オウンドメディアの参考に! 成功事例を目的別に11選&構築・運用に役立つSEOツール3選紹介
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オウンドメディアを立ち上げる目的は業種や商品、サービスなどさまざま。何から始めたらよいのかわからない方は、成果を上げている他のオウンドメディアを参考にしてみましょう。デザインや掲載されているコンテンツ記事など、どのようなポイントが優れているのか確認しておくことが大切です。
今回は参考にできるオウンドメディアの成功事例を目的別に11選、構築・運用に役立つSEOツールを3選紹介します。
また、オウンドメディアについて知りたい方は以下の記事もご参照ください。
デザインが参考になるオウンドメディア3選
まずは、UI・UXなどデザイン面が参考になるオウンドメディアを3つご紹介します。
1|美郷町「みさとと。」
ブランディングデザインの参考になる島根県美郷町(みさとちょう)のプロモーションサイトです。関係人口の増加や美郷町のPRを目的に立ち上げられた「島根県美里町リブランディングプロジェクト」によって制作されました。
「“町民自身”が惚れ直す」「世界一のホームページ」をコンセプトに、社内外のクリエイターが制作に関わり、町役場職員の方にも協力を仰いで作られたメディアです。デザイン性の高さからSNSでも拡散され、公開直後から注目を浴びました。
ファーストビューデザインの「みさとと。」のロゴとぬくもりを感じる絵本のような色彩のページは、見た瞬間にワクワクした気持ちを喚起させてくれます。スクロールダウンで現れる地図は、美郷町の日常風景が切り取られたメインコンテンツ「みさとと物語」にリンク。イラストや町民の人柄が感じられる写真、あたたかみのある記事はまるで紙の雑誌のように読み応えがあります。
コンテンツ以外の文字量は控えめでイラストや色彩が統一されており、おしゃれなデザイン事務所のホームページのようです。「みさとと。」のネーミングはサイト以外に、美郷町サテライトオフィスの愛称にも使用されました。プロモーションサイトを中心に、美郷町全体の活性化につながった地域ブランディングとしての成功事例です。
▼メディアURL
https://www.town.shimane-misato.lg.jp/misatoto/
2|大分大学医学部「大分大学医学部 消化器 小児外科学講座」
採用オウンドメディアのデザインで参考になるサイトです。医療ジャンルの映画の公式Webサイトのようなデザインが特徴。インデックスページは「命を救う覚悟は、キミにはあるか」というコピーからはじまり、次に現れた「執刀集団」の文字は映画タイトルロゴのようにデザインされています。
サイト内には、実際に勤務している外科医師や手術室などの写真を採用。陰影がうまく使われたコントラスト強めの写真は、外科医師としての責任感や現場の空気感が伝わるものとなっており、医学部のホームページとは思えません。
サイトを見るだけで外科医師としてどのような現場で働くのか把握ができるでしょう。堅苦しすぎず、ほどよい緊張感を漂わせている本当にかっこいいデザインの採用オウンドメディアです。
▼メディアURL
https://www.oita-gp-surgery.jp/recruit/index.html
3|サントリーフラワーズ株式会社「サントリーフラワーズ」
サントリーフラワーズ株式会社はコーポレートサイトでありながら、ガーデニングを楽しむユーザーを対象に園芸・野菜苗などの情報を発信しています。
ガーデニングや家庭菜園などカテゴリがはっきりと分かれており、ユーザーの動線が考えられているレイアウトが特徴です。スマホからも見えやすいレスポンシブ対応となっており、年齢層が広いガーデニングユーザーのことを考えた作りになっています。
花や野菜の育て方など、ガーデニングや家庭菜園を楽しんでもらえるコンテンツには、土づくりや追肥のタイミングなどがパッと見てわかる栽培カレンダーを掲載。それぞれの工程が写真付きでくわしく解説されています。サイト全体をとおしてUI・UXデザインが参考になるオウンドメディアです。
▼メディアURL
https://www.suntory.co.jp/flower/
コンテンツが参考になるオウンドメディア3選
オウンドメディアのコンテンツは、商品やサービスを知ってもらうための手法として活用できます。ユーザーにとって役立つ情報を盛り込むことで、ファンを増やせるだけではなく、SNSで拡散してもらうことで企業の認知度を高めることが可能です。コンテンツを使ってうまく集客しているオウンドメディアを3つ紹介します。
1|パナソニック インダストリー株式会社「制御機器知恵袋」
パナソニックで扱うコネクタやスイッチなど制御部品・電子デバイスの技術情報を発信しているオウンドメディアです。ユーザーが目的に沿った製品をスムーズに選べるように、Q&A形式で構成されたブログ形式のコンテンツを掲載。製品を使用した設計方法などエンジニア向けの専門性の高い内容が特徴です。
回路図や用語解説、用途例など、技術レベルを考慮した幅広い情報がまとめられており、より詳細な仕様が知りたい場合は資料ダウンロードも可能。他にも「エンジニア性格診断」といったユーザー参加型のコンテンツなど、コンバージョン率向上に向けた要素が盛り込まれています。
▼メディアURL
https://ac-blog.panasonic.co.jp/top
2|ライオン株式会社「Lidea(リディア)」
ライオン株式会社が運営するオウンドメディアです。お悩みを解決する「課題解決型」と生活に役立つ情報を発信する「発信型」の2タイプのコンテンツを発信しています。
「課題解決型」のコンテンツでは、洗濯や掃除など各分野に特化した専門家を記事監修者において、家事に関する専門性の高い情報を提供。「発信型」のコンテンツではユーザーのニーズをとらえるための読み物系の内容が中心です。
記事内では内容に関連する商品を紹介し、自社のオンラインショップへ誘導するなどECサイトの集客としても活用されています。また、会員登録はメールアドレス以外にソーシャルアカウントによるログインも可能です。個人情報の入力手間を省きつつ、ポイント付与などユーザーにメリットを与えることで、自然な流れで登録してもらう仕組みが作られています。
▼メディアURL
https://lidea.today/
3|トヨタ自動車株式会社「GAZOO」
トヨタ自動車のオウンドメディア「GAZOO」は、車やドライブなどモビリティ関連の情報を発信しています。車選びの参考になる試乗記は写真や動画を使用し、インテリアやエクステリアなどの詳細にくわえて、乗り心地などが詳細にまとめられています。
トヨタ車以外のメーカー車の試乗記では、競合他社の車種と比較検討できることから、ユーザーの満足度につながっています。
また「愛車と趣味シリーズ」のコンテンツではスポーツやキャンプ、車中泊などのアウトドアと絡めたコンテンツを掲載。全国各地のドライブ情報などカーライフを満喫できるコンテンツが満載です。
また「GAZOO モビこと」としてユーザーとコミュニケーションが取れる参加型コンテンツも運営しています。Q&Aやストーリーへの投稿には会員登録が必要ですが、ギフト券を用意するなどユーザーに働きかけて投稿を促し、各コンテンツの充実度を図るなど工夫がされています。
最新の車情報だけではなく、継続訪問につながるコンテンツを置くことでコミュニティサイトとしても成功をおさめているオウンドメディアです。
▼メディアURL
https://gazoo.com/
ブランディングの参考になるオウンドメディア2選
オウンドメディアをブランディングに活用することで、企業認知を高めるだけではなく、自社商品やサービスへの理解を深めてもらうことが可能です。コーポレートサイトと異なるのは、企業情報にくわえてユーザーに役立つ情報の提供やリード(見込み客)獲得を目的に運営しているところです。
ここでは企業のブランディングで成果をあげているオウンドメディアの参考事例を2社紹介します。
1|カゴメ株式会社「VEGEDAY」
カゴメ株式会社が運営するオウンドメディア「VEGEDAY」は、ユーザーとのコミュニケーション、野菜を使用した企業ブランディングを目的に作られました。
ユーザーのニーズをとらえた記事を掲載し、見込み客の獲得や育成を目的に野菜の種類や選び方、保存方法、レシピなどユーザーに役立つ情報を発信。文献などをエビデンスとした記事や専門家による監修が入った専門性の高い内容がわかりやすい言葉でまとめられています。
野菜単品の調理法や下ごしらえなど、すべて写真付きで解説されており、料理初心者はもちろん熟練主婦も楽しめるコンテンツとなっているのが特徴です。記事の下部にはキーワードが設定されており、同じキーワードでまとめられた記事を検索できます。
農業から始まった会社ということもあり、野菜への愛が感じられるオウンドメディアです。
▼メディアURL
https://www.kagome.co.jp/vegeday/
2|オリックス株式会社「MOVE ON!」
オリックス株式会社はオウンドメディアをコーポレートサイト内に埋め込んでいるスタイルが特徴。世間に認知してされていない事業に関してもサイトを訪れた人に自然に知ってもらえるような作りとなっていて、企業理解・事業理解を目的とした情報発信を続けています。
コンテンツカテゴリは「Sustainability(サスティナビリティ)」「Work&Life(ワークアンドライフ)」「Innovation(イノベーション)」「ORIX Channel(オリックスチャンネル)」の4つ。グループ企業や自社事業について発信する「オリジナルコンテンツ」と、事業関連の国内外のニュースを発信する「ニュースコンテンツ」があります。
記事下部に関連コンテンツや事業紹介バナーなどを配置して事業紹介ページや関連リンクに誘導するなど、ユーザー動線も考えられているオウンドメディアです。
▼メディアURL
https://www.orix.co.jp/grp/move_on/
SNS集客の参考になるオウンドメディア3選
TwitterやInstagram、FacebookなどのSNSを集客に活用しているオウンドメディアの参考事例を3社ご紹介します。
1|スターバックスコーヒージャパン株式会社「STARBUCKS STORIES JAPAN(スターバックス ストーリーズ ジャパン)」
「STARBUCKS STORIES JAPAN(スターバックス ストーリーズ ジャパン)」は、日本上陸25周年を記念して2021年8月2日に立ち上げられたオウンドメディアです。もともとマーケティング戦略に各SNSを活用していたこともあり、各SNSの特性を理解した上でフォロワーのニーズを調査・分析し、シェアされやすい運用を行っています。
商品の魅力をSNSで発信し、オウンドメディアでは商品に関連した豆知識などの情報を提供。全国各地のパートナーが情報を発信することで、親しみを持ってもらいやすくなっています。写真も美しく、思わずシェアしたくなるようなコンテンツです。
▼メディアURL
https://stories.starbucks.co.jp/
2|キリンホールディングス株式会社「KIRIN 公式note」
キリンはオウンドメディアにメディアプラットフォーム「note」を活用しています。ユーザーから共感されるコンテンツづくりを目標にフォロワー数よりも、リーチを重視した運用を行っているのが特徴。2020年には「#日本産ホップを伝う」の特集がTwitterで約700万人にシェア・拡散されました。
キャンペーンや販促、広告はnoteには掲載しないことを決めて運用されており、noteでは社員の顔を見せた親しみが感じられる記事や、インタビュー形式など読み物として楽しめる記事が掲載されています。
note公式とコラボした投稿コンテストや他社アカウントとのコラボなども積極的に開催。一方的に発信するだけではなく、ユーザーと接点を持てるnoteをオウンドメディアにうまく活用されている企業です。
▼メディアURL
https://note-kirinbrewery.kirin.co.jp/
3|シャープ株式会社「シャープ公式Twitter」
シャープ株式会社の公式Twitterでは、自社製品や企業情報を中心に発信しています。特徴はユーザーとの距離の近さ。担当者の「シャープの人」の個人的なツイートだったりフォロワーへ直接返信したりと、人間味あふれる対応が多くのフォロワーに喜ばれているアカウントです。
イベントやキャンペーン情報、不具合が出た製品などの情報もこまめに発信されており、企業アカウントとしても信頼性があります。ユーザーとのコミュニケーションを目的としたオウンドメディアの成功事例です。
▼メディアURL
https://twitter.com/SHARP_JP
他オウンドメディアの分析データを参考に! 無料・有料SEOツール3選
オウンドメディアのコンテンツ記事制作に役立つ無料・有料のSEOツールを3つ紹介します。時間と手間のかかる作業の時短につながるため、効率よくコンテンツ記事を制作したい方におすすめです。
1|プロも使っている!「Googleサーチコンソール」
Googleの無料ツール「Googleサーチコンソール」は、オウンドメディアにアクセスする前のユーザーの行動を分析できるSEOツールです。どのようなキーワードでサイトにアクセスしたのか、クリック数や検索結果の順位などもチェックできます。
また、構築したオウンドメディアを検索結果に表示させるために、クロール用のインデックス登録をリクエストすることも可能。オウンドメディアを社内で構築・運用するにあたり、どのツールにしようか迷われた場合に使ってください。
2|キーワード選定の時短に「ラッコキーワード」
コンテンツSEOに欠かせないキーワード選定作業を時短化してくれるのが「ラッコキーワード」。リード獲得を狙える関連キーワードを一括取得できます。フリープランと有料プランがあり、それぞれキーワード調査回数や月間検索数取得回数など、できる範囲が異なります。
オウンドメディアを立ち上げる部署全員で使用したい場合は、5名以上から利用できるスタンダードプランがおすすめです。また、有料プランなら広告非表示が可能です。まずはフリープランで使いやすさを確認してみてください。
3|総合型SEOツール「Pascal(パスカル)」
「Pascal(パスカル)」は、コンテンツマーケティングに役立つ機能を備えた総合型SEOツールです。記事構成の機能は検索上位サイトのトピックや共起語分析、文字数や記事の方向性などコンテンツSEOの具体策をレポートにまとめてくれます。細かい指示をしなくてもレポートを外注ライターへ渡すだけで、質の高い記事を用意できます。
既存メディアのコンテンツのリライトにも対応可能。新規立ち上げから運用後のSEO対策の効果の確認、メンテナンスまで幅広く活用できます。クラウドツールのため、環境を変えずに導入できるメリットも。まずは無料体験版から検討してみてください。
オウンドメディアの参考書は初心者におすすめ
「オウンドメディアを作れと言われたけれど何からすればよいのかわからない」というマーケティング担当者は、まず書店やECサイトで購入できるオウンドメディアの参考書を読んでみるのもおすすめです。
コンテンツマーケティング、Webマーケティングの基礎から活用法などオウンドメディアの作り方を1から10まで学べます。SEOツールの使い方が書かれたものもあり、初めてオウンドメディアを立ち上げる方におすすめです。もちろん既に運営されている方にとっても役立つ内容がまとめられています。
▼オウンドメディアの参考書になる本については、こちらの記事でご紹介しています。
オウンドメディアを参考にする前に目的を明確にしておこう
サイボウズや無印良品などオウンドメディアで成果をあげている企業はたくさんあります。しかし、いくら成功事例の一覧を見たところで目的やゴールをはっきりと決めていなければ、活用ポイントを見出すことができません。
まずは自社の商品やサービスを分析して、ターゲット層を洗い出し、自社商品やサービスの魅力や世界観を伝えるための戦略を立てることが重要です。SEOツールも使って競合分析や検索ニーズを調査し、分析データをもとにゴールを決めましょう。