーに依頼するのではなく、必要に応じてシステムやツールの併用も考えましょう。結果的にコスト削減にもつながる場合も多いです。

コンテンツマーケティング運用に副業ワーカーを導入する方法

コンテンツマーケティングの構築や運用に関する業務を依頼できる、副業ワーカーを探す方法を解説します。

クラウドソーシング

フリーランスのほか、副業ワーカーも多く登録しているクラウドソーシングサイトで探す方法です。クラウドソーシングサイトを利用することで、以下のメリットが得られます。
・依頼したい業務内容に応じて検索できる
・実績やスキルを確認するためにプロフィールやポートフォリオが閲覧できる
・仕事の契約から納品、支払いまでサイト上で完結できる
ただし手数料がかかるため、利用規約などを確認しコストについても把握しておきましょう。

クラウドソーシングは登録している副業ワーカーの質やスキルもさまざまなため、納得のいく人材を見つけるのはやや難しくなっています。他の方法と併用しながら上手に活用しましょう。

エージェント

フリーランスや副業ワーカーと企業をマッチングさせるためのエージェントを利用する方法です。エンジニア、マーケター、ディレクター、コンサルタントなど依頼したい業務内容に特化したエージェントを選ぶと、適切な人材を見つけやすいでしょう。採用活動への手間を大きく省け、専門性の高い人材への依頼につなげやすい一方でややコストがかかります。

求人サイトやSNSで直接募集する

求人サイトやSNS、企業サイトなどを通じて副業ワーカーを募集する方法です。正社員やアルバイト募集と同じルートでの採用活動ができます。一方で採用活動に負担がかかりやすい、副業を求めている人に募集を見つけてもらう必要があるため、いろいろな施策が必要などのデメリットがあります。

紹介（リファラル）

自社の従業員や取引先、昔在籍していた関係者などを通じて人材を紹介してもらう方法です。副業ワーカーのほか、独立したばかりのフリーランスなどとつながれる可能性もあります。すでに信頼関係ができている人材に依頼することで、ミスマッチを防いだり、コストをおさえられたりするのもメリットです。ただし必ずしも求めている人材がすぐに見つけられるというわけではないのを覚えておきましょう。

SNSなどでのダイレクトリクルーティング

副業ワーカー自身が、ブログやSNSなどで副業の仕事を募集していることがあります。募集を見つけたら、声を掛けることで依頼につながります。WantedlyなどのビジネスSNSなども活用すると良いでしょう。

SNSのプロフィール欄などに、実績やスキルなどの詳細が記載されているかも確認が必要です。本業を持っている副業ワーカーは、連絡してから返信がくるまでに時間がかかることがあります。スピーディな依頼につながらない場合もあるため、注意しましょう。

コンテンツマーケティングの運用に副業ワーカーを検討してみよう

コンテンツマーケティングに関する業務は多岐にわたり、業務量も上下します。自社で内製するために担当者を採用する方法もありますが、一時的なリソース不足やコスト面を考えると、副業ワーカーへの業務委託が有効な場合もあります。

また、副業ワーカーへの依頼とともに業務を効率化できるツールの導入や担当者の教育などを併用することで、自社でコンテンツマーケティングの運用ができる体制作りにもつながるでしょう。