「オウンドメディアでSEO対策したいけど、効果的な対策がわからない」
「オウンドメディアの成果を出す方法がわからなくて困っている」
オウンドメディアのSEO対策、どう進めればいいのか悩んでいませんか?
オウンドメディアでのSEO対策の課題を解決するには、最も重要な初期設計や目標設定(KPIやKGIの設定)の方法を理解することや、SEO対策の基本的な要素を理解しておくことが大切です。
この記事では、オウンドメディアのSEO、つまりコンテンツマーケティングで成功するために重要なポイントや、具体的対策方法をWeb担当者向けに徹底的に解説します。
オウンドメディアに関してお悩みの方に役立つコンテンツとなってますので、ぜひ最後までお読みください。
この記事のポイント
- ・コンテンツマーケティングで最重要なカギは初期設計
- ・オウンドメディアで成功するとSEOの資産化ができる
- ・コンテンツSEOとコンテンツマーケティングを理解したうえでSEO対策すべき
- ・検索意図を満たすコンテンツ作成など、内部対策が重要
- ・生成AIなどをSEO対策にも有効活用することがトレンドになりつつある
オウンドメディアのSEO基礎知識
まずはこの項目では、オウンドメディアの基本的な事項について解説していきます。
オウンドメディアとSEOの重要性
オウンドメディアとは、企業が自社で所有・運営するWebサイトやブログのことです。特に日本では自社のブログサイトを指してオウンドメディアと呼ぶ方が多いですが、厳密にいえば、企業のコーポレートサイトやブランドサイトもオウンドメディアに含まれます。webマーケティングの手段として、オウンドメディアを導入する企業は非常に増えてます。
オウンドメディアという顧客接点を通して、企業はユーザーに「自社や自社サービスのファン」になってもらうことが求められます。オウンドメディアを活用することで、自社の製品やサービス、ブランドに関する情報を発信し、顧客とのエンゲージメントを高めることが可能となります。ホワイトペーパーをはじめとした資料ダウンロードを増やしたり、セミナー誘致を増やしたりすることの支援も可能です。
そのオウンドメディアにおいて、SEO(Search Engine Optimization)の対策は必要不可欠です。SEOとは検索エンジンの結果ページでWebサイトを上位表示させるための技術であり、これがうまくいけばオウンドメディアの成功に大きく貢献します。
多くの潜在顧客(自社のサービス・商品を知らない顧客)にWebサイトを訪問してもらい、商品やサービスを知ってもらう機会を増やせば、顕在顧客(見込み客)を増やすことにつながります。結果として、リード獲得、顧客獲得、ブランド認知度の向上、採用強化など、ビジネスの成長に繋がる様々なメリットを得られるという点で大きな意味を持ちます。
コンテンツマーケティングとコンテンツSEO
オウンドメディアでSEO対策を進めていくうえでは、コンテンツマーケティングとコンテンツSEOという手法の理解が非常に重要になります。
コンテンツマーケティングとは、ターゲットとなる顧客にとって有益で魅力的な情報を発信することで顧客との信頼関係を構築し、最終的には商品・サービスの購入に繋げるマーケティング手法です。オウンドメディアはコンテンツマーケティングを実施するための基盤となります。
コンテンツSEOは、検索エンジンからの評価向上をするためのコンテンツ作成・配信を行うことで、コンテンツマーケティングの要素の1つになりますので理解しておきましょう。
まとめると、コンテンツマーケティングは、ユーザーにファンになってもらうための質の高いコンテンツを配信することです。一方、コンテンツSEOは、そのコンテンツの上位表示対策を重視しますが、2つの間には補完関係が成り立ちます。コンテンツSEOについては、後の項目でも詳しく解説しています。
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コンテンツマーケティングとは?Webマーケとの違いやメリットなどわかりやすく解説
E-E-A-T
Googleが検索順位を決めるうえで重視するE-E-A-Tについても正しく理解しておきましょう、
Googleの検索アルゴリズムは、ユーザーに最も関連性の高い、質の高い情報を提供することを目指してます。そのために、Webページの評価基準として重視する以下の4つの要素のことをE-E-A-Tと表現してます。
・Experience(経験): 実体験に基づいた情報
・Expertise(専門性): 専門知識に基づいた情報
・Authoritativeness(権威性): 信頼できる情報源からの情報
・Trustworthiness(信頼性): 正確で信頼できる情報
オウンドメディアでコンテンツを作成する際には、これらの要素を意識し、ユーザーに価値のある情報を提供することが重要です。
たとえば、著名な専門家による記事の執筆や監修、信頼できるデータや研究結果の引用、ユーザーにとって分かりやすい独自の説明、自社にしか発信できない独自性の高い一次情報などを心がけることで、E-E-A-Tを高めることができます。
Google検索結果表示の仕組みと対策
Google検索は、以下の3つのプロセスを経て検索結果を表示します。
・クロール
・インデックス
・ランキング
流れを説明すると、まずはGoogleのクローラーと呼ばれるプログラムが、Webサイトを巡回し、情報を収集(クロール)します。その後収集した情報をGoogleのデータベースに登録(インデックス)し、ユーザーが検索語句を入力した際に、関連性の高いWebページをランキング順に表示(ランキング)します。
オウンドメディアで上位表示を目指すためには、これらのプロセスを理解し、それぞれに対応した対策を講じる必要があります。
たとえば、クローラビリティ(検索がエンジンをクロールした際の読み取りやすさ)を高めるためには、サイトマップを作成したり、robots.txtを適切に設定したりすることが重要です。インデックスされやすくするためには、ページタイトルやメタディスクリプションタグを最適化し、コンテンツを構造化することが重要です。そして、ランキングを上げるためには、適切なキーワードを選定し、質の高いコンテンツを作成することが重要です
また、Web担当者の方にとって重要なのが、Googleは正しい検索結果を提供するため、定期的にアルゴリズムをアップデートしている点です。そのため、最新のアップデートに対応することも重要です。「SEO対策に正解はない」という言葉がありますが、日々情報をアップデートをしていくことが大切です。
オウンドメディアで成功するメリット
オウンドメディアを立ち上げている、もしくは新しくオウンドメディアの担当になったものの「オウンドメディアのメリットが実はよくわからない」という方向けに、メリットをわかりやすく解説しています。
オウンドメディアが現代でこれだけ重要視されているのは、それだけオウンドメディアで成功するメリットがあるからです。主なメリットとして、以下のような点が挙げられます。
メリット | 説明 |
---|---|
情報発信力の向上 | ・自社の商品やサービス、企業理念、ビジョンなどを、自社の言葉で直接発信できる。 ・顧客とのコミュニケーションを深め、信頼関係を構築できる。 |
ブランドイメージの向上 | ・質の高いコンテンツを発信することで、自社の専門性や強みをアピールし、ブランドイメージを向上させる。 |
顧客獲得・育成 | ・オウンドメディアを通じて、潜在顧客の獲得や既存顧客の育成(ナーチャリング)が可能。 ・SEO対策により検索エンジンからの流入を増やし、より多くの顧客に情報を届けられる。・顧客との継続的な関係を構築できる。 |
費用対効果 | ・オウンドメディアは広告に比べて費用対効果が高い傾向がある。 ・コンテンツは資産として蓄積され、成功すれば費用を抑えて長期的に集客に貢献できる。 |
立ち上げの最初は投資の期間もありますが、ノウハウを身につけ成功することができれば自社の強力なプロモーションメディアとなります。オウンドメディアのメリットを最大限に活かすためには、SEO対策を施し、オウンドメディアを効果的に運用することが重要です。
コンテンツマーケティングの初期設計の重要性
コンテンツマーケティングを行ううえで、最も重要な初期設計について説明していきます。弊社でも様々な業界の方からよく相談をいただきますが「オウンドメディアで成果を出したい」という方にこの記事で最も伝えたいことがこの初期設計です。
オウンドメディアの初期設計は、その後のマーケティング成果を大きく左右する土台となります。初期設計でオウンドメディアの成果が全部決まるといっても過言ではありません。
オウンドメディア運営のゴール、つまり最終目標を明確にし、そこから逆算して必要な目標指標(KPI)を導きだし、施策(ロードマップ)を具体的に落とし込むということです。以下の図のような考え方です。
たとえば、2年後に月1000万円の売上を達成したい場合、顧客生涯価値(LTV)が20万円なら50人の顧客が必要で、仮に契約率10%とすると、500件の問い合わせを獲得する必要があります。
流入数が20,000PVでコンバージョン率(CVR)2.5%、平均検索順位10位でクリック率(CTR)5%程度が必要になる、といった計算が成り立ちます。そして、そのためには40本の記事が必要だ、という結論に至るわけです。
ゴールがない状況で「うちの会社のリソースでは3本くらいの記事が限界だからそこからはじめよう」といったスタートになると、売上を確保できず失敗しやすいです。
加えて、どのような人に情報を届けたいのか、サイト全体のテーマとターゲット層も明確にしましょう。よく社内で相談すべきところです。
サイトの方向性を決め、具体的にターゲット(年齢、性別、職業、興味関心など)を設定することで、そのユーザーに合わせたキーワード選定や記事の内容にすることができます。ターゲットを設定しない状態で記事を書くと、方向性がぶれてしまい効果的なコンテンツマーケティングはできません。
立ち上げ時期には顧客像を明らかにするために、カスタマージャーニーマップ(顧客が商品やサービスを認知し、購入・利用に至るまでの行動や思考、感情の流れを可視化したもの)の作成も重要です。
コンテンツマーケティングの成功ポイント
コンテンツマーケティングを成功させるためには初期設計が最も重要ですが、SEO対策では以下の点が重要になります。
記事のSEO対策をするためのリサーチ・効果検証をする
実際にコンテンツマーケティングを行う際、記事を作成していきますが、ただやみくもに記事を書くだけでは、効果的なSEO対策はできません。
Googleはアルゴリズムで順位を決めているので、上位表示されているコンテンツとジャンルやコンテンツの中身の傾向があっていないコンテンツで上位表示するのは難しいです。よくある失敗する例は以下の通りです。
・上位表示したいキーワードで知識や解決系のジャンルのコンテンツが上位表示されているのに、ランキング系のコンテンツを書く
・検索上位の平均文字数が5,000文字程度なのに、3,000文字でコンテンツで書く
検索上位表示されているコンテンツをよく調べ、その傾向に合わせつつ、独自性の高い記事を書いていくことが必要です。
また、一度公開した記事は効果検証も定期的に実施するようにしましょう。わかりやすいところでいえば順位チェックです。キーワードの順位チェックをして、順位が上がってこない場合は、現在の順位以上に改善するようにリライトをする必要があります。
SEOを対策する記事とクロージングをする記事の役割分担をする
コンテンツマーケティングでは、SEO対策を目的とした記事とクロージングを目的とした記事の2軸でコンテンツの役割を考えることが必要です。具体的に説明していきましょう。
・SEO対策を目的とした記事
検索エンジンからの流入を増やすことを目的とした記事です。キーワード選定に基づき、ユーザーの検索意図に沿った情報を提供します。
・クロージングをする記事
商品やサービスへの問い合わせや購入を促すことを目的とした、ファンを増やすための記事です。SEO記事で興味を持ったユーザーをコンバージョンに繋げる役割を担います。
「自社のサービスを開発した経緯」「サービスの魅力」などを、熱意をもって提供することが重要です。この記事はSEO対策の観点を持たず、自社のサービスや製品の良さを業界知識や製品知識のある方が伝えることが必要なります。
コンバージョンを増やすためには、SEO対策をした記事から、クロージングをする記事へリンクを貼ってあげると効果的です。
独自性のあるコンテンツ制作
現代のコンテンツにおいて一次情報の発信はSEO対策上でも非常に重要です。他のWebサイトにはない、専門性のある独自性の高いコンテンツを作成しましょう。オリジナルの視点を取り入れることで、ユーザーからの信頼を得やすくなります。
一次情報とは何かというと、たとえば独自の自社での調査データお客さまへのインタビュー記事、専門家による解説記事などがあります。これらを掲載することで、他のWebサイトとの差別化を図ることができます。この一次情報の発信は、外注先や生成AIなどでは完全に補完することは困難です。自社や自社サービスに精通した担当者が実施するようにしましょう。
流入数を増やすことの重要性
オウンドメディアの成功には、初期の段階では何よりも流入数を増やすことが不可欠です。クロージングを目的としたコンテンツを先に作成しても、見てもらうという段階に進みません。まずは充分な流入を確保してから、売上につなげるためのコンテンツを作り、コンバージョンを増やす調整をしていきましょう。
SEO対策を徹底しても流入数が不足する場合は、サイト外部の対策も重要です。Facebook、twitter(現X)SNSを活用した情報発信や広告出稿なども検討しましょう。流入経路を多様化することで、より多くのユーザーにWebサイトを訪問してもらうことができます。被リンクやサイテーションなどの詳しい外部対策については、以下記事で解説してます。
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SEO外部対策を徹底解説! 検索順位向上の最新戦略
コンテンツSEOとテクニカルSEO
オウンドメディアに関連するSEO対策の言葉として、コンテンツSEOとテクニカルSEOがあります。この2つの手法について、その違い等を解説していきます。どちらが重要ということではなく、双方の対策を行うことで相乗効果が高まります。
コンテンツSEO
コンテンツSEOとは、検索エンジンで上位表示されるような質の高いコンテンツを作成し、Webサイトなどのオウンドメディアへのアクセス数を増やすための施策です。キーワードを適切に含め、ユーザーにとって有益な情報を提供することが重要です。
コンテンツSEOでは、以下の点が重要になります。
ポイント | 説明 |
---|---|
ユーザーの検索意図を理解する | ユーザーがどのような情報を探しているのかを理解し、ニーズに合ったコンテンツを提供することが重要です。 |
質の高いコンテンツを作成する | ユーザーにとって有益で、信頼できる情報を提供することが重要です。 |
キーワードを適切に使用する | コンテンツに適切なキーワードを含めることで、検索エンジンがコンテンツの内容を理解しやすくなります。 |
コンテンツを定期的に更新する | 最新の情報や、ユーザーのニーズに合わせた情報を提供することで、Webサイトの価値を高めることができます。 |
テクニカルSEO
テクニカルSEOとは、Webサイトの技術的な側面を最適化することで、検索エンジンがWebサイトの内容を理解しやすくするための施策です。サイト構造や表示速度、モバイルフレンドリー性などが重要な要素となります。
テクニカルSEOでは、以下の点が重要になります。
ポイント | 説明 |
---|---|
サイト構造を最適化する | Webサイトの構造をシンプルで分かりやすくすることで、クローラーがWebサイトを巡回しやすくなります。 |
ページの表示速度を改善する | ページの表示速度が遅い場合、ユーザーがWebサイトを離れてしまう可能性があります。表示速度を改善することで、ユーザー体験を高めることができます。 |
モバイルフレンドリーに対応する | スマートフォンなどのモバイル端末でWebサイトを快適に閲覧できるように最適化することで、モバイルユーザーからのアクセスを増やすことができます。 |
セキュリティ対策を施す | HTTPS化など、セキュリティ対策を施すことで、ユーザーの安全を守り、Webサイトの信頼性を高めることができます。 |
その違いを補足すると、コンテンツSEOは、検索ユーザーのニーズに応える質の高いコンテンツを作成・最適化することで検索順位の上昇を目指します。一方、テクニカルSEOは、Webサイトの構造や技術的な側面を改善することで検索エンジンのクロール・インデックスを促進し、評価を高めることを目指します。気になる方は、以下でテクニカルSEOとコンテンツSEOの違いをさらに詳しく説明しています。
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テクニカルSEOを徹底解説! コンテンツSEOとの違いや施策成功のコツ
オウンドメディアの具体的なSEO対策方法
この項目ではより具体的なSEO対策について説明していきます。オウンドメディアの具体的なSEO対策として、以下の方法が挙げられます。
適切なキーワード選定
キーワード選定は、SEO対策の基礎となる部分です。ターゲット読者の検索意図を分析し、適切なキーワードを選定することで、より多くの潜在顧客に情報を届けることができます。キーワード選定の際には、複合キーワードや関連キーワードも視野に入れることが重要です。
キーワード選定の手順は以下の通りです。
1. ターゲットユーザーの明確化
どのようなユーザーにWebサイトを訪問してほしいのかを明確にします。
2. キーワード候補の考案(ブレインストーミング)
ターゲットユーザーがどのようなキーワードで検索するかを考え、キーワード候補をリストアップします。
3. キーワード調査ツールの活用
候補をもとに、Googleキーワードプランナーなどのツールを活用し、キーワードの検索ボリュームや競合性を調査します。
4. キーワードの絞り込み
調査結果を元に、Webサイトに合ったキーワードを絞り込みます。
1つアドバイスですが、サーチコンソールなどで、月間検索数が多いキーワードかつ、自社の訴求にあったキーワードをリサーチしましょう。ただし競合の状況を調査することは重要です。競合の強さも配慮して適切なキーワードを選びましょう。誰もが上位表示したいビッグワードは当然競合も注力しており、いきなり上位表示はできないケースがほとんどですのでロングテールのキーワードを選ぶようにすべきです。
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検索意図を満たすコンテンツ作成
Googleはユーザーの検索意図と合致するコンテンツを評価します。
そのため、キーワード選定で選んだキーワードを基に、ユーザーの疑問や課題を解決するような質の高いコンテンツを作成することが重要です。
コンテンツ作成のポイントは以下の4つです。
1.ユーザーの検索意図を意識する
コンテンツを作成する前に、ユーザーがどのような情報を探しているのかを明確にしましょう
「SEO ◯◯」といったサジェストキーワードなどからユーザーの検索意図を探ることが重要です。SEOというキーワードでは、「SEO 対策」「SEO ツール」「SEO 費用」などがサジェストワードに該当しますが、「SEO」というキーワードで上位表示するためには、SEO対策の具体的な方法やSEO対策を補助するためのツール、SEO対策にかかる費用面なども触れていくと効果的ということがわかります。共起語や関連語を調べる方法もあります。
2.オリジナルの情報を提供する
他のWebサイトにはない、独自の情報を提供することで、ユーザーの関心を引き付け、Webサイトの価値を高めることができます。ただしGoogleの上位表示で大切なのは、ユーザーが知りたい情報をすべて含めた網羅性の高いコンテンツを作ることです。
網羅性を高めたうえで独自の一次情報を入れ込み、オリジナリティのある記事にしていくことが必要です。独自性は高くても網羅性の低いコンテンツでは、結局上位表示されることはほとんどありません。自社事例など、オリジナルな実績があるコンテンツを入れたりすることが一例です。
3.分かりやすく、読みやすいコンテンツを校正する
初心者向けの記事では専門用語を避け、ユーザーにとって分かりやすい文章で書くことが重要です。句読点の使い方など、読みやすい文章を心掛けましょう。読みやすい文章は、ユーザーの滞在時間を延ばし、直帰率を減らす効果があります。
4.見出しタグを効果的に使う
見出しタグは、h2→h3→h4と階層構造で使いましょう。大きなテーマにはh2、それを細分化するごとにh3、h4とします。これは、記事の構成を整理し、読者と検索エンジン双方にとって理解しやすくなるためです。見出しタグが効率的に利用されている記事は、Googleの検索エンジンがクロールしやすく、SEO上の評価の高まる利点があります。
また、ユーザーは必ずしも記事を最初から順番に読むとは限りません。自分に関係のある情報を求め、見出しごとにスキップしながら読む ユーザーも多く存在します。そのため、各見出しの直後に要点を明確に示すことで、途中から読み始めた場合でもスムーズに理解できる ようにすることが重要です。
5.画像や動画を活用する
画像や動画を活用することで、コンテンツをより魅力的にすることができます。不必要に画像や動画を使うと表示速度の悪化も懸念されますので、むやみに利用するのではなく、「ここの説明にを伝えるのは図解画像がいい」「わかりづらいからYouTube動画へのリンクを載せよう」といったように、ユーザーにとって必要な箇所に適切なコンテンツを利用することが重要です。
ユーザー体験の最適化
ユーザー体験(UX)は、検索順位に影響を与える要素の一つです。具体的には、ページの表示速度やモバイルフレンドリー性、サイトの操作性などを改善することで、ユーザー体験を向上させることができます。
ページ体験を最適化するポイントは以下の通りです。
1.ページの表示速度を改善する
検索結果画面からページがクリックされてからのページ表示速度が遅い場合、ユーザーがWebサイトを離れてしまう可能性がとても高くなります。時間がないユーザーにとって表示速度の遅いページは大きなストレスとなります。対策として、画像の圧縮やキャッシュの利用など、表示速度を改善するための対策を講じる必要があります。まずは自社サイトの表示速度を知ることが大切で、PageSpeed Insightsを活用し速度測定をしてみることからはじめてみましょう。
2.モバイルフレンドリーに対応する
スマートフォンなどのモバイル端末でWebサイトを快適に閲覧できるように最適化しましょう。特にBtoBの会社などでは、スマートフォン対策をおろそかにしがちなケースがありますが、実際はWeb担当者などは移動中にスマホで情報収集するケースが多いです。サイトをレスポンシブデザインにしたり、画像や動画などが重いページを改善する必要があります。
3.サイトの操作性を改善する
Webサイトのナビゲーションを分かりやすくしたり、検索機能を充実させたりすることで、ユーザーが目的の情報にたどり着きやすくなります。パンくずリストを設置したり、内部リンクを改善したりする内部対策が有効です。具体的な内部対策の参考記事も貼っておきます。
関連記事
SEO内部対策を徹底解説! 対策項目21項目チェックリストも紹介
4.コンテンツの視認性を高める
フォントサイズや行間、文字色などを調整することで、コンテンツを読みやすくしましょう。配色や改行位置などに注意して見直すよいです。統一性も意識しなくてはなりません。
また、画像を用いたりオリジナリティのある図解コンテンツを盛り込むなどの工夫も必要です。「ユーザーにどうしたら伝わりやすいか」を心がけてコンテンツの見やすさを調整していくようにしましょう。
オウンドメディアにおいて重要なのが、コンテンツのリライトです。過去に作成したコンテンツも、定期的にリライトすることで検索順位を向上させることができます。
リライトの際には、情報が古くなっていないか、誤字脱字はないか、上位表示されているサイトと比較して不足しているコンテンツはないかなどを確認し、必要に応じて修正を行いましょう。
リライトのポイントをわかりやすく表にまとめましたので参考にしてください。
ポイント | 説明 |
---|---|
最新の情報に更新する | タイトルの年度が古くなっていたり、紹介しているコンテンツの内容が古くなっている場合は、最新の情報に更新しましょう。 |
表現や構成を見直す | コンテンツの表現や構成を見直し、より分かりやすく読みやすい文章にしましょう。 |
キーワードを追加する | 関連性の高い新しいキーワードを追加し網羅性を高めることで、検索エンジンからの流入を増やすことができます。 |
内部リンクを追加する | 他の関連性の高いコンテンツへの内部リンクを追加することで、ユーザーの回遊性を高めることができます。 |
また、よく悩むのが新規コンテンツかリライトをするかの判断です。判断基準の一つは、検索順位です。たとえば「SEO」というワードで上位表示したいとしましょう。
既にサイトの中に「SEO」というキーワードで上位表示されていたページがあった場合、そのページがそのキーワードに沿っているコンテンツになっているかも確認しましょう。
記事改善(リライト)で対応できそうであればその記事のリライトを行い、修正箇所が多い場合や、主要キーワードの順位に影響が出そうな場合は新規記事を作成する、といった判断基準を持つべきです。
新規記事作成は流入を増やすことに有効ですが、基本的にはリライトの方がリソース負担が少なく対策できますので、WEB担当者が対応する際はその割合を考えて判断していきましょう。
オウンドメディアのSEOで陥りやすい失敗例
オウンドメディアのSEOにおいて、よく陥りやすい失敗例をいくつか紹介します。
コンテンツテーマの一貫性欠如
Webサイト全体のコンテンツテーマは、一貫性を持つようにしましょう。オウンドメディアで扱うテーマに一貫性がないと、ユーザーは何を求めてこのサイトに訪れればいいのか分からなくなってしまいます。
テーマを明確にし、それに沿ったコンテンツを作成することで、ユーザーの期待に応え、Webサイトへのエンゲージメントを高めることができます。また、テーマを絞って書いていくことで「専門性が高いWebサイト」という判断をされ、SEO上の評価も高くなるというメリットがあります。
ユーザーの検索意図とのミスマッチ
検索意図に対応するコンテンツが不足しミスマッチが発生すると、ユーザーはすぐに他のサイトへ離れてしまいますし、そもそも上位表示することが難しいです。これはリサーチ不足に起因することが多いです。
上位表示させたいキーワードで実際に検索し、上位表示されている競合サイトのコンテンツを見て、その傾向を正しく分析することが非常に重要です。競合サイトと自社のコンテンツとの差はどこにあるのかをよく分析しましょう。
競合分析を元にユーザーがどのような情報を探しているのかを理解し、ニーズに合ったコンテンツを提供することが重要です。
競合のサイトを分析するのは膨大な作業量となりますが、SEOツールを使えば、費用がかかるものもありますがリサーチ時間の短縮ができます。
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オウンドメディアの成功事例を紹介!
オウンドメディアの成功事例をいくつか紹介します。
mercan(メルカン)
フリマアプリ「メルカリ」を提供する株式会社メルカリが運営する「mercan(メルカン)」は、採用を目的としたオウンドメディアです。社員インタビューや社内イベントの紹介など、メルカリの「今」を伝えるコンテンツが充実しており、企業文化や働く環境を求職者に伝えることで、採用のミスマッチを防ぎ、共感する人材の獲得に成功しています。
■URL
https://mercan.mercari.com/
サイボウズ式 by サイボウズ株式会社
「サイボウズ式」は、サイボウズ株式会社が運営するオウンドメディアで、「新しい価値を生み出すチームのための、コラボレーションとITの情報サイト」をコンセプトとしています。主にビジネスパーソンや働き方の効率化を検討している企業担当者をターゲットに、チームワークや働き方、生き方などに関する多彩なコンテンツを提供しています。
また、サイボウズは自社のオンラインショップ「サイボウズ商店」を運営しており、kintone関連の書籍やオリジナルグッズなどを販売しています。「サイボウズ式」は、製品の直接的なPRを行わず、読者にとって有益な情報を提供することで、企業の認知度向上やブランディングに成功した事例として知られています。
■URL
https://shop.cybozu.co.jp/
株式会社AlbaLink
株式会社AlbaLinkは、訳あり物件の買取・再生・販売を専門とする不動産企業です。同社は、オウンドメディアを活用し、SEO対策に注力することで、事業の成長を実現しています。具体的には、4つのサイトで合計約4,500本の記事を公開し、定期的なリライトやコンテンツの整理を行うことで、検索エンジンでの上位表示を達成しています。また、SEOツールを活用し、キーワード選定や記事の品質向上を図ることで、効率的なコンテンツ制作を実現しています。これらの取り組みにより、AlbaLinkはオンライン上での存在感を高め、潜在顧客からの問い合わせ増加やブランディングの強化に成功しています。
■URL
https://www.pascaljp.com/customers/case44.html
オウンドメディアの最新のSEOトレンド
音声検索への対応
現在のトレンドとして、音声検索を利用するユーザーが増加しています。そのため、音声検索に対応したコンテンツを作成することも重要になってきています。ChatGPTやGeminiなど生成AIなどの音声検索もできるようになっているので、今後主流になっていくことは間違いありません。GoogleやYahooで検索タイピングをするよりも、短時間で回答を得られることが人気になっています。
音声検索に対策するにはどうすればいいのか?という点ですが、基本的には通常の検索エンジンに対してのSEO対策を行っていくという方針で問題ありません。ただ、以下を意識していけばより音声検索に最適化することができます。
・自然な言葉遣い
音声検索では、ユーザーは自然な言葉遣いで検索を行うため、コンテンツも自然な言葉遣いで記述する必要があります。
・質問形式のコンテンツ
音声検索では、ユーザーは質問形式で検索を行うことが多いです。そのため、質問形式のコンテンツを作成することで、音声検索に対応することができます。
・地域のローカル情報を含める
音声検索では、ユーザーは「東京駅近くのレストラン」のように、地域情報を含めて検索することが多いです。そのため、コンテンツに市区町村などの地域情報を含めることで、ユーザーの音声検索に対応することができます。
生成AIを活用したコンテンツ生成
生成AIを活用したコンテンツ生成ツールも登場しています。Googleは、AIが生成したコンテンツについて、作成方法を問わず、E-E-A-Tを満たしたオリジナルのコンテンツを評価する方針を発表しています。
ChatGPTやGeminiなど生成AIの機能も日々改善されており、コンテンツ作成にあたる構成案の作成や記事ライティングの性能も非常に高くなっています。生成AIはこれらの用途だけではなく、Napkinなどの画像生成AIなども登場しています。今後数年で、WEBライティングやデザインの作業などは生成AIが行うようになる可能性もあります。
AIコンテンツについての懸念点はハレーションです。ときには情報が混乱し、誤った情報が回答されることも少なくありません。生成AIが生成した情報は二次情報なので、Aiが作成したコンテンツを人間の目でチェックすることが重要です。そうすることで、さらにAIの凄さを引き出すことができるでしょう。また、独自性のある一次情報を加える場合は、必ず自社のサービスなどの知識を持つ方が担当すべきです。
生成AIをうまく使っていくことで、オウンドメディアのコンテンツ作成のスピードやレベルが非常に高くなりますので、有効活用できるようにしましょう。
構造化データ
構造化データとは、Webページに含まれる情報を検索エンジンが理解しやすいように整理し、タグ付けすることです。HTMLに特別なコードを追加することで、ページの内容を明確に伝え、検索エンジンがその情報を効果的に利用できるようにします。
たとえば料理のレシピサイトであれば、材料、調理時間、カロリーなどの情報を構造化データとしてマークアップできます。これにより、Google検索でレシピを検索した際に、リッチリザルトと呼ばれる拡張された検索結果に表示され、ユーザーの目に留まりやすくなります。
構造化データは、リッチリザルト表示以外にも、検索エンジンのクロールとインデックスを改善し、Webサイト全体のSEOパフォーマンス向上に貢献します。
まとめ:オウンドメディアのSEO対策は初期設計が大切
オウンドメディアのSEO対策に関して説明してきましたが、オウンドメディアでコンテンツマーケティングを成功させるのに重要なことはやはり初期設計です。
初期設計でゴールとなる売上や利益をシミュレーションし、そこに至るまでのフローを逆算して考えて設計しましょう。また、記事作成後の効果検証も非常に大切で、計画からずれてしまった場合は修正するといったことが大切になります。
この記事で解説した手法やノウハウを活かして、オウンドメディアの成功を目指していきましょう!
記事の監修者
藤井 慎二郎 / 株式会社オロパス 代表取締役
SEOコンサルタントとしてBtoB、BtoC問わず、1,000社以上のWebサイトをコンサルテイングを行ってきた実績を持つ。経営軸の高い視座で戦略的にSEOを進めることが得意。
2014年に現在の株式会社オロパスを設立。それまでのSEO知見を活かしてSEOツール「パスカル」を開発。
「自社のサイトをちゃんと内部対策をしているのに検索順位が伸びない」
「具体的な内部対策の改善方法が分からない」
SEO対策に関して、このようにお悩みではありませんか?この記事では、SEOをするうえでは絶対に欠かせない、内部対策について解説しています!SEO内部対策の基本知識や実践的な内部施策、さらに最新のSEOトレンド情報が身につきます。
WEB担当者様向けのすぐに使える内部対策のチェックリストもご用意しましたので、内部対策を強化して自社サイトの競争力を高めたい方はぜひご一読ください。
この記事のポイント
- ・SEO内部対策とは、検索エンジンに自社サイトの情報を正確に伝えるための施策
- ・すぐに使える内部対策チェックリストも公開
- ・SEO内部対策は「クローラビリティ」「インデックス」「ユーザビリティ」の3施策が重要
- ・隠しリンクやクローキングなどの「ブラックハットSEO」はペナルティ行為になる
SEOの内部対策とは? 基本を押さえよう
はじめに、SEO内部対策の基本知識から解説します。SEOにおける内部対策の概要とGoogleが重視する内部要因に分けて見ていきましょう。
SEO内部対策の概要
SEO(検索エンジン最適化)の内部対策とは、Googleの検索エンジンにWebサイトを正確に読み取ってもらうために行う施策です。Webサイトの階層やタグ設定、内部リンクなどの構造を見直して最適化します
なお、内部対策に良質なコンテンツの作成を含める解釈もあります。その場合、内部構造の最適化などの技術に関する部分を「テクニカルSEO」、良質なコンテンツ作成に関する部分を「コンテンツSEO」と区別する形が一般的です。
SEO内部対策の重要性
企業によっては、コンテンツの中身のみ重視して内部対策をおろそかにするケースがあります。しかし、Webサイトの内部構造は、検索エンジンから誤解や齟齬なく正しく評価されるための基礎と言えます。
内部構造の最適化が不十分だと、どれほど良質なコンテンツを発信しても正当に評価してもらえません。実際、多数の企業様からSEOの相談をいただいている弊社の見解としては、内部対策の最適化が順位に与える影響は大きいと感じています。
たとえば、内部リンクが少ないサイトでは、クローラーがサイト内を隅々まで巡回できません。さらに、大規模サイトの場合、1つのサイトをクロールできる上限枠の「クロールバジェット」の対策も重要です。クロールバジェット対策に取り組まなければ、適切にサイトを巡回してもらえなくなる可能性があります。いずれも検索順位の上昇につながらないため、SEO施策の低迷を招くでしょう。
また、内部対策は正当な手法のみで充分な効果を期待できます。したがって、きちんと内部対策に取り組むことで、不正な手段で検索順位を上げる「ブラックハットSEO」に手を染めてペナルティを受ける危険性を回避できます。
Googleが重視する内部要因
GoogleがWebサイトを評価する際に重視する内部要因として、やはり「コンテンツの質」は大切です。検索キーワードとの関連性があり、専門性や権威性、信頼性、独自の経験といった要素が強いコンテンツは価値が高いと評価されます。こうしたコンテンツを検索エンジンに読み取ってもらうために、SEOの内部対策でクローラーの巡回しやすさである「クローラビリティ」の向上が必要です。
さらに、クローラーは読み取った情報をデータベースに記録する「インデックス」を行います。インデックス上のデータから検索結果が表示されるため、インデックスのしやすさも重要な内部施策となるわけです。
また、Googleはユーザビリティに優れた「ページエクスペリエンス」の高さも評価対象になると公表しています。ページエクスペリエンスに影響するのは、ページ表示の速さやモバイル対応の有無といった利便性の高さです。
注意点として、Googleはコンテンツの質のほうが、ページエクスペリエンスより優先されると公表しています。つまり、同じくらいの質のコンテンツ同士であれば、ページエクスペリエンスの高いほうが検索上位になると考えられます。
SEOの内部対策と外部対策の違い
SEO上の施策として、内部対策のほかに「外部対策」があります。SEO対策は内部・外部の両面から進めることで高い効果を発揮できるでしょう。ここでは、内部対策と外部対策の違いを詳しく説明します。
役割の違い
SEOの外部対策とは、Webサイトの評価を外部要因によって高めるための施策です。外部サイトからの被リンクの獲得を中心として、SNSなどのWeb上で自社について言及される「サイテーション」の増加も目指します。一
方の内部対策とは、サイト構造の最適化のように内部要因によって自社サイトの評価を高める施策です。どちらの対策も、最終的には検索結果の順位上昇を目標として実施されます。
時代による優先度の違い
SEO対策は内部対策・外部対策の双方ともに大切ですが、時代によって優先度が高い施策は異なります。これまでの変遷を振り返りましょう。
外部対策が主流の時代(2011年ごろまで)
2011年ごろまでのSEOは、外部対策が非常に重視されていました。当時の検索アルゴリズムは、被リンクが多いほど検索上位に表示される仕組みであったためです。
外部リンクの構築がSEOの主要施策となり、コンテンツの中身はそれほど重視されていませんでした。こうした理由から、被リンクの購入や大量の相互リンクなどの「ブラックハットSEO」で検索順位を上げる手段が横行していた時代でもあります。
コンテンツと内部対策の重視(2012年ごろから)
日本では2012年ごろから、Googleが検索アルゴリズムを大きく変えるアップデートが実施されました。2012年の「パンダアップデート」では、低品質なコンテンツを持つサイトの検索順位を下げるように変更しました。
さらに、同年の「ペンギンアップデート」では、質の低い被リンクや不自然なリンク操作がペナルティの対象となり、検索結果が大幅に下落する事例が相次いでSEO業界に大きな影響を与えました。
ブラックハットSEOによる外部対策のメリットが薄れたことで、コンテンツの質を重視する内部対策の優先度が高まりました。近年では、クロール最適化やページエクスペリエンス(Page Experience)といった技術的な内部対策の重要性も増しています。
注意点として、現代のSEOで外部対策の必要性がなくなったわけではありません。現在の外部施策では、ナチュラルリンクの獲得を目的とした「ホワイトハットSEO」が求められています。
SEO内部対策の目的
SEOの内部対策は、Googleの検索エンジンから正当な評価を受けることを目的としています。優れたコンテンツを制作しても、ユーザーに見つけてもらわなくては意味がありません。さらに、ユーザーがコンテンツを発見するためには、以下の流れで検索エンジンに適切な検索順位を決定してもらう必要があります。
- クローラー(Googlebot)がWebサイトを巡回して、ページ上の情報を読み取る
- 読み取った情報をデータベースに登録する「インデックス」を行う
- 検索キーワードに応じて、インデックスされたページのうち関連性が高いものを検索結果に表示する
以上の手順で検索結果が表示されるため、検索エンジンがクロールとインデックスをしやすい内部構造が重要になるわけです。そのため、SEOの内部対策は「クローラビリティ」と「インデックス」の2種類が基本となります。
さらに、補助的な役割として、ページの利便性を示す「ページエクスペリエンス」の施策も着手しましょう。
クローラビリティの内部対策
クローラビリティの内部対策を行うと、検索エンジンが自社サイト内をスムーズに巡回できるようになります。クローラーの円滑な巡回をサポートするため、次の11個の項目を実行しましょう。
1.XMLサイトマップの作成と最適化
XMLサイトマップとは、Webサイトの詳しい情報を表すファイルです。ページのURLや最終更新日、ページ同士の関係をクローラーに伝えることで、サイト全体の構造とすべてのページを的確に読み取ってもらえます。XMLサイトマップは「sitemap.xml」のXML形式のファイルで作成して、Googleサーチコンソールから送信しましょう。
なお、XMLサイトマップと似ているファイルに「HTMLサイトマップ」があります。HTMLサイトマップは、クローラーではなくユーザーがサイトの構造を見る際の目次として機能します。XMLサイトマップとは運用上の役割が違うため、混同しないようにしましょう。
2.内部リンクの強化
内部リンクとは、同じWebサイト内のページ同士をつなげるリンクです。関連性の高いページをつなげることでクローラーの巡回性が高まる上に、ユーザーにとっても使いやすいサイト設計となります。内部リンクによって関連する情報をスムーズに追えるため、回遊率や滞在時間の向上も期待できます。
内部リンクのアンカーテキストは、コンテンツを簡潔に伝える文面にしましょう。また、Googleは、クローラーはアンカーテキストを読み取って、リンク先の内容を理解していると公表しています。そのため、ユーザーとクローラーの双方にとって分かりやすいアンカーテキストが求められます。
3.パンくずリストによる階層化
パンくずリストとは、Webサイトの階層構造を示すリストです。多くの場合、以下のようにWebサイトの上部に設置・掲載されます。
TOPページ>セミナー>Webマーケティングセミナー一覧>個別ページ
パンくずリストにより、Webページの位置関係およびカテゴリーを一目で把握できるため、ユーザーは簡単に元のページに戻ったり他のページに移動したりできます。
さらに、パンくずリストで上位から下位カテゴリへとリンクのつながりを生めるため、クローラーの巡回性も増します。内部リンクの強化にも効果があるため、すべてのページにパンくずリストを設けましょう。
4.URL構造の整理
クロールを円滑にするためには、簡潔で分かりやすいURL構造が大切です。URL名を決定する際は、Googleが推奨する以下のコツを参考にしてみてください。
- シンプルな単語を使う
- ASCII(アスキー)で定義された単語のみ使う
- 単語同士はアンダースコア(_)ではなくハイフン(-)で区切る
- ディレクトリの階層を深くしすぎない
- 意味のない数字や文字の羅列を使わない
- 国ごとのドメインを使用する
また、SEO上必須の対策ではないものの、URLは英単語を使用したほうがいいでしょう。日本語も使用できますが、URLをコピーした際に無意味かつ冗長な文字列に自動でエンコードされます。ユーザビリティを損ねるため、英単語によるシンプルなURL名がおすすめです。
5.URLの正規化による重複コンテンツの解消
1つのコンテンツに対して複数のURLがある場合、正規のURLに一本化する必要があります。具体的には、「www.example.com」と「example.com」のように異なるURLでも、同じページにアクセスできてしまう状況が当てはまります。
同じく、「index.html」の有無によってURLが2種類生まれるパターンもあるでしょう。いずれにせよ、重複するコンテンツが自社サイト内に生まれてしまいます。しかし、重複するコンテンツであっても、クローラーは1つずつ巡回する仕組みです。
クロールの効率が下がることで、本来巡回してほしいページへの巡回頻度が下がる原因となります。URLを正規化する際は以下3つのうち、いずれかの方法で対応しましょう。
対応方法 | 該当する状況 | 効果 |
---|---|---|
canonicalタグの記述 | 重複ページを保持したい | 評価対象の正規URLを検索エンジンに伝える |
301リダイレクトの設定 | 不要な重複ページを廃止したい | リダイレクト元がインデックスされなくなる |
alternateタグの設置 | PC用・モバイル用サイトで個別のURLを使用している | PC用・モバイル用サイトはそれぞれコピーサイトではないと検索エンジンに伝える |
6.構造化データのマークアップ(記述)
構造化データとは、Webサイト上の情報を検索エンジンに正しく認識させるための書き方で記述されるコードです。
検索エンジンは、人間の言葉を常に正確に読み取れるわけではありません。「サービス名は〇〇」「運営会社は▲▲」と構造化データをHTMLでマークアップ(記述)することで、クローラーの補助が可能です。すばやくデータを収集させられるため、データベースへのインデックス化がスムーズになります。
加えて、構造化データは「リッチリザルト」の表示にも役立ちます。リッチリザルトとは、検索結果の画面にタイトルや説明文のほかに追加情報を記載できる機能です。たとえば、パンくずリストやFAQを表示すれば、検索結果からの集客効果アップが期待できます。
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7.更新頻度の向上
検索エンジンのクローラーがWebサイトを巡回するのは、一度だけではありません。不定期に再訪して、その都度Webサイトの内容を読み取ります。Webサイトの更新内容を早く検索結果に反映させるためには、クロール頻度の増加が重要です。
自社サイトの更新頻度を上げれば、クロールの巡回頻度も増えます。新規コンテンツの発信だけでなく、過去のコンテンツの更新もクロール増加に効果があります。当時のデータを最新の内容に変更したり、記事をリライトしたりして更新頻度を高めましょう。
8.ページネーションの設置
ページネーションとは、指定のWebページを分割してページ送りする機能です。情報量が多い記事型コンテンツや、データベース型サイトで広く使われています。ページネーションを設置すると、分割表示されているページ同士の関連性をクローラーに伝達できます。
1ページ目から2ページ目へと内部リンクがつながるため、クローラーによる円滑な巡回が可能です。また、各ページは番号順にリンクして、URLにはパラメータを設定しましょう。URLのパラメータとは、URLの末尾に追加する変数です。各ページの順番に「?page=2」などの変数を追加することで、より一層クローラーが理解しやすくなります。
9.リンク切れの対処
自社サイト内の古いページや期間限定ページを削除した場合、他のページでリンク切れが起きている可能性があります。リンク切れは、クローラーの巡回を妨げてしまいます。クローラーはサイト内のリンクを辿っていくため、リンク切れによって巡回効率が低下するわけです。
クローラビリティの悪化によりインデックスに時間がかかれば、SEO対策の成果が出るまでにかかる期間も延びてしまうでしょう。さらに、リンク切れはユーザーの利便性を阻害することから、ユーザビリティも低下させます。Googleサーチコンソールやリンク切れチェックツールを活用して、サイト内のリンクの有効性を確かめてみてください。
10.「robots.txt」による巡回不要ページの指定
robots.txt(ロボットテキスト)とは、クローラーに情報を収集されたくないページを指定するファイルです。たとえば、有料会員限定のページや未完成のページなど、クロールの必要性がないコンテンツに大して効果的です。不要な巡回を制御することで、クロールの最適化が可能になります。
注意点として、robots.txtで巡回を拒否しても、一般ユーザーのアクセスも遮断できるわけではありません。部外者のアクセスを防ぎたいページは、パスワードを設定しましょう。加えて、noindexタグを記述すると、検索結果に表示されなくなります。
なお、robots.txtの設置は必須ではありません。そもそも巡回されたくないページがない場合、クロールの制御は不要です。クロール制御の必要性が高まるのは、「中規模で更新頻度が高いサイト」または「大規模なサイト」です。詳しくは次の項目をご覧ください。
11.クロールバジェットの効率化
クロールバジェットとは、1つのWebサイトをクローラーが巡回できる上限回数の割り当てとされています。上限回数を超えるとクロールが行き届かなくなるため、適切な対処が必要です。Googleは、クロールバジェット対策が必要なサイトの規模を以下の通り示しています。
引用
大規模なサイト:重複のないページが100万以上あり、週1回程度情報が更新される
中規模なサイト:重複のないページが1万以上あり、毎日情報が更新される
引用元:Google「Google検索セントラル – 大規模なサイト所有者向けのクロール バジェット管理ガイド」
▶ 引用元を開く(別タブ)
上記の規模に該当しやすいのは、ECサイトやポータルサイトです。不要なページの削除やrobots.txtによる特定ページのクロール拒否を行って、クロールを最適化して効率的に巡回させましょう。数千ページ未満のサイトは該当しないため、クロールバジェット対策は知識として把握しておくのみで充分と言えます。
インデックスの内部対策
クローラーがWebサイトを巡回すると、収集した情報はデータベースに登録する「インデックス」を実行します。検索エンジンは、インデックスされた情報をもとに検索結果を表示する仕組みです。したがって、検索エンジンが理解できるように、自社サイトの情報を適切にインデックスさせる対策対策が不可欠です。具体的な5つの施策について、それぞれの手法を見ていきましょう。
1.タイトルへの対策キーワードの使用
ページのタイトルを示すには必ず対策キーワードを使用して、どういった検索意図を満たすのかが分かる文言に調整しましょう。検索エンジンにページの内容を伝える手段である上、ユーザーは自身が知りたい情報があるページなのかを判断できます。クリック率の向上にもつながるため、下記のポイントを意識してタイトルをつけましょう。
・30文字前後の簡潔な長さにする
・コンテンツの要所を盛り込む
・対策キーワードを繰り返さない
・対策キーワードはできる限り冒頭に含める
なお、ページタイトルを示すタグは「titleタグ」と「h1タグ」の2種類があります。titleタグは検索結果に、h1タグはページ内に表示されます。こうした表示位置の違いはありますが、どちらも同じタイトルを使用しても問題ありません。
2.見出しタグの整理
タイトルタグだけでなく、ページ本文の見出しタグを全体的に整理しましょう。タグごとに情報をまとめることで、検索エンジンとユーザーの双方ともにページの内容を理解しやすくなります。さらに、見出しタグは目次にもなるため、ボリュームが大きいページでもどこに何の情報があるのか一目で把握できます。
ユーザーは閲覧したい箇所のみピンポイントで確認できるため、ユーザビリティの向上も可能です。見出しタグを設定する際は、h2〜h6の番号順に使用します。ただし、一般的に見出しタグはh4までの使用が適切とされています。見出しを小分けしすぎるとかえって情報が伝わりづらくなるため、できる限りh5以下のタグは使わないようにしましょう。
3.メタタグの付与
メタ(meta)タグとは、検索エンジンにページの詳細情報を伝えるためのHTMLタグです。titleやnoindexがメタタグに該当し、「メタディスクリプション」や「OGP」といった種類があります。メタディスクリプションとは、ページの概要を検索結果に表示するメタタグです。適切な文章を設定することで、検索エンジンがページの内容を把握しやすくなります。
OGPとは、SNSでコンテンツが共有される際の見え方を調整できるメタタグです。サムネイル画像やタイトル、メタディスクリプションなどの情報を表示させられます。SNS経由の流入増加につながるため、多くのユーザーの興味を引くOGP設定が重要です。
4.画像のalt属性の設定
ページに画像を挿入する場合、alt属性を設定しましょう。alt(オルト)属性とは、どのような画像なのかを説明するテキストです。通信環境やデバイスの影響により画像を読み込めない場合、代わりにalt属性の文章が表示されます。検索エンジンが画像の意味やキーワードとの関連性を理解できるため、正確なインデックスに役立ちます。
加えて、画面上のテキストを合成音声化する「スクリーンリーダー」を使用する際にも、alt属性の文章が読み上げられる仕組みです。視覚障害を持つ方に画像を含めた情報を届けられるため、Webアクセシビリティを高められます。
5.正確なコーディング
コンテンツの情報をきちんとインデックスしてもらうためには、HTMLタグの正確なコーディングが基本となります。HTMLタグにある程度ミスがあっても、意味の通じるタイトルや文章、画像があれば人間は内容を理解できるものです。
しかし、検索エンジンはHTMLタグで要素が定義されていないと、コンテンツの内容を理解できません。検索エンジンにコンテンツを的確に認識してもらうためにも、HTMLの標準仕様である「HTML Living Standard」を満たすコーディングを行いましょう。HTMLチェックツールを使うと、コーディングの正確性を客観的に確認できます。
ユーザビリティ(ページエクスペリエンス)の内部対策
サイトの訪問者にとってユーザビリティが優れたページは、「ページエクスペリエンス」が高く評価されます。ページエクスペリエンスが高いページは検索結果で優位になるため、内部対策が欠かせません。効果的な5つの対策について、詳しく解説します。
1.ページ表示の高速化
ページの表示スピードの速いほど、ユーザーはストレスを感じずに知りたい情報へすばやくアクセスできます。画像・動画の圧縮や不要なコードの削除、Webブラウザのキャッシュ利用により、ページの高速化が可能です。
また、ページの速度を測る際は「コアウェブバイタル(Core Web Vitals)」を確認してみてください。コアウェブバイタルとは、Googleが2021年から導入したページの表示速度を評価する指標です。コアウェブバイタルは、以下3つの指標で構成されています。
項目 | 内容 |
---|---|
LCP | ページ内で最大データの画像や動画が表示されるまでの速度 |
INP(Interaction to Next Paint) | ユーザーの行動からページが反応するまでの速度 例:リンクボタンのクリックやタップ |
CLS(Cumulative Layout Shift) | 読み込み速度の差によるレイアウトのズレ 例:リンクをクリックしようとしたら、読み込みの遅かった広告をクリックしてしまった |
2.サイトのSSL化
SSL化とは、データ通信の内容を暗号化する仕組みです。SSL化しているWebサイトのURLは「https」から始まるため、HTTPS化とも言います。自社サイトをSSL化することで、悪質な第三者に通信内容が盗み見られるリスクを下げられます。中でも、ダウンロード資料の提供や問い合わせフォームにより個人情報を収集している場合、サイトのSSL化が必須です。
セキュリティの強化だけでなく、SEO対策としてもSSL化は重要です。
2014年にGoogleは、検索結果のランキングを決める要素として、HTTPS化しているかを含めると示しています。さらに、Googleが提供するWebブラウザ「Chrome」は、SSL化未対応サイトへのアクセス時に警告を表示するように2018年から変更しています。
自社サイトの信頼性が損なわれるため、必ずSSL化を行いましょう。近年は多くのWebサイトが開設時にSSL化していますが、古くから運用しているWebサイトはSSLに対応していないケースがよくあります。
3.モバイルフレンドリーへの対応
ページエクスペリエンスを高めるためには、スマートフォンやタブレットからも閲覧しやすい「モバイルフレンドリー」なサイト設計が大切です。総務省の「令和5年版情報通信白書」によると、インターネット利用者のうち71.2%がスマートフォンを使用しています。
PCの使用率は48.5%であるため、いかに多くの人がスマートフォンを利用しているかが分かります。
モバイルフレンドリーに対応するためには、レスポンシブデザインを導入しましょう。レスポンシブデザインとはユーザーの使用端末に合わせて、ページのレイアウトを最適化する仕組みです。端末ごとに個別のURLを作る必要がないため、コンテンツの重複問題も発生しません。
そのほか、タップしやすいサイズのボタンやリンク、ナビゲーションを格納できる「ハンバーガーメニュー」の設置もモバイルフレンドリーの対応に欠かせません。
4.カスタム404ページの作成
404ページとは、存在しないページへブラウザでアクセスした際に表示されるエラーページです。
削除・非公開にした自社のページへの被リンクが外部サイトにある場合、一定のユーザーが404ページにアクセスします。あるいは、被リンクのURL入力ミスも考えられるでしょう。ユーザーは本来、知りたいコンテンツがあって自社サイトにアクセスしています。
エラー情報に加えて目的のコンテンツを探すための手掛かりを示すことで、ユーザビリティを向上させられます。具体的には、以下のように404ページをカスタマイズしましょう。
・ユーザーが探しているページが存在しない点を伝える
・サイト内検索バーやカテゴリを案内する
・他のページとデザインを統一する
・トップページへ行けるようにパンくずリストを設ける
カスタム404ページによって他ページへ誘導できるため、回遊率の上昇も見込めます。
5.サイト内検索の追加
サイト内検索の機能を実装すれば、ユーザーは目当てのコンテンツへ効率的に辿り着けるようになります。自社サイトの利便性が上がることで、ページエクスペリエンスの向上が期待できます。検索内容からユーザーの需要が高い情報が分かるため、コンテンツ制作にも役立つでしょう。
また、ユーザーが検索機能を使う場合、裏を返せば内部リンクやパンくずリストが不十分な可能性があるとも言えます。検索された単語を分析することで、自社サイトの不備の分析と改善にも応用できます。
SEO内部対策に便利! 内部対策チェックリスト
ここまで紹介したSEO内部対策について、21項目を一覧できるチェックリストに情報をまとめます。自社サイトの内部対策に取り組む際にご活用ください。
No. | 内部対策チェックリスト |
---|---|
■ クローラビリティの内部対策 | |
1 | XMLサイトマップの作成と最適化 |
2 | 内部リンクの強化 |
3 | パンくずリストによる階層化 |
4 | URL構造の整理 |
5 | URLの正規化による重複コンテンツの解消 |
6 | 構造化データのマークアップ(記述) |
7 | 更新頻度の向上 |
8 | ページネーションの設置 |
9 | リンク切れの対処 |
10 | 「robots.txt」による巡回不要ページの指定 |
11 | クロールバジェットの効率化 |
■ インデックスの内部対策 | |
12 | タイトルへの対策キーワードの使用 |
13 | 見出しタグの整理 |
14 | メタタグの付与 |
15 | 画像のalt属性の設定 |
16 | 正確なコーディング |
■ ユーザビリティ(ページエクスペリエンス)の内部対策 | |
17 | ページ表示の高速化 |
18 | サイトのSSL化 |
19 | モバイルフレンドリーへの対応 |
20 | カスタム404ページの作成 |
21 | サイト内検索の追加 |
SEO内部対策をサポートするツール
SEOの内部対策はツールを活用することで、客観的な分析や作業の効率化が可能になります。ここでは、無料で使えるSEO内部対策向けツールを2つ紹介します。
1.Googleサーチコンソール
Googleサーチコンソール(Google Search Console)とは、無料で利用可能なWebサイト分析ツールです。自社のコンテンツに対する検索クエリを確認できる「検索パフォーマンス」や、外部・内部からの被リンク状況を一覧化した「リンク」などの機能があります。さらに、Googleの検索エンジンにサイトの構造を伝える「XMLサイトマップの送信」も行えます。
Googleサーチコンソール中でも、SEOの内部対策にとりわけ有効な機能が「カバレッジ」です。ページごとにインデックスの状況を分析して、以下の4つのステータスで評価します。
上記のうち「エラー」のページが生じた場合、本来はインデックスしたいページに問題が起きています。たとえば、サーバーエラーやrobots.txtによってインデックスが阻害されている可能性があり、すばやい対処が必要です。こうした内部対策のトラブル発見に役立つため、Googleサーチコンソールは必須のツールと言えます。多くのSEO担当者が活用している基本的なツールであるため、使い方についてもWeb上で多くの情報が見つかります。
2.Googleアナリティクス
Googleアナリティクス(Google Analytics)とは、無料で提供されておりすぐに利用開始できるアクセス解析ツールです。内部対策のうちテクニカルSEOではなく、コンテンツSEOで主に使用されています。最新バージョンである「GA4(Google Analytics 4)」では、以下の内容を解析できます。
・ユーザーの属性(地域、性別、年代)
・ユーザーの使用端末
・ユーザーの流入経路
・ユーザーの行動
これらのうちユーザーの流入経路は、外部リンク、自然検索、広告、ソーシャルメディアなどの細かなルートの確認が可能です。サイト上でのユーザーの行動も、最初に訪れたページや離脱ページ、コンバージョンの有無といったイベントが詳しく解析されます。コンバージョンは「資料請求」や「会員登録」と設定を変えられるため、自社の施策に合わせて柔軟に計測できます。
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してはいけないSEO内部対策
SEOの内部対策は、「ホワイトハットSEO」と呼ばれる正当な手法による実施が前提となります。仮に「ブラックハットSEO」に該当する不正な手法で内部対策を行ったり、正しく対応しているつもりでもブラックハットSEOに当たったりということがあると、Googleのガイドラインに違反します。
インデックスの削除や検索順位の低下といったペナルティを受けるため、ブラックハットSEOは厳禁と考えておくことが重要です。ブラックハットSEOに該当する2つの内部対策を解説するので、知らずに実行してしまわないように注意しましょう。
1.隠しテキストや隠しリンク
隠しテキストや隠しリンクとは、ユーザーが視認できないように記述された文章またはリンクです。検索エンジンのみに見えるようにSEOワードを羅列して、検索順位を不正に上げることが目的です。隠しリンクの場合、膨大な相互リンクを貼り付けている場合もあります。隠しリンクや隠しテキストは、以下のような手法でユーザーから見られないように工作します。
・白地の背景に白色のテキストで文章を書く
・CSSでユーザーから見えない箇所にテキストを配置する
・フォントサイズを0や1など極端に小さくする
・テキストの上に画像を被せる
かつては隠しテキスト・リンクで検索順位を上げられる時代もありましたが、現代ではペナルティの対象になります。
2.クローキング
クローキングとは、ユーザー用と検索エンジン用で表示するコンテンツを変える古い手法です。検索エンジンにはSEO対策を施したコンテンツを見せて、検索順位を上昇させます。ユーザーには、画像やFlashのみのエンタメ系コンテンツを表示します。画像やFLASHのみのページは検索上位を狙いづらいため、別途用意したSEO対策済みのコンテンツで検索エンジンを騙すわけです。
隠しテキストと同じく、クローキングもGoogleのガイドラインに違反します。とはいえ、古い手法なため、企業が内部対策として自ら用いるケースはほとんどないでしょう。
ただし、画像や動画が中心のコンテンツの場合、検索エンジンが読み取りづらいため意図せずクローキングと誤解される可能性がわずかにあります。画像にはalt属性を施して、動画の内容をテキストで記述するなどの対策を実施しましょう。
参考記事:Google「Google検索セントラル – Googleウェブ検索のスパムに関するポリシー」
内部対策を行う際に参考にしたい最新のSEOトレンド
内部対策を進める際は、最新のSEOトレンドを知っていると自社の施策に活かせるかもしれません。代表的なSEOトレンドを2つ紹介します。
1.モバイルSEO
モバイルSEOとは、スマートフォンによる閲覧性を高めて検索結果を向上させるための施策です。「ユーザビリティ(ページエクスペリエンス)の内部対策」の章でお伝えした通り、モバイルフレンドリーなサイト設計の重要性が高まっています。
レスポンシブデザインへの対応のほか、縦にスクロールを意識した構造やページの高速表示、タップしやすいサイズの文字といった対策が必要です。インターネットの閲覧にスマートフォンを使用するユーザーは非常に多いため、モバイル端末でも見やすいサイト作りが求められます。
2.音声検索最適化(VSO)
音声検索最適化(VSO)とは、ユーザーが音声検索を行った際に自社サイトを読み上げてもらうための取り組みです。「Siri」や「Google Home」などのスマートスピーカーの広がりにより、VSOの需要が高まっています。音声検索は通常の検索と比べると、検索クエリが会話的かつ長い傾向があります。したがって、3語以上のロングテールキーワードへの対応が求められるでしょう。
FAQのような質問形式のコンテンツがあれば、ピンポイントの質問にも対応できます。加えて、現時点のVSOは通常のSEO対策がベースとなるため、VSOを意識したコンテンツでも基本のSEO対策を怠らないことが重要です。
3.AI活用
近年、AIを活用したライティングやコンテンツ作成が普及し、SEO施策として導入する企業が増えています。特に、キーワード調査や記事の骨子作成 などでAIが活用され、内部SEO対策やコンテンツSEO作業の効率化が進んでいます。
一方で、記事作成においてですがAI生成コンテンツは検索評価が低くなるとされた時期もありました。しかし、Googleは「ユーザーに価値を提供する内容であれば、AI生成でも評価される」と明言しています。そのため、単なるAI頼りではなく、品質管理が重要になります。
AIはキーワード選定や下書きに便利ですが、人間が最終確認を行い、一次情報を加えることが不可欠です。専門知識を持つ担当者が監修し、独自の視点を加えることで、より評価されるコンテンツになります。
今後のSEOでは、AIと人間のハイブリッドなコンテンツ制作が鍵を握るといえるでしょう。
まとめ:SEO内部対策で結果を出すために
SEOの内部対策は、Googleの検索エンジンに自社サイトの正確な内容を認識してもらうという観点で行います。検索エンジンはクローラーにWebサイトを巡回させて、サイト内のコンテンツをインデックス登録します。検索結果にはインデックスした情報の中から、関連性が高い良質なコンテンツを表示する仕組みです。コンテンツの質が同程度の場合、ユーザビリティ(ページエクスペリエンス)が優れているほうを上位表示します。
そのため、内部対策では「クローラビリティ」「インデックス」「ユーザビリティ(ページエクスペリエンス)」の3つに着目した施策が重要になります。記事内に用意したチェックリストを活用して、できる項目から少しずつSEOの内部対策に取り組んでみてください。
記事の監修者
藤井 慎二郎 / 株式会社オロパス 代表取締役
SEOコンサルタントとしてBtoB、BtoC問わず、1,000社以上のWebサイトをコンサルテイングを行ってきた実績を持つ。経営軸の高い視座で戦略的にSEOを進めることが得意。
2014年に現在の株式会社オロパスを設立。それまでのSEO知見を活かしてSEOツール「パスカル」を開発。
「検索順位を上げるために外部対策を検討している」
「質の高いリンクをどう獲得すれば良いか分からない」
「外部対策が本当に効果的か不安」
SEOの外部対策に関して、このようなお悩みをお持ちではありませんか?
この記事では、外部対策の基本知識や具体的な方法を詳しく解説します。初心者や中小企業の担当者でも取り組みやすい方法を中心に紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事のポイント
- ・SEOの外部対策とは、第三者のWebサイトを活用して自社サイトのSEO評価を高める施策
- ・外部対策は主に「被リンクの獲得」と「サイテーションの増加」が重要
- ・被リンクは、一次情報によるコンテンツの作成や関連企業との相互リンクで増やす
- ・サイテーションの増加には、SNSやイベントの活用が効果的
- ・ローカルSEOでも外部対策は必須の施策
SEOにおける外部対策とは? 基本知識を理解しよう
はじめに、SEOで重要な「外部対策」の基本知識から確認しましょう。
外部対策の定義と重要性
SEOにおける外部対策とは、自社サイトのSEO評価を向上させるために外部サイトを活用する施策です。主に、外部サイトから自社サイトへ遷移する「被リンク(外部リンク)」の獲得を目指します。
有効な被リンクが増えれば、Googleの検索エンジンに「共有する価値の高い良質なコンテンツ」と評価されやすくなります。自社サイトが検索結果の上位に表示されやすくなるため、内部対策とともに外部対策にも取り組むことが重要です。
なお、SEOにおける内部対策とは、検索エンジンがWebサイト内の情報を正確に読み取れるように行う施策です。「パンくずリスト(表示中のページについての階層位置のナビゲーション)設置」や「XMLサイトマップや目次の作成」などの対策を実施して、Webサイトの構造を、検索エンジン側のアルゴリズムも踏まえつつわかりやすく整理します。
また、良質なコンテンツの制作・公開を内部対策に含む場合もあります。外部・内部の両面から対策をすることで、SEO評価のさらなる向上が可能です。
Googleが被リンク(外部リンク)を評価する仕組み
Googleの検索エンジンが被リンクを評価する際は、主に以下3つの基準を重視すると考えられています。
・被リンクの量
・被リンク元の質
・ドメイン分散
かつては、単純に被リンクの量が多いほどSEO評価が高まっていました。しかし、売買により大量の被リンクを受けるサイトが多発したため、現在では被リンクの量だけでなく「被リンク元の質」や「ドメイン分散」も重視されています。
質が高い被リンクとは、サイト運営者が自然な形で設置する「ナチュラルリンク」や、信頼性・権威性が高いサイトからの被リンクが当てはまります。自社サイトと関連性が高いサイトからの被リンクも、高く評価される傾向にあります。
2024年5月に流出したGoogleの社内文書にも、リンクの質の評価について記載されており、リンクには「blackhole document」「base document」「navboost document」の3つの質があり、特に流入数の多いページからのリンクが高く評価されることが示唆されていました。
ドメイン分散とは、多様なドメインのサイトから被リンクされている状態です。ドメイン分散が成立すると、複数の運営者から評価されているサイトと判断されます。したがって、1つのドメインのサイトから複数の被リンクを得るよりも、ドメイン分散のほうがSEOに良い影響を与えられるでしょう。
外部対策が効果を発揮するまでの期間
Googleは、SEO対策の効果が出る期間について「通常は4ヶ月から1年かかる」との見解を示してます。外部対策は被リンクの獲得が中心となるため、前提として良質なコンテンツの作成が必須です。その上で第三者から自社サイトを見つけてもらい、質の高い被リンクを地道に増やしていく必要があります。外部対策を含めたSEO対策は短期的に成果が出る取り組みではないため、結果を焦らずに内部対策とともに継続することが大切です。SEO対策の効果が出るまでの期間については、こちらでさらに詳しく解説しています。
関連記事
SEO対策で効果が出るまでにかかる時間はどれくらい?最短期間で効果を出す方法を徹底解説!
SEOに被リンク(外部リンク)は効果がない?
SEOの外部対策を進めるなかで、「被リンクは効果がない」といった意見を耳にしたことがあるかもしれません。結論から言うと、良質な被リンクの獲得であればSEOに効果があります。
Googleが2012年から2016年にかけて複数回行った「ペンギンアップデート」で検索アルゴリズムが変更され、検索順位を上げるための不正なリンクはペナルティの対象となりました。あくまで不正なリンクが評価されなくなっただけであり、良質な被リンクは高いSEO評価を受けられます。事実、Googleは以下のように被リンクの重要性を示しています。
引用
「Google 検索が成果を出し続けている理由は、何百万人ものユーザーがWebサイトに張ったリンクを参考に、どのサイトが価値のあるコンテンツを提供しているかを判断しているためです」
※2 引用:Google「Googleが掲げる10の事実」
▶ 引用元を開く(別タブ)
さらに、Googleは不正なリンクを分析して無効化する「リンクスパムアップデート」を定期的に行っています。加えて、2024年には検索アルゴリズムのコアアップデートを複数回実施していますが、良質な被リンクは依然として重要なままです。自社サイトのSEO評価を上げるためには、良質な被リンクの獲得を含めた外部対策を継続しましょう。
SEOの外部対策に取り組む前に確認すべきこと
外部対策に取り組む際は、次の2つの要素をあらかじめ確認しておきましょう。
内部対策との違いを理解する
外部対策を行う際は、内部対策との違いをあらためて認識しましょう。役割などの違いを把握していないと、施策の方向性を間違える可能性があります。具体的な違いは、以下の一覧表をご確認ください。
項目 | 外部対策 | 内部対策 |
---|---|---|
目的 | 外部サイトを活用して自社サイトのSEO評価を高める | 検索エンジンに自社サイトの情報を正しく読み取らせ、SEO評価を高める |
対象 | 外部サイトやSNS | 自社サイト |
役割 | ・被リンクの獲得 ・サイテーションの増加 |
・クローラビリティとUIの最適化 |
施策例 | ・PR活動 ・相互リンク ・コンテンツマーケティングとの連携 ・ソーシャルメディアの活用 |
・XMLサイトマップの作成 ・パンくずリストの設置 ・内部リンクの設置 ・レスポンシブデザインの導入 |
内部対策とのバランスを確認する
外部対策と内部対策は並行して進めることが重要であり、どちらかに偏ると思ったように効果を発揮できません。とはいえ、SEOの土台となるのは内部対策です。内部対策が未完成な場合、使いづらい上に情報が不十分なサイトとなってしまいます。仮にコンテンツが充実していても、検索エンジンのクローリングに対応できていなければSEOの評価につながりません。
そのため、外部対策だけを進めても、そもそもの自社サイトの品質が低ければ被リンクの獲得は困難です。これからSEO対策に着手する場合、まずは内部対策を優先するべきと言えます。ある程度内部対策を進めてから、内部・外部の対策をバランス良く進めてみてください。
SEO外部対策の種類
SEOの外部対策は、以下の3つに分類されます。
1.被リンクの獲得
ここまで解説した通り、被リンクの獲得は外部対策の中心となります。被リンクは自ら増やせるものではないため、第三者に自社サイトのリンクを貼ってもらわなくてはいけません。そのため、自社ならではのオリジナル情報の発信や、多くのユーザーに役立つコンテンツの制作が不可欠です。詳しくは次の章で解説しますが、被リンクを獲得するためには一次情報の発信や積極的なPR活動などの施策が大切になります。
2.サイテーション
サイテーションとは、SNSやブログなどのインターネット上で自社の情報が話題に上っている状態を指します。具体的には、企業名やサービス・商品名、サイト名、会社の電話番号や所在地といった自社に関する情報への言及です。Googleは、サイテーションがSEO評価を直接的に高めるとの見解は示していません。しかし、ローカルSEOにおける認知度を「視認性の高さ」と定義して、Web上の情報量の多さが影響するとしています。そのため、サイテーションの増加による知名度の向上は、間接的なSEO効果が見込めると考えられています。
参照:Google「Google のローカル検索結果のランキングを改善する方法」
3.SNSの運用
被リンク獲得やサイテーション増加を補助する役割として、SNSの運用は重要です。SNSで自社の情報を発信したりブログや動画をシェアしたりすれば、多くのユーザーへ効率的に情報を届けられます。注意点として、SNSでの被リンクは「nofollow属性」とされるため、SEOへの直接的な影響はありません。
しかし、多くの人の目に触れることで、第三者のWebサイトから自社サイトをリンクしてもらえる可能性が高まります。また、SNS上の引用や投稿によって自社に関する言及が増えれば、サイテーションの増加も見込めるでしょう。
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SEO外部対策の具体的な方法
外部対策によって被リンクを獲得したりサイテーションを増加したりするためには、具体的にどうすればいいのでしょうか。ここでは、具体的な施策を9つ紹介します。
1. 一次情報の活用
被リンクを獲得するためには、一次情報を活用した良質なコンテンツが必要です。中でも、コンテンツマーケティングに取り組んでいる場合、一次情報を組み込んだ高品質な記事の重要性が増します。
Googleはオリジナルのコンテンツを高く評価することから、他サイトとの差別化が必須となるためです。たとえば、独自の取材や統計調査、自社の事例にもとづいた記事のほか、自社のノウハウや技術に関する専門知識を伝えるコンテンツが当てはまります。
独自性が高く役に立つ情報であれば、外部サイトに被リンクとして引用してもらえることもあります。加えて、サイト運営者が自然に外部リンクを掲載する「ナチュラルリンク」になるため、良質な被リンクと検索エンジンに判断されます。
近年、AIによるコンテンツ作成も行われることが増えましたが、生成AIは二次情報をまとめた回答が多く、一次情報の発信は専門知識をもつ方自身が行うことが重要です。
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2.相互リンクの獲得
地道な活動として、相互リンクの獲得も大切な手法です。
相互リンクとは、個別の2つのWebサイトがお互いのページをリンクし合うことです。Googleはリンクの売買を禁止していますが、依頼や相談によるリンクの設置はペナルティの対象ではありません。相互リンクは、自社と関連性が高いサイトと行うことで高い効果を発揮します。たとえば、以下のようにお互いのコンテンツが追加情報として役立つ形で相互リンクを貼りましょう。
相手サイト:DX化成功事例の記事に、自社サイトのDX化コラムをリンクをしてもらう
自社サイト:メディア掲載実績の紹介ページに、相手サイトのDX化成功事例の記事をリンクする
反対に、自社と関連性が薄いサイトや低品質なサイトとむやみに相互リンクすると、SEO評価が下がるおそれがあります。相互リンクの相手はあくまで自社と近いテーマのサイトに留めて、コンテンツの関連性を意識してリンクを設置し合いましょう。
尚、相互リンクを張る際には、必ずしも1ページ対1ページの、直接的なリンク関係でなくとも構いません。異なるページ間の相互リンクであっても、SEO的に有効です。
「相互リンクは効果が薄い」といった声もありますが、相互リンクは今後もSEOをするうえでは重要となる施策です。良質なコンテンツでも、被リンクを多く獲得できるコンテンツは非常に稀です。
3.PR活動による被リンク獲得
被リンクの獲得方法として、PR活動も挙げられます。たとえば、プレスリリースで自社の商品やサービスの最新情報を発信すれば、ニュースサイトやブログからの引用が期待できます。プレスリリース配信サービスに掲載すれば、サイテーションの増加にもつながるでしょう。
複数の会社が関わる内容であれば、共同プレスリリースを発表しましょう。相手企業のサイトから被リンクをもらえる上に、接点のないユーザーへリーチできるため自社サイトのアクセス増加が期待できます。
4.パートナー企業との協力
自社のパートナー企業と協力して、被リンクを生む方法もあります。具体的には、記事を共同執筆してお互いのWebサイトに掲載すれば、相互リンクの獲得が可能です。
また、自社の製品・サービスを導入した取引先へのインタビュー記事の作成もおすすめの方法です。取引先のWebサイトに「〇〇社による弊社の取材記事が公開されました」と情報を発信してもらえれば、自社サイトへのリンクを獲得できます。SEO上の外部対策だけでなく、導入事例の情報発信によるマーケティング効果も得られるでしょう。
そのほか、関連企業への寄稿やボランティア団体へ協賛・支援といったコラボレーション方法でも、それぞれのWebサイトにリンクを貼ってもらえます。
5.ソーシャルメディアの活用
ソーシャルメディアの利用が普及した現代において、動画共有サービスやSNSは欠かせません。ソーシャルメディアでコンテンツを投稿すれば、自社サイトのみに掲載するよりも多くのユーザーに情報を届けられます。直接的に被リンクを獲得できるわけではない一方で、サイテーションの増加による外部対策が可能です。加えて、自社サイトのコンテンツをSNSにシェアしてもらうために、わかりやすい位置に共有ボタンを設置しましょう。共有ボタンがあれば、ユーザーはワンクリックでSNSにコンテンツを紹介できます。
6.イベントの主催
イベントの主催や参加も、おすすめの外部対策です。オフラインのイベントやセミナー・ウェビナーの主催を告知することで、被リンクの獲得が見込めます。
また、SNSやブログでイベントについて参加者に言及してもらえれば、サイテーションの向上にもなります。例として製品の無料体験のイベントならば、製品を使用した感想をSNSに投稿してくれる可能性があります。
ブログであれば、被リンクを設置した上で記事を公開してもらえるかもしれません。イベントやセミナーを告知する際は、プレスリリース配信サービスやメルマガを活用して拡散効果を高めましょう。他社との共同開催の場合、相互リンクも可能です。
7.利便性の高いツールや資料の提供
ビジネスや日常生活に役立つツールをダウンロードして使えるように提供すると、第三者のWebサイトにリンクを貼ってもらいやすくなります。
たとえば、議事録やお客様アンケートのテンプレート、状況に応じたビジネス文書のひな形が挙げられます。企業サイトや個人ブログに紹介されることで、被リンクを積み重ねられるでしょう。さらに、役立つ資料として「インフォグラフィック」の作成・掲載もおすすめです。
インフォグラフィックとは、複雑なデータや情報をわかりやすくイラストやグラフで表現したものです。インフォグラフィックの作成は手間がかかるため、自社で用意することで外部サイトからの被リンクが期待できます。
8.サイテーションの紐付け
Web上に散見される自社に関するサイテーションを紐づけるためには、以下3つの手段によってGoogleの検索エンジンに正確な情報を伝える必要があります。
・NAP情報の表記を統一する
・Googleビジネスプロフィールに登録する
・構造化マークアップを実施する
NAP情報とは、「Name(会社名やサービス名)」「Address(本社や支店の所在地)」「Phone(電話番号)」の略称です。検索エンジンは、固有のサービスや会社名を紐づける際にNAP情報を参照します。一方、Googleビジネスプロフィールとは、Googleマップや検索結果に企業情報を表示する管理ツールです。Web上のサイテーションを自社に集約させるため、統一したNAP情報を登録しましょう。
さらに、構造化マークアップとは、検索エンジンが情報を正確に読み取るためのコードです。構造化マークアップを行うことで、「会社名は〇〇」「サービス名は△△」と検索エンジンが正しい情報を認識できます。
9.その他の対策
サイテーションをさらに増加するために、次のような細かな対策も求められます。
・自社のサイトやサービス・商品の名称はシンプルにする
・OGPを設定する
・ポータルサイトに登録する
SNSなどで自社に関して投稿してもらうためには、覚えやすいシンプルな名称が適しています。SNSに自社のURLがシェアされた際に表示される「OGP」も設定しましょう。わかりやすいタイトルや画像、要約を表示させれば、アクセスの増加が見込めます。
ポータルサイトとは、さまざまなWebサイトへの入口となる巨大サイトを指します。たとえば、Yahoo! JAPANはニュースやコラムといった多様なサイトへつながる総合型ポータルサイトです。総合型のほか、自社と関連する専門型や地域型のポータルサイトに登録すれば、認知拡大によるサイテーションの獲得が見込めます。
SEO外部対策に伴うリスクとその回避策
SEOの外部対策は必須の施策と言えますが、誤ったやり方で進めると大きなリスクに直面するおそれがあります。
外部対策でリスクが高まる要因
外部対策の内容によっては、Googleからの評価が著しく下がる危険性があります。具体例として、以下の要因が挙げられます。
・購入した被リンク
・過剰な相互リンクやリンクファームからの被リンク
・低品質または悪質なサイトからの被リンク
Googleは、売買で得た被リンクや過剰な相互リンクは、リンクスパムに該当すると公表しています。また、膨大なサイト間で相互リンクを行う「リンクファーム」からの被リンクも、評価が下がる一因になり得ます。さらに、コピーコンテンツを扱う低品質なサイトや、違法コンテンツを掲載する悪質なサイトからの被リンクも評価を下げかねません。
Googleペナルティを受けないためのポイント
Googleからペナルティを受けたり、評価を下げられたりしないためには以下のポイントを心がけましょう。
・被リンクを購入しない
・自社と関連するサイトのみと相互リンクする
・Googleサーチコンソールのリンク否認機能を使用する
・ワードサラダなどの低品質なコンテンツで、リンクを自作自演しない
悪質なWebサイトから被リンクされてしまった場合、Googleサーチコンソールのリンクの否認機能を使いましょう。良質な被リンクを間違って否認しないよう、使用時は充分な精査が必要になります。
一方、ワードサラダとは、自動生成された支離滅裂なテキストです。かつて、ワードサラダで大量に生成したページから自社サイトへの被リンクを自作自演して、検索順位を上げる行為が多発していました。現在ではリンクスパムとして見なされるため、悪質な被リンクの自作自演は絶対にしてはいけません。高品質なコンテンツや情報を発信することで、良質な被リンクの獲得につながります。
過去の事例から学ぶリスク回避
2017年にGoogleは日本語サイト限定で、低品質なWebサイトの検索順位を大幅に下げるアップデートを実施しています。当時、日本では不確かな情報を掲載する医療系キュレーションサイトが問題視されていました。Googleはアップデートの際に、以下のように明言しています。
引用
「今回のアップデートにより、ユーザーに有用で信頼できる情報を提供することよりも、検索結果のより上位に自ページを表示させることに主眼を置く、品質の低いサイトの順位が下がります」
引用元:Google「日本語検索の品質向上にむけて」
▶ 引用元を開く(別タブ)
Googleが直接名指ししたわけではないものの、低品質なキュレーションサイト対策としてアップデートを実施したと考えられています。SEOの外部対策は良質なコンテンツがあってこそ活きる点を忘れず、正当な手段で被リンクの獲得やサイテーションの増加を目指しましょう。
ローカルSEOと外部対策の連携方法
ローカルSEOとは、特定の地域における検索上位を狙うSEO対策です。たとえば、「新宿 美容室」「横浜 弁護士」のように、特定の「地域名+サービス名」による検索時に自社の店舗や事業所が優先的に表示されるように対策します。ローカルSEOにおいても、外部対策は重要な施策です。ここでは、ローカルSEOと外部対策の連携方法を解説します。
1.地域性が高いWebサイトで紹介してもらう
特定の地域に特化したWebサイトへの情報掲載や被リンクの獲得により、自社と該当地域の関連性を高められます。地域型ポータルサイトに登録すれば、自社サービスの紹介だけでなく被リンクも設置してもらえる場合があります。同じように、ローカルニュースサイトやローカルイベントサイトからの被リンクを獲得できれば、さらに該当地域における知名度を高められるでしょう。
2.Web広告でユーザーの地域を指定する
Web広告は、広告の表示設定を細かく定義できます。たとえば、検索結果に表示される「リスティング広告」では、「新宿 美容室」と検索したユーザーのみに自社サイトへの誘導広告を表示するように設定できます。ユーザーの属性にもとづいて表示する「ターゲティング広告」の場合、新宿付近からネットへ接続しているユーザーのみへ広告表示が可能です。以上のように自社サイトが該当地域に関連するユーザーに多く閲覧されている状況を作ると、地域に関連した検索キーワードで上位表示されやすくなります。
3.ソーシャルメディアで地域に特化した内容を投稿する
SNSなどのソーシャルメディアで地域に特化した内容を投稿すると、その地域付近に関心があるユーザーの目に留まります。ソーシャルメディアの投稿を通じてサイテーション増加が見込める上、自社サイトへの流入経路としても役立ちます。また、Googleレビューの実績(投稿数とスコア)も自社の知名度を高めるため、検索順位の上昇に効果的です。店頭に口コミ投稿方法のポップやチラシ、QRコードを設置したり、口コミに返信したりして、ユーザーがレビューを投稿しやすい環境作りをしましょう。
SEO外部対策は継続性が重要
SEOの施策は内部対策のみに目がいきがちですが、外部対策の継続も重要です。外部対策には、トレンドの施策があるわけではありません。被リンクの獲得とサイテーションの増加を目指す対策が基本となるため、地道に続けることが大切になります。
有用なコンテンツを提供して引用・紹介されれば、後から被リンクを外されるケースは少ないと考えられます。多様なウェブサイトからの被リンクを積み重ねていくことで、自社の外部対策を強固にできるでしょう。
加えて、SNSやブログ、ニュースサイトなどの媒体で自社への言及を増やすと、サイテーションの増加に必要なWeb上の情報を充実させられます。外部対策は短期的に成果を挙げられる施策ではないため、堅実な取り組みが求められます。
まとめ
SEOにおける外部対策とは、第三者のサイトを活用して自社サイトの評価を高めるための施策です。外部サイトから自社サイトへ向けられる「被リンク」の獲得と、Web上で自社について言及される「サイテーション」の増加を目的とします。
被リンクの獲得には、一次情報を活用したコンテンツの作成やパートナー企業との相互リンクといった取り組みが効果的です。一方、サイテーションを増やすためには、はじめにNAP情報の統一やGoogleビジネスプロフィールへの登録が必要です。その上で、SNSやイベントを活用して、自社の知名度を高めましょう。こうした外部対策に着手することで、自社サイトの検索順位の上昇が可能になります。
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記事の監修者
藤井 慎二郎 / 株式会社オロパス 代表取締役
SEOコンサルタントとしてBtoB、BtoC問わず、1,000社以上のWebサイトをコンサルテイングを行ってきた実績を持つ。経営軸の高い視座で戦略的にSEOを進めることが得意。
2014年に現在の株式会社オロパスを設立。それまでのSEO知見を活かしてSEOツール「パスカル」を開発。
「自社サイトの表示速度(サイトスピード)が遅い」「検索順位が思うように上がらない」
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このような悩みをお持ちではありませんか?
本記事ではテクニカルSEOに焦点を当て、具体的な活用方法や、日本国内の導入事例、課題などについて詳しく解説します。この記事を読むことで、以下の成果が期待できます。
・サイトの技術的な課題を特定し、HTMLタグや属性の修正を通じて改善する方法がわかる
・大規模サイトでの成功条件を理解し、戦略的にアプローチできる
・テクニカルSEO施策の実施項目を一覧化して優先順位を明確にし、効率的に進められる
・日本市場での導入状況を知り、次のアクションを計画できる
テクニカルSEOとコンテンツSEOの違いや取り組み方もわかると思いますので、ぜひ最後までお読みください!
この記事のポイント
- ・テクニカルSEOは内部SEOの一部であり、検索エンジンのクロールやインデックスを最適化する施策
- ・テクニカルSEOによって技術基盤を整備し、コンテンツSEOと組み合わせることで最大限の効果を発揮する
- ・テクニカルSEOは大規模サイトでは効果的だが、小規模サイトでは比較的重要性が低い
- ・具体的なテクニカルSEO施策とツールの活用方法をご紹介
テクニカルSEOとは? 基本の理解
「テクニカルSEO」とは、サイトの検索順位、つまり検索結果画面にリストアップされる順位を向上するために行う、SEO対策の一種です。
主に検索エンジン側のWebクロール、インデックスといった技術的仕様を踏まえて実施する施策であるため、テクニカルSEOと呼ばれています。
まずはこのテクニカルSEOについて、基本的な知識を解説します。
テクニカルSEOの定義と重要性
SEO施策では、自社サイトそのものを対象とする「内部SEO対策」と、外部からの評価を高める「外部SEO対策」を、状況に応じて組み合わせることが重要です。
テクニカルSEOは内部SEOの一部に該当し、サイトの技術的な側面を最適化することで、検索エンジンがWebサイトを効率的にクロールし、インデックスできるように環境を構築する施策を指します。
こうした対応を行うべき大きな理由の一つとして、クロールバジェットの最適化があります。Googleは常に世界中の膨大なWebサイトをクロールしているため、一つひとつのサイトにかけられるクロールリソースには限りがあります。この限りのことを一般的に「クロールバジェット」と呼んでいます。
テクニカルSEOでサイトを最適化することによって、クロールリソースを少しでも多く自社サイトの発信したいコンテンツにかけてもらい、またその限られたリソース内でなるべくサイト情報を効率的に、正しく収集してもらうことを目指すというわけです。
また、近年の検索エンジンアルゴリズムでは、UX(ユーザーエクスペリエンス)が重視される傾向が強まっており、技術的な問題がユーザー体験に与える影響も注目されています。
ページの読み込み速度が遅い、リンク切れが多い、モバイル対応が不十分で上下左右にスクロールしなければならない、といった仕組み上の課題があると、ユーザーの満足度が低下し、結果として検索順位にも悪影響を及ぼします。そのため、テクニカルSEOは、ユーザー体験の向上と上位表示を両立させるための重要施策といえます。
テクニカルSEOの一般的な認識と実際の用途
多くの企業やウェブ担当者は、テクニカルSEOを「metaタグの書き方」や「ページ速度の向上」といった単発的な作業として認識しがちです。
しかし、テクニカルSEOの本質は、これらの施策を通じてサイト全体の技術基盤を正しく整備し、長期的にスケーラブルなSEO効果を生み出す点にあります。
たとえば、1万ページ以上の大規模ECサイトでは、商品ページごとの内部リンク構造や、共通モジュール化されたmetaタグの一括修正が、全体の検索順位に大きな影響を与えます。このような場合、単一の施策が数千ページ以上に波及し、結果的にトラフィックや収益の向上を実現する可能性が高いのです。
一方、100ページ以内の小規模サイトでは、テクニカルSEOによる効果が限定的で、コストに見合わない場合も少なくありません。手作業でaltタグを最適化しても、競合の外部要因やリンク戦略の方が順位に影響を与える場合が多いのです。
つまりは、大規模なサイトが最もテクニカルSEOの成果がでやすいです。
このような状況では、サイト速度の改善やモバイルフレンドリー対応など、ユーザー体験に直結する施策を優先的に行い、費用対効果を高めるのがよいでしょう。
テクニカルSEOとコンテンツSEOの違い
テクニカルSEOとコンテンツSEOは、SEO戦略を構築する上で重要な2つの柱です。各施策の目的やアプローチは異なりますが、相互に補完し合うことで大きな効果を発揮します。
テクニカルSEOは、検索エンジンがWebサイトを効率的にクロール・インデックスできる技術的な基盤を整える施策です。
主な施策としては、「サイトマップの生成」「HTTPS化」「ページ速度の改善」などが挙げられます。主に検索エンジンがサイトを迅速かつ正確に認識できるように、そして訪問ユーザーに快適な体験を提供できるように環境を整えることを目的としています。
対してコンテンツSEOは、ユーザーの検索意図を満たす質の高い記事や動画コンテンツを作成し、サイト価値を高める施策です。主に、ユーザーニーズに応える形で情報を提供することで、検索エンジンのアルゴリズムから評価されることを目指します。最終目標としては、ユーザーに無料相談や資料ダウンロード、セミナー参加といったコンバージョン行動を起こしてもらうことが挙げられます。
これら2つの施策は、どちらか単独で行うよりも、組み合わせることで相乗効果を発揮します。
たとえば、テクニカルSEOでページ速度を改善すれば、コンテンツSEOによる質の高い記事が最後まで読まれる可能性が高まり、結果的にユーザーエンゲージメントが向上します。
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テクニカルSEOのメリット
以下では、テクニカルSEOの主なメリットを解説します。
1. クロールとインデックス効率の向上
検索エンジンはWebサイトを見つけ、クロールし、その情報をインデックスすることで検索結果に反映します。
このインデックスまでのプロセスが迅速であるほど、公開したコンテンツが検索結果に表示されるまでの時間を短縮できます。しかし、現代では膨大なコンテンツが存在するため、適切な対策を講じなければインデックスされないケースも珍しくありません。
テクニカルSEOを講じることで、新たに公開したコンテンツや更新内容が迅速にインデックスされ、検索順位への反映も早まります。
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2. ユーザーエクスペリエンス(UX)の改善
ユーザーエクスペリエンスの改善は、SEOにおいて重要な要素であり、特にページ速度やモバイルフレンドリーな設計といった技術的な最適化が鍵となります。これらの改善は、ユーザーの離脱率を下げるだけでなく、検索順位にも直接的にポジティブな影響をもたらします。
ページ表示速度の改善は顕著な効果をもたらす施策です。
Googleの調査によれば、ページ読み込み速度が1秒から3秒に遅延すると離脱率は32%増加し、1秒から5秒になるとその数値は90%に達するとされています。
つまり、ページ読み込みに時間がかかるほど、ユーザーはコンテンツにたどり着く前に離脱してしまう可能性が高くなるのです。ページ速度を改善すれば、ユーザーがコンテンツを読む前に離脱する確率を大幅に低下させ、滞在時間やCVRが向上します。
3. 検索エンジンからの信頼性向上
HTTPS化や構造化データの実装などの施策は、検索エンジンがサイトを「安全で信頼できる」と判断するひとつの要因となります。GoogleはHTTPS(暗号化通信)をランキング要因として公式に認めており、セキュリティ向上が検索順位にプラスの影響を及ぼします。
さらに、構造化データを上手に活用することで、検索結果にリッチスニペット(レビュー、価格、イベント情報など)を表示させ、CTRを向上させることも可能です。
4. 長期間にわたる成果
テクニカルSEOは、一度しっかりと実施すれば、その効果が長期間持続します。
初期段階での投資や労力は必要ですが、構築された基盤が持続可能なSEO環境を提供し、新たなコンテンツの追加やサイトの拡張にも柔軟に対応することが可能です。
たとえば、URLの正規化を適切に設定しておくと、検索エンジンが正しいURLを認識し、インデックスの重複や順位分散の問題を回避できます。このように、SEO効果がサイト全体に波及しやすくなるのがテクニカルSEOの強みです。
テクニカルSEOのデメリット
テクニカルSEOには多くのメリットがある一方で、導入や運用においていくつかの課題や制約も存在します。以下では、代表的なデメリットを解説します。
1. 専門知識と技術の必要性
テクニカルSEOの実施には高度な専門知識が必要です。
HTMLやCSS、JavaScriptなどのWeb技術に加え、Webサーバーの設定やクロールバジェットの効率化といった専門的なスキルが求められます。これにより、社内に専門人材がいない場合には、外部のコンサルタントや代理店に依頼する必要が生じ、追加コストが発生します。
たとえば古いCMSを使用している企業では、修正を実施するためにシステム全体の見直しが必要になる可能性もあるでしょう。
2. 小規模サイトでは効果が限定的
100ページ未満の小規模なサイトでは、クロール効率の改善やタグの最適化を行っても、検索順位やトラフィックへの影響が比較的小さくなってしまう傾向にあります。
そのため、こうしたサイトでは、すべての施策を一度に実施するのではなく、特に効果が期待できる施策に優先的に取り組むことが重要です。
モバイルフレンドリー対応やページ速度の改善といったユーザーエクスペリエンスに直結する部分を強化することで、コストに見合った成果を得やすくなります。
3. コストと時間の負担
テクニカルSEOは、時間とコストがかかります。
大規模なサイト構造の見直しやタグ修正は、短期間で終わるものではありません。とくに、サイト全体の構造を見直す必要がある場合、プロジェクトが数カ月に及ぶこともあります。
このような場合は、すべての修正を一度に行おうとせず、影響範囲の大きい部分から優先的に取り組み、スムーズな進行を目指す必要があります。
テクニカルSEOが有効な条件
テクニカルSEOはすべてのサイトにおいて効果を発揮するわけではなく、その有効性はサイトの規模や構造、運営する業種などの条件に左右されます。ここでは、大規模サイトでの成功要因と小規模サイトでの課題について詳しく解説します。
大規模サイトではテクニカルSEOの成功がしやすい
テクニカルSEOは、AmazonなどのECサイトや求人情報サイトのような1万ページから10万ページ規模の大規模サイト向けの施策です。
その理由は、サイトの全体構造を整備することで、検索エンジンが効率的に情報収集できる環境を作り、結果的に検索順位の向上やトラフィック増加を促進するためです。さらに、ユーザーが目的のページに迅速にアクセスできるようになることで、体験価値も向上し、サイト全体の信頼性や評価が高まります。
たとえば、内部リンクの最適化は大規模サイトにおいて不可欠な施策です。カテゴリーページと商品サービスページのリンクを整理することで、ユーザーが探している情報や商品にスムーズにたどり着けるようになります。同時に、検索エンジンも重要なページを効率的に特定・インデックスできるため、SEO効果が高まります。
また、大規模サイトでは、テンプレート化されたページ構成を活用することで、タグやデータの効率的な管理が可能です。商品ページ全体で共通して使用しているメタディスクリプションファイルを一括修正すれば、全ページのクリック率を短期間で向上させられます。
さらに、テンプレートを「共通部分」と「個別部分」に分けて管理することで、全体の一貫性を保ちながら、必要な箇所のみをピンポイントで修正する柔軟な運用も可能です。こうした「分ける工夫」により、複雑なデータやコードの管理が簡略化され、大規模サイトの運用効率が向上します。
大規模サイトでは、一つの施策が全ページに波及するため、テクニカルSEOは検索順位や流入の向上に直結し、結果として売上や収益の増加に貢献します。
小規模サイトの課題
100ページ未満の小規模Webサイトでは、テクニカルSEOの効果が限定的になることが多いです。その主な理由は、施策にかかる投資コストと得られる成果のバランスが取りにくい点にあります。
テクニカルSEOは、内部リンクの最適化やタグの修正、ページ速度の向上といった作業が中心となりますが、小規模サイトではこれらに要するコストや手間に対して、SEOへの影響が比較的限定的となります。
競合が少ないニッチ分野では、テクニカルSEOよりもコンテンツSEOやローカルSEOにリソースを割いたほうが効果的なケースもあります。さらに、小規模サイトでは検索順位が外部要因に大きく左右されるという課題も考えられます。
競合サイトの新規参入や外部リンクの影響、さらにはGoogleのアルゴリズム変更などが順位変動の大きな原因となることが多く、内部改善だけでこれをコントロールするのは困難です。たとえば、競合が質の高いコンテンツを公開した場合、テクニカルSEOによる内部施策だけでは追いつくのが困難でしょう。
小規模サイトでは、費用対効果を意識した戦略的な取り組みが重要です。
サイト速度の向上やモバイルフレンドリー対応といったユーザー体験に直結する施策に重点を置くことで、比較的少ないリソースで一定の成果を得られます。また、内部リンクやタグの修正に関しても、すべてを網羅的に行うのではなく、重要なページやセクションに絞って実施し、効果を最大化しながらコストを抑えるようにしましょう。
テクニカルSEOの課題と現状
テクニカルSEOは、Amazonなどの大規模サイトで有効性が高い施策として注目されていますが、日本国内では導入率が低く、課題が山積しています。その背景には、専門知識を持つ人材や企業の不足、成功事例の少なさ、コスト対効果の不明瞭さなどがあります。
ここでは、国内の現状と課題、さらに成功のための条件についてわかりやすく解説します。
日本国内での課題
テクニカルSEOを導入するには、HTMLやCSS、JavaScript、Googleサーチコンソールを活用したデータ分析能力が求められます。しかし、こうした知識を持つ専門家の育成が進んでいないため、外部のコンサルティング会社に依頼せざるを得ない企業が多いのが現状で、導入企業が少ない要因ともいえます。
さらに、日本国内では成功事例の情報が限られており、データベース型のECサイトや求人情報サイトのような分野での具体的な取り組みやノウハウが共有されていません。
また、小規模サイトにおいては、テクニカルSEOの費用対効果が低くなる傾向があります。必要なリソースを確保するのが難しく、施策を途中で断念するケースも見受けられます。
テクニカルSEOの成功に必要な条件
テクニカルSEOを成功させるには、サイト規模に応じた戦略的なアプローチが必要です。
まず、大規模サイトの場合、膨大なページ数を効率的に管理し、全体に効果を波及させる施策が求められます。具体的には、以下のような施策です。
・内部リンク最適化でクローリングの効率化
・共通テンプレートやタグの一括修正
一方、小規模サイトでは効果が出づらい側面もありますが、コストやリソースの制約を考慮しつつ、成果に直結する施策を優先するとよいでしょう。ページ速度の改善、レスポンシブデザインの採用、重要ページへの内部リンク設置などです。
このように、サイト規模に応じた適切な施策を選定することで、限られたリソースでも効果的な結果を得られます。
テクニカルSEOの具体的な施策:インデックス編
ここでは、検索エンジンがサイトを正確かつ効率的にインデックスできる環境を構築する施策を見ていきましょう。
1. 重複コンテンツ
重複コンテンツ管理は、テクニカルSEOの基本施策です。
重複コンテンツとは、同一または類似した内容を持つ複数のURLが存在する状態を意味し、検索エンジンがどのURLを優先的にインデックスするべきか迷う原因となります。
この問題を解決するためには、canonicalタグで正規URLを指定する、Googleサーチコンソールを活用してURLパラメータを制御する、または301リダイレクトを設定して重複を回避するといった方法が有効です。
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タイトルタグの重複をウェブマスターツールでみつける
2. title・meta description・見出しの改善
titleタグやmeta description、見出しは、ページ内容を検索エンジンに正確に伝える役割を担います。
たとえば、titleタグにはページごとに独自タイトルを設定し、ターゲットキーワードを自然に含めることで、検索順位とクリック率の向上を見込めます。
meta descriptionは検索結果で表示されるため、120文字程度など一度に読みやすい文字数で、思わずクリックしたくなる要約文を設定しておきましょう。また、見出しタグを使用してページの階層構造を整理することで、サイトを訪れるユーザーにも、検索エンジンにも分かりやすいコンテンツ作成が可能です。
3. アンカーテキストの貼り方の改善
アンカーテキストとは、Webページ内のリンクに設定されている、クリック可能なテキスト部分を指します。
リンクテキストには、リンク先の内容を具体的に示す説明的な言葉を用いることで、ユーザーがリンク先の情報を予測しやすくなるだけでなく、検索エンジンもリンクの関連性をより正確に評価できます。
また、リンクの配置も重要です。ユーザーがアクセスしやすい位置に配置することで、コンテンツ全体の回遊性が向上します。
テクニカルSEOの具体的な施策:クローラー編
ここでは、検索エンジンのクローラーがサイトを効率的にクロールできるようにする施策を解説します。
1. サイトスピード(表示速度)の向上
ページ読み込み速度が遅いと、ユーザーの離脱率が増加するだけでなく、Googleがガイドラインで明言するランキング要因にも影響します。具体的には、画像の最適化やキャッシュ活用、JavaScriptやCSSの圧縮、さらにはコンテンツ配信ネットワーク(CDN)の導入が有効です。
2. 内部リンク構造の最適化
内部リンク構造の最適化は、クローラーがサイト全体を効率的に巡回するための基本です。
XMLサイトマップをGoogleサーチコンソールに登録して、重要ページをクローラーに認識させましょう。また、パンくずリストを導入することで、ユーザーとクローラーの両方にサイト構造を明示できます。
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内部リンク構造を最適化するには
3. クロールバジェットの効率化
クロールバジェットとは、検索エンジン側が各サイトに割り当てるクロールリソースのことです。
限られたクロールバジェットを不要なページに浪費せず、優先度の高いページに集中させれば、重要コンテンツが迅速にインデックスされ、検索順位への反映が早まります。
まずはrobots.txtを活用し、クロール不要なページを指定しましょう。また、noindexタグを使って、インデックス化が不要なページ(古いキャンペーンページや重複コンテンツなど)を対象外とすることで、検索エンジンのインデックスデータベースを整理することが可能です。
さらに、重要ページにアクセスしやすい内部リンク設計をすれば、クローラーが迷うことなく優先ページに到達できるようになります。
4. モバイルフレンドリーな設計
モバイルフレンドリーな設計は、Googleのモバイルファーストインデックスの採用により必須となっています。レスポンシブデザインを採用し、タッチ操作しやすいUIやモバイル速度の最適化を施すことで、モバイルユーザーの利便性を向上させます。
5. URLの正規化(HTTPSとセキュリティの向上)
URLの正規化とHTTPS化は、検索エンジンに正しい情報を伝えると同時に、サイトの信頼性とセキュリティを向上させる重要施策です。
URLの正規化では、canonicalタグを使用して、検索エンジンに正規のURLを明示しましょう。
たとえば、「https://example.com」と「https://www.example.com」のように異なるURLが同じコンテンツを指している場合、canonicalタグを設定しておくことで、正しいURLを検索エンジンに伝えられます。結果、重複コンテンツによる順位の分散やクロールリソースの無駄遣いを防ぐことが可能です。
HTTPSは、データの暗号化によってユーザーとWebサイト間の通信を保護します。GoogleはHTTPSをランキング要因の一つとして公式に認めているため、HTTPS化することでSEO効果の向上も期待できます。
6. 構造化データとリッチスニペット
構造化データの導入により、検索結果にリッチスニペットを表示させられます。リッチスニペットは、検索結果内で商品の価格やレビュー評価などを視覚的に目立たせる要素であり、CTRを向上させる効果があります。
構造化データは、JSON-LD形式で記述するのが一般的です。
この形式を用いることで、商品情報、レビュー、FAQ、イベントスケジュールなど、さまざまな種類のデータを明確に検索エンジンに伝えられます。実装後は、Googleが提供するリッチリザルトテスト(参考記事:Google「リッチリザルトテスト」)を利用して、正確に設定されているかを確認しましょう。
まとめ
本記事では、テクニカルSEOの重要性と具体的な施策について詳しく解説しました。
検索エンジンがサイトを正確にクロール・インデックスできるようにすることで、検索順位の向上やユーザー体験の改善につながる点が、テクニカルSEOの大きなメリットです。
大規模サイトにおいては、内部リンク構造の最適化や構造化データの活用、テンプレート化されたタグ修正などが大きな成果をもたらします。一方、小規模サイトでは、ページ速度の改善やモバイルフレンドリー対応など、ユーザー体験に直結する施策を優先することがポイントです。
また、SEOはテクニカルSEOだけで完結するものではありません。効果的なコンテンツ制作や競合分析を含め、総合的なアプローチが必要です。SEOの成果が思うように上がらない場合は、以下の事例記事を参考にし、他社の成功事例から具体的なヒントを得てみてください。
参考記事
SEOツール「パスカル」お客様事例
記事の監修者
藤井 慎二郎 / 株式会社オロパス 代表取締役
SEOコンサルタントとしてBtoB、BtoC問わず、1,000社以上のWebサイトをコンサルテイングを行ってきた実績を持つ。経営軸の高い視座で戦略的にSEOを進めることが得意。
2014年に現在の株式会社オロパスを設立。それまでのSEO知見を活かしてSEOツール「パスカル」を開発。
WordPressは多機能なプラグインやテーマを活用できるため、SEOを効果的に実践するための土台として優れています。しかし、「プラグインが多すぎて選べない」「なぜWordPressが人気なの」といった疑問や悩みを持つ人は少なくありません。
本記事では、WordPressを使ったSEO対策の基礎から実践までを解説します。 入門者が押さえるべき基本的な設定や検索順位を上げるための効果的な方法、最新のSEOトレンドまでを網羅してご紹介しています。
これを読むことで、SEOとWordPressを理解し、成果を出すための具体的な手法を学べるはずです。
この記事のポイント
- ・WordPressは多機能なテーマやプラグインでSEO対策を効率化できるCMS
- ・プラグインを活用することで、入門者でも内部SEO対策の実施が可能
- ・プラグインは便利だが、多数導入するとページ速度の低下などを招く
- ・検索意図に沿った「独自性のある」コンテンツ制作も重要
- ・生成AIを活用した最新のSEO対策もご紹介
WordPressでSEO対策を始める前に知っておきたい基礎知識
SEO対策が不十分だと、どんなに良いコンテンツを作ってもユーザーの目に触れる機会を逃してしまいます。そこで重要なのが、SEOの基本を理解し、適切な施策を行うことです。
まずはSEOの基本概念とWordPressの普及率を見ていきましょう。
SEOの基本概念と重要性
SEO(Search Engine Optimization)とは、日本語で「検索エンジンへの最適化」を意味し、GoogleやYahoo!といった検索エンジンでWebサイトを上位表示させるための施策を指します。
なぜSEOが重要なのでしょうか? その理由を3つに分けて解説します。
長期的な集客効果が得られる
1つ目の理由は、長期的な集客効果を得られることです。SEOは即効性がある手法ではなく、結果が出るまでに時間がかかりますが、一度上位表示されると長期的に安定した集客を実現できます。
リスティング広告やSNS広告のように宣伝のための他社への支払いにコストをかけ続ける必要がなく、良質なコンテンツを継続的に発信することで、資産としての価値が蓄積される仕組みです。言い換えれば、SEOは「積み立て投資」のようなもの。時間をかけて取り組むほど、持続的な成果を期待できます。
広告依存を減らせる
2つ目は、広告への依存を減らす効果があることです。
リスティング広告やSNS広告は即効性が高い反面、クリックされるたびにコストが発生する性質上、予算の制約に大きく影響されます。とくに、広告予算の確保が厳しくなった場合には広告の出稿を止めざるを得ず、その結果新規リードが減少し、さらに収益が悪化するという悪循環に陥ります。
SEOは広告費をかけずに安定した集客が可能な手法です。時間をかけて構築するSEO施策は、特に中長期的な視点で見れば、コストパフォーマンスの良い選択肢といえるでしょう。
ブランディングの向上
3つ目の理由は、信頼性やブランド認知の向上につながる点です。多くのユーザーは情報収集の際に検索エンジンを活用し、検索結果の上位に表示されるサイトを「信頼できる」と感じる傾向にあります。複数キーワードで上位表示を達成すれば、「○○といえばこの会社」といったポジションを築ける可能性が高いです。
中長期的に安定した成果を目指す場合、コストパフォーマンスの高いSEOは欠かせない施策といえるでしょう。
WordPressの普及率
SEOに取り組む際、欠かせないツールの一つがCMS(コンテンツ管理システム)です。CMSを導入することで、Webサイトの作成や更新が容易になり、継続的にコンテンツを発信する体制を整えられます。SEOにおいては定期的なコンテンツ更新やページの最適化が重要であり、CMSはその基盤を支える存在といえます。
数あるCMSの中でも、最も人気があるのがWordPressです。
2023年時点で、W3Techsというサイトのデータによると、全世界のWebサイトの4割超がWordPressを採用しており、CMS市場では圧倒的なシェアを誇ります。日本国内においてもその普及率は80%以上に達しており、個人ブログから中小企業、大企業のコーポレートサイトまで、さまざまな規模や目的で活用されています。
必ずしもWordPressがすべてのサイトに最適とは限りませんが、CMSを比較検討する際には、WordPressが大きな候補のひとつになるでしょう。
WordPressのSEOにおける強み
それでは、なぜ多くのサイトがWordPressを使用しているのでしょうか。その理由は、他のCMSと比較しても、SEO対策において効率的かつ効果的な機能を備えているためです。
たとえば、自由度の高いテーマ(テンプレート)が挙げられます。
WordPressでは膨大な数のテーマが提供されており、無料・有料を問わず幅広い選択肢があります。多くのテーマがSEOフレンドリーな設計を取り入れており、ページの読み込み速度やモバイル対応といったGoogleが重視するポイントを押さえています。
また、ドラッグ&ドロップで直感的に操作できるテーマも多く、ITに詳しくない人でも簡単にデザインを変更可能です。さらに、WordPressはオープンソースであるため、コードレベルでのカスタマイズも行えます。この柔軟性により、サイト独自のSEO対策を施しやすくなっています。
次に、豊富なSEOプラグインの存在があります。SEOの施策においては、メタディスクリプションやタイトルタグの最適化、XMLサイトマップの作成、リダイレクト設定など、技術的な作業が欠かせません。しかし、SEO初心者にとっては、これらの作業は難しく感じられるかもしれません。
プラグインを活用すれば、これらの設定を簡単に行い、SEOに必要な基本的な対策をスムーズに進められます。インストールと設定だけで多くの機能を自動化できるため、専門知識がない方にとっても大きな助けとなるでしょう。
WordPressサイトの基本SEO対策設定
WordPressでSEOを始める際には、基本的な設定を正確に整えることが大切です。以下では、初心者でも簡単に実践できる基本設定を解説します。
URLの統一設定
URLの「www」あり・なしを統一しなければ、検索エンジンが別々のサイトと認識し、外部リンクの評価分散や重複コンテンツとみなされるなどのリスクが生じます。
【設定手順】
・WordPress管理画面にログイン
・「設定」 > 「一般」を選択
・「WordPress アドレス(URL)」と「サイトアドレス(URL)」を「www」あり、またはなしのいずれかに統一して設定
パーマリンクの最適化
パーマリンクとは、Webページやブログ記事ごとに設定された「そのページ専用の固定URL」のことです。パーマリンクは、検索エンジンがページ内容を理解する際の重要な手がかりとなります。
デフォルトではランダムなURLが生成されるため、検索エンジンとユーザーの両方にとってわかりやすいURLを作成しましょう。
【設定手順】
・WordPress管理画面で「設定」>「パーマリンク設定」を開く
・「投稿名」を選択、または「カスタム構造」を選択して「 /カテゴリー名/投稿名/」 の形式に設定
・設定を保存する
SEO対策についての記事であれば、「https://example.com/seo-strategy/」 のように、内容を表すキーワードを含んだURLを生成すれば、検索エンジンにも読者にも伝わりやすくなります。
サイトマップの作成と登録
サイトマップとは、Webサイト内のすべてのページを一覧でまとめた「地図」のようなものです。ユーザーや検索エンジンが、どの情報が、どこにあるのかを簡単に理解できるようにするために使われます。
サイトマップの種類には、HTMLとXML形式の2種類があります。
まずは検索エンジン向けのXMLサイトマップを作成し、Googleサーチコンソールに送信して、インデックス速度を向上させましょう。WordPressの場合、プラグインを利用することで、自動でサイトマップの生成を行えます、
パンくずリストの設定
パンくずリストとは、Webサイトの中で自分が今どの位置にいるかを示す道しるべのようなもので、以下のようにサイトに表示されます。
例:ホーム > 製品・サービス一覧 > 家電 > 冷蔵庫 > 商品詳細ページ
パンくずリストは、ユーザー体験の向上と検索エンジンのクロール精度向上に役立ちます。WordPressの場合、すでにテーマが実装しているほか、専用プラグインでも簡単に追加作成できます。
SEO対策済み有料テーマの導入
SEOに詳しい人材がいない、設定に割けるリソースが不足しているという場合には、SEO対策済みの有料テーマの導入を検討するのがおすすめです。
有料テーマは1〜2万円ほどで購入できるものが多く、検索エンジンが重視するサイトの読み込み速度や、モバイルデバイスでの表示適正といった項目はテーマレベルで最適化されているため、自分で複雑な設定をする必要がありません。
リソースや専門知識に不安がある場合は、有料テーマの導入をぜひ検討してみてください。
記事コンテンツのSEO対策
コンテンツはSEOの中核を担う要素であり、ターゲットキーワードの選定や検索意図の理解、投稿時の細かな設定が重要です。ここからは、コンテンツ制作における具体的な手法を解説します。
SEOにおいてターゲットキーワードを選定するコツ
ターゲットキーワードは、検索ユーザーと自社サイトをつなぐ「橋」のような存在です。
適切なキーワードを選び、そのニーズに応える質の高いコンテンツを届けることで、ユーザーに選ばれるSEO対策を実現できます。
まず自社サイトのテーマを明確にし、そこから関連するキーワードをリストアップしましょう。たとえば、Web広告運用代理店の場合、「リスティング広告とは」「広告 見出し 作成ポイント」などが考えられます。
キーワード候補を洗い出したら、Googleキーワードプランナー、ラッコキーワードといったキーワード分析・抽出ツールを活用して検索ボリュームを出します。
検索ボリュームが高いキーワードほどユーザーのニーズは大きいですが、そのぶん競合も多くなるため、SEO初心者には難易度が高くなります。初期段階では、月間検索ボリューム100未満のキーワードを中心に選定するとよいでしょう。
また、「検索ボリュームが0」と表示されたキーワードでも、実際には一定の検索ニーズが存在する場合があります。たとえば、特定業界の専門用語やニッチな課題に関連するキーワードは、ツールで計測できないほど検索数が少なくても、BtoBビジネスでは高い成果をもたらす可能性があります。顧客インタビューや営業部門とのヒアリングを通じて、ツールでは見えないニーズを発掘することも重要です。
キーワード選定は、一度で終わる作業ではありません。定期的に検索ボリュームや競合状況を見直し、新たなキーワードを追加しましょう。
検索意図に合ったコンテンツ作成
SEO対策の基本は、検索意図を正確に理解し、ユーザーの課題を解決するコンテンツを届けることです。検索意図には主に「情報収集型」「比較検討型」「購入意欲型」の3つがあり、それぞれでユーザーが求める情報の形式や内容が異なります。
たとえば、「SEO対策とは」というキーワードは情報収集型の検索意図に該当し、初心者向けの基本的な解説記事が効果的です。一方、「SEO ツール 比較」という検索では、具体的な比較表やレビューを含む詳細なコンテンツが求められます。
このように、検索意図に合致した情報を提供することで、ユーザー満足度を高め、最終的にはSEOランクも向上します。
検索意図を簡単に把握する方法は、検索結果の上位ページのチェックです。これらのページは、検索エンジンが「ユーザーニーズを満たしている」と判断したコンテンツです。上位記事を確認すれば、ユーザーが何を求めているのか、どのような情報が評価されているのかを把握できます。
WordPress投稿時のSEO対策
WordPressでコンテンツを投稿する際には、検索エンジンがコンテンツを理解できるようにするための工夫が大切です。WordPress投稿時の主な対策内容は以下の通りです。
・タイトル:検索結果画面に表示されるため、冒頭にキーワードを入れる
・メタディスクリプション:記事内容を120字程度(状況により推奨値が異なる)で伝え、自然な形でキーワードを含める
・altタグ:altタグで画像内容を説明し、画像検索対策をする
・見出しタグ(h1〜h3):h2やh3で各セクションの見出しを作成する
また、 タイトルとH1タグを分けることもSEO対策として有効です。
WordPressでは初期設定でタイトルとH1タグが同じになっていますが、それぞれ別々に設定することで、より効果的にキーワードを盛り込むことができます。タイトルには記事全体の内容を要約するキーワードを、H1タグには記事の主題を明確に示すキーワードを含めるようにしましょう。
・カテゴリーとタグ:カテゴリーは記事の大きなテーマ、タグは詳細な内容を示すもので、サイト全体の構造を明確にする
これらの対策を実践することで、SEO効果が向上し、集客力のあるサイトを構築できます。SEO効果を意識したライティングポイントは、以下記事でも解説しています。
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競合サイトのSEO分析と活用法
「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」という言葉があるように、競合を研究し、自社の得意・不得意領域を理解することが、SEOでは欠かせません。
ここからは、SEO対策における競合サイト分析と活用法について見ていきましょう。
競合のキーワード分析
競合分析の際、最初に注目すべきポイントは、競合のキーワード分析です。
どのキーワードで上位表示を獲得しているのかを把握することで、自社サイトが改善すべき部分や新たに狙うべきチャンスを見出せます。
たとえば、自社サイトよりも明らかにドメインパワーが低いにもかかわらず上位表示している競合を見つけた場合、その競合が使用しているキーワードで対策を行えば、自サイトが上位表示を目指せる可能性が高まります。
また、競合が手を付けていないキーワードの特定も重要です。とくに、検索ボリュームは少ないものの、特定ニーズに応えるロングテールキーワードやニッチなキーワードは、競争が少なく効率的に流入を獲得できる可能性があります。
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被リンクの分析と対策
被リンクとは、他のWebサイトから自社サイトへ向けられたリンクのことで、Googleがサイトの信頼性を評価する要素の一つです。被リンクが多ければ多いほど、Googleは「このサイトは信頼性が高い」と判断し、検索順位の向上が期待できます。
しかし、単に被リンクの数を増やすだけではなく、リンクの質を重視しなければいけません。質の高い被リンクとは、政府機関や有名メディア、業界で権威のあるサイトなど、信頼性の高いサイトからのリンクを指します。このようなリンクは、Googleの評価を大きく高める効果があります。
一方で、無関係なサイトや質の低いサイトからのリンクは、検索順位に悪影響を与える可能性があるため注意が必要です。
被リンク戦略を進めるうえで役立つのが競合分析です。自社と同じ業界に属する競合が、どのようなサイトからリンクを得ているかを調べることで、有効な施策のヒントを得られます。
たとえば、SEOツールを活用して競合サイトの被リンクを分析すれば、自社と関連性の高い外部サイトを特定し、そこにアプローチする手段を考えられます。
ただし、被リンク戦略を成功させるためには、価値あるコンテンツが必要不可欠です。他サイトがリンクを貼りたくなるような魅力的なコンテンツを提供することが、被リンク獲得の大前提となります。
独自の調査データやテンプレート、無料ツール、インフォグラフィックなどは、他サイトにとっても価値が高いためリンクされやすいコンテンツの一例です。また、ユーザーが共有したくなるような役立つ情報やユニークな視点を取り入れることも効果的です。
モバイルフレンドリーとGoogleコアウェブバイタルの基準を満たす方法
現代のWebサイト運営において、モバイル対応とユーザー体験の向上は不可欠です。Googleはモバイルフレンドリー対応やコアウェブバイタル(Core Web Vitals)のパフォーマンスを、検索順位の主要な評価基準として重視しています。
以下では、これらの要素を改善する具体的な方法をわかりやすく解説します。
モバイルフレンドリー対応の基本
多くの人がスマートフォンを使って情報を検索しており、それに対応する形でGoogleは「モバイルファーストインデックス」を採用しています。これは、モバイル版サイトを基準に検索順位を決定する仕組みです。
モバイル対応が不十分な場合、検索順位が下がるだけでなく、ユーザーに「使いづらいサイト」と判断されるリスクも高まります。
まずはレスポンシブデザインを導入しましょう。レスポンシブデザインとは、ユーザーが利用する端末の画面サイズに応じてレイアウトを自動的に調整する仕組みです。PC、スマートフォン、タブレットのどの端末からアクセスしても快適に閲覧できるサイトとなります。
多くのWordPressテーマがこの機能にデフォルトで対応しており、特に有料テーマを活用すれば、簡単かつ効率的にモバイル最適化を進められます。
次に、遅いページの表示速度を改善するために、AMP(Accelerated Mobile Pages)の導入を検討しましょう。AMPを導入すると、モバイルページの読み込み速度が大幅に向上し、ユーザーの離脱を防ぐことが可能です。
WordPressでは専用プラグインをインストールするだけで導入が可能ですが、一部のデザインや機能に制限が発生する場合があります。そのため、導入前に事前に確認し、自社サイトに適しているかを見極めることが大切です。
Googleコアウェブバイタルの基準を満たすには
コアウェブバイタル(Core Web Vitals)とは、GoogleがWebサイトのユーザー体験を評価するために設定した指標のことです。これを改善することで検索順位が上がり、SEO効果が高まります。
以下が3つの重要指標です。
指標 | 説明 | 良好な値の目安 | 対策 |
---|---|---|---|
LCP(Largest Contentful Paint) | ページ内で一番大きなコンテンツ(画像やテキスト)が表示されるまでの時間を測る | 2.5秒以内 | ・画像や動画を圧縮し軽量化 ・サーバーの応答時間を短縮 ・軽量テーマの使用 |
FID(First Input Delay) | ユーザーが最初に何か操作(クリック、タップ、スクロールなど)をしたとき、ページが反応するまでの時間を測る | 100ms以内 | ・JavaScriptの最適化 ・不要なプラグインの削除 |
CLS(Cumulative Layout Shift) | ページのレイアウトがどれだけ予期せず動くか(要素のズレなど)を測る | 0.1以下 | ・フォントの最適化 ・動的コンテンツの安定化 |
コアウェブバイタルの改善と並行して、サイト全体の評価を下げないための低評価コンテンツの整理も重要です。
内容が薄いページや古い情報のページは、検索エンジンにインデックスされないよう「noindex」の設定をしましょう。プラグインを使えば簡単に設定できます。
また、古いコンテンツを最新情報に更新する、あるいは削除することで、サイトの全体的な質を高められます。重複コンテンツが存在する場合は、正規のページを「canonicalタグ」で指定し、一貫性を示すことも忘れないようにしましょう。
こうした基本的な改善が競合との差別化につながります。
WordPress SEOのプラグインおすすめ
WordPressでSEO対策を行う際、プラグインを活用することで設定や管理が大幅に効率化されます。ここでは、無料および有料のプラグインの選び方とおすすめ、注意点をご紹介します。
無料プラグインの選び方とおすすめ
無料プラグインはコストを抑えつつ、効果的な施策を実践するために有効です。ただし、すべてのプラグインが高品質というわけではないため、適切な選び方とおすすめプラグインを理解しておく必要があります。
プラグインを選ぶ際のポイントは以下の通りです。
・基本的な内部SEO機能を網羅しているか
・直感的に操作できるか
・継続的に更新を行っているか(更新が止まっている場合はセキュリティリスクが高まる)
まずは多くのユーザーに使われている人気のプラグインから導入し、実際に運用する中で、追加や削除をしましょう。おすすめの無料プラグインは以下の通りです。
プラグイン名 | 主な特徴 | 対象ユーザー | おすすめポイント |
---|---|---|---|
Yoast SEO | タイトルやメタディスクリプションの最適化、XMLサイトマップの生成、SEOスコアの視覚的表示 | 初心者 | ・改善ポイントが一目で分かり、操作が簡単 ・SEOの基本機能が充実 |
All in One SEO Pack | シンプルなインターフェース、Google Analyticsとの連携、軽量設計 | 初心者~中級者 | ・サイトのパフォーマンスを損なわずにSEO対策を進められる ・幅広いユーザーに対応 |
Rank Math | スキーママークアップ、詳細なキーワード分析、SEOスコア確認機能、多機能プラグイン | 初心者~上級者 | ・他プラグインからの移行が容易で、既存の対策を強化したい場合にも最適 |
有料プラグインの選び方とおすすめ
有料プラグインは、無料版では対応しきれない高度な機能を備えており、大規模なWebサイトや専門的なSEO対策を必要とする場合に有効です。ローカルSEO、リダイレクト管理、複数キーワードの最適化など、詳細な機能を必要とするケースでは、有料プラグインが向いています。
有料プラグインを選ぶ際には、まず自社の課題や目標を明確にし、それに対応できる機能が備わっているかを確認しましょう。また、サポート体制の充実度も重要です。有料プラグインの多くは、技術サポートや活用ガイドを提供しており、初めての導入でも安心して活用できます。
さらに、無料版との違いを比較し、有料版で追加される機能が費用に見合うかを慎重に検討することが大切です。
おすすめの有料プラグインとして、無料版でも触れた「Yoast SEO Premium」の有料版が挙げられます。
無料版の基本機能に加え、リダイレクト管理や複数キーワードの最適化、内部リンクの提案機能を搭載しており、大規模なサイト運営や複数ターゲットキーワードを扱う場合に最適です。価格は年額99ドル(約13,000円)で、初心者から中級者まで幅広いユーザーに支持されています。
もう一つのおすすめは「SEOPress Pro」です。
このプラグインは、Yoast SEO Premiumと同様の機能をよりリーズナブルな価格で提供しています。たとえば、カスタムスキーマの作成やGoogle Analyticsとの完全統合、被リンク分析機能など、高度なSEO機能を搭載しています。価格は年額49ドル(約7,000円)で、コストパフォーマンスが高い点が魅力です。
有料プラグイン導入前には、無料版やトライアル版を試し、機能性や使いやすさを確認しましょう。
※ご紹介した価格や製品仕様は、2025年1月27日時点でのものです。
プラグインの使用方法と注意点
WordPressのプラグインは、サイト運営やSEO対策を効率的に進めるツールですが、使い方を誤るとSEOに悪影響を及ぼすことがあります。
プラグインを正しく活用し、その効果を最大限に引き出すために、以下のポイントをぜひ押さえましょう。
まず、プラグインの数を必要最低限に抑えることが重要です。多くのプラグインをインストールすると、サイトの表示速度が低下し、Googleが評価する「コアウェブバイタル」に悪影響を与える可能性があります。
また、プラグインの自動機能に過度に依存しないようにすることも重要です。
たとえば、関連ページを自動生成するプラグインは便利ですが、生成されたリンクがユーザーにとって有益かどうかを必ず人間の目で確認する必要があります。
実際にプラグインによる自動リンク生成でユーザビリティが落ち、Googleの評価が低下してしまった事例もあります。
関連ページは、プラグインを使わずに、人間が手作業で見直しながら設定することをおすすめします。記事の内容をしっかり理解し、本当に関連性の高いページへリンクを繋ぎましょう。少し手間はかかりますが、ユーザーにとって有益な情報を提供し、SEO効果を高めるためには必要な作業です。
その効果を最大限に引き出すには、適切な選択と運用、そして人の手による細やかな調整が不可欠です。
WordPressのSEO対策に役立つツール紹介
WordPressでSEOを成功させるには、プラグインだけでなく外部ツールを活用すること有効です。以下では、SEOに役立つツールとGoogle Analytics・サーチコンソールについてご紹介します。
Google Analyticsとサーチコンソールの基本
Google Analyticsとサーチコンソールは、Webサイトのパフォーマンスを分析し、改善策を見つけるための基本ツールです。
Google Analyticsは、訪問者の行動を詳しく分析するためのツールです。
まずは公式サイトでアカウントを作成し、計測対象のWebサイトを登録します。登録後に発行されるトラッキングコードをサイトに埋め込めば、データ収集が可能になります。
WordPressサイトの場合、無料プラグイン「Site Kit by Google」を利用すれば、設定が簡単に行えます。
Google Analyticsでは以下のようなデータを測定できます。
・ページビューやセッション数:訪問者がどのページを閲覧し、どの程度の時間滞在しているかを把握
・直帰率や離脱率:訪問者がどのページでサイトを離れたかを確認
・流入元の分析:検索エンジン、X(旧Twitter)やFacebookといったSNS、広告など、どのチャネルが最も効果的かを評価し、集客施策を最適化
こういった指標を分析すれば、人気のページやユーザーが離脱する原因を特定し、サイト改善に役立てられます。
Googleサーチコンソールは、SEOパフォーマンスを分析し、改善を支援するツールです。公式サイトでアカウントを作成し、サイトを登録後、所有権の確認を行うことで利用を開始できます。
主な取得可能データは以下の通りです。
・クリック数、表示回数、CTR(クリック率):検索結果でのパフォーマンスを分析し、効果的なキーワードを特定
・平均掲載順位:キーワードごとの順位を確認し、順位向上を目指した改善施策を計画
・インデックス状況:Googleに適切に認識されているページ数やエラーを把握し、修正を実施
・モバイルフレンドリー状況:スマートフォンでの表示適正をチェックし、モバイルユーザーの利便性を向上
自社サイトがどのように検索エンジンで評価されているかを把握し、SEOの改善につなげられます。
Google Analyticsは「ユーザーの行動を把握するツール」、Googleサーチコンソールは「検索エンジンでの評価を最適化するツール」として、それぞれ異なる役割を持っています。
これらを適切に活用することで、ユーザー行動と検索エンジンでの評価を両面から分析し、効率的な改善策を実行できます。
SEO対策に役立つツール
SEO対策を効率よく進めるためには、信頼性が高く使いやすいツールを活用することが重要です。ここでは、SEO初心者から中級者まで幅広く利用できる3つの基本ツールをご紹介します。
まず「ラッコキーワード」は、検索ボリュームや関連キーワードを調査するためのツールです。
ユーザーがどのような語句で検索をしているのかを把握するのに適しており、キーワード選定に活用できます。たとえば、「SEOツール」と検索すると、それに関連するキーワードやサジェスト(予測検索)が一覧で表示されるため、ユーザーの検索意図を深く理解できます。
次に、「Screaming Frog」は、Webサイトの技術的なSEO診断を行うツールです。
サイト内のすべてのページをクロールして、タイトルタグやメタディスクリプション、内部リンク構造、404エラーなどの技術的な問題を一覧化します。特に、大規模なサイトで効率的に問題を見つけるのに適しており、インデックスエラーや重複コンテンツの検出、リダイレクトの確認など、SEOの土台を整える作業をサポートします。
無料版でも基本的な機能を利用できますが、有料版ではさらに多くのページをクロールでき、詳細なレポートを取得可能です。技術的なSEO対策に力を入れたい場合に欠かせないツールといえます。
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最新のSEOトレンドとWordPressでの対応方法
SEOは、アルゴリズムのアップデートやユーザー行動の変化に合わせて進化し続けています。ここでは、特に注目される「AIを活用したSEO施策」と「一次情報の重要性」について解説します。
AIを活用したSEO施策
AI技術は、SEOにおける重要なツールとして進化を遂げており、従来の手作業では時間がかかっていたタスクを効率化し、より精度の高い施策を可能にします。
具体例として、上位10記事の見出しをChatGPTに分析させることで、各記事に共通する内容を特定し、検索ユーザーが求める重要なテーマや課題を把握できます。
この手法を使えば、検索意図に沿ったコンテンツ制作の方向性が明確になり、外せない要素を網羅した記事を効率的に企画できます。さらに、AIは上位記事からユーザーニーズを抽出することも得意であり、記事制作の下準備として有効です。
ただし、現状ではAIによる記事制作のクオリティは充分でないケースもあるため、最終的な編集やクオリティチェックには人間の手が必要となります。
また、AIはSEO関連の他の作業にも役立ちます。たとえば、URLやメタディスクリプションの自動生成に活用すれば、時間を節約しながら質の高い内容を作成できます。記事内で使用する図表をAIに作成させたり、記事の要約をもとに動画を自動生成して記事冒頭に設置するなど、視覚的要素を強化する使い方も可能です。
生成AIの作業結果は、しっかりと人間の目で確認・補正することが非常に重要です。以下記事でも生成AIの使い方は詳しく解説しています。
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一次情報の重要性
生成AIの普及により、SEO対策が効率化される一方で、一次情報の重要性がこれまで以上に高まっています。
ChatGPTやBing AIなどの生成AIは、大量の公開情報をもとにコンテンツを生成する能力に優れていますが、その多くは二次的に加工された情報です。
これに対し、オリジナルの一次情報をもとにしたコンテンツは、深い示唆と独自性を持ち、SEOにおいて差別化のための強い武器となります。
一次情報とは、自社で得た独自のデータや経験、調査結果などを指します。Googleが重視する「E-E-A-T」の基準を満たすために欠かせません。信頼性が高く評価される一次情報を活用することで、検索エンジンからの評価を向上させ、他サイトとの差別化が図れます。
たとえば、業界調査や顧客アンケートの結果を基にした独自データは、AIでは生成できない貴重な情報です。これらをグラフや表に整理し、記事内で視覚的に示すことで、専門性と権威性を大幅に高められます。WordPressの「Visualizer」や「TablePress」といったプラグインをダウンロードすれば、データをわかりやすく伝えられます。
また、自社での実践や体験談も、生成AIには再現できない一次情報です。具体的な体験にもとづく記事は、ユーザーに共感を与えやすく、信頼性を高める効果があります。
生成AIが普及し、情報が簡単に大量に流通する時代だからこそ、一次情報をもとにした独自性のあるコンテンツの価値が高まっています。SEO対策では、ユーザーニーズを満たしつつ、独自性・専門性の高いコンテンツを発信するようにしましょう。
まとめ
本記事では、WordPressを活用したSEO対策の基礎から応用までを詳しく解説しました。
WordPressは、テーマの自由度や豊富なプラグインが特徴であり、SEOに取り組む際の強力なツールとなります。特に、SEO対策済みのテーマやプラグインを状況に合わせて活用することで、専門知識がなくても効率的に成果を上げることが可能です。
もちろん、CMSはさまざまな種類があり、必ずしもWordPressが最適な選択肢とは限りません。しかし、SEO対策を主要な目的とする場合には、その柔軟性や拡張性からWordPressは有力な選択肢となるでしょう。
ぜひ本記事を参考に、WordPressの特徴や機能を最大限に活用して、自社サイトのSEO施策を進めてみてください。
記事の監修者
藤井 慎二郎 / 株式会社オロパス 代表取締役
SEOコンサルタントとしてBtoB、BtoC問わず、1,000社以上のWebサイトをコンサルテイングを行ってきた実績を持つ。経営軸の高い視座で戦略的にSEOを進めることが得意。
2014年に現在の株式会社オロパスを設立。それまでのSEO知見を活かしてSEOツール「パスカル」を開発。
「自社でSEO施策を強化したいが、どこから始めればよいか分からない」「外部SEO業者に頼るべきか、内制でインハウスSEOを強化するべきか迷っている」といった悩みを抱えていませんか?
本記事では、インハウスSEOを始めるために知っておくべき基本から、成功するための戦略や具体的な対策をWEB担当者向けに徹底的に解説します!
インハウスSEOを行ううえで重要になる成功のポイントや施策を紹介しています。
これを読めば、自社でのSEOの効果を最大化し、自社サイトの検索順位を上げるために必要な全てのノウハウを手に入れることができます。
この記事のポイント
- ・インハウスSEOはSEO対策の内製化のこと
- ・コストカットやノウハウ蓄積などのメリットが多いが、人材確保や社内理解の面でデメリットがある
- ・インハウスSEOの成功には業務の専任化など社内体制の構築が重要
- ・インハウスSEOは基本戦略を確立して行う
- ・インハウスSEOには各種ツールの活用が欠かせない
- ・社内理解が得られ、人材の配置が可能な企業はインハウスSEOに向いている
インハウスSEOとは? 基本概念とその重要性
まずは、インハウスSEOについて基本概念と重要性を解説します。
インハウスSEOとは
インハウスSEOは「In-house(インハウス)」と「SEO」を組み合わせた言葉です。ここでいう「In-house」とは社内を意味しています。つまり、インハウスSEOは社内で行うSEO対策のことです。Webマーケティングの手法のひとつであるSEOを内製化することであり、外注で実施するSEOの対極にある概念、取り組みとして注目されています。
インハウスSEOを導入するパターンとして、完全に内製化する場合もあれば、コンテンツ制作など一部を外部に委託するパターンもあり、後者は「ハイブリッド型」と呼ばれています。
インハウスSEOのメリットとデメリット
インハウスSEOを行うメリットとデメリットがあるので、それを理解したうえで導入を判断する必要があります。
インハウスSEOのメリット
はじめにインハウスSEOのメリットについて説明します。大きく5つのメリットがあります。
1.ノウハウの蓄積
SEO対策するうえで、一番重要なメリットといえるがこのメリットです。インハウスSEOによって、SEOに関するノウハウを社内に蓄積できます。経営者目線でみたときには、非常に大きいと思います。
外注した場合でもある程度のノウハウを得ることはできますが、細かい部分まで実践による体系的なノウハウを得られる点は、インハウスSEOならではです。蓄積したノウハウは自社にマッチしたものであり、SEO対策の効率化や長期運用能力の向上にもつながるでしょう。また、社内にノウハウを蓄積することで、外注先の状況に左右されることもなくなります。
2.コストの削減
インハウスSEOを導入することで外注費を削減できます。コンサルなどの外注先によってかかるコストは異なりますが、受託会社の利益が加算されていることを考えれば、コスト削減効果は小さくないでしょう。
また、外部とのやりとりが不要になることから、連絡や意思の疎通といった目に見えにくいコストも削減可能です。プランによっては非常に高額になるので、その点で注意が必要です。
3.透明性の確保
インハウスSEOでは、施策の全過程が社内で進むため、さまざまな部分で透明性の確保につながります。外注した場合はいま何をやっているのか、大まかな状況しかわからないといったケースが生じがちです。注意していても外部で行われているため見えにくい部分があります。
4.対策スピードアップ
社内で行うインハウスSEOは必要なときに必要な対策を打つなど、柔軟でスピーディな運用が可能です。連絡や外注先の段取りとの関係などで時間差が生じやすい外注に比べて大きなメリットだといえます。たとえばPDCAを回すときなどに、インハウスSEOのメリットを感じやすいといわれています。
5.統一性の確保
インハウスSEOによって、SEO対策によるコンテンツ間の齟齬を防いで統一性を確保できます。外注でSEOをコンテンツ単位で考えた場合、自社のコンテンツ間で言っていることが違うといった事態が生じかねません。
インハウスSEOのデメリット
次にインハウスSEOのデメリットといえる部分についても触れていきます。大きく5つのメリットがあります。
1.専門家と呼べる担当者が必要
社内で効果的なSEOを実施・完結するためには、専門家と呼べるレベルの担当者を置く必要があります。最新情報の収集も含めてSEOに強い人材がいなければ、新たに採用するか、育成しなけれなりません。採用するとなれば募集や選考など採用コストが発生します。また、募集したとしても求める人材が見つかるとは限りません。
基礎から養成する場合、問題となるのが誰が教えるかです。たとえば、SEOコンサルタントの活用が考えられますが、養成には時間がかかり、その間のコストも無視できないでしょう。
新規採用するにしても、社内で養成するにしても、専任者としての人件費がかかります。
また、SEOについてのノウハウは自分で高めていくのが一番なので、担当者を育成する場合は自分で学びにいく環境を与えてあげるのも重要な事項です。
2.社内理解を得にくい
SEO対策はすぐに結果が出るといったものではなく、スピード感が求められる企業では内製化への理解を得にくいケースがあります。インハウスSEOを軌道に乗せるまでの時間がかかるうえ、SEO対策そのものの効果が出るまで時間がかかり、アルゴリズムの動向に左右されるようならリソース面でみても外注でよいといった声が出るためです。
3.属人化
インハウスSEOは専任の担当者を置いて実施するケースが多く、他の社員がSEOについて何もわからないケースでは属人化が起こりやすいといえます。そのため、担当者が休職したり離職したりすると、SEO対策が止まってしまい、新たな人材を確保しなければなりません。
インハウスSEOの実施に必要な社内体制とは?
インハウスSEOの実施には、しっかりとした社内体制の構築が必要です。実際にインハウスSEOを導入する現場の事例では、特に「社内にSEOのノウハウを蓄積すること」を一番の導入目的として考えている企業も多く、資産化を前提とした社内体制の構築が非常に重要だといえるでしょう。
インハウスSEOの社内体制を構築するためには、以下の図のような体制づくりが必要です。
これらの人員配置について解説します。
・SEO担当者
SEOの統括責任者として全体の企画や市場調査、分析、キーワード調査などに加え、各所との調整や各メンバーを束ねる役割を担います。
・コンテンツ担当者
コンテンツ企画、キーワード選定、記事の執筆、編集や分析を行います。
・デザイナー
ユーザーフレンドリーなWebデザインを行います。
・開発担当者
Webサイトの構造やサーバー対応、セキュリティ対策など技術面でSEOを支えます。
SEOにかかわるメンバーの職種の呼び方や職務範囲に絶対的な定義があるわけではありませんが、一連の業務を分担する人員が必要であることに変わりはありません。チーム内の全員がうまく機能してこそ効果を期待できるのがSEOです。したがって、インハウスSEOを成功させるためには、風通しがよく相談しやすいなど、良好なチームワークを実現するチーム運営や緊密な連携が欠かせません。
また、高度に専門性があり、アルゴリズムも常にアップデートされ要点が変化していくなど、SEOはトレンドに高いレベルでついていくことが費用なので、特にSEO担当者(ディレクター)は非常に重要な立ち位置となります。
インハウスSEOの課題と失敗要因
インハウスSEOを成功させるためには、課題と失敗要因を知っておく必要があります。
SEO担当者のスキル不足
インハウスSEOの課題として大きいのがSEO担当者のスキルやノウハウの不足です。SEO担当者にはSEOだけでなく、Google Analytics (GA) やSearch Consoleの分析スキル、コンバージョン率(CVR)への理解など関連する専門スキルや知識が求められます。
業界平均との比較や市場感を把握する力が不足していると、成果が出にくいといえるでしょう。
兼務の難しさ
SEO対策は専門性の高い分野であり、最新の情報を収集しながら新しい手法を取り入れて施策を実施するための高度に専門的な知識・ノウハウが求められます。したがって、他の業務と並行してSEOを行うことは非現実的です。インハウスSEOを導入する場合は、ハイスキルな人材が必要となるだけでなく、専任チームや専任スタッフの配置が求められます。
計画不足
SEOは中長期的なスパンで実施されることが多く、中間目標となるマイルストーンや、プロセスごとの達成状況を確認するKPI(重要業績評価指標)の設定が重要です。インハウスSEOにおいて、このような計画が不足していると進捗状況が把握できなくなり、進行の遅滞や自然消滅につながるリスクが高いといえます。
インハウスSEOと外注SEOの違い
インハウスSEOにはメリットとデメリットがありますが、外部のSEO業者を使う場合とどのような違いがあるのかを確認しておくことも重要です。どちらを選ぶべきか迷っている場合の判断基準として、それぞれの長所・短所を一覧で比較します。
項目 | インハウスSEO | 外注SEO |
---|---|---|
人的リソース・コスト | 専任担当者・チームの人件費 | 外注先との窓口となるSEO担当者の人件費 |
費用 | ・キーワード選定ツール、SEO分析ツールなどの使用費 ・情報収集やスキルアップのためのメディア、書籍、参考資料、セミナー費用 |
外注費:コンテンツ制作、コンサルティングなどを含み、100万円単位になることも |
主なメリット | ・ノウハウを社内に蓄積できる ・外注費が不要でコストを削減できる ・施策の透明性を確保しやすい ・対策を素早く実行できる ・コンテンツの統一性を確保しやすい |
・自社の業務負担を軽減できる ・最新のSEO施策を専門家に任せられる ・人材の確保にかかる時間や人件費を削減できる |
主なデメリット | ・SEOに精通した専門人材が必要 ・社内の理解を得にくいことがある ・SEO業務が属人化しやすい |
・外注費が発生する ・緊急時の対応が難しいことがある ・他人任せになり、SEOの効率が悪化する可能性がある |
SEOを外注する場合、その範囲や分量によって料金が異なります。また、業者による料金設定の差も大きいことから、ケースによっては莫大な金額になることもあるでしょう。SEOコンサルティングや内部対策、外部対策などは10万円〜100万円、コンテンツ制作は記事作成なら1記事あたり数千円〜10万円程度が一般的な相場です。
SEOの外注では、金額だけでなく業者の信頼度にも注意する必要があります。スキルが不足している業者を選んでしまい、効果が出ないケースだけでなく、悪質な業者にかかって費用だけが嵩んでしまうケースがあるためです。インハウスSEOでは、このような心配は要りません。
SEO内製化で発生する業務
SEO内製化、つまりインハウスSEOで発生する業務について、概要を解説します。
オンページSEO
オンページSEOは自社サイト上のSEOで、戦略的なキーワードの選定、良質なページ内容を持つコンテンツの制作、ユーザー体験、URLや内部リンクの最適化を行います。
オフページSEO
オフページSEOは自社サイトの外の要因に対して実施するSEOです。バックリンクを得ることで自社サイトの評価向上を狙います。SNSやオンラインコミュニティの活用も手法のひとつです。
テクニカルSEO
テクニカルSEOはコンテンツSEOとともに内部SEOの対策手法のひとつです。クローラー対策やインデックス対策について技術面からアプローチすることにより、検索エンジンに自社サイトを正しく評価させます。サイト構成やページの表示速度を最適化、改善したり、タグの適性化やセキュリティを強化したりといった業務がメインです。
インハウスSEOの効果を最大化するための基本戦略
インハウスSEOを実施するにあたっては、あらかじめ重要となるポイントを理解したうえで、効果を最大化するための戦略を練っておくことが大切です。
以下に、施策のうえで重要となる点をご紹介します。
インハウスSEOの効果を最大化するための基本戦略として、重要なポイントが4つあります。
ターゲットキーワードの選定方法
初期の重要なステップとなるのがキーワード選定です。スタートでつまづいてしまうとインハウスSEOの成功は望みにくくなってしまいます。キーワード選定の重要性を認識するとともに、その方法を知ることが重要です。
キーワードの選定にはツールの利用が欠かせません。一般によく知られているキーワード選定の代表的ツールを紹介します。
・ラッコキーワード
無料で利用でき、サジェストワードの調査や検索上位サイトの見出しや共起語の抽出など多くの機能が役立ちます。
・Googleキーワードプランナー
検索エンジンの代表格であるGoogleが提供している、各種ツールのうちのひとつです。検索エンジン大手によるツールであり、キーワード選定ツールとしてインハウスSEOでの利用もおすすめできます。
キーワード選定においては、前提として顧客がどのようなキーワードで検索しているかとその検索意図を知ることが大切です。検索キーワードのニーズを把握することで、自社サイトの上位表示や流入を狙えます。
したがって、ターゲットユーザー、およびそのターゲットユーザーの検索意図の明確化が必要です。
キーワード選定では、自社の商品やサービスの名称や関連するキーワードを洗い出します。洗い出したキーワードをGoogleの検索窓に入力して表示される候補(キーワードサジェスト)をピックアップしたり、ツールを利用してサジェストワードを調べたりします。検索意図を考慮してキーワードを「方法・やり方」や「購入・価格」といった属性でグルーピングし、検索ボリュームや上位表示可能性からキーワードに順位付けを行います。
狙ったキーワードで上位表示されている他社サイトは競合サイトであり、競合に勝つためには分析が必要です。
競合サイトの分析には分析ツールを利用します。検索キーワードや流入経路、アクセス数、滞在時間などのデータ取得による分析が可能です。競合サイトの分析によって、ユーザーのニーズが明確になったり、自社が負けている部分を知り改善につながったりします。
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コンテンツマーケティングにおけるキーワードの重要性と効果的な選定方法の考え方を解説!
検索意図にマッチしたコンテンツ作成
コンテンツ作成時のポイントとして、質の高い情報を提供することと、ターゲットに合わせたコンテンツ設計を考慮することが挙げられます。ひと言でいえば、検索意図にマッチしたコンテンツの作成です。
検索意図にマッチしたコンテンツを作成する理由は、ユーザーの検索意図を満たすことがSEOに大きな影響を与えるためです。
SEOに与える影響が大きい背景には、検索エンジン大手であるGoogleの考え方、アルゴリズムが関係しています。Googleではユーザーの役に立つコンテンツの質を重視しており、ユーザーが求めている内容を持つコンテンツやサイトの評価が高くなる傾向があるため、検索意図にマッチすることが重要になるのです。
また、ユーザーの検索意図にマッチしていることで、多くのユーザーが当該コンテンツを訪問することが期待できます。反対に、検索意図にマッチしていないコンテンツは訪問されにくく、訪問者もすぐに離脱してしまうでしょう。ユーザーが満足する情報を提供できるコンテンツを作成することで、検索エンジンの評価を上げることはもちろん、リードの獲得や売上にもつながります。
専門性を高めることの重要性
インハウスSEOでコンテンツを作成する際、専門性を高める点にも注力する必要があります。なぜなら、Googleの検索品質評価ガイドラインで専門性が重視されているためです。このガイドラインでは、専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trust)に経験(Experience)を追加した4つの要素(頭文字をとって「E-E-A-T」と表記)が示されています。
信頼性があることは大前提として、権威があることや実際の経験に基づいた情報を含むということのほか、専門性が求められています。
専門性は信頼性や権威性、経験に通じるものでありより重要です。たとえば、医療の専門家である医師が執筆したコンテンツであれば、専門性があります。同時に、医師という職業の権威性、信頼性、経験も含まれています。専門性を高めるにあたり、自社に蓄積された知識やデータを元に、どのようにコンテンツを差別化していくかを考えることが重要です。
PDCAの重要性
インハウスSEOにおいて、PDCAを回すことも重要なポイントです。KPIの適切な設定とともに実施することで、正確な検証ができます。行ったインハウスSEOが適正だったか、キーワード選定に間違いはないかといった修正点を明らかにするためにも、施策実施後の検証は大切です。
インハウスSEOを実行する際の具体的な対策
実際にインハウスSEOを実施する際、行われることになる具体的な対策を解説します。
1. SEOツールの活用
インハウスSEOではツールの活用が重要です。先に紹介したキーワード選定ツール以外で、よく利用されている無料ツールを紹介します。
・Google Analytics
Google Analyticsは無料で使えるGoogleの解析ツールです。アクセス数やアクセス経路、サイト内ユーザー遷移などのチェックができます。2024年末現在、Googleアナリティクス4プロパティに移行している点に注意が必要です。
・Google Search Console
Google Search Consoleも無料で使えるGoogleのツールです。流入数やクリック数、順位などのレポート機能のほか、ページインデックスの確認ができるURL検査機能やモバイルユーザビリティの確認が可能なエクスペリエンス機能などがあります。
2. 内部リンクの最適化
インハウスSEOにおいて、内部リンクの最適化は重要な対策です。内部リンクを適切に貼ることで、クローラーが円滑に巡回できるようになります。その結果、検索エンジンがサイト構造を理解しやすくなり、関連あるページとして評価する可能性が上がります。
内部リンクは関連するページをつなげて、ユーザーの滞在時間を延ばすことを意識するのがポイントです。関連するページ同士だからこそ、ユーザーが興味を持って読み進めることにつながります。
3. モバイル対応とページ速度の改善
インハウスSEOにおいて、モバイル対応も重要な対策です。スマートフォンが普及している現在ではモバイルでの検索・集客も多いため、Googleではモバイルフレンドリーなサイトを評価しています。また、モバイルファーストインデックスという、スマートフォンで表示する前提の評価が行われていることから、モバイル端末での表示を考えた設計が必要です。
さらに、ページ速度の改善がSEOで重要な対策であることはよく知られていますが、モバイルでのページ速度も検索結果に影響します。ページ速度を計測する主なツールには、GoogleのPageSpeed InsightsやGoogle Chrome デベロッパー ツールなどがあります。
ページ速度改善の主な手段には、コンテンツ内の画像や動画のサイズを小さくする、ソースコードを最適化する、ブラウザキャッシュを使うなどの他、高速サーバーを利用するといった方法があります。
4. コンテンツの更新とリライト
古いコンテンツはリライトしたり更新したりすることで、SEO上の効果を向上できます。情報が古いままではユーザーのニーズに応えていないコンテンツになっている可能性がありますが、リライトや更新によりコンテンツの質が向上し、下がっていた検索エンジンの評価を上げることが可能です。
また、リライトで評価が高いコンテンツを揃えられれば、新規のコンテンツを作成するよりもコストを抑えたSEOができます。リライトを行う際には競合サイトの最新情報に合わせ、競合サイト以上のコンテンツとする戦略が重要です。
5. 被リンクの獲得方法
質の高い被リンクを集めることができれば、自社サイトも質が高いサイトとして評価され、競合サイトに対して有利に戦うことができます。そのためには、戦略的な被リンク獲得の施策が重要です。被リンクはユーザーニーズに応える質の高いコンテンツ作成を継続することや、関連性が高く質の高いサイトに相互リンクの依頼を出すことで増やします。
インハウスSEOが成功しやすい企業とは
インハウスSEOが成功しやすい企業の条件、特徴を紹介します。
SEOのノウハウや実績を持った人材を配置できる
インハウスSEOでは、社内にSEOの専門家と呼べるレベルの人材を配置することが必須といえます。専任で執務できる優秀な人材がいれば、状況に応じてサイトを最適化する施策を実行し、変化するアルゴリズムに対しても有効な対策が可能です。
社内の理解が得られる
インハウスSEOの成功には社内の理解、社内の意思統一が必要です。中長期的な施策となるSEOの内製化には、リソースの問題やすぐに効果を実感できない点、外注という選択肢があるなどの批判的な見方があります。その結果、一部でも理解を得られないケースがあれば、必要な協力・支援を得られないおそれがあるためです。
セミインハウスSEO、アウトソースSEOとは
インハウスSEOに関連するSEOとして、セミインハウスSEOとアウトソースSEOがあります。セミインハウスSEOとは、一部の施策を外注するインハウスSEOの形態を指す言葉で、前述のハイブリッド型と同じものです。最初からすべての内製化は荷が重いというケースなどで、セミインハウスSEOが行われます。アウトソースSEOとは、文字通り外部に依頼するSEOであり、一般に外注と呼ばれているものです。
まとめ:インハウスSEOを成功させるために
インハウスSEOの成功には、全社的な理解のうえで構築される適正な社内体制が必要です。また、効率的な運用を行い、施策の効果を最大化するための戦略、企画立案やツールの活用も欠かせません。
インハウスSEOを導入するか、アウトソースSEOを選ぶかの判断には、予算や人的リソース、その他の点でメリット・デメリットの比較が重要です。インハウスSEOは難しいができるところから導入したいという場合には、セミインハウスSEOも検討対象となります。
インハウスSEOを導入するなら、ぜひ具体的なアクションプランを定め、実施後の検証をしっかりと行い、改善や課題解決に反映させましょう。
以下の関連記事では、インハウスSEOの具体的事例を紹介しています。ぜひ合わせて参考になさってください。
記事の監修者
藤井 慎二郎 / 株式会社オロパス 代表取締役
SEOコンサルタントとしてBtoB、BtoC問わず、1,000社以上のWebサイトをコンサルテイングを行ってきた実績を持つ。経営軸の高い視座で戦略的にSEOを進めることが得意。
2014年に現在の株式会社オロパスを設立。それまでのSEO知見を活かしてSEOツール「パスカル」を開発。
「SEO対策を実施しているのに、なかなか成果が出ない」とお悩みではありませんか?
この記事では、検索エンジンで上位表示する方法を徹底解説しています。
上位を狙うために欠かせない基礎知識から、すぐに役立つ実践的な戦略、そして最新のSEOトレンドまで、まるごと丁寧に説明します。SEO初心者の方から、さらにレベルアップを目指す中級者の方まで、どなたにも役立つ内容を目指しました。この記事を最後まで読んでいただければ、きっと次のような効果を実感していただけるはずです。
- ・無駄を省いた効率的なSEO施策で、大切な社内リソースを最大限に活用できる
- ・最新のGoogleアルゴリズムにしっかり対応した戦略を実行できる
- ・自社サイトの競争力をぐっと高めるための、具体的なアクションプランを立てられる
SEOの効果を最大限に引き出したいとお考えの方は、ぜひ最後までお付き合いください!
この記事のポイント
- ・検索結果上位を目指すためには、Needs Met、E-E-A-T、UI・UXといったGoogleガイドライン準拠の考え方が大切
- ・サイト訪問ユーザーの利便性や満足度と、Googleクローラーへの対応の両面を視野に入れておく
- ・キーワード選定、コンテンツのリライトやSNSの活用など具体的な施策を紹介
- ・必ず役立つSEO対策ツールをピックアップ
- ・2025年以降のSEO対策で大きなポイントは「一次情報」と「サイテーション」
- ・生成AIには一次情報の発信は難しいため、SEOディレクターの役割が重要である
検索上位表示のために知っておきたいSEOの基本
SEO(Search Engine Optimization / 検索エンジン最適化)では、検索エンジンの検索結果表示において自社のサイト・ページを上位表示させるために、様々な施策を行っていくことになります。
ただしSEOというものは実施すればすぐ結果が出るというものではなく、確かな戦略を立てながら、ある程度長期的に腰を据えて行っていく必要があります。
もしSEOに対する基本理解が不足しているまま施策を進行してしまうと、せっかく時間やコストをかけたのに、いつまでも成果が伴わないということにもなってしまいかねません。
そのため、SEO担当者は最新の情報を踏まえながらも、常に「SEOの基本」を念頭に置いておくことが大切です。そうすることで、ホームページへの流入数も比較的増えていきます。
本記事でも、まずは基本的な知識と考え方から解説します。
Google検索上位表示の重要性
検索上位表示をするということの前に、なぜ様々な企業や情報発信者がこぞってSEO対策を気にして、対策を行っているのでしょうか?それはSEO対策をすることによってたくさんのメリットが得られるからです。
たとえば自社のサイト(ホームページや商品ページ、オウンドメディアなど)を検索結果で上位に表示できた場合のメリットを、基本に立ち返って考えてみましょう。
単純に「そのページを訪れてくれる人」が増える
検索エンジンの検索結果画面で自社ページが上位に表示されれば、それだけ多くの人の目に留まります。
多くの人にきっかけを与えられるということは、その先にあるサイト訪問数(流入数)や、コンバージョン達成(目標達成)にも期待できるでしょう。
たとえば、PR TIMESというサイトで公開されている調査結果では、SEO検索順位において1位の場合のクリック率は29.26%、2位の場合のクリック率は13.32%と、大きな数値を示しています。
参考:PR TIMES / ランクエスト「【2024年最新版】SEO検索順位別クリック率(CTR)を調査!上位表示がクリック数に与える影響とは?」
それとは反対に検索順位が下がるほど自然にクリック率は下がっていき、3位の表示で7.07%と一割を下回り、4位で2.41%、5位で2.25%、6位で1.21%を示し、7位以下では小数点以下のパーセンテージとなっています。
このことからも、検索エンジンを活用する人はほぼ上位表示だけでニーズを解決しようとするという傾向が見てとれるのではないでしょうか。皆さまもキーワード検索をした際、上位数サイトしかクリックをしないという方が多いかと思いますが、こういった傾向はデータからもいえることがわかります。
コストを抑えながら中長期的なアクセスを見込める
検索アクセスを獲得できるホームページやオウンドメディアは、中長期的にアクセスを見込め、自社の資産として活用することができます。GoogleやYahooのリスティング広告と比較して考えてもらうとわかりやすいですが、広告は費用をかけ続けなければ継続的な流入を獲得することはできません。
検索上位を維持できれば、自社サイトやサービスへ常に新規流入が見込めます。もちろん、検索結果の上位をキープし続けるためには、SEOの施策を継続していくことが大切です。しかし本記事でご紹介するようなポイントを押さえ、上手にツールを活用しつつ自社のリソースでできることから実施していけば、外注やコンサルティングの費用も削減できるでしょう。
効果的なブランディング・マーケティングを自然に行える
検索を上位にあげることは、ブランディングやマーケティングの面でも有効です。多くの消費者が利用する検索エンジンでの露出が増え、たとえば検索結果で社名やサービス名だけに目を留めてもらった場合でも、その先のホームページの流入につながった場合でも、大きな認知度アップ・ブランド力向上につながります。「いつもGoogleの検索結果で上のほうに出ている会社だ」と、信頼を獲得することにも期待できるでしょう。これが進むとブランドの第一想起にもつながります。第一想起とは「◯◯といえば◯◯」と最初に思いうかぶ企業のことです。ハンバーガーといえばマクドナルド、といったイメージです。
Google上位表示に重要な考え方
ホームページの検索上位表示を目指す際には、上位表示されるためのルールにあわなくてはなりません。もちろんSEO対策に明確な正解はありませんが、Googleが提示しているガイドラインに基づいた、以下のような考え方がとても大切になります。
たとえば新規サイトの立ち上げ、既存ページのリライト、コンテンツ配置の見直しなどを行う際にも、基本理念として常に意識しておくことをおすすめします。
Needs Met
Needs Met(ニーズメット)は、Googleのガイドラインで言及されている概念のひとつであり、意味するところとしては「キーワード検索してたどりついたユーザーのニーズに対して、充分に応えられるページ内容であるか、ユーザーが満足するコンテンツであるか」といった考え方を指します。
Googleが実際にサイトやページの「Needs Met」レベルを判定する際の基準については、総合ガイドラインにて概要が公開されています。この中でNeeds Metは5段階の判定ランクとして定義されてます。
たとえば最上位の判定となる「Fully Meets(「完全に満足する」といった意)」での解説を要約すると、特定の事柄について知りたいというユーザーの検索意図に対して、当てはまる回答を明確に示すといった定義になっています。
また、検索したほとんどのユーザーに満足してもらうために、「掲載している情報が正しく、あわせて信頼性が高い情報源も提示している」「追加情報を必要としない(ユーザーが再検索をせずに済む)」といったことも重視されています。
つまり、この考え方においては、ユーザーの検索意図をしっかりと満たすページ内容であること、情報が正しいこと、必要に応じて信頼性の高いエビデンスや参考情報を提示できていること、および「なるべくそのページやサイト内ですべてが解決する」ことが求められていると考えることができます。
ターゲットとする検索クエリに対して「ユーザーがそのときすぐに知りたいこと」に加え、「訪問したユーザーが、ページ閲覧中に追加で知りたくなること」「関連して知っておけば便利なこと」などをすべて網羅しておくことが大切です。
参考:Google「General Guidelines(January 23, 2025)」
E-E-A-T
「E-E-A-T」は、GoogleがWebサイトやWebページに対する、主に「信頼のおける情報か」「コンテンツの作成者や監修者がどれだけ信頼できる人物なのか」という観点で設けているガイドラインです。
E-E-A-Tの名称は、基準の構成要素となる以下4つの項目の頭文字からきています。
- ・経験(Experience)
- ・専門性(Expertise)
- ・権威性(Authoritativeness)
- ・信頼性(Trustworthiness)
「経験(Experience)」では、単なる情報引用ではなく、経験に基づいた独自のコンテンツが含まれているかという点が評価されます。
たとえば、実際にその製品を使ったうえでの使用感解説、実際にその場所を訪れたうえでの感想、実体験のレポートなどが考えられるでしょう。
ちなみにこの「経験(Experience)」は、比較的新しく追加された基準です。具体的には、2022年12月に評価基準に追加され、それまでの「E-A-T」から現在の「E-E-A-T」になったという経緯があります。
このことから、Google側の考え方として、旧来のようなただ検索結果1ページ目の情報を綺麗に網羅・集約したコンテンツだけでなく、検索テーマに対しての直接的な経験情報を提供することが重視されたのだと解釈することができます。
「専門性(Expertise)」では、そのコンテンツが特定のテーマについての専門性を持っていて、内容がある程度特化されている、という部分が評価されます。
たとえば多種多様な、範囲が広すぎるテーマがずらりと網羅されているよりも、ある分野に絞られて専門的に深掘り解説されているページなどが該当するでしょう。
また、この基準において合わせて大切な点が情報発信者の専門性です。ページ内容の専門性のみならず、「その分野において信頼のおける作成者や監修者によって提供されているか」という点が評価されます
そのため、取り扱う記事テーマに合わせて記事作成者や監修者を明示することに加え、その人物の専門分野での実績や権威を示す情報を添えておくことも重要となるでしょう。
「権威性(Authoritativeness)」は、コンテンツの発信元について「説得力のある、権威性を持った発信者が提供しているサイトなのか」といった点に関する評価基準です。
Googleは検索ユーザーが正しい情報を、正しい発信元から得られることに重きを置いているため、とても重要な要素のひとつとなっています。
この権威性については、前出の専門性などにも関わるコンテンツの正確さ、言及内容や質だけでは判断されず、そのコンテンツが掲載されているサイト自体の運営歴や実績、外部からの被リンクの数など様々な要素が関係するとされています。
そのため、サイト内の記事の質を高めつつ他の評価基準を意識しながら、長期的な目でサイトの権威性を獲得していく、という考え方が必要になるでしょう。
最後に「信頼性(Trustworthiness)」については、ここまでご紹介した各基準に通ずる面もありますが、主に「情報の信頼性、透明性、正確性」といった部分で評価される基準です。
Googleのガイドラインでも「経験・専門性・権威性は、信頼の評価を下支えするような指標」といった主旨の言及があり、総合的な施策をもって信頼を高めるべきといった方針が示されています。ガイドラインの信頼性に関係する要素として知られているものには、「誰が責任を持つ情報発信なのか」という観点でのWebサイト運営者の会社名・住所・電話番号の明記や、官公庁・大学といった公的機関の参照・引用などが挙げられます。
その他にも注視すべきポイントとして、ほかの3つの評価基準「経験・専門性・権威性」に関する各対策が重要となることは前述のとおりです。
UI・UX
「UI(ユーザーインターフェース)」はユーザーとサービスや製品との接点を指す言葉で、WebサイトにおけるUIとしては、掲載情報の視認性や使いやすさが挙げられます。
ストレスなく必要な情報を閲覧できたり、ページ間の関係性や階層構造が分かりやすくガイドされていたり、このボタンをクリックすれば何ができるのかが分かりやすかったり、必要な関連情報が適切な配置でリンクされていたり、というように、そのサイトでユーザーが快適に情報収集できるように整えられます。
「UX(ユーザーエクスペリエンス)」は、使いやすいUIや情報の内容などによってユーザーが得られる体験の質のことです。
せっかく検索結果から自社のサイトへ訪れてもらっても、快適なUIや得られるUXの質が担保されていないと、早期に離脱されるという問題が発生します
たとえば掲載されている情報自体がとても正確で、読んでもらえれば大変有用なものであったとしても、ページを開いてから重い画像がじわりじわりと表示されるのを待たなければならなかったり、何を意味するか分からないボタンだらけでどこへ進めば良いのかわからなかったり、という状況では情報を閲覧してもらえないのです。
また、UIやUXはユーザーの快適さのみならず、Google上位表示にも関係します。
GoogleはUIとUXについての指標を「ページエクスペリエンス」として設けてます。
参考:Googleセントラル「ページ エクスペリエンスのGoogle検索結果への影響について」
これには以下のような要素が含まれています。
- ・ページの表示速度に関する「コアウェブバイタル」
- ・スマートフォンなどモバイルデバイスからのアクセスでも快適に閲覧できる「モバイルフレンドリー」
- ・個人情報など、秘匿性を求められる情報の送受信時のセキュリティを担保する「HTTPS」
- ・ユーザーに不必要な、煩わしい広告の排除 など
ユーザーにとって使いやすく快適なウェブサイトを設計しておくことは、ユーザー離脱防止のみならず、そもそもユーザーが訪れるきっかけとなるGoogle検索での上位表示のためにも大切なのです。
Google検索の仕組みとアルゴリズム
Googleの検索エンジンが、どのようにしてWebサイトのコンテンツを評価しているのかということを知っておくことは、SEO担当者にとって重要なことです。
以下では、Google検索の仕組みやアルゴリズムの主要な要素について、検索エンジン側の動作工程ごとに解説します。
・クローラビリティ
Googleが検索結果に掲載する様々なWebサイトの情報は、クローラーと呼ばれるプログラム(ソフトウェア)によってほぼ自動的に収集されています。一部、手動で登録される場合もありますが、大部分はクローラーが世界中のWebサイトを巡回し、自動的な精査・解析を行ったうえでテキストや画像、動画ファイルなどの情報を取得しているのです。
クロールの基本的な仕組みとしては、Google側が既に知っている(登録している)ページからリンクを辿っていき、新しいページや更新されたページが見つかった場合に、新たに登録するための情報収集が行われます。
また、サイト運営者側からクロールして欲しいページのリスト(サイトマップ)が提出された場合にも、そのページをクローラーが検出します。
Googleのクローラーが世界中の数十億というページを巡回する際には、限られたプログラムリソースで最大限効果的に巡回できるよう、独自のアルゴリズム処理を用いて実施されます。
そのため、サイト運営者としてはこのクローラーに、いかに自社サイトの最新情報を素早く収集してもらえるかがSEO上の大きなカギとなります。
クローラーにとってのクローラビリティ(機械的なサイト情報収集のしやすさ)を、サイト側の準備によって提供できれば、それだけ検索エンジンへ早く登録される可能性が高まり、またコンテンツの評価も正当におこなってもらいやすくなるのです。
・既存ページから新規ページへの適切なリンクを設定く
・不要な作成途中の仮ページや運用停止中のページには「robots.txt」を設定する
・最新ページの情報が含まれるXMLサイトマップをGoogleへ登録する
たとえばこれらの方法で、巡回アルゴリズムに対応した施策をとることが可能です。
・インデックス
クロ-ラーの巡回によって検出されたページは、インデックス登録が行われます。
インデックスは、Google検索結果表示の元となる、世界中のWebサイトの情報が登録された膨大なデータベースです。ユーザーがGoogleでキーワード検索をした場合、このインデックスの中から有用性の高いと判断されたページがランキングされて表示されることとなります。
ただし、このインデックス登録の際、Googleのアルゴリズムによって「質が低い」と判断されたコンテンツは除外されてしまう傾向にあります。この傾向は、近年のユーザビリティを尊重するGoogleガイドライン更新、およびそれに伴うアルゴリズムの変化によって、さらに強まっていると見られています。
たとえば、ページ内で言及されている内容が極端に薄かったり、既にある他のサイトと内容が大きく重複していたりすると、クロールされてもインデックスに登録されない可能性があります。また、登録されたとしても検索順位が大きく下がってしまい、集客につながらないというリスクもあります。インデックスの際の自動審査については、コンテンツそのものだけでなく、メタデータの整備状況も影響します。
メタデータとは、そのWebサイトの構造や情報を検索エンジン側へ正しく、効率的に伝えるために用いられるHTMLタグのことで、「タイトル」「ディスクリプション」「目次」「見出し」「カテゴリ」「投稿日時」「最終更新日時」といったさまざまな属性情報を伝達できます。
Webサイト運営者は、このようなインデックス時のアルゴリズムも踏まえたうえで、訪問ユーザーだけでなく検索エンジンにとっても最適なページを作成しておくことが求められます。
・ランク付け
無事に自社のサイトやページがインデックスされたとしても、ユーザーが検索した際に下位にリストアップされてしまうのであれば目に留まりづらく、多くの人に訪れてもらうことは難しいでしょう。
特に、検索結果画面の2ページ以降、もっと悪い場合には十数ページ以降など、ユーザーが掘り進んでいかないと辿りつけないようなページでは、SEO効果がほぼ無いといえます。
そこで、Googleのアルゴリズム上でどのようにランク付けが行われるのかを知っておくことが大切です。
Googleではユーザーが入力した検索ワードを元に、インデックス済みの膨大なWebサイトの中からワードとの関連性、ページの品質などを総合的に精査したうえで表示順位を決定しています。
「関連性」については含まれる情報との関連性だけでなく、たとえば検索ユーザーの所在地との関連性がチェックされる場合もあるなど、状況に応じた複合的なアルゴリズムが実行されています。たとえば、「自転車 パンク 修理」と検索した場合にはなるべく所在地に近い修理店の情報が優先され、「自転車 最新」と検索した場合には所在地とは無関係に、最新の自動車の情報が優先されるといった具合です。
こういった、ユーザーの状況ごとの違いまで踏まえて常に上位表示を目指すということには難しい面がありますが、同条件下において特に自社の競合となるサイトよりも検索上位を目指すためには、ページの品質向上をはじめ、前述の「検索上位表示のために知っておきたいSEOの基本 ーGoogle上位表示に重要な考え方」の項でご紹介した、「Needs Met」や「E-E-A-T」といった考え方がとても重要になります。
Googleのアルゴリズムは頻繁に更新される
Googleの検索アルゴリズムは、ほぼ1日~数日単位でおこなわれる小規模更新のほか、年に数回レベルでおこなわれる大規模なアップデート(コアアップデート)などで変化し続けているため、常に最新の動向をチェックしておくことも大切となります。
特に近年では、前述のように低品質なサイトや、他サイトとの内容重複が著しいコンテンツなどを積極的に排除する方向で、アルゴリズムの更新が行われています。
2024年にはインデックスに関するアップデートが頻繁に行われ、この傾向がより顕著ともなっています。
このGoogle側のアルゴリズム更新の傾向は、2025年以降のSEO戦略を考える上で、非常に重要なポイントです。
Google検索のガイドラインの把握が重要
企業のSEO担当者は、自社サイトや新規ページの検索順位を少しでも上げようと、四苦八苦しながらSEO対策を実施しています。
しかしそんな中、万が一にも「SEO的には有効かもしれないけれどGoogleのガイドラインに違反してしまう方法」つまりはGoogleからペナルティを受ける対策を選択してしまうと、逆効果どころか、最悪な場合は検索結果に一切表示されなくなってしまうことにもなりかねません。
そのため、とるべきSEO施策を検討する際には、必ずGoogleのガイドラインを確認しておきましょう。
参考:Google検索セントラル「Googleウェブ検索のスパムに関するポリシー」
Googleでは大原則として「検索ユーザーをだますようなこと」を厳に禁じるという方針を打ち出しており、たとえばガイドラインでは以下のような手法がNGとして提示されています。
- ・自動生成のコンテンツ
- ・オリジナル情報がほとんど無いコピーコンテンツ
- ・隠しテキストや隠しリンク(配色などでわざと視認しづらくしているテキストやリンク)
- ・コンテンツに無関係なワードの大量詰め込み
- ・クローキング(検索エンジン側とユーザー側とでそれぞれ異なる情報を見せる行為)
- ・不正なリダイレクト(別のURLへ自動転送する仕組み) など
これらのガイドラインで禁じられている行為・仕組みを含むWebサイトをアップロードし、Googleによって検出された場合には、状況によって以下のようなペナルティが科せられます。
・Webサイト全体の検索順位降下
・Webサイト全体のインデックス削除
こういったペナルティは、あらかじめGoogleサーチコンソールからの警告を経たうえで段階的に行われることもあれば、いきなり実施されてしまうケースもあります。
そのため、SEO対策を実施する場合でもそうでない場合でも、Webサイト運営者や管理者は、常に最新のGoogleのガイドラインに準拠できているかをチェックしておくことが大切です。
Googleで上位表示されない原因とは
自社側ではとても有用な情報を掲載しているつもりなのに、Webサイトがいつまで経っても上位表示されない……という場合もあるかもしれません。
そのようなケースでは、Googleのアルゴリズム上、「ユーザーの検索意図を満たしていないコンテンツ」と認識されてしまっている可能性があります。
まずは、前述の「検索上位表示のために知っておきたいSEOの基本 ーGoogle上位表示に重要な考え方」の項でご紹介した、以下のような点で自社サイトを精査してみてください。
- ・「Needs Met」の観点での情報網羅性が不足している
- ・コンテンツの品質やサイト構造の面で「E-E-A-T」が担保できていない
- ・サイトのUIやUXが最適化できていない
- ・外部からの被リンクが不足している
次項では、検索結果の上位を目指すための、具体的な対策について解説していきます。
検索上位表示するための対策方法を紹介
自社サイトの検索順位が思うように上がらない、競合より下の順位に表示されてしまっている、といった場合に有効な対策方法を、ここでは10個ご紹介します。
ぜひ、着手できる順に、なるべく併用しながら実施してみてください。
1.ターゲットを意識したキーワード選定
SEOを意識したページ制作においては、何よりターゲットを意識した対策キーワードの選定から始めることが大切です。
選定にあたっては、キーワード選定ツールや検索ボリューム調査ツールとして著名な「Googleキーワードプランナー」や「ラッコキーワード」「キーワードマップ」といったツールを活用することで簡単に行えます。
たとえばGoogleキーワードプランナーでは、以下のような簡単な手順で、検索ボリュームの確認や関連キーワードの抽出を行えます。
1. ログインし、「新しいキーワードを見つける」を選択
2. 「キーワードから開始」のタブを選択し、「ビジネスに密接に関連している商品やサービス」欄に、該当するキーワードを入力
3. 「結果を表示」ボタンをクリック
SEOで上位表示を目指す際には、「ロングテールキーワード」がひとつの狙い目となります。
ロングテールキーワードとは、たとえばただ「レストラン 渋谷」という最低限のワードを入力するのではなく、「レストラン 渋谷 個室」や「レストラン デート おすすめ 景色」「レストラン ペット可 テラス」などといったように、複数のワード(ニーズ)が組み合わされた検索キーワードを指します。
ロングテールキーワードは、日々大量に検索される単発のワード(ビッグキーワード)と比較すると個々の検索数は少なめであり、分布図でみると長く、なだらかな尾のように見えることからこのような呼称が付いています。
個々の検索数はビッグキーワードに劣るといっても、具体的な条件が組み込まれた、いわばくっきりと顕在化しているニーズとなります。そのため、それぞれのロングテールキーワードに合わせ、ニーズを具体的に解決できるWebページを提供できれば、購入や資料請求、来店といったコンバージョンへ繋げやすいユーザーを集客できるでしょう。
また、ロングテールキーワードはあらゆる可能性を踏まえながら様々なキーワードを組み合わせて作成・検討が行えるため、たとえばビッグキーワードの検索順位では負けている競合サイト相手にも、ロングテールキーワードでの順位逆転を狙える可能性が大きくあります。
2.検索意図にあったコンテンツを作成する
個々のページ作成においては、対策ワードごとにユーザーが何を求めて検索しているのかをしっかりと考え、そのニーズを満たすコンテンツを作ることが重要となります。
たとえば、高度な情報がみっしりと詰まったページが必ずしも求められているとは限りません。特に専門的な分野にかかるワードではない場合には、「欲しかった情報がすぐに見つかる、見つけやすい」ような、シンプルなページが好まれるかもしれません。
近年では前述のように、Googleのアルゴリズムがユーザビリティをより重視する傾向になりますので、ユーザーが求めている内容をしっかり推測してからコンテンツを作り始めることをおすすめします。
▼以下記事でも、検索意図に合わせたSEOライティングのコツを詳しく解説しています。
【SEOライティングの基本】基礎知識と執筆の方法を学んで上位表示を目指そう
3.専門性を高める
対策するキーワードが専門分野である場合や、「〇〇 最新情報」「×× 手順 詳細」といったように情報網羅性を求められるワードでは特に、コンテンツの専門性を高めておくことが重要です。
コンテンツには、競合上位サイトでもみられるような一般的な情報だけでなく、一次情報(自社で集めたデータ、独自の調査結果、専門家へのインタビューなど)を含めることで、他にはないオリジナリティと専門性を持たせ、E-E-A-T(特に専門性)を高める効果を期待できます。
一次情報をコンテンツに取り入れ、ユーザーにとって「訪れた価値」のあるページを作成するという考え方は、特にコンテンツの評価を大きく左右するポイントであると考えられます。
たとえば、近年Webページの自動生成で活用される生成AIでは、大量の既存情報の収集という面では役立ちますが、一次情報を作り出すことはできません。だからこそ、人の手による情報収集や分析がますます重要になり、競合サイトとの差別化という面でも有効なのです。AIを活用しながらも一次情報はサービス・商品に詳しい人が発信していくことが非常に重要になります。
4. 被リンクを増やす
外部のサイトが自社サイトへのリンクを掲載してくれている状態、つまり「被リンク」についても検索順位を上げるために重要な要素です。
Googleのアルゴリズムが被リンクを評価する際には、被リンクの量だけでなく、そのリンクを掲載しているサイトの質も重要視されます。
たとえば、自社サイトの分野と著しくかけ離れたジャンルのサイト、内容がほぼ空っぽのサイト、海外ドメインのサイトなどからの被リンクがある場合、低品質な被リンクとみなされてしまう場合があります。
「良質な被リンクが多い、外部からも評価されているサイト」とGoogleにみなされるためには、以下のような様々な施策で被リンク獲得を目指すと良いでしょう。
- ・一次情報の発信や網羅性の高いコンテンツ掲載を行い、「リンクしたいサイト」を目指す
- ・X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSで積極的にサイト記事のPRを行う
- ・サイトの冒頭や末尾など、目立つ場所に「シェアボタン」を配置する
- ・質の高い関連情報を掲載している他社サイトへ、掲載依頼や相互リンク依頼を送る
尚、被リンクの推進活動を行うなかで、万が一明らかに低品質とみられるサイトからの被リンクがあった場合には、Googleサーチコンソールでリンクの否認を行えます。
5. クローラビリティを改善する
自社サイトの更新や新規ページを確実に、素早くGoogleにインデックスしてもらうためには、クローラーに正しく効率的に情報を伝えらえるサイトづくりをしておきます。
クローラビリティを高めるためには、前述の「Google検索の仕組みとアルゴリズム」の項でご紹介した、以下のような対策が有効です。
- ・既存ページから新規ページへ適切なリンクを設置
- ・クロール不要なページには「robots.txt」を設定
- ・Webサイトの最新の構造を示すXMLサイトマップを作成し、Googleへ登録する
6. コンテンツのリライトを行う
様々なロングテールキーワードに対応するという目的や、サイトでの情報網羅性を高めるという目的で、ただただ新規のページを増やすことに注力しているというケースもあるかもしれません。
しかしSEOの観点においては、既存コンテンツのリライトを適切に行っておくことも大変重要となります。
もし、自社サイトに新旧の記事が入り乱れ、このページは情報が古い、このページは同じ内容について最新の情報を掲載している、というような状態が見られれば、訪問ユーザーが混乱してしまいユーザビリティが大きく低下するだけでなく、検索エンジンの評価も大きく落ちてしまう可能性があります。
サイト全体で見て「ユーザーへ有益な情報を提供している」ことが大切なのです。
また、古いコンテンツを改善するためにリライトするにあたって、そのページを技術的な面で、最新のGoogleアルゴリズムに追従させることも可能です。
たとえば、モバイルフレンドリーへやコアウェブバイタルへの対応です。
7. 滞在時間を改善する
ある程度流入があっても個々のユーザーの滞在時間が短い、という場合にはやはり検索順位が上がりづらくなってしまいます。
自社サイトでのユーザーの滞在時間は、「Googleアナリティクス」で解析することができます。
もし、長く滞在してもらえていないという課題が見つかった場合には、たとえば以下のような対策が有効です。
- ・魅力的なコンテンツ、読み込みたくなるコンテンツの作成を心がける
- ・気軽に長時間楽しめる動画コンテンツを提供する
- ・内部リンクを最適化し、興味を持ちやすいサイト内の別記事へ、適切と思われるタイミングで誘導する
該当するページには、このような対策を実施することで改善していきましょう。
8. モバイルフレンドリーを意識する
モバイルフレンドリーなサイト設計をしておくことも、検索上位を目指すために大切です。これが何かというと「スマートフォンユーザーを考慮したサイト設計をしよう」ということです。
モバイルフレンドリーへの対応は、前述の「滞在時間改善」にもつながる可能性があります。現代では多くのユーザーがスマートフォンで気軽に情報収集を行っており、モバイルで使いづらいサイトからはすぐに離脱してしまうためです。
モバイルフレンドリーへの対応・改善には以下のような施策がとられます。
- ・レスポンシブWebデザイン(アクセス元の端末種類によって、自動的に表示を変更できる仕組み)を採用する
- ・モバイル端末で快適に閲覧、ページ遷移できるサイト速度を実現する
- ・タッチ操作に適したUIにする
これらを取り入れることで、モバイルユーザーの満足度を高めることができます。
9. SNSの活用をする(サイテーション)
X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSで積極的に自社サイトや更新記事のPRをすることで、検索順位の向上が見込めます。
このようなサイテーション(サイト外での、社名やブランド名、Webサイト情報や固有情報の言及)がSEO要因に影響する可能性があるということは、Googleのガイドラインでも明示されています。
自社がSNS上でサイトコンテンツそのものを共有するだけでなく、関連する話題について積極的に発信することで、他のWebサイトやソーシャルメディアで言及される機会も増えます。HPのリンクの他、Youtubeなどでのコンテンツ作成も有効です。
このような総合的なサイテーションの増加が、Googleアルゴリズム上のE-E-A-Tの評価向上につながり、検索順位上昇にも期待できるでしょう。
10. 競合を分析する
検索順位の面でどうしても勝てない競合サイトがある場合、その競合サイトを分析し、そこから素直に勉強させてもらう、というのもとても実際的で有効な手段です。
・競合サイトがどういったキーワードで上位表示されているのか、
・そのキーワードで表示されているページにおいてどのようなコンテンツを作成しているのか
・どのような被リンクを獲得しているのか
・UIやUXの面で優れているか
これらを分析することで、自社のSEO戦略に役立つヒントを得ることができます。
他社サイトのトラフィックソース(流入経路やきっかけ)、使用キーワード、被リンクなどの調査解析は、競合分析ツールや、競合分析機能を含む統合的なSEO対策ツールを活用することによって簡単に行えます。
▼その他、SEO対策に活用できる様々なツールについてはこちらの記事でご紹介しています。
【2025年最新版】SEOツールおすすめ25選! 無料&有料、選定方法も紹介
ドメインパワーも検索エンジンの評価には重要
ドメインパワーとは、Webサイトのドメイン自体が検索エンジンからどのくらいの信頼を得ているか、その評価の度合いを0から100までの数値で示したものを指します。
数値が示す内容の目安としては、一般的に以下のような理解となります。
- ・ドメインパワーが0~10:被リンクが少ない、ほぼ無いサイト
- ・ドメインパワーが10~30:サイト単体で運営している一般的なサイト
- ・ドメインパワーが40~60:SNSやサイテーション、PR活動などで多角的な情報発信を実施しているサイト
- ・ドメインパワーが60以上:旅行予約サイトやECサイト、検索ポータルなど著名な大手サイト、自治体や国などの権威サイト
このドメインパワーの高さについても、検索上位表示されるにあたって大きな要因のひとつとなります。E-E-A-Tの評価においても、ドメインパワーが非常に重要であることがガイドラインで示されています。
現在の自社サイトのドメインパワーについては、「パスカル」「エイチレフス」「セムラッシュ」といった有料の分析ツールで採点できます。ただし、各ツールともにGoogleのアルゴリズムに基づいて設計されているものの、ツールによって計測スコアに微妙な違いが出る場合もあるという点には注意が必要です。
いずれにしても、低いスコアが計測された場合には、自社サイトのドメインパワーを高めるために以下のような施策を検討しましょう。
- ・質の良い被リンクの獲得
- ・サイテーションを増やす
- ・定期的なコンテンツの増加、更新
- ・UI、UXの改善
- ・長期的にサイトを運営
ただし早期に改善効果を出すことは難しく、その他の施策で対策しつつ、時間をかけて成果検証する必要があります。
最新のSEOトレンド情報と対策を紹介
ここでは、最適なSEOを実施するために有用なSEOの最新トレンド情報を対策とあわせてご紹介します。
音声検索の最適化
パソコンやスマートフォンでの音声認識に加え、Google NestやAmazon Echoといったスマートスピーカーが一般家庭まで広く普及しはじめていることから、音声検索への対応の重要性に注目が集まっています。
音声認識での情報検索においては、会話形式で複数の情報が入力されることも多いため、ロングテールキーワードへの対応が必須です。
また、「〇〇を教えて」「××って何?」といった質問に対して直接的な解決を提供するために、自社サイトでそもそもFAQのコンテンツを作っておくということも大変有効と考えられます。音声での質問に対して適切な情報を検索エンジンにピックアップしてもらうためには、音声検索に対応した構造化マークアップを、当該ページで記述しておきます。
さらに、スマートフォンでの音声検索は「外出時の急ぎの用事」で活用されるということも想定されます。たとえば「いまいる場所の近くにある〇〇店」を探すという音声検索ニーズを想定し、自社サービスを提供できる地域に特化したローカルSEO対策を実施しておくというのも、有利に働く可能性がある施策です。
モバイルファーストインデックスの強化
モバイルファーストインデックス(MFI)とは、Googleの検索エンジン側で旧来のパソコンサイト主体のインデックスから、スマートフォン向けサイト主軸のインデックスへと方針転換されている動きのことを指します。
この流れを受けて、サイト運営者側としても新たなインデックス方針に対応し、モバイルへの対応を徹底しておく必要があります。
前述でご紹介したレスポンシブデザインやタッチ操作に最適化したUIの整備、モバイルに向けたページ速度の実現など、必要に応じた改善策をとっておきましょう。
AIの活用
生成AIの活用についてはここ何年かで非常に注目されるようになっています。
AI技術は進歩しており、現在ではおよそAI生成とは思えないような画像、動画、会話ボットなどまで目にするようになっています。Webサイトの記事コンテンツ作成においても、例外ではありません。
たとえば既に検索上位サイトに存在しているような情報を集め、オリジナル文章へリライトしながら網羅的な記事を作成する、その際に指定したキーワードを盛り込む、といった場合にChatGPTなどのAIを活用し網羅性の高い記事作成を効率化しているケースも少なくありません。
適材適所という考え方で、適応する場面でAI技術を上手に活用することは、SEO施策としてもある程度有効であると考えられます。
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一次情報を入れる
先述したAIが生成できるのは網羅的な情報までであり、自社で独自に集めたデータや調査結果などの一次情報の生成は不可能です。
生成AIと人間がいかに連携していくかが、今後のコンテンツ作成では重要になります。オリジナリティに欠ける記事がアップされる可能性もあるため独自性のある一次情報をいれることは人間、つまりSEOディレクターの仕事です。
ライターがする仕事はAIが代行できるようになりつつあり、今後求められるのはライティングだけではなく、人間がSEOディレクターのような役割をこなしていくことです。記事のディレクション能力や、SEOの専門的な知識をもつ人材が重宝されるでしょう。
逆にいえば、そのような意識を持って、専門性の高い一次情報を付与する仕事をこなせれば、上位表示もしやすくなると考えられます。
Googleのガイドラインでも読み取れるように、2025年以降のSEOにおいてはやはり独自性のある「一次情報」を盛り込むことがこれまで以上に重要になると考えられます。
AIではできない、人間だからこそできる自社独自の情報の発信こそが、専門性をはじめとしたE-E-A-Tへの適合を高め、他社のコンテンツとの差別化にも繋がるでしょう。
一次情報とサイテーションに注目するべき
2025年を迎え、今後進めるべきSEO対策の大きなポイントに、「一次情報」と「サイテーション」が挙げられます。
ユーザーがサイトを訪れた際、どこでも見られるような一般情報に終始していたのと独自の一次情報が掲載されていたのでは、サイトへの印象が大きく異なります。
一次情報のあるサイトは「このサイトでは他ではみられない情報を得られるから、今後もチェックしよう」とブックマークをし、自然とサイトのリピーターになってくれるかもしれません。Webサイトのファン化は、そのまま企業のブランディングにもつながります。また、一次情報の盛り込みはサイテーションの増加にもつながるでしょう。
検索上位を目指すには、Googleガイドラインに準拠した対策をすること
Webサイトの検索表示順位が上がらない、競合サイトに負けてしまうという場合には、そもそもどういった仕組みで検索順位が決定されているかを理解し、Needs MetやE-E-A-T、モバイルへの対応といった最新のGoogleガイドラインを踏まえたうえでの施策を続けることが大切です。
また、こういった対策を確実に行うためには、ターゲットの検索意図を意識したうえでのキーワード選定、専門情報や一次情報の盛り込みといった、記事リライトも含めた対応が必要になります。
合わせて、クローラビリティの改善、UIの改善など技術面での対応も欠かせません。
サイトのSEO効果を高めたい場合には、本記事で解説した内容をぜひ参考にしてください。
記事の監修者
藤井 慎二郎 / 株式会社オロパス 代表取締役
SEOコンサルタントとしてBtoB、BtoC問わず、1,000社以上のWebサイトをコンサルテイングを行ってきた実績を持つ。経営軸の高い視座で戦略的にSEOを進めることが得意。
2014年に現在の株式会社オロパスを設立。それまでのSEO知見を活かしてSEOツール「パスカル」を開発。
「SEO対策を外注したいが、どれくらいの費用がかかるのかわからない」「限られた予算の中で、最大限の効果を出したい」といったような、SEO対策費用についてのお悩みを抱えていませんか?
できれば費用対効果が高く、自社の予算内で実現可能なSEO施策を選択したいと考えていると思いますが、ただ安い業者を探すのではなく、目標達成に向けた適切な投資を考えることが重要です。
この記事ではそんなときに役立つ、基本的な各種類のSEO対策費用の相場・知識や、施策別のSEO対策の費用感、適切なSEO対策の選び方、SEO対策の費用対効果を高める設計方法がわかります。
お悩みの担当者にお伝えしたいことは「初期設計が最も大事」「目標や成果から逆算してSEO対策の費用を決める」ということです。
本記事内で詳しく解説してますので、この記事を読んでいただければ適切なSEO対策が実施できるようになります!
この記事のポイント
- ・SEOの費用を決めるには「初期設計」「目標設定」から逆算して費用を決める考え方がカギ
- ・内部対策、外部対策、コンテンツSEO、SEOコンサルティングの費用相場
- ・SEO業者を選ぶ際に抑えるべきポイント
- ・費用対効果を高める際のコンテンツ作成のポイント
SEO対策の費用を決めるうえで重要なこと
SEO対策を決定する際に最も重要なのは「目標から逆算してSEO対策の費用を決める」ことです。WEB担当者の方は「SEO対策の費用や予算ありきで施策を決めようとする」ケースが非常に多いです。
なぜかというとSEO対策の費用はケースバイケースだからです。たとえば家を建てる際でも、立てる土地やメーカー、導入する設備などいろんな要素で金額が大きく変化しますよね。SEO対策の費用はピンキリなので、費用だけに目を向けてしまうなら、結論は無料で対策を行うこともできます。
つまり、回収効果やKPI・KGIを基に逆算して適正な予算を設定することがかなり重要といえるのです。ではそのためにどうすればいいのかというと、コンテンツマーケティングやSEO対策の成功には後述する「初期設計」と「目標(KPI)の設定」が欠かせません。
「会社で予算が決まっていて難しい」という方もいるかもしれませんが、しっかり回収目標を立てれば、説明ができ予算に応じた適切な外注会社やツールが選択しやすくなるメリットもありますので参考にしてください。
SEO対策の費用相場と対策
一般的なSEO対策費の費用相場と主な対策について記載します。わかりやすく月額の費用で統一して表記しました。
カテゴリ | 料金の相場 | 具体的な施策 |
---|---|---|
内部SEO対策 | 10万〜30万/月 | ・キーワードリサーチ・選定 ・サイト内部構造最適化(内部リンク対策) ・タグ最適化 ・サイトスピード改善 ・パンくずリストの設置 ・画像や動画の最適化 |
外部SEO対策 | 5万〜50万/月 | ・被リンク獲得 ・被リンク獲得のコンテンツ作成 ・ソーシャルメディアやインフルエンサーの活用 |
コンテンツSEO | 10万円〜100万円/月 | ・キーワード調査 ・コンテンツ作成 ・コンテンツ改善 |
SEOコンサルティング | 10万円〜50万円/月 | ・ライティング指示 ・施策実行 ・レポーティング ・アドバイス |
各施策をどこまで依頼するか、また実施の期間や内容などによっても変動しますが、費用感はざっくりイメージしておくと施策が選びやすいです。
SEO対策に費用を投じる場合、どのような施策が実施できるのか、具体的な内容を解説します。
内部SEO対策の費用相場と対策内容
内部SEO対策を外注する場合の費用相場は、月額10万円〜30万円程度が一般的です。サイトの規模や現在の状態、実施する施策内容に応じて費用は変動します。
サイトの構造など中身の部分を見直して、検索評価向上を狙っていく対策です。以下に代表的な施策内容を紹介します。
サイト内部構造最適化(内部リンク対策)
サイト内のページ同士を適切にリンクし、ユーザーと検索エンジンの両方がスムーズに巡回できるようにする施策です。「内部リンク対策」とも呼ばれ、SEOの基本のひとつとされています。
たとえば、関連するページ同士を適切にリンクさせることで、ユーザーは欲しい情報をスムーズに見つけられます。これはたとえるなら、本屋で本を探しているときに、本が「ジャンル別」や「著者別」に整理されていると、関連書籍を探しやすくなるのと同じイメージです。
検索エンジンにとっても、整理された内部リンクは大きなメリットがあります。適切なリンク構造があることで、クローラーがサイト内を効率よく巡回し、より多くのページをインデックスしやすくなります。結果として、検索順位の向上につながる可能性が高まります。
Googleは、ページ間の適切な関連性を重視し、構造化された内部リンクを評価します。
むやみに関連性のないページ間のリンクを増やすと、逆効果になることに注意ください。ユーザーが迷わないように、「関連性の高いページ同士を適切に結ぶ」ことを意識しながら内部リンクを設計することが重要です。
タグの最適化
「タグ」は、Webページの中にある「ラベル」や「キーワード」のようなイメージです。titleタグ、メタディスクリプションタグ、見出しタグ(hタグ)が代表的なタグです。
これらを最適化することで、Googleの検索エンジンとユーザー双方に評価されやすいページを作成します。適切なタグ設定は、検索順位に大きな影響を与える重要な施策です。
対策することで、ユーザーのクリック率の向上や、離脱率の低下に期待できます。コンテンツ作成のリソースよりリソースが少なく対策ができるので、作業の部分は内制で行っている企業も多いです。具体的にどう直せばいいかわからない場合などは外注することになります。
サイトスピード(表示速度)の改善
ページの読み込み速度を改善する施策です。GoogleのPageSpeed Insightsなどを利用して現状を把握し、画像圧縮や不要なスクリプトの削除など速度の向上対策を行います。 代表的なCMであるワードプレスで速度改善をする場合は、「W3 Total Cache(キャッシュ最適化プラグイン)」などのキャッシュ系のプラグインなどで対策することもあります。
サイトスピードを改善することで、直帰するユーザーを減らすことにつながりますし、表示速度の早いサイトは検索エンジンからの高評価にも繋がります。
パンくずリストの設置
パンくずリストは、サイトを閲覧しているユーザーが現在どのページにいるのかを視覚的に示すナビゲーションです。サイト内の階層構造を明確にすることで、ユーザーはもちろん、検索エンジンに対してもメリットを提供します。サイト構造が明確化され、クロール効率改善に期待ができます。
画像や動画の改善
サイト内で使用している画像や動画のサイズを最適化し、サイトの読み込み速度を向上させます。画像の圧縮や動画の軽量化も含まれます。画質や動画の改善を行うことで、ユーザー体験が向上されます。
外部SEO対策にかかる費用相場と内容
外部SEO対策とは、Webサイトの外部から検索順位を向上させるための施策です。被リンク獲得対策などがメインになります。外注する場合の費用相場は月額5万円〜50万円程度で、実施する施策内容やサイトの状況によって変動します。以下に主な施策をまとめました。
被リンク獲得
被リンクとは、他のサイトから自社サイトへ向けられたリンクのことです。信頼性の高いサイトからのリンクを増やすことで、自社ページの検索エンジンの評価を高め、上位表示を目指します。
信頼性の高いサイトが増えると、Googleも「信頼性が高いサイトからのリンクが得られている良いサイト」と判断し、検索順位が改善することに期待できます。また、リンクの多さは流入数にも直結します。
被リンク獲得のためのコンテンツ作成
被リンクを自然に獲得するためには、魅力的で価値のあるコンテンツが必要です。専門的な情報や共有されやすい記事を外注することで、リンク獲得を促進します。魅力的なコンテンツが増えることで、リンクの質にも大きく影響を与えます。
ソーシャルメディアやインフルエンサーの活用
Facebook、Instagram、TwitterなどのSNSや、影響力のあるインフルエンサーを活用し、自社名やサービス名への言及(サイテーション)を増やします。サイテーションは直接的なサイトへのリンクがなくても問題ありません。ブランド認知が高まり、間接的にSEO効果が高まります。新規顧客や潜在的なターゲット層にリーチできることが特徴です。
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コンテンツSEO対策にかかる費用と相場
コンテンツSEO対策は、検索意図を満たす質の高いコンテンツを通じて、集客を高めるための施策です。外注費用の相場は月額10万円〜100万円程度です。以下に代表的な施策を紹介します。
キーワード調査
コンテンツSEOを実施するうえで重要なのがこのキーワード調査です。上位表示を目指すためのキーワードを調査し、コンテンツの基盤を構築します。
競合分析や検索ボリュームの確認を行い、ターゲット層に最適なキーワードを選定します。効率的なコンテンツ作成や集客力の向上につながり、またユーザーの検索意図に応じたコンテンツを作成することにもつながります。
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コンテンツ作成
調査で得たキーワードをもとに、ユーザーの課題解決を目的としたコンテンツを作成します。社内にライターの役割が果たせる人材がいる場合は社内で賄えますが、コンテンツ作成においてライティングは一番時間がかかる部分のため、このライティング部分を外注するケースはとても多いです。コンテンツ作成は特定のテーマに沿った記事や専門性の高い内容が効果的です。
コンテンツ改善
作成済みのコンテンツをデータ分析に基づいて改善し、Googleの検索エンジンの評価を高めます。内容のリライトや内部リンクの追加が一般的な施策です。
リライトの際は、ただやみくもに関連するキーワードを入れ込むのでは意味はなく、ユーザーの検索意図を考えながらコンテンツをリライトし、よりユーザー満足度が高いコンテンツに修正していくことが非常に重要です。
外部SEOコンサルティングにかかる費用と相場
外部SEOコンサルティングの費用は、サービス内容や施策の規模によって異なりますが、一般的な相場は月額10万円〜50万円程度です。
社内にディレクター的な役割ができる知識をもった人材がいて、かつリソースも確保できる場合は内部の指示は内制で行いますが、難しい場合は外注して行うことになります。自社の状況に合ったコンサルティングを選ぶために、外部SEOコンサルティングにはどのような施策が含まれているのかを把握することが重要です。以下で主な施策内容を紹介します。
ライティング指示
検索エンジンとユーザー双方に評価されるコンテンツを制作するための具体的な指示を提供します。キーワード選定やタイトル、見出し構成案、文章内のキーワード配置などが含まれます。
SEOコンテンツに関わるライティング
自社の製品やサービスに関連するSEOコンテンツを作成するためのライティング支援を行ってくれる会社もあります。狙いたいキーワードに基づき、ユーザーに役立つ記事を提案します。コンサルティングに「記事作成代行」などを依頼するケースがありますが、1記事あたり3万円程度で作成代行してくれる会社が多いです。
施策実行
提案した施策を内容を実際に実行するサポートを行います。内部リンクやメタタグの最適化、外部施策の実施などが含まれます。外注に依頼することでリソース不足の課題を解消し、効率的に施策を進められ、SEO効果を早期に実感することにつながります。
レポーティング
SEO施策の結果をデータとして可視化し、次の施策に活かせるようレポートを作成します。打合せ形式で月次や週次で対策の成果を報告してくれる会社も多いです。施策の進捗を把握し、データに基づいた改善が可能になり、SEO専門家の視点から、継続的に改善を行うための具体的なアドバイスを提供してくれます。
SEO対策費用の決め方
SEO対策にもって担当者がよく最初に考えてしまうのが、「SEO対策にはいくら費用がかかるのか」ということです。
会社予算が決まっているケースも多いので致し方ない部分もあるのですが、このように費用から入るという考え方は失敗するもとです。なぜかというとSEO対策の費用には幅があり、無料でもできますし、1,000万円でも実施することはできます。
ではどうすればよいのかというと「売上や目標の設計(KPI、KGIから逆算する」といったことが必要です。「初期設計を具体的にする」ということが特に大切だといえるでしょう。
初期設計の重要性
目標を達成するために重要なのは初期設計です。まずはじめに明確な目標設定をしないと、対策をする途中で方向性を見失いがちです。
SEO対策をしたいと考えている方はコンテンツマーケティングを主体に考えていると思いますが、コンテンツマーケティングを例にとって、この初期設計に必要な考え方を説明していきます。
コンテンツマーケティングの初期設計8ステップ
1. 売上目標と期間を設定する
2. 必要な顧客数を計算する
3. 必要な商談数を計算する(BtoBの場合)
4. リード数を計算する
5. サイト訪問者数を算出する
6. 検索ボリュームを計算する
7. 必要なキーワード数を算出する
8. 必要な記事数を決定する
投稿スケジュールの決定
いかがでしょうか。これは例ですが、このように目標を具体化することで、必要な施策と作業量が明確になります。そのうえで、目標達成に向けた計画や戦略を具体的に策定し、スケジュールやステップを可視化しましょう。
ゴールを自社の売上ベースでシミュレーションしていく考え方も大事です。このシミュレーションに応じて、必要なSEO施策を考えていきます。
また、シミュレーションもとても大事ですが、一方で定期的な見直しも大切です。現実の成果が初期のシミュレーションとずれることは多いため、定期的に数値検証していきましょう。コンテンツマーケティング以外のSEO施策にも全般に共通していえることです。
ステップや作業量を明確にすることで、「ここは外注しなくてはいけない」「ここは社内リソースを確保しよう」といった判断ができます。予算に応じた対策を決めるために、非常に重要なことになります。
SEO業者の選び方
業者を選ぶ際の注意点
外注する業者を選定する際の注意点としては、以下の通りです。
- ・作業内容やサービスの適正
- ・施策が進めやすいSEO知識のある担当か
- ・同業の実績があるか
作業内容に見合ったサービスを見極めるには、複数社見積もりを取得することがオススメです。可能な限り、計画書を作ってもらうことも大切です。
また、費用が安いことはもちろんですが、ちゃんとSEO対策の知識があるかどうかも重要視しましょう。先ほどお伝えしたような、目標設計が描けているかどうかという点も重要なポイントです。
最後に同業の実績があるかどうかを調べると安心できます。業種に精通した知識があるかどうかは非常に重要なポイントです。
外注する場合の費用体系の違い
SEO対策を外注する場合、費用体系は大きく分けて「固定報酬型」と「成果報酬型」の2つがあります。それぞれの費用体系にはメリットとデメリットがあり、自社のニーズや状況に合わせて適切な方を選択することが重要です。
固定報酬型
固定報酬型とは、あらかじめ決められた期間や作業量に対して、定額の報酬を支払う方式です。たとえばですが、月額10万円でSEO対策を依頼する場合、毎月10万円の費用が発生します。これは、作業の成果に関わらず支払う必要がある費用です。固定報酬型のメリットとデメリットを解説していきます。
固定報酬型のメリット
・予算管理がしやすい
毎月固定の費用が発生するため、予算計画が立てやすく、予期せぬ出費を抑えることができます。
・長期的な視点で対策できる
SEO対策は中長期で成果を得られることを理解しておきましょう。短い間では効果が見えにくい場合があり、長期的な視点で継続的に取り組むことが重要です。固定報酬型であれば、成果に一喜一憂することなく、腰を据えてSEO対策に取り組むことができます。
・安定した関係構築
継続的な契約となるため、外注先と良好な関係を築き、密なコミュニケーションを取りながらSEO対策を進めることができます。
固定報酬型のデメリット
・成果が出なくても費用が発生する
SEO対策は、必ずしも成果が保証されるものではありません。そのため、費用対効果を重視する場合は、成果報酬型の方が適している場合があります。
・費用が高額になる場合がある
広範囲な対策を依頼する場合、費用が高額になる可能性があります。SEO対策の範囲が広ければ広いほど、費用は高額になります。そのため、予算に限りがある場合は、SEO対策の範囲を絞る必要があるかもしれません。
・成果に対するモチベーションが低い
固定報酬型の場合、外注先は成果に関係なく報酬を受け取ることができるため、成果に対するモチベーションが低い場合があります。
成果報酬型
成果報酬型とは、あらかじめ設定した目標達成を条件に報酬を支払う方式です。
目標とする成果は、例えば「◯◯というキーワードで検索順位1位を獲得」「サイトへのアクセス数を〇〇%増加させる」など、具体的な数値目標を設定することが一般的です。そういった成果を達成した際に費用が発生する仕組みです。例をあげるなら「SEO対策」というキーワードで検索順位1位を獲得した場合に100万円の報酬を支払うといった契約を結ぶことができます。
成果報酬型のメリット
・費用対効果が高い
成果が出た場合にのみ費用が発生するため、無駄な費用を抑えることができます。
・成果に対するモチベーションが高い
成果報酬型の場合、外注先は成果を上げなければ報酬を受け取ることができないため、成果に対するモチベーションが高くなります。
・リスクが少ない
SEO対策は、必ずしも成功するとは限りません。そのため、リスクを抑えたい場合は、成果報酬型の方が適している場合があります。
成果報酬型のデメリット
・予算管理がしにくい
成果によって報酬が変動するため、予算計画が立てにくく、予期せぬ出費が発生する可能性があります。
・短期的な視点になりやすい
成果報酬型の場合、外注先は短期的な成果を上げることに注力する傾向があり、長期的な視点でSEO対策に取り組まない場合があります。
・不正が行われる可能性がある
悪質な業者だと、不正な手段で成果を上げる場合がある点もデメリットとして挙げられます。例えば、ペンギンアップデートやパンダアップデート前に横行した「ブラックハットSEO」と呼ばれる不正な手法を用いて、短期間で検索順位を上げる業者も存在します。
このような業者に依頼してしまうと、検索エンジンからペナルティを受けてしまう可能性があります。
費用対効果の高いSEO対策とは?
SEO対策の費用対効果を高めるためには、以下の3つのポイントを意識することが重要です。
1. 予算にあわせて費用対効果の高いSEO対策を選ぶ
SEO対策には、さまざまな種類があります。費用対効果の高いSEO対策は、必ずしも高額な対策とは限りません。自社の予算に合わせて、費用対効果の高い対策を選びましょう。費用をかけずにできる対策としては、GoogleサーチコンソールやGoogle Analyticsなど無料ツールを活用し、サイトの表示速度を改善したり、コンテンツの内容を充実させたりすることが挙げられます。
2. 目標とする成果を明確にする
先ほどお伝えした考え方ですが、目標から逆算すれば必要なリード(見込み)数、費用が見えてきます。SEO対策を行う前に、目標とする成果を明確にしましょう。目標とする成果が明確であれば、適切なSEO対策を選択することができます。
たとえば、目標とする成果が「サイトへのアクセス数を増やす」というものであれば、コンテンツSEO対策や被リンク対策などが有効です。
3. SEO対策の効果を測定する
SEO対策の効果を測定することで、費用対効果を把握することができます。効果測定には、Google Analyticsなどのアクセス解析ツールを活用しましょう。アクセス解析ツールを使えば、Webサイトへのアクセス数やユーザーの行動などを分析することができます。
費用対効果を最大化するSEOのコツ
SEO対策は、闇雲に行うのではなく、適切な戦略と施策を実行することで、費用対効果を最大化することができます。
検索意図に合ったコンテンツ作成
SEOで上位表示するためには、ターゲットユーザーの検索意図を満たすコンテンツを作成することが重要です。
検索意図を分析するには、関連するキーワードを調査し、ユーザーがどのような情報を探しているのかを把握することが必要です。
たとえば、「SEO対策」というキーワードで検索するユーザーは、「SEO対策とは何か」「SEO対策の方法」「SEO対策の費用」など、様々な情報に関心を持っている可能性がありますよね。それぞれの検索意図を分析し、ニーズに合致したコンテンツを作成することで、ユーザーの満足度を高め、検索エンジンの評価を高めることができます。
また、競合サイトのコンテンツを分析し、どのような内容が評価されているのかを調べることも重要です。競合サイトがどのようなキーワードで上位表示されているのか、どのようなコンテンツを作成しているのかを分析することで、自社のSEO対策に役立てることができます。
さらに、検索エンジンのサジェストキーワードから、ユーザーの興味関心を分析することも重要です。サジェストキーワードがなにかというと、ユーザーが検索ボックスに入力したキーワードに基づいて、検索エンジンが提案するキーワードです。
サジェストキーワードを分析することで、ユーザーがどのようなキーワードで検索しているのか、どのような情報に関心を持っているのかを把握することができます。
被リンクの質を重視する
被リンクは、SEOにおいて重要な順位決定要因の一つです。しかし、被リンクの数を増やすことだけを重視するのではなく、質の高い被リンクを獲得することが重要だとGoogleも言及しています。
質の高い被リンクとは、自社のサイトと関連性の高いサイトや、権威性の高いサイト、ユーザーから信頼されているサイトから、自然な形で獲得した被リンク(ナチュラルリンク)とも言われます。
質の高い被リンクを獲得するには、良質なコンテンツを作成することが重要です。良質なコンテンツは、自然と他のサイトからリンクを獲得することができます。良質のコンテンツは、検索ユーザーの悩みの解決に役に立つ、人に教えたくなるようなコンテンツのことです。
また、たとえばSNSでコンテンツを拡散することで、被リンクを獲得する機会を増やすこともできます。
分析ツールの活用
SEO対策の効果を測定し、改善していくためには、SEO分析ツールの活用が不可欠です。分析ツールを活用することで、Webサイトへの流入状況やユーザーの行動、検索キーワードのランキングなどを把握し、SEO対策の効果を客観的に評価することができます。有料のツールであれば費用はかかりますが、無料のツールよりも性能の高いツールが多いです。
SEOツールについては以下の記事でも紹介しています。
関連記事
【2025年最新版】SEOツールおすすめ25選! 無料&有料、選定方法も紹介
SEO会社に見積もり依頼をする際の注意点
SEO対策を外注する場合、見積もり依頼をする際に注意すべき点がいくつかあります!
キーワード選定を明確に
どのようなキーワードを選定し上位表示を目指したいのかを明確に伝えましょう。SEOコンサル業者はSEOに関してはプロですが、確実に社内の人間の方がサービス・商品理解はあります。なので、そこはできるだけ正確に伝えるようにしましょう。
キーワード選定のイメージが浮かばない場合は、自社のターゲットイメージを伝えて外注に相談したり、まずは社内の他の人に相談するのもいいと思います。ターゲットのキーワードが明確でないと、適切な施策は打てません。
やりたい施策を自分でも考える
SEO対策には、様々な施策があります。どのような施策を希望するのか、事前にある程度考えておくことで、より具体的な提案を受けることができます。キーワード・ターゲットに応じて説明すると、外注業者は見積もりがしやすいです。
予算感を確認する
自社の想定する予算感を伝えることも大切です。そうすることで予算に合った提案を受けることができます。ただし、まずは予算以上のプランも提案を受けてみたほうがいいです。想定より獲得ができる良い施策であれば、より良い施策の社内提案につながるかもしれません。
契約条件もしっかりと確認
契約期間、成果指標、支払い方法、解約条件など、契約内容をしっかりと確認しましょう。先述した固定報酬型、成果報酬型のどちらにあてはまるかも確認しておきましょう。
最低3社以上は見積もりをとる
必ず複数の業者から見積もりをとってください。複数の業者から見積もりをとることで、価格やサービス内容を比較検討することができます。
SEO対策を内製でするのと外注するのはどちらがオススメ?
SEO対策を自社で行うか、外部の業者に依頼するかで迷う方も多いのではないでしょうか。自社でSEOを行うことを「インハウスSEO」ともいいます。
SEO対策を「内製化」するか「外注化」するか は、企業の規模やリソース、そしてSEOにかけられる予算によって異なります。
まずは先ほどお伝えした目標設定・初期設計をしっかりとして、それから判断するのがオススメです。内製・外部業者共にメリットやデメリットがありますので、わかりやすく表にまとめました。
SEO対策の内製化 | |
---|---|
メリット | |
費用 | 外注費用が発生しないため、コストを抑えられる。 |
ノウハウの蓄積 | SEOの知見を社内に蓄積できる。 |
柔軟な対応 | 社内の状況に応じて、柔軟にSEO施策を実行できる。 |
デメリット | |
専門知識 | SEOの専門知識を持つ人材の確保・育成が必要。 |
最新情報への対応 | アルゴリズムの変化に自社で対応し続ける必要がある。 |
リソース | SEO施策を行うための時間と人的リソースが必要。 |
SEO対策の外注化 | |
---|---|
メリット | |
専門知識 | SEOの専門知識や最新トレンドに精通した業者に依頼できる。 |
作業負担 | 業務を外注できるため、社内の負担を最小限に抑えられる。 |
最新情報の適用 | SEOのアルゴリズム変更にも適切に対応してくれる。 |
デメリット | |
費用 | 外注費用が発生し、施策の規模によっては高額になる。 |
ノウハウの蓄積 | SEOのノウハウが社内に蓄積されにくい。 |
コミュニケーション | 外注先とのやり取りが必要で、連携コストが発生する。 |
一概にどちらがいいというわけではなく、メリットやデメリットがありますので、こちらを把握したうえで判断しましょう。
SEO対策の内製化と外注化の費用比較
内製化と外注化のどちらが費用対効果が高いかは、一概には言えません。内製化で費用をかけて進める場合は、人件費やツール利用料などの費用がかかります。
一方、外注化の場合は、外注費用が発生します。それぞれの費用を比較検討し、自社にとって最適な方法を選択しましょう。
どのような場合に内製化、外注化を選択すべきか
参考までに、内製と外注化の選び方も説明しますが、以下のような場合は内製化を検討してみましょう。
・リソースが豊富で、SEOに力を入れることができる
・SEOの専門知識を持つ人材がいる(もしくは育てていきたい)
・費用を抑えたい
・社内にSEOのノウハウを蓄積したい
反対に、以下のような場合は、外注化を検討してみてもいいかもしれません。
・SEOの専門知識を持つ人材がいない
・最新情報への対応が難しい
・時間と労力をかけたくない
こちらを目安に、自社の中で判断をしてみてください。
目標を明確にし、逆算してSEOの予算を決めよう
この記事では、SEO対策の費用について解説してきました。
SEO対策は、Webサイトの集客において非常に重要な役割を担っています。費用対効果を意識し、適切な方法でSEO対策に取り組むことで、Webサイトへのアクセス増加、そしてビジネスの成功に繋げることが可能になります。
SEO対策の費用対効果を高めるためには、以下の3つのポイントを意識しましょう。
・ 費用対効果の高いSEO対策を選ぶ
高額な対策が必ずしも効果が高いとは限りません。自社の予算に合わせて、費用対効果の高い対策を選びましょう。
・目標とする成果を明確にする
SEO対策を行う前に、目標とする成果と初期設計を明確にしましょう。目標とする成果が明確であれば、適切なSEO対策を選択することができます。
・SEO対策の効果を測定する
SEO対策の効果を測定することで、費用対効果を把握することができます。効果測定には、Google Analyticsなどのアクセス解析ツールを活用しましょう。
上記のポイントを踏まえ、自社にとって最適なSEO対策を選択することで、費用対効果を最大化し、SEO対策の成功につなげましょう!
記事の監修者
藤井 慎二郎 / 株式会社オロパス 代表取締役
SEOコンサルタントとしてBtoB、BtoC問わず、1,000社以上のWebサイトをコンサルテイングを行ってきた実績を持つ。経営軸の高い視座で戦略的にSEOを進めることが得意。
2014年に現在の株式会社オロパスを設立。それまでのSEO知見を活かしてSEOツール「パスカル」を開発。
2025年のSEO対策に欠かせない、ある要素について解説します!
昨年はChatGPTをはじめとした生成AIが台頭し、記事作成のやり方が大きく変わりました。生成AIを活用しながら記事を書かれている方も多いのではないでしょうか。
直近更新があった「 Google 検索品質ガイドライン」には、AI 生成コンテンツに関する評価基準が改めて示され、記事がAIで作られたかどうかの手法にはよらず、品質を重視するとの記載がありました。
記事の品質を担保し、生成AI時代の2025年のSEO大改革を乗り切るために「絶対に必要な◯◯」について解説します。
「2025年の最新トレンドを知りたい方」、「2025年を乗り切るために欠かせないSEOのポイントを知りたい方」は、ぜひご参加ください。
こんな方におすすめ
・オウンドメディアを運営中、もしくは立ち上げを検討中の方
・リード、お問い合わせの獲得方法や獲得数にお悩みの方
・SEOの最新トレンドを知りたい方
・生成AIでのコンテンツ作成を行なっている、もしくは作成を検討中の方
ウェビナー概要
2025年のSEO対策は、これまで以上に大きな変革期を迎えようとしています。
検索アルゴリズムの変動や生成AIの進化、ユーザー行動の変化に合わせて、新たな価値が求められると考えています。
本ウェビナーでは、SEO対策歴20年以上の藤井が、独自の視点で2025年のSEOを予想し、検索上位を目指すための最新のSEO戦略を解説します。
「SEO対策の最新情報が知りたい」「生成AIの活用に不安を感じている」という方は、この機会にぜひご参加ください。
開催日時
開催日時 | 2025年2月26日(水) 12:00〜12:30 |
開催場所 | オンライン開催(zoom)
※お申し込み完了後、運営担当者にて内容確認の上 |
参加費 | 無料 |
注意事項 | ※プログラムは変更となる場合がございます。 ※同業他社の方はご参加をご遠慮いただいておりますので、 予めご了承ください。 |
お問い合わせ先 | 株式会社オロパス セミナー運営チーム 高畠 TEL:011-206-6870 受付時間:平日10:00〜18:00 |
登壇者プロフィール
藤井 慎二郎 / 株式会社オロパス 代表取締役
1,000社以上のWEBサイトのコンサルティング実績。SEOツール「パスカル」を2015年にリリース、2025年2月現在で2,630社以上の導入実績を持つ。
ウェビナーお申し込み方法
成果を出すためのSEO×ホワイトペーパー施策について解説します!
SEO対策とホワイトペーパー施策、どちらか一方だけがうまくいっても、肝心なリード獲得に繋げることはできません。
そこで、SEOのプロとホワイトペーパーのプロが、コンテンツマーケティングを成功させるためのノウハウをお伝えします。
こんな方におすすめ
・オウンドメディアを運営中、もしくは立ち上げを検討中の方
・リード、お問い合わせの獲得方法や獲得数にお悩みの方
・サイトへの流入からCVに繋げられていない方
・作成したホワイトペーパーが中々効果が出ないと感じている方
・コンテンツマーケティングを始めようと思っている方
・コンテンツの質を高めてより効果的に活用したい方
ウェビナー概要
第一部 株式会社オロパス:SEO逆転の発想!少ない手間でCVを生み出すWebマーケティング術
【概要】
SEO対策と聞いて何を思い浮かべるでしょうか?「キーワードの選び方」、「最初の戦略立て」などなど、よく聞く対策方法が重要なのはわかっているけど、SEOばかりに中々時間は割けられないという方も多いと思います。今回お伝えする内容は一般的なSEO対策とはひと味違います。限られたリソースを使ってCVに繋げるために、SEOツールの提供会社であるオロパスが実際にやっているコンテンツマーケの手法を公開します!実例に基づいたお話ですので、すぐに持ち帰って実行に活かせるポイントがあるはずです。SEOで中々効果を出せていないとお悩みの方は是非ご参加ください!
【こんなことが学べます】
・リード獲得、問い合わせに繋げるためのSEO対策のやり方
・少ない手間で成果に繋げるためのSEO対策のやり方
・今までにないSEO対策のやり方
第二部 株式会社デボノ:コンテンツ制作のポイントを解説!ホワイトペーパーの作り方
【概要】
コンテンツマーケティングを始めたいと思ってはいても、実際にどんなコンテンツを作ったら良いのか?どんなテーマ設定をしたらいいのか?わからないというお悩みを持っている方も多いのではないでしょうか。今回はホワイトペーパーを作る上で効果に繋げていくために大切なポイントや、よくあるお悩みを解決するポイントを解説していきます。 これからホワイトペーパーを作ろうとしている方だけでなく、すでにホワイトペーパーを作ったことがある方にとっても役立つ情報をお届けします。
【こんなことが学べます】
・ターゲットに刺さるホワイトペーパーのテーマ設定
・具体的なコンテンツ内容例
・効果の出やすいホワイトペーパーとは?
開催日時
開催日時 | 2024年11月14日(木) 12:00〜12:50 |
開催場所 | オンライン開催(zoom)
※お申し込み完了後、運営担当者にて内容確認の上 |
参加費 | 無料 |
注意事項 | ※プログラムは変更となる場合がございます。 ※同業他社の方はご参加をご遠慮いただいておりますので、 予めご了承ください。 |
お問い合わせ先 | 株式会社オロパス セミナー運営チーム 高畠 TEL:011-206-6870 受付時間:平日10:00〜18:00 |
登壇者プロフィール
藤井 慎二郎 | 株式会社オロパス 代表取締役
5,000社以上のWEBサイトのコンサルティング実績。SEOツール「パスカル」を2015年にリリース、2024年10月現在で2,500社以上の導入実績を持つ。
栗山 知之 | 株式会社デボノ 執行役員
2011年に株式会社エルテス(東証グロース)入社。WEBリスク対策ソリューションの企画・提案を行い、企業のSNS利用実態を汲み取り、サービス開発にも携わる。 2014年に株式会社デボノの前身となる株式会社インロビへ入社。 執行役員としてホワイトペーパーや営業資料等の制作自動化を支援をする「サブスクリプション型資料制作サービス」の指揮を取る。
ウェビナーお申し込み方法
コンテンツマーケティング手法のひとつである「SEO対策」について、耳にしたことはあるけれど、具体的な対策はよく知らないという方も多いのではないでしょうか。
SEO対策は実際にどのように行うのか、そもそも効果があるのか、SEO対策に関して皆さんが気になっているであろうポイントを、初心者の方にもわかりやすく解説します。

新規リードがどんどん集まる!SEOで成功しているサイトが必ず行っている3つのポイント!
SEO対策は、最初の戦略設計が非常に重要です!
SEO対策成功のためのポイントがわかります。
SEOとは?
SEOとは、「Search Engine Optimization」の略で、日本語では「検索エンジン最適化」という意味になります。検索エンジンの最適化とは、検索結果で上位表示させることを指し、上位表示とは一般的に10位以内(検索結果の1ページ目)に表示させることです。
SEO対策とは?
SEO対策とは、オウンドメディアやECサイトなどのwebサイトを検索エンジンで上位表示させ、露出を増やすために行う、具体的な取り組み、技術のことをいいます。例えば、「タイトルに狙いたいキーワードを含める」、「キーワードに合った適切な文字数で記事を書く」、「筆者のプロフィール情報を明記する」などが具体的な対策方法として挙げられます。
必ずこれをやったから検索上位に表示されるというものではないため、知識や経験がないと中々自身で対策するのは難しく、SEOのコンサル事業者やツールの販売業者などの専門家も数多く存在しています。
なぜSEO対策が必要なのか?
皆さんも、なにかわからないことがあるとき、欲しいものがあるとき、インターネットで検索すると思います。最近はChatGPTやGeminiなどの生成AIツールの活用も増えていますが、まだまだ検索エンジンを日常的に使っている人は多いでしょう。
そのような検索ユーザーに対して満足する結果を表示させるため、検索エンジン側は、ユーザーが検索行動を取ったときに、必要なコンテンツをwebサイト上に用意しています。
しかし、ユーザーが検索して見るのは、せいぜい検索結果の1ページ目の上位2〜3サイト程度のため、せっかく自社でコンテンツを用意しておいたとしても、検索結果の上位に表示されなければ、ユーザーの目には届かず、意味のないコンテンツになってしまいます。
手をかけて作った自分のコンテンツを適切にユーザーに届けるために、SEO対策は必要になります。
関連記事:ChatGPTはSEO対策に活用できるの?SEOに強い記事の作成方法やプロンプト作成のコツも解説!
関連記事:AIライティングツールでSEO対策するなら知らないと危険!コツと注意点
検索順位が決定する仕組み
webページを公開後、すぐに検索順位が決まるわけではありませんし、検索結果に表示されるようになるわけでもありません。Googleが検索結果を表示するまでには、次のプロセスが必要です。
順位が決定するまでの流れ
順位が決定するまでの流れですが、webページが公開されてから、クロール→インデックス→ランキング決定と複数の段階を踏む必要があります。
流れを一つずつ見ていきましょう。
STEP1:クローラーにページを見つけてもらう
検索結果の画面にページが表示されるようになるためのステップとして、まずは、公開したページをGoogleに見つけてもらう必要があります。
Googleはweb上のページを巡回するのに、クローラー(Googlebot)と呼ばれるロボットを利用しています。
世界中では、毎日、毎時間、膨大な数のwebページが公開されていますが、クローラーのリソースは有限なので、全てのページを同じ頻度で巡回するのは難しいです。
そのため、クローラーは優先順位をつけて、日々巡回、情報収集を行っています。
具体的には、ニュースサイトなどの更新頻度が高いページや、アクセス数や被リンクの多い人気が高いと見られるページなどのクロール頻度は高いと言われています。
また、webページに辿り着いてから画面が表示されるまでの速度を上げると、巡回頻度は高くなるとGoogleは明言しています。
参考:Google検索セントラル-Googlebotのクロールの割り当てについて
STEP2:ページをインデックスしてもらう
インデックスとは、検索エンジンのデータベースに登録されることをいいます。
クローラーが特定のページを発見したとしても、クローラーが巡回した全てのページが検索結果に表示されるわけではありません。
内容が薄い低品質なコンテンツやコピーコンテンツに該当しているページは、クロールされてもインデックス登録されない可能性があります。また、noindexタグ(ページがインデックスされることを防ぐタグ)を設置しているページに関してもインデックス登録されません。
クローラーが巡回した結果、問題ないと判断された際に、インデックスの作業が完了し、初めて検索結果に表示されるようになります。
STEP3:400以上のアルゴリズムによってランキングが決定
ページがインデックス登録された後、いよいよ検索順位が決定します。
Googleは何を基準に検索順位の判定を行っているのか、その全てが正確に明らかになっているわけではありませんが、400以上の「シグナル」と呼ばれるさまざまな要素によって検索順位が決まると考えられています。
また、検索アルゴリズムの細かな変動は常に行われていると言われており、年に数回アナウンスされる「コアアップデート」という規模の大きいアップデートでは、アルゴリズムが大きく変更することがあります。
STEP4:検索結果に反映されるようになる
STEP1〜STEP3の流れを経て、ようやく検索順位が決まります。
検索結果の1ページ、つまり1位〜10位以内に表示されなければ、ユーザーの流入はほぼ見込めないと思ったほうがいいです。
Internet Marketing Ninjas(インターネット・マーケティング・ニンジャズ)の調査結果によると、検索順位1位のページがクリックされる確率は21.12%であるのに対し、検索順位が11位のページは1.46%と、その差は19.66%にもなると言われています。
参考:Google オーガニック クリックスルー調査: 位置、業種、クエリ タイプ別の Google クリック率の比較
SEOの6つのメリット
SEO対策を行うことによって得られる恩恵は数多くありますが、その中でも特に6つの大きなメリットが挙げられます。
潜在層と顕在層それぞれにアプローチできる
潜在層:悩みや課題を持っているものの、解決法には辿り着いておらず、手段を検討している層
顕在層:悩みや課題の解決手段は見つけており、商品やサービスの比較検討を行っている層
SEO対策は選ぶキーワードによって、潜在層と顕在層、それぞれのターゲットに向けたアプローチが可能になります。
例えば、「SEOツールの販売を行うA社」と「見込み顧客を増やしたいと考えている不動産業者のB社」がいたとします。B社は、見込み顧客を増やしたいと思っていますが、メルマガ、テレアポ、広告、コンテンツマーケティングと、どのような手段で集客を増やすのが良いか迷っています。
B社が集客方法を決めかねているうちは、「見込み顧客 増やす方法」や「不動産 集客」などといったキーワードで集客方法を検索することが想定されます。この段階では、B社はA社にとっての潜在層といえます。
一方、B社が集客を増やす手段として、コンテンツマーケティングを行うことを既に決めている場合、SEO対策という手段が明確なため、「不動産 SEO」、「SEO やり方」のようなキーワードで対策方法を検索することが想定されます。
このようなキーワードを検索している時点では、B社はA社にとっての顕在層であるといえます。以上のことから、SEO対策では、キーワードによって、潜在層にも顕在層にもアプローチが可能になることがわかります。
広告よりも集客力が高い
検索エンジンを活用して調べ物をした際、検索結果の上位部分もしくは下段に「スポンサー」と表示されているURLを見たことがある方も多いのではないでしょうか?それは、リスティング広告と呼ばれるもので、ユーザーがURLをクリックすると広告費用が発生します。
では、検索結果の1位より上部に表示されているリスティング広告と、検索結果の1位とでは、どちらのほうがクリック率(CTR)が高いと思われますか?
実は、ある調査結果では、広告のクリック率は約3%、1位のクリック率は約30%とおよそ10倍もの差が生まれる結果となっています。ユーザーは、どちらのほうが信頼のおける自分たちの役に立つ優良なコンテンツであるか、わかっているということですね。
そのため、高いお金を出して広告を出すよりも、少しでも良質なコンテンツを作成して、上位表示させるほうが集客力が高いと考える方もいるでしょう。
継続的な集客を見込める
SEOで表示される結果に比べて、広告は広告運用を行っている間だけ、広告が掲載されるため、当然広告費を支払わなくなり広告掲載を取り下げると、集客もストップしてしまうことになります。
一方で、コンテンツマーケティングは記事を作成した後、コンテンツがどんどん蓄積されていくため、定期的なメンテナンスを行い、上位表示されている限りは、継続的に見込み顧客を連れてきてくれます。
さらに、ユーザーは検索行動を行って、自発的にサイトに流入してきてくれるため、ポジティブな印象を持たれやすいことも大きなメリットです。
広告費用の削減に繋げられる
記事を作成し、コンテンツの数が増えていくことで集客力が高まることはお伝えしてきましたが、自然検索からのサイト流入が増えることによって、今まで広告にかけていたコストを削減することに繋がります。
ある程度のコンテンツ数を作成し、効果が出るようになるまでは一定の期間とリソースがかかりますが、コンテンツ作成後の費用対効果は大きいため、根気強く取り組むことをおすすめします。
コンテンツを資産化できる
コンテンツを継続的に作成し、コンスタントに上位表示できるようになれば、蓄積されたコンテンツは資産になります。
一方で、ただやみくもにコンテンツを作ればよいということではありません。ユーザーにとって有益で、高品質なコンテンツでなければ、もちろん上位に表示されませんし、その後の流入、お問い合わせや購買にも繋がりません。
ユーザーニーズを満たすコンテンツを量産し、コンテンツを資産化させることが大切です。
第一想起に繋げられる
現状あまり認知されていないような企業やサービスでも、自社に関連するキーワードでコンテンツ作りを続けていれば、「〇〇といえばあそこの企業だよね。」、「あそこの企業はよく検索上位に表示されているから信用できるよね。」というように、検索結果の上位に表示されることは企業のブランディングに繋がります。
また、第一想起にも繋げることができます。第一想起とは、「〇〇といえばここの企業」というように一番に思い浮かべてもらうことをいいます。第一想起ブランドは、最初の検討候補に入ったり、購買してもらえたりする可能性が高く、SEOでブランディングを行う大きなメリットのひとつになります。
SEOの5つのデメリット
ここまで、SEOのメリットについてお伝えしましたが、避けては通れない、SEOのデメリットについてもいくつか解説します。
上位表示されないと効果が出ない
SEO対策の効果が出るのは、検索結果の上位を獲得できることが前提です。検索順位を上げられなければ、そもそもユーザーにコンテンツを届けられず、コンテンツの内容を見てもらえないということにつながり、コンテンツ作成にかけた時間や費用が無駄になる可能性が高くなります。
効果が出るまでに時間がかかる
コンテンツを1つ作るにしても、キーワードの選定や構成案の作成など、多くの地道な工程や作業時間が必要になります。そのため、当然コンテンツの量を増やすのにも時間がかかりますし、コンテンツを公開したからといって、必ずしもすぐに検索上位が獲得できるわけでもありません。
SEO対策を始めてから最初のうちは、効果が出始めるまで一定期間我慢が必要となります。具体的には、新規で制作した立ち上げ初期のサイトは半年〜1年ほど、既存のサイトは1ヶ月〜4ヶ月ほどで効果が出てくるケースが多いです。ただし、サイトのジャンルや更新頻度など、様々な要素によって効果が出るまでの時間は変わってくるので参考程度に留めてください。
SEO対策での効果を早める方法については、以下の記事で詳しく解説していますので、気になる方は参考にしてみてください。
関連記事:SEO対策で効果が出るまでにかかる時間はどれくらい?最短期間で効果を出す方法を徹底解説!
コンテンツ作成のために一定の人員や費用が必要となる
コンテンツ作成のための手段として、ChatGPTやGeminiを始めとした生成AIツールが台頭していますが、全文をAIで生成してしまうと、オリジナリティの観点やコピーコンテンツの観点で、Googleからペナルティを受けてしまう可能性があります。
そのため、現状コンテンツを作成するにあたって、人の手は欠かせません。自社内でコンテンツ作成を行う場合は、一般的にディレクターやライターの人手が必要となりますし、本格的にやろうとなるとSEOツール利用のための料金が発生します。
同様に、外部のプロに委託する場合は委託費用が発生するので、一定人員の確保と予算の確保が必要となることは押さえておきましょう。
Googleのアップデートの影響を受けやすい
Googleのアルゴリズムは日々変化していることをお伝えしましたが、アップデートの影響を受け、検索順位や売上に大打撃を受けた企業も多く存在しています。Google公式から、コアアップデートの大まかな目的について明かされるケースは多いですが、アップデートの詳細な内容までは開示されることはほとんどありません。
つまり、いつ・どんなことが原因で順位の変動が起こってしまったのかわからず、その後の順位回復まで時間がかかるというケースも多々あります。
直近2024年8月のコアアップデートに関して、Googleのダニー・サリバン氏は、
「本当に良いコンテンツを作成しているのにもかかわらず、十分な評価を受けられていなかったとしても、良いコンテンツをつくることを諦めるべきではない。Googleは最終目標であるユーザーの役に立つコンテンツを適切に評価できるランキングシステムに改善し続けるため、今後のアップデートで適切な評価がなされるように改善していく。」
との見解を示しています。
アップデートの結果に一喜一憂せず、ユーザー最優先の目線でコンテンツ発信を続けていくことが大切です。
参考:2024年8月のコアアップデートに関するGoogleのダニー・サリバン氏へのインタビュー
ライバル企業の影響を受ける可能性がある
ライバル企業のサイトのコンテンツの質が高い場合や、ドメインスコアが高いケースの場合は、自社がSEO対策を尽くしたとしても、必ずしも上位表示が叶わない可能性があります。
SEOは「足し算」と言われており、検索順位の決定は400以上の要素に基づいて行われているため、複数の要素で総合得点が高いページやサイトのほうが評価されます。
コンテンツの質が高く、圧倒的なコンテンツ数があるサイトが競合となる場合は、競合サイトとは別の切り口のキーワードを探したり、長期的な戦略立てを行って対策したりする必要があります。
SEO対策における5つの注意点
SEO対策の取り組みを続けていると、気づかない間にGoogleからの評価を下げてしまっているケースや、イマイチ成果に繋がらないというケースも出てきます。
予め、SEO対策における注意点をしっかり理解し、正しいSEO対策に繋げましょう。
ペナルティを受ける可能性のある行為は行わない
検索エンジンの精度が今ほど高くなかった時代にSEO対策を行っていた方々は、順位決定のアルゴリズムをかいくぐり、検索順位を上げるために様々なテクニックを生み出してきました。
そのような不当な方法で検索結果の上位表示を目指す対策方法をブラックハットSEO、逆に、正しい方法で上位表示を目指す対策方法をホワイトハットSEOというふうに呼んだりします。
ブラックハットSEOが横行するたびに、Googleは新たなアルゴリズムを開発し、不当なテクニックに対してはペナルティを課してきました。SEO対策は何をしても良いわけではなく、してはいけない行為が存在します。ペナルティ行為として有名なのは、「不自然な被リンクの獲得」です。
被リンクとは、外部のwebサイト内に自身のサイトのページのURLを貼ってもらうことを指します。
一般的には、『他のサイトに自社サイトのリンクが貼られている=それだけ外部から評価されている質の高いサイト』であり、信頼性が高いとみなされるのですが、関連性のないサイト同士でリンクを貼っている場合や、購入されたリンクなどは、ユーザー目線ではないと判断され、Googleのペナルティの違反対象となってしまいます。
その結果、検索順位の低下や場合によってはインデックスが削除され、検索結果から除外されてしまうリスクもあり、検索順位を上げようと行ったことが逆に悪影響を与えてしまうおそれもあるので注意が必要です。
リンクの獲得以外にも、ペナルティとなる事項については、Googleがガイドラインにもルールを定めていますので確認してみてください。
参考:Google検索の基本事項
参考:検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド
また、ペナルティには手動ペナルティと自動ペナルティの2種類があります。
手動ペナルティは、Googleの担当者が目視でwebサイトの中身を確認し、ペナルティを課すものです。手動ペナルティであれば、Google Search Console上に、警告メッセージが届くためペナルティの要因の把握とその後の対策手立てを考えることが可能です。
一方、自動ペナルティの場合は人の手ではなく、Googleのアルゴリズムによって課されるものです。手動ペナルティとは異なり、警告メッセージの通知はないため、ペナルティの明確な原因を突き止めることは困難です。
サイト内でコンテンツの内容が重複しないようにする
一般的なSEO対策として、webサイト上で新規記事を量産することが多いですが、サイト内にコンテンツが蓄積されていくと、似通った内容の記事が複数存在してしまっている事象が発生してしまうことがあります。
同一サイト内で複数ページが競合してしまっている状態をSEOでは一般的に「カニバリ」といいます。「カニバリ」とは、「カニバリゼーション(cannibalization)」の略で、直訳すると共食いを意味します。
「カニバリ」が発生すると、Googleがどちらのコンテンツを評価すれば良いのか混乱し、評価が分散してしまうため、せっかく作ったコンテンツが正しく評価されずに順位が下がってしまう可能性があります。そのため、記事を作成する前のキーワード選びの段階で「カニバリ」を防ぐ必要があります。
例えば、「seo 対策」と「seo 対策とは」の2つの異なるキーワードで検索を行ってみると、検索上位に表示されるページはほとんど同じです。キーワードが異なっていても、ユーザーの検索意図が同様のキーワードに関しては同一サイト内で記事を作成してしまわないよう注意が必要です。
定期的な効果検証とコンテンツの修正を行う
SEO対策で意外と見落としてしまいがちなのが、コンテンツを作成した後の定期的な効果検証です。コンテンツを量産してみたは良いものの、「作った記事から流入は取れているのか」、「流入後の売上に貢献できているのか」施策前後での効果を確認しないまま、結果が出なかったと途中でSEO対策を諦めてしまうケースも少なくありません。
最初から完璧な記事が書けることのほうが少ないですし、一度アップした記事に関しては、期間を決めて順位変動の状況を確認し、順位が取れていなければ、コンテンツを書き直す必要があります。
SEOで成功している企業は、記事の量産と並行して記事のリライトもきちんと行っている場合が多いです。また、検索順位が取れていてサイトへの流入拡大に繋がっていても、お問い合わせや購入などのCV(コンバージョン)に繋がっていなければ、CTA(行動喚起)の位置や文言の調整を行う必要があります。
一番最初にゴールを明確にした上で取り組む
KPIやKGIの設定をせずに、SEOの取り組みを始めてしまうということも、SEO対策を途中で諦めてしまう企業にありがちな失敗です。
また、KPIとして置いてしまいがちなのが、「月に3記事作る」、「特定のキーワードで検索1位を取る」などです。しかし、記事数や検索順位をKPIに置いてしまうと、結局サイトへのアクセス数はどのくらい増えたのか、売上にはどのくらい繋がったのかといったことの数字の達成が測れず、 SEOの効果が不明瞭になってしまいます。
SEO対策の途中で目的を見失ってしまわないために、施策を開始する前に売上目標を設定し、そこから必要な工程を逆算して計画立てすることをおすすめします。
売上から必要な契約数を算出し、必要な契約数を獲得するために契約率から必要なリード数を求めるといった具合に、ゴールから必要な工程を導き出すことでやるべきことを明確にしましょう。
順序立てて、やるべき手順を明確にしているため、シミュレーションから外れることがあっても、どこの部分で軌道修正を行えばよいかの再度の構築がしやすくなります。
やれば必ず結果が出るわけではないことを理解する
Googleは評価基準の全てを公開しているわけではないので、SEO対策には明確な答えがありません。そのため、どんなに実績のあるwebマーケティングの会社やSEOのコンサルティング会社に依頼したからといっても必ず順位が上がる保証はありません。
また、アップデートや競合企業の影響も受けるため、これを実践すれば必ず順位が向上する・流入に繋がるというわけではないので、試行錯誤しながら根気強く対策を行う必要があります。
SEO対策の種類は大きく分けて2つ
SEO対策は、細かく分けると様々な方法があるのですが、大きくは内部対策と外部対策の2種類の手法に分類されます。どちらも重要性の高い施策ですので押さえておきましょう。
内部対策
内部対策とは、webサイトの中で行う対策のことを指しており、なるべく早くGoogleからのクローリングと評価を促すことが目的です。
内部対策には、コンテンツSEOとテクニカルSEOの2つの対策方法があります。
コンテンツSEO
コンテンツSEOは、ユーザーに向けたSEO対策で、ユーザーにとって価値のあるコンテンツづくりを行うことを指します。独自性のある情報や最新情報がどれだけ盛り込まれているか、専門的な内容がどれだけ含まれているかなど、コンテンツの品質が重要視されます。
テクニカルSEO
テクニカルSEOは、Google(検索エンジン)に向けたSEO対策で、webサイトの内容を正しく評価してもらうために、各ページを正しくリンクで繋ぎ、内部構造を最適化することを指します。
サイト内の階層構造を最適化したり、ページの読み込みスピードや表示スピードを改善したり、メタディスクリプションやHTMLタグを正しく記述したりするなど細かいサイトの仕様を整理・実装することによって、Googleからの評価に繋げます。
外部対策
外部対策は、サイト外からの評価を高めるための施策で、主に被リンクを得ることで効果が現れます。
前述で、ペナルティを受ける可能性がある項目として、「不自然な被リンク」を例として挙げましたが、被リンクは様々なサイトから数多く得られることができれば良いというわけではなく、関連性の高いサイトから自然な文脈でリンクを貼ってもらうことが重要です。
関係のないサイトからの被リンクは、逆に評価を下げてしまう可能性がありますし、Google公式でも被リンクがアルゴリズムに影響を与えることを示していますので慎重に対策することが必要です。
コンテンツSEOのやり方
最後に、ユーザーのための対策であるとお伝えした、コンテンツSEOに関してのノウハウを、初心者の方にもわかりやすくステップ毎に紹介します。
STEP1:ペルソナを決める
コンテンツSEOをするためには、最初に、ペルソナを決めるところからスタートします。ペルソナとは、マーケティング用語で商品やサービスの購買対象になりそうな具体的なユーザー像のことを指します。性別、年齢、職業、趣味、価値観、抱えている悩みや課題などを盛り込んで「特定のこの人」という人物像をつくりあげます。
商品やサービスを届けたいイメージ作りを行うことで、コンテンツの内容が明確になります。具体的なペルソナの作り方は以下の記事で紹介していますので参考にしてみてください。
関連記事:コンテンツマーケティングを成功に導くペルソナ設定とは? 注意点や設計方法などを解説
STEP2:カスタマージャーニーマップを作成する
コンテンツを届けたい人物像が定まったら、その人物が購買に至るまでにどのような行動を取るか、企業とユーザー間でどこで接点を持てるかを図にします。
マーケティング用語でカスタマージャーニーマップと呼ばれるものです。ユーザーが商品を認知し、情報収集して、どの商品にしようか比較検討をしてから購入に至るまでといった具合に、商品や製品とユーザーの接点を可視化します。
可視化することによって、ユーザーがどのようなキーワードを入力して検索するか、おおよその検討がついてきます。
関連記事:カスタマージャーニーマップとは?顧客行動を可視化する!作り方や目的別の事例などを解説
STEP3:自社サイトと競合サイトの分析を行う
自身のサイトや競合サイトの状況を知らずに、いきなりコンテンツづくりに挑むのはなかなかハードルの高いことですので、現状を理解し、必要な対策を見極める必要があります。
自社サイトの流入状況やユーザーがサイトにアクセスしてからの行動に関しては、Googleの無料ツールである、Google Search Console(グーグル サーチ コンソール)とGoogle Analytics 4(グーグル アナリティクス 4)にてデータを取得でき、レポートで出力することが可能です。
これらの2つのツールはSEOを担当される方はwebサイトのパフォーマンスを確認するために必須のツールと言えますので、未登録の方は登録を行うことを推奨します。
また、競合サイトがどのようなキーワードを狙ってコンテンツを制作しているのか、サイトの構成はどのようになっているのかを実際に検索して傾向を見てみましょう。
他社の流入状況に関しては、どうしても何らかのツールがないと確認することができないため、競合サイトの流入状況がわかるSEOツールがあると分析の質は格段に上がります。
STEP4:キーワードを選定する
ユーザーが求めていることや、競合サイトの状況がわかったあとは、いよいよコンテンツのキーワードを決めていきます。SEO対策を実施するに当たって、「1キーワードに対して1記事」というのが鉄則です。
設計したペルソナやカスタマージャーニーマップを中心に、ユーザーがどの段階でどのようなキーワードを検索するのか、どの段階のユーザーをサイトに訪れさせたいのかを考えながらキーワードを選んでいきます。キーワードを選ぶ際の3つのポイントを以下で解説します。
①キーワードの検索ボリューム
例えば、「スマホ」という大きいテーマのキーワードで検索した場合、「スマホを購入しようとしている人」、「スマホを販売しようとしている人」、「スマホを修理したいと思っている人」など、様々なニーズのユーザーが検索している可能性が考えられます。
「スマホ」のように月間検索数が10,000以上のキーワードをビッグキーワードといい、ユーザーのニーズが複数に分かれることが特徴です。
一方、「スマホ テレビ 接続 無線」、「スマホ 充電器 おすすめ」など検索単語数が複数になるほど、検索ボリュームは小さくなり検索意図も限定的となります。これらの月間検索数が1,000以下のキーワードはスモールキーワードと呼ばれます。
検索ボリュームが大きいビッグキーワードは、サイトへの流入数増加が期待できますが、当然ライバルも狙ってくる検索キーワードになりますので、上位表示される難易度が高いです。
また、スモールキーワードは大幅な集客アップに繋げることは難しいですが、ビッグキーワードと比較すると上位表示しやすく、特定のニーズが顕在化しているユーザーが検索しているキーワードであるのでCVに繋げやすいという点が特徴です。
関連記事:ロングテールキーワードとは?選び方を紹介します【SEO対策の効果を最大化】
②潜在顧客と顕在顧客の見極め
キーワードの検索ボリュームの違いで潜在顧客と顕在顧客の見極めを行うことも可能ですが、検索語句で見極めることもできます。例えば、「〇〇とは」、「〇〇の方法」などのキーワードで調べるユーザーは商品や製品ではなく、知識解決系の内容が記載されているお役立ち記事を求めていることが想定されます。
一方、「〇〇 おすすめ」、「〇〇 ランキング」などのキーワードで調べるユーザーは、商品や製品を購入したいと思って比較検討の段階にいることが想像できます。
潜在顧客と顕在顧客、狙いたい層に合わせて検索ニーズを考慮し、知識解決系ジャンルと比較検討系ジャンルのキーワードをそれぞれ選ぶことが重要です。
③キーワードのバランス
潜在顧客と顕在顧客が検索するキーワードは異なること、それぞれターゲットとターゲットの意図に合致したキーワードを使用することが重要とお伝えしました。
一方で、知識・解決系の記事ばかりを量産しても、サイトの流入数増や、企業の認知度アップには繋がるかもしれませんが、肝心の売上に直結させることは難しいと思われます。
反対に、比較・検討系の記事に注力した場合、上位表示させることができず、ほとんど流入や売上に繋がらない可能性もあります。そのため、知識・解決系の記事と比較・検討系の記事は、どちらかを大量に作ればよいというわけではなく、どちらもバランスよく作成することが重要です。
また、コンテンツの割合については、企業のそもそもの知名度や、コンテンツマーケティングを行う人数、資金力によっても異なり、一概にどのくらいというのは言えないため注意が必要です。
キーワード選びのためのポイントを3つ挙げましたが、詳しい手順については下記の記事で解説していますので参考にしてみてください。
関連記事:【SEOキーワード選定のやり方】誰でもできる手順を6ステップで解説
関連記事:業界別SEO対策を解説:コンテンツマーケティング・キーワード選定の方法
また、人力でキーワードを選ぶのはかなりの時間がかかりますので、業務を効率化させる観点からキーワード選定ツールをうまく活用するのがおすすめです。キーワード選定機能を含む使えるSEOツールの一覧が以下の記事にまとまっていますのでご覧ください。
関連記事:【2024年最新版】SEOツールおすすめ23選! 無料&有料、選定方法も紹介
STEP5:構成案の作成を行う
コンテンツの本文を書き進める前には、コンテンツ全体の設計を行いましょう。
いきなり本文を書き進めてしまうと、流れが不自然になってしまったり、結局最後には何が言いたかったの?という意図が読み取りづらいコンテンツになってしまったりする可能性があります。
ユーザーにとって、簡潔でわかりやすい構成というのが大前提ですが、ユーザーが記事を読み終わったときにどのような行動を促したいのか、を意識して構成案を作る必要があります。
イチから構成案を作るとなると、中々の労力を要しますので、コンテンツを作ると決めたキーワードを実際に検索エンジンで検索し、1位〜10位の構成案を参考にするのがおすすめです。多少なりとも時間はかかるのですが、1位〜10位のページの構成案をそれぞれ見ていくと、共通して使われている見出しがあります。
共通で使われている見出しはそれだけユーザーが知りたい内容であると考えられるので、上位のサイトを参考にアレンジし、更に独自に考えたオリジナルの見出しを加えて構成案を作成することを推奨しています。
上位サイトの見出しだけを参考に構成案を作成してしまうと、Googleからはオリジナル性がないコンテンツであるという判断をされてしまいますので、独自で考えたh2タグを盛り込むことが必要です。
関連記事:コンテンツマーケティングの記事の書き方&作成方法|内製と外注のメリット・デメリットも解説
STEP6:本文の執筆を行う
構成案ができあがったら、いよいよ本文を書いていきます。予め構成案を作成しておくことによって、自然な流れで情報を伝えることができます。
特定のキーワードを説明するために必要な周辺のキーワードのことを共起語といいます。例えば、「オリンピック」というトピックを説明するためには、「4年」、「スポーツ」、「世界」などのキーワードが必要になると思いますが、これらのキーワードが共起語と呼ばれるものです。
共起語が不足していると、Googleやユーザーからは説明が不十分なコンテンツであると見なされてしまいますので、必要なキーワードは文章が不自然にならない範囲で追加してあげることが重要です。
また、テキストだけではなく、文章途中で画像や図解を加え、ユーザーが理解しやすいコンテンツづくりを行うことによってGoogleからの評価が高まります。
関連記事:【SEOライティングの基本】基礎知識と執筆の方法を学んで上位表示を目指そう
関連記事:ブログ担当者必見:SEOライティングのリサーチ手順・コツを大公開
STEP7:記事を公開する
本文が書き上がったら、誤字脱字がないか、わかりづらい単語はないか、専門性の高い単語を使用している場合は単語の説明がなされているか、など細かな点をチェックします。
その際、最終チェックは記事の執筆者とは別の担当者が行うことを推奨しています。理由としては、記事の執筆者がチェックを行った場合、当然記事の内容は既に知っているので、読み直した際に文章の流れが不自然であったり、誤字脱字があったりすることを見落としてしまうケースが多いためです。
また、スマートフォンでページを閲覧するユーザーも増えているため、ユーザビリティの観点からモバイルでも正しく表示されているかの確認も行いましょう。最終チェックが済んだら、記事の公開を行い、Google Search Consoleでインデックス登録のリクエストを行ってください。
STEP8:定期的に効果検証とリライトを行う
記事をアップロードした後は、定期的に順位のチェックと、サイトへの流入数が増えているかのチェック、流入後にCVがされているかの指標のチェックを繰り返し行う必要があります。記事の公開までで満足してしまい、定期的な効果検証が抜けてしまっている、あるいは効果検証が中途半端になってしまっているというケースが非常に多いです。
そもそも検索順位が上がってこない場合は、上位表示されている他のページとコンテンツの内容がずれてしまっている可能性があるため、コンテンツ内に不足しているキーワードはないか、タグの使用数や使用箇所が適切であるかの確認を行い、リライトの作業を行いましょう。サイトの順位が上がってくれば、自ずとサイトへの流入数は増えてくるはずです。
サイトの流入数は安定しているのに資料ダウンロードやお問い合わせなどのCVにつながっていない場合は、CTAの設置場所が適切ではない、そもそも設置しているCTAがユーザーの温度感に適していないなどが考えられるので、CTAの修正を行い、サイトからの離脱を防ぎましょう。
また、ユーザーに役立つ情報を提供できるよう、新しい情報に対応する必要があるので、鮮度の観点でもリライトは重要です。
まとめ
SEOは、効果が出るまでにある程度の時間を要しますが、上位表示に成功すると効果はしばらく続いていきます。本記事では、SEOには興味があるけれど、何から始めればよいかわからないという方に向けて、SEOのメリット・デメリットと基本的な対策の手順についてお伝えしました。少しでもご参考となれば幸いです。正しいSEO対策を行い、SEOの効果を最大化させましょう。

新規リードがどんどん集まる!SEOで成功しているサイトが必ず行っている3つのポイント!
SEO対策は、最初の戦略設計が非常に重要です!
SEO対策成功のためのポイントがわかります。
ChatGPTの短時間で自然な文章を生成できるという特徴を活かし、オウンドメディアや個人ブログの執筆にChatGPTを活用する人も増えてきています。
皆さんが気になるのは、ChatGPTで書いた記事が検索順位で上位を獲得できるかという点でしょう。
結論、「ChatGPTの活用方法次第」というのが正直なところで、全てをChatGPT任せにするのはおすすめできず、人間の手も加えてあげることが必要だと考えています。
どのように活用すれば、効果的なSEO対策ができるのか、ChatGPTのメリット・デメリットや注意点を踏まえながら解説します。

Google検索結果におけるAIで生成されたコンテンツの上位表示割合の調査レポート
AI生成の可能性があるコンテンツは、全体で僅か0.3%!?
調査キーワード一覧やキーワード毎の傾向について知りたい方はこちらからダウンロード!
ChatGPTとは
ChatGPTは、アメリカのOpenAI社が開発・提供しているサービスで、2022年11月にリリースされました。
正式名称は、Chat Generative Pre-trained Transformer(文章生成モデル)で、人間に近い、かなり自然な対話が可能なAIチャットサービスとなっており、音声入力や音声会話にも対応しています。
無料で利用できるプランもあり、メールアドレスさえあれば誰でも気軽に使うことが可能で、リリース以降利用者は増加しており、業務効率化のためにさまざまな企業での導入も増えています。
無料版と有料版とでは、一度に入力・生成できる文字数の制限や画像の生成可否、回答速度の違いなどが見られます。
2022年11月のリリースからバージョンアップを重ね、2024年8月時点では、「ChatGPT-4o(GPT-4o)」が最新のバージョンとなっており、従来モデルと比較し、よりスピーディーでタイムラグのない文章生成、画像認識力の向上、音声会話能力の向上が見られます。
ChaGPTをSEO対策に活用する3つのメリット
ChatGPTを活用して記事を書くとどのようなメリットがあるのか3つの観点で見ていきましょう。
時間を大幅に短縮できる
本来、SEOを意識した記事を作成するには、どのようなキーワードで記事を書くのかを決めた後、実際の上位ページの構成がどのようになっているのか確認し、数千文字の記事を執筆して文章校正を行うなど、数多くの工数とそれに伴う作業時間が必要となります。
全ての作業を一人の人間が行うとなれば、ライターの経験値や執筆するジャンルにもよりますが、数時間〜十数時間は要するでしょう。
ChatGPTを使用すれば、たった数分で数千文字の文章の書き出しが可能なため、各作業用のプロンプトを用意しておけば、格段に作業効率を高めることが期待できます。
SEO記事の書き方の手順は以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:SEOに強い記事の書き方は?SEOライティングのポイントと手順
人的リソースを削減できる
先ほど、ChatGPTは短時間での文章生成が可能とお伝えしましたが、作業時間の短縮によって、作業人数を減らしたり、今まで記事のライティングに費やしていた時間を他の作業に当てることが可能になり、会社経営の観点からは、人件費のコストカットに繋げられるというメリットもあります。
新たなアイデアを生むことができる
ChatGPTにはありとあらゆる分野の知識や情報が蓄積されているので、一人では思いつかなかったような発想をもたらしてくれる可能性があります。
また、ChatGPTは回答の出力形式を指定することができるため、「SEOツールに関連するキーワードを50個教えて」のように指示を出すと、一度に50個のキーワードを提案してくれるなど、人間であれば時間がかかってしまう作業でも短時間でできるため、ChatGPTの回答をきっかけに自身で新たなアイデアを生み出すということもできます。
ChaGPTをSEO対策に活用する4つのデメリット
ChatGPTは便利な反面、SEO対策には不向きな面も存在していますのでデメリットを4つお伝えします。
内容が間違っている可能性がある
ChatGPTは過去に学習した膨大なデータから質問に対する答えを導き出してくれるため、数多くの情報を持っていることに違いはないのですが、所持しているデータの内容が正しいかどうかの判断を行うことはできません。そのため生成された文章の内容が誤っていたり、表現が不適切になっている可能性があります。
ChatGPTに限らず、AI(人工知能)はハルシネーションという現象が起こる可能性があります。
ハルシネーション(Hallucination)は直訳で「幻覚」「妄想」などを意味し、事実として存在しないものを生成してしまう現象のことを言います。ChatGPTの文章生成スキルが高いがために、間違った内容をあたかも正しい内容であるかのように回答を出力してしまうおそれがあります。
最新の情報が反映されづらい
本記事を執筆している2024年8月時点では、「ChatGPT-4o」が最新のバージョンとなっておりますが、「ChatGPT-4o」には2023年8月までの情報が搭載されています。
OpenAIは定期的にChatGPTのバージョンアップを行っていますが、質問内容とChatGPTを利用するタイミングによっては、最新の情報を踏まえた回答ができない可能性が高いです。
特に、政治経済や流行っているものなどのトレンドが大きく影響するキーワードに関しては最新の情報が反映されていない可能性が高いので、ChatGPTを使用しない、もしくは使用した場合は「ファクトチェック」を必ず行うようにしましょう。
他の記事と似た内容の記事になる可能性がある
ChatGPTは既存の記事を含む過去の情報を元に文章生成を行うため、知らぬ間に過去の記事を引用してしまい、他者が運営するサイトの記事と類似し、コピペチェックに引っかかってしまう可能性があります。
また、SEO対策に効率的に記事を量産することができるChatGPTを活用する人は年々増加しているため、記事の作成方法が同じということになると、内容が似通ってきてしまう可能性もあります。
ユーザーは、自分が知らない情報を得るために検索を行いますが、上位ページが似たような記事ばかりで役に立たないと感じると、検索エンジンを活用しなくなってしまいます。
Googleはユーザーのニーズを満たすために、独自性のあるコンテンツを評価すると公言しており、独自性のあるコンテンツとは具体的に何かというと「経験や体験に基づいたその人独自の情報」や「独自の調査結果や調査レポート」などの一次情報を指します。
ChatGPTでは、一次情報を盛り込むのは難しいため、人の手で情報を付け足してあげることによって、SEOへの効果をもたらしてくれます。
参考:Google検索セントラル – 有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成
文章の精度がプロンプトに影響されやすい
ChatGPTに精度の高い記事を書いてもらえるかはプロンプトにかかっていると言っても過言ではありません。プロンプトがどれだけ詳細で的確なものであるかによって記事の品質に大きく影響します。
例えば、「SEOの記事を書いて」とChatGPTに指示を出したとします。
どのくらいの文字数の記事がよいのか、SEOを説明する記事を書けばよいのか、SEO対策のやり方に関する記事を書けばよいのかが「SEOに関する記事を書いて」という文章だけでは範囲が広すぎて、抽象的な文章になってしまいがちです。
自身の意図する文章をできるかぎり正確に生成してもらうためには以下の点に気を付けてプロンプトを作成することがとても重要です。
ChatGPTに役割の指定を行う
ChatGPTに役割の指定を行うことは、専門的な内容の記事作成をしてほしい場合は特に重要なポイントです。
プロンプトの一例ですが、SEOに関する記事を書いてほしい場合、「あなたは20年以上、2000社以上のwebサイトの運用経験を持つプロのSEOコンサルタントです。」のように指定を行います。
ChatGPTは、専門家や職業などの役割を付与することによって、その役割になりきって精度の高い回答を出力してくれます。
役割を指定する方法は、note株式会社のCXOである深津貴之氏によって考案された深津式プロンプトの特徴のひとつでもあり、広く一般に知られた方法でもあります。
明確な指示出しを行う
ChatGPTへの指示出しは、可能な限り明確なものにしましょう。
例えば、「日本で人気のスポットは?」という質問よりも、「日本で30代の女性に人気の観光スポットを10か所教えてください。」という質問のほうが、自身が欲しい答えを出してくれる可能性が高いです。
また、ChatGPTに質問を投げかける時点で明確な答えのイメージがない場合は、ChatGPTが出す答えに質問を繰り返すことによって欲しい答えを導き出すことができます。回答の具体例を出してあげると、精度の高い回答をくれるという傾向もあります。
回答の形式を指定する
「最大500文字以内で文章を作って」、「リスト化して回答して」、「5つの答えを出して」など、出力される回答形式を指定することによって、求める回答を導き出しやすくなります。
何文字以内という指定は、複雑な質問を投げかけたときに簡潔に答えをまとめてくれることに役立ちますし、回答の個数を指定する場合はアイデア出しの際に有効です。
自身の使いやすいプロンプトをいくつか用意しておくことによって、さまざまな作業を自動化することが可能です。
ChatGPTでSEO対策を行う場合の3つの注意点
ChatGPTは、使い方が肝心で、いくつかの注意点を守って上手に活用することが重要です。使い方を誤ると、Googleからペナルティを受ける可能性もありますので十分に注意が必要です。
ChatGPTに限らず、AIライティングツールを活用してSEO対策を行う場合の注意点は以下の記事でもまとめておりますので参考にしてみてください。
関連記事:AIライティングツールでSEO対策するなら知らないと危険!コツと注意点
全文生成を行わない
ChatGPTは過去の情報を元に回答を出すため、ChatGPTで全文生成を行った場合、オリジナル性がないものになってしまいますし、過去の記事と似たような内容になってしまう可能性があるという点に注意が必要です。
つまり、ChatGPTで全文生成を行った場合、Googleが評価する記事の内容に反する文章になってしまう可能性があるため、SEO対策においてChatGPTの利用は構成案作成までにとどめておくことがおすすめです。
また、構成案作成においても、ChatGPTで生成された構成案をそのまま活用するのではなく、人の目で見て修正を行うべきであると考えております。
Googleは、AIで生成された文章であるかどうかにはよらず、有用・有益なオリジナルコンテンツで、E-E-A-Tの基準を満たすものは、検索で上位に表示される可能性が高くなると明言しています。
E-E-A-Tとは、Googleの順位決定アルゴリズムの1つで、検索エンジンの品質基準を保つための重要な要素となっています。
- ・E:経験(Experience)
- ・E:専門性(Expertise)
- ・A:権威性(Authoritiveness)
- ・T:信頼性(Trustworthiness)
参考:Google検索セントラル – E-E-A-T と品質評価ガイドラインについて
ユーザーや検索エンジンに評価してもらえるような記事の書き方については、以下の記事で解説していますので、参考にしてみてください。
関連記事:SEOに強い記事の書き方は?SEOライティングのポイントと手順
関連記事:【SEOライティングのコツ】Google検索上位に表示させるには?書き方の基本を詳しく紹介
生成文の情報が正しいか確認する
繰り返しになりますが、ChatGPTは最新の情報をリアルタイムで反映できるわけではないため、過去に蓄積されたデータを元に答えを出します。そのため、政治や経済の動向、流行の話題など、常に情報が移り変わるような内容に関しては、ChatGPTの回答に間違いがある可能性があります。
また、AI特有のハルシネーションという現象が起こる可能性もあるため、ChatGPTで生成された文は必ず人の目で見て、情報の内容に誤りがないか確認を行う必要があります。
ChatGPTに機密情報を入力しない
ChatGPTは過去に入力されたデータを元に学習し、精度を高めています。そのため、機密情報を入力してしまった場合、思わぬところで情報漏洩が起こってしまう可能性があり、過去には実際に、ChatGPTに機密情報を入力してしまい、情報漏洩が発生してしまった企業も存在します。
ChatGPTの設定で、ChatGPTに過去に入力した履歴は残しつつ、ChatGPTのデータ学習には使用されないようにすることが可能になります。
操作手順は以下の通りです。
①ChatGPTにログインし、右上のアイコン画面にカーソルを当て、「設定」をクリックします。
②「データ コントロール」タブから、「すべての人のためにモデルを改善する」という項目を「オフ」にします。
ChatGPTの設定を活用すれば、情報漏洩してしまうリスクを低減することはできますが、今の時代、いつサーバー攻撃が発生し、情報漏洩が起きてしまってもおかしくありません。
そのため、ChatGPTの設定に関わらず、機密情報の入力は行わないことをおすすめします。
ChatGPTをどのようにSEO対策に活用すれば良いのか?
SEO対策において、ChatGPTでの全文生成はおすすめできないとお伝えしましたが、使いどころによっては、ChatGPTは業務効率に役立つ有用なツールであると考えています。どのような場面でChatGPTを活用できるのか、戦略的にSEO対策を行う方法を作業工程毎にご紹介します。
また、ChatGPT以外のAIライティングツールについては、以下の記事で紹介していますので、参考にしてみてください。
関連記事:用途別8種類!SEOライティングおすすめツール記事内 【SEO対策に本腰を入れる企業・web制作会社ならぜひ検討を】SEO分析ツール
ペルソナを考えてもらう
SEO記事を書く場合、最初またはキーワードを決めた後に、ペルソナを考えて、どのような記事を書くのか検討する人が多いと思います。
ペルソナは、マーケティングで使用する用語のひとつで自社の商品やサービスを利用している典型的な顧客の人物像のことを指します。
自身でペルソナを考えなければならない場合、一人の知識や情報に基づいたペルソナとなるため、偏った人物像になってしまう可能性があります。
その点、ChatGPTであれば、数多くのデータに基づいてペルソナを考えてくれるため、自身では思いつかなかったようなターゲット像を考え出してくれるかもしれません。
また、その際納得のいくペルソナを作るためには、事前に十分な情報をインプットさせてあげたり、何度も質問を繰り返したりしてみることが重要です。
コンテンツマーケティングにおけるペルソナ設定の考え方については、以下の記事で解説しているので参考にしてみてください。
関連記事:コンテンツマーケティングを成功に導くペルソナ設定とは? 注意点や設計方法などを解説
構成案を考えてもらう
SEOツールを使用しないで構成案を考えるとなると、通常、記事を書こうとしているキーワードをGoogleで検索し、上位結果のwebページを一つずつ確認し、どのような見出し構成となっているのかをまとめて、そこからオリジナルの見出し構成を考えるという方法が一般的です。
しかし、このような手順は工数が多く、時間もかかる作業であるため、ChatGPTを活用することによってかなりの効率化が図れます。
ChatGPTに構成案を出力してもらう際には、「h2の個数は〇個で、それぞれh3の個数は〇個以上、記事のゴールは〇〇としてください。」などと指示を出すと、ある程度回答形式が指定されるので、その後の作業がスムーズになります。
また、ChatGPTはURLの認識も可能なので、上位結果のURLを分析させて上位結果の見出し構成を抜き出してもらうといったこともできます。
一方で、上記の方法に限らず、記事の構成を作成する段階でも、既存の記事と類似してしまう可能性があるため、ChatGPTで生成された案はそのまま使用せず、人の目でチェックした上で修正することと、人間が考えたオリジナルのh2を一つ以上追加することを推奨します。
タイトル案を考えてもらう
人の目を引くタイトルを考えるのは難しいですよね?また、書きなれている人でもいつも同じようなタイトルになってしまいがちという悩みもあるかもしれません。
ChatGPTであれば、「あなたはプロのコピーライターです。」のように前提条件を指定することで回答の精度を挙げることができますし、「タイトル案を10個考えてみて。」などと打ち込めば、複数のタイトル案の中からタイトルを選んだり、複数のタイトル案を組み合わせて新たなタイトルを作り出すこともできます。
自身では思い浮かばないようなアイデアをくれるのはChatGPTの強みですので、作業効率化のための活用方法として非常におすすめです。
文章を校正してもらう
文章の校正は人間の苦手分野であり、ChatGPTが得意な分野です。
ChatGPTは優れた言語処理能力(NLP)を有しているので、誤字脱字の指摘や、不自然な言い回しを修正するなどの作業を短時間で行ってくれます。
人の目で確認するとなると、それなりに時間がかかりますし、何より抜け漏れが生じる可能性もあるため、複数人で文章校正を行っている担当者の方も多いのではないでしょうか。
とはいえ、ChatGPTも100%完璧に誤字脱字を指摘してくれるわけではないため、ChatGPTで文章校正を行ってから、最終的に人の目で誤りがないか確認を行うという流れで作業を行うのがよいのではないかと考えます。
ChatGPTを使って書いた記事はGoogleから評価されるのか?
ChatGPTでSEO対策を行う場合の注意点のひとつとして、「全文生成を行わない」ということを挙げましたが、その理由としてはGoogleから評価されない可能性が高いためです。なぜChatGPTで書いた記事は評価されないのか、Googleの見解を踏まえてさらに詳細をお伝えします。
AI生成コンテンツに対するGoogleの見解
Googleは、兼ねてよりコンテンツの作成方法によらず、オリジナルかつ高品質なコンテンツを高く評価するという見解を示しています。
“コンテンツの作成方法を問わず、Google 検索で成功を収めるには、E-E-A-T の品質を満たす、オリジナルで高品質な、ユーザー第一のコンテンツの制作を意識する必要があります。”
一方で、2024年3月のスパムアップデートでは、ランキング操作目的でAIを活用し、大量生成された低品質なコンテンツに関してはスパムに該当すると公表しました。
上記のスパムアップデートの影響もあってか、弊社(株式会社オロパス)が7月に実施した調査では、上位1位~10位のページでAIで生成された可能性のあるコンテンツが占める割合はわずか0.3%という結果でした。
以下の資料で調査の概要と調査結果の詳細をお伝えしていますので、興味のある方はご覧ください。

Google検索結果におけるAIで生成されたコンテンツの上位表示割合の調査レポート
あなたのキーワードも含まれているかも!?
調査キーワード一覧やキーワード毎の傾向について知りたい方はこちらからダウンロード!
参考:AI 生成コンテンツに関する Google 検索のガイダンス
ChatGPTにはE-E-A-Tの考え方がない
Googleが、E-E-A-Tを重要視しているという点に関しては、先ほど触れましたが、ChatGPTではE-E-A-Tの観点を満たすことが出来ません。
特に、Experience(経験)の項目は、ChatGPT自体が実際に行うことができないため、経験の要素を記事内に含めたい場合は、人の手で書き加えてあげる必要があります。
2024年3月のGoogleコアアップデートから読み取れること
Googleは、検索エンジンの品質を保つために、年に数回コアアップデートと呼ばれる、検索エンジンのアルゴリズムの見直しを行っております。また、大々的な公表はなされないですが、コアアップデート以外にも日々軽微なアルゴリズムの見直しはされております。
Googleが頻繁にアルゴリズムの見直しを行う最も大きな理由は「ユーザーの役に立つコンテンツを上位表示させ、検索エンジンを活用してもらうため」です。
生成AIの活用が進んだことで、以前より簡単にコンテンツづくりができるようになり、web上のコンテンツの全体総数が増加したことに伴い、低品質なコンテンツも増加していました。
Googleは、2024年3月のコアアップデートの展開により、検索結果に表示される、低品質でオリジナリティのないコンテンツを全体の45%削減したと公表しました。
Googleは、コンテンツが人の手で作られたものであるか、AIによって作られたものであるかによってコンテンツの品質は問わないとしていますが、今後も有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成を心がけるよう呼びかけています。
参考:AI 生成コンテンツに関する Google 検索のガイダンス
生成AI時代の到来でSEOは不要となるのか?
生成AIが台頭してきたことによって、今後のSEO対策は不要になるのではないか?検索エンジンが使われなくなるのではないか?という声も耳にするようになりましたが、今後は、キーワードによってAIを活用するケースと検索エンジンを活用するケースが出てくると考えられます。
例えば、「日本 アメリカ 時差」というキーワードを調べる場合、日本とアメリカの時差は時が経っても変わらない不変のものであるため、AIを使用しても検索エンジンを使用しても同じ結果が出る可能性が高く、AIで十分に解決可能なキーワードであると言えます。
一方、「腹痛 薬」のように、健康や人の命に関わるキーワードの場合、腹痛の原因が何であるのか、どのような痛みであるのかなどによって、調べている人にとって必要な情報や正しい情報は異なります。
AIで「腹痛 薬」というキーワードを調べた場合、AIが導き出した回答では事足りず、自身に必要な情報を調べなおす人がほとんどでしょう。
以上のことから、今後は生成AIと検索エンジンのすみ分けがなされていき、SEO対策の必要性は変わらないと考えられます。
まとめ
本記事ではChatGPTをSEO対策に効果的に活用するための方法と今後のSEOと生成AI事情について解説しました。
ユーザーの役に立つコンテンツを作るということを念頭に置いて、ChatGPTの優れている点と人間でしか書き加えられない要素を入れて今後の記事作成を行うことをおすすめします。
現在ChatGPTをはじめとした生成AIを用いて記事作成をされている方は、AIを活用して記事を書いた結果、実際に上位を獲得できるのかが気になるところかと思います。
弊社でも、2024年3月のGoogleコアアップデートを受けて、ChatGPTを活用して記事を書かれているお客様から、「順位が下がった」、「ページが削除されてしまった」等のご相談をいただく機会が増えたことを受け、AIチェッカーを利用して、実際にAIで書いた記事は上位表示されているのか、独自調査を行いました。
調査の詳細は以下の資料にまとめておりますので、気になる方は是非ご覧ください。

Google検索結果におけるAIで生成されたコンテンツの上位表示割合の調査レポート
3月のコアアップデートの影響を受けていませんか?
調査キーワードやキーワードの傾向が気になる方はこちらからダウンロード!
「新しくコンテンツを作成したは良いものの、中々検索結果に表示されない」とお悩みの方も多いと思います。そんな場合は、Googleサーチコンソール(Googleが無料で提供しているサービス)にて「検出-インデックス未登録」、もしくは「クロール済み-インデックス未登録」と表示されている可能性が高いです。
いずれも、Google側でwebページの存在は認識しているものの、何らかの理由で検索結果に表示するための登録がされていないということを示しています。
本記事では、「検出-インデックス未登録」についての概要と、原因や解決方法、類似の事象である「クロール済み-インデックス未登録」との違いなどを詳しく解説します。
「クロール済み-インデックス未登録」と表示される場合の解決方法について知りたい方は、以下の記事もご参照ください。
関連記事:クロール済み – インデックス未登録の原因と解決方法を解説!

【2024年7月最新】3月〜5月のGoogleコアアップデートで、順位が下落したWebサイトの共通要因とその対応方法について
この資料では、「クロール済み-インデックス未登録」になってしまう原因と、「クロール済み-インデックス未登録」を事前に防ぐ方法がわかります。
「検出-インデックス未登録」とは?
「検出-インデックス未登録」とは、Google側で該当ページのURL自体は認識しているものの、ページの中身の確認までは行われておらず、Googleの検索結果には表示されない状態のことを示しています。
新しく作成したwebページがGoogleの検索結果に表示されるまでには、クロール、インデックス登録、検索結果の表示と3つの工程を踏む必要があり、その後初めて検索結果に表示されるようになります。
- 1. クロール: Google は、クローラーと呼ばれる自動プログラムを使用して、ウェブ上で見つけたページからテキスト、画像、動画をダウンロードします。
- 2. インデックス登録: Google は、見つけたページ上のテキスト、画像、動画ファイルを解析し、その情報を Google インデックス(大規模なデータベース)に保存します。
- 3. 検索結果の表示: ユーザーが Google で検索すると、Google はユーザーの検索語句に関連する情報を返します。
参考:Google検索の仕組み
「検出-インデックス未登録」とは、上記の1.クロールの更に前段階で、GoogleがURLを認識したものの、何らかの事象が原因で、クロールに至らず、検索結果に表示されなかったものです。
インデックス未登録のSEOへの影響
「インデックス未登録=Googleの検索結果に表示されない」ということになるため、せっかく新規ページを公開したのにもかかわらず、検索経由でのサイトへのアクセス増や、売上増などの効果に繋がらないということになってしまいます。
サイト内にどれだけページ数があるのかにもよるので、一概には言えませんが、サイト内でインデックス未登録となっているページが数件程度ということであれば、あまり神経質になって気にする必要はありません。しかし、「慢性的にインデックス未登録となる状態が続いている」場合には注意が必要です。
インデックス未登録となってしまう原因は様々あり、詳細は後ほどご紹介しますが、原因のひとつに、「有用でないコンテンツとみなされた場合」があります。Google公式は、
”サイト内に、有用でないコンテンツの量が比較的多い場合は、サイトの他のコンテンツが検索で上位に掲載されなくなる可能性が多かれ少なかれあります。”
との見解を示しています。
また、Googleはランキング決定の要素の1つに「ヘルプフルコンテンツシステム」を利用しており、個々のページがヘルプフル(有用)であるかどうかを判断しています。
つまり、インデックス未登録となっているページは、有用でないコンテンツと見なされている可能性があり、そのページを放置しておくと、サイト内のページ全体が上位表示されづらくなってしまうおそれがあり、SEOへの影響が懸念されます。
インデックス未登録の改善にかかる時間
では、インデックス未登録の状態を改善するとなった場合、一体どれほどの時間を要するものなのでしょうか。
結論から言うと、一般的には数週間〜1ヶ月ほどの期間が必要と考えられています。
しかし、サイトの状態によっては、数日でインデックス登録されることもありますし、1年経っても登録されないという場合もありますので、あくまで目安として、長期的に対策をしていく必要があります。
「検出-インデックス未登録」と「クロール済み-インデックス未登録」は何が違うのか?
インデックス未登録について調べると出てくる、「検出-インデックス未登録」と「クロール済み-インデックス未登録」という類似のキーワード、いずれも、インデックス登録がされていないという意味では共通しています。
ただし、「検出-インデックス未登録」に関しては、ページ自体は認識されているものの、その後のクロール作業がされていないということを先程お伝えしました。
それに対して、「クロール済み-インデックス未登録」は、ページ自体の認識も、その後のクロール作業も完了しているものの、インデックスに登録されていないページということになります。
検出・インデックス未登録 | クロール済み・インデックス未登録 | |
---|---|---|
URLの発見 | ◯ | ◯ |
クロール | ✕ | ◯ |
インデックス登録 | ✕ | ✕ |
そのため、それぞれの事象で原因と必要な対策が異なることを理解しておいてください。
「クロール済み-インデックス未登録」については、次の記事で詳細に解説を行っておりますので、気になる方はご覧ください。
関連記事:クロール済み – インデックス未登録の原因と解決方法を解説!
「検出-インデックス未登録」の確認方法は?
「検出-インデックス未登録」となっているページは、「Googleサーチコンソール」にて確認することが可能です。「Googleサーチコンソール」とは、Googleが無料で提供しているサイトへの流入状況が分析できるツールです。
確認方法の手順は以下の通りです。
①Googleサーチコンソールを開き、画面左側の「インデックス作成」の中にある「ページ」をクリックします。
②「ページがインデックスに登録されなかった理由」内の、一番下「検出-インデックス未登録」をクリックします。
③「検出-インデックス未登録」になっているページの一覧が表示されます。
「ページがインデックスに登録されなかった理由」には、以下のように該当のページがインデックスされてしまわないように、あえて設定していることもありますので、その場合の対策は不要となります。
- ・リダイレクトエラー
- ・URL が robots.txtによってブロックされています
- ・URL に noindex が指定されています
- ・代替ページ(適切な canonical タグあり)
参考:Google Search Consoleヘルプ(すべてのレポートとツール > ページ インデックス登録レポート)
「検出-インデックス未登録」が表示されてしまう5つの原因
「検出-インデックス未登録」がどういった事象であり、どのように確認すればよいかについてはおおよそイメージがついたかと思いますが、なぜ「検出-インデックス未登録」という状態が起こってしまうのか、想定される原因として、代表的な5つをご紹介します。
ドメインスコアが低いため
日々新しいページがweb上で作成されていますが、クローラーはリソース(巡回できる回数)が限られているので、どのサイトも同じペースで巡回しているわけではありません。
サイトが立ち上がってから一定期間が経っているサイトとドメインを取得したばかりのサイトであれば、ページ数が多くて、よりユーザーに見られている回数も多く、ドメインスコアが高くて歴史のあるサイトのほうが優先的にクロールされ、対して、ドメインスコアが低いサイトは、クロールの優先順位が低くなってしまいます。
そのため、クロールが行われず、「検出-インデックス未登録」となってしまうケースが発生します。
コンテンツの質が低いため
情報量が少ないといったケースや、一般的な情報ばかりで独自の情報がないコンテンツである場合、もしくは低品質なコンテンツがサイト内に溢れている場合は、Googleが検索ユーザーにとって価値がないコンテンツであると判断し、クロールを行っていない可能性があります。
現に、Googleは2024年3月のコアアップデートにて、検索結果に表示される低品質で独創性のないコンテンツなど、全体の約45%のコンテンツを削除したと公表しており、低品質で独自性のないコンテンツについては、順位を上位に表示させないだけではなく、そもそも検索結果に表示させないという厳しい姿勢を取っています。
内容がヘルプフルではないコンテンツに関しては、「検出-インデックス未登録」に限らず、「クロール済み-インデックス未登録」に該当する可能性もあります。
参考:Google公式(検索におけるスパムや低品質コンテンツへの新たな取り組み)
webサイトへの過負荷が予想されたため
Google公式は、Googleサーチコンソールのヘルプページにて、「検出-インデックス未登録」となっている原因について、
“通常、Google が URL をクロールしようとしたものの、サイトへの過負荷が予想されたため、クロールの再スケジュールが必要となった場合です。そのため、レポート上で最終クロール日が空欄になっています。”
と公表しています。新規のページを大量に一気に更新したサイトや、何千何万ものページが存在しており、更新頻度が高いサイトである場合などが、想定以上にクローラーが行われてしまう可能性があり、webサイトへの過負荷が起こることが想定されます。
その場合、クロールが行われず、結果として「検出-インデックス未登録」に該当してしまいます。
参考:Google Search Consoleヘルプ(すべてのレポートとツール > ページ インデックス登録レポート)
重要なページだと認識されていないため
Googleから、重要なページではないと認識され、クロールする優先順位が低くなっている影響で、「検出-インデックス未登録」となっている可能性があります。
重要度の低いページとは、以下のようなページが挙げられます。
内部リンクが貼られていない孤立したページ
Googleは、ページの関連性の判断や、クロールする新しいページを見つける際にリンクをシグナルとして使用すると公表しており、Googleのクローラーは、内部リンクを辿ってサイト内のあらゆるページをクロールし、インデックス登録を行うことを示しています。
そのため、ページ内で、サイト内の他のどのページへもリンクが貼られていないとなると、そもそもクローラーが巡回するための入口がないということになってしまいますので、クロールがなされず、インデックス登録もされないという事象が起きます。
参考:Google検索セントラル-ドキュメント-クロールとインデックス登録-リンク
深い階層のディレクトリに配置されたページ
webサイトの構造にディレクトリ階層というものがあります。コンピュータ上で、データをファイルに保存する際に、どこに何があるかを把握するためにフォルダ分けをされる方が多いと思いますが、同様の考え方で、webサイト上でもディレクトリ階層があることによって各ページを整理しています。
フォルダ分けを行うことは便利ではありますが、フォルダ内でのフォルダが細分化されてしまうほど、中のファイルを見つけ出すのは難しくなってしまいますよね?
webサイト上でも同じことが言え、ディレクトリ階層が深くなればなるほどクローラーがページを見つけづらいという問題が起こります。
アクセス数が少ないページ
こちらは、イメージがつきやすいかと思いますが、訪問者が少ないページに関しては、するため、クロールの優先順位が下がり、インデックス登録が行われなくなってしまいます。
重複コンテンツと見なされたため
ここでいう重複とは、意図せず同じ内容のURLが複数作成されてしまっている状態を指しており、以下のような例が考えられます。
- ・URLの末尾のパラメータの有無が異なっている
- ・大文字・小文字が異なっている
- ・「/」の有無が異なっている
- ・「www」の有無が異なっている
URLのパラメータはWordpressのプラグインによって自動的に発生したり、ECの様なサイトではユーザー毎にパラメータを設定することもあるので、こちらの項目に当てはまりやすくなります。もし、大量に発生しているような場合はプラグインの設定を見直してみるもの有効です。
「検出-インデックス未登録」を解決する3つの方法
ここからは、「検出-インデックス未登録」の状態を解決するための施策を解説します。
XMLサイトマップを送信する
XMLサイトマップとは、webサイト内のURLや更新頻度、最終更新日などの情報が記述されているファイルのことで、検索エンジンにサイト内のページの情報を伝える役割があります。
XMLサイトマップの作成方法は様々で、手動で作成する方法もあれば、自動生成ツールでの作成方法、WordPressのプラグイン機能(無料)で作成する方法などがあります。Google公式でも、サイトマップの作成方法を解説していますので、気になる方は参考にしてみてください。
XMLサイトマップを作成後、Googleサーチコンソールを使用して送信作業を行いましょう。
Googleサーチコンソールの管理画面にログインし、画面左側中央より「サイトマップ」をクリックします。「新しいサイトマップの追加」という欄が出てくるので、サイトマップのURLを入力し、送信ボタンをクリックで作業は完了です。
XMLサイトマップの送信を行うことによって、サイト内の情報がGoogleに伝達されるため、クロールしてくれる可能性が高まります。
必ずしもインデックス登録がされるとは限りませんが、簡単な作業ですので、インデックス未登録となっている場合は試してみてください。
インデックス登録のリクエストを行う
こちらも「XMLサイトマップを送信する方法」同様、Googleサーチコンソールを利用した対処法です。「検出-インデックス未登録」、「クロール済み-インデックス未登録」どちらの場合にも対処できますので覚えていて損はありません。
リクエストの手順は以下の通りです。
①Googleサーチコンソールの画面を開き、左側上部のURL検査という項目を選択します。その後は、画面上部中央の検索窓にインデックス未登録となっているURLを入力し、Enterキーをクリックします。
②「URLがGoogleに登録されていません」と表示されるので、「インデックス登録をリクエスト」をクリックし、作業は完了です。
Googleウェブマスターツールを使用して、XMLサイトマップを送信する方法は以下の記事で解説しています。
関連記事:ウェブマスターツールでサイトマップ(sitemap.xml)を送信する方法
内部リンクの見直しを行う
クローラーは内部リンクを手がかりにクロール対象の新たなページを発見するので、リンクが貼られていない孤立しているページは、内部リンクを設定してあげることによってインデックス未登録が解消される可能性が高まります。
一方で注意が必要で、関連性の低いページのリンクを貼ってしまうと、Googleからの評価を下げてしまうおそれがあるため、ただやみくもにサイト内のページのリンクを設置することは避けましょう。
Googleは、ユーザーのためになるサイトを評価するので、関係のないリンクが散りばめられているサイトよりも、関連性のあるリンクが貼られ、ユーザーがサイト内の回遊しやすい状態であるサイトのほうが、高く評価される傾向にあります。
ブログ記事のページの下側に「関連記事はこちら」や「この記事を読んだ人はこちらの記事もおすすめ」のようなリンクが貼ってあることを目にする機会があるかと思いますが、内部リンクが最適化されている良い例と言えます。
「検出-インデックス未登録」を事前に防ぐための3つのポイント
「検出-インデックス未登録」になってから、解決方法を実施するよりは、最初からスムーズにインデックス登録されるほうが望ましいですよね?適切なサイト運営を行うことによって、一定「検出-インデックス未登録」となることを防ぐことができます。
どのような点に気をつければ良いのか、注意すべき3つのポイントを解説します。
サイト構造をわかりやすくする
サイト構造とは、webサイト全体の階層やカテゴリ分け、内部リンクなどの構成のことを指します。複雑で分かりづらいサイト構造になってしまっている場合、そもそもクローラーが巡回しづらい環境を作ってしまっているということになりますので、最初のサイト制作の段階でわかりやすいサイト構造にすることを心がけましょう。
また、わかりやすいサイト構造はクローラビリティ(クローラーの巡回のしやすさ)の向上に繋がるだけではなく、ユーザーがサイト内を巡回しやすくなることや、Googleからの評価を高めるなど相乗効果が期待できます。
サイト設計をされる際には以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:コンテンツマーケティングは導線が重要! 種類や設計方法を徹底解説
ページの更新頻度を上げる
クローラーは、全てのwebサイトを同様にクロールするわけではないということをお伝えしましたが、年に数回しか更新されないwebサイトと、毎日更新されるwebサイトであれば、当然常に最新の情報が入ってきたり、インデックス数も豊富な可能性が高い、毎日更新されるwebサイトのほうが巡回頻度は高くなります。
毎日更新されるwebサイトのほうが、最新の情報や知識が豊富な信頼のおけるサイトであるとGoogleからの評価を受けられることにも繋がります。
そのため、ページの更新頻度を上げることによって、クロールがされやすくなり、同時にインデックス登録がされやすくなる可能性も高めることができます。
高品質なコンテンツを作成する
一方で、ただページの更新頻度を上げれば良いかというとそうではなく、高品質なコンテンツを作成しなければ、逆にGoogleからの評価を下げてしまうことになります。
情報量が不足していたり、他のサイトと似たような内容のみでオリジナリティがなかったりすると、Googleから「ユーザーの役に立つサイトではない」と判断されてしまいます。
Googleにクロールする価値のあるサイトだと認識してもらうために、コンテンツの中身を充実させ、webサイト全体の品質を向上させることが重要です。
高品質なコンテンツを作成する他のメリットについては以下の記事で解説しています。
関連記事:コンテンツマーケティングは記事数よりも質が重要! 良質な記事を増やすメリットを解説
まとめ
ここまで、「検出-インデックス未登録」の原因や解決方法についてお伝えしました。「検出-インデックス未登録」となってしまう原因は複数あるため、webサイトの運用担当者の方は、自身のサイトがいずれの原因に該当しているのか、どのような対応を行うことが最適であるのか、本記事を参考に対策してみてください。
また、最も良いのは「検出-インデックス未登録」に該当しないことなので、事前に防ぐ取り組みも実践いただくことを推奨します。
弊社でも、2024年3月のGoogleコアアップデートをきっかけに「インデックス未登録のページが増えてしまった」とお客様からご相談をいただく機会が増えました。
「インデックス未登録」の原因や対策はもちろん、インデックス以外の部分の最新のSEO対策もわかる「3月のコアアップデート対策の総まとめ」をご用意したので、
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「SEO対策で効果が出るまでにどのくらいの時間がかかるのか」というのはよくある質問の1つで、既にSEO対策に取り組まれている方も、なんとなく「長期戦で挑むもの」というイメージを持たれているのではないでしょうか。
確かにSEO対策は今日明日で効果が出るものというわけではないですが、できるだけ早く効果を出すためのコツや戦略はあります。
また、コツや戦略を知っているか知らないかで数か月後、数年後のサイトの流入や売上に大きく影響してきます。
本記事では、SEO対策で効果が出るまでに時間がかかる理由について、Googleの評価システムの仕組みから、少しでも早くSEOの効果を早める方法、SEO対策で効果を出すためのノウハウを解説いたします。
効果が出るまでにかかる時間
「SEO対策は効果が出るまでに時間がかかる」というイメージを持たれている方は多くいらっしゃると思います。実際に効果が出るまでにどのくらい時間がかかるのか、Googleから出されている公式見解も含めて解説していきます。
Google公式の見解
検索エンジンの運営を行っているGoogleは、検索結果への反映にかかる時間と、効果が得られるようになるまでの時間に関してそれぞれ以下の通り見解を示しています。
”変更した結果が Google 側に反映されるまでにはある程度の時間がかかります。数時間かかる変更もあれば、数か月かかる変更もあります。”
参考:Google検索セントラル-ドキュメント(SEOの基礎-検索結果への反映にかかる時間)
”変更に着手してからメリットが得られるようになるまで、通常は 4 か月から 1 年かかります。”
参考:Google検索セントラル-ドキュメント(SEOの基礎-SEOのスタートガイド)
Googleが出している公式の文章から読み解くと、SEOの効果が順位に反映されるまでの期間は非常に範囲が広く語られています。また、いずれもwebサイトの状態については言及せず、新規サイトなのか運営してから数年経っているような既存サイトなのかという事については関係なく期間を示しています。
しかし、SEO対策の効果が出るまでの時間は、新規サイトであるのか、既存サイトであるのかによって大きく異なります。
新規ドメインの場合
あくまでも目安ではありますが、SEOの効果が得られるようになるまで、対策を開始してから最低でも半年〜1年程度はかかるケースが大半です。
新規ドメインの場合は新しくGoogleの検索市場に参入するため、ライバルが多い中、結果を出すには既存ドメインよりも時間がかかる傾向にあるでしょう。
新規に立ち上げたサイトはGoogleに認識されるところからがスタートとなります。更に、立ち上げたばかりのサイトはwebページの数も少ないので、コンテンツを量産し、ユーザーに取って有益なサイトであるとGoogle側に認識されることも必要となります。このように、Googleに評価してもらうために一定の期間が必要となるため、効果が出てくるまでに時間を要します。
既存ドメインの場合
一方で、既存サイトの場合、新たに作成した記事の効果は1ヶ月〜4ヶ月ほどで効果が出てくることが多いです。新規ドメインと異なり、土台づくりは既にできているので、一般的に新規ドメインよりも早く効果を出しやすい傾向にあります。
とは言え、既存のコンテンツがどのくらいあるのか、コンテンツの質がどのくらい高いのかによっても効果が出る早さは異なりますので、サイトを立ち上げてからほとんど更新をしていないというケースは、効果が出るまでに時間を要することになります。
サイトの更新頻度によって変わる
新しく記事を書いても、その記事がすぐに検索結果に反映されるわけではありません。Googleの検索結果に表示されるためには、クローラー(検索エンジンのデータベースを作るための巡回プログラム)にwebページを見つけてもらう必要があります。
クローラーのリソースは限られているため、世の中にあるwebページ全てを、同じペースで巡回しているわけではありません。
クローラーは巡回するwebページの優先順位を予め決めているので、ニュースサイトのように毎日更新されるサイトに関しては、頻繁に巡回しにいきます。反対に、1年に1回しか更新されない個人ブログのようなサイトに関しては、頻繁に情報を取りに行っても更新されていないため、どんどん巡回の頻度が下がってしまいます。
そのため、クローラーに巡回しにきてもらい、検索結果に反映させるためには、サイトの更新頻度が重要になってきます。
時間がかかる原因は?
SEO対策で効果を出すためには、ある程度時間がかかることがイメージいただけたと思いますが、なぜ時間がかかるのか?という疑問に対して複数の要因を解説します。
Googleの評価システムの仕組みのため
先ほど、Googleの検索結果にwebページを表示させるためには、クローラーに巡回してもらうことが必要とお伝えしましたが、実はクロール後、検索結果にすぐに反映されるというわけではありません。webページが検索結果に表示されるためには、クロール後にも、複数の工程を経て、検索結果に表示されることとなります。
クローラーがサイトを巡回して、ユーザーに有益なwebページであると判断された場合、そのwebページがインデックス登録されます。その後、Googleはインデックス登録されたwebページを、ユーザーのニーズに合わせて順位付けを行っています。
検索順位を決定するためのGoogle独自のアルゴリズム要素は、約400ほどあると言われていて、その一つ一つをもとに、分析して順位をつけていくとなると、時間がかかるのもなんとなくイメージできますね。
ドメインオーソリティを上げるのに時間がかかるため
ドメインオーソリティとは、ドメインが外部からどのくらい評価されているのか、どのくらいの強さをもっているのかを表す指標で、海外のSEO会社「Moz社」によって開発されました。サイトのドメインが1〜100までの数値でランク付けされ、数値が大きいほど、ドメインが強く、検索順位にもポジティブな影響が出やすいということを示しています。
ドメインオーソリティは短期間で数値を上げるのは難しく、ドメインを取得してからの年数がどれくらい経過しているか、サイト内に高品質なコンテンツがどれくらいあるかなど、一定の期間運用を行うことが必要になります。そのため、ドメインオーソリティを上げるのにも時間がかかり、結果としてSEOで成果を出すのにも時間がかかってしまうケースがあります。
EEATが与える影響が大きいため
Googleのアルゴリズムの1つに、EEATという指標があります。
EEATとは、それぞれ以下の頭文字から取ったものです。
- E:Experience(経験)
- E:Expertise(専門性)
- A:Authoritativeness(権威性)
- T:Trustworthiness(信頼性)
Googleは、EEATを検索順位決定要素にはしていないとの見解を示していますが、検索品質を保つために、誰が監修しているのか、それはどのような経験に基づいたものであるのか、信頼性のある情報であるのか、などの観点で記事をチェックしています。
参考:Google検索セントラル-ブログ(品質評価ガイドラインの最新情報: E-A-T に Experience の E を追加)
EEATの評価基準が顕著に現れるのが、YMYL(Your Money or Your Life)というのお金や健康に関わるジャンルに関する記事です。
例えば、「右肩 痛い」というキーワードでユーザーが検索をした場合、上位のwebページは病院やクリニックなどの権威者の記事が大半を占めています。Googleはなぜ病院やクリニックなどの記事を検索結果の上位に表示しているかというと、「右肩 痛い」というキーワードを調べた際に、信憑性のない情報ばかりが検索結果の上位に表示されていた場合、ユーザーは誤った対処法を行ってしまう可能性があるためです。
お金や健康に関するジャンルは、人の人生に大きく影響し、場合によっては命に関わる判断にも影響する虞があります。以上のことから、Googleはユーザーのために正しい情報を提供するという観点でEEATを非常に重要視しています。
EEATの評価に関しても、ドメインオーソリティと同じく、すぐに反映されるものではなく、サイト内にどれだけ専門性が高く、内容が網羅的なコンテンツが蓄積されているかということが重要です。そのため、コンテンツがある程度蓄積されてから、評価が与えられることになるので、効果が出るまでに時間がかかります。
SEOの効果
効果が出るまでに一定の時間はかかりますが、SEOの効果は絶大です。また、SEOの効果は多岐にわたりますが以下ではSEOの効果について3つ解説します。
サイトへの流入が増加する
EO対策で検索結果の上位に表示されるようになると、ユーザーの目に触れる回数が増えるので、CTR(クリック率)が向上します。インターネット・マーケティング・ニンジャズ調査結果によると、検索結果1位のCTRが21.12%であるのに対し、検索結果2位のCTRは10.65%となっております。ご自身で特定のキーワードの検索を行う際、何位までのwebページを参照されますでしょうか。多くのユーザーは1ページ目の2〜3件ほどをクリックして、ほしい情報を確認します。そのため、検索結果の2ページ目以降の11位ともなると、CTRは一気に1.46%まで下落してしまいます。1位と11位で比較すると、1位は約14倍の流入数になり、順位がサイトの流入数に与える影響がどれほど大きいか明らかです。
リード獲得(集客)・売上アップになる
先ほど、サイトへの流入が増えるとお伝えしましたが、サイトへの流入が増えるということは、見込み顧客(リード)が増えるということになります。また、webページを見てくれるユーザーが増えれば増えるほど商品やサービスを購買してくれるユーザーも増えるということになるので、売上に繋がる確率が高まります。
SEO対策は、広告と異なり、一度コンテンツを作成すれば、そのコンテンツが営業マンとして働いてくれるので、その後の費用を抑えつつ、見込み顧客を連れてきてもらうことができるという点がメリットの1つです。
ブランドの認知向上が見込める
Googleはユーザーの役に立つコンテンツを上位表示させようとするので、検索結果の上位に表示されると、ユーザーは、Googleが評価をしている信頼のおけるサイトだと認識してくれます。
例えば、「美容液」を販売する企業であれば、美容液を求めているユーザーが調べそうなキーワードに関する記事を量産し、検索結果の上位に表示されるようにします。
ユーザーが調べそうなキーワードを意識して記事を量産することによって、ユーザーの目に触れる回数が増え、『「美容液」といえばここの企業』というように、ユーザーの第一想起に繋げることができ、結果としてブランドの認知向上に繋がっていきます。
早期にサイトへの流入を増やすための施策
SEOの効果が出るまでに一定の時間がかかるというのは事実ですが、実は効果が出るまでの時間を短縮するための方法もいくつか存在します。
時間を短縮するための方法を行えば、確実に効果が出るというわけではありませんが、記事を見てくれるユーザーのためになることを徹底することで、間接的にGoogleからの評価に繋がることが多いです。
良質な記事を書く
良質な記事とは、ユーザーが求めている内容が、どのくらい網羅的に含まれているかということです。
具体的にはどのようなケースが想定されるかというと、「YouTube」というキーワードを文章で説明する際に、使用しないと上手く伝わらないワードって色々あると思います。
例を挙げると「視聴者」「動画」「チャンネル」などのキーワードを含めてあげないと上手くYouTubeのことを説明できませんよね?こういった特定のキーワード(今回はYouTube)に関連するキーワードのことを共起語と呼びます。
Googleもユーザーのニーズがあるwebページを上位に表示するため、しっかりとメインテーマの共起語が使用されていないwebページに関しては上位表示されない可能性が高いです。
関連記事:記事の書き方をマスターして企業ブログ・コラムの効果を最大化:SEO対策のポイントを解説【web担・初心者向け】
インデックス登録のリクエストを行う
先ほど、インデックス登録がされなければ、検索結果に表示されないとお伝えしましたが、クローラーにクロールしてもらうのを待つとなると、サイトによってクローラーが来る頻度が異なったり、クロールされてもインデックス登録がされないという事象が起こります。特にサイトを立ち上げた当初は、Googleに認識されていない可能性が高いので、インデックス登録のリクエストを行うことを推奨します。
インデックス登録のリクエストは、GoogleSearchConsoleのURL検査ツールを利用して、以下の手順で行います。
①Google Search Consoleの左メニューからURL検査を選択し、中央上部の検索窓にインデックス登録をリクエスト行いたいページのURLを入力し、Enterキーをクリックします。
②インデックスが登録されていないページの場合、「URLがGoogleに登録されていません」と表示されるので、「インデックス登録をリクエスト」をクリックします。
ただし、注意してほしいのが、リクエストを行ったからといって必ずしも登録されるわけではないという点です。
リクエストから実際に登録されるまでは、数週間〜1か月ほどかかることもありますのでこまめに確認を行うようにしましょう。
SNSで記事を拡散する
せっかく記事を作成しても、ユーザーに読んでもらえなければ意味がありません。
SNSを活用し、記事を拡散することによって、多くのユーザーに読んでもらえる可能性や、被リンク(他サイトからのリンク)を獲得できる可能性も高まります。また、記事を読んだユーザーが新たに他のユーザーに拡散してくれる可能性があるため、記事の中にX(旧twitter)やfacebookなどの各SNSのシェアボタンを設置することも有効です。
また、被リンクは投票のようなもので、被リンクが多いサイトはそれだけ他からの評価が高いサイトであるとGoogleは認識します。
そのため、被リンクが増えれば増えるほどGoogleからの評価が高まり、上位表示される可能性が期待できます。
SNSを活用した効果的な事例は以下の関連記事でご確認ください。
関連記事:SNSの併用でオウンドメディアの価値が向上! 効果的な活用方法や事例を紹介
ただし、注意点としては、どんなサイトでも被リンクを貰えば良いということではなく、あくまでも関係性のあるサイトや、信頼できるサイトからのリンクが望ましいです。特に「被リンクを買う」という行為は、Googleが嫌う行為のため、やめておいたほうが良いでしょう。
サイト表示を速くする
Googleのユーザーファーストの精神は、webページの表示速度にも影響しています。
ユーザーは、自分が求めている答えを一刻も早く見つけたいと考えているので、検索して、webページにたどり着いても、webページの表示速度が遅いと離脱に繋がってしまう可能性が高いです。
そのため、webページの読み込み速度の速さはGoogleが開示している数少ないアルゴリズムの1つでもあり、非常に重要な指標となっております。
webページの表示速度の確認は、Google公式のPageSpeed Insights(ページスピードインサイト)というツールで行うことができます。
早期に売上に繋げるための施策2選
サイトへの流入を増やすことは重要ですが、流入がそのまま売上に繋がるかというと答えはNOです。
もちろん流入がないと売上に繋がりにくいのは間違いありませんが、売上を伸ばしたい場合には適切な施策をSEOに組み込んでいく必要があります。
正しいキーワード選定をする
正しいキーワード選定のためには、大前提として、ユーザーの検索意図に合ったキーワードを選ぶことが重要です。
例えば「パソコン」と「PC」というキーワード、どちらも同じものを指す言葉ですが、「PC」の月間検索数が20万回なのに対し、「パソコン」というキーワードは月間検索数45万回と2倍以上の差があります。いずれも検索ボリュームの大きいビッグキーワードではありますが、PCとパソコンのどちらのキーワードを狙うかによって、そもそも獲得できる顧客の母数が変わってくるということです。
また、「〇〇とは」や「〇〇の方法」のような知識解決系のキーワードを選ぶか、「〇〇 おすすめ」や「〇〇 ランキング」のような比較検討系のキーワードを選ぶかも戦略的に考えていく必要があります。
「パソコン フリーズ」、「パソコン 寿命」などのキーワードで検索しているユーザーは、既にパソコンを所有していて、問題を解決するための方法について知りたいと思っていることが予想できます。
一方、「パソコン おすすめ」、「パソコン ランキング」などのキーワードで検索しているユーザーは、比較検討段階にいて、パソコンを購入したいと思っている可能性が高いです。
そのため、早期に売上に繋げたいとなれば、後者のような購買に近いユーザーが検索しそうなキーワードで対策を行うことが重要です。
ただし、購買に近いキーワードというのは競合も狙っているキーワードになりますので、その分上位表示させるための難易度が上がるという点は考慮しておく必要があります。
適切なCTAを設置する
例えば、「webデザインとは」というキーワードで調べて、サイトに流入してきたユーザーがいるとします。「webデザインとは」で調べているユーザーに対して、記事の中に「webデザインスクールのお申し込みはこちら」というボタンを設置しても、効果はあまり出ないでしょう。というのも、「webデザインとは」のキーワードで検索しているユーザーは、知識を求めている段階なので、実際に「webデザインを学びたい」という温度感にはなっていない可能性が高いです。
そのため、購入したいと思っているユーザーが検索しそうなキーワード、例えば「webデザイン スクール」、「webデザイン 始め方」などで記事を作成し、そこにお問い合わせボタンや資料のダウンロードボタンを設置することが重要です。
また、記事内でもどこの位置にボタンを設置するかでCTR(クリック率)が大きく異なってくるため、記事を読んでいるユーザーが、一番購入したくなる箇所にお問い合わせボタンや購入ボタンを設置しましょう。
CTA設置後も、ユーザーにクリックされているのか定期的に確認し、設置場所の見直しを行ってください。
SEOは中長期的に取り組むべき施策5選
SEOは早期に流入を増やすための施策や、早期に売上に繋げるための施策だけではなく、時間をかけ、継続して取り組まなければ効果が出てこない施策も多くあります。
ただ、じっくりと取り組んだ分だけSEOの基盤を強くできる部分なので、本気でSEOに取り組んでいる企業は力を入れている内容です。
内部施策を行う(タグ)
クローリングからインデックス登録まで流れを早めてもらうためには、Googleにサイトを正しく認識してもらうことが重要です。webサイト内の情報を正しく素早く認識してもらうために内部構造を最適化させることを内部対策と呼んでいますが、その中でも比較的対策しやすい内容として「HTMLタグの最適な設置」というものがあります。
クローラーは人間と異なり、サイトの全文を一文字ずつ理解するわけではないため、「これがタイトルですよ。」、「これが見出しですよ。」というのをタグを使って教えてあげる必要があります。
例えば、メタディスクリプションの設定をしたり、titleタグやh1タグをテキストで統一して設定したり、h2タグの文字数や内容を調整したり、画像のaltタグに適切な説明が書かれているか確認したり、様々な調整を行うことによってサイト構造の最適化が可能です。
これらの内部対策のタグ調整は地味な作業で、1つ1つが大きなSEO効果を持たないものもありますが、調整する数が多いので全体を通してサイトの改善に繋がるケースも多いです。
内部リンクの最適化を行う
内部リンクを最適化することも、内部施策の一つなのですが、早期に売上に繋げるために重要なポイントになってきます。
内部リンクが適切に設置されていると、検索エンジンがサイトの情報を正しく把握することができるため、クローラビリティ(クローラーがサイト内を巡回し易い状態であるか)が向上し、早期のインデックス登録が見込めます。また、関連性の高いコンテンツの内部リンクが適切に設置されているということは、ユーザーが見たいwebページを回遊しやすくなるということにも繋がりますので、ユーザビリティの観点でも望ましいです。
外部施策を行う
内部施策とは反対に、サイト内で行えない対策、つまり外部サイトで行う対策のことを、外部対策といいます。具体的には「被リンクを獲得する」というのが主な外部対策になっていて、外部サイトに自社サイトへのリンクを貼ってもらう必要があります。Googleは、webページや記事が他社に共有・シェアされているということを高く評価する傾向にあるため、被リンクを獲得することがサイト評価を高めることに繋がります。
つまり、多くのサイトから被リンクを獲得するためには、リンクを張りたいと思ってもらえるような質の高い記事をサイト内に用意することが必要になります。
高品質なコンテンツを量産する
コンテンツマーケティングでは、記事を量産していくことが必要ですが、ただ記事を作れば良いというわけではありません。
検索順位を伸ばすためには、ユーザーの検索意図を満たすコンテンツを作成する必要があります。ユーザーは自分が知らない情報や新しい情報を求めて検索するため、筆者が直接体験したことや、調査や実験などをして得られた情報を求めているケースも多いです。一般的にこういった独自の情報のことを一次情報や独自情報と言います。Googleは、アルゴリズムの多くを開示していませんが、「オリジナルで有用なコンテンツを持つ高品質なサイトが、より上位に表示される」と明言しています。
ただ一点注意が必要なのは、「一次情報が含まれている=高品質なコンテンツ」ということではなく、記事の中にユーザーが必要な一般的な情報が含まれていることが前提で、そのうえで一次情報が含まれているコンテンツが高品質な記事であるといえます。
例えば、SEO対策について解説している記事で個人の経験や感想だけが記述されていたとしても、あくまでその対策のやり方は特定の個人だけに当てはまったものかもしれません。ユーザーは一般的な対策方法についても情報を求めているため、基本的に必要な情報にプラスして個人の見解を載せることで他のサイトとは異なる独自性を出すことができ、上位表示される傾向が高まるということになります。
参考:Google検索セントラル-ブログ(質の高いサイトの作成方法についてのガイダンス)
定期的に記事のリライトを行う
Googleのアルゴリズムは毎日変動し、アップデートを行っていると言われており、Googleはユーザーの役に立つために常に最新の情報を収集し、検索結果に反映しています。そのため、記事を書いてそのまま放置しておくと、現在は検索順位の上位表示ができていたとしても、いつの間にか他の人が書いた新しい記事が自身より上位に表示されているということも起こります。
記事をアップしてからwebページへの流入状況や、サイト内の他のwebページとの関係などを見て、順位が思うように上がっていない場合や、上位表示されているのにクリック率が思わしくない場合は、定期的にリライトを行うことを推奨しております。
SEOの効果測定方法
SEO対策を行うのは大切なことですが、せっかくSEO対策を行っても、そのまま放置してしまったら果たして成功したのか、失敗したのか分かりません。
そのため、SEO対策と定期的な効果測定は必ずセットで実施する必要があります。
ここからは、SEOの効果測定を行う必要性や、実際に行う手順について解説します。
SEOの効果測定とは?
SEOの効果測定とは、SEO対策をした後に、狙ったキーワードで順位が取れているか、サイトへの流入が増えているかなど、対策を行ったことによる効果がどのくらいあるか定期的に効果検証を行うことです。
SEO対策は答えがないものなので、行った対策に対しての結果がうまくいっているのか、そうではないのか、検証ができないとモチベーションの維持や長期的な施策の検討が難しくなってしまいます。
SEOの効果測定を行う手順
①ツールを導入する
手作業で対策結果の推移を確認するのは不可能ではないですが、膨大な時間がかかります。
そのため、まずはツールを導入することをおすすめします。世の中には、気軽に使える無料のツールから有料のツールまで幅広いツールがあるので、自身が計測したい数値が取れるかどうか、使いやすいツールであるかどうかなどの観点から選ぶことを推奨します。
SEOツールについてはこちらの記事もご参照ください。
関連記事「【2024年最新版】SEOツールおすすめ23選! 無料&有料、選定方法も紹介」
②指標を分析する
ある特定の地点の観測を行うだけではなく、期間毎に数値を追えるように指標を取っていきましょう。指標の前後でどのような施策を打っていたのか、その施策が効果的に働いているのか、はたまた逆効果を与えてしまっているのか、因果関係を確認するためです。
また、指標を分析するタイミングを事前に決めていなかったために、つい振り返りが漏れてしまうということも起こりがちです。毎月第何営業日にやるなど、事前に振り返りのスケジュールを決めて定期的に振り返りを行うことをおすすめします。
③コンテンツの改善を行う
現状の指標の分析を行うと、次に取り組まなければならない新たな課題が見えてきます。その課題は短期で改善が図れるものなのか、もしくは長期的に取り組み続ける必要がある施策なのか、優先順位をつけて、実行に移しましょう。
SEOは対策したからといってすぐに効果が出るものではありません。複数の指標の分析とコンテンツの改善を繰り返し行い、改善を図っていくことが重要です。
SEOの効果測定を行うポイント
SEO対策を始める前に、目標立てを行うことが重要です。当たり前のことと思われる方もいるかと思いますが、実は意外に見落とされてしまいがちなことで、いきなりコンテンツの作成から始められる方が結構いらっしゃいます。
SEO対策を行う目標や、目的を達成するまでの期間や道筋が立っていなければ、中々思うような効果が出ず、途中で挫折してしまうケースも少なくありません。
また、目指す方向性が決まっていなければ、効果測定のやりようがありません。
そのため、正しく効果測定を行い、目標達成を図るためにも、事前の計画立てはきちんと行いましょう。
SEOの効果測定におすすめなツール
以下でご紹介する2つのツールは、いずれもGoogleが提供している無料のツールです。
基本的にサイトを運営しているほとんどの方が使用しているツールですので、まずは登録してみてはいかがでしょうか。
Google Analytics 4(旧Google Analytics)
Google Analytics 4(GA4)はGoogleが提供している無料のツールです。
サイトにアクセスした後のユーザーの動きがわかるツールとなっております。
具体的には、リアルタイムで接続しているユーザーの数や、ユーザーの滞在時間、ユーザーの属性など、他にも様々な指標を取ってきてくれます。
Google Search Console
こちらもGoogle Analytics 4と同様に、Googleが提供している無料のツールです。
Google Analytics 4はサイト流入後の分析ができるのに対し、Google Search Consoleはサイトに流入する前のユーザーの動きがわかるツールとなっています。
具体的には、検索順位や表示回数、クリック率(CTR)などの指標がわかるようになります。
プロに相談するのってどうなの?
SEOについて迷った時に「SEOのプロに相談するのってどうなんだろう?」と思われる方もいると思いますが、安易に依頼するというのはあまりおすすめしません。
SEOのコンサルティングを行っている会社への依頼を検討されるのであれば、まず、第一にしっかりと自分たちでできるSEO対策を実行している事が前提になります。
SEOのプロも魔法使いではありませんので、良いアドバイスを受けても、サイト運営者側での愚直な作業が必要なケースが多いです。
ある程度の作業は自社内でも完結して行えると思いますので、まずはできる範囲でSEOの作業を実施して効果を確認してから相談するようにしましょう。
また、プロに相談する前に費用対効果を検討するのも重要なことです。
弊社の記事でも解説していますが、SEOを中心としたコンテンツマーケティングを行う上では売上目標や達成までの期間などを決めて、数字でものを考えることが必要になります。
関連記事「目標売上から逆算して、コンテンツマーケティングで必要な記事数を求める」
計算もせずに「SEOのプロに代行してもらったら売上が伸びるだろう」という考えで取り組んでしまうと費用がかかるだけの結果にもなりかねないため、あらかじめこの辺りのバランスを検討しておく事が大切です。
ただし、プロに相談することはもちろん目標達成への近道になることも多いため、優秀なSEO業者を見極めて依頼できれば、プラスに働くケースもあります。
また、ホームページに事例一覧を掲載している企業も多いですので、どのようなコンテンツ制作を行っているのか、SEOでクライアントを成功させた実績があるのか、事前に確認の上、外注するかどうか判断することを推奨します。
あくまでSEOはサイトを運営する人が主役だということを忘れずに、1つの選択肢としてプロに相談するということを選んでいただくのがおすすめです。
まとめ
本記事では、SEO対策で効果が出るまでにかかる時間と、効果に繋げるために取り組むべき施策を解説しました。
早期に効果を上げるためのSEO対策はありますが、最大限の効果を得るためには中長期的に取り組むことが必要不可欠です。
弊社(株式会社オロパス)が提供しているSEOツール「パスカル」は、分析や作業にかかる時間を短縮するため、効率的なSEO対策を支援してくれます。
また、SEO初心者の方でも使いやすいようにシンプルなUI設計になっているため、自社でSEO対策を始められる際におすすめのツールとなっております。
4日間の無料体験を行っておりますので、実際に「パスカル」を使用されてみたい方は以下より申し込みしてみてください!
SEOの内製化で失敗するポイントを解説します!
既に自社でSEOを対策されている方も、これから内製化していきたいと考えている方も、事前に防げる失敗は避けておきたいですよね?
今まで2000サイト以上をコンサルしてきたからこそわかる、SEO対策を内製化する際のつまずきポイントをお伝えします。SEOを始めるまでの事前の準備の際や、運用を開始した後も思わぬところに落とし穴があります。
今回のウェビナーでは、自社のオウンドメディアを運用している、今後運用したいと考えている方に向けて、「ありがちだけど皆が知らない、SEOの内製化で失敗する3つのポイント」についてお話していきます。
こんな方にお勧め
・自社でSEO対策をしているものの、CVに繋げられていない
・自社で今後SEO対策をやっていきたい
・SEO対策の事前準備や戦略立てについて知りたい
・SEO対策の効果検証方法について知りたい
ウェビナー概要
SEO対策を内製化する企業が増えていますが、やり方がわからなかったり、思うような成果を出せなかったりで途中で挫折してしまうケースも少なくありません。
事前に失敗してしまうポイントを理解しておけば、SEO対策は自社で十分に対策可能です。自社に合った戦略立てを行い、結果に結びつけましょう!
今回のウェビナーでは、SEOを内製化した際にありがちだけど皆が知らない失敗についてお話していきます。
プログラム内容
開催日時 | 2024年8月21日(水) 14:00〜15:00 |
開催場所 | オンライン開催(zoom) |
定員 | 40名 |
参加費 | 無料 |
お問い合わせ先 | 株式会社オロパス セミナー運営チーム 高畠 TEL:011-206-6870 受付時間:平日10:00〜18:00 |
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