【2023年】コンテンツマーケティングのトレンド7選

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コンテンツマーケティングは、トレンドの移り変わりが早い分野です。ユーザーに価値ある提供を届けるためにも、担当者は常に最新のトレンドをおさえなければいけません。本記事では、2023年のコンテンツマーケティングにおける最近話題のトレンド7選をわかりやすく解説します。また、各社の調査事例などもご紹介しています。ぜひ記事を参考に、自社に最適なデジタルマーケティング施策に取り組んでください。

コンテンツマーケティングについて概要などもっと詳しく知りたい際には、以下のリンク先の記事もご参照ください。

【関連記事】【2023年版】コンテンツマーケティング完全ガイド

コンテンツマーケティングとは、記事や動画などのコンテンツを通してユーザーに価値ある情報を提供し、認知度や売り上げの向上などを目指す施策です。多くの企業が取り組んでおり、今や定番のマーケティング手法ですが、実践手順やポイントなどがわからない方もいらっしゃるかもしれません。本 記事では、コンテンツマーケティングの基礎知識やポイント、成功事例を解説します。

マルチメディア対策による顧客体験の最適化

パソコンを見ている女性

テクノロジーや顧客ニーズの移り変わりが早い現代では、顧客体験の重要性が増しています。顧客の課題や悩みに寄り添って解決することで、コンテンツマーケティングの成功につながります。しかし、今後は顧客に価値あるコンテンツを提供するのを前提としたうえで、マルチメディア対策も必要となる可能性があります。

コロナウイルスの流行により、世界のデジタル化が急速に進みました。例えば、株式会社ネオマーケティングの調査(※1)によれば、企業担当者の71.2%がコロナ前と比較して効果が上がった施策に「ウェビナー」を挙げています。また、YouTubeやTikTokなどの動画も勢いを高めているのです。

オンラインイベントや動画メディアなど顧客との接点の数は増加したからこそ、顧客にとって最適な場所(=メディア)で、最適なコンテンツを公開しなければいけません。

よくコンテンツマーケティング担当者は、ブログ記事の読者=自社SNSのフォロワーなどと勘違いします。実際には、ブログ記事は読んでもSNSをフォローしない顧客がいれば、SNSだけフォローする顧客もいるのです。

マルチメディアでコンテンツ発信することで、あらゆる顧客にアプローチできるわけです。

ただ、「複数メディアで配信するほどコンテンツを作れない」と悩む担当者もいると思われます。マルチメディア対策で有効となるのが、コンテンツのリサイクルです。1つのコンテンツを作成したら、それを複数メディア向けのコンテンツに編集して、利用しましょう。

例えば、ブログ記事をニュースレター、ニュースレターを2~3件のツイートなどのように1つのコンテンツを複数コンテンツに変換すれば、コンテンツ作成で悩むことはありません。

また、SEO対策はテキストのみのブログ記事が主流ですが、画像や動画、インフォグラフィックなどの組み合わせによる顧客体験の最適化が主流となる可能性があります。SEOでマルチメディア対策を実施すれば、トラフィック数を大きく伸ばせる可能性もあるため、テキスト情報の画像化/動画化に積極的に取り組んでみるといいでしょう。

BtoC、BtoBのどちらにも、言える対策となります。

出典1:株式会社ネオマーケティング「市場調査レポート」
https://neo-m.jp/investigation/2716/

ファーストパーティデータ主導のコンテンツ

データ分析の画面

デジタルマーケティングの定番の施策として、インターネット広告が挙げられます。株式会社電通による「2021年 日本の広告費」(※2)によると、インターネット広告費2兆7052億円がマスコミ四媒体(新聞・雑誌・ラジオ・テレビメディア)広告費の総計2兆4538億円を初めて上回るほど、一般的な施策となっています。

インターネット広告の中でも、広告主が自由に予算を設定でき、費用対効果の高いリスティング広告は人気の施策です。従来のリスティング広告においては、一度自社サイトに訪問したユーザーに広告を配信する「リターゲティング機能」のおかげで、高いコンバージョン率を実現できていました。

しかし、今後はリターゲティング機能が活用できなくなる懸念があります。その理由は、デジタルプライバシー保護の観点から、サードパーティクッキー廃止の動向が強まっているためです。

サードパーティクッキーとは、ユーザーがアクセスしているサイトとは別のサイトが発行するクッキーのことです。GoogleやYahoo!、Facebookなどの広告配信サービスは、サードパーティクッキーを用いてユーザーを追跡し、興味関心の高い広告を配信しています。

ユーザーに役立つ広告を配信できる一方、ユーザーが気づかないところで個人の特定につながる情報を含んだサードパーティクッキーが流通するのは、プライバシー侵害になるのではないかという懸念が広まったのです。

すでに大手ブラウザのSafariやFireboxはサードパーティクッキーの規制をしており、2024年後半からは国内ブラウザシェアの半数以上を誇るChromeが段階的にサードパーティクッキーの廃止を進めると発表しています。

サードパーティクッキーが廃止されると、リターゲティング広告の精度は大幅に低下するでしょう。このような背景から、マーケティング担当者は企業が自社で収集する「ファーストパーティデータ」の獲得に注力する必要があります。

ファーストパーティデータの収集に、コンテンツマーケティングは有効な施策です。コンテンツを通して、顧客にとって価値ある情報を無料で提供し続ければ、徐々に信頼関係を構築できます。すると、顧客はメールマガジンへの登録や資料問い合わせなどをして、氏名や連絡先などのファーストパーティデータを提供してくれるのです。

また、クイズや選択型広告などのインタラクティブコンテンツもファーストパーティデータの獲得に役立ちます。自社で集めた顧客の連絡先を、Google広告のカスタマーマッチやYahoo!広告のリストデータ連携に活用すれば、ファーストパーティデータ主導のリターゲティングが可能になります。

ファーストパーティデータを集めるためには、顧客に選ばれるマーケティング施策が重要であり、それにはコンテンツマーケティングが有効です。

※2 出典:電通報「2021年 日本の広告費」
https://dentsu-ho.com/articles/8090

ショート動画は引き続き主流コンテンツの座を維持

TikTokを開いたスマートフォン

新型コロナウイルスの流行によって、人々がスマートフォンにかける時間が増加し、ショート動画投稿プラットフォームTikTokの人気が高まりました。これを受けて、YouTubeやInstagramなどの大手SNSもショート動画へ注力しはじめ、ショート動画は人々の生活には欠かせない存在になったのです。

Wyzowl(※3)によると、ユーザーは週に平均18時間さまざまなプラットフォームで動画コンテンツ、特にショート動画の視聴に時間を費やしています。この調査からも、ショート動画は重要なチャネルになっていると言えるでしょう。実際に、89%のマーケターが2022年にショート動画への投資額を増やすと回答した調査(※4)もあります。

それでは、動画コンテンツに注力することで、企業はどのようなメリットを得られるのでしょうか。Wyzowlの調査(※5)から、動画マーケティングに取り組むメリット一覧をご紹介します。

・消費者の96%が製品やサービスに関連する動画を視聴した経験がある
・消費者の88%がブランドの動画を見て製品の購入を決定した経験がある
・消費者の78%が動画を見た後に、ソフトウェアもしくはアプリの購入/ダウンロードした経験がある
・消費者の73%がショート動画で製品サービスについて学びたがっている

ショート動画に注力すれば、自社製品に興味のある消費者の背中を押し、購買や問い合わせなどのコンバージョンへとつなげられるのです。

また、動画コンテンツのエンゲージメントの高さも無視できません。動画コンテンツはテキストコンテンツと比較して、高いエンゲージメントを得られる傾向にあります。

SUMOが65万アクセスを対象にした調査(※6)によれば、平均的なユーザーは記事の25%しか読まず、最後まで記事を読むユーザーは全体の20%しかいませんでした。

この調査から言えることは、どれだけ力を入れて記事コンテンツを作成したとしても、ほとんどのユーザーは最後まで読んではくれないということです。一方、視覚的に訴求でき、ビジュアルで簡単に理解できる動画は、最後まで視聴してもらえる可能性が高いです。

WISTIAの調査(※7)によれば、動画時間が2分までなら視聴者のエンゲージメントが安定しており、2分以降はエンゲージメントが低下すると判明しています。現代の消費者は膨大な情報に触れ、忙しい日々を過ごしています。これからは隙間時間に自社情報を見てもらえるように、2分以内のショート動画の作成に注力するといいでしょう。

※3、5 出典:wyzowl「Video Marketing Statistics 2022」
https://www.wyzowl.com/video-marketing-statistics/
※4 出典:HubSpot「The State of Content Marketing in 2022 [Stats & Trends to Watch]」
https://blog.hubspot.com/marketing/state-of-content-marketing-infographic
※6 出典:SUMO「Content Marketing Analytics: What We Learned Analyzing 650,000 Hits」
https://sumo.com/stories/how-many-visitors-read-article
※7 WISTIA「How Long Should Your Next Video Be?」
https://wistia.com/learn/marketing/optimal-video-length

SEO対策の再燃

Googleを映したパソコン

HubSpotの調査では、SEOに投資しているマーケターは2021年には全体の69%で、2020年に比べて5%増加しています(※8)。デジタルマーケティングが普及したこともあり、多くの会社がWebサイトのSEOの重要性を再認識しているようです。

従来のSEO対策の場合、検索結果画面の上部に表示することが狙いでした。しかし今後は、単に上位表示するだけではなく、同じページで競合他社が提供するコンテンツの内容とは異なる、ユニークで価値あるコンテンツの作成に取り組むのがトレンドになりそうです。

例えば、自社製品に関するキーワードで上位表示を狙う場合、ユーザーニーズを満たしながら、自社の調査やノウハウで得た見解を加えることが独自性となります。単に情報を網羅するだけではなく、独自性のある深いコンテンツ作りを意識してみるといいでしょう。

Webで独自性のある良質なコンテンツを作成するには、自社実施の調査や独自ノウハウなどの一次情報を追加しましょう。例えば、先ほど紹介したSUMOによる65万アクセスの分析結果は、独自性の高いコンテンツといえます。

記事に必要な一次情報を取得するのは手間と時間がかかるからこそ、独自性の高いコンテンツを作成する競合は少ないです。見方を変えれば、良質な一次情報を追加するだけで、競合との大きな差別化を図れるでしょう。

社内に眠る過去のセミナー資料やプレスリリース、ニュースレターの原稿などは一次情報を含んでいる可能性があります。まずは社内資産を見直し、コンテンツ化できる一次情報を探してみましょう。

一次情報の追加のほか、主観的な意見の表明も独創性へとつながります。例えば、従来のSEO対策では客観的に情報をまとめることが好まれてきましたが、明確な根拠や説得力があるのなら、主観や好き嫌いを出すのもいいでしょう。

そのほか、ビジュアルの使用や企画などで独自性を出すことも可能です。

※8 出典:HubSpot「The State of Content Marketing in 2022 [Stats & Trends to Watch]」
https://blog.hubspot.com/marketing/state-of-content-marketing-infographic

フォロワー数は以前より重要ではなくなった

主なSNSのアイコン

SNSが顧客との重要な接点となり、フォロワー数が大きな力を持つようになりました。フォロワー数が多い企業や人物ほど、製品やコンテンツを拡散できるためです。しかし、今後はフォロワー数の重要性が低下するかもしれません。

その理由は、主要SNSのアルゴリズムがフォロワー数ではなく、ユーザーの興味関心に基づいたコンテンツを表示するように変化しているためです。この典型的な例がTikTokでしょう。

TikTokユーザーの中には、動画を一本投稿しただけで、数万人のフォロワーを獲得した人がいます。なぜなら、TikTokではユーザーのフォロワー数にかかわらず、ユーザーインタラクションや動画情報などをもとにおすすめフィードに載る動画が決まるためです。良いコンテンツさえ作成すれば、自然と拡散されるのがTikTokなのです。

他のSNSもTikTokと同様の仕様になってきました。例えば、従来のTwitterはフォロワー数が多い人のほうが、投稿の拡散性が高い傾向にありました。しかし、アルゴリズムの変更により、タイムラインにはフォローしていないユーザーのツイートが多く表示される仕様になったのです。

フォロワー数の力が弱まる可能性がある今後、コンテンツマーケティング担当者が考慮するべきことは2つあります。

1つめが深さのあるコンテンツ制作に注力することです。自社アカウントのフォロワー以外に効率よくアプローチできるようになったため、多くのコンテンツを作成できれば、成果につながりやすくなります。

多数のコンテンツを作成するためには、発信分野に詳しくなければいけません。その分野の第一人者のつもりで、クオリティの高いコンテンツ作成に注力しましょう。そうすれば、コンテンツの数が尽きないかぎり、コンテンツを見たユーザーにフォローしてもらえたり、専門家として認識してもらえたりします。今後のSNSマーケティングは、コンテンツの数と質が重要になるでしょう。

2つめがインフルエンサーの選定です。従来のインフルエンサー・マーケティングでは、フォロワーベースでインフルエンサーの選定が行われました。しかし、これからはフォロワー数ではなく、インフルエンサーのコンテンツの質にも着目しましょう。

フォロワー数だけを見てインフルエンサーを選定した場合、コンテンツが伸びず、期待した成果につながらない懸念が生じます。一方、それほど多くのフォロワー数を抱えていなくとも、良質で専門性の高いコンテンツを作るインフルエンサーの場合、フォロワー以外のユーザーによる拡散に期待できます。

SNSのアルゴリズムは定期的にアップデートされますが、ユーザーの興味関心ベースにコンテンツを表示する仕様が標準化すると、専門性の高いインフルエンサーが貴重な存在となるでしょう。

パーパス・コンテンツの重要性が高まる

ソファに座る男性

海外を中心に注目を集めているトレンドがパーパス・コンテンツです。テクノロジーの発展により、製品やサービスの模倣が容易になった今、消費者はパーパスでブランドを選ぶようになりました。パーパス(Purpose)とは、「目的」や「意図」と訳すことができる英単語ですが、ビジネスにおいては「存在意義」という意味です。

パーパスが重要視されるようになったきっかけは、2019年にアメリカ大手企業の経済団体ビジネス・ラウンドテーブルが、環境問題や経済格差などへの企業責任の高まりを踏まえ、パーパスの実現を目指すべきだと発表したことです。

自社にパーパスがないと悩む方もいますが、パーパスは経営理念やビジョン、創業者の思想などです。こう考えると、どの業界どの企業にもパーパスはあると思われます。しかし、パーパスを設定しただけでは十分ではありません。消費者にパーパスを伝える必要があるのです。

多くの企業が経営方針説明会や公式サイトでパーパスを発表していますが、それではブランドのコアなファンにしか自社パーパスは届かないでしょう。あらゆる層にパーパスを届けるためには、コンテンツマーケティングが有効な方法です。

自社の経営理念や創業秘話、製品開発の背景などを取り扱ったパーパス・コンテンツを作成しましょう。パーパス・コンテンツの目的は、ブランド価値の向上であり、問い合わせや購入などのコンバージョンではありません。

コミュニティやファンの醸成につながるような、魅力的なストーリーを作成するようにしましょう。ファンが増えれば、おのずと売り上げへとつながります。

パーパス・コンテンツを作成したら、最適なチャネルで発信する必要があります。基本的には、情報のコントロール性が高く、多くの潜在顧客にアプローチできるブログやSNSが有効です。

ポッドキャストが重要なタッチポイントになる

ヘッドフォンとスマートフォン

近年、コンテンツマーケティングのトレンドとして注目を集め続けているのがポッドキャストです。2021年、アメリカの消費者だけで150億時間ポッドキャストを視聴しています(※9)。

株式会社オトナルと株式会社朝日新聞社が、2021年に共同で実施した調査(※10)によれば、月に1回以上ポッドキャストを視聴するユーザーは14.4%だと判明しています。この調査で顕著な点は、経営層や管理職などの意思決定層の割合が多いことです。

ポッドキャスト人気の高まりを受けて、ポッドキャストに投資をするマーケターが増えています。HubSpot(※11)によれば、コンテンツマーケティング担当者の51%が2022年のポッドキャストの投資額を増やすと回答しています。

コンテンツマーケティング担当者がポッドキャストに注目する理由は、単純にポッドキャストが利益をもたらすためです。オトナルと朝日新聞社の調査では、回答者の57.9%がポッドキャストを聴いたあとに検索行動をし、29.9%が購入経験があると回答しています。

また、ユーザーの半数以上が音声広告に触れており、31.6%のユーザーが「商品・サービス名が記憶に残りやすい」と回答しているのです。この調査結果からもわかる通り、ポッドキャストをマーケティングに上手く活用することによって、リード創出や売り上げアップなどに期待できます。

※9 出典:Semurush Blog「69 Podcast Statistics to Boost Your Podcast Strategy」
https://www.semrush.com/blog/podcast-stats/
※10 出典:株式会社オトナル / 株式会社朝日新聞社「ポッドキャスト国内利用実態調査2021」
https://www.asahi.com/ads/podcast-research2021_1.pdf
※11 出典:HubSpot「The HubSpot Blog’s 2022 Marketing Industry Trends Report: Data from 1,000+ Global Marketers」
https://blog.hubspot.com/marketing/hubspot-blog-marketing-industry-trends-report?_ga=2.169713057.1632863817.1647624595-1286134494.1647624595

コンテンツマーケティングはトレンドをおさえよう

コンテンツマーケティングはトレンドの移り変わりが早い分野です。同じ施策に固執するのではなく、トレンドや最新情報をおさえて、施策の最適化に注力しましょう。ユーザーとの接点ポイントを多く取り、まだ見ぬユーザーとのコミュニケーションに活かしましょう。

今回はコンテンツマーケティングのトレンド7選を紹介しましたが、注目したいのがSEO対策です。デジタルマーケティングの普及により、多くのマーケターがSEOを重要なチャネルと再認識している状況となっており、SEO対策を行うことはマーケティング上必須と言えるでしょう。

SEO対策においては、取り扱いテーマやツールの活用が成果のカギを握ります。自社認知度の拡大やリード創出、ファーストパーティデータの収集など様々な効果に期待できるため、今後も継続してSEO対策やWebサイトの運営に取り組みましょう。

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